Vi_Vi

Hagumu MSS JP Text

Aug 5th, 2022
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  1. FILENAME: text_310301-1.txt
  2. はぐむ: マギウスの翼 魔法少女の解放を約束してくれた マギウスの3人と 彼女たちを信じる羽根から成る組織
  3. はぐむ: 私はその一員だった
  4. はぐむ: もちろん、マギウスとしてではなく 下っ端の黒羽根としてだけど 魔法少女の解放を頑張ってきた
  5. はぐむ: そして…
  6. 灯花: 「魔法少女の存在を証明して 人類という種の進化を促すために より優れた存在である魔法少女たちが 他の人々を先導する…」
  7. 灯花: なんてこともねー!
  8. はぐむ: 灯花様が教えてくれた 魔法少女至上主義が支えだった
  9. はぐむ: だったのに… “ワルプルギスの夜”の襲来を経て マギウスの翼は解散してしまった
  10. はぐむ: 中心だったマギウスのおふたり 灯花様とねむ様も 魔法少女同士の相互援助を目的とした 神浜マギアユニオンへ行ってしまい…
  11. <演劇部・稽古場>
  12. はぐむ: (羽根だった子たちも)
  13. はぐむ: (結構、神浜マギアユニオンに 行っちゃった…)
  14. はぐむ: (返事はいつでもいいからって 私も誘われているけど…)
  15. はぐむ: (思想が違う…)
  16. はぐむ: (犠牲がない形で 魔法少女を解放する)
  17. はぐむ: (それはいいと思うけど…)
  18. はぐむ: (魔法少女至上主義は 省かれちゃった…)
  19. はぐむ: (…それに…)
  20. 時雨: はぐむん…
  21. はぐむ: (時雨ちゃん…)
  22. はぐむ: …はぁ…
  23. はぐむ: どうしよう…
  24. どうしようって… 安積、まだ投票してなかった?
  25. はぐむ: えっ…? 投票…?
  26. はぁ、もう~ またぼんやりしてたの?
  27. あはは、はぐむらしいね
  28. はぐむ: うっ…
  29. はぐむ: (また、バカにされた…)
  30. 次の劇の内容 決めてたところでしょ
  31. はぐむ: あっ、そうでした… 投票はしたので大丈夫です…
  32. はぐむ: (みんな すっかり日常に戻ってるけど)
  33. はぐむ: (その日常も ワルプルギスの夜から…)
  34. はぐむ: (魔法少女たちが 守ったものなのに…)
  35. はぐむ: (呼んだのは マギウスの3人らしいけど)
  36. はぐむ: (それでも守ったのは 魔法少女たちなのに…)
  37. はぐむ: (みんなそんなこと、 少しも知らない…)
  38. 集計終わりました!
  39. どれどれ… …なるほどね
  40. 我が演劇部の次回公演は… シンデレラに決定!
  41.  
  42. FILENAME: text_310301-2.txt
  43. 我が演劇部の次回公演は… シンデレラに決定!
  44. はぐむ: (シンデレラ… 子どもの頃から好きだったなぁ)
  45. はぐむ: 意地悪な継母と義姉たちに イジメられるシンデレラ
  46. はぐむ: でも、魔法使いに ドレスとガラスの靴をもらって 舞踏会で王子様に見初められる…
  47. はぐむ: (女の子の憧れ、だよねぇ…)
  48. はぐむ: (私にも“ガラスの靴”が あったら、誰かに…)
  49. 安積、またぼうっとして!
  50. はぐむ: ――っ!?
  51. はぐむ: す、すみません…!部長!
  52. 先にシンデレラの衣装をお願い ガラスの靴も忘れないでね
  53. はぐむ: はい!
  54. あっ、でも待って 色のバランス見たいな…
  55. やっぱり全員の衣装デザインを 優先でお願い
  56. その後で、シンデレラの衣装 一式を縫ってね
  57. それと小道具から 布系小道具の依頼リスト来るから
  58. それも考えて、作成時間取ってね
  59. 衣装の予算、もう出してあるから はみ出さないようによろしく
  60. 小道具からの依頼は小道具側で 予算出すから考えなくていいよ
  61. はぐむ: あわわ…えっとシンデレラからで 次は…小道具の予算…?
  62. ふふっ、全然違うよ
  63. …はぁ、アンタ あれこれ考えるの苦手だもんね
  64. はぐむ: …すみません
  65. 書き出しておくから 家でゆっくり読んでからやって
  66. はぐむ: …すみません…
  67. じゃあ、お願いね
  68. 予算も忘れないでねー
  69. はぐむ: (また笑われて 呆れられちゃった…)
  70. はぐむ: (どんなに頑張っても 感謝されることもないし…)
  71. はぐむ: …………
  72. はぐむ: シンデレラみたい…
  73. はぐむ: …うそ… 本当はわかってる
  74. はぐむ: 私の要領が悪いだけ…
  75. はぐむ: (意地悪な継母や 義姉はいないし…)
  76. はぐむ: (何より…)
  77. はぐむ: (ガラスの靴をくれる 魔法使いも…いない)
  78. はぐむ: …いいことないな…
  79. はぐむ: (魔法少女になってからも… 何も変わらなかった…)
  80. はぐむ: (でも、仕方ないよね…)
  81. はぐむ: (…みんなと違って ちゃんとした願いじゃないもん)
  82. はぐむ: …はぁ、とりあえず帰ろう…
  83. ピロリン♪
  84. はぐむ: メッセージ…
  85. はぐむ: あっ…
  86. はぐむ: …………
  87.  
