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Battle Museum Stages 76-100 (Ren) JP Text

May 8th, 2023
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  1. FILENAME: text_420271-1.txt
  2. 五十鈴 れん: 記憶ミュージアムが私に見せたのは とても懐かしい光景…
  3. 五十鈴 れん: (空が、近い…)
  4. 五十鈴 れん: …そう これは、初めて私が私を 終わらせようとしたあの時
  5. 五十鈴 れん: (…地面が、遠い)
  6. 五十鈴 れん: (ここから落ちたら、私は…)
  7. 五十鈴 れん: “もう苦しまなくて済む” そう思った時には こんな風に体が宙に浮いていた…
  8. 五十鈴 れん: でも、地面が迫ってきて感じたのは 安堵ではなく“恐怖”で…
  9. キュゥべえ: 「キミの願いを叶えてあげるよ」
  10. 五十鈴 れん: だから、願ったの
  11. 五十鈴 れん: 『私っ… やっぱり死にたくありません…!』
  12. 五十鈴 れん: まだ、生きていたいって…
  13. 五十鈴 れん: ま、じょ…?
  14. 五十鈴 れん: 魔法少女になった私が キュゥべえに教えられたのは 魔女…“禍の種”の存在
  15. 五十鈴 れん: そう… 人々が傷付けあうのは魔女の呪いのせいだって 知ったのもこの時
  16. 五十鈴 れん: そういうことなら… そういうことなら、私は…
  17. 五十鈴 れん: 魔法少女を… 頑張りたいです…!
  18. 五十鈴 れん: 誰も…人を傷付けない… 優しい世界で在るように…!
  19. 五十鈴 れん: 私は…私は………… 生きて…魔女と戦います…!
  20. 五十鈴 れん: そういえば まだあの時は希望を持っていた
  21. 五十鈴 れん: 魔女を倒せば 人々が傷付けあうことはなくなる、と
  22. 五十鈴 れん: でも、この世界はそんなに単純ではなくて…
  23. 五十鈴 れん: 世界からすべての魔女を消しても 人々から悪意はなくならないと気付くまで 時間はかからなかった
  24. 五十鈴 れん: (この世界から…理不尽な痛みが 消えることはないのなら…)
  25. 五十鈴 れん: 私はもう… 生きていたくない…
  26. 五十鈴 れん: だから、世界に失望して 2度目の自殺を決意するまでに 時間はかからなかった…
  27. 綾野 梨花: やめて!
  28. 五十鈴 れん: でも、あの時助けてくれたんだよね 梨花ちゃんが…
  29. 五十鈴 れん: …………
  30. 五十鈴 れん: (…私が魔法少女になって 間もない頃の記憶…)
  31. 五十鈴 れん: (いい思い出とは… 言えないけれど…)
  32. 五十鈴 れん: (振り返った意味は あった、のかな…)
  33. それでは来週までに 希望の進路を書いてきてください
  34. 高校への進学を考えている人も 普通科だけではなく
  35. 他の学科のことも 調べてみてくださいね
  36. 将来、やりたいことを 見つける役にも立つはずです
  37. 五十鈴 れん: (…進路調査 普通科に進学するつもりだけど)
  38. 五十鈴 れん: (将来、やりたいことって… 考えたことなかった)
  39. 五十鈴 れん: (夢、なんて… 持ったことないから…)
  40. 五十鈴 れん: …………
  41. 五十鈴 れん: 『誰も…人を傷付けない… 優しい世界で在るように…!』
  42. 五十鈴 れん: …………私の、理想…
  43. 五十鈴 れん: かつて、一度だけ持った希望 叶うことのなかった理想…
  44. 五十鈴 れん: 魔女を倒して 誰も人を傷付けない 優しい世界にしたいという想い
  45. 五十鈴 れん: (記憶ミュージアムに来て 当時の気持ちを思い出せば)
  46. 五十鈴 れん: (私にもやりたいことが 見つかるかもって思ったけど…)
  47. 五十鈴 れん: (…………わかりません…)
  48. 五十鈴 れん: 2回目の時… 助けてもらって…梨花ちゃんに 優しさを…居場所をもらったから…
  49. 五十鈴 れん: 今、生きていたいと思えている自分がいる… それは確かだけど…
  50. 五十鈴 れん: (でも…最初は…?)
