Guest User

London: Sneering Demon Fog

a guest
Jun 21st, 2017
33
0
Never
Not a member of Pastebin yet? Sign Up, it unlocks many cool features!
text 29.38 KB | None | 0 0
  1. ???
  2. ……ああ、もう。セイバー。
  3. 見知らぬ人にすぐ真名を明かしちゃうんだ、君は。
  4.  
  5. ???
  6. 言ったじゃないか。話したじゃないか。
  7. 名乗るのならばせいぜいクラスにしておこう、って。
  8.  
  9. ???
  10. わかるかい?
  11. 真名が露呈すれば性能が露見するのと同じだ。
  12.  
  13. ???
  14. だからこそ、通常の聖杯戦争では
  15. 真名というものは秘匿されるものなんだ。
  16.  
  17. ???
  18. それなのに、君というひとは
  19. 比較的気軽に真名を明かしてしまって……
  20.  
  21. Mordred
  22. いいだろ、別に。とっくにこれは、
  23. おまえの言う[#聖杯戦争]なんかじゃないんだし。
  24.  
  25. Mordred
  26. 英霊は七騎でも十四騎でもなければマスターもなし。
  27. なあ、シードルないか? のど渇いたぞ。
  28.  
  29. ???
  30. あっ、それは僕お気に入りの個人用ソファ……
  31. いいけどね。シードルはもう冷やしてあるよ。
  32.  
  33. Mordred
  34. 普及前だってのに冷蔵庫あるんだもんな、
  35. いいねえ、[#碩学:せきがく]さまってのは。
  36.  
  37. ???
  38. 低温保存の必要がある薬品もあるからね。
  39. [#碩学:せきがく]にはまあ、必要なものではあるけど。
  40.  
  41. Mordred
  42. はいはい。
  43.  
  44. Mordred
  45. ……ん、ん、ぷはっ。
  46. あー、生き返る。[#魔霧:まきり]から上がったらコレにかぎる!
  47.  
  48. Mordred
  49.  
  50. Mordred
  51. なんだ、おまえら。
  52. ぼーっとしてないで適当にくつろげよ。
  53.  
  54. Mordred
  55. ま、自分の家だと思っていいぜ。
  56. ここはオレの当座の拠点だ。
  57.  
  58. Mashu
  59. あっ、はい……。
  60. 先輩、どうしましょう。良いんでしょうか?
  61.  
  62. ?1:いいんじゃないかな
  63.  
  64. ?2:そこの眼鏡の人、いいですか?
  65.  
  66. ?!
  67.  
  68. ???
  69. ……はは。まあ、うん、構わないよ。
  70. セイバーが信頼したなら君たちも同志のはずだし。
  71.  
  72. ???
  73. 自己紹介がまだだったね。
  74. 僕は、ヘンリー・ジキルという。
  75.  
  76. Jekyll
  77. ロンドンで[#碩学:せきがく]
  78. 科学者をしている。
  79. 正式な魔術師ではないが、霊薬調合の心得があってね。
  80.  
  81. Jekyll
  82. 気付けば、あっという間に
  83. ロンドンはこの霧に覆われていてね。大変だったよ。
  84.  
  85. Jekyll
  86. 霧が魔力を含んでいるところまでは突き止めたんだけど、
  87. どうにもできずに困っていたところ……。
  88.  
  89. Mordred
  90. オレと出会った。
  91. で、協力関係を構築した。
  92.  
  93. Mordred
  94. こいつ、魔術師としちゃ頼りないが
  95. まあ、一応それなりには役に立つからな。
  96.  
  97. Mordred
  98. だから、主に実働はオレ。
  99. 調査と解析がこいつ。
  100.  
  101. Jekyll
  102. そういうこと。
  103.  
  104. Mashu
  105. あの
  106. すみません、ミスター・ヘンリー・ジキル?
  107.  
  108. Mashu
  109. その名前は、ええと……
  110.  
  111. Dr. Roman
  112. 小説の登場人物と同姓同名だね。偶然か?
  113. いや、それとも、そのモデルとなった人物だったり?
  114.  
  115. Dr. Roman
  116. マシュ、サーヴァントの気配はわかるかい。
  117. こっちは駄目だ。屋内でもまるで屋外と同じだよ。
  118.  
  119. Mashu
  120. わたしもです、ドクター。
  121. 気配では人間と区別が付きません。
  122.  
  123. Jekyll
  124. まさか。僕は正真正銘、人間さ。
  125. サーヴァントだったら外に出て調査してるよ。
  126.  
  127. Jekyll
  128. それに、何の話をしているんだい?
  129. 小説の話?
  130.  
  131. Mashu
  132. ……はい。この年代から少し前に出版された書籍です。
  133. あなたと同姓同名の主人公が登場しています。
  134.  
  135. Jekyll
  136. 覚えがないな。
  137. 僕、小説は結構読むほうなんだけど。
  138.  