  88. FILENAME: text_310301-3.txt
  89. ピロリン♪
  90. はぐむ: メッセージ…
  91. はぐむ: あっ…
  92. はぐむ: …………
  93. 時雨: 会って話したい いつなら会える?
  94. はぐむ: …………
  95. はぐむ: 神浜マギアユニオンかぁ… どうしよう…
  96. 時雨: …ぼくは入らない
  97. はぐむ: えっ! じゃあ、どうするの?
  98. 時雨: …灯花様とねむ様に 戻って来てもらって…
  99. 時雨: マギウスの翼を… もう一度…率いてもらう
  100. はぐむ: …灯花様とねむ様に…
  101. はぐむ: でも、マギウスに 私たち利用されて…
  102. 時雨: …うん わかってる…
  103. 時雨: 使い捨ての…コマにされた…
  104. 時雨: また…されるかも…
  105. はぐむ: それなら、どうして…
  106. 時雨: はぐむんも…わかってるはず
  107. 時雨: 使い捨てに…されても… ぼくたちはすがるしかない…って
  108. 時雨: ぼくたちは…弱いから 魔法少女至上主義しか…ない
  109. はぐむ: ――っ!?
  110. はぐむ: それは…そうかもしれないけど…
  111. はぐむ: でも、私はやっぱり… 信用しきれない…
  112. はぐむ: また、使い捨てに されちゃうかもって…
  113. はぐむ: どうしても…思っちゃって…
  114. 時雨: 許せない…?
  115. はぐむ: それは…ちょっと違うけど…
  116. 時雨: …………
  117. 時雨: …でも…ぼくたちには… それしか…ないよ…
  118. 時雨: はぐむん…一緒にやろう 一緒に…
  119. はぐむ: …………
  120. 時雨: お願い…
  121. はぐむ: …ごめん ちょっと、考えたいから…
  122. 時雨: あっ…!
  123. 時雨: …………
  124. はぐむ: (あれ以来、会ってないから 会いにくい…)
  125. はぐむ: (時雨ちゃんと意見が 食い違ったの初めてだし…)
  126. はぐむ: (なんか悪い事した気分で…)
  127. はぐむ: …………
  128. はぐむ: (今日も断っちゃおうかな… 衣装も作らなきゃいけないし…)
  129. ピロリン♪
  130. はぐむ: ――っ!?
  131. はぐむ: …………
  132. はぐむ: …えっ…
  133. はぐむ: …………
  134. はぐむ: (時雨ちゃん …ごめん…!)
  135. はぐむ: ごめんね、時雨ちゃん 今日は約束があって… それにしばらくは次回公演のことで忙しそう…
  136.  
  137. FILENAME: text_310301-4.txt
  138. はぐむ: 真里愛さん! ごめんなさい、お待たせして…
  139. 由貴 真里愛: いいのよ 呼んだのは私だもの
  140. 由貴 真里愛: さぁ、座って
  141. はぐむ: はい
  142. 由貴 真里愛: …………
  143. はぐむ: …あの、どうかしました?
  144. 由貴 真里愛: …はぐむちゃん、 ご飯ちゃんと食べてる?
  145. はぐむ: えっ?
  146. 由貴 真里愛: 顔色があんまり よくないなぁって…
  147. はぐむ: …………
  148. 由貴 真里愛: …………
  149. 由貴 真里愛: ひなのちゃんや、やちよさん 十七夜ちゃんのところにね
  150. 由貴 真里愛: マギウスの翼にいた子たち… 元羽根って言うんだったかな?
  151. はぐむ: …はい、そうです…
  152. 由貴 真里愛: その子たちや経験の浅い子が 相談に来るんですって
  153. 由貴 真里愛: 今後の身の振り方に 悩んでいるみたい…
  154. はぐむ: (…私と一緒だ…)
  155. はぐむ: (でも、相談したら 勧誘されるかもしれないし…)
  156. 由貴 真里愛: 余計なお節介かなぁとは 思ったんだけど…
  157. 由貴 真里愛: マギウスの翼にいたって 聞いてたから
  158. 由貴 真里愛: はぐむちゃん、大丈夫かなぁって 会いたくなっちゃったの
  159. はぐむ: 真里愛さん…
  160. 由貴 真里愛: もしね… 話せることがあったら聞かせて?
  161. 由貴 真里愛: 答えを出してあげることは できないけど…
  162. 由貴 真里愛: ひとりで抱え続けるよりは 楽になるかもしれないわ
  163. はぐむ: …………
  164. はぐむ: ………… …………
  165. はぐむ: …私、神浜マギアユニオンに 声をかけてもらったんです
  166. はぐむ: 解放の思想は悪くないなって… 思うんですけど…
  167. はぐむ: でも…その…どうしても… 納得できないところがあって…
  168. 由貴 真里愛: うん
  169. はぐむ: それに、時雨ちゃん… 友だちにも別で誘われてて…
  170. はぐむ: けど、そっちには…
  171. はぐむ: マギウスのことで…
  172. はぐむ: 許せないって言うと ちょっと違うんですけど…
  173. はぐむ: その…
  174. 由貴 真里愛: 心のどこかで “嫌だなぁ”って思っちゃう?
