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- FILENAME: text_315021-1.txt
- やちよ: 1日…また1日…
- やちよ: いろはたちが姿を消した“あの日”から 私は朝を迎えるたびに 心にできた隙間に触れている
- やちよ: 月日を指折り数えているうちに 少しずつ隙間は埋まるものかもしれないけど まだ、その日を迎える未来を 私は想像できない
- やちよ: それは、私に限った話じゃない
- やちよ: みかづき荘のみんなも 神浜市のみんなも いろはたちと出会った人たちはみんな
- やちよ: 多かれ少なかれ 同じ想いを背負っていると思う
- やちよ: (そして、夜が明けるたびに 思い知るのよね…)
- やちよ: (魔法少女以外のみんなが “いろは”を忘れている現実を)
- やちよ: ――っ!?
- やちよ: 「いろは…?」
- フェリシア: ふぉふぁよぉ~
- やちよ: おはようじゃないわよ 急がないと遅刻…
- やちよ: って、まだパジャマ!? 早く着替えて!
- さな: フェリシアさん…! 食事は置いておきますね…!
- やちよ: さなは、そろそろ出かける?
- さな: はい、今なら始業のチャイムまで 少し余裕があるので…
- やちよ: わかったわ
- やちよ: というわけで フェリシアも早く!
- フェリシア: 1日遅刻したって、 誰も死んだりしねーよ
- やちよ: 怒るわよ?
- フェリシア: いろは風のハンバーグを 夕飯にしてくれたら頑張る
- やちよ: わかったわ、今度ね
- フェリシア: おっしゃ! それじゃあ、約束な!
- さな: …………
- やちよ: …行かないの?
- さな: あ、はい 行ってきます!
- 鶴乃: よぉし、フェリシア! 学校に出発だー!
- フェリシア: 学校ちげーのに なんで来たんだよ
- 鶴乃: やちよが2限目からなのを 忘れちゃってて…
- 鶴乃: あとは、やっぱり 前の名残、みたいな感じかな…?
- 鶴乃: いやあ、ドジだよねぇ
- フェリシア: 別に、いろはもういも 学校一緒だったし、仕方ねーよ
- フェリシア: あ、そういや今日さ
- フェリシア: やちよがいろは風の ハンバーグ作ってくれるんだぞ!
- やちよ: 今度よ今度 今日なんて言ってないからね?
- フェリシア: え、マジか…!
- 鶴乃: ふふっ
- 鶴乃: ただ、作ってくれたとしても やちよにあの味が出せるかな?
- やちよ: あら、私にだって作れるわよ
- やちよ: それより、ふたりとも 遅刻するわよ
- 鶴乃: おっと! それじゃあ、行ってきます!
- フェリシア: んじゃなー!
- やちよ: はあ…
- やちよ: (いろはがいなくなった影響は やっぱり大きいわね…)
- やちよ: (フェリシアはわからないけど 鶴乃とさなには影が落ちてる…)
- やちよ: (十七夜とみふゆに聞いた話だと 他の人も沈んでるみたいだし)
- やちよ: (まだまだケアをする必要が ありそうね…)
- やちよ: どうすればいいのかしらね…
- FILENAME: text_315021-2.txt
- やちよ: …これで全部かしら
- やちよ: ごめんなさい、ありがとう すごく助かったわ
- ううん、どういたしまして
- ノートを見せて欲しいって 言われた時はビックリしちゃった
- 七海さんって何でもしっかりと こなすイメージだったから
- やちよ: なんだか考えごとばかりして 講義が入ってこなかったのよ…
- もしかして、彼氏…? 一緒に住んでるっていう…?
- やちよ: 突っ込んだこと聞くじゃない
- やちよ: というより 根も葉もない噂を信じないで
- やちよ: 住んでるのは女の子よ? それも中学生のね
- やちよ: だから、そうね…うーん… 姉妹への悩みってところかしら…
- ピロン♪
- ももこ: 鶴乃から聞いたんだけど やちよさん昼まで講義なんだろ? 良かったらお昼休み みんなで弁当にしないか?
- やちよ: 私の方が早く着いちゃったわね
- やちよ: (ついこの間までは、いろはも ういちゃんも居たのにね…)
- やちよ: …………
- やちよ: (…良くない 気持ちを切り替えないと…)
- ももこの声: ちょ、待て!レナッ!!
- やちよ: ――っ!?
- かえでの声: 逃げないでよ、レナちゃん!
- やちよ: え…
- やちよ: …った!
- レナ: どいて、やちよさん!
- やちよ: そう言われても困るわよ ももこが追って来てるじゃない
- レナ: だからどいて欲しいの!
- やちよ: 事情を聞かせて
- かえで: はぁ、やっと追いついたよぉ…
- ももこ: サンキュ、やちよさん… 変身で撒かれたと思った…
- やちよ: …それで、どういうことなの?
- かえで: レナちゃんがクラスで 暴れて叫んでたみたいでね…
- かえで: それで職員室に呼ばれたのに 逃げちゃったんだよ…
- レナ: …………
- やちよ: 一方的にレナが悪く聞こえるけど 何か事情があるんでしょ…?
- レナ: 意味がわかんない… どうしてそんな平気なの…?
- やちよ: 平気ってなんの話…?
- レナ: いろはが消えて… レナたち以外忘れてんのよ…!?
- レナ: ほんと、悪い冗談みたいで 変なイジメみたい…!
- レナ: みんな気持ち悪くないの…!? なんで平気な顔してんの…!?
- やちよ: 私たちが… 私が平気に思える…?