  139. Jekyll
  140. 主人公と名前も同じ? 本当に?
  141. うーん、それなら忘れるはずないんだけどな。
  142.  
  143. Jekyll
  144. まあ、僕の名前は置いておこう。
  145. どこにでもある名前だしね。
  146.  
  147. Jekyll
  148. 改めて、僕はヘンリー・ジキル。
  149. 故郷の都市が荒らされるのを止めたいだけの男さ。
  150.  
  151. Jekyll
  152. それよりも、今は君たちだ。
  153. 君たちは僕らとは少し違うようだね?
  154.  
  155. Mordred
  156. ふぅん。特異点、ね。
  157.  
  158. Jekyll
  159. 世界に打ち込まれた七つのボルトのひとつ。
  160. それが、この時代のこのロンドン、という訳か。
  161.  
  162. Mashu
  163. はい。そしてわたしたちは、
  164. 特異点の原因であると思われる聖杯を探しています。
  165.  
  166. Jekyll
  167. そちらの事情はおおむね理解したよ。
  168. では、僕らの知るかぎりでの、都市の状況を伝えよう。
  169.  
  170. Jekyll
  171. およそ三日前から、夜毎に、
  172. 生物の命を奪うほどの霧が都市に満ちている。
  173.  
  174. Jekyll
  175. 霧が薄い場所ならなんとか、
  176. マスクで覆ったりすれば死ぬことはないだろう。
  177.  
  178. Jekyll
  179. でも、濃い場所は駄目だ。
  180. 吸い込んだだけで通常の生物は魔力に侵されてしまう。
  181.  
  182. Jekyll
  183. 素質や体質によるだろうけれど、
  184. ひどければ、一時間もすれば死んでしまう。
  185.  
  186. Jekyll
  187. 正確な数はわからないが、
  188. 僕の試算では数十万単位で死亡者が出ているはずだ。
  189.  
  190. Jekyll
  191. 既に、完全な廃墟と化した地区もある。
  192. イーストエンドはほぼ全滅している。
  193.  
  194. Jekyll
  195. 都市の全てが完全な廃墟と化すのも、
  196. もう時間の問題だろう。
  197.  
  198. Jekyll
  199. すべて、あの霧が原因だ。
  200. あまりに濃厚な魔力を帯びた常ならざる濃霧
  201.  
  202. Jekyll
  203. 仮に僕らは、
  204. これを魔霧と呼んでいる。
  205.  
  206. Mashu
  207. 死の霧に覆われるロンドン……。
  208. 二十世紀に発生するはずの事件に少し似ていますね。
  209.  
  210. Dr. Roman
  211. 一世紀ずれてる、のか……?
  212. それが特異点になっている……んだろうけど……
  213.  
  214. Dr. Roman
  215. 二十世紀の事件もこちらで調査しておこう。
  216. 都市ひとつで済むと思いきや、色々とややこしそうだ。
  217.  
  218. Jekyll
  219. 魔霧だけではないよ。
  220. 君たちも、遭遇、戦闘をしたはずだね。
  221.  
  222. Jekyll
  223. この三日間
  224. 魔霧に加えて、
  225. ロンドンには他にも脅威の類が満ちている。
  226.  
  227. Jekyll
  228. 魔霧に紛れて凶行を繰り返すものたちだ。
  229. 魔術で形作られた[#自動人形:オートマタ]、殺人ホムンクルス……
  230.  
  231. Jekyll
  232. [#不明の怪機械:ヘルタースケルター]
  233.  
  234. Jekyll
  235. そして、連続殺人鬼。
  236. [#切り裂きジャック:ジャック・ザ・リッパー]と報道されていたものだ。
  237.  
  238. Mashu
  239. 報道……ですか?
  240.  
  241. Jekyll
  242. ああ、魔霧発生の初日はまだ、
  243. 新聞が発行されていたから……もう、届かないが。
  244.  
  245. Jekyll
  246. [#ロンドン警視庁:スコットランドヤード]も政府も、
  247. 当然ながら事態を把握できていないようだ。
  248.  
  249. Jekyll
  250. 実質的には、既に政府機能は麻痺しつつある。外からの救援も魔霧に阻まれ、ロンドンは孤立状態だ。
  251.  
  252. Jekyll
  253. 早くも、発生から三日。
  254. 閉じこもった市民も長くは保たないだろう。
  255.  
  256. Jekyll
  257. 魔霧は屋内には入り込まない性質がある、が、
  258. 水や食糧がなくなれば、ロンドンは全滅だ。
  259.  
  260. Dr. Roman
  261. ……酷いな、事態は急を要するようだね。
  262. では、ミスター・ジキル。モードレッド。
  263.  
  264. Dr. Roman
  265. ボクらからの提案だ。
  266. 事態の発生源と思しい聖杯の探索に協力して貰いたい。
  267.  
  268. Jekyll
  269. こちらとしては願ったり叶ったりだ。
  270. なあ、セイバー?
  271.  