  175. はぐむ: あっ…そうです
  176. はぐむ: そう思っちゃうことがあって…
  177. はぐむ: でも…時雨ちゃんの 言いたいことも…わかるから…
  178. はぐむ: …から…………
  179. はぐむ: …………
  180. はぐむ: いつも… そこで止まっちゃいます…
  181. 由貴 真里愛: …全部が全部 望み通りにならない、よね…
  182. はぐむ: はい…
  183. 由貴 真里愛: だから、決め方が わからなくなっちゃった?
  184. はぐむ: えっ…?
  185. 由貴 真里愛: 神浜マギアユニオンと お友だちの提案に
  186. 由貴 真里愛: それぞれ良いところと 悪いところがあるから
  187. 由貴 真里愛: それを比べてどっちを取るか 決められないのかなぁって
  188. はぐむ: …言われてみれば、そうかも…
  189. はぐむ: でも…それでもどうしていいか わからないです…
  190. 由貴 真里愛: うーん…
  191. 由貴 真里愛: 自分で答えが見えないなら 他の子を参考にしてもいいかも
  192. はぐむ: 他の子を…?
  193. 由貴 真里愛: うん
  194. 由貴 真里愛: “どうやって決めたんですか?” って聞いてみるとか、ね?
  195. はぐむ: あっ…! いいかも…
  196. はぐむ: ちなみに、真里愛さんは どうやって決めたんですか?
  197. はぐむ: 神浜マギアユニオンに 入ったんですよね?
  198. 由貴 真里愛: うん
  199. 由貴 真里愛: でもね、大きな理由はないの 断る理由がなかっただけ
  200. はぐむ: えっ! それだけ…?
  201. 由貴 真里愛: 魔法少女として 活躍しやすくなるのは嬉しいし
  202. 由貴 真里愛: 浄化装置を広げて 魔女化のない世界を作る…
  203. 由貴 真里愛: …だったかしら? それもいいことだなぁって
  204. 由貴 真里愛: 私も、魔女にはなりたくないし みんなにもなって欲しくないもの
  205. はぐむ: …私には、マネできないです…
  206. 由貴 真里愛: そうねぇ…
  207. 由貴 真里愛: 流されただけ、と言えばそうだし 参考にしてとは言えないわ
  208. はぐむ: そ、そういう 意味じゃなくて…!
  209. はぐむ: 私は、真里愛さんみたいに… しっかりしてないから…
  210. はぐむ: (その場で流されて決めると ろくなことにならないだけ…)
  211. はぐむ: (…魔法少女に なった時みたいに…)
  212. 由貴 真里愛: そんなこと言わないで
  213. 由貴 真里愛: はぐむちゃんにはね
  214. 由貴 真里愛: はぐむちゃんのいいところが たくさんあるんだから
  215. はぐむ: えっ…? そうでしょうか…?
  216. 由貴 真里愛: さて、食べましょうか?
  217. 由貴 真里愛: 少し冷めちゃったけど お腹が空くと元気も出ないわ
  218. はぐむ: …はいっ…!
  219. はぐむ: どうして…私ってこうなんだろう いつも迷ってばっかり…
  220.  
  221. FILENAME: text_310302-1.txt
  222. はぐむ: (萌花ちゃん 急でビックリしたかなぁ…)
  223. はぐむ: (でも、魔法少女の知り合いって そんなにいないし…)
  224. はぐむ: (それに萌花ちゃんって…)
  225. 萌花の声: はぐむちゃーん!
  226. はぐむ: あっ! 萌花ちゃ…えっ!?
  227. 恵 萌花: あっ…
  228. はぐむ&萌花: きゃあっ!?
  229. はぐむ: いたた… 萌花ちゃん大丈夫…?
  230. 恵 萌花: う、うん… ごめんね…転んじゃった…
  231. はぐむ: 大丈夫だよ
  232. はぐむ: (…萌花ちゃんって 少しドジなところがあるから)
  233. はぐむ: (なんだか、 親近感があるんだよね…)
  234. はぐむ: それより、ごめんね 急にお話したいなんて…
  235. 恵 萌花: ううん はぐむちゃんと会えて嬉しいよ
  236. 恵 萌花: それで、お話って何?
  237. はぐむ: あっ…うん…
  238. はぐむ: 萌花ちゃんは
  239. はぐむ: 神浜マギアユニオンに 参加するんだよね
  240. はぐむ: 参加を決めた理由 聞いてみたいなぁって…
  241. はぐむ: ムリにとは言わないんだけど…
  242. 恵 萌花: 理由…? 誘われたからかなぁ…
  243. はぐむ: えっ… 誘われたから入ったの?
  244. 恵 萌花: うん
  245. 恵 萌花: 仲間になってくれるって 言ってくれたから
  246. はぐむ: まさか…その場で?
  247. 恵 萌花: うん
  248. はぐむ: (あっ…でも…)
  249. はぐむ: (私も元黒羽根じゃなければ そんな感じで入ってたかも…)
  250. はぐむ: (不安でいっぱいでも 結局は流されて…)
  251. はぐむ: …………
  252. はぐむ: 不安とかない?
  253. 恵 萌花: 不安…?
  254. はぐむ: 上手くやっていけるかなぁとか 考え方に違いがないかなぁとか…
  255. 恵 萌花: みんな親切だし 優しいから大丈夫だよ
  256. はぐむ: そう、なの…?
  257. 恵 萌花: うんっ…!
  258. 恵 萌花: ほんとに、ほんとに 優しい人たちなんだよ…!
  259. はぐむ: そ、そうなんだ…
  260. はぐむ: (全然、疑ってないみたい…)
  261. はぐむ: (大丈夫かなぁ… なんか心配になっちゃう…)
  262. あっ!いたー! 萌花!
