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Agent Magica JP Text

Sep 22nd, 2023 (edited)
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  1. FILENAME: text_520110-0.txt
  2. 錦木 千束: 大きな町が動き出す前の静けさが好き 平和で安全、きれいな東京
  3. 錦木 千束: 日本人は規範意識が高くて、優しくて温厚 法治国家日本、首都東京には危険などない
  4. 錦木 千束: 社会を乱す者の存在を許してはならない 存在していたことも許さない 消して、消して、消して綺麗にする
  5. 錦木 千束: 危険は元々無かった
  6. 錦木 千束: 平和は私たち日本人の気質によって 成り立ってるんだ
  7. 錦木 千束: そう思えることが一番の幸せ それを作るのが私たち リコリスの役目…なんだってさ!
  8. カランカラン
  9. 錦木 千束: んん~なんだったんだぁ さっきの…
  10. 井ノ上 たきな: わかりません…とりあえず 楠木司令に報告を…
  11. 錦木 千束: 言っても信じないんじゃない?
  12. 錦木 千束: もしもし楠木さん…あーはい いやーあの、それがですねぇ
  13. 楠木: 「…何?保護対象の少女が消えただと?」
  14. 錦木 千束: そうそう、目の前で パッと消えちゃって…
  15. 錦木 千束: まさか、魔法…とか!?
  16. 井ノ上 たきな: …映画の見過ぎですよ、千束
  17. 錦木 千束: アハハ…冗談だってぇ…
  18. 楠木: 「こちらで確認した映像にも 何かノイズのようなものが走っ…」
  19. 楠木: ブツッ ツー…ツー…
  20. 錦木 千束: あれ、もしもーし もしもしもしもーし
  21. 錦木 千束: 切れちゃった
  22. 井ノ上 たきな: おかしいですね また通信障害でしょうか…
  23. 錦木 千束: まぁ…とりあえず クルミにでも調べてもらう?
  24. 錦木 千束: …って、あちゃー!今日は みんな出かけてるんだった
  25. 井ノ上 たきな: ええ、簡単な任務と聞いてたので みなさんで買出しに
  26. 井ノ上 たきな: 一度、電話してみます
  27. 井ノ上 たきな: 繋がりませんでした
  28. 井ノ上 たきな: ドローンから クルミに信号を送ってみましたが
  29. 井ノ上 たきな: こっちもダメみたいで
  30. 錦木 千束: やっぱ通信障害なんかね? ま、そのうち帰ってくるっしょ
  31. 井ノ上 たきな: ………… あの、おかしくないですか
  32. 錦木 千束: ん?何が?
  33. 井ノ上 たきな: 消えた少女に、切れた通話 クルミにも連絡がつかない
  34. 井ノ上 たきな: それに、さっきから 外の音もいつもと違う気がして
  35. 錦木 千束: そーんな ゾンビ映画みたいな…
  36. 錦木 千束: …………
  37. 錦木 千束: ちょっと様子見に出てみよっか ダイジョブダイジョブ
  38. 錦木 千束: ゾンビいたときの シミュレーションは
  39. 錦木 千束: めっちゃやってるから!
  40. カランカラン
  41. 井ノ上 たきな: …へっ?
  42. 錦木 千束: ここ…
  43. 千束の声: どこぉ!?
  44.  
  45. FILENAME: text_520110-1_IrQve.txt
  46. 錦木 千束: ダメだぁ…やっぱり ぜんっぜん繋がらない
  47. 錦木 千束: …ていうか、たぶんスマホが 使い物になってないかも…
  48. 井ノ上 たきな: 店長も… ミズキさんにも繋がりません
  49. 錦木 千束: 最終手段でフキにまで 連絡したのに…!
  50. 錦木 千束: …ドアを開けたら知らない土地で 繋がらない電話…
  51. 錦木 千束: はっ…もしかして、これって 異世界トリップってヤツ!?
  52. 井ノ上 たきな: …映画の見過ぎです
  53. 井ノ上 たきな: テロや事件の可能性もあります 慎重に状況を確認しましょう
  54. 錦木 千束: んじゃ! とりあえず町を散策しよっか!
  55. 井ノ上 たきな: …状況確認のため、ですよね?
  56. 錦木 千束: もっちろん!
  57. 錦木 千束: おぉ…本当に知らない所だ どこだろうね、ここ
  58. 井ノ上 たきな: 延空木も旧電波塔もない… かなり離れた所のようですね
  59. 井ノ上 たきな: GPSを見てるんですけど 聞いたこともない地名で…
  60. 井ノ上 たきな: “神浜市”…知ってますか?
  61. 錦木 千束: 知らんわぁ…隣の県に行けば 市の名前なんてわかんないしなあ
  62. 井ノ上 たきな: なんか、マップも バグってるみたいなんですよね…
  63. 錦木 千束: …あ、わかった 実は今、VRの中とか!?
  64. 井ノ上 たきな: そんなわけないでしょ… VR機器なんてつけてませんし
  65. 錦木 千束: クルミならやりそうだけどなぁ
  66. 錦木 千束: でもさ、異世界トリップにしては めっちゃ現代っていうか
  67. 錦木 千束: どうせなら、もっとわかりやすく ファンタジーな展開があれば…
  68. 「きゃぁああああっ!」
  69. 錦木 千束: ――っ!?
  70. 井ノ上 たきな: 何か事件でしょうか
  71. 錦木 千束: 行こ!たきな!
  72. 井ノ上 たきな: あそこの屋上…! 人が落ちそうに…!
  73. 錦木 千束: っ…! 急ごう!
  74. ビュン
  75. 錦木 千束: …へ、今…誰か… 女の子が目の前を通ったよね!?
  76. 井ノ上 たきな: 見てください、あそこ!
  77. 錦木 千束: え、あの子もう屋上に!? いくらなんでも早過ぎない!?
  78. 井ノ上 たきな: …追いましょう 普通の人じゃありません
  79. 錦木 千束: うん、色々聞きたいしね
  80. 錦木 千束: あれ、誰もいない…?
  81. 井ノ上 たきな: …な、ここは…!?
  82. ΘΦщ∞∬β§!!
  83. 錦木 千束: うぉっ!?
  84. 錦木 千束: バ、バケモノ…!? やっぱ異世界…
  85. 錦木 千束: てか!やばいやばい! アイツら攻撃してくる!
  86. 井ノ上 たきな: っ…応戦します!
  87. 井ノ上 たきな: そんな…効いてない…!?
  88. 錦木 千束: うぉわ!?あっぶな!
  89. 井ノ上 たきな: !? ギリギリでしたね
  90. 井ノ上 たきな: もしかして、あれ 避けられないんですか?
  91. 錦木 千束: いや、まあ ある程度は読めるんだけど
  92. 錦木 千束: 攻撃の範囲とか動きとか 人と違うから難しいんじゃわ
  93. 井ノ上 たきな: マズいですね…
  94. 錦木 千束: これさ、ワンチャン夢かな~的な 淡い期待があったんだけど
  95. 錦木 千束: もしかして、ガチなあれ!?
  96. 錦木 千束: どっちにしたって やばい状況に変わりないけど…
  97. 井ノ上 たきな: 異世界だかなんだか知りませんが とにかくここから脱出しないと…
  98. ΘΦщβ§∞∬!!
  99. 錦木 千束: あ…これ、やば
  100. 錦木 千束: ねぇ、あ!あれ! さっきの子じゃない!?
  101. 井ノ上 たきな: 確かに…でも 服装が変わっているような…?
  102. フェリシア: これで、トドメだぁああッ!
  103. すー…すー…
  104. フェリシア: ん、こっちは大丈夫そうだな
  105. フェリシア: …てか、いま他に 魔法少女がいたような…
  106. フェリシア: まぁ…そうか 先にあいつらだな
  107. フェリシア: オイ、大丈夫か?
  108. 錦木 千束: はー…………
  109. フェリシア: あ?おい、オマエだぞ 生きてっか?
  110. 錦木 千束: …はっ、さっきの何!? 銃も効かなかったのに
  111. 錦木 千束: どうやってやったの?! 君、めっちゃスゴいね!!
  112. フェリシア: にゃっ!?
  113. 錦木 千束: ギリッギリのところで救出とか ヒーローじゃん!
  114. フェリシア: へ、あ、へへっ、まぁな! でもヒーローじゃねーぞ
  115. フェリシア: まほ…
  116. フェリシア: え?あーそうか… バレちゃまずいのか…えっと…
  117. フェリシア: おい、オマエら! オレはヒーローだぞ!
  118. 錦木 千束: すっげー!生ヒーロー! 初めてホンモノ見た!
  119. 錦木 千束: それなら、ヒーローさん! 私たち、助けてほしいんです!
  120. フェリシア: …あ?
  121. フェリシア: えー…あー …とりあえず、アイツ
  122. フェリシア: なんとかしてからでいいか?
  123.  
  124. FILENAME: text_520110-2_IrQve.txt
  125. 錦木 千束: 喫茶リコリコの外に出た瞬間、異世界?に! そして謎のバケモノに襲われる… なんて大ピンチの私たちを助けてくれたのは 颯爽と現れたヒーローだった!
  126. フェリシア: んで、異世界トリップ? …って、なんだ?
  127. フェリシア: …あー他の世界から 来ちまった…って漫画じゃん!
  128. 錦木 千束: そうそう! かもしんないって感じなんだけど
  129. 井ノ上 たきな: というか、さっきから 誰と話してるんです?
  130. フェリシア: あ、そーか オマエらには見えないのか
  131. フェリシア: …まぁ、妖精…みてーなやつ! あー妖怪?どっちでもいいや
  132. 錦木 千束: ほほう、ヒーローものによくある お助けキャラ的な!
  133. フェリシア: そーそーそれ!
  134. フェリシア: まぁ、ヒーローのオレに 任せとけって!
  135. フェリシア: とりあえず、そのリコリコ? ってとこに行ってみようぜ!
  136. フェリシア: あぁ? ここ、みかづき荘の近くじゃん
  137. 井ノ上 たきな: みかづき荘…?
  138. フェリシア: オレたちが住んでる 家のことだぞ!
  139. 錦木 千束: ヒーローのアジトってこと? いーなー、見てみたいな~
  140. 井ノ上 たきな: …ここです
  141. フェリシア: …なに言ってんだオマエ これが、みかづき荘だぞ
  142. 錦木 千束: え、そうなの!? でも、中は喫茶リコリコなんだよ
  143. フェリシア: はぁ? んなことあるわけねーじゃん
  144. フェリシア: …あ?
  145. フェリシア: …あ?
  146. フェリシア: …あ?
  147. フェリシア: …………
  148. フェリシア: みかづき荘が! なくなっちまった!
  149. 錦木 千束: え、え、どうしよたきな… ヒーロー泣かせちゃったんだけど
  150. 井ノ上 たきな: …ギャン泣きですね
  151. ???の声: あれ、フェリシアちゃん もう帰ってたの?
  152. うい: …って、フェリシアさん 泣いてる…!?どうしたの!?
  153. やちよ: 何があったかわからないけど 近所迷惑になるから中で…
  154. 鶴乃: ほっ? そっちのふたりは?お友だち?
  155. 錦木 千束: いやその、ちょっとそこで 助けていただきまして…
  156. 錦木 千束: えーと、みなさんは ヒーローの…保護者、さん?
  157. うい: …ヒーロー?
  158. フェリシア: それより大変なんだよ! みかづき荘が!
  159. やちよ: …みかづき荘が、ない…
  160. いろは: 中身だけ 別の部屋になってるなんて…
  161. うい: おしゃれなカフェ…のようだけど えっと…どういうこと…?
  162. フェリシア: 今日からオレたち どこで寝たらいいんだよ!!
  163. 鶴乃: 待って待って、宿題! みかづき荘に置きっぱだ!
  164. やちよ: …と、とりあえず 落ち着きましょう…
  165. やちよ: 嘆いてもみかづき荘が 帰ってくるわけじゃないわ…
  166. やちよ: 立ち話もなんだから…
  167. 錦木 千束: えーっと…入ります? って、私たちがお邪魔する側?
  168. やちよ: 何があるかわからないし 一度、場所を変えましょう
  169. 井ノ上 たきな: どこへ行くんです?
  170. やちよ: …………こういう話なら “調整屋”がいいかもしれないわ
  171. みたま: いらっしゃ~い♪ 調整屋さんへようこそ~
  172. みたま: …って、あら見ない顔ね 新人さん…でもなさそうだし
  173. 錦木 千束: あはは…ども~… 異世界人カッコ仮です~
  174. みたま: みかづき荘と異世界の喫茶店で 中身が入れ替わった…?
  175. 十七夜: ふむ…訳が分からん 漫画みたいな話だな
  176. みたま: 魔力の反応もないし ふたりは魔法少女じゃないわよね
  177. 十七夜: テレパシーで声をかけても 反応なし…間違いなさそうだな
  178. やちよ: とはいえ、ついこの間まで マギウスの翼と戦っていたから
  179. やちよ: 知らない演技をしているとか どうしても警戒しちゃうわね…
  180. フェリシア: さなのこと見えてねーみたいだし さすがに魔法少女じゃないだろ
  181. 鶴乃: フェリシア、他になんか 気になったことない?
  182. フェリシア: あー、そういえば あのまま魔女と戦ってた
  183. フェリシア: 魔法少女じゃないのに 珍しいっつーかタフだよな
  184. うい: え、生身で戦ってたの…!?
  185. いろは: 普通の子じゃないのかな…?
  186. フェリシア: 銃も持ってたぞ あんま効いてなかったけどな
  187. やちよ: なっ…!?
  188.  
  189. FILENAME: text_520110-3_IrQve.txt
  190. 錦木 千束: 喫茶リコリコが入れ替わっちゃったのは みかづき荘…という場所みたいで 私たちは、そこに住んでいる子たちに連れられて 調整屋というお店?みたいなところに来ていた
  191. 錦木 千束: ねね、たきな なんか、みんな黙っちゃったよ
  192. 井ノ上 たきな: …ええ、というかこんなところ ついてきて良かったんでしょうか
  193. 井ノ上 たきな: 黒幕がこの人たち… ということもありえますし
  194. 井ノ上 たきな: いいように、アジトへ 連れてこられたのかもしれません
  195. 錦木 千束: えーだってあの子 私たちを助けてくれたじゃーん
  196. 井ノ上 たきな: それは…そうですけど 信用するには早いですよ
  197. 錦木 千束: もしかしてー、ヒーローが 集まる秘密の場所だったり…
  198. 十七夜: …すまないが、君たちの 素性を聞いても構わないか
  199. 錦木 千束: うん、喫茶リコリコの看板娘 錦木千束っで~す!
  200. 井ノ上 たきな: …同じく喫茶リコリコの従業員 井ノ上たきな…です
  201. 十七夜: …真実か否か その心に聞かせてもらおう
  202. 錦木 千束: …へ?
  203. 十七夜: ………… ふむ、本当ではあるらしいな
  204. 十七夜: …だが、リコリス というのはなんだ…?