  272. Mordred
  273. いいぜ。
  274. それが最善、みたいだしな。
  275.  
  276. Dr. Roman
  277. 良かった、実に助かる!
  278. 二重の意味で!
  279.  
  280. Dr. Roman
  281. と言う訳で
  282. マシュ、[%1][&君:ちゃん]!
  283. 運の良いことにこのアパルトメントは[#霊脈の上]にある!
  284.  
  285. ?1:はい?
  286.  
  287. ?2:ターミナルポイントを設置できるね
  288.  
  289. ?!
  290.  
  291. Fou
  292. フォーウ!
  293.  
  294. Mashu
  295. はい、先輩。フォウさん。
  296. この部屋で召喚サークルを確立させることが可能です。
  297.  
  298. Mashu
  299. もしかして、ジキルさんは
  300. 霊脈の存在を知った上で工房を作られたのですか?
  301.  
  302. Jekyll
  303. いいや、僕は正規の魔術師じゃないから、
  304. ここは魔術工房って訳じゃない。ただの自室だよ。
  305.  
  306. Jekyll
  307. ともあれ自由に使ってくれて構わない。
  308. 何をするんだい?
  309.  
  310. Dr. Roman
  311. 霊脈上にサーヴァントの召喚サークルを確立させて、
  312. [%1][&君:ちゃん]とマシュの戦力を底上げする。
  313.  
  314. Dr. Roman
  315. サークルを経由したサーヴァントたちは必ずしも
  316. 常時行動って訳じゃないけど戦闘時には大いに役に立つ!
  317.  
  318. Dr. Roman
  319. と言う訳で!
  320. 確立開始といこう!
  321.  
  322. Mashu
  323. 了解です。
  324. ターミナルポイント、作成します
  325.  
  326. Da Vinci
  327. と言う訳で。
  328. サークル確立の間の暇潰しを私がしてあげよう。
  329.  
  330. Da Vinci
  331. 以前、サーヴァントのクラス相性について話を
  332. したけど、今回はその延長といこう。
  333.  
  334. Da Vinci
  335. 英霊にはそれぞれ逸話があるように、
  336. どのように生まれたものか、という分類があるんだ。
  337.  
  338. Da Vinci
  339. それが天・地・人の三属性。
  340. たいていのサーヴァントはこのいずれかに分類される。
  341.  
  342. Da Vinci
  343. 天は神霊が英霊にランクダウンしたもの、
  344. あるいは神の子や、伝承の具現化。
  345.  
  346. Da Vinci
  347. 地はその土地に定着した伝説の英雄、
  348. 妖精や魔獣もこのカテゴリに入る。
  349.  
  350. Da Vinci
  351. 人はいわゆる実在した英雄偉人たちだ。
  352. 例えば私がそうだね。実在した偉大なる[#芸術家:アーティスト]。
  353.  
  354. Da Vinci
  355. 天は地に強く、人に弱い。
  356. 地は人に強く、天に弱い。
  357.  
  358. Da Vinci
  359. そして人は天に強く、地に弱い。
  360.  
  361. Da Vinci
  362. ……人は神を信仰する。だが、その一方で神は
  363. 信仰されなければ、「存在しないもの」になる。
  364.  
  365. Da Vinci
  366. 土着の英雄や妖精などは信仰など無関係だ。
  367. けれどその一方で、彼らは自分を作り出した神に敵わない。
  368.  
  369. Da Vinci
  370. ……そして。この三属性に含まれない、
  371. 特殊な英霊も希に存在する。
  372.  
  373. Da Vinci
  374. 例外中の[#例外:エクストラ]。
  375. それこそが
  376. 星の英霊たちだ。
  377.  
  378. Da Vinci
  379. 天でもなく、地でもなく、人でもなく。
  380. しかして天の下、地に在って、人から生まれしモノたち。
  381.  
  382. Da Vinci
  383. 星のサーヴァントたちは天・地・人の三すくみには
  384. 一切関わりがない。何せ例外だからねえ。
  385.  
  386. Da Vinci
  387. とはいえ、所詮は単なるカテゴリ分け。
  388.  
  389. Da Vinci
  390. クラス相性ほどの効果はでないから、
  391. わざわざ作戦に組み込むほどの話じゃない。
  392.  
  393. Da Vinci
  394. ……っと、こんなところで今回は終わり。
  395. 召喚サークル確立完了。この時代でも頑張ってね!
  396.  
  397. Dr. Roman
  398. ありがとう、ダ・ヴィンチちゃんありがとう!
  399. 今回もありがとう!!
  400.  
  401. Jekyll
  402. 今の、誰だい?
  403. 綺麗な人だったけど……実体じゃなかったのかな?
  404.  
  405. Fou
  406. フォウ、フォーウ!
  407.  
  408. Jekyll
  409. ??
  410.  
  411. Mordred
  412. ……ん。こいつどっかで見覚えあるな。
  413. 幻想種か?
  414.  