- レナ: …っ
- レナ: …ごめんなさい ホントはわかってた…
- レナ: みんな、口にしないだけで レナと想いは同じなんだって…
- レナ: だけど、レナはみんなみたいに 抑えられない…
- レナ: この気持ち悪さを抱えることも 発散することもできないの…
- かえで: …わかるよ レナちゃんが言うこと…
- かえで: でも、私たちは魔法少女みんなで つらさを分かち合えるんだよ…?
- かえで: いろはちゃんが、自分だけ ういちゃんを覚えていたときって
- かえで: 誰とも分かち合えないから ひとりで頑張ってた…
- ももこ: そう思うと、アタシらは覚えてる 仲間が多いからマシな方だよ
- ももこ: 弱音を吐いて泣いてたら 自分が情けなくなるよ
- レナ: だからって、 今のままでいいの…?
- レナ: 教室で大声出したのは謝るけど… 少なくとも今のままはイヤ…
- レナ: せめて、救ってくれた代わりに いろはに何か返したい…
- レナ: アイツばっか頑張って 体も張って消えちゃったのに
- レナ: 何もできないなんて 悔しいじゃない…
- やちよ: ありがとう、レナ それにごめんなさい…
- やちよ: 確かに私は納得したフリをして 諦めていたのかもしれない…
- やちよ: 私たちにできることは何か みんなで一緒に考えましょう
- ももこ: レナの気持ちはわかったよ ただ、職員室には顔を出しとこう
- かえで: うん、私も一緒に行くから
- レナ: …でも、叫んだ理由なんて どう説明すればいいのよ
- ももこ: 道すがら一緒に考えてやるよ
- かえで: うんっ
- ももこ: というわけで、 誘っといて悪いんだけどさ…
- やちよ: お昼のことなら気にしないで
- ももこ: どっかでまた埋め合わせするよ!
- やちよ: (私たちが覚えていればいい そう思ってたけど…)
- やちよ: レナの怒りはどこから来たのか…
- FILENAME: text_315021-3.txt
- みふゆ: 無力感ですか…
- やちよ: みんな程度の差はあるけど 抱えているような気がしたのよ
- みふゆ: 喪失感を覚えている自覚は ありましたけど
- みふゆ: レナさんの話を聞く限りだと 腑に落ちる話ですね
- 十七夜: 身を削った環君に 我々は何も返せていないからな
- 十七夜: みんなの様子を探るときには 意識した方がいいだろう
- 都 ひなの: ドッペルを出すメンバーが 多発しそうな状況だからな…
- やちよ: 時間が解決することかも しれないけど…
- みふゆ: みんなの身と心を守るのも 年長者としての責務です
- やちよ: ええ、念頭に置いてもらえると 助かるわ
- やちよ: …………
- やちよ: さて、ここからは 気持ちを切り替えましょう
- やちよ: 明日に向けてゴミをまとめて
- やちよ: リサイクルボックス用の トレーも必要よね
- かさっ…
- やちよ: ん…?
- やちよ: (さなの…絵本のネタ…?)
- さな: ただいま帰りましたー…
- やちよ: あ…
- さな: やちよさん?
- やちよ: あぁ、ちがうのよ…?
- やちよ: 別にさなのボツになった原稿を あさってたわけじゃなくて…
- さな: えっと、大丈夫です…! 明日、ゴミの日ですから…!
- やちよ: かえって怪しい反応をしたわ…
- さな: ふふ、そうかもしれません…
- やちよ: 結構な枚数なのに 捨てちゃっていいの?
- さな: 途中まで書き進めてたんですけど
- さな: 自分でも何を書いてるんだか わからなくなっちゃって…
- やちよ: それならいいけど…
- やちよ: …どういう話だったの? 聞いてもいい?
- さな: はい…!
- さな: 「えと、カエルの子がトカゲの子に 池の国について教える話なんですけど トカゲは池の中を知らないから 話しても全然伝わらないんです…」
- さな: 「そこでトカゲの子は何匹か友だちを呼んで 池の国を絵に描いてもらうんですけど みんな違う絵になるから困ってしまったんです」
- さな: 「でも、説明していたカエルは ひとつの説明で色んな世界ができるのは面白い 生き物の想像力はすごいって感心するんです」
- さな: そんな話を書いてたんですけど 行き詰まっちゃって…
- やちよ: 私は少し面白いと思ったけど…?
- さな: 私は面白いと 思えなくなったんです…
- さな: 千差万別の世界が生まれることは 素敵だと思うんですけど
- さな: 私はちゃんとひとつのことを 伝えたいと思っちゃったんです…
- やちよ: …………
- やちよ: だけどそれは難しいことよね…
- さな: はい…
- さな: 私の絵本を読んで、誰かの心を 少しでも救えたらって思っても…
- さな: 正しく伝わらないかもしれないし 救えないかもしれません…
- やちよ: …そう思うのは、いろはと ういちゃんを救えないから?
- さな: …っ
- さな: なんで言っちゃうんですか…
- やちよ: 心配だったのよ 暗くなっていくさなを見て…
- やちよ: それに私だって何もできない 不甲斐なさは感じてるわ…
- さな: 私…時々考えちゃうんです…
- さな: いろはさんもういちゃんも 消えちゃって泣いてるかもって…
- さな: みんなに忘れられて 悲しんでいて…
- さな: あの時は良かったけど、 今は後悔してるかもって…
- やちよ: そう言われると、 私はさなほど悲観的じゃないわ
- さな: どうして…ですか…?
- やちよ: きっと私はふたりが 不幸だとは思ってないからね
- さな: 私はそう考えたとしても 自信はもてません…
- やちよ: 私だって、前向きになったのは つい最近のことよ
- やちよ: あ、そうだ
- やちよ: 明日はお休みだから お出かけしましょうか
- さな: え…?