  51. 五十鈴 れん: (何もなくて 空っぽだったのに…)
  52. 五十鈴 れん: (それでも、とっさに 願ってしまっただけ…?)
  53. 五十鈴 れん: (…わからないことが 増えてしまいました…)
  54.  
  55. FILENAME: text_420271-2.txt
  56. 綾野 梨花: そのリップ新色じゃん! めっちゃいい!
  57. 木崎 衣美里: でしょ、でしょ!
  58. 木崎 衣美里: お小遣いすっからかんだけど ちょー満足!
  59. 木崎 衣美里: みゃーこ先輩も使ってみる?
  60. 都 ひなの: いや、アタシは…
  61. 綾野 梨花: そうそう、みゃこ先輩には ちょっと大人っぽ過ぎるって
  62. 綾野 梨花: もっと淡い方が似合いそう!
  63. 都 ひなの: おいっ!塗ってみたら 化ける可能性だってあるだろ!
  64. 都 ひなの: 貸してみろ!
  65. 五十鈴 れん: …ぁの、こんにちは
  66. 綾野 梨花: あっ、れんちゃん こんにちは!
  67. 木崎 衣美里: はみ出さずに… おっ、できたね
  68. 都 ひなの: あのな、アタシだって リップくらい付けられる
  69. 木崎 衣美里: 見て見て、れんぱす! どーよ、みゃーこ先輩は!
  70. 都 ひなの: 大人っぽい色だって似合うだろ?
  71. 五十鈴 れん: …………ふふっ…
  72. 五十鈴 れん: エミリーのお悩み相談所
  73. 五十鈴 れん: 賑やかなこの場所は 今の私にとっては大切な居場所…
  74. 五十鈴 れん: 2度も死を願っておきながら まだ生き続けている私が見つけた かけがえのない場所…
  75. 木崎 衣美里: れんぱすにまで笑われてんじゃん
  76. 都 ひなの: なっ!? れんまで似合わないってか…!?
  77. 五十鈴 れん: ぁ…違…す、すみません… 似合って…ます…はぃ
  78. 綾野 梨花: 気を遣わなくてもいーのに
  79. 綾野 梨花: じゃあ、またね れんちゃん!
  80. 五十鈴 れん: ぅん…また、ね…
  81. 五十鈴 れん: 大切な友だちがいて 失くしたくない居場所がある
  82. 五十鈴 れん: そう、これも私が生きていたいと思う 理由のひとつ
  83. 五十鈴 れん: だけど、それは 願いを叶えた時にはなかったもの…
  84. 五十鈴 れん: (それならどうして… 私は“生きたい”って…)
  85. 五十鈴 れん: …………
  86. 五十鈴 れん: (進路を考えていたはずなのに おかしい、な…)
  87. 五十鈴 れん: (でも、私の将来にとっても 大切なことのような気がする)
  88. 五十鈴 れん: …ただい、ま…
  89. 五十鈴 れん: (お母さん、いない…?)
  90. 五十鈴 れん: (あ、メモ…)
  91. 五十鈴 れん: (“買い物に行ってます”)
  92. テレビ: 「続いてのニュースです」
  93. 五十鈴 れん: (テレビつけっぱなし… 消して…)
  94. テレビ: 「近年増加している 中高生の自殺についてですが…」
  95. 五十鈴 れん: ――っ!?
  96. テレビ: 「そうですね 昨年に比べて1割程、件数にして…」
  97. 五十鈴 れん: (自殺の件数… 亡くなった人の、数…)
  98. 五十鈴 れん: (もし、あの時… 成功していたら…)
  99. 五十鈴 れん: (その数は、ひとつ… 増えていた…)
  100. 五十鈴 れん: (数が、ひとつ増えて…)
  101. 五十鈴 れん: ………… …………
  102. 五十鈴 れん: …増えて…それ、だけ?
  103. れんの母: ただいまー れんも帰っていたのね
  104. れんの母: …れん、何かあった? また学校で…
  105. 五十鈴 れん: ぅ、ぅうん… なんでもない、よ…
  106. 五十鈴 れん: もし、あの時 私が死んでしまっていたら お母さんやお父さんは 悲しんでくれたんだとは思う…
  107. 五十鈴 れん: でも、他には…?