  263. 宿題のプリント 机に置いたままだったよ!
  264. あと、家の鍵も!
  265. 恵 萌花: えっ…!
  266. はぐむ: (学校のお友だち、かな?)
  267. はい、これ
  268. 恵 萌花: ごめんね… 全然、気付かなかった…
  269. いいの、いいの
  270. おかげでこうして 放課後に萌花に会えたし!
  271. 萌花様々だね!
  272. はぐむ: …………
  273. はぐむ: あっ…
  274. はぐむ: (そっか… だから、萌花ちゃんは…)
  275. はぐむ: …萌花ちゃん お話ありがとう…
  276. はぐむ: お友だちとお話もあるだろうし 私は、これで…
  277. 恵 萌花: えっ…あっ、はい…! またね、はぐむちゃん…!
  278. はぐむ: (萌花ちゃんと私…)
  279. はぐむ: (ちょっと似てるかも って思ったけど…)
  280. はぐむ: (…全然、違う)
  281. はぐむ: 萌花ちゃんは 少し危なっかしいところがあっても いつも真っ直ぐで人を疑わない
  282. はぐむ: だから、みんな助けてあげたくなる
  283. はぐむ: そして、助けてくれる人がいるから 真っ直ぐなまま… …純粋なままでいられる
  284. はぐむ: そんな… “ガラスの靴”がなくても 素敵なお城に みんなが迎えたくなる子…
  285. はぐむ: …いいなぁ…
  286. はぐむ: (…他の子の話も聞いてみよう)
  287. はぐむ: (元黒羽根の子とかなら… 参考になるかもしれない…)
  288. はぐむ: (確か…)
  289.  
  290. FILENAME: text_310302-2.txt
  291. はぐむ: (…来た…!)
  292. はぐむ: …………
  293. はぐむ: …あのっ! 七瀬さん…!
  294. 七瀬 ゆきか: ――っ!?
  295. 七瀬 ゆきか: あっ、確か… 安積さん…?
  296. はぐむ: はい… 黒羽根だった安積はぐむです…
  297. 七瀬 ゆきか: …何か、あったんですか?
  298. はぐむ: 黒羽根だった子の中で 私が素性を知っていて
  299. はぐむ: お話を聞けそうなのが 七瀬さんしか思い当たらなくて…
  300. はぐむ: 突然、すみません…
  301. 柚希 ほとり: あの…ゆきかさん…?
  302. 柚希 りおん: ちょっと、何ふたりで 見つめあっちゃってるのよ!
  303. 七瀬 ゆきか: 見つめあっていたわけでは ないのですが…
  304. 柚希 りおん: あー、わかった! テレパシーで内緒話ね?
  305. はぐむ: えっ…!?
  306. 七瀬 ゆきか: この子たちも魔法少女なんです
  307. はぐむ: …あ、そうだったんですか…
  308. 七瀬 ゆきか: それで、聞きたい話って なんでしょうか?
  309. はぐむ: …………
  310. はぐむ: …神浜マギアユニオンのことで…
  311. はぐむ: 七瀬さんは、もう入るかどうか 決めましたか?
  312. 七瀬 ゆきか: はい お断りしましたっ
  313. はぐむ: …………
  314. はぐむ: えっ!?
  315. はぐむ: こ、断ったんですか? どうして?
  316. 七瀬 ゆきか: それが…わたし、影が薄いもので しばらく声がかからなくて
  317. 七瀬 ゆきか: 気が付いたら大きな集まりに なっていたのでお断りしたんです
  318. 七瀬 ゆきか: たくさんの人をトラブルに 巻き込んでしまいそうで…
  319. はぐむ: トラブル…?巻き込む…?
  320. 七瀬 ゆきか: いろいろありまして トラブル体質なんです…
  321. 七瀬 ゆきか: トラブルから来るのか
  322. 七瀬 ゆきか: わたしが居合わせやすいだけかは わかりませんが…
  323. 七瀬 ゆきか: 一緒にいると大勢の方に
  324. 七瀬 ゆきか: 迷惑をおかけすることに なりかねませんのでっ
  325. はぐむ: (…七瀬さんって 自分をしっかり持ってるんだ…)
  326. はぐむ: …あれ? でも、そちらのふたりは…?
  327. 柚希 りおん: あたしたちは 好きで付きまとってるだけ!
  328. 柚希 ほとり: ゆきかさんは… ボクたちの恩人なんです…
  329. 柚希 りおん: 命懸けで魔女から 助けてくれたんだから!
  330. はぐむ: 命懸けで…
  331. 七瀬 ゆきか: そ、そんな大げさなものじゃ ないですっ
  332. 七瀬 ゆきか: 当然のことをしただけですのでっ
  333. はぐむ: …なる、ほど…
  334. はぐむ: あの…お話 ありがとうございました
  335. はぐむ: お時間もとってしまって…
  336. 七瀬 ゆきか: いえ、少しでも お役に立てたなら幸いですっ
  337. 柚希 りおん: じゃあ、行きましょ! かはるんが待ってるわよ
  338. 柚希 ほとり: あっ…そうだった…!