  205. 井ノ上 たきな: あなた、いったい何を…!
  206. 十七夜: 心を読ませてもらった
  207. 十七夜: こちらも銃を所持している人間を そう易々と信用できんのでな
  208. 井ノ上 たきな: くっ…!
  209. パシュッ
  210. 十七夜の声: な、なんだこれは…! ワイヤーか…!?
  211. 錦木 千束: ちょいちょいたきな! 何いきなり拘束してんの!?
  212. 井ノ上 たきな: リコリスを知られました このままというわけには…!
  213. やちよ: そこまでよ
  214. 井ノ上 たきな: は…いつの間に
  215. 錦木 千束: うわ…すごい気迫 手とか、上げといた方がいい?
  216. 井ノ上 たきな: 千束…この人たち かなりの手練れです
  217. やちよ: それに気づくあたりあなたたちも ただ者ではないわよね
  218. やちよ: …というか、そんな捕縛器具を 持ってるなんて、何者なの
  219. …………
  220. 錦木 千束: ちょ、ちょっとタンマ!
  221. やちよ: まだなにかする気?
  222. 錦木 千束: いやいやいや! 私たち、敵意はなくって…!
  223. 錦木 千束: たきなは真面目すぎると言うか… そのぉ、手が早いと言うか…
  224. 井ノ上 たきな: 千束がやらないからですよ
  225. 錦木 千束: ちょっとややこしくなるから たきなは一回黙ってて!
  226. 錦木 千束: …私たち、ここに 迷い込んじゃっただけで…!
  227. 錦木 千束: リコリスは 悪の組織ではないんです!
  228. 錦木 千束: たぶん!
  229. みたま: …どう、十七夜?
  230. 十七夜: …うむ、本心のようだな
  231. やちよ: …じゃあ、改めて 話を聞かせてもらえるかしら
  232. やちよ: その、リコリスについて
  233. 錦木 千束: …………
  234. 錦木 千束: いくらヒーロー相手でも 簡単には教えられないんだよね
  235. 錦木 千束: 心を読むとか不思議な力で ケンカ売ってきたのはそっちだし
  236. 錦木 千束: 先に、あなたたちのことを 教えてほしいかな
  237. 錦木 千束: さっきの力とか…お姉さんたちも 割とでっかい秘密…あるでしょ?
  238. 錦木 千束: やっぱさ 対等な関係で話したいじゃん?
  239. やちよ: …警戒からとは言え 確かに不平等だったわね
  240. やちよ: わかった 私たちの秘密も教える
  241. 錦木 千束: やっぱり、ヒーローとか 秘密結社とか…そんな感じ?
  242. やちよ: それは、少し違うわ
  243. やちよ: 私たちは、魔法少女
  244. やちよ: 願いをひとつ叶える代わりに 魔女と戦う使命を背負った存在
  245. 十七夜: ちなみに、心を読むのは 自分の専売特許だ
  246. 錦木 千束: 魔法少女…!
  247. 井ノ上 たきな: 魔女…ってことは、もしかして さっき会ったバケモノも…
  248. フェリシア: …まぁ、そんなとこだな
  249. いろは: 魔女のせいで犯罪や事故が 起きたりもするから
  250. いろは: それを防ぐために 魔女を倒してるの
  251. うい: みんなには 内緒なんだけどね
  252. 錦木 千束: それじゃあ、私たちと ちょっとだけ似てるかも
  253. フェリシア: ほら、こっちは教えたんだから 次はそっちの番だぞ
  254. 錦木 千束: あー…本当に言わなきゃダメ?
  255. 錦木 千束: 多分、知っちゃったら あなたたちも危ないんだけど…
  256. 十七夜: 言えないようなら、まるっと 心を読んでやってもいいが
  257. 錦木 千束: いやいやいや! それはなんか恥ずかしいし勘弁!
  258. 錦木 千束: んんん…まぁ…そうだよね
  259. 錦木 千束: 秘密教えてもらったし… 魔女…からも助けてもらったし
  260. 井ノ上 たきな: …言うつもりですか?
  261. 錦木 千束: うーん…しゃーない!
  262. 錦木 千束: その通り、私たちはリコリス!
  263. フェリシア: んで、リコリスってなんなんだ?
  264. 井ノ上 たきな: 独立治安維持組織 「DA」に所属する
  265. 井ノ上 たきな: 公的機密組織のエージェントです
  266. 井ノ上 たきな: 国の治安と秩序を守るため 事件や事故が起こる前に
  267. 井ノ上 たきな: 人知れず、犯罪者や テロリストを処分してます
  268. 錦木 千束: …DAのことまで言うとは…
  269. 井ノ上 たきな: えっ…だって千束が 言うって…
  270. 錦木 千束: いやぁ…ちょっとくらい フェイク入れるとかなんとか…
  271. 井ノ上 たきな: それなら、そうと 先に言ってください…!
  272. 錦木 千束: まぁー…そんな感じで!
  273. 錦木 千束: 誰も知らない間に 社会を乱す存在を消して
  274. 錦木 千束: みんなの住んでるところが 平和で安全な街だって思わせる
  275. 錦木 千束: それが 私たちリコリスの役目ってこと!
  276. いろは: 国を守る公的機密組織の エージェント…
  277. うい: 犯罪を未然に防いでる… 確かにちょっと似てるかも!
  278. 鶴乃: 学生服で拳銃を持って戦うとか なんか、なんかすごい!
  279. 井ノ上 たきな: この衣装が、一番 警戒されにくいんです
  280. 錦木 千束: 制服は都会の迷彩服ってわけ
  281. フェリシア: 映画みたいでかっけーじゃん!
  282. 錦木 千束: でっしょ~!
  283. 錦木 千束: って言っても、喫茶リコリコは 個人のためのリコリス、だけどね
  284. みたま: 個人のための?
  285. 錦木 千束: そう、困ってる人を助けるの! 保育園のお手伝いだってするし
  286. 錦木 千束: 外国語の先生とか ボディガードだってするよ~
  287. 錦木 千束: DAの支部ではあるんだけど まぁなんか、例外…的な?
  288. 錦木 千束: ただ、秘密のためなら ナンデモやっちゃう
  289. 錦木 千束: ヤバイ組織だから… 皆、内緒にしててね
  290. やちよ: えぇ…あなたの言う通り 知ったこっちが危険そうだもの…
  291. いろは: えっと…じゃあ、お互いに 秘密を共有できたということで
  292. うい: 仲直り…かな?
  293. 井ノ上 たきな: …はい、さっきはいきなり 攻撃してしまい、すみません
  294. 十七夜: いや、こちらも不躾に 心を読んですまなかった
  295. みたま: 銃を持ってるなんて聞いたから 警戒しちゃって
  296. 錦木 千束: アハハ… そりゃそうですよね…
  297. やちよ: …それで、あなたたちが 異世界から来たのだとして…
  298. やちよ: やっぱり 元の世界に帰りたいわよね
  299. 井ノ上 たきな: はいっ!
  300. やちよ: あなたたちにとっても きっと、そうであるように
  301. やちよ: 私たちにとっても みかづき荘は大事な場所なの
  302. 鶴乃: だから、ここはお互い居場所を 取り戻すために協力し合わない?
  303. 錦木 千束: うん、いいよねたきな!
  304. 井ノ上 たきな: はい、よろしくお願いします
  305. いろは: じゃあ…私たちは みかづき荘を取り戻すために
  306. 錦木 千束: 私たちは、喫茶リコリコと一緒に 元の世界へ帰るために!
  307. やちよ: 共同戦線を張りましょう
  308. やちよ: 改めて、私は七海やちよ よろしくね
  309. 錦木 千束: 錦木千束です! よっろしくー!
  310. 井ノ上 たきな: …井ノ上たきなです よろしくお願いします
  311.  
  312. FILENAME: text_520110-4_IrQve.txt
  313. 錦木 千束: 心を読まれて、リコリスってことがバレたり… 一触即発の雰囲気だったけど なんとか潔白を証明できた私たちは やちよさんたちと一緒に 居場所を取り戻す共同戦線を張ることになった!
  314. 錦木 千束: じゃー、とりあえず 自己紹介も終わったことだけど
  315. 錦木 千束: 帰る方法って どうやって探すの?
  316. 鶴乃: まず、ふたりがこっちに 来たときのことを聞きたいかも
  317. うい: うん、何かあるとしたら きっとそのときだもんね!
  318. 井ノ上 たきな: …わかりました 私から説明します
  319. 井ノ上 たきな: 「ことの始まりは今から数時間前… 私たちは、DAからの指令で テロリストに監禁されている とある少女の保護に向かっていました」
  320. 井ノ上 たきな: 「私たちが現場へ到着したときには 他のリコリスによってテロリストの 主犯格は処理されていたので 残すは少女の保護のみだったのですが」
  321. 井ノ上 たきな: 「少女が、忽然と姿を消してしまい… 任務失敗として喫茶リコリコに帰還したところ 次に店を出たときには、ここへ…」
  322. やちよ: 少女が消えた…ね その前後に何か変わったことは?
  323. 錦木 千束: 楠木さん…DA本部の人と 電話してたんですけど急に切れて
  324. 井ノ上 たきな: …あと よくあることではありますが
  325. 井ノ上 たきな: 現場では保護対象の泣き叫ぶ声が 聞こえていました
  326. いろは: それは、怖くて…とかですか?
  327. 錦木 千束: どうだろ…どっちかというと テロリストが殺されて…かも
  328. うい: え…どうして? その人に捕まってたんだよね?
  329. 井ノ上 たきな: 報告によれば保護対象は 監禁されて長かったようなので
  330. 井ノ上 たきな: 犯人に対して好意的な感情を 抱いていたのかもしれません
  331. 鶴乃: ストックホルム症候群…だっけ 聞いたことがあるよ
  332. 井ノ上 たきな: はい…だからこそ、保護した上で 適切なフォローが必要でした
  333. 錦木 千束: 私たちが先に着いていれば 犯人も殺さず確保してたんだけど
  334. 錦木 千束: …そういえば 魔法で急に人が消えることって
  335. 錦木 千束: こっちの世界ではよくあるの?
  336. 十七夜: …君たちがここに来たのも含めて ありえないことではないな
  337. みたま: そうね、こっちの世界で何か 原因がないか探った方がいいかも
  338. 鶴乃: ちなみに、今も電話とかは 繋がらないんだよね?
  339. 井ノ上 たきな: はい、何度か試してますが ドローンから信号も送れません
  340. うい: ドローンってそれ? かっこいいね…!
  341. 錦木 千束: でしょ、うちの コンピューターの人が作ったんだ
  342. 錦木 千束: 本当なら 持ち主がドローンを通して
  343. 錦木 千束: こっちをモニターできる はずなんだけどね…
  344. みたま: 通信周りの問題か、もしくは 魔女やうわさの類が原因かしら
  345. 井ノ上 たきな: …魔女ってさっきの敵ですよね うわさって…噂ですか…?
  346. 鶴乃: この神浜市では、ちょっと前まで 都市伝説が本当になってたんだよ
  347. 錦木 千束: またファンタジー!
  348. いろは: 今は、もうないはずなんだけど… それがうわさって呼ばれてたんだ
  349. やちよ: もし、うわさ関連なら 柊さんへ聞きに行くのが早いわ
  350. やちよ: 確か、今日ならみふゆも ふたりと一緒にいるはずね
  351. うい: 機械の話なら、灯花ちゃんが 詳しいと思うし、それが良さそう
  352. 錦木 千束: えっと、その人たちって…?
  353. 十七夜: 天才のおガキ様たちと… 七海が昔組んでた魔法少女だ
  354. 井ノ上 たきな: この先にいるんですか? その、天才の人たち
  355. いろは: はい、最近は電波望遠鏡の方に いることが多くて…
  356. いろは: …あ
  357. やちよ: いろは、今の…
  358. いろは: はい…
  359. フェリシア: あ?どうしたんだよ
  360. やちよ: …あの子、数日前に魔女の 結界から助けた子なのよ
  361. フェリシア: 魔法少女じゃねーやつか じゃあ、良かったじゃん
  362. いろは: それが…あの子と一緒に 魔法少女の子が居たんだけど
  363. うっ…ァアアアアアア!
  364. 先輩!先輩…っ! いや…いやぁああ!
  365. 鶴乃: わたしたちが着いたときには もう、魔女に…
  366. フェリシア: あ? …ドッペルじゃなくてか?
  367. やちよ: 神浜市外だったのよ… もう少し、早ければ…
  368. 井ノ上 たきな: …みなさん、どうかしました? ずっと黙ってるみたいですけど
  369. やちよ: …いえ、なんでもないわ 先を急ぎましょう
  370. みふゆ: 千束さんも、たきなさんも 大変でしたね…
  371. ねむ: 異世界トリップ…というと これは、灯花の分野かな?
  372. 灯花: それより、ねむのうわさを 疑った方がいいんじゃないのー?
  373. ねむ: 今回の一件を実現するような うわさを作った覚えはないよ
  374. ねむ: …ただ、断定できないから 調べる必要はあると思うけどね
  375. 灯花: じゃあ、みかづき荘に行って 調査だねー
  376. ねむ: …特に、うわさの影響が あるようには見えないね
  377. 灯花: それにしても、この状況は すごく興味深いよ
  378. 灯花: 間取りも違うみかづき荘に 別の建物が入ってるんだもん
  379. 灯花: 物理の法則を無視してるなんて ちょっとワクワクしちゃうにゃー
  380. 灯花: あ、そうだ!通信についても 気になるって言ってたよね
  381. 井ノ上 たきな: あ、はい…これなんですけど
  382. ねむ: へぇ…よくできたドローンだね これは君達の仲間が作ったのかな
  383. 錦木 千束: うん!クルミ… うちのコンピューターの人!
  384. 錦木 千束: 天才ハッカーってヤツ?
  385. 灯花: ふーん…これを直せばクルミ っていう天才と話せるの?
  386. 錦木 千束: 繋がるとは思うけど… これ話せるっけ…
  387. 灯花: くふっ、ねむ わたくし良い考えがあるんだけど
  388. やちよ: …ちょっと待ちなさい 危ないことじゃないわよね
  389. 灯花: 異世界間で場所が入れ替わるより 危険なことなんてそうないよー
  390. みふゆ: それはそうですけど…
  391. 灯花: ねぇ、ねむはもう新しく うわさを作るのは無理なんだよね
  392. ねむ: そうだね、作ったら 死ぬ可能性すらある
  393. 灯花: それなら、既にあるうわさの力を ここにあるものへ合成するのは?
  394. ねむ: 程度によっては 不可能ではないけど…まさか
  395. 灯花: 危険性があるからってお蔵に していたうわさがあるでしょ?
  396. ねむ: …異世界電話のウワサ、だね
  397. ねむ: …確かに、あのウワサなら このドローンと繋げるかも…
  398. ねむ: それに異世界の天才と 話すことだって…
  399. いろは: 大丈夫なの…?