- FILENAME: text_315021-4.txt
- やちよ: ごめんなさい 待たせちゃったわね
- 鶴乃: フェリシアが寝坊するから…
- フェリシア: 鶴乃が店の仕込み 遅れたからだろ
- さな: どっちもですね…
- かえで: それで、今日の予定って何なの?
- レナ: こっちは弟との約束を断ってまで 来たんだからね
- ももこ: 秘密って言うからには 何か言えない理由があるんだろ?
- やちよ: 何も知らない状態で どう感じるかが大切だと思ってね
- ももこ: んー…よくわからないけど…
- やちよ: とりあえず 展望台に上りましょう
- フェリシア: ―フェリシア― おぉ…
- フェリシア: ―フェリシア― こうやって展望台に上るなんて めっちゃ久しぶりだぞ
- レナ: ―レナ― 上から眺めると 神浜市だけでもすごい広さよね
- さな: ―さな― これよりとても広い世界を いろはさんは包み込んでくれてるんですよね…
- さな: ―さな― …………
- さな: ―さな― ごめんなさい… なんかしんみりするようなこと言って…
- 鶴乃: ―鶴乃― 別に悪くないよー
- 鶴乃: ―鶴乃― わたしだって考えることだし 言われたら…って思って眺めてただけだからね
- 鶴乃: そう言ってる間に到着!
- かえで: やちよさん このあとはどうするの?
- やちよ: 別に何もしないわ ただ、ここに居るだけでいいの
- ももこ: いい加減意味がわからないな 何が目的なんだ…?
- やちよ: 言ったら意味がないじゃない
- フェリシア: でも、わかんねーぞ 景色がいいだけじゃんか…
- フェリシア: ――っ!?
- さな: …フェリシアさん?
- フェリシア: …いろは?
- さな: えっ…
- さな: …………
- さな: 本当です… 微かに感じます…!
- フェリシア: ここか…!?
- さな: いえ、他の方角からも 感じますよ…!
- ももこ: この魔力の反応は 間違いなくいろはちゃんだ…!
- かえで: うんっ、うんっ 近くに居るってことだよね!?
- レナ: やちよさん、そういうこと!?
- 鶴乃: たぶん、半分正解
- 鶴乃: 確かにいろはちゃんを感じる… だけど近くない…遠い…かな
- やちよ: ええ
- やちよ: どこからも いろはの存在を感じられるのは
- やちよ: あの子が私たちの上にいるからよ
- やちよ: そして、今もずっとういちゃんや 里見さん、柊さんと一緒に
- やちよ: 魔法少女たちの穢れを回収して みんなを救い続けているわ
- ももこ: …ほんとだ、穢れや呪いが 空に向かって伸びて移動してる
- かえで: いろはちゃんが働いてるのを やちよさんは知らせたかったの?
- やちよ: 正解だけど、いろはの存在を ただ伝えたかったわけじゃないの
- やちよ: 私はみんなにいろはのことを 前向きに捉えてほしかったのよ
- やちよ: 私も喪失感を覚えていたし 無力感に苛まれることもあったわ
- やちよ: だけど、それはなぜって… いろはを可哀相と思っていたから
- レナ: …っ、だってアイツは!
- さな: …………
- やちよ: こうして目を瞑って 魔力を追いかけてみるとね
- やちよ: 私たちの穢れを回収しているのが イブの時と違うのがわかる
- やちよ: それは、いろはとういちゃんの 希望から生まれた魔力と
- やちよ: それに寄り添うウワサになった 里見さんと柊さんの魔力
- やちよ: 何にも支配されずに伸び伸びと 活動しているからよ
- やちよ: だから私は、今のいろはたちを 可哀相だとは思わないし
- やちよ: あの子が生かしてくれた自分を 自分から無力にはしないわ
- 鶴乃: うん…じっくりと時間をかけて こうして追いかけてみると
- 鶴乃: 自分の意思で前向きに 活動をしてる気がするね
- 鶴乃: なんかやちよの言うこと ちょっとわかるかも…
- さな: …胸を張って生きている方が いろはさんを笑顔にできる…
- レナ: 空の先でいろはが どういう状態かなんてわからない
- レナ: けど…
- レナ: レナたちを助けた時の、 アイツは笑顔だった…
- ももこ: その笑顔を無駄にしちゃ いけないってことだな…
- かえで: うん…
- さな: やちよさん 今日はありがとうございました…
- さな: いろはさんを感じられて 少しだけ前向きになれました…
- やちよ: あれが本当にいろはなのか 私ひとりじゃ説得力がないけれど
- やちよ: みんなも感じ取れたなら 間違いはないわよね
- やちよ: これから、神浜市のみんなにも 教えてあげるわ
- さな: はい、きっと前向きになれる人も 増えるような気がします…!
- やちよ: フェリシアが…いない…
- やちよ: 私も背筋を伸ばして生きるわね いろは
- FILENAME: text_315022-1.txt
- 鶴乃: うん、フェリシアはまだ みかづき荘には帰らないって…
- 鶴乃: …………
- 鶴乃: そう言われてもさ、 わたしも理由は聞いてないよ…
- 鶴乃: …うん、万々歳に泊まるのは まったく問題ないから
- 鶴乃: もう少し様子を見てみる…
- 鶴乃: フェリシア、いいの? やちよも心配して待ってるよ?
- フェリシア: わかったよ 迷惑なら出てけばいいんだろ?
- 鶴乃: うおおい!ちょっと! 迷惑とか言ってないけどぉ!?