  339. はぐむ: …………
  340. はぐむ: (少し…似てる子かなって 思ってたけど…)
  341. はぐむ: (全然違った…)
  342. はぐむ: 七瀬さんは… 自分の考えを持っていて それを実行できるだけの力を持ってる
  343. はぐむ: だから、慕ってくれる人がいる…
  344. はぐむ: 自信なさそうなのに… 私とは正反対…
  345. はぐむ: “ガラスの靴”に頼らなくっても やっていける…
  346. はぐむ: …すごいなぁ…
  347. はぐむ: (ガラスの靴をくれる 魔法使いも…いない)
  348. はぐむ: …ガラスの靴が欲しいのって 私だけなのかなぁ…
  349. はぐむ: 萌花ちゃんには みんなが守ってあげたくなるような純粋さ
  350. はぐむ: 七瀬さんには 自分の考えと、それを実行に移す心の強さ
  351. はぐむ: でも… 私にはそういうのが何もない…
  352. はぐむ: …………
  353. はぐむ: (他に話を聞けそうな子…)
  354. はぐむ: (…みたまさんなら 誰か知ってるかな…)
  355. はぐむ: (私みたいな子…)
  356.  
  357. FILENAME: text_310302-3.txt
  358. 十七夜: む?
  359. みたま: あらぁ~ いらっしゃい、はぐむちゃん
  360. はぐむ: こ、こんにちは…
  361. はぐむ: (ど、どうしよう…! まさか十七夜さんがいるなんて)
  362. 十七夜: 久しいな、安積君
  363. はぐむ: (それは…私がずっと 避けてたから…)
  364. はぐむ: (黒羽根になったこと 十七夜さん怒ってたし…)
  365. 十七夜: どうした?
  366. はぐむ: い、いえ… その…お久しぶり、です…
  367. みたま: もしかして… 黒羽根だったこと気にしてる?
  368. はぐむ: …………はい…
  369. 十七夜: …それでしょぼくれた猫ちゃん みたいな顔をしているのか
  370. はぐむ: …はい…その…ご迷惑を…
  371. はぐむ: えっ…ネコちゃん…?
  372. 十七夜: だが、自分は気にしていないぞ もう過ぎたことだ
  373. はぐむ: そう…なんですか…?
  374. 十七夜: うむ
  375. 十七夜: それに、だ
  376. 十七夜: 安積君にもぜひ
  377. 十七夜: 神浜マギアユニオンに 参加して欲しいと思っている
  378. はぐむ: …えっ…? …でも、私弱いですし…
  379. 十七夜: 弱い…?
  380. 十七夜: 魔女との戦いは得意だったと 記憶しているが?
  381. はぐむ: それは…そうなんですけど…
  382. はぐむ: テリトリー…守れないから… あんまり意味ない、です…
  383. 十七夜: それも理解している 魔法少女相手は苦手だったな
  384. はぐむ: …はい…
  385. 十七夜: だからこそ、 参加してもらいたい
  386. はぐむ: …だからこそ…? 弱いから、ですか…?
  387. みたま: そういう意味じゃないわ わかりやすく言うとねぇ…
  388. みたま: はぐむちゃんのテリトリーは 他の子たちが守る
  389. みたま: その代わり、はぐむちゃんは 魔女との戦いが苦手な子のために
  390. みたま: 余ったグリーフシードを 融通してあげる
  391. みたま: そういう助け合いができるのが 神浜マギアユニオンなの
  392. 十七夜: つまり…
  393. 十七夜: 神浜マギアユニオンでなら 君の特技を生かし、苦手を補える
  394. はぐむ: 私の特技…
  395. はぐむ: そんな風に 思ってくれてたんですか?
  396. 十七夜: うむ 前から君の力には一目置いていた
  397. はぐむ: (うそ… 十七夜さんが私に…?)
  398. 十七夜: 悪い話ではないと思うが どうだろう?
  399. 由貴 真里愛: はぐむちゃんにはね
  400. 由貴 真里愛: はぐむちゃんのいいところが たくさんあるんだから
  401. はぐむ: (真里愛さんも ああ言ってたし…)
  402. はぐむ: (もしかしたら…私だって…)
  403. はぐむ: (魔法使いにガラスの靴を 用意してもらわなくても…)
  404. はぐむ: (認めてもらえる 存在なのかなぁ…)
  405. はぐむ: (それなら…)
  406. はぐむ: (十七夜さんたちと一緒も 悪くない、かも…?)
  407. 時雨: はぐむん…
  408. はぐむ: …あっ…
  409. はぐむ: (時雨ちゃん…)
  410. はぐむ: あの…そう言っていただけて、 嬉しいです
  411. 十七夜: では
  412. はぐむ: でも、返事はもう少し… 待ってもらってもいいですか?
  413. はぐむ: 時雨ちゃんと… 話してからにしたくて…
  414. 十七夜: む? 宮尾君と仲が良かったのか
  415. 十七夜: もちろん、いつでも構わない
  416. みたま: そうそう ふたりとも、いつでも歓迎よぉ♪
  417. はぐむ: はいっ! ありがとうございます…!
  418.  
  419. FILENAME: text_310302-4.txt
  420. はぐむ: ふふ~ん♪
  421. はぐむ: ひと針…ふた針~ …チクチクとぉ…
  422. 十七夜: うむ 前から君の力には一目置いていた
  423. はぐむ: (十七夜さんがあんな風に 思ってくれてたなんて…!)