  415. Fou
  416. フォ、フォウウゥ……
  417.  
  418. Mashu
  419. フォウさん??
  420.  
  421. Jekyll
  422. アフリカあたりの稀少動物じゃないのかい?
  423. それよりも、セイバー。そしてマシュ、[%1]。
  424.  
  425. Jekyll
  426. 早速だけど
  427. 君たちに頼みたいことがある。
  428.  
  429. Mordred
  430. 戻ったと思ったらまた魔霧の中か。
  431. やれやれだな。
  432.  
  433. Mashu
  434. すみません、案内を頼んでしまって。
  435. わたしたち、ロンドン市街にはまだ不慣れで。
  436.  
  437. Mordred
  438. あー、いいって、気にすんな。
  439. おまえらが来なければ、オレの仕事だったんだ。
  440.  
  441. Mordred
  442. むしろ礼を言っとくぜ。
  443. 悪いな。あやふやな話に付き合わせて。
  444.  
  445. Mashu
  446. いえ、モードレッドさん。そんなことは……
  447.  
  448. Dr. Roman
  449. ジキル氏の協力者の一人、スイス人[#碩学:せきがく]、
  450. フランケンシュタイン氏の保護、か。
  451.  
  452. Dr. Roman
  453. 何でも今朝から連絡が取れないらしいね。
  454. 普段、君たちは無線で連絡を取り合っているのかい?
  455.  
  456. Mordred
  457. ジキルがな。奴の情報網なんだとさ。
  458. オレはよくわからん。
  459.  
  460. Mordred
  461. 都市のあちこちに協力者がいて、
  462. そいつらとしょっちゅう無線でやり取りしてるぜ。
  463.  
  464. Mordred
  465. ヴィクターのじいさんは、
  466. 昨日までは少なくとも無事だったんだけどな。
  467.  
  468. Dr. Roman
  469. ヴィクター・フランケンシュタイン、か
  470. またも小説の登場人物と思いきや[#血縁者]とはね。
  471.  
  472. Mashu
  473. あの小説のモデルとなった魔術師の孫、
  474. というのがミスター・ジキルのお話でしたね。
  475.  
  476. Mashu
  477. 確かに、意外でした。[r]メアリ・シェリーの小説の描写では……。
  478.  
  479. Mashu
  480. フランケンシュタイン博士は科学者でした。
  481. けれど、モデルとなった人物は実在の魔術師だった。
  482.  
  483. Mashu
  484. 事実は小説より奇なり、
  485. という極東の慣用句を想起しますね。
  486.  
  487. ?1:そんなに変かな
  488.  
  489. ?2:科学者と魔術師はそんなに違う?
  490.  
  491. ?!
  492.  
  493. Mashu
  494. はい。本来であれば、
  495. 魔術は科学とは相反する技術ですから。
  496.  
  497. Mashu
  498. カルデアの存在はきわめて例外的ですし、
  499. そう考えれば、やはり、世界的・歴史的には
  500.  
  501. Dr. Roman
  502. ああ、うん。でもね。例外は何にでもある。
  503. ある時代では、科学と魔術はほぼ同義だった。
  504.  
  505. Dr. Roman
  506. 神代なり古代なりではなくてもね、
  507. たとえば、錬金術は化学の源流であるとも言うし。
  508.  
  509. Dr. Roman
  510. 高名な科学者、化学者、学者として知られる人間が
  511. 魔術師であった例は結構あるよ。
  512.  
  513. Dr. Roman
  514. そもそも、ほら。
  515. ダ・ヴィンチちゃんだってそうだし。
  516.  
  517. Mashu
  518. あっ
  519.  
  520. Da Vinci
  521. ん。呼んだ?
  522.  
  523. Da Vinci
  524. ああ、科学と魔術の話。
  525. 私は駄目だよ。だって、ね。
  526.  
  527. Da Vinci
  528. 私、万能だから。
  529. 誰とも比較できないね。残念だね。じゃあね。
  530.  
  531. Mashu
  532. あっ。通信途絶しました。
  533.  
  534. ?1:何なんだあのひとは
  535.  
  536. ?2:ダ・ヴィンチちゃん自由すぎるよ…
  537.  
  538. ?!
  539.  
  540. Mashu
  541. はい……。
  542.  
  543. Mordred
  544. ソーホーあたりはもうすぐだ。
  545. おまえたち、気を抜くなよ。そろそろ来るぞ。
  546.  
  547. Mordred
  548. ジキルのアパルトメントがある
  549. シティエリアの端は、比較的に穏やかだけどな。
  550.  
  551. Mordred
  552. このへんになると、駄目だ。
  553. 連中の縄張りだ。
  554.  
  555. Dr. Roman
  556. 確かにそのようだ。
  557. 動体反応が多数。戦闘になるな、警戒したまえ!
  558.  
  559. Mashu
  560. はい。マスター、指示を!
  561.  
  562. ==
  563.  