  400. ねむ: …むふっ、灯花も同じだろうけど 僕も別世界の天才に興味がある
  401. ねむ: 異世界と電話を繋げるか やってみる価値は大いにあるよ
  402. ねむ: …ふぅ、これでどうかな?
  403. 錦木 千束: マジ!? 直ったの!?
  404. 灯花: うわさの内容…都市伝説の内容を ほんの少しだけ書き換えて
  405. 灯花: ドローンを異世界電話にした って感じかにゃ
  406. ねむ: じゃあ千束 ドローンを動かしてもらえるかな
  407. 錦木 千束: わかった!
  408. …………ピッ
  409. クルミ: 「…お?お!やっと繋がったか! ん?こっちの声が聞こえているのか? 千束、たきな、どこにいるんだ! 喫茶リコリコが大変なんだよ!」
  410. 錦木 千束: クルミぃぃぃ! いま異世界~~!
  411. クルミ: 「はぁ!?バカ言うな! そんな非現実的なことあってたまるか」
  412. 錦木 千束: あったんだなそれが…
  413. 錦木 千束: それより 喫茶リコリコが大変って…
  414. クルミ: 「喫茶リコリコが知らない部屋になってる 今から映像を送るから見てみろ」
  415. クルミ: 「このザマだ」
  416. やちよ: ザマとは失礼ね それは私たちの家よ
  417. クルミ: 「はぁ、いったいどういうこと …っていうか、お前ら誰だ?」
  418. 錦木 千束: それがさ、こっちに 喫茶リコリコの中身があるんだよ
  419. やちよ: …そして、私たちは魔法少女 リコリス…と似た存在かもね
  420. クルミ: 「あー…もしかして、ボクは今 とてつもなく面倒なことに巻き込まれたのか?」
  421. 灯花: くふっ それじゃあ天才ハッカーさん
  422. 灯花: 一緒に議論しよーよ
  423.  
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  425. 錦木 千束: 灯花ちゃんたちの力によってクルミと 連絡が取り合えるようになった私たちは 早速、天才3人で状況を整理してもらうことに
  426. クルミ: 「要するに、喫茶リコリコと そっちのみかづき荘ってとこが入れ替わったと… しかも、異世界間で…信じたくないな」
  427. 灯花: でも、クルミの世界に 神浜市はないんだよねー?
  428. 灯花: 自分の常識でしか 物事を見られないだなんて
  429. 灯花: 天才って聞いた割には 期待はずれだにゃ~
  430. クルミ: 「ボクは電脳戦専門だから お前らみたいなのとはジャンルが違うんだ」
  431. クルミ: 「でもまあ、お前らの住む神浜市がない以外にも こっちとそっちじゃ異なる点が多すぎる… 異世界トリップなんて信じたくはないんだが それ以外、この現象に説明がつかない…」
  432. 錦木 千束: え、あ マジで異世界トリップ!?
  433. 井ノ上 たきな: …千束はそうだって ずっと言ってたじゃないですか
  434. 錦木 千束: だったら面白いとは思ったけど ガチって言われるとそれはそれで
  435. 灯花: とは言え、宇宙については 未知なことが多いから
  436. 灯花: わたくしたちでも 恐らく…としか言えないけどねー
  437. 井ノ上 たきな: …帰れるんでしょうか、私たち
  438. 灯花: うーん クルミはどう思う?
  439. クルミ: 「うわさとやらの力は借りたが電波は通じたんだ 灯花とねむ、それからボク… 3人が力を合わせれば もしかしたらなんとかなるかもな」
  440. 灯花: くふっ、だってさーねむ
  441. ねむ: 僕も同意見だよ…むふっ
  442. ねむ: では、早速だけど 君達に調べてほしいことがある
  443. 錦木 千束: うっひょ~! 私たち普通の学生じゃん!
  444. 井ノ上 たきな: …遊びに来たんじゃありませんよ あくまで調査なんですから
  445. 錦木 千束: んもう、つれないなぁ たきなちゃんはぁ~
  446. いろは: それにしてもすごいよね クルミちゃん…
  447. うい: うん…ハッキング?でふたりを 入学させちゃったんだもん
  448. ねむ: では、早速だけど 君達に調べてほしいことがある
  449. ねむ: この手の問題は大概 うわさが絡んでいるんだ
  450. ねむ: 具現化したものはないはずだけど 確実にないとは言い切れない
  451. ねむ: そこで、みんなには 聞き込み調査をしてきてほしい
  452. 井ノ上 たきな: 調査…ですか、いいですけど 意外と古典的なんですね
  453. 錦木 千束: せっかくDAの監視がないなら 楽しく調査がしたいよねー
  454. 錦木 千束: たとえば… 学校への潜入捜査とか!
  455. 井ノ上 たきな: 千束…遊んでる場合じゃ…
  456. ねむ: いいや、調査対象がうわさなら 学校への潜入は良い選択だよ
  457. 井ノ上 たきな: え
  458. 灯花: うわさの内容は、その特性上 若者に集まる傾向があるからね
  459. 井ノ上 たきな: そうは言っても潜入なんて DAの力もないし簡単には…
  460. クルミ: 「おっし、いろはたちが通っている 神浜市立大附属なら 数日限定で2名、入学可能だぞ」
  461. ねむ: …いったい何をやったのかな
  462. クルミ: 「ふふん、企業秘密だよーっと 言ったろ、お前らとは別ジャンルの“天才”って 心配しなくても、人に害は与えてないし 後処理も上手くやるから安心していいぞ」
  463. 錦木 千束: よっしゃ~~! 夢の学園生活だーい!
  464. うい: じゃあ、わたしはこっちだから もう行くね!
  465. 鶴乃: わたしも! また放課後に集まろう!
  466. いろは: ふたりは私と同じクラスだから 一緒に行きましょうか
  467. 錦木 千束: おっけー! 高校生活楽しみ~!
  468. いろは: え…あの…私たち 中学生ですよ…?
  469. 錦木 千束: えぇ!?いろはちゃんって 高校生じゃなかったの!?
  470. 錦木 千束: …てことは、私たち 華のJKになれないってこと!?
  471. クルミ: 「都合つくのが中等部しかなかったんだよ まぁ、精神年齢的には同じようなもんだろ お前らは、いろはにお守してもらえ」
  472. 錦木 千束: さすがに 無理ある気がするけどな~
  473. 井ノ上 たきな: …そういえば クルミも見えてるんですよね
  474. クルミ: 「あぁ、お前らがつけてる小型通信機があれば 遠くからでもある程度は会話できるし こっちから映像も見えてるから 多少のフォローは入れられるはずだ」
  475. クルミ: 「とは言え、そんなに必要ないだろうから ボクは基本的に灯花たちと通話をつないで 他に帰る方法を探しておくつもりだ」
  476. 錦木 千束: ありがと、クルミ! てか先生たちは元気?
  477. クルミ: 「ん?…あぁ、コーヒーが淹れられないせいか お前らがいないせいかわからないが いつもより元気がない気はするな まー、ミズキは特に変わりない」
  478. 錦木 千束: えー何ぃ? 先生ったら千束が恋しいんだ
  479. クルミ: 「恋しがってると言えば、喫茶リコリコも 開店できないから客たちが悲しんでるぞ 原稿が進まないって漫画家も嘆いてたな」
  480. クルミ: 「あと、DAには異世界なんて言っても 余計にややこしくなるからってミカが うまいことごまかしてはいるみたいだが さみしそうなアイツらのためにも早く帰る方法を 見つけてやるんだな」
  481. 錦木 千束: わかってるって~
  482. いろは: …ミカさんって?
  483. 錦木 千束: 喫茶リコリコの店長で んー、保護者みたいな感じ?
  484. いろは: じゃあ、みかづき荘で言えば やちよさんみたいな…?
  485. 錦木 千束: …いやあ、それ言ったら やちよさんに叱られると思うよ
  486. 錦木 千束: 先生 名前で勘違いされがちだけど
  487. 錦木 千束: オッチャンだから
  488. いろは: え、あ…てっきり女の人かと!
  489. 錦木 千束: んふふ、やっぱり?
  490. 井ノ上 たきな: とりあえず、行きましょうか千束 いろはさんも、お願いします
  491. いろは: あ、はい!千束さん、たきなさん よろしくお願いします!
  492. 錦木 千束: ノンノンノン!敬語はいらないよ ほら、同級生なんだしさ!
  493. いろは: はい…じゃなくて、うん!
  494. 錦木 千束: よろしい~~! じゃ、行くぜ!潜入捜査!
  495.  
  496. FILENAME: text_520110-6_IrQve.txt
  497. 錦木 千束: 元の世界へ帰るために必要なのは 聞き取り調査…ってことで 私たちは学校への潜入捜査で憧れの転校生体験!
  498. では、自己紹介をお願いします
  499. 井ノ上 たきな: 井ノ上たきなです よろしくお願いします
  500. 錦木 千束: 錦木千束です! 仲良くしてね~!
  501. 錦木 千束: あとあと、噂話が好きだから 何かあったら教えて!
  502. レナ: ふ~ん、アンタたちが うわさについて調べてる人?
  503. いろは: うん、連絡網で伝えた 千束さんとたきなさん
  504. 錦木 千束: えーと…ってことは そちらも魔法少女の方?
  505. レナ: そう、レナもうわさには いろいろ迷惑かけられたのよ
  506. レナ: …で、元の世界へ帰るために うわさについて調べてるのよね?
  507. レナ: なんかわかったの?
  508. いろは: 高等部の方は鶴乃ちゃんたちに お願いしてるから
  509. いろは: 私たちは、これから中等部を 中心に回ろうかと思って
  510. レナ: ふーん…
  511. 錦木 千束: じゃ、一緒に聞き込み行こっか レナちゃん!
  512. レナ: は? いや、レナは…!
  513. 相野 みと: あれれ うわさってもう出ないんじゃ?
  514. 伊吹 れいら: あ、普通の噂話でもいいの? なんかあったっけ…
  515. 桑水 せいか: …あ、そういえば 聞いたことがあるかも…
  516. 五十鈴 れん: 「…確か、神浜市の外の話だって 梨花ちゃんたちが…言ってた…ような…」
  517. 木崎 衣美里: 「あーし、それ知ってるよ! 魔法少女ん中でちょっと話題になってっから! なんか、ある手順を踏むと 異世界に行けちゃうかもなんだって! マジでめっちゃヤバくない!?」
  518. 夏目 かこ: 「黄昏時、どこかにある屋上の扉を開くと その先には別世界が広がっているらしいです …そんな物語みたいなこと 本当にあるんでしょうか?」
  519. ももこ: おーい、いろはちゃーん レナーっ!
  520. ももこ: あれ、かえでもいたんだ
  521. かえで: 途中でレナちゃんにつかまって 一緒に回ってたんだぁ…
  522. かえで: レナちゃん、人見知りだから
  523. レナ: うっさいわね!
  524. ももこ: アハハ… で、キミたちが例の…?
  525. 井ノ上 たきな: はい、ももこさん…ですよね ご協力ありがとうございます
  526. ももこ: いいのいいの! それより、そっちはどうだった?
  527. 鶴乃: 異世界に繋がる屋上の噂… こっちと同じだね
  528. 錦木 千束: 私たちも そこから来たってこと?
  529. レナ: さあ、関係あるかは まだわかんないわよね
  530. ももこ: と言うか、肝心の屋上がある 場所がわかんないんだよな
  531. 錦木 千束: そうそう、それなのよー… 市外の話ってとこまでで…
  532. 井ノ上 たきな: …困りましたね 片っ端から屋上に行きます?
  533. 錦木 千束: そんなのやってらんないって!
  534. 錦木 千束: だからさ、放課後も 聞き込み調査しようよ!
  535. 井ノ上 たきな: …………それ 千束がしたいだけですよね
  536. 錦木 千束: やりたいこと最優先! だからね~ふふふ
  537. 井ノ上 たきな: …まったく 仕方ないですね
  538. 錦木 千束: だって~せっかく異世界に 来たんだから観光もしたいし
  539. 錦木 千束: あ、いろはちゃんたちは 悪いしつき合わなくていいよ
  540. いろは: えっ… でも、道とか大丈夫…?
  541. 錦木 千束: 私たちにはクルミもいるし なんとかなるなる!
  542. クルミ: 「ああ、道案内くらいヨユーだよ」
  543. いろは: うーん…でも、また魔女に 襲われたりしたら大変だし
  544. 鶴乃: じゃあ、わたしがふたりに ついていくよ!
  545. 井ノ上 たきな: そんな…千束の気まぐれに つき合わせるわけには…
  546. かえで: でも、魔法少女にも話を聞くなら 顔見知りが居た方がいいと思う…
  547. ももこ: うわさについて聞いて回るなんて 警戒されちゃうだろうからね
  548. 井ノ上 たきな: …確かに、一理あります
  549. 鶴乃: じゃあ、そういうことで!
  550. 鶴乃: いろはちゃんたちは、ねむに うわさのことを聞いといて!
  551. 鶴乃: 市外の屋上らしいから、うわさは 関係ないかもだけど…念のためね
  552. いろは: うん…! わかった!
  553. ももこ: アタシらも、いろいろと 聞いて回っておくよ
  554. 錦木 千束: ありがとう!ちょー助かる! じゃあ、行こ!鶴乃ちゃん!
  555. いろは: あ、ちょっと待って!
  556. いろは: うわさは神浜市特有のものだから 市外に出ないと思ってたんだけど
  557. いろは: もしも、出ることになったら 注意して欲しいことがあるんだ…
  558.  
  559. FILENAME: text_520110-7_IrQve.txt
  560. 錦木 千束: 噂になっている屋上の場所を探すべく それから、もう少し学生気分を味わいつつ 異世界観光をするべく… 放課後にも聞き込み調査をすることになった 私たちだったけど
  561. 錦木 千束: ねむちゃんのうわさはこの件に関係なかったりと 調査は思ったよりも難航して この世界に来て早数日… 今日も私たちは鶴乃ちゃんと楽しく調査! いろはちゃんたちは後で合流するとか!
  562. 錦木 千束: ちなみに昨日はレナちゃんたちと 帰りにゲームセンターも行っちゃったり 異世界学生ライフを満喫中!なんだよね
  563. 錦木 千束: 神浜市にもだいぶ 慣れてきたな~
  564. 錦木 千束: 「鶴乃ちゃんちでやってる万々歳で 大盛の中華料理をたくさん食べたり」
  565. 錦木 千束: 「十七夜さん…じゃなくて なぎたんが働いてるメイド喫茶へ行ったり」
  566. 錦木 千束: 「他にも神浜市のいろんな所へ行って たくさんの人と会ったよね」
  567. 鶴乃: おぉ! 数日で神浜市を満喫してる!
  568. 井ノ上 たきな: …満喫してる場合じゃ ないんですけどね
  569. 井ノ上 たきな: ほら、人が来ましたよ 話を聞いてみましょう
  570. 井ノ上 たきな: 知ってますか? 異世界に繋がる屋上の噂…
  571. 空穂 夏希: 異世界…かどうかは わからないけど
  572. 空穂 夏希: ちょっと前…変なところに 迷い込んだことがあって…
  573. 錦木 千束: ほんと!? それ、どこだかわかる!?