  424. はぐむ: (あんな願い… 意味ないって思ってたけど…)
  425. はぐむ: (十七夜さんに ああ言ってもらえたし)
  426. はぐむ: (全然無意味ってわけじゃ なかったんだなぁ…)
  427. はぐむ: 神浜マギアユニオンのはぐむ…
  428. はぐむ: …うん 悪くない気がする…
  429. はぐむ: (時雨ちゃんのことも 歓迎だって言ってたし…)
  430. はぐむ: (時雨ちゃんが来てくれるって 言ってくれば)
  431. はぐむ: (この悩みも解決しちゃう)
  432. はぐむ: (私なんかでも)
  433. はぐむ: (いいところがあるって 言ってもらえたんだもん)
  434. はぐむ: (時雨ちゃんのいいところ…)
  435. はぐむ: (好きなことに一生懸命で 家族思いなことも)
  436. はぐむ: (きっとわかってもらえる)
  437. はぐむ: (萌花ちゃんは優しい人たち ばっかりだって言ってたし)
  438. はぐむ: ふふっ
  439. はぐむ: …よいしょ…
  440. はぐむ: (玉止めして…)
  441. はぐむ: シンデレラの衣装完成…!
  442. はぐむ: (着心地は…)
  443. はぐむ: ―はぐむ― うんっ…! バッチリ!
  444. はぐむ: ―はぐむ― えっとぉ… 針の抜き忘れもなし!
  445. はぐむ: ―はぐむ― 今回は完璧かな…!
  446. はぐむ: ―はぐむ― ふふっ 先輩たちびっくりするだろうなぁ
  447. はぐむ: ―はぐむ― すごいって 言ってもらえるかも…!
  448. はぐむ: 魔女退治が得意で お裁縫も得意…
  449. はぐむ: ふぅ… 試着終わり
  450. はぐむ: お裁縫道具片付けよっと
  451. はぐむ: 魔法使いに“ガラスの靴”を 用意してもらわなくても大丈夫…
  452. はぐむ: 真里愛さんが言っていた通り 私にもいいところがあった
  453. はぐむ: 魔女退治、お裁縫… それが私の“ガラスの靴”
  454. はぐむ: 用意してもらわなくても 持っていた私の“ガラスの靴”
  455. はぐむ: 誰かにガラスの靴を 与えてもらわなくても
  456. はぐむ: もしかしたら…
  457.  
  458. FILENAME: text_310303-1.txt
  459. おおっ、ドレスいいねぇ
  460. デザイン見せてもらった時から よかったけど、実物はまた違うわ
  461. すごいキレイ! はぐむ、器用だもんね
  462. 舞台映えもするだろうし 文句のない出来だよ
  463. はぐむ: えへへ ありがとうございます!
  464. はぐむ: (やった…! 褒められた!)
  465. はぐむ: (私でも失敗せずにできた)
  466. ガラスの靴とも 合わせてみましょうよ!
  467. そうだね
  468. 安積、ガラスの靴来てる? ネットで頼むって言ってたよね?
  469. はぐむ: えっ…届いてませんか? いつも学校宛にしてるんですが…
  470. いや、学校には来てないよ 各部宛の棚に入ってなかったし
  471. 発送遅れてるとか?
  472. はぐむ: あっ… 確かめてみるね
  473. はぐむ: ――っ!?
  474. どうした?
  475. はぐむ: …そ、その…
  476. はぐむ: カートに入れてそのままに… 発注ボタン…押してませんでした
  477. えっ!?
  478. あちゃ~ またドジしちゃったかぁ
  479. はぐむちゃんらしい と言えばらしいけどねぇ…
  480. ひとつやるとふたつ忘れる
  481. はぐむ: うぅ… すみません…
  482. はぐむ: (せっかく衣装 褒めてもらえたのに…)
  483. はぐむ: (また、呆れられちゃった…)
  484. ピシッ…
  485. …今からでも間に合うから 発注かけておいて
  486. はぐむ: …はい
  487. それと…
  488. これからはやることリストにして 終わったらチェック付けて
  489. そうすれば、 少しはミス減ると思うから
  490. はぐむ: …すみません、部長…
  491. どんまいどんまい
  492. いつものことだから先輩たちも そんなに怒ってないって
  493. はぐむ: …うん
  494. はぐむ: (いつものこと…)
  495. はぐむ: (そうだよね… いつものこと…)
  496. はぐむ: (なのに…)
  497. はぐむ: 今日はどうして… こんなに苦しいんだろう…
  498. ピシッ…
  499. はぐむ: あれ…この音は…何? なんの音…?
  500.  
  501. FILENAME: text_310303-2.txt
  502. はぐむ: …………
  503. はぐむ: …はぁ… なんでこうなっちゃうのかなぁ…
  504. はぐむ: (いつもいつも… 頑張ってるのに…)
  505. はぐむ: (どこかで失敗しちゃう…)
  506. はぐむ: ――っ!?
  507. はぐむ: 魔女…
  508. 十七夜: うむ 前から君の力には一目置いていた
  509. はぐむ: …うん
  510. はぐむ: 部活では失敗しちゃったけど 魔女退治なら…
  511. はぐむ: あった…!
  512. はぐむ: …もう誰か戦ってる マギアユニオンの子かな?
  513. はぐむ: (加勢して いいところ見せられれば…)
  514. はぐむ: 行こう…!
  515. はぐむ: いた!
  516. はぐむ: …えっ…! あの子、確かお弁当屋さんの…
  517. はぐむ: (まだ小学生だよね? 魔法少女だったなんて…)
  518. はぐむ: (早く助けてあげなきゃ…!)
  519. 千秋 理子: いきます!
  520. 千秋 理子: やぁあああ!!
  521. …………!?!?!?
