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- ちはる: むむむ~
- すなお: ちゃる、どうかしました?
- 静香: というか、それ何読んでるの?
- ちはる: さなちゃんが静香ちゃんに 向けて描いてくれた絵本だよ
- すなお: 目を覚まさせるために 静香の心の中で演じた物語ですね
- 静香: う…大事な記憶だけど 私にとっては耳の痛い話題ね
- すなお: 私たちも同様です…悪とは何か 善とは何か…考えさせられました
- 静香: …で、ちゃるはそれを読み返して 何をうなってたの?
- ちはる: 大したことじゃないんだけどね ここで起きたことが気になって
- 季節が変わって春になると トリは町を去ってゆき また来年に訪れることを誓いました
- その小さくなっていく姿を見ながら カメは次にトリが町を訪れるまでは トラと一緒に優しさを与えられるようになろう そう誓うのでした
- すなお: 確かにトリさんが町を去ったあと カメたちはどうなったんでしょう
- 静香: トラは、みんなに恩返しや 罪滅ぼしをするわよね
- ちはる: トリだって、きっと 町を去る前に何か…
- ちはる: (トリの場合は…)
- それは、人間たちが暮らしている町から 遠く離れたところ 動物たちが生きている世界でのお話
- かつて、家族のために町の食べ物を 奪ったトラも反省し、少しずつ馴染んできたころ だいぶ溶け始めた雪を眺めながら トリは、ある悩みを抱えていました
- ちはる: むむむ… どうしたものかなぁ…
- トリさん、どうしたの?
- ちはる: ああ、トラさんの妹ちゃん!
- ちはる: …わたしね、春には別の場所に 行くって決めてるんだけど
- ちはる: …トラさんとカメさん 大丈夫かなあって
- トラが食べ物を奪ってから 一応は仲直りをしたトラとカメでしたが どこかギクシャクしている様子だったので
- どうにか、もっと仲良くなれる方法はないか トリは自分が町から去る前に なんとかしたいと思っていました
- はいはい! 私、いい案があるよ!
- ちはる: ふむふむ… うん、いいね!それ!
- 静香: …あれ、あなた こんなところで何を?
- すなお: 私は、トリさんに呼ばれて …そちらは?
- 静香: 私は、妹に呼ばれて… でも、あの子がいないのよ
- すなお: …同じ状況、ですか
- 「きゃー たーすーけーてー」
- 静香: この声っ!あの子だわ! 山の方ね…トリさんのにおいも…
- すなお: 行きましょう!
- 山道にはふたりで協力しないと 越えられない罠を用意したからね
- ここへ来るまでにふたりは 苦難を乗り越えて仲良しになるの
- ちはる: そして、帰ったらお鍋を食べて 仲良し効果倍増ってわけだ!
- トラの妹による案は、自分たちを助けるべく トラとカメが一緒に頑張ることで いっそう仲良くなるだろうというものでしたが…
- 静香: …つまり、これはぜーんぶ あなたたちが仕込んだことなのね
- すなお: 森の中に、あんな凝った 罠まで作って…
- ちはる: わ、わわわ…
- 静香: もうっ! こんなに心配させて!
- すなお: ええ、きっちりと 説明してもらいましょうか!
- トラとカメに作戦がバレて きついお説教をされてしまった トラの妹とトリでしたが
- その作戦がふたりの優しさから 生まれたものだと知ったトラとカメは ひとつため息をついてから、難しい顔をしました
- すなお: 私たちの仲を深めるため… なんて言われたら
- 静香: 怒りにくいじゃないの…
- ちはる: あぅ…ごめんね?
- すなお: …でも、そんなに心配を しなくてもよかったんですよ
- すなお: トリさんが旅立つって聞いてから 私たち、考えてたんですから
- 静香: トリさんにもらった優しさを 今度はふたりで広げようって
- 私は!?
- 静香: もちろん、あなたの力も たくさん借りさせてもらうわ
- すなお: だから、安心してください
- ちはる: …そっか そっかぁ…
- すなお: トリさん?
- ちはる: ううん、気づかない間にふたりが 仲良くなってて嬉しいなあって!
- すなお: 仲良くって… そこまでじゃないですけど…ね?
- 静香: うん、まだなんか…ね?
- ちはる: ふふっ
- ちはる: よし、きーめた!
- すなお: 本当に 町を出ちゃうんですか?
- …もうちょっといたら?
- ちはる: ううん、そしたらきっと 離れられなくなっちゃうもん
- 静香: また、来年には 帰ってくるんでしょう?
- ちはる: うん、お土産話たっくさん 持ち帰るから楽しみにしてて!
- 静香: ええ、寂しいけれど いってらっしゃい、トリさん
- すなお: おかえりを言える日を楽しみに 待っていますね
- ちはる: うん、行ってきます!
- 小さくなっていく町を見ながら羽ばたくトリは ほんの少し、寂しく思いながらも その胸の中は、希望と期待にあふれていました
- また来年、再会したとき みんながどんな風になっているのか 新たな土地で、どんな出会いがあるのか…
- ちはる: さあ、次はどこへ行こうかな!
- ちはる: (なーんて、妄想したのが ちょこっと前のお話だけど…)
- 結菜: まさか、あなたも商店街で 開かれるゲーム大会にぃ…?
- 静香: ええ、大会で勝てたら お鍋の具材がもらえると聞いたの
- 結菜: それなら、私たちがいただくわぁ あなたの出る幕はないわよぉ
- 静香: くっ…私だって負けないわ! 今日はもう、お鍋の口なんだから
- すなお: もう、出会い頭に ケンカはよしてください…
- ちはる: (そういえば、このふたりって カメとトラみたいというか…)
- ちはる: (あ、そうだ… 共に苦難を乗り越えて…)
- ちはる: (一緒にお鍋を食べたら 仲良し効果倍増で…!)
- ちはる: はいはい! わたし、いい案があります!
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