- やちよ: ごめんなさい ゴタゴタしてしまって…
- 結菜: 環さんがいなくなったつらさは、 そちらの方が大きいはずよぉ
- 静香: 私たちと比べて付き合いも長いし 当然だとは思うわ
- 静香: 私だってかなりこたえたもの…
- やちよ: これでも、みんなの心の負担は 軽くなった方なの
- やちよ: いろはの魔力反応を 捉えられたおかげでね
- ひめな: まあ、いろりんもぶっちゃけ 自分でみんなを助けてるわけだし
- ひめな: 勝手に被害者扱いすんなし って話だよね
- ラビ: その意見も乱暴かと
- ラビ: 自分を加害者にすることで 保たれている心もある
- 結菜: あの時は仕方なかったって 当時の自分を肯定できるからねぇ
- 結菜: だから、ただ施された側になると とたんに何も掴めなくなる
- やちよ: フェリシアのように沈んだ人は 心の置き場をなくしたのね
- やちよ: 神浜市以外のみんなは もうみんな立ち直ってる?
- 結菜: ひかるを筆頭にして、 0人ではないのは確かねぇ
- 静香: うちもちゃるが落ち込んでたから 伝えておいたわ
- 静香: 『環さんが前向きなんだから 私たちも未来へ前向きでいよう』
- 静香: 『悪鬼になるようなことがあれば 逆に環さんを苦しめるから』って
- 結菜: こちらも、ひかるたちに 同じような話をしたわねぇ
- ひめな: うちもしぐりんが気にしてるから ちゃんと話した方がいいかも
- やちよ: そうね
- やちよ: まだ、戦いが終わって間もないし 立て直すまでには時間がかかるわ
- やちよ: でも、だからこそ みんなで協力していきましょう
- ももこの声: おーい、やちよさーん
- 結菜: あら、お呼びみたいよぉ
- やちよ: このあと、神浜の学生会議で 打ち合わせがあるんだけど
- やちよ: 話し込んでたら もう時間が近づいてたみたい
- やちよ: 悪いけど、今日はこの辺りで 失礼させてもらうわね
- FILENAME: text_315022-2.txt
- ももこ: というわけで!
- ももこ: 「アタシらは学生会議の発足を伝えて 学生たちから賛同の署名をもらったわけだけど 実際にどれぐらいの学生たちが 参加してくれるのかが課題だった」
- かえで: 「だから、みんなにお願いして 各学校でアンケートを取ってもらったんだよね」
- レナ: 「それで、今日はようやく 結果を発表できる段取りがついたってわけ」
- ももこ: それじゃあ調整屋
- みたま: はーい
- みたま: パンパカパーン♪
- みたま: ここからは 神浜市の学生を対象にとった
- みたま: アンケートの結果発表よぉ♪
- 月咲: ゴクッ…
- 相野 みと: わくわく…
- 十七夜: ふむ
- 十七夜: 現状、参画を望む学生たちの数が 我々の想定より多いようだな
- みたま: え、ちょっと十七夜! 派手に発表したかったのにぃ…
- 十七夜: む、すまん 軽い話ではないと思ってな
- やちよ: ふふっ、十七夜の言う通りね
- やちよ: でも良かったじゃない どの学校にも参加希望者がいて
- 十七夜: これでようやく魔法少女だけの 体制から1歩前進しそうだな
- みふゆ: ここからはワタシたち以外の 意見が重要になりますね
- 月夜: 私と月咲ちゃんのように 身近で東西の交流がある人は
- 月夜: 少ないはずでございます
- 空穂 夏希: お互いに勘違いしてることが 色々と出てきそうだよね
- 月咲: うん、ウチらはレアケースだから 話すところから始めないと
- みかげ: ミィだってあした屋さんに 行ってなかったら
- みかげ: 西の人たちとおしゃべりなんて ぜーんぜんしなかったもん
- 眞尾 ひみか: そう言われると、集まった瞬間 擦れ違いとかありそうですね
- 江利 あいみ: その時は間に挟まれた私たちが 仲を取り持つ役割に…!?
- 都 ひなの: 東西に挟まれた中央は 損な役回りが多いからなぁ…
- 都 ひなの: 東西で魔法少女同士が 争ってた時も大変だった…
- やちよ: その節は迷惑をかけたわね…
- 十七夜: すまんな、都… 自分からも何も言えん…
- 都 ひなの: 過去の話だから気にするな
- 都 ひなの: アタシらはアタシらで うまく間で動いてみるし
- 都 ひなの: 挟まれる人たちの苦悩を伝える ことも大切になってくるだろ
- やちよ: 今後、話を整理していく上でも 発信していく上でも必要になるわ
- ももこ: あ、発信って言えばさ やちよさん取材を受けるんだろ?
- ももこ: なんだっけ、タウン誌?
- やちよ: ええ
- やちよ: この間、テレビの中で 学生会議の話をしたでしょ?
- やちよ: それで興味を持った人たちがいて 話を聞きたいんですって
- かえで: やちよさんも、 神浜市の顔だもんね
- やちよ: それは言い過ぎじゃない?
- レナ: でも、こうやって やちよさんの人気にあやかれば
- レナ: 学生会議の活動も もっと活発になるかも
- やちよ: 私は広報の人員になるつもりは ありません
- やちよ: それに急に拡大すると怖いわ 地道にやっていきましょ
- やちよ: …………
- みふゆ: どうしたんですか、やっちゃん そんなニコニコしちゃって
- やちよ: みふゆ
- やちよ: 別に、ちょっと嬉しくなったのよ
- やちよ: 前まで不安定だったのに レナの様子が明るくなってたから
- みふゆ: やっちゃんが教えてくれた 電波塔の話
- みふゆ: みんな、確認して 気持ちが落ち着いたみたいですね
- やちよ: みんなって言われると 少し引っかかっちゃうわね
- やちよ: うちの場合はフェリシアが 沈んじゃったから…
- みふゆ: そうでしたね みんなは言い過ぎました
- やちよ: 今も前向きにいろはたちが 魔法少女を救ってるとはいえ
- やちよ: 姿を消したこと自体は現実
- みふゆ: …盾になってくれた仲間が 死んでしまったとか
- みふゆ: そういう感覚に近いのかも しれませんね…
- ~~♪~~♪
- やちよ: ん、鶴乃…?