  574. 空穂 夏希: 確か…えっと 地図を送りますね!
  575. 鶴乃: あ、ここならわたし 行き方知ってるよ!
  576. 錦木 千束: おおおお! いきなり進展だ!
  577. 鶴乃: 他に、何か 気になったことはあった?
  578. 空穂 夏希: うーん、近くに知らない 魔法少女がいたくらい…?
  579. 空穂 夏希: ショートヘアの子と 髪の長いふたり組…だったかな
  580. 空穂 夏希: でも、他の町に魔法少女がいても おかしくはないよねぇ
  581. 井ノ上 たきな: とりあえずは 他に収穫もありませんでしたし
  582. 井ノ上 たきな: くだんの屋上に行ってみますか?
  583. 錦木 千束: 市外って言ってたし ここらへんだよね?
  584. 鶴乃: うん、いろはちゃんたちも そろそろ来るって言ってたし
  585. 鶴乃: 合流したら、みんなで その屋上に行ってみよう!
  586. 鶴乃: ――っ!?
  587. 鶴乃: ごめん、ふたりとも ちょっと魔女倒してくる!
  588. 井ノ上 たきな: ひとりで大丈夫なんですか?
  589. 鶴乃: うん、ちょうどやちよたちも 向かってるみたいだし
  590. 鶴乃: わたし、最強の魔法少女だから! 少しだけ待ってて!
  591. 錦木 千束: 魔法少女…かっけー…
  592. 井ノ上 たきな: あの衣装は目立ちそうで 合理性を欠く気はしますが
  593. ???の声: やあ、魔法少女に 興味があるのかい?
  594. 錦木 千束: おわぁ!? なんじゃこれ!
  595. 井ノ上 たきな: ぬいぐるみが…喋ってる…!?
  596. キュゥべえ: ボクの名前はキュゥべえ 錦木千束、井ノ上たきな
  597. キュゥべえ: ボクと契約して 魔法少女になってよ
  598. キュゥべえ: その代わりに願い事を なんでもひとつ叶えてあげる
  599. 井ノ上 たきな: 願い事を…なんでも…
  600. キュゥべえ: ああ、どんな奇跡だって 起こしてあげられるよ
  601. キュゥべえ: さあ、どうかな?
  602. 千束&たきな: …………
  603. 錦木 千束: やなこったー!!
  604. 井ノ上 たきな: はい、いろはさんたちから 厳しく言われているので
  605. いろは: うわさは神浜市特有のものだから 市外に出ないと思ってたんだけど
  606. いろは: もしも、出ることになったら 注意して欲しいことがあるんだ…
  607. いろは: キュゥべえに会っても 契約はしないでほしいの
  608. 井ノ上 たきな: キュゥべえ…?
  609. 鶴乃: 白い、タヌキみたいなやつ!
  610. 鶴乃: モキュしか言わない子の方は 大丈夫だけど喋る方は要注意!
  611. ももこ: ああ、何を言われても やなこった!で逃げろ
  612. 井ノ上 たきな: ということで やなこった!です!
  613. キュゥべえ: そうか、残念だけど 無理強いはできない
  614. キュゥべえ: じゃあね 千束、たきな
  615. 錦木 千束: ふぃ~… まさか本当に現れるとはね…
  616. 錦木 千束: …でもさ、どうして 契約しちゃいけないんだろ
  617. 錦木 千束: 願いが叶って、かっこいい 魔法少女にもなれるんでしょ?
  618. 錦木 千束: そんなの 一石二鳥じゃんね?
  619. 井ノ上 たきな: …どうですかね
  620. 井ノ上 たきな: うまい話には 大概、裏があるもんでしょう
  621.  
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  623. 錦木 千束: キュゥべえを回避した私たちは 魔女を倒したいろはちゃんたちと合流して さっそく、噂の屋上へ!
  624. フェリシア: キュゥべえのヤツ マジで来たのかよ…
  625. 鶴乃: しかも、わたしが 魔女退治をしてる間に!
  626. やちよ: まったく… 油断も隙もないわね
  627. 錦木 千束: …っていうか、なんで 魔法少女になっちゃダメなの?
  628. いろは: ぁ…それは…えっと…
  629. やちよ: …着いたわよ 手順を教えてもらえる?
  630. 井ノ上 たきな: あ…は、はい! みなさんの話によれば…
  631. 井ノ上 たきな: 「黄昏時、その廃墟へ行き 一言もしゃべらずに屋上まで登ったあと 目をつむって屋上への扉を開けば 異世界へ行ける…と」
  632. うい: 意外とシンプルなんだね もっと複雑だと思ってた…
  633. 鶴乃: そりゃー運悪く 迷い込む子も出てくるわけだ
  634. やちよ: じゃあ、さっそく行きましょうか
  635. やちよ: 何があるかわからないし ふたりも武装はしておくことね
  636. 錦木 千束: りょーかい!
  637. ガチャ…
  638. 錦木 千束: へ…何、ここ…
  639. 井ノ上 たきな: 異世界…というには 不思議な空間ですが…
  640. 井ノ上 たきな: まず、噂は本当だった ということですね
  641. 井ノ上 たきな: クルミとも連絡がつきませんし 神浜市へ来た時と状況は似てます
  642. 錦木 千束: ちょっとちょっと なんでそんなに冷静なわけ!?
  643. やちよ: しっ…静かに!
  644. フェリシア: …誰かいるぞ
  645. うい: この反応…魔法少女?
  646. いろは: え…うそ…
  647. 鶴乃: …そんな、だって! あの子は!
  648. 井ノ上 たきな: あ、千束!あの人!
  649. 鶴乃&たきな: 「魔女になったはずじゃ…!」 「保護対象の少女です…!」
  650. たきな&鶴乃: え…
  651. やちよ: …あなたたちも 彼女を知ってるの?
  652. 井ノ上 たきな: …はい、私たちがここへ来る前に 消えてしまった保護対象です
  653. 鶴乃: そっちの世界とこっちとで 同じ顔の人がいるってこと?
  654. やちよ: そうとしか考えられないわ 魔女から、戻ることなんて…
  655. いろは: じゃあ、あの子は別人で…
  656. 錦木 千束: 私たちと一緒にこっちの 世界に来ちゃったってこと?
  657. 錦木 千束: え、待って…それより… さっきの…どういうこと?
  658. 井ノ上 たきな: …はい 魔女になったはず…と
  659. 錦木 千束: 魔法少女はヒーローで 魔女は敵…なんだよね?
  660. うい: …………
  661. やちよ: …魔女は 魔法少女の成れの果て
  662. やちよ: 「ひとつの願いと引き換えに 魔法少女になった私たちの命は この、ソウルジェムになる」
  663. やちよ: 「ソウルジェムが絶望で濁りきった時 魔法少女は、魔女になる」
  664. やちよ: それが、願いを叶える代償に 私たちが背負う宿命よ
  665. 錦木 千束: そんな… じゃあ、魔女って…元々は…
  666. 井ノ上 たきな: …………
  667. 井ノ上 たきな: そこら辺の話は、またあとで 私たちは彼女を保護しましょう
  668. 錦木 千束: …うん…そうだね
  669. …………
  670. 錦木 千束: ねえ、一緒に 元の世界へ帰らない?
  671. 錦木 千束: えーっと…まだ方法は 見つかってないんだけど…
  672. 井ノ上 たきな: その方法を見つけるためにも
  673. 井ノ上 たきな: あなたがここへ来た経緯を 聞きたいです
  674. 錦木 千束: うん、だから一緒に…
  675. …来ないで
  676. パァン
  677. 錦木 千束: ――っ!?
  678. いろは: 千束さん!
  679. フェリシア: オイ、アイツ今目の前で撃たれて 避けなかったか!?
  680. 鶴乃: それより、まずいよ 助けに行かなくちゃ!
  681. そうはさせません
  682. うい: …へ?
  683. 井ノ上 たきな: いろはさんたちが消えた…?
  684. 錦木 千束: …引き離されたね
  685. 助けなんかいらない 帰る場所なんてもうない
  686. アンタたちが、私から 居場所を、あの人を奪った…!
  687. 錦木 千束: …え
  688. だから、アンタらを居場所から 引きはがしてやったの
  689. 井ノ上 たきな: それって…
  690. 私の狙いはアンタたち 噂を流して正解だったわ
  691. 魔法少女が仲間についたのは ちょっと誤算だったけど
  692. 噂を信じてノコノコ この拠点まで来てくれるんだもの
  693. …アンタらの 墓になるところとも知らずにね
  694. ここで、死んでもらうわ
  695. …リコリス
  696.  
  697. FILENAME: text_520110-9_IrQve.txt
  698. やちよ: まずい… 空間から弾き出されたわ
  699. フェリシア: おい、結局アイツ何者なんだよ オレわけわかんねーって
  700. いろは: 多分、千束さんたちの 世界から来た子かな…
  701. やちよ: それも、魔女になった少女と 瓜二つの…ね
  702. うい: あの人、千束さんたちを 怒ってるように見えたけど…
  703. 鶴乃: …たぶん、その通りだよ ほら、たきなが言ってたじゃん
  704. 井ノ上 たきな: 報告によれば保護対象は 監禁されて長かったようなので
  705. 井ノ上 たきな: 犯人に対して好意的な感情を 抱いていたのかもしれません
  706. 鶴乃: ストックホルム症候群…だっけ 聞いたことがあるよ
  707. 鶴乃: そのテロリストを 殺したのが千束たちの仲間
  708. 鶴乃: …リコリスなんだとしたら
  709. やちよ: 同じリコリスであるふたりに 恨みを抱いてもおかしくないわ
  710. フェリシア: じゃあ、やべーじゃん アイツら殺されちまうよ!
  711. フェリシア: さっきの声… 相手、ふたり組みてーだし!
  712. いろは: それに、あの子… 魔法少女だったよね
  713. うい: こっちに来てから 契約したってこと…?
  714. フェリシア: いくらアイツらが銃を持ってても 魔法少女ふたり相手じゃ…
  715. フェリシア: …つーか、あれ いま気づいたんだけど
  716. フェリシア: …さな、どこ行った?
  717. うい: ほんとだ…建物に入る前までは ずっといたよね?
  718. いろは: あ、そのことなら…
  719. ここで、死んでもらうわ
  720. …リコリス
  721. 錦木 千束: …そこまで知ってるんだ なら、怒るのも仕方ないか
  722. 井ノ上 たきな: どうします、千束
  723. 錦木 千束: なおさら、保護しなきゃだよ
  724. 井ノ上 たきな: 相手は武装していますが …命大事に、ですか?
  725. 錦木 千束: もちろん!
  726. 井ノ上 たきな: …わかりましたよ
  727. くっ
  728. 千束の声: おぉ~いい目してるね たきなの攻撃をよけるなんて
  729. 千束の声: まだ若そうだし リコリスの才能あるんじゃない?
  730. 誰が、リコリスなんかに…!
  731. 千束の声: そりゃそっか
  732. 錦木 千束: でも、熱くなりすぎるのが 君の欠点
  733. ――っ!?
  734. 錦木 千束: 悪いようにはしないから 一緒に帰ろうよ
  735. 邪魔しないでください
  736. 錦木 千束: ぅおっ!?
  737. 錦木 千束: あっぶな!
  738. 大丈夫ですか!? 先輩!
  739. ええ、助かったわ
  740. 錦木 千束: その姿…あの子が言ってた ふたり組の魔法少女…?
  741. 知ってるんだ、びっくりしました
  742. でも、あなた方が私たちを 知っているように
  743. 私も、あなた方を知っています 戦うなら、対策するべきですから
  744. 井ノ上 たきな: もしかして、あれ 避けられないんですか?
  745. 錦木 千束: いや、まあ ある程度は読めるんだけど
  746. 錦木 千束: 攻撃の範囲とか動きとか 人と違うから難しいんじゃわ
  747. フェリシア: …てか、いま他に 魔法少女がいたような…
  748. 一緒にいた魔法少女に バレそうで肝が冷えましたけど
  749. 錦木 千束: あっ!? …目が…!
  750. やっぱり…あなたは 目が弱点なんですね
  751. 錦木 千束: くっ…
  752. 錦木 千束: う…がは…っ
  753. 井ノ上 たきな: 千束っ!
  754. 行かせないわよ
  755. 井ノ上 たきな: お前…っ!
  756. トドメです…!
  757. 錦木 千束: っ…あぁあっ!
  758. 井ノ上 たきな: 千束…!
  759. 井ノ上 たきな: くっ…
  760. …行きましょう、先輩 …引き際です
  761. …えぇ
  762. 井ノ上 たきな: っ…待て!
  763. …アンタも思い知ればいい 奪われる苦しみを
  764. …よくやったわね
  765. …はい、先輩 私、もう覚悟はできました
  766. 井ノ上 たきな: …っ、消えた
  767. 井ノ上 たきな: はっ…千束!
  768. 井ノ上 たきな: 千束、千束ッ!
  769. 錦木 千束: …た、きな…
  770. 井ノ上 たきな: …血が!
  771. 錦木 千束: …ぁ、はは…ありゃ… 悪い…魔法少女、だったかぁ…
  772. 錦木 千束: …………
  773. 井ノ上 たきな: 千束…? 千束…!
  774. 井ノ上 たきな: 誰か…お願い…
  775. 井ノ上 たきな: 千束を、助けて…
  776. キュゥべえの声: ボクなら、その願いを 叶えることができるよ
  777. 井ノ上 たきな: …キュゥべえ
  778.  
  779. FILENAME: text_520110-10_IrQve.txt
  780. 井ノ上 たきな: …キュゥべえ
  781. キュゥべえ: やあ、たきな
  782. キュゥべえ: どうやら、千束が 危険な状況みたいだね
  783. キュゥべえ: だけど、キミが願うのなら 千束を救うことができる
  784. 井ノ上 たきな: ひとつの願いと引き換えに 魔法少女となり
  785. 井ノ上 たきな: いつかは魔女になるという 宿命を背負えば、ですよね
  786. キュゥべえ: …………
  787. 井ノ上 たきな: わかりました…契約します 千束を救えるんですよね
  788. キュゥべえ: 大丈夫、キミの祈りは 間違いなく遂げられる
  789. 井ノ上 たきな: …なら、お願いします 千束を救って
  790. キュゥべえ: 「さあ、受け取るといい それがキミの運命だ」
  791. 井ノ上 たきな: …これが、魔法少女
  792. 井ノ上 たきな: はっ…千束は…!
  793. 錦木 千束: ん…すぅ…すぅ…
  794. 井ノ上 たきな: …よかった
  795. ???の声: …契約、しちゃったんですね…
  796. 井ノ上 たきな: ――っ!?
  797. 井ノ上 たきな: 誰…!