  564. Mordred
  565. ……ったく。
  566. また来たぞ。宝具を好き勝手にぶっ放せりゃあな。
  567.  
  568. Mashu
  569. ここは街中です。
  570. すみませんが、短気は抑えて下さい。
  571.  
  572. Mordred
  573. わかってるよ盾ヤロウ。
  574. ああもう、何か、おまえに言われると変な気分だ。
  575.  
  576. Mashu
  577. 待ってください。
  578. 盾ヤロウ、とはわたしの事でしょうか……!?
  579.  
  580. Mordred
  581. あー? だって盾ヤロウだろ、おまえ。
  582. 盾で守って、盾でぶん殴ってるんだから。
  583.  
  584. Mordred
  585. それとも盾オンナの方がいいか?
  586. どっちでもいいぞ、オレは。
  587.  
  588. Mashu
  589. ……いいです。
  590. 盾ヤロウ、でお願いします……
  591.  
  592. Dr. Roman
  593. 敵はどうやら左右からの挟撃を狙っているようだ。
  594. 右は頼めるかな、セイバー・モードレッド?
  595.  
  596. Mordred
  597. 任せろ。
  598. いつもは全部ひとりでやってた。
  599.  
  600. Mordred
  601. そっちの準備はいいか、[%1]?
  602.  
  603. ?1:ああ、任せ[&ろ:て]!
  604.  
  605. ?2:左の敵を叩く!
  606.  
  607. ?!
  608.  
  609. Mashu
  610. 了解です。敵性体との戦闘を開始します!
  611.  
  612. ==
  613.  
  614. Mashu
  615. ……あの。
  616. 少しだけお話、良いでしょうか。
  617.  
  618. Mashu
  619. …………ええ、と。
  620.  
  621. Mordred
  622. 何だ。ハッキリ言え。
  623. 言いたいことがあるならまず言えって。
  624.  
  625. Mashu
  626. ……はい。
  627.  
  628. Mashu
  629. あなたに質問があります。
  630. あなたは、何故、ここで戦っているのですか?
  631.  
  632. Mashu
  633. ミスター・ジキルは故郷の都市を守るため、と。
  634. では、あなたは何のために
  635.  
  636. Mordred
  637. もう言っただろ?
  638. 父上の愛した[#ブリテンの都市:ロンディニウム]の危機に馳せ参じた。
  639.  
  640. Mashu
  641. ええ、と……その……
  642.  
  643. Mashu
  644. はい。出会った時、既にそのお話は聞いています。
  645. それはそうなんですが……
  646.  
  647. Mashu
  648. 怒らないで聞いて欲しいんですが、
  649. 何故か、私……何か……違うような気がして。
  650.  
  651. Mordred
  652. ……ったく。
  653.  
  654. Mordred
  655. わかったよ。
  656. ジキルにも言ってねえんだけどな、コレ。
  657.  
  658. Mordred
  659. オレは
  660.  
  661. Mordred
  662. ああ、[#そう]だ。このオレは、
  663. オレ以外の奴がブリテンの地を[#穢:けが]すのを許さねえ。
  664.  
  665. Mordred
  666. [#父上:アーサー王]の愛したブリテンの大地を穢していいのは、
  667. このオレだけだ。それだけは、他の誰にも任せやしない。
  668.  
  669. ?1:……。
  670.  
  671. ?2:歪んでる……
  672.  
  673. ?!
  674.  
  675. Mordred
  676. ん? なにか言ったか?
  677.  
  678. ?1:いいえ、何も
  679.  
  680. ?2:いいえ、特に
  681.  
  682. ?!
  683.  
  684. Mordred
  685. 言いたいことあるならハッキリ言えっての。
  686. ま、ともかく、だ。
  687.  
  688. Mordred
  689. 安心しろ。
  690. 見付けた聖杯はおまえたちにくれてやるぜ。
  691.  
  692. Mordred
  693. やっぱオレも欲しい
  694. なんて言わねえし、言っても意味ないだろうしな。
  695.  
  696. Mordred
  697. オレは叛逆の騎士モードレッド。
  698. でもな、今回は特別に守る側に回ってやる。
  699.  
  700. Mordred
  701. 実際ちょっとは迷ってたんだけどな。
  702. おまえらと会ってスッキリできたぜ。
  703.  
  704. Mashu
  705. それは、どういう……?
  706.  
  707. Mordred
  708. ようやく持ち主に相応しいのがやってきたってコト。
  709. 聖杯はくれてやるよ。
  710.  
  711. Mashu
  712. ??
  713.  
  714. Mordred
  715. お喋りはこのへんで終わりだ。
  716. この話題、蒸し返すなよ。
  717.  
  718. Mordred
  719. あと少しで屋敷ってトコで、また敵が来やがった。
  720. さて。んじゃ、バラバラにしてやるか!
  721.  
  722. Dr. Roman
  723. モードレッドの感知能力は凄いなあ。直感スキルか?