- やちよ: どうしたの?
- 鶴乃: フェリシアが見つからない!
- FILENAME: text_315022-3.txt
- フェリシア: ある…
- フェリシア: ここにもある…
- フェリシア: これじゃ忘れられない…
- フェリシア: どこに行ったって いろはとの思い出が残ってる…
- フェリシア: オレ、どこに行けばいいんだ…?
- ピロン♪
- やちよ: …だめね
- やちよ: みんな捜してくれているけど まだ行方はつかめない…
- 鶴乃: フェリシアの行きそうな場所は 十分周ったつもりだけど…
- やちよ: 漫画とゲームが関わる場所は お願いしてあるし…
- 鶴乃: 前に住んでたマンションにも 行ってみたんだけど…
- やちよ: 手がかりはなし…
- 鶴乃: スマホの電源さえオンにしてたら 位置がわかるのに…
- ~~♪~~♪
- やちよ: フェリシア!?
- 鶴乃: うぉっ!なんて!?
- やちよ: 通話だから聞いてみないと わからないわよ!
- やちよ: フェリシア、聞いたわよ! 今どこにいるのよ!?
- やちよ: みんな心配するじゃない…!
- フェリシア: もうオレを捜さなくていいし 連絡もしなくていい
- やちよ: 何を言ってるの…?
- フェリシア: オレ、神浜市から出て行ってさ もっかいイチからやりなおす
- やちよ: 待って、意味がわからない… ちょっと処理が追いつかないわ…
- やちよ: 神浜市から出て行くって何…? 理由があるの…?
- フェリシア: いろはに謝りたいのに… もう謝れないから…
- フェリシア: だったらもう、 忘れた方がマシだ
- やちよ: フェリシア! あの子は謝罪なんて求めてない!
- やちよ: 一時の感情で思い出を捨てる方が あの子は絶対に悲しむ…!
- フェリシア: でも、このままじゃオレ ドッペルを出しっぱなしになる
- フェリシア: そしたら、いろはの仕事が増えて もっと苦しませるじゃん
- フェリシア: そうはなりたくねーんだよ
- やちよ: 少し落ち着いて まずは話をしましょう
- やちよ: えっ、きれ…
- やちよ: あの、バカッ…!
- 鶴乃: フェリシア、なんて!?
- やちよ: 神浜市を出て ひとりでやりなおすって…!
- 鶴乃: ワァイ!?何でぇ!?
- やちよ: 知らないけど、とりあえず スマホをオンにしてくれたから
- やちよ: あの子の位置がわかった
- やちよ: そう遠くないから 最寄りの駅に急ぐわよ!
- 鶴乃: いる…!いるよやちよ…!
- やちよ: 私も感知したけど、 向かったのは上りか下りか…
- 鶴乃: 二手に分かれよう!
- やちよ: それなら、お願いがあるわ
- 鶴乃: ほ?
- やちよ: そっちにあの子がいた場合に 伝えて欲しいことがあるの
- やちよ: どちらもちょうど電車が来る… 頼んだわよ、鶴乃!
- 鶴乃: アイサー!
- やちよ: ふう…
- やちよ: …………
- やちよ: (魔力の反応が離れていく… こっちじゃなかったみたいね…)
- やちよ: 頼んだわよ、鶴乃…
- FILENAME: text_315022-4.txt
- 鶴乃: やっと見つけたよ フェリシア
- フェリシア: …………
- 鶴乃: 神浜市から出て行って やり直すつもりなんでしょ?
- 鶴乃: …そんなのやめて帰ろうよ
- フェリシア: 無理だ…
- フェリシア: だって、いろはのこと… みんなのことを忘れないと…
- フェリシア: オレ、いろはに悪かったって 想いで潰されちまう…
- 鶴乃: 別にフェリシアは悪くないし 思い詰めなくてもいいんだよ…
- 鶴乃: やちよが言ってた通り、 いろはちゃんのことは心配ない
- 鶴乃: 救ってくれたことに対して 後ろ向きになってる方が悲しむよ
- 鶴乃: それに、忘れることがつらいって 一番よくわかってるはずだよ
- フェリシア: でも、覚えてても オレは一生許されないんだ…
- フェリシア: いろはとういは、 オレが「ごめんな」って言ったら
- フェリシア: 絶対に「いいよ」って言って 許してくれるのはわかってる…
- フェリシア: けど、謝っても聞こえてるか 今はわからない
- フェリシア: あいつらに聞こえたって オレの耳に言葉は届かねえ…!
- フェリシア: オレ…聞きたいんだよ… 「いいよ」って…
- 鶴乃: その想いに心が蝕まれて ずっとドッペルを出すぐらいなら
- 鶴乃: 忘れた方がいろはちゃんたちの ためになるって思ったんだ
- フェリシア: …………うん
- 鶴乃: …やちよが言ってたよ
- フェリシア: …………
- 鶴乃: あの時はいろはちゃん以外に みんなを救える人はいなかった…
- 鶴乃: だから、いろはちゃんは 自分から前に出て救ってくれた…
- 鶴乃: 「そんな、わたしたちのために頑張ってくれた いろはちゃんたちにかける言葉が “ごめんなさい”だと、みんな悲しい顔をする」
- 鶴乃: 「だから、わたしたちはみんなで “ありがとう”って笑顔で言ってあげよう」
- 鶴乃: って…
- 鶴乃: でもね、そう伝えながらもさ わたしだって後悔してるんだよ
- 鶴乃: 最強を自認してる上に いろはちゃんの大先輩なんだから
- 鶴乃: でも、わたしが同じ立場だったら 罪悪感なんて覚えて欲しくない
- 鶴乃: 笑顔で「助かったよありがとう」 って言ってくれた方が嬉しいな
- フェリシア: オレが感じてるこの気持ちって 間違いなのか…?