  798. さな: …ぁ、そっか… もう、見えるんですよね…
  799. さな: …その、ごめんなさい 助けられなくて…っ
  800. さな: あ、えっと…二葉さなです…っ 私、みかづき荘に住んでて…
  801. さな: その、何かあった時のために 私だけ、少し遠くにいたんです…
  802. やちよ: じゃあ、さっそく行きましょうか
  803. いろは: さなちゃん、ちょっとお願いが あるんだけど、いい?
  804. さな: あ、はい…なんでしょうか…?
  805. いろは: 市外だし、ないとは思うんだけど もし…うわさの類が原因だったら
  806. いろは: 周りにも影響が出たりして 誰も動けなくなっちゃうから
  807. いろは: さなちゃんは 遠くで待機しててほしくて
  808. さな: 何かあったときのために …ってことですよね
  809. いろは: うん、お願いできる?
  810. さな: …はい、わかりました 念のため気配も消しておきます
  811. さな: 実は…前からいたんですけど 私、透明人間…というか
  812. さな: 魔法少女からしか 見えなくって…
  813. さな: えっと…妖精…妖怪…って言えば 通じる…でしょうか…?
  814. フェリシア: …まぁ、妖精…みてーなやつ! あー妖怪?どっちでもいいや
  815. 井ノ上 たきな: あぁ…あの時の …魔法少女、だったんですね
  816. 井ノ上 たきな: なら、頼みがあります
  817. さな: へっ…?
  818. [Part 1 end]
  819. ---
  820. [Part 2 start]
  821. FILENAME: text_520120-1_NUp9u.txt
  822. 井ノ上 たきな: 異世界へつながる屋上の噂… それを追った先に出会ったのは 消えたはずの保護対象
  823. 井ノ上 たきな: しかも、いろはさんたちによれば その少女の見た目は “魔女になったはず”の少女と同じ
  824. 井ノ上 たきな: その不可解な事実とともに知ったのは 魔法少女は魔女になる…という 彼女たちに課せられた宿命
  825. 井ノ上 たきな: そして、私もその宿命を背負った
  826. 井ノ上 たきな: 保護対象の少女と、もうひとりの少女 ふたりの少女に襲われ重傷を負った 千束の命を救うために
  827. 錦木 千束: ん…
  828. 錦木 千束: はっ!
  829. 井ノ上 たきな: …おはようございます
  830. いろは: 千束さん、大丈夫ですか!?
  831. 錦木 千束: あれ…私… なんで生きてんの…?
  832. 錦木 千束: 結構な致命傷だったよね…?
  833. うい: あ…それは…
  834. 井ノ上 たきな: いろはさんが、魔法で …そうですよね
  835. いろは: あ、う、うん…!
  836. 錦木 千束: へー…
  837. 錦木 千束: そんな魔法も使えるのね! ありがとう、いろはちゃん!
  838. さな: …たきなさん 本当に隠すんですか…?
  839. さな: 魔法少女になったこと…
  840. 井ノ上 たきな: ええ、言ったじゃないですか
  841. 井ノ上 たきな: なら、頼みがあります
  842. さな: へっ…?
  843. 井ノ上 たきな: 私が魔法少女になったこと 千束には話さないでください
  844. 井ノ上 たきな: これは、私が 自分で決めたことなので
  845. 井ノ上 たきな: ソウルジェムの指輪も ネックレスにして隠しましたし
  846. 井ノ上 たきな: バレることはないですよね?
  847. さな: そう…ですけど…
  848. さな: あのあと駆けつけた いろはさんたちも、クルミさんも
  849. さな: みんな知ってるのに 千束さんだけ…
  850. 錦木 千束: …それで、結局 いまの状況って?
  851. 井ノ上 たきな: 説明します
  852. 井ノ上 たきな: 「私たちは ふたりの魔法少女から攻撃を受けました その内のひとりは 私たちが追っていた保護対象の少女で こちらの世界に来て、契約したと思われます」
  853. 井ノ上 たきな: 「そして、もうひとりの魔法少女は 以前、魔女になった魔法少女と一緒にいた少女で いろはさんたちが救出した方だったそうです ただ、ここで不思議なことがありまして…」
  854. 錦木 千束: えーっと…少女…が多いな 寝起きにはきついぞこれ
  855. 井ノ上 たきな: 「魔法少女になった保護対象… 私たちの世界にいたので 仮に、彼女を“少女L”とし もうひとりの魔法少女を、みかづき荘の ある世界にいる“少女M”として説明します」
  856. 井ノ上 たきな: 「今、伝えようとした不思議なことですが なぜか“少女M”は、 私たちの世界から来た“少女L”を 魔女になった先輩だと言っているそうなんです」
  857. 井ノ上 たきな: 「いろはさんたちいわく、“少女L”の見た目は 確かに魔女になった “少女M”の先輩と瓜二つのようですが 魔女から魔法少女に戻ることは 有り得ないそうです」
  858. 錦木 千束: ん~…えぇ? なんでそんなややこしいことに?
  859. 錦木 千束: てか、瓜二つなだけなら なんで一緒に居るんだろう?
  860. 錦木 千束: 少女Lが少女Mを だましてるとか?
  861. 井ノ上 たきな: さあ…まあ、ふたりの背景は この際、どうでもいいんです
  862. 錦木 千束: あ、いいんだ!?
  863. 井ノ上 たきな: いま大事なのは 彼女たちがリコリスへ恨みを抱き
  864. 井ノ上 たきな: 実際に、私たちが 殺されかけたことと
  865. 井ノ上 たきな: 異世界トリップの元凶が 彼女たちかもしれないことです
  866. 錦木 千束: …元の世界に帰るとか そういう話じゃなくなってきた?
  867. 井ノ上 たきな: …ええ
  868. ~~♪~~♪
  869. いろは: あ、灯花ちゃんから電話…
  870. クルミ: 「あぁ、千束は目を覚ましたか…よかった …じゃなくて、千束!たきな!やばいぞ!」
  871. 錦木 千束: おお、どしたんクルミ こっちも今ヤバ…
  872. クルミ: 「宇宙の危機だ!」
  873. 井ノ上 たきな: は?
  874. いろは: あ、あの灯花ちゃんたちも 同じこと言ってて…!
  875. うい: テレビ電話つなげるね…!
  876. ねむ: 「まず、結論から話すけれど みかづき荘と喫茶リコリコに続いて 他の場所でも異世界と神浜市で 場所が入れ替わったみたいなんだ」
  877. 灯花: 『つまり、千束たちが来た日と 同じようなことが、また起きたっていうこと』
  878. 灯花: 『なんでわかったかって言うと クルミのいる世界でも同じことが起きたみたいで そこの映像を照らし合わせたら 入れ替わってるのがわかったんだよ』
  879. 錦木 千束: え、えっと…それってつまり… 結構やばい…ってこと?
  880. 灯花の声: 『ちゃんと脳みそ使ってよね~! やばいどころじゃないよー!』
  881. 灯花: 『異世界間で場所が入れ替わるなんて みかづき荘と喫茶リコリコの時点でも 大問題なのに、他の所でも起きちゃったら 宇宙がパッチワークになって 修復がつかないレベルのパラドクスが起きるよ』
  882. ねむ: 「最終的には世界…いや 宇宙が消滅するおそれがある これは、宇宙の危機と言って差し支えない」
  883. 錦木 千束: えぇ…!?
  884.  
  885. FILENAME: text_520120-2_NUp9u.txt
  886. 錦木 千束: 宇宙の危機って…えっと… どうしたらいいんだ!?
  887. 灯花: 『今回の場所以外でも いくつかの地点で謎の魔力反応があって… 同じことが起きる前兆かもしれない だから、それを調べて解決するしかないよ!』
  888. ねむ: 「それも、かなり急いで解決しないといけない 場所が入れ替わる度に 宇宙の消滅に近づくわけだからね」
  889. 鶴乃: このパッチワーク現象って 人為的だってことが前提だよね…
  890. やちよ: 魔法少女の魔力反応なら 間違いないでしょうね
  891. 少女M: …はい、先輩 私、もう覚悟はできました
  892. 井ノ上 たきな: まさか、ふたりが…
  893. 井ノ上 たきな: …あの人たちの言う覚悟と 今回の一件は繋がっているかも…
  894. 井ノ上 たきな: …時間が、ないかもしれませんね
  895. 錦木 千束: じゃあ、またあの屋上へ行って ふたりを捕まえて…えっと…
  896. 井ノ上 たきな: 千束がやられた時点で 捕まえるつもりでしたが
  897. 井ノ上 たきな: もう一度行ったときには 既にあの空間はありませんでした
  898. 錦木 千束: そ…っか、見つかったんだから アジトの場所は変えるか
  899. いろは: とにかく、ふたりを探しましょう 神浜市にはいるはずですから…!
  900. 錦木 千束: うん!
  901. クルミ: 「待った」
  902. 錦木 千束: え、クルミなんで!?
  903. クルミ: 「これは、千束とたきなにとって チャンスかもしれない」
  904. 井ノ上 たきな: …どういうことですか
  905. クルミ: 「そのパッチワークの仕組みを応用すれば ふたりが元の世界へ帰る方法を 見つけられる可能性がある…」
  906. 錦木 千束: いや、そうは言ったって…!
  907. クルミ: 「現時点で! お前らが帰ってこられる方法を ボクたちはまだ見つけていない!」
  908. 井ノ上 たきな: …………
  909. クルミ: 「最後の頼みの綱かもしれない …この問題を解消してしまったら もう、帰れなくなるかもしれないぞ」
  910. 錦木 千束: …………
  911. 錦木 千束: …ありがとクルミ
  912. 錦木 千束: でも、宇宙が消えちゃったらさ 帰るとかって話じゃなくなるよ
  913. クルミ: 「それは、そうだが…」
  914. 錦木 千束: 大丈夫だって!
  915. 錦木 千束: 今は見つかってなくても その内、きっと見つかる
  916. 錦木 千束: 私たちみんなで力を合わせたら なんとかなるよ!ね!
  917. 井ノ上 たきな: …はい!
  918. 錦木 千束: ただ、心配だなぁ~
  919. 錦木 千束: 看板娘がいない間に 喫茶リコリコがつぶれないか
  920. クルミ: 「…はっ、バカだな お前がいなくたってなんとかなるわ そもそも中身は今そっちにあるだろうが」
  921. 錦木 千束: あ、そうだった!
  922. クルミ: 「いいよ、お前らの好きにしな ただ、ミズキのお気に入りの酒がそっちだって わめいていたから早く帰ってきてやれ …あ、飲んでないよな?」
  923. 錦木 千束: なーに言ってんの、ここに いるのはみんな十だ…?
  924. やちよ: ………… 失礼ね、まだ19歳よ
  925. やちよ: それで? …方針は決まったかしら?
  926. 錦木 千束: うん! ちょっくら宇宙救っちゃいますか
  927. 井ノ上 たきな: はい
  928. うい: じゃあ、えっと…まずは どうしたらいいかな?
  929. 井ノ上 たきな: とりあえず、まだ原因や 動機はわかりませんが
  930. 井ノ上 たきな: あのふたり組を追いかけるには 屋上という手がかりを失った以上
  931. 井ノ上 たきな: 入れ替わった場所を 調べる必要がありそうですね
  932. うい: でも、いろんなところで 起きてるんだよね…入れ替わり
  933. 錦木 千束: あ、じゃあ神浜市で出会った 魔法少女たちに協力してもらう?
  934. 鶴乃: ここで神浜市を満喫していた 理由が明らかに…!
  935. 井ノ上 たきな: 多分、そこまで考えてないですよ 千束は
  936. やちよ: 私たちも注意喚起をしつつ 協力をあおいでみましょう
  937. 少女M: 多くの魔法少女が動き出す …先輩に伝えなくちゃ
  938. 少女M: …………
  939. 少女M: 正しい行いですよね …先輩
  940. 少女M: これも先輩の意志を遂げる 道すがらに生じる尊い犠牲
  941. 少女M: 仕方がないことなのです
  942. 少女M: …すべての悪をなくすためには
  943.  
  944. FILENAME: text_520120-3_NUp9u.txt
  945. 井ノ上 たきな: 宇宙の危機を前にした私たちは 神浜市の魔法少女たちに協力を要請し 各地で起きている入れ替わりと ふたりの魔法少女について調べてもらっている間
  946. 井ノ上 たきな: 灯花さんとねむさんが見つけた 異世界と入れ替わった場所に足を運んでいた
  947. 井ノ上 たきな: そこには、灯花さんたちに言われて この場所へ先に訪れていた みふゆさんもいて…
  948. みふゆ: あ、みなさん! 来てくれたんですね…!
  949. 錦木 千束: 入れ替わった場所って ここで合ってます?
  950. うい: いつもと変わらない 公園に見えるけど…
  951. さな: …そうですね
  952. フェリシア: …いや!遊具が1個ちげー!
  953. クルミ: 「さすがだな その通り、遊具がひとつ入れ替わっている」
  954. 錦木 千束: え、え、そんだけ? …どうしてそんな地味なこと?
  955. 鶴乃: もしかして、実験…とか?
  956. クルミ: 「ああ、ボクと灯花たちもその結論に至った バレないようなところから始めて その内、何かをしでかすんじゃないかってな」
  957. いろは: その遊具 調べてみても大丈夫ですか?
  958. クルミ: 「そっちで喫茶リコリコの中に入っても 問題がなかったんだから大丈夫だろ ただ気をつけろよ…何があるかわからない」
  959. いろは: …はい じゃあ、調べてみます
  960. いろは: 確かに、魔力は感じるね
  961. 井ノ上 たきな: …ただ、弱すぎて 誰のものかまでは…
  962. 錦木 千束: え、たきな なんかわかるの?
  963. 錦木 千束: 確か、いろはちゃんたちは 魔力?を感じ取ってるとか…
  964. 井ノ上 たきな: あ…その、においです!
  965. 井ノ上 たきな: あのとき、接触したので 微かに覚えていて
  966. 錦木 千束: イッヌかよ! でもそんなに鼻よかったっけ…
  967. ~~♪~~♪
  968. 錦木 千束: お、レナちゃんたちからだ なんかわかったのかも
  969. レナ: こっちでも入れ替わった場所 …っていうか物を見つけたわ
  970. かえで: でも、多分地味すぎて 私たち以外は気づかないかも…
  971. 錦木 千束: 何が入れ替わってたの?
  972. ももこ: ゲーセンの椅子だよ よく行くから覚えててさ
  973. かえで: ちょっと思い入れがあったから なんだか寂しいよね…
  974. 錦木 千束: …………
  975. ~~♪~~♪
  976. 井ノ上 たきな: また、連絡です…!