  522. はぐむ: あっ…
  523. はぐむ: …………
  524. ピシッ…
  525. はぐむ: (そうだよね…)
  526. はぐむ: (魔法少女なら 普通は魔女を倒せる…)
  527. はぐむ: (マギウスの翼にいた子たちは そうじゃない子もいたけど…)
  528. はぐむ: (でも、どんな願いをしても)
  529. はぐむ: (みんな魔女と 戦う力を持ってるんだ…)
  530. はぐむ: 何を…浮かれていたんだろう…
  531. はぐむ: …恥ずかしい
  532. はぐむ: また、ピシッって音がする… 今度はたくさん…たくさん鳴ってる…
  533. はぐむ: ピシッ…ピシッ…
  534. はぐむ: そっか…これは… 私が“ある”って思った
  535. はぐむ: …ううん、“ある”って思いたかった “ガラスの靴”が
  536. はぐむ: ひび割れて砕ける音…
  537. みたま: はぐむちゃんのテリトリーは 他の子たちが守る
  538. みたま: その代わり、はぐむちゃんは 魔女との戦いが苦手な子のために
  539. みたま: 余ったグリーフシードを 融通してあげる
  540. みたま: そういう助け合いができるのが 神浜マギアユニオンなの
  541. はぐむ: (そんなことない)
  542. はぐむ: (仲間に入れてもらっても…)
  543. はぐむ: テリトリーを守ってもらうだけの お荷物だ…
  544. はぐむ: 最初は優しくしてくれるかもしれないけど なんにもできない子だってわかったら きっと、また…
  545. はぐむ: (バカにされて 下に見られる…)
  546. はぐむ: なんで… あんな願い…
  547. はぐむ: 他に…もっとあったはずなのに…
  548. 由貴 真里愛: はぐむちゃん…
  549. はぐむ: …真里愛、さん…
  550.  
  551. FILENAME: text_310303-3.txt
  552. 由貴 真里愛: はぐむちゃん…
  553. はぐむ: …真里愛、さん…
  554. 由貴 真里愛: はぐむちゃん、泣いて…
  555. はぐむ: ち、違うんです…! 目にゴミが入っちゃって…
  556. 由貴 真里愛: …いいのよ 泣きたい時には泣いていいの
  557. はぐむ: うっ…うぅ… うえええん…
  558. 由貴 真里愛: よしよし… 辛かったのね…
  559. はぐむ: …………
  560. はぐむ: …わた、し…私っ… ダメなんです…
  561. はぐむ: 自分にもできることがあるって 思ったのに…
  562. はぐむ: でも…やっぱりダメで… 何も…いいところがない…
  563. 由貴 真里愛: そんなことないわ
  564. 由貴 真里愛: はぐむちゃんには
  565. 由貴 真里愛: はぐむちゃんにしかない いいところがあるの
  566. 由貴 真里愛: そんな風に言ってはダメよ
  567. はぐむ: でも、ダメなんです…
  568. ひとつやるとふたつ忘れる
  569. はぐむ: ちょっとうまくいったと思っても 自分で台無しにしちゃうし…
  570. 千秋 理子: やぁあああ!!
  571. …………!?!?!?
  572. はぐむ: それに、私じゃなきゃ ダメだってこともなくて…
  573. はぐむ: いつもいつも… 後悔してばっかり…
  574. はぐむ: 魔法少女になった時だって…
  575. はぐむ: (遅くなっちゃった…)
  576. はぐむ: (…あれ? あの人、なんで踏切に…?)
  577. はぐむ: あの… 危ないですよ…?
  578. …………
  579. はぐむ: あのっ…! すみません!
  580. …………
  581. キュゥべえ: 無駄だよ、安積はぐむ その人は魔女に操られているんだ
  582. キュゥべえ: 魔女を消さない限り その人は助からないだろうね
  583. はぐむ: ぬ、ぬいぐるみ…!? いま喋って…魔女って…?
  584. キュゥべえ: 魔女は、人々に呪いを振りまく 危険な存在なんだ
  585. キュゥべえ: そして、魔女を倒せるのは キミのように素質がある子だけだ
  586. はぐむ: あわわわ…何…なんなの…!?
  587. カンカンカンカン…
  588. はぐむ: ――っ!?
  589. はぐむ: で、電車が…!
  590. はぐむ: あのっ! 電車来てます…!
  591. …………
  592. キュゥべえ: はぐむ、ボクと契約して 魔法少女になるんだ!
  593. キュゥべえ: 魔法少女になって魔女を倒せば その人を助けられる
  594. はぐむ: そ、そんなこと言われたって どうすれば…!
  595. キュゥべえ: 願いを教えて
  596. キュゥべえ: ボクがキミの願いを叶えれば 契約は完了だ
  597. はぐむ: ね、願い…
  598. はぐむ: (この人を助けないと いけないから…)
  599. キュゥべえ: はぐむ! 時間がないよ!
  600. はぐむ: え、えぇ…!? よ、よくわからないけど…
  601. はぐむ: 操っているのは…魔女…? なら、その魔女を…魔女を…あっ
  602. はぐむ: この人を操っている 魔女を消して…!