  108. 五十鈴 れん: あの頃 他に私を見てくれる人はいなくて…
  109. 五十鈴 れん: あってもなくても同じ存在 それが死にたいと願っていた時の、私…
  110. 五十鈴 れん: 死んでしまっても 誰にも顧みられることのない人生…
  111. 五十鈴 れん: 数字だけで語られる彼らにも 見つけてもらえなかっただけで “生きたい”という想いがあったのかも…
  112. 五十鈴 れん: そう考えてしまう私は傲慢でしょうか…?
  113.  
  114. FILENAME: text_420271-3.txt
  115. 五十鈴 れん: …………
  116. テレビ: 「近年増加している 中高生の自殺についてですが…」
  117. 五十鈴 れん: (そろそろ寝る時間なのに…)
  118. 五十鈴 れん: (あのニュースが 頭から離れない…)
  119. 五十鈴 れん: (全然、眠くないな…)
  120. 五十鈴 れん: ………… …………
  121. 五十鈴 れん: (迷惑、かな…)
  122. 五十鈴 れん: (時間も遅いし… 寝てるかも…)
  123. 五十鈴 れん: …………
  124. 五十鈴 れん: (でも、梨花ちゃんなら…)
  125. 綾野 梨花: もしもし、れんちゃん? どーしたの?
  126. 五十鈴 れん: ぁ…えっと…そのぉ…
  127. 綾野 梨花: うん
  128. 五十鈴 れん: 用事が…ある、わけじゃ… なぃんだけど…
  129. 五十鈴 れん: 少し…ぉ話…したくて…
  130. 綾野 梨花: …………
  131. 五十鈴 れん: (やっぱり… 迷惑だった、かな…?)
  132. 綾野 梨花: それで連絡してくれたの? いいよ、いっぱい話そっ!
  133. 五十鈴 れん: ぁ、りがと…
  134. 五十鈴 れん: ぇっと…でも、ぉ話したいことが あるわけじゃなくて…
  135. 五十鈴 れん: (ちょっとだけ 声を聞きたかっただけ…)
  136. 綾野 梨花: ん?
  137. 綾野 梨花: あー、あるよね そーいうとき!
  138. 綾野 梨花: あっ、そうだ
  139. 綾野 梨花: ちょうど、れんちゃんに 話したいことがあったんだ
  140. 綾野 梨花: 学校でのことなんだけど…
  141. 五十鈴 れん: 学校であったことや家であったこと 面白かったことや、ちょっとした愚痴 梨花ちゃんが色々な話をしてくれる
  142. 五十鈴 れん: 今…私がほしかった 温かくて柔らかい時間…
  143. 五十鈴 れん: 今…私が感じたかった日常
  144. 綾野 梨花: 今度一緒にれんちゃんも 見に行こーよ
  145. 綾野 梨花: ネイルって自分でやっても 楽しいからさ!
  146. 五十鈴 れん: …ん
  147. 綾野 梨花: 眠くなっちゃった?
  148. 五十鈴 れん: …ぅ、ごめん
  149. 綾野 梨花: ううん、気にしないで
  150. 綾野 梨花: おやすみ、れんちゃん
  151. 五十鈴 れん: ぅ…ん…ぁりがと… 梨花、ちゃん…
  152. 五十鈴 れん: (…ああ、そっか これが、私の求めていた…)
  153. 五十鈴 れん: ささやかで限りなく優しい日常
  154.  