  977. 御園 かりん: 「た、大変なの…! アリナ先輩…えっと、部活の先輩の 絵の具がひとつだけなくなってて… 先輩が帰ってきたら絶対に荒れちゃうの…」
  978. 観鳥 令: 「観鳥さんの方でも、異変を見つけたよ 学校の近くにあったベンチが変わってたんだ あそこは、猫の撮影にいいスポットだったから よく使っててさ」
  979. 眞尾 ひみか: 「近所に生えてたはずの野草がないんです! しかも、一部だけごっそりと! あそこら辺に生えてる草は食べられるのが 多かったりするので、助かってたんですが…」
  980. 錦木 千束: …犯人は地味なものを入れ替えて 実験しようとしてたみたいだけど
  981. 井ノ上 たきな: チョイスが悪かったようですね
  982. いろは: ただ…どこも魔力が微弱みたいで
  983. いろは: 入れ替え直後を抑えないと 犯人を捕まえるのは難しそうです
  984. うい: 入れ替わりが起きるたびに ピンチになるし…どうしたら
  985. 鶴乃: …………
  986. フェリシア: んで、鶴乃はさっきから 何スマホ見てんだ?
  987. 鶴乃: んー…入れ替わった場所を 地図アプリで確認してたんだけど
  988. 鶴乃: これ…神浜市を囲うように 円形に動いてる…かも
  989. 鶴乃: この順番だと…次は 北養区の方じゃないかな
  990. 錦木 千束: 行こう! 犯人を捕まえなきゃ!
  991. 錦木 千束: これ以上、みんなの大事なものや 思い入れのある場所が
  992. 錦木 千束: なくなっちゃうなんて 嫌だし、ね!
  993. 井ノ上 たきな: はい あのふたり組の可能性が高いです
  994. 井ノ上 たきな: 気を引き締めていきましょう
  995. みふゆ: 私は他で入れ替わった場所を ももこさんたちと調べておきます
  996. やちよ: ええ、よろしく
  997.  
  998. FILENAME: text_520120-4_NUp9u.txt
  999. 井ノ上 たきな: みふゆさんと別れ 私たちは、次に入れ替えが起こりそうと 鶴乃さんが推測した北養区へと向かった
  1000. 鶴乃: 流れ的には ここら辺だと思うんだけど…
  1001. さな: …それにしても、どうして 円形に動いてるんでしょう…
  1002. 井ノ上 たきな: …………
  1003. 井ノ上 たきな: ――っ!?
  1004. 井ノ上 たきな: 向こうにいます! この反応なら追える…!
  1005. 錦木 千束: え!?
  1006. 井ノ上 たきな: いいから、行きますよ!
  1007. 井ノ上 たきな: はぁ…見つけました
  1008. 錦木 千束: …ほんとにいた
  1009. 少女M: …思ったより 早く見つかってしまいました
  1010. 錦木 千束: まーた、変なところに…
  1011. 井ノ上 たきな: …どうして、場所や 物を入れ替えてるんですか
  1012. 井ノ上 たきな: いったい、何が目的なんです
  1013. 少女L: 教える義理はない
  1014. 錦木 千束: …じゃあ、こんなことやめない?
  1015. 錦木 千束: あなたたちにとっては なんでもない実験かもだけどさ
  1016. 錦木 千束: みんなにとっては 全部、大事なものなんだよ
  1017. 錦木 千束: 私たちへの復讐…なら みんなは関係ないでしょ
  1018. 少女L: 何か勘違いしてるみたいね
  1019. 少女L: あなたたちへの復讐だけが 目的ではないわ
  1020. 錦木 千束: え…じゃあ…なんで…
  1021. 少女M: すべての悪をなくすためです
  1022. 少女L: あなたたちと同じ世界から 来た私は
  1023. 少女L: この世界を使ってあの人の 理想を実現することにした
  1024. 井ノ上 たきな: どうして、わざわざこの世界…
  1025. 井ノ上 たきな: いろはさんたちの 住む世界で…なんですか
  1026. 少女M: それは、私が 先輩を呼び出したからです
  1027. 少女M: さあ、行きましょう先輩 次の場所へ
  1028. 少女L: …ええ
  1029. 錦木 千束: 待って…!
  1030. 少女L: あなたの魔法って 本当、役に立つわね
  1031. 少女M: いえいえ、先輩の力で 拠点と繋げてもらえるから
  1032. 少女M: 私の対象を移動させる力で 瞬間移動ができるんです
  1033. 少女M: 神浜市内には他にも数カ所 拠点がありますし
  1034. 少女M: あの人たちに追われても そう簡単には捕まりません
  1035. 少女L: 私としてはもう少し 利便性をあげたいけどね
  1036. 少女L: 「本当は別の場所と繋がる ワープができればいいけど」
  1037. 少女L: 「どうしても、あの異空間を挟まないと 他の場所には移動できないのよね 逃げ込んだり、敵を閉じ込める場所としては 最適なんだけど…」
  1038. 少女L: まあ、悪をなくす計画の要だから 悪くは言えないけどね
  1039. 少女L: 対象を移動させるあなたの力と 異空間を繋ぐ私の力
  1040. 少女L: ふたつが合わされば 誰にも負けないとは思ったけど
  1041. 少女L: 異なる世界同士の 入れ替えもできるなんてね
  1042. 少女M: ええ、魔力の消費があるので 少しずつにはなりますが
  1043. 少女M: 繰り返せば、先輩の目論見通り 世界をひっくり返せます
  1044. 少女L: …でも、アイツらが邪魔
  1045. 少女L: …やっぱりちゃんと あのとき殺すべきだったわ
  1046. 少女M: …殺す必要はありませんよ
  1047. 少女L: だけど、邪魔されたら困るでしょ やられる前にやらなきゃ
  1048. 少女M: …………
  1049. 少女L: ここまで来て、もう計画を 降りることなんてできないわよ
  1050. 少女M: 大丈夫です…私は先輩のために 悪のない世界にすると決めてます
  1051. 少女L: 私と、あなたの先輩
  1052. 少女L: …見た目だけじゃなく 目的も似てるなんて面白いわね
  1053. 少女M: ふふっ、きっと運命です 私と…先輩の
  1054. 少女M: 「出会ったときから先輩は 私にとって唯一の居場所で、姉のような存在で そして、世界そのものだったんです」
  1055. へぇ、学校でそんなことが よかったわね
  1056. 少女M: でも、やっぱり私は先輩と 過ごす時間の方が好きです
  1057. そんなこと言って…だめよ 学校もちゃんと行かなきゃ
  1058. 少女M: 「だけど先輩は魔女になり 私は居場所を、世界を失った」
  1059. 少女M: 「そして、憎い奴は現れて 殺してやろうとも思いましたが、それは悪いこと きっと先輩は望まないので願うことにしました」
  1060. 少女M: 「本当は、先輩を生き返らせたかった けれど、彼女がそれを望まないことは 私が一番知っていたんです」
  1061. 少女M: 「それでも、もう一度会いたいという私の欲は どうやっても収まってくれなかったので 私は、ある案を思いついたのです」
  1062. 少女M: 「どこか別の世界から先輩を連れてきて その“先輩”と一緒に、先輩が夢見た 魔女がいなくなるぐらいの 悪のない世界をつくろう…と」
  1063. 少女M: 「それなら、きっと“本当の先輩”も 許してくれるでしょうから」
  1064. 少女M: (いま、目の前にいるのは 先輩であり先輩ではない)
  1065. 少女M: (それでも、志は同じ…)
  1066. 少女L: …ここは…あの人は…?
  1067. 少女M: 先輩…先輩…ッ!
  1068. 少女L: っ、誰…!?
  1069. 少女L: …そう、あなたが私を 別の世界に呼んだのね
  1070. 少女M: …すみ、ません
  1071. 少女L: いいわ…私も、もう あの世界に用はないから
  1072. 少女L: …それより、あなた 悪のない世界を…と言ったわね
  1073. 少女M: ええ、はい…! それが目指すところです
  1074. 少女L: へぇ…なら協力できるわ 私も、目指しているの
  1075. 少女L: …というか、あの人が それを目指していた
  1076. 少女L: 悪のない、フラットな世界を
  1077. 少女M: 「先輩のため、あなたのために 私は、世界から悪をなくしたいのです」
  1078. 少女M: 先輩のためなら 私は、なんだってできます
  1079. 少女L: そう…やっぱり 思考までそっくりなのね…ふふ
  1080. 少女L: さあ、作戦を続けましょう 悪のない…世界のために
  1081. 少女M: はい…先輩っ!
  1082.  
  1083. FILENAME: text_520120-5_NUp9u.txt
  1084. 井ノ上 たきな: ふたりを追った先で巻き込まれたのは またしても不思議な空間
  1085. 井ノ上 たきな: そして少女たちは、空間から突如消え また、逃げられてしまった
  1086. 井ノ上 たきな: ふたりが消えたら 元の場所に戻ってきましたね…
  1087. いろは: 千束さん、たきなさん 大丈夫ですか!?
  1088. うい: いきなり消えちゃったけど また、あの人たちの空間…?
  1089. 井ノ上 たきな: ええ…ただ、逃げられました
  1090. 井ノ上 たきな: あのふたり…いったい どこへ消えたんでしょう
  1091. 錦木 千束: さっきの場所、前に 戦ったところと一緒だよね
  1092. やちよ: さっき、みふゆから連絡があって あの子たちも犯人を見つけたら
  1093. やちよ: 不思議な空間に 囚われてしまったと言っていたわ
  1094. やちよ: …彼女たちの 魔法かもしれないわね
  1095. 錦木 千束: そんなことできるの!?
  1096. やちよ: ええ、十七夜の読心のように 魔法少女にはそれぞれ
  1097. やちよ: 願いに応じて自分の魔法があるの
  1098. いろは: ただ、ひとりの魔法で あそこまで出来るとは思えなくて
  1099. 鶴乃: うん…多分、ふたりとも 空間系の魔法の持ち主だろうね
  1100. 鶴乃: 瞬間移動できる子も 結界を作れる人も神浜市にいたし
  1101. 鶴乃: そういうのを 組み合わせてるんじゃないかな
  1102. 鶴乃: ちなみにわたしの魔法は~ 運がいいことね!
  1103. 鶴乃: …にしてもいったい 目的はなんだろう…
  1104. 井ノ上 たきな: あ、それなら…
  1105. さな: …悪のない世界をつくる…
  1106. フェリシア: ふーん、別に 悪いことじゃねーじゃん
  1107. 鶴乃: 目的自体は…ね でも、その道のりは?
  1108. フェリシア: …確かに、遊具が消えたり いろんなもんがなくなっちまった
  1109. やちよ: ハァ…マギウスとの 一件を思い出すわね
  1110. 錦木 千束: マギウスって?
  1111. 鶴乃: あー…灯花たちがやんちゃ してた頃の話…かなぁ?
  1112. 鶴乃: つい最近まで いろいろと大変だったんだよ~
  1113. やちよ: その話は長くなるから 今はいいわ
  1114. やちよ: とにかく、この入れ替わり事件の 犯人は、ほぼ確定よね
  1115. いろは: はい…何を目指してるにしても それは間違いなさそうです
  1116. フェリシア: んじゃ、やっぱ とっつかまえるしかねーじゃん
  1117. うい: でも、また変な空間に 逃げられちゃったら…?
  1118. 井ノ上 たきな: …私に、考えがあります
  1119. ピロンッ♪
  1120. 錦木 千束: …また、入れ替わった場所が あったみたい…!
  1121. 井ノ上 たきな: 行きましょう! 次こそ捕まえます!
  1122. いろは: はい!
  1123. 錦木 千束: …………
  1124. 井ノ上 たきな: …千束? どうしました?
  1125. 錦木 千束: いや…ふたりの話 ちゃんと聞きたいなって
  1126. 錦木 千束: ほら、テロリストの件については リコリスの責任でもあるし
  1127. 錦木 千束: それに、悪をなくしたいーって 考え自体は悪くないでしょ?
  1128. 井ノ上 たきな: …そうやって情けを与えて また死にかけるつもりですか
  1129. 錦木 千束: そういうわけじゃないけど
  1130. 錦木 千束: わかりあえるかも しれないじゃない?
  1131. 井ノ上 たきな: 命大事に、という 千束の意志は尊重します
  1132. 井ノ上 たきな: でも、あなた 殺されかけましたよね
  1133. 井ノ上 たきな: その相手にも、ですか
  1134. 錦木 千束: そうだよ 言ったでしょ
  1135. 錦木 千束: 誰かの時間を奪うのは 気分がよくない
  1136. 錦木 千束: でも私、みんなの大事なものを 奪ったふたりも許せない
  1137. 錦木 千束: …だから、なおさら ちゃんと理由が知りたいんだよ
  1138. 井ノ上 たきな: 悪人の気持ちなんて 私には理解できません
  1139. 錦木 千束: …もしかしたら本当の悪人って 映画の中にしかいないのかも
  1140. 錦木 千束: わかんないけどね
  1141. 井ノ上 たきな: …………
  1142.  
  1143. FILENAME: text_520120-6_NUp9u.txt
  1144. 少女L: じゃあ、やりましょうか
  1145. 少女M: …はい
  1146. たきなの声: 見つけましたよ
  1147. 少女L: …しつこいわね
  1148. 少女L: まあいいわ、せっかくだから 先にあなたたちを片づける
  1149. 少女M: 先輩!?他の魔法少女もいるし 人数的に不利です…!
  1150. 少女L: 世界を変える前にあいつらを 殺さなきゃ…あの人のために!
  1151. 少女L: 頼んだわよ!
  1152. 少女M: っ…はい
  1153. 錦木 千束: どこに…っ!
  1154. 錦木 千束: な…いつの間に…!
  1155. 錦木 千束: (攻撃の直前、空間に消えた…? これじゃ、目で追えない…!)
  1156. 錦木 千束: くっ…!
  1157. 錦木 千束: っ…やば、体勢が…
  1158. 錦木 千束: な、たきな…その格好…
  1159. 井ノ上 たきな: 説明はあとです
  1160. 錦木 千束: え、えぇ…?
  1161. 少女M: 先輩…囲まれてます
  1162. 少女M: 逃げましょう、体制を整えて もう一度…魔力も回復しないと
  1163. 少女L: ごめんなさい…そうね
  1164. ???の声: そうはさせませんよ
  1165. みふゆ: 先程はやられてしまいましたが…
  1166. みふゆ: 魔法の扱いならワタシの方が 得意なんですから
  1167. 少女M: ここは、いったい…
  1168. みふゆ: 私の固有魔法の中… 簡単に言えば幻覚の中です
  1169. みふゆ: 自分たちに勝てる魔法はない… とでも、思いましたか?
  1170. みふゆ: たきなさんに頼まれて 来ましたが、役立ちました
  1171. 少女L: っ…なら、アンタを 殺せばいいってことね
  1172. みふゆ: まったく…攻撃的ですね
  1173. みふゆ: でも…これだけ時間を稼げれば ワタシの役目は果たせたでしょう
  1174. 少女L: はっ…!
  1175. 少女M: これは…拘束されてる…
  1176. 井ノ上 たきな: ええ、幻覚を見ている間に
  1177. 錦木 千束: もうやめなよ… なんでこんなこと
  1178. 少女L: …アンタらにわかるわけない!
  1179. 少女L: なんで…なんでよ!
  1180. 少女L: いつもいつも! 私たちばかりが奪われる!
  1181. 少女L: 最後に残った…あの人ですら!
