Ishihara's Q&A in JP

アニメエキスポ2019での、石原監督への質問と回答
聞き取り、文章化：Me 翻訳：A Japanese learning English @ Reddit
概要
石原立也監督に対する質疑応答は、映画を見た観客の反応についてのコメントという形で始まった。石原監督は、アメリカの観客の反応は日本の観客の反応とほぼ同じだったこと、すなわち同じシーンで笑い、言い合うシーンでグッときたことに、ホッとし嬉しかったと話した。
Q ・なぜ2年生の物語を、いつものテレビアニメではなく映画で作ろうと決めたのですか？ ・原作からエピソードを取捨選択する時はどのような考えで行ったのですか？
A 2年生の物語全体をテレビアニメでやると、1年生の時の物語の繰り返しになってしまいます。それが映画でやる理由です。 映画は100分に制限されています。メインストーリーを核として、テンポが速すぎないように物語全体を進めました。そのため、原作からいくつかのエピソードを削除しなければなりませんでした。しかしながら、いくつかのシーンはファンを喜ばせるだろうとも、考えました。例えばプールのシーンです、シナリオには元々なかったですけど、絵コンテを作っている時にそのワンシーンを追加しました。
Q なぜスマートフォンのようなフレームを入れたのですか？
A 1. 原作は久美子の視点で描かれています。私たちはテレビアニメ版ではこのような久美子が語るスタイルを踏襲することにしました。この映画では、新しいことに挑戦しました。すなわち、久美子の視点での語りだけでなく、脇役の部員たちの視点も見せるようにしたのです。私たちはさらに、関西大会の後で、久美子や他の部員の知らないところで、吉川優子が泣いているのを中川夏紀が彼女をなだめるシーンを入れました。 2. ほとんどのスマートフォン動画には意図があります。彼ら・彼女らにも焦点を当てることで観客に意識してもらうことは、次の3年生のアニメで大きな役割を果たしてもらうことへの布石です。
Q 立華高校のエピソードをアニメ化する予定はありますか？
A TwitterやFacebookに寄せていただいたメッセージを読ませていただきました。たくさんの同じような質問をいただきましたが、現時点ではそのような予定は全くありません。技術的に難しいのです。たくさんの部員たちが楽器を演奏する様子を描きながら、同時に女子たちが驚くような動きで踊ったり跳ねたりする様子も描かなければならないのです。これはとてつもなく大変です。
Q 登場人物の背景設定が極めて詳細に作られており、一人一人の部員に背景や性格があるように思われます。どなたが、どうやってこれらを作ったのですか？
A まず大まかなキャラクター設定をキャラクターデザインを担当した池田晶子が作りました。登場人物たちの詳細な設定、それはヘアスタイルや付けている小さなヘアピン、趣味や個々の物語を含むのですが、それらは製作が終わりに近づくにつれ一つ一つ詳細を決め、形にしていきました。
Q 山田監督との共同作業はどうでしたか？議論になって意見が対立したりしましたか？
A 原作はすでに出来上がっていたので、お互いの意見が対立することはほとんどありませんでした。
Q 北宇治が関西大会で負ける、と決めたのはなぜですか？
A 演奏コンクールはシビアです。北宇治が1年生の時のように幸運だったなら、もしかすると全国に行くことができたからもしれません。しかし現実のコンクールはとてつもなく厳しいものです。私たちはリアリティーのある物語をお送りしたかった。いつも必ず北宇治が勝つというのは、どうでしょう？
Q 映画監督として挑戦しなければならなかったことはありますか？
A この作品の登場人物は多いのですが、彼ら・彼女らの心の動きを自然に観客が感じられるようにこだわりました。例えば、ロボットのアニメを作ることは簡単です。ロボットの動きを描くだけでいいからです。しかし、それでは人間の物語にはなりません。ユーフォの部員たちも同じく、単なるキャラクターではなく、人間です。楽器をアニメで動かすだけでは観客は引き込まれません。そこに物語と自然な心の動きを付けることは大変でした。