- 鶴乃: ううん、その罪悪感も無力感も わたしたちを強くする気持ちだよ
- 鶴乃: だから大切にした方がいい
- 鶴乃: 感謝しながら、その想いを糧に 強くなるしかない
- 鶴乃: わたしたちにはそのための時間… 未来が与えられたんだから…
- フェリシア: そっか… 忘れたら弱いままなのか…
- フェリシア: 強くなれば、 同じようなことにはならないし
- フェリシア: いろはもういも また取り戻せるかもしれないよな
- 鶴乃: そうそう なんたって未来があるんだから
- 鶴乃: ねっ?
- フェリシア: おう、いつかオレがふたりを 連れ戻してやるぞ
- フェリシア: ふんす!
- 鶴乃: その勢いだよ! ふんふん!
- フェリシア: ただいまー…
- 鶴乃: 連れて戻ってきたよー!
- さな: フェリシアさん…! もう、心配したんですよ…!?
- さな: また、誰かいなくなったら 寂しいじゃないですか…!
- フェリシア: うん、ごめんな、さな…
- やちよ: 落ち着いた?
- フェリシア: おう、オレ… もらった時間に感謝する
- フェリシア: んで、その時間を使ってさ いつか連れ戻すんだ
- フェリシア: いろはとういを…!
- 鶴乃: (灯花とねむは含まれないんだ)
- やちよ: ふふっ…
- 鶴乃: ま、いっか
- やちよ: 毎日、朝を迎えられる… それが私たちの喜びよ
- FILENAME: text_315023-1.txt
- やちよ: いろは、私もあなたたちに与えられた 未来に生かされながら 毎日を前向きに生きている
- やちよ: 日々、時間が移ろいでいく中で 無力感や罪悪感に苛まれていた人たちも うつむいていた顔を少しずつ上げて また、新しい1日を歩み出しているわ
- やちよ: あなたたちが居なくなってから みふゆや十七夜、都さんからも力を借りて 神浜市の魔法少女たちはみんな 立ち上がり始めている
- やちよ: そろそろ、私も忙しく動きまわるのはやめて 落ち着いた時間を過ごそうと思ってるわ
- やちよ: 本当、あの電波塔よりも近くに いろはの存在を感じるわ
- フェリシア: いろはたちが居る場所に 繋がってる場所だったりしてな
- やちよ: 魔力の流れを感じる限りだと その考えは当たってる気がするわ
- やちよ: ありがとう、かごめちゃん 教えてくれて
- かごめ: いえ、感知してくれたのは アルちゃんなので
- アルちゃん: <いろはさんの情報を得ようと 分裂して探した結果だよ>
- やちよ: アルちゃんも、ありがとう 本当に感謝しているわ
- やちよ: また、みんなを連れて 今度はピクニックでもしましょう
- フェリシア: だなっ!
- ピロンッ♪
- やちよ: …もう少し居たいところだけど 私は次の用事に向かうわね
- フェリシア: 取材だろ?
- かごめ: 何のですか?
- やちよ: 神浜市のタウン誌の取材で 学生会議についての話をするのよ
- フェリシア: あっ、帰りに挽肉買って帰るから 忘れんなよ!?
- やちよ: わかってるわよ いろはのハンバーグでしょ?
- やちよ: それじゃ、行ってくるわね
- 女性記者: 七海さんの言う通り 東西の噂はひとり歩きしているし
- 女性記者: 交流もないままだと 擦れ違ってばかりだと思います
- やちよ: だけど、私たちは偶然とはいえ 東西で関わるようになりました
- やちよ: そこで、お互いの人となりや 過去を知る中で
- やちよ: 自分たちが聞かされていたことと ズレていると気づいて
- やちよ: 今となっては掛け替えのない 友人になったんです
- 女性記者: そうした希有な関係を築くのに 切っ掛けはあったんですか?
- やちよ: そうですね…
- やちよ: 部活に入っている子であれば 神浜市の大会でしょうか…
- 女性記者: 七海さんもですか?
- やちよ: あ、私の場合は事情が違います
- やちよ: (…思えば、いろはがいないと 東西の今はないのかも…)
- やちよ: (十七夜とは東西の関係が 険悪なときからの知り合い…)
- やちよ: (だけど、いろはが神浜市に来て ういちゃんを捜してないと)
- やちよ: (手を取り合いはしなかった…)
- やちよ: (そもそも、いろはが願わないと マギウスすら生まれていない…)
- やちよ: (手を取り合うための敵すら いなかったのよね…)
- 女性記者: どうしました…?
- やちよ: いえ、ちょっとひとりの子が 大きな影響与えていたなと…
- 女性記者: その人が七海さんが東と関わる きっかけを与えたんですか?
- やちよ: 今のメンバーのほとんどが きっかけを与えられてますね
- 女性記者: へえ、すごい
- 女性記者: ぜひ次は、その方も交えて 取材をさせてください
- やちよ: それは難しいかもしれません
- 女性記者: あら、シャイなんですか?
- やちよ: もう、いないんです… 私のそばには…
- FILENAME: text_315023-2.txt
- やちよ: 落ち着いた自分の時間を 過ごそうなんて考えてみても
- やちよ: いざ時間ができてみると 何をすべきかわからないわね…
- いろは: せっかくできた時間なんですし 趣味を作るのはどうですか?