  1182. 井ノ上 たきな: …やはり
  1183. 少女L: そうよ! アンタたちが奪った人よ!
  1184. 錦木 千束: …あっ…
  1185. 少女L: 「あの人は、孤児である私にとって世界のすべて 父のようであり、師でもあり、大事な人だった」
  1186. いいか、この世界は不平等だ
  1187. 誰かが得をし誰かが損をする 持たざる者は負けっぱなし
  1188. 俺ら負け組に勝ち筋はない なぜなら、そういう仕組みだから
  1189. じゃあ、どうしたらいいか 世界を平らにするんだよ!
  1190. 少女L: はぁ…また怖いこと言う そんなことしたら捕まるわよ
  1191. だはは!でも俺は本気だ お前が生きていく世界だからな
  1192. 少女L: 「確かにあの人は、悪人だったかもしれない テロを目論んで、たぶんいくつも罪を犯したけど 捨てられていた私を拾って人並みの愛をくれた」
  1193. 少女L: 「でも、リコリスのせいで全部なくなった」
  1194. …………
  1195. 少女L: 嫌…嫌…なんで… 私からこれ以上何を奪うの…
  1196. 少女L: うっ…うあぁあああ…!
  1197. 少女L: っ…う…復讐…してやる…
  1198. 少女L: あの人を撃ったやつらと 同じ制服…!
  1199. 少女L: だから、あの子の願いで この世界に来た時、私は決めたの
  1200. 少女L: アンタたちに復讐して そして、世界を平らにしようって
  1201. 少女L: アイツらを、この世界へ呼んで 復讐したいの
  1202. 少女L: だから、あなたたちを倒す
  1203. 錦木 千束: そっか… 話してくれてありがと
  1204. 少女L: なに、同情なんていらないから
  1205. 錦木 千束: ああ、違う違う 少し似てるって思っただけ
  1206. 錦木 千束: こんなこと、恨む相手に 言われたら嫌だろうけどね
  1207. 錦木 千束: 私たちリコリスも孤児でさ 幸か不幸かDAに拾われて
  1208. 錦木 千束: リコリスやってるから 何かが違ったら…とかね
  1209. 井ノ上 たきな: …私も、大事にしていた 居場所を失って日が浅い
  1210. 井ノ上 たきな: だから、その気持ちが 少しだけ…想像できます
  1211. 井ノ上 たきな: けど、あなたのやり方は 間違っている
  1212. 井ノ上 たきな: それだけは言い切れます
  1213. 錦木 千束: だからさ、一緒に行こ
  1214. 錦木 千束: 世界を変えるのは… ちょっとわかんないけど
  1215. 錦木 千束: あなたに見える世界を 変えることはできるよ!
  1216. 井ノ上 たきな: …あなたも、ですよ
  1217. 少女M: え…
  1218. 井ノ上 たきな: 居場所はひとつだけじゃない
  1219. 少女M: …………
  1220. 少女L: 騙されないで
  1221. 少女M: っ…
  1222. 少女M: やぁっ!
  1223. 井ノ上 たきな: まずい、拘束が…!
  1224. クルミ: 「おい、千束!たきな! そいつらを絶対、市外に出すな!」
  1225. 錦木 千束: え、は、なんで!?
  1226. クルミ: 「あいつらを市外に出したら ゲームオーバーだ! 詳細は、灯花たちの通話と繋げる!」
  1227. 灯花: 『結論から言うと、あの人たちを市外に出したら 神浜市まるごと異世界に行っちゃうってこと! そんなことが起きれば、神浜市は終わりだし 宇宙の消滅だって待ったなしだよ!』
  1228. ねむ: 「簡単に言えば、いま神浜市は パッチワーク状に入れ替わる準備がされていて 彼女たちが市外に出た瞬間に その仕組みが発動されるのでは…ということだ」
  1229. ねむ: 「恐らく市ごと入れ替えたかったんだろうけど 一度にそんな魔力を消費することはできないから 気づかれないように準備していたんだろう」
  1230. 錦木 千束: …それで、今までの入れ替わりが
  1231. 井ノ上 たきな: わかりました ここで捕まえます!
  1232. 少女L: フフッ…あはははは
  1233. 少女L: 変だと思わなかったの? いまさら、全部話すなんて
  1234. 井ノ上 たきな: …まさか
  1235. 少女L: そう、もう魔法は発動済み
  1236. 少女L: あとは市外へ出て、時間が来れば この世界はひっくり返って終わり
  1237. みふゆ: なら、私の魔法で…
  1238. 少女L: 二度も同じ手にはかからないわ
  1239. 少女L: じゃあ、最期の時間を楽しんで せめてもの情けよ
  1240. うい: え…じゃあ…もう…
  1241. 錦木 千束: まだ、諦めるには早い!
  1242. 錦木 千束: 追いかけるから クルミ、サポートして!
  1243.  
  1244. FILENAME: text_520120-7_NUp9u.txt
  1245. 井ノ上 たきな: 宇宙崩壊の魔法が発動し 迫るタイムリミットの中
  1246. 井ノ上 たきな: 私たちは、魔力を感じる方へと ひたすらに彼女たちを追いかけていた
  1247. 井ノ上 たきな: その一方で、みふゆさんは 宇宙が崩壊しないことに望みをかけて 他の魔法少女たちと 市民を避難させようとしていた でも、人々の信用を得て動かすのは至難の業
  1248. 井ノ上 たきな: 結果的に神浜市を含んだ 宇宙の命運は 私たちに託されていた
  1249. 錦木 千束: はぁ…はぁ… もう、ここら辺って市外だよね
  1250. クルミ: 「ああ、近くにいるぞ」
  1251. フェリシア: でも、ふたりを見つけたところで 魔法は止められるのか?
  1252. 井ノ上 たきな: …魔法の持ち主が死んだら 魔法は解除されますか
  1253. やちよ: …そうとは限らないわ
  1254. やちよ: 解除されることもあるし されないこともある
  1255. やちよ: …一か八かにはなるわね
  1256. 井ノ上 たきな: でも…可能性はある…
  1257. 井ノ上 たきな: 魔法少女はソウルジェムが 割れれば死ぬ…そうですよね
  1258. やちよ: …ええ、その通りよ
  1259. 錦木 千束: ダメだよ、たきな 命大事にって言ったでしょ
  1260. 井ノ上 たきな: じゃあ どうするって言うんですか!
  1261. 錦木 千束: …………
  1262. 井ノ上 たきな: 喫茶リコリコが なくなってもいいんですか
  1263. 錦木 千束: そんなこと言ってない
  1264. 井ノ上 たきな: 店長も、ミズキさんも クルミも、神浜市の人たちも
  1265. 井ノ上 たきな: その人たちの命と、あの人たちを 天秤にかけられるんですか
  1266. 錦木 千束: 誰の命も天秤になんてかけない かけられないよ
  1267. 井ノ上 たきな: わけが…わかりません
  1268. クルミ: 「…その建物の先、ふたりがいるぞ」
  1269. 少女L: はぁ…ほんっとしつこい!
  1270. 少女L: もう魔法は発動したんだから 諦めればいいでしょ
  1271. 錦木 千束: …諦めないよ
  1272. 少女M: …もう、いいでしょう 見逃してくださいよ
  1273. 少女M: あなたならわかりますよね 失う苦しみが
  1274. 井ノ上 たきな: …………
  1275. 少女M: だって、魔法少女になるための 願いを捧げたんですもん
  1276. 少女M: 大事な仲間を失わないために …でしょ?
  1277. 錦木 千束: え、どういうこと…?
  1278. 少女M: やっぱり言ってなかったんですね
  1279. 少女M: この人は、あなたのために キュゥべえに祈りを捧げたんです
  1280. 少女M: 魔法少女は魔女になる… その事実を知りながら
  1281. 錦木 千束: たきな…
  1282. 井ノ上 たきな: …勘違いしないでください これは、私の選択です
  1283. 井ノ上 たきな: 千束のためじゃない
  1284. 少女M: 詭弁ですね 私とあなたは同じですよ
  1285. 少女M: あなたは、その人のためなら 世界だって壊すことができる
  1286. 井ノ上 たきな: …しませんよ
  1287. 少女M: へぇ…まあ、いいです どうせ、もう全部終わるので
  1288. 井ノ上 たきな: 終わらせません
  1289. 少女L: へえ、殺す気? でももう、残り3分よ?
  1290. 井ノ上 たきな: 3分もあれば、十分です
  1291. フェリシア: オイ、どうすんだよ…!
  1292. さな: …あ、あれ… 千束さんがいません…
  1293. いろは: え…あ、待って…あそこ…!
  1294. 錦木 千束: キュゥべえーーーーっ!
  1295. 井ノ上 たきな: ――っ!?
  1296. 錦木 千束: ここ、市外だし…来るよね?
  1297. 井ノ上 たきな: ち、千束…!? いったい何を…!
  1298. 錦木 千束: 考えたんだけど たぶん、これが一番かなって
  1299. 錦木 千束: お、来たね…キュゥべえ 私も魔法少女になりたいんだけど
  1300. キュゥべえ: なら、キミは何を願う?
  1301. 錦木 千束: 本当は、願いを叶えてもらうとか ポリシーに反するっていうか
  1302. 錦木 千束: そんな力を 借りたくはなかったんだけどね
  1303. 井ノ上 たきな: 千束!やめてください!
  1304. 錦木 千束: たきなもなったんだから いいでしょー
  1305. 井ノ上 たきな: だって、魔法少女は魔女に…
  1306. 錦木 千束: でも、絶望しなきゃならない そうでしょ、いろはちゃん
  1307. いろは: は、はい…でも…
  1308. 錦木 千束: 私は、絶望なんてしない
  1309. 鶴乃: 魔法少女になったら たぶん、長生きはできないよ
  1310. 錦木 千束: 危険だらけのリコリスだって 一緒だよ
  1311. 錦木 千束: ていうか、人なんてみんな いつ死ぬかわかんないじゃん
  1312. 錦木 千束: たきなに助けられっぱなしも なーんか性に合わないし
  1313. 錦木 千束: 何より!たきなだけ 魔法少女なんて、ずるい!
  1314. 井ノ上 たきな: はぁ!? 何を言って…!
  1315. 錦木 千束: 魔法少女、かっこいいし! みんなの大事な場所も
  1316. 錦木 千束: 私たちがいた場所も どっちも守れるなら一石二鳥!
  1317. 錦木 千束: だから私、魔法少女になるよ
  1318. キュゥべえ: 願いは決まったかい?
  1319. 錦木 千束: いやーそれがね… ひとつだけってのがネックなのよ
  1320. 錦木 千束: この世界には、好きなものが たっくさんあるからさ
  1321. 錦木 千束: 「もちろん、喫茶リコリコは好き 優しい先生、うるさいミズキ、カシコいクルミ コーヒーの香りと、賑やかなお客さんたち それから、一生懸命な相棒」
  1322. 錦木 千束: 「神浜市には、来て少ししか経ってないけど おいしいお店や、楽しい場所がいっぱいあって それに、魔法少女…なんてちょっとだけ 似た存在の友だちもできちゃったりして いつの間にか、この町が大好きになってた」
  1323. 錦木 千束: 世界とか宇宙はどうでもいいけど 好きなものがなくなるのは嫌!
  1324. 錦木 千束: だから…
  1325. フェリシア: あ、おいヤベェ! もう、時間が…!
  1326. 錦木 千束: 私の願いは、これ!
  1327. 錦木 千束: 「私たちの日常を守らせて」
  1328.  
  1329. FILENAME: text_520120-8_NUp9u.txt
  1330. 錦木 千束: 「私たちの日常を守らせて」
  1331. 錦木 千束: お、おぉ!すげー!
  1332. フェリシア: それより! アイツら!
  1333. さな: 魔法が…完成しちゃった…?
  1334. 錦木 千束: うぉわびっくりした、誰!?
  1335. さな: あ、あの…妖精…です…っ?
  1336. いろは: 見て…!空が…!
  1337. 井ノ上 たきな: …大きな…ゲート…!
  1338. 錦木 千束: え、なになになになに!?
  1339. 井ノ上 たきな: …ここは
  1340. 少女L: …どうして アンタたちがここに
  1341. 錦木 千束: いや、私も全然わからん!
  1342. 少女M: 先輩!入れ替えた場所が 全部、元に戻って…!
  1343. 少女L: なんで… 魔法は成功したんじゃ…
  1344. いろは: ここ、もしかして空に見えた ゲートの中…!?
  1345. うい: ほんとだ… 下に神浜市が見える…!
  1346. 錦木 千束: 上にあるのは… 私たちが住んでた街…!?
  1347. やちよ: ふたつの世界の間にいる …ということ?
  1348. 錦木 千束: でも、魔法は発動したんでしょ?
  1349. 鶴乃: …もしかしたら、千束の 願いが打ち消したのかも
  1350. 井ノ上 たきな: 願いが…?
  1351. 鶴乃: 千束の願いは「日常を守る」
  1352. 鶴乃: ふたりのしてることは 「日常を壊す」ことだから
  1353. 鶴乃: ふたつがかち合ったのかも?
  1354. 錦木 千束: ワンチャンが上手くいった …ってこと!?
  1355. 井ノ上 たきな: え、狙ってやったんですか?
  1356. 錦木 千束: 一応? なんか思ったんと違うけど
  1357. フェリシア: そうだよ、なんでこんな わけわかんねーとこに来んだよ
  1358. さな: 魔法の発動と千束さんの願いが 同時だったから…
  1359. さな: パッチワークがひっくり返る 直前…ってことでしょうか…
  1360. うい: 魔法同士が戦ってる… みたいな感じなのかな?
  1361. 少女L: …また、アンタたちのせい
  1362. 錦木 千束: だって、宇宙なくなると 映画とかも見れなくなるじゃん
  1363. 少女M: …計画は失敗です、先輩
  1364. 少女L: いいえ、まだチャンスはある…
  1365. 少女L: コイツらを倒しさえすればね!
  1366. 錦木 千束: ――っ!?
  1367. 少女L: 言ったでしょ…私は 復讐するために魔法少女になった
  1368. 錦木 千束: …………わかった じゃあ、やりあおう
  1369. 錦木 千束: その代わり、私が勝ったら 一緒に帰るのはどう?
  1370. 錦木 千束: …帰り方、わかんないけど
  1371. 少女L: ええ、いいわよ…勝てるなら
  1372. 錦木 千束: あ、でもこっちはこんだけいるし 人数的に汚い?
  1373. 少女L: なめないで…私の能力は 異空間を繋ぐこと
  1374. 少女L: あなたたちの敵を 呼ぶことだってできるの!
  1375. 少女M: 先輩…それって…
  1376. 少女L: 見つけた魔女結界はね 切り札にしてとってあるのよ
  1377. 少女L: そこと繋ぐから… あなたの力で魔女を連れてきて!
  1378. 少女M: …魔女結界に繋ぐなんて そんなことしたら先輩の魔力が…
  1379. 少女L: いいから!やって!
  1380. 少女M: …くっ!