  724. こちらも敵性反応を確認、第一波から三波まで来るぞ!
  725.  
  726. Mashu
  727. 了解しました。
  728. マスター、指示をお願いします!
  729.  
  730. ==
  731.  
  732. Mordred
  733. よっし、到着したな。
  734. このでかい建物がヴィクターじいさんの屋敷だ。
  735.  
  736. Mordred
  737. ジキルみたいな半端な奴とは違って
  738. 正真正銘の魔術師だから、気を付けろよ。
  739.  
  740. Mordred
  741. あれこれと結界やら何やら仕掛けてやがって、
  742. 知らずにあちこち触ると、サーヴァントでも多少痛い。
  743.  
  744. Mordred
  745. 初めて様子を見に来た時は、
  746. そりゃあもう、さんざんな目に遭った。
  747.  
  748. Mashu
  749. そうなんですね。
  750. はい、わたしも気を付けます。
  751.  
  752. Dr. Roman
  753. 市街地にそんなデス・アトラクション工房を……。
  754. なかなか、肝の据わりすぎた用心深い老人らしいね。
  755.  
  756. Mordred
  757. まずは入口の扉だ。
  758. ほら、見ろよ。でかい扉の
  759.  
  760. Mordred
  761. クソ、遅かったか。
  762.  
  763. Mashu
  764. 建物の入口に誰か……。
  765. 背の高い、あの人影は……[#道化師:ピエロ]……?
  766.  
  767. Mordred
  768. おい、そこのカカシ。それともリビングスタチューか?
  769. どっちでもいいや。おまえさ、
  770.  
  771. Mordred
  772. アホみたいに匂うぞ。
  773. 血と臓物と火の匂いだ。
  774.  
  775. Mordred
  776. 後、じいさんの好きだった元素魔術の触媒。
  777. ここまでぷんぷん匂ってくる。
  778.  
  779. Mordred
  780. 殺したな、おまえ。
  781. ヴィクター・フランケンシュタインを。
  782.  
  783. Mephistopheles
  784. ええ、はい
  785. ああいえ、どうでしょうか。少しお待ち下さいませ。
  786.  
  787. Mephistopheles
  788. 確かに、確かに。かの[#老爺:ろうや]は二度と口を開かず
  789. 歯を磨かず物を食べず、息をしないでしょうけれど。
  790.  
  791. Mephistopheles
  792. ええ、ええ。
  793. 有り体に言えば絶命しているのでしょう。
  794.  
  795. Mephistopheles
  796. 残念なことです。
  797. 彼は「計画」に参加することを最後まで拒んだ。
  798.  
  799. Mephistopheles
  800. しかししかし。だが、けれどもしかし。
  801. 誰がヴィクター・フランケンシュタインを殺したか?
  802.  
  803. Mephistopheles
  804. それはとても難しい質問かも知れません。
  805. 何故なら、彼は[#ひとりでに爆発した]のですからね!
  806.  
  807. Mashu
  808. ……ッ!
  809.  
  810. Mephistopheles
  811. おやおや。
  812. 美しいお嬢さんを怖がらせてしまいましたか?
  813.  
  814. Mephistopheles
  815. これは失礼いたしました。
  816. わたくし、見ての通りの悪魔でございます[line 3]
  817.  
  818. Mephistopheles
  819. というのは冗談でして、
  820. ご期待に背くようで残念ですが、英霊にございます。
  821.  
  822. Mephistopheles
  823. 貴方様と同じくサーヴァント。
  824. クラスは、キャスターにてございます。
  825.  
  826. Mephistopheles
  827. ……おや?
  828. おやおや皆様、おわかりでない?
  829.  
  830. Mordred
  831. もういい。黙れ。
  832.  
  833. Mephistopheles
  834. いえいえ、おわかりでしょう。
  835. 何故わたくしがこうも容易く真名を明かしたか?
  836.  
  837. Mephistopheles
  838. この聖杯戦争ならぬ聖杯戦争では道理というもの。
  839. 少なくとも、そちらのお嬢さんはおわかりでしょう!
  840.  
  841. Mephistopheles
  842. 遭遇、すなわち即座の総力戦!
  843. 我らはマスターなきサーヴァントなれば
  844.  
  845. Mephistopheles
  846. およそ地上に在って最強の戦力と呼べましょう。
  847. しかし……
  848.  
  849. Mephistopheles
  850. そちらには哀れにもマスターがいる模様。
  851. ようくお守りなさい。でなければ、あっという間に……
  852.  
  853. Mordred
  854. 御託はいい。
  855. そのニヤけた口元を今すぐに[#止:や]めろ。
  856.  
  857. Mephistopheles
  858. はい?
  859.  
  860. Mordred
  861. ニヤニヤニヤニヤと! 鬱陶しいんだよ!
  862. ジジイを[#殺:ヤ]るのがそんなに[#楽しかった]のか!
  863.  
  864. Mephistopheles
  865. まあ、ええ
  866.  