- やちよ: パッとは思いつかないけど、 新しいチャレンジはいいかもね
- いろは: あとは、そろそろ 就職のことを考えてみるとか…?
- やちよ: ちょっと… 急に現実的な話をするじゃない…
- やちよ: でも、早い子はインターンにも 行ってるみたいだし
- やちよ: 私も他人事じゃないのよね…
- いろは: やちよさんは、芸能のお仕事を これからも続けるんですか?
- やちよ: …就職ではないけど、 そういう選択肢もあるわよね
- やちよ: ただ、周りには悪いけど、 最近は熱が入ってない気がして…
- いろは: んー、自分のやりたいことって 難しいですね
- やちよ: まあ、本音を言えば、 みかづき荘を復活させたいわ
- やちよ: 昔みたいに活気のある みかづき荘にね
- いろは: いい夢ですね 私、どうなるか楽しみです!
- やちよ: あなたがくれた未来のおかげで そういう夢が見られるの
- やちよ: だけど、いろはを置いてきぼりに するみたいで、私はつらいわ
- やちよ: あなたは、もう日常にはいない…
- やちよ: みんなが当たり前に考えるような 未来を想像しても実現できない…
- やちよ: 恋人を作ることも… 仕事をすることも…
- いろは: 私はそれでも幸せです
- やちよ: …いろはなら、そう言うでしょう でも、私は幸せじゃない…
- いろは: やちよさん…
- やちよ: 私が想像する未来には全部 あなたがいるはずだったのよ
- やちよ: このみかづき荘にだって…!
- いろは: …………
- やちよ: ああ…こんなこと考えたくない… ずっと…忙しくしていたいわ…
- フェリシア: ただいまーっ!
- やちよ: ――っ!?
- さな: そこで会ったので、 一緒に買い物してきました…!
- 鶴乃: わたしも呼ばれてきたよ!
- 鶴乃: 万々歳の特製メンマもあるから 一緒に食べようよ!
- やちよ: …………
- やちよ: 今日ってハンバーグよ? そんなメンマなんて合う…?
- やちよ: とりあえず準備をするから 材料を持って来て
- フェリシア: おう、これな!
- やちよ: はい
- さな: 私も手伝いますね…
- やちよ: ありがとう
- 鶴乃: このノートがレシピだったよね?
- やちよ: ええ、ハンバーグのレシピを いろはが書いてたはずよ
- やちよ: …えーっと、このページ
- 鶴乃: ん?やちよ?
- やちよ: (いけない、今じゃない… まだ、見ちゃいけなかった…)
- いろは: やちよさんっ
- いろは: フェリシアちゃんが 味が薄いって言ってたので
- いろは: 新しいハンバーグを 考えてみたんですっ!
- いろは: どうですか?
- やちよ: …………
- 鶴乃: ちょっと、やちよ…! なんか顔色が悪いよ…!
- フェリシア: 何食ったんだ!?
- さな: た、体調を崩してるなら 今日は休んだ方が…
- やちよ: そ、そうね…ごめんなさい… 今日はちょっと休むわね…
- やちよ: …………
- やちよ: (レシピノートを見て 溢れ出してきた…)
- やちよ: (これはいけない気持ち… だけど、抑えられない…!)
- やちよ: (みんな心の整理をして踏み出していくけど 私はいろはがいる時に縛られたまま…)
- やちよ: (自分を納得させる言葉や状況を作っても 溜まっていく想いは溶けていかない…)
- やちよ: (またみかづき荘で一緒に暮らしたい… 忘れたみんなにも思い出して欲しい…)
- やちよ: (だから、私はいろはを連れ戻したい…)
- やちよ: そんなの傲慢よ…やちよ… あなたは自分でなんてみんなに言ったの…
- やちよ: だけど…
- やちよ: (ああ…みふゆが居なくなったときと同じ… 自分の理性が心の底に沈んでいくのがわかる…)
- やちよ: いろは…私は自分が壊れそうで… 怖いわ…
- FILENAME: text_315023-3.txt
- やちよ: そうよ、いろは… 万年桜のうわさにあなたがいる…
- やちよ: それなら、 力を合わせればいい…
- やちよ: 変えられるわよ 私たちふたりの力で…
- さな: リュックにシートに水筒…
- 鶴乃: あと必須なのは、 向こうで遊ぶためのアイテム!
- さな: あっ、フリスビーですか…? 楽しそうですね…!
- 鶴乃: わんわん!
- さな: ふふっ、あとはお弁当ができれば ピクニックの準備完了です…!
- 鶴乃: ももこたちも、もうすぐ着くって メッセージが来てたよ!
- フェリシア: うお、マジかー! ここでハンバーグがくんのかよ!
- やちよ: 作るとか言って しばらく作れなかったからね
- やちよ: この間も体調を崩して 夕飯にできなかったから
- やちよ: ここで挽回しようと思ったのよ
- フェリシア: うひょー! 弁当に入るとか最高だぜ!
- ももこ: おじゃましまーす
- かえで: あっ、すごくいい香り!
- レナ: これ、ハンバーグでしょ…!
- かえで: ちょっと レナちゃん、よだれ!
- レナ: バカ!出てないわよ! 大食いキャラにしないで!
- レナ: じゅる…
- やちよ: ふふっ、 3人ともいらっしゃい
- やちよ: さっそく出かけたいところだけど 少し待ってくれるかしら?
- やちよ: お弁当ができたばかりで、 まだ冷めてないのよ
- ももこ: ピクニックって言っても 万年桜のうわさだろ?
- ももこ: まだ朝で時間も十分あるから のんびりいこうよ
- かえで: それにしても、急だったから びっくりしちゃったよぉ
- レナ: ほんと、前の展望台のときといい 今回も何かあるわけ?