  1381. 錦木 千束: っと!
  1382. 井ノ上 たきな: ふっ!
  1383. 錦木 千束: おぉ…やるじゃんたきな
  1384. 井ノ上 たきな: 魔法少女としては私の方が 先輩なので
  1385. 錦木 千束: …………
  1386. 錦木 千束: ありがとね、助けてくれて それと
  1387. 錦木 千束: ごめんね、契約しちゃって
  1388. 井ノ上 たきな: …はぁ、本当ですよ ふたりして魔法少女です
  1389. 錦木 千束: でも、リコリスとあんまり 変わんなくない?
  1390. 井ノ上 たきな: いえ、この衣装は 隠密行動に向いてません
  1391. 井ノ上 たきな: あと…ちょっと派手で 私向きではありません…
  1392. 井ノ上 たきな: それもあったので、千束には なるべく隠しておきました…
  1393. 錦木 千束: あはは!そんなこと!?
  1394. 錦木 千束: だーいじょうぶだって! たきな、めっちゃ似合ってる
  1395. 井ノ上 たきな: ………… 千束は…まぁ、派手ですね
  1396. 錦木 千束: でっしょ~んふふ
  1397. 錦木 千束: これさ、変身の決め台詞とか 必殺技とか考えて~
  1398. 井ノ上 たきな: もう、言ってる場合ですか
  1399. 井ノ上 たきな: 早く魔女を倒して あの人たちを確保
  1400. 井ノ上 たきな: そして、うちに帰りましょう
  1401. 錦木 千束: おうよ!
  1402. いろは: 私たちも協力しますね 千束さん、たきなさん!
  1403. フェリシア: そんじゃ、オレから! ズッガーン!
  1404. さな: 私が攻撃は防ぎますので おふたりは攻めてください!
  1405. 錦木 千束: ありがと! えっと…妖精ちゃん!
  1406. うい: わたしも、ツバメさんで フォローするよ!
  1407. 錦木 千束: わっ!? なんか出たぁ!?
  1408. いろは: こっちは大丈夫です!
  1409. やちよ: あなたたちの背中は任せて
  1410. 鶴乃: 使い魔くらい、わたしたちが ちょちょいのちょいだよー!
  1411. フェリシア: 行ってこい 千束、たきな!
  1412. 井ノ上 たきな: ええ!
  1413. 錦木 千束: あ、ちなみに神浜市民の 避難ってどうなったの?
  1414. クルミ: 「それなら、安心しろ 神浜市の防災無線を乗っ取ったり 灯花んちの力を使ったりで 神浜市民はほぼ避難済みだ まぁ、宇宙が消えたら意味はないんだけどな」
  1415. 錦木 千束: ありがと! さすがクルミだわ!
  1416. クルミ: 「ハンッ、ボクを誰だと思ってる! 魔法少女やらは知らんが電脳戦なら任せとけ」
  1417. 錦木 千束: ふふ、そうだった うちの天才ハッカーだからな
  1418. 錦木 千束: そんじゃ…たきな、ここは 魔法少女らしく合わせ技いくぞ!
  1419. 井ノ上 たきな: え、は、なんですかそれ! 知りませんよ!
  1420. 錦木 千束: 魔法少女といえばこれなんよ 帰ったら見せちゃるわ!
  1421. 錦木 千束: まー大丈夫! いけるって、私たちなら!
  1422. 井ノ上 たきな: …もうどうなっても 知りませんからね
  1423. 千束&たきな: やぁああああっ!
  1424.  
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  1426. 千束&たきな: やぁああああっ!
  1427. 井ノ上 たきな: …うまくいくもんですね
  1428. 錦木 千束: 魔法少女の適性 あるんじゃない、これ
  1429. 少女L: クッソ… もう1体…魔女を…
  1430. 少女M: 先輩…! もう…無理ですよ…
  1431. やちよ: 魔女を呼ぶことで 魔力を消費してしまったのね
  1432. 鶴乃: もうやめなよ これ以上は魔女になっちゃう…
  1433. 少女L: …なら、魔女になってやる!
  1434. 少女L: 魔力もなくて、作戦だって もう立て直せない
  1435. 少女L: でも、ここで魔女になって 暴れて…全部壊せば
  1436. 少女L: 世界を平らにして もう一度やり直せる
  1437. 少女L: 全部なくなれば 悪だってなくなる、そうよね
  1438. 少女M: そう…ですね…
  1439. 少女M: 先輩となら 全部…壊せる気がします
  1440. 少女M: それに、そうすればきっと 魔女になった先輩にも会えるはず
  1441. いろは: そんなの…ダメ…!
  1442. うい: 早く、グリーフシードを!
  1443. 鶴乃: …あれ、でもあのふたり 濁りが止まって…?
  1444. 少女M: なんで…どうして 魔女にならないの…?
  1445. 少女L: あの人がいない世界なんて もう、いらないのに…!
  1446. 錦木 千束: …あなたたちは 絶望したりしないよ
  1447. 錦木 千束: だって 宇宙を消そうとしたんだよ?
  1448. 錦木 千束: そんなでっかいことする人が 絶望なんてするわけない
  1449. 錦木 千束: だってほら、その目 絶対に諦めない人の目だもん
  1450. 錦木 千束: そんな目で絶望する人 いないって!
  1451. 井ノ上 たきな: …あなた方の絶望は 大事な人を失ったとき
  1452. 井ノ上 たきな: だからもう これ以上絶望はしない
  1453. クルミ: 「この作戦が ふたりの希望になってたってことか」
  1454. 少女M: そんな…こと…
  1455. 井ノ上 たきな: …その希望を 他のものに向けてみませんか
  1456. 錦木 千束: 楽しいことは もっとたくさんあるよ
  1457. 井ノ上 たきな: あなたが私たちを調べたように 私も、あなたを調べました
  1458. 少女M: え…
  1459. 井ノ上 たきな: あなたと先輩という方の関係 求めた悪のない世界…
  1460. 井ノ上 たきな: 大切な方を失った悲しみは すぐに癒えないと思います
  1461. 井ノ上 たきな: …でも、あなたたちは 歪だとしても前を向いた強い人
  1462. 井ノ上 たきな: 悪をなくそうという考え 私は、いいと思います
  1463. 井ノ上 たきな: ただ、あなたの先輩が求めたのは 本当に…これですか?
  1464. 悪のない世界にしたい そのために魔法少女になったの
  1465. みんなに笑顔でいてほしいのよ …もちろん、あなたにもね
  1466. 少女M: 先輩さえいれば 私は、いつだって笑顔ですよ
  1467. ううん、それ以外にも見つけて 世界は、あなたが思うより広いの
  1468. 少女M: …本当、ですね
  1469. 少女M: …私、間違ってたみたいです こんなの先輩が…悲しみます
  1470. 少女M: それから、ごめんなさい …先輩
  1471. 少女M: あなたに理想を押しつけて 先輩の代わりにしました…
  1472. 少女L: え…そんな、何… 私を呼んだあなたが諦めるの?
  1473. 少女M: …もう、引き際です 私たちは間違えたんです
  1474. 少女L: っ…間違えてなんかない! あの人は間違ってない!
  1475. 少女L: そもそも私とあなたの理想は 最初から違う!利用しただけ!
  1476. 少女L: 同じ悪のない世界でも 私が求めたのは、破壊の先…!
  1477. 少女L: あなたみたいな 綺麗な志なんかじゃないの!
  1478. 少女L: 私は!こんな世界壊して! それで…それで…!
  1479. 錦木 千束: …ごめんね
  1480. 少女L: なによ…!
  1481. 錦木 千束: ごめん、それ以上のことを 私は言えないし何もできない
  1482. 錦木 千束: でも、これだけは言える
  1483. 錦木 千束: あなたの居場所は 他にもきっとあるよ
  1484. お前の居場所は もっと他にあんじゃねーの
  1485. こんなとこじゃなくて 明るいとこがさ
  1486. 少女L: …出てってほしいの?
  1487. ちげーよ、俺はただお前に 幸せになってほしいだけ
  1488. 美味いもんたらふく食って 笑っててほしい
  1489. いつか俺がいなくなっても そういう場所を見つけろよ
  1490. 少女L: …なんでアンタが あの人と同じこと言うのよ…
  1491. 錦木 千束: 私は、世界とか宇宙とか よくわかんないけどさ
  1492. 錦木 千束: 世界を壊すには まだ私たちなんも知らなすぎるよ
  1493. 錦木 千束: うちね、コーヒーと和菓子を 一緒に出すお店なの
  1494. 錦木 千束: んふふ…変って思ったでしょ
  1495. 錦木 千束: それなら1回試してみない?
  1496. 錦木 千束: これ、うちのカフェのチラシね
  1497. 錦木 千束: 先生が淹れたコーヒー とっても美味しいんだから!
  1498. 錦木 千束: コーヒー飲んでからだって 世界征服には遅くないでしょ
  1499. 少女L: 別に、世界征服が目的じゃないし
  1500. 少女L: アンタの言い方じゃ…いつか 世界を壊すことになってるけど
  1501. 錦木 千束: その日が来るまでに 好きなものができるよ、きっと
  1502. 少女L: …はぁ…わかった、根負けよ アンタらしつこいし
  1503. 錦木 千束: ふふ、ご来店お待ちしてまーす
  1504. フェリシア: おい!大変だぞ! この場所…崩れそうだ!
  1505. うい: …なんか、光り始めたよ…!
  1506. クルミ: 「どうやら、神浜市の至る所から 千束たちがいた痕跡が消えている その光が、何かをしているみたいだ」
  1507. いろは: これも、千束さんの願いの力…?
  1508. クルミ: 「わからないが、すべて なかったことになっているらしい …まるで、日常に戻っていくみたいにな ボクのPCからも 神浜市の情報が少しずつ消えている」
  1509. クルミ: 「ドローンの制御も効かないから そろそろお別れみたいだ いろは、灯花とねむと…みんなによろしく」
  1510. いろは: はい…クルミちゃん!お元気で!
  1511. クルミ: 「千束、たきな… 喫茶リコリコで待ってるからな」
  1512. 井ノ上 たきな: ええ
  1513. 少女L: …ごめんね、あなたの… 彼女への気持ちを利用したわ
  1514. 少女M: 私だって…あなたを 先輩の代わりにしました…
  1515. 少女L: …ふふ、私があなたの先輩と 似ているだなんて言ったけど
  1516. 少女L: 本当に似ていたのは 私と、あなただったかもね
  1517. 少女M: 確かに…そうみたいですね いつか…また会えたなら
  1518. 少女L: ええ、もっとお話をしましょう …コーヒーでも飲みながら
  1519. 少女L: ねえ、あなたたち
  1520. いろは: え、あ…はい!
  1521. 少女L: …よろしくね、私の…後輩
  1522. うい: 消えちゃった…
  1523. 錦木 千束: よくわかんないけど 一件落着…する感じ?
  1524. やちよ: 日常を守るためには、すべて なかったことにするしかないのね
  1525. フェリシア: え…じゃあ、千束とたきなは オレたちのこと忘れちまうのかよ
  1526. うい: わたしたちも千束さんたちのこと きっと、忘れちゃうんだよね…
  1527. 鶴乃: それは、寂しいな…
  1528. 井ノ上 たきな: …でも、元々私たちは 出会うはずがなかったんです
  1529. 錦木 千束: そうは言ってるけど たきな、泣きそうだったり?
  1530. 井ノ上 たきな: しません!
  1531. 錦木 千束: ふふ…いろはちゃん ありがとね、いろいろ
  1532. 錦木 千束: やちよさんも、鶴乃ちゃんも ういちゃんも、フェリシアも…
  1533. さな: あ、さな…二葉さなですっ…
  1534. 錦木 千束: さなちゃんも! 神浜市、めっちゃ楽しかったぜ!
  1535. 井ノ上 たきな: 私も…楽しかったです これからもお互い頑張りましょう
  1536. 井ノ上 たきな: 別々の世界で 別々の敵と戦う者同士…
  1537. いろは: うん、魔法少女と
  1538. 錦木 千束: リコリスとして!
  1539. 錦木 千束: じゃあ…またね! みんなによろしく!
  1540. 井ノ上 たきな: いつか、また!
  1541.  
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  1543. 錦木 千束: すー…
  1544. 錦木 千束: はっ!
  1545. 錦木 千束: んん…なんか 夢を見てたような…?
  1546. 錦木 千束: って、やっべ…映画観たまま 寝落ちしちゃってたー…
  1547. 錦木 千束: もうエンドロール 流れちゃってんじゃん…
  1548. 井ノ上 たきな: んぁ…あぁ… おはよーございます…
  1549. 錦木 千束: おはよ、たきな 今日は寝起き悪くない?
  1550. 井ノ上 たきな: なんか…ずいぶんと 長い夢を見てた気がして…
  1551. 錦木 千束: え、私も! どんな夢!?
  1552. 井ノ上 たきな: んん…派手な服を着た千束と 派手な服の女の子たちがいて…
  1553. 錦木 千束: そんで、宇宙の危機を救う! 的なね!
  1554. 井ノ上 たきな: …魔法がなんたらとか 楽しい夢…だった気がします
  1555. 錦木 千束: え、待って同じ夢じゃん!? 私もめっちゃ楽しかったんだよね
  1556. 井ノ上 たきな: 同じ映画を 観てたからでしょうか…?
  1557. 錦木 千束: あーなんか、あれ! あれ観たくなってきた!
  1558. 井ノ上 たきな: あれとは…
  1559. 錦木 千束: 魔法少女アニメ! ちょっと今晩、一気見しようよ!
  1560. 井ノ上 たきな: えぇ… シーズン数によります…
  1561. 錦木 千束: んーと、無印があって2、3… そのあとに映画版が三部作で…
  1562. カランカラン
  1563. ミカの声: ただいま
  1564. 錦木 千束: あ、先生おかえりー!
  1565. ミズキの声: あら、あんたたち 映画観ながら寝ちゃったの?
  1566. クルミの声: …まったく、電気代の無駄だな
  1567. 井ノ上 たきな: クルミには言われたくないです
  1568. ミカの声: さ、開店の準備だ ふたりとも着替えておいで
  1569. 錦木 千束: ほーい!
  1570. カランカラン
  1571. ???の声: あの…チラシを 見てきたんだけど…
  1572. ???の声: もしかして、まだ 準備中だったかしら
  1573. 錦木 千束: いえいえ!もう開くんで 中でちょっと待っててください!
  1574. 錦木 千束: んん? …それより、お姉さん
  1575. 錦木 千束: 夢の中で逢った…ような…?
  1576. 井ノ上 たきな: ちょっと千束… なにナンパしてるんですか
  1577. 錦木 千束: いやいや違うんだってぇ~! ほんと、ほんとなの!
  1578. ???の声: …ふふ、面白いお店ね
  1579. 錦木 千束: んふふ…そうなんですよ~
  1580. 錦木 千束: えっと、それじゃあ改めて
  1581. 千束&たきな: いらっしゃいませ! ようこそ、喫茶リコリコへ!
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