  867. Mephistopheles
  868. 我らの「計画」を阻む者なれば、まあ、言ってみれば仕事のようなものでしたので。
  869.  
  870. Mashu
  871. 計画……?
  872.  
  873. Mephistopheles
  874. ねばならない、というのは、また、
  875. これでなかなかに厄介なもの。ええ、実に。
  876.  
  877. Mephistopheles
  878. ですがそれでも、極力、楽しむ。
  879. 仕事を楽しむ。そのためにあれこれ苦心しましたから。
  880.  
  881. Mephistopheles
  882. 最後の瞬間のあの、表情。
  883. 生から死への切り替わりを理解してしまった人間の顔!
  884.  
  885. Mephistopheles
  886. 絶望!
  887. 嘆き! ああ! それこそが!
  888.  
  889. Mephistopheles
  890. というわけで、まあ、ええ
  891.  
  892. Mephistopheles
  893. 退屈しのぎ、程度には?
  894. なりました、でしょうか?
  895.  
  896. Mordred
  897. ……そうか。
  898.  
  899. Mordred
  900. 移民だろうが何だろうがあのジジイもブリテンの民だ。
  901. いいか、それを、テメエは……。
  902.  
  903. Mordred
  904. 無断で[#オレのもの]に手を出した。
  905. 後はわかるな?
  906.  
  907. Mephistopheles
  908. はて?
  909.  
  910. Mordred
  911. おまえを殺す、って言ってんだよ。道化野郎!
  912.  
  913. Mephistopheles
  914. いやはやなかなか!
  915. 殺しますか、私を! 殺せますか、私を!
  916.  
  917. Mephistopheles
  918. 貴方様は血の気の多いお人であるようだ!
  919. よろしい、ええとも、ではご期待には応えましょう!
  920.  
  921. Mephistopheles
  922. せいぜい、爆発にはお気を付けくださいませ!
  923. 我が宝具は既に[#設置済み]!
  924.  
  925. Mephistopheles
  926. 我が真名メフィストフェレスの名に懸けて!
  927. 皆様を面白可笑しく絶望に叩き込んでくれましょう!
  928.  
  929. Dr. Roman
  930. 仕掛けたって、何をだ!?
  931. くそ、霧のためか奴の能力なのか、感知不可能!
  932.  
  933. Mashu
  934. マスター、敵性サーヴァントが来ます!
  935. どうか指示を
  936.  
  937. ?1:奴を、倒せ!
  938.  
  939. ?2:宝具に注意しながら戦おう!
  940.  
  941. ?!
  942.  
  943. Mashu
  944. …………はい!
  945.  
  946. ==
  947.  
  948. Mephistopheles
  949. 実に、実に……口惜しい……!
  950. 今回の現界ではそれほど楽しめませんでしたね……。
  951.  
  952. Mephistopheles
  953. やはり、マスターは必要なのでしょう……。
  954. そう、マスターとサーヴァントとの絆の力が……。
  955.  
  956. Mephistopheles
  957. どうこう……。
  958. では、なくて。ええ、そうではなくて。
  959.  
  960. Mephistopheles
  961. 切なる願いを叶えると決めたマスターに、
  962. 子供一人くらいは手に掛けさせなくては、ね。
  963.  
  964. Mephistopheles
  965. 聖杯戦争の醍醐味を味わえないというもの。
  966. ああ、貴方様が妬ましい……盾のサーヴァント……。
  967.  
  968. Mephistopheles
  969. 貴方は、これから先、幾度でも……。
  970. マスターを裏切り、絶望へ落とす機会がある……!
  971.  
  972. Mephistopheles
  973. なんと……妬ましい……!
  974.  
  975. Mordred
  976. 黙れ。
  977.  
  978. Mordred
  979. ……なにか見付かったか?
  980.  
  981. Mashu
  982. はい。博士の遺したメモが。
  983. これを書いている最中に、襲われたようです。
  984.  
  985. Mordred
  986. そっか。
  987. 最期まで締まらねえじいさんだったぜ。まったく。
  988.  
  989. Mashu
  990. ……読み上げますね。
  991.  
  992. Mashu
  993. 『私はひとつの計画の存在を突き止めた。
  994. 名は「魔霧計画」。実態は、未だ不明なままだが』
  995.  
  996. Mashu
  997. 『計画主導者は「P」「B」「M」の三名。
  998. いずれも人智を超えた魔術を操る、恐らくは英霊だ』
  999.  
  1000. Mordred
  1001. 「M」ってのはさっきの奴か?
  1002. まあ、持って帰ってジキルにも読ませよう。
  1003.  
  1004. Mordred
  1005. で。だ。
  1006. オレもひとつ面白いものを見付けたぞ。
  1007.  
  1008. Mordred
  1009. おい、こっち来い。
  1010.  
  1011. ???
  1012. ……ゥ。
  1013.  
  1014. Mashu
  1015. ……女の子?
  1016.  