  603. はぐむ: あの女性を助けられたことは 後悔してないんです…
  604. はぐむ: でも、他にもっと いい願い方があったはずだって
  605. はぐむ: 嫌なことがある度に 考えちゃって…
  606. はぐむ: あの人を助けて自分を変える チャンスだったのに…
  607. はぐむ: いつも…そう…
  608. 由貴 真里愛: 今のままでも はぐむちゃんは十分素敵よ
  609. 由貴 真里愛: 失敗なんて誰にでもあるし
  610. 由貴 真里愛: それ以上にいいところがあるって 私、知っているもの
  611. はぐむ: それは… 真里愛さんが優しいから…
  612. 由貴 真里愛: えっ…?
  613. はぐむ: そんな風に言ってくれるのは 真里愛さんが優しいから…
  614. はぐむ: 他の人は違うんです…
  615. はぐむ: ちょっとドジしたり 慌てただけなのに
  616. はぐむ: バカにして…下に見て…
  617. はぐむ: もうっ…嫌なんです…!
  618. 由貴 真里愛: …………
  619. はぐむ: …うぅ…ぐす…!
  620. はぐむ: すみません…
  621. はぐむ: いっぱい泣いちゃって… 迷惑かけて…
  622. 由貴 真里愛: 迷惑だなんて思ってないわ
  623. 由貴 真里愛: はぐむちゃんにとって とても辛いことだったんだもの
  624. 由貴 真里愛: そういう時は、甘えていいのよ
  625. はぐむ: …………
  626. はぐむ: …それに、たくさん よくしてくれたのに…
  627. はぐむ: …もう会えません…
  628. 由貴 真里愛: …どうして?
  629. はぐむ: 私…やっぱり…
  630. はぐむ: 神浜マギアユニオンには 行けないので…
  631. はぐむ: だから…もう… …………
  632. 由貴 真里愛: グループが違ったら お友だちでいてはダメ?
  633. はぐむ: えっ…?
  634. 由貴 真里愛: だって私たち、そういうものが できる前からお友だちでしょう?
  635. 由貴 真里愛: またお茶をして お話をして
  636. 由貴 真里愛: 女子高生らしい時間を過ごすのは いけないことかしら?
  637. はぐむ: …女子高生…
  638. はぐむ: …………
  639. はぐむ: いいんですか…? 私、入らないのに…
  640. 由貴 真里愛: ええ
  641. 由貴 真里愛: はぐむちゃんが一緒に過ごしたい って言ってくれるなら
  642. はぐむ: …っ…! ありがとう…ございます…
  643. 由貴 真里愛: じゃあ、またね? はぐむちゃん
  644. はぐむ: はい、また…
  645. 由貴 真里愛: …………
  646. 由貴 真里愛: どんな言葉なら…
  647. 由貴 真里愛: そんなことないよって 伝えられたのかなぁ…
  648. 由貴 真里愛: …ダメね、私 寄り添ってあげられなかった
  649.  
  650. FILENAME: text_310303-4.txt
  651. はぐむ: …………
  652. はぐむ: 私には何もない ちょっといいかなって思ったことも 自分で台無しにしてしまう
  653. はぐむ: みんなは そんな私を見て 呆れて見下して笑う…
  654. はぐむ: (見下されて バカにされるのは…嫌だ…)
  655. 由貴 真里愛: 今のままでも はぐむちゃんは十分素敵よ
  656. はぐむ: (みんなが真里愛さんみたいに 優しかったらよかったのに…)
  657. はぐむ: (そうすれば…)
  658. はぐむ: でも、マギウスに 私たち利用されて…
  659. 時雨: …うん わかってる…
  660. 時雨: 使い捨ての…コマにされた…
  661. 時雨: また…されるかも…
  662. はぐむ: (怯えながら…理想に すがらなくてもよかった…)
  663. はぐむ: …………
  664. はぐむ: 私…また、後悔するのかな…
  665. はぐむ: …………でも…
  666. はぐむ: 意地悪な継母と義姉たちに イジメられるシンデレラ
  667. はぐむ: でも、魔法使いに ドレスとガラスの靴をもらって 舞踏会で王子様に見初められる…
  668. はぐむ: (女の子の憧れ、だよねぇ…)
  669. はぐむ: (私にも“ガラスの靴”が あったら、誰かに…)
  670. はぐむ: 私は、“ガラスの靴”が欲しい…
  671. はぐむ: 幻じゃなくて… 本物の“ガラスの靴”…
  672. はぐむ: 私に価値を与えてくれるものが… どうしても…欲しいの…
  673. はぐむ: …………
  674. 時雨: はぐむん… …おまたせ
  675. はぐむ: 時雨ちゃん… ずっと連絡しなくてごめんね
  676. 時雨: …ううん… 連絡…くれるって信じてたから…
  677. 時雨: ぼくと一緒に…来てくれる?
  678. はぐむ: …うん
  679. はぐむ: 遅くなっちゃったけど… やっとわかったの…
  680. はぐむ: 私にとって誇れることがあるとすれば “魔法少女であること” それだけ…
  681. はぐむ: だから、灯花様とねむ様は シンデレラに憧れる私にとっての“魔法使い”
  682. はぐむ: 私は彼女たちにすがって “魔法少女至上主義”という名の “ガラスの靴”を用意してもらうしかない
  683. はぐむ: …それしかできないから… そして、それだけが…
  684. はぐむ: 私の価値をみんなに認めてもらう 唯一の方法…
  685. はぐむ: 私には…私たちには “魔法少女至上主義”しかない…
  686. はぐむ: だから、やろう…
  687. はぐむ: 灯花様とねむ様にまた マギウスの翼を率いてもらおう
  688. 時雨: …うん…!
  689. はぐむ: 私には何もない… うん、わかってたよ…
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