- かえで: かごめちゃんがいろはちゃんの 反応を感知したんだよね?
- やちよ: ふたりとも察しがいいのね
- やちよ: そう、今日はただみんなで ピクニックに行くわけじゃないわ
- 鶴乃: ええっ、そうなの!? わたしだって聞いてないよ!
- さな: 私も初耳です…
- フェリシア: 何するんだ!? まさかいろはと会えるのか!?
- やちよ: ええ、私は万年桜のうわさで いろはを復活させるわ
- フェリシア: えっ、おぉ…マジか…!
- フェリシア: ん、え? けど、んなことできんのか?
- やちよ: もちろんよ
- やちよ: 鏡の魔女がいろはと共にあって 時空を越える力を持っているなら
- やちよ: 過去へ行く鏡を作ってもらって 今の状況を覆すことができるわ
- 鶴乃: いやいや ちょっと待って待って!
- 鶴乃: それって問題になってた タイムパラドクスはどうするの?
- やちよ: 過去に行って、いろはが 犠牲にならないようにするのよ
- やちよ: 最悪、私がいろはの身代わりに なれるだけの力を得れば
- やちよ: あの子は空に行かなくていいし あの子の未来を残せる…
- ももこ: おいおい、適当すぎるだろ どうしたんだよ、やちよさん…
- ももこ: 鶴乃への答えにもなってない
- かえで: それに、いろはちゃんから力を 借りられるかもわからないよ
- やちよ: いろはなら力を貸してくれる… 理想の未来のためにきっと…
- レナ: そんなの無理よ…
- レナ: やちよさんが犠牲になるのを アイツは絶対に許さない…
- さな: あの…やちよさんはいろはさんの 身代わりでいいんですか…?
- やちよ: 当然じゃない
- やちよ: あの子が戻って来られるなら 私はそれでいいわ
- さな: いろはさんも 同じことを言っちゃいます…!
- さな: たとえ成功することでも いろはさんは手伝いませんよ…
- やちよ: それでも、私は無理を通す
- ももこ: やちよさん頭を冷やそう… なんか考え方が乱暴すぎる…
- やちよ: 邪魔しないで…!
- やちよ: せっかくみんなで仲良く 良い結果を迎えたかったのに…!
- 鶴乃: …っ!やちよ本気だ…
- 鶴乃: フェリシア、忘却の能力で やちよを抑えて!
- 鶴乃: 下手に過去に行かせたら、 この世界を壊しかねないよ!
- フェリシア: んだよ、もう! わけわかんねーぞ…!!
- やちよ: さよなら
- やちよ: 私ひとりで 万年桜のうわさに行ってくるわ
- フェリシア: んな思いつき…! 忘れちまえ、バカヤロー!!
- FILENAME: text_315023-4.txt
- やちよ: ん…? ああ、3人ともいらっしゃい
- やちよ: さっそく出かけたいところだけど 少し待ってくれるかしら?
- やちよ: お弁当ができたばかりで、 まだ冷めてないのよ
- ももこ: あ、ああ
- ももこ: まあ、いいんじゃないか? 行くのは万年桜のうわさだしさ
- レナ: …………
- かえで: …………
- やちよ: ふたりとも、どうしたの?
- 鶴乃: ねえねえ、3人は なんか遊ぶもの持って来た!?
- 鶴乃: どうせなら、向こうで 何ができるか考えようよ!
- フェリシア: お、おうっ! オレ、なんかゲームもってこ!
- 鶴乃: いや、それだと みんなで遊べないよ!
- レナ: …っていうか、レナたちって 何で誘われたんだっけ…
- かえで: いろはちゃんの反応を 感知したんだよね…?
- やちよ: そうよ?
- やちよ: だからいろはたちと一緒に ピクニックをするのよ
- やちよ: その方がういちゃんたちも 喜んでくれそうだからね
- フェリシア: ふぅ…
- さな: 万年桜のうわさまで あと少しですね…
- やちよ: …そうね
- さな: どうしたんですか…?
- やちよ: …何か忘れている気がして…
- さな: えっ、あ、忘れ物ですか…!?
- やちよ: そうじゃないんだけど、 なんだったかしら…
- やちよ: …よくわからないわ
- さな: 忘れた頃に 思い出すかもしれませんね
- やちよ: ねえ、さな
- さな: はい…
- やちよ: それに、みんなにも 情けない話をするんだけど…
- やちよ: もしも私がおかしくなったら どんな手段でもいいから止めて…
- ももこ: なんだよ、 物騒なこと言うじゃないか
- やちよ: わかっているのよ…
- やちよ: 自分で言うのもなんだけど、 私は見境無く動くときがある…
- やちよ: みふゆがいなくなって チームを強制的に解散したり
- やちよ: ももこにだって 思い当たる節はあるでしょう?
- ももこ: ん…まあな…
- やちよ: きっと、冷静じゃなくなると 正しい判断なんてできなくなるわ
- やちよ: だから、もしも何かあったときは みんなで私を止めて
- 鶴乃: 何かっていろはちゃんに 関連するようなこと…?
- やちよ: それだけじゃない…
- やちよ: 鶴乃、フェリシア、さな ももこ、レナ、かえで
- やちよ: みんな私にとっては 掛け替えのない人たちばかりよ
- かえで: 私たちも入るんだ!
- レナ: なんか、恥ずかしい…
- やちよ: でも、そうよ
- やちよ: 今の私は誰が消えても 見境がなくなる自信があるわ
- やちよ: だからお願いね 何かあったら止めてちょうだい
- やちよ: お願い、私が暴走した時は 止めてちょうだい
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