  155. FILENAME: text_420271-4.txt
  156. 五十鈴 れん: 夢を見た…
  157. 五十鈴 れん: それは私が 自殺に成功したあとの夢… 私がいなくなったあとの世界
  158. 五十鈴 れん: その世界は何も変わってなくて… よくなることもないけれど 悪くなることもないみたい
  159. 五十鈴 れん: 理不尽な痛みは相変わらず存在して でも、死を決意した時には気付けなかった 優しさもいたるところにあった
  160. 五十鈴 れん: “私たち”が優しさに気付けなかったのは それを向けられたことがなかったから… 向けられたことがないと“思っていた”から
  161. 五十鈴 れん: でも… でも…………
  162. 五十鈴 れん: …ん、ぁさ…
  163. 五十鈴 れん: (…寝るまで梨花ちゃんに お話付き合ってもらっちゃった)
  164. 五十鈴 れん: (優しい、な…)
  165. 五十鈴 れん: 今の私は優しさを知ってる 梨花ちゃんが教えてくれたから
  166. 五十鈴 れん: 彼女が教えてくれた優しさは 私の視野を広げて 他にも優しさが溢れていると教えてくれた
  167. 五十鈴 れん: 例えば、ずっと当たり前に与えられていたのに 気付けていなかった両親の優しさとか…
  168. 五十鈴 れん: (昨日、電話してみて よかった…)
  169. 五十鈴 れん: きっと… “死にたくない”と思った私は 願っていたんだと思う
  170. 五十鈴 れん: 生まれたこの世界が 冷たいだけの世界でなければいいって…
  171. 五十鈴 れん: 本当は素敵なこともあるはずなのに それを知らないまま終わりたくなかった
  172. 五十鈴 れん: ささやかで限りなく優しい日常が ほしかっただけ
  173. 五十鈴 れん: (だから、魔女の存在を 知った時は…)
  174. 五十鈴 れん: (救われた気持ちになった)
  175. 五十鈴 れん: 本当は悪い人はいなくて 私や、昨日のニュースで語られていた 自殺してしまった人たちが 不幸になる原因を失くせると思ったから
  176. 五十鈴 れん: (でも、冷たく理不尽なところも 確かにこの世界の一面、だった)
  177. 五十鈴 れん: それを受け入れられなかった私は 世界に失望して もう一度死んでしまいたいと思った
  178. 五十鈴 れん: 優しさなんて存在しないと思ったから
  179. 五十鈴 れん: (…でも、 梨花ちゃんに助けられた)
  180. 五十鈴 れん: きっと、私が3回目を試みることはないと思う
  181. 五十鈴 れん: だって、もうたくさんの人に 優しさをもらって
  182. 五十鈴 れん: どれだけこの世界が冷たく理不尽だったとしても 同時に温かさもあることを 教えてもらったから
  183. 五十鈴 れん: (だから、今度は 私が優しさをわけたい…)
  184. 五十鈴 れん: (この世界に失望して 諦めようとしている人に…)
  185. 五十鈴 れん: (この世界を…諦めなくてもいい って思ってもらえるように)
  186. 五十鈴 れん: (わけてもらった優しさを 届けたい…)
  187. 五十鈴 れん: (だって、きっと… それが…)
  188. 五十鈴 れん: (死にたくないと願った私が 知りたかったものだから)
  189. 五十鈴 れん: せっかく生まれてきたこの場所に 絶望したまま終わりたくない
  190. 五十鈴 れん: それが、やっと気付けた あの時とっさに祈った私の願いの意味
  191. 五十鈴 れん: …梨花ちゃんたちに出会ってみつけた 後付けの意味かもしれないけれど
  192. 五十鈴 れん: 今、振り返れば 私の魔法少女としての初心も これから生きていく目標としても 相応しいと思うから
  193. 綾野 梨花: 進路?
  194. 五十鈴 れん: ぅん…梨花ちゃんのおかげで やりたいことを見つけられたから
  195. 五十鈴 れん: 聞いてほしくて…
  196. 綾野 梨花: うん、聞かせて!
  197. 五十鈴 れん: 世の中から悪意を失くしていきたいこと そして、悪意にさらされた人や 悪意を持ってしまった人の助けになりたいこと 私は変わらず口下手なままだったけど 梨花ちゃんは最後まで真剣に聞いてくれた
  198. 五十鈴 れん: 簡単、ではないと思う…けど…
  199. 五十鈴 れん: 生きづらさを… 感じている人の力になりたいの…
  200. 綾野 梨花: なんかれんちゃんらしいね!
  201. 五十鈴 れん: 私、らしい…?
  202. 綾野 梨花: れんちゃんの経験があったから 見つけた進路なのかなって
  203. 五十鈴 れん: (私らしい…私だけの、進路…)
  204. 五十鈴 れん: …うん
  205. 綾野 梨花: そうだ!
  206. 綾野 梨花: どんな仕事や活動があるかとか 調べてみよーよ!
  207. 五十鈴 れん: …梨花ちゃん
  208. 綾野 梨花: ん?
  209. 五十鈴 れん: ありがとぅ…
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