  1017. ?1:ツノがあるね
  1018.  
  1019. Mashu
  1020. ありますね。ツノ……。
  1021.  
  1022. ?2:人間かな? サーヴァント?
  1023.  
  1024. Mashu
  1025. どうでしょう。
  1026. それは、本人に尋ねてみるのが良いでしょうね。
  1027.  
  1028. ?!
  1029.  
  1030. Mashu
  1031. あなたは人間ですか?
  1032. それとも、わたしたちと同じサーヴァント?
  1033.  
  1034. ???
  1035. ……ゥゥ。
  1036.  
  1037. Mashu
  1038. ?
  1039.  
  1040. Dr. Roman
  1041. んー、こちらでは判別できないな……
  1042. 生体反応と動体反応までしか判らない。
  1043.  
  1044. Dr. Roman
  1045. 魔霧による感知関係の影響は屋内にも及ぶようだ。
  1046. マシュはどうだい?
  1047.  
  1048. [charaFace A 4]
  1049. Mashu
  1050. わかりません、わたしにも。
  1051. モードレッドさんは、どうですか?
  1052.  
  1053. Mordred
  1054. 気配だけじゃなんとも言えないな。
  1055. ま、外の魔霧のせいだろ。
  1056.  
  1057. Mordred
  1058. で、こいつが何なのかって?
  1059. そんなのサーヴァントに決まってるだろ
  1060.  
  1061. Mordred
  1062. って言いたいとこなんだがな。
  1063. ……オレの記憶じゃそのはずだったし……。
  1064.  
  1065. Mordred
  1066. まあ、うん。
  1067. こいつは人造人間。らしい。
  1068.  
  1069. Mashu
  1070. 人造、人間
  1071. ですか。
  1072.  
  1073. Mordred
  1074. 奥の部屋の棺に入ってたんだけど。
  1075. 説明書きがくっついてたんだよ。ええとな。
  1076.  
  1077. Mordred
  1078. 祖父ヴィクター・フランケンシュタインの制作した
  1079. 一体目の人造人間、だったかな。
  1080.  
  1081. Dr. Roman
  1082. フランケンシュタインの怪物、だね。
  1083. でも、小説に依れば最後は燃え尽きていたような?
  1084.  
  1085. Dr. Roman
  1086. ボクの声は聞こえるかな。
  1087. ええと、君は、フランケンシュタインの怪物かい?
  1088.  
  1089. ???
  1090. ……ゥゥ、ァ……ゥゥ……。
  1091.  
  1092. Mordred
  1093. ん?
  1094.  
  1095. Mashu
  1096. 言語機能が備わっていないようですね。
  1097. でも、どことなくわかります。
  1098.  
  1099. ???
  1100. ……。
  1101. ……。
  1102.  
  1103. Mashu
  1104. 名前、でしょうか。
  1105. 怪物
  1106. という呼称ではやっぱり嫌ですよね。
  1107.  
  1108. ???
  1109. ……ゥゥ。
  1110.  
  1111. ?1:じゃあ、フラン、でどうかな?
  1112.  
  1113. ?!
  1114.  
  1115. ???
  1116. ……ゥ……。
  1117.  
  1118. Mashu
  1119. あ、喜んでいるみたいです。
  1120. じゃあ、あなたはフランさん、ですね。
  1121.  
  1122. Fran
  1123. ……ゥ……。
  1124.  
  1125. Mashu
  1126. あなたは人造人間……で合っていますか?
  1127.  
  1128. Fran
  1129. ……ゥ、ゥ……。
  1130.  
  1131. Mordred
  1132. サーヴァントじゃない、か。
  1133. あー、成る程。[#生前]ってことなのか?
  1134.  
  1135. Mordred
  1136. やっと合点がいったぜ。
  1137. そっか、そりゃあ見た目で分からない訳だ。
  1138.  
  1139. Mashu
  1140. ?
  1141.  
  1142. Mordred
  1143. いいや、こっちの話。
  1144.  
  1145. Mordred
  1146. ここに置いといても何だし、
  1147. 取りあえず、ジキルのとこに連れて帰ろうぜ。
  1148.  
  1149. Fran
  1150. ……ゥ、ゥ……。
  1151.  
  1152. Mordred
  1153. お前の主人はもうここにはいない。
  1154. だから、まあ、お前は何処に行ってもいいんだ。
  1155.  
  1156. Mordred
  1157. 取りあえずジキルのとこに置いてやる。
  1158. 行くぞ。人造人間なら、魔霧の影響はないだろ。
  1159.  
  1160. Mashu
  1161. そう……でしょうか。
  1162. そうとは限りません。危険な行為です。
  1163.  
  1164. Mordred
  1165. 大丈夫だって、こいつ呼吸してねーもん。
  1166. な。フラン。
  1167.  
  1168. Fran
  1169. ……ゥ。
  1170.  
  1171. Mordred
  1172. ほらな。頷いてる。
Add Comment
Please, Sign In to add comment