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- FILENAME: text_311121-1.txt
- 御園 かりん: きっかけは、アリナ先輩と一緒に 入院していたときに見た
- 御園 かりん: 悪い夢だったの…
- ももこ: 退院おめでとう! かりんちゃん!
- みんな: おめでと~!
- 御園 かりん: みんな、ありがとうなの!
- 御園 かりん: アリナ先輩も一緒に退院できて とっても嬉しいの!
- アリナ: …………
- かえで: うん、うん よかったねぇ~
- かえで: ところでかりんちゃん…
- かえで: 実は、前からすっごく 気になってたことがあるの
- 御園 かりん: ん? わたしのこと?
- かえで: うん…あのね とっても言いにくいんだけど…
- かえで: かりんちゃんって あんまりハロウィン感ないよね
- 御園 かりん: ――っ!?
- ガーン
- 御園 かりん: わたしに…ハロウィン感がない? そんなはずがないの!
- 御園 かりん: だってわたしは… ハロウィンが生んだ魔法少女なの!
- かえで: あ、ごめんね! 悪い意味じゃないんだよ!?
- 御園 かりん: わ…わ…
- 御園 かりん: 悪い意味にしか聞こえないの!
- ももこ: 今のはNGだぞ、かえで かりんちゃんに謝らないと
- レナ: そうよ
- レナ: 本人にホントのこと言ったら ダメなこともあるでしょ
- ももこ: うぉい、レナ!
- 御園 かりん: わたしにはハロウィン感がない… 本当はみんなそう思ってたの?
- 御園 かりん: なのに、ハロウィンが生んだ魔法少女だなんて ひとりで浮かれて…
- 御園 かりん: ………… …………
- バッ
- 御園 かりん: …?
- 御園 かりん: …夢だったの?
- 御園 かりん: (前にかえでちゃんに言われた ショックなひとことを)
- 御園 かりん: (夢で思い出してたの…)
- 御園 かりん: (夢だから 細かいところは違ってたけど…)
- アリナ: モーニン フールガール
- アリナ: ようやくお目覚めなワケ?
- 御園 かりん: …先輩?
- 御園 かりん: (ふたりとも、まだ 入院中だったの…)
- アリナ: なんだかうなされてたヨネ
- アリナ: ナースが朝食運んできても 全然目を覚まさないし
- 御園 かりん: そうだったの…?
- アリナ: 今日の飲み物は イチゴ牛乳なんですケド
- アリナ: 食欲がないなら アリナが飲んでアゲル
- 御園 かりん: ちょ、ちょっと待つの…!
- FILENAME: text_311121-2.txt
- みふゆ: …そんな悪夢を 見てしまったんですね
- 御園 かりん: そうなの…
- 御園 かりん: その日は1日 落ち込んでしまったの
- みふゆ: でも、かりんさんって
- みふゆ: ハロウィン関係のイベントには 積極的に関わってますし
- みふゆ: ハロウィン感なら 充分にあると思いますよ?
- 御園 かりん: ありがとうなの!
- 御園 かりん: わたし、かえでちゃんに言われた あのひとことが
- 御園 かりん: 結構ショックだったから
- 御園 かりん: 最高にハロウィン感のある 魔法少女になろうと思って
- 御園 かりん: 今までがんばってきたの
- 御園 かりん: 自信だって、取り戻したつもり… だったんだけど
- 御園 かりん: …………
- みふゆ: (かえでさんのその言葉が よっぽど効いていたんですね…)
- 御園 かりん: SAKAEハロウィンフェスタの お手伝いができなくなったのも
- 御園 かりん: ちょっとショックだったのかも
- みふゆ: ハロウィンフェスタ?
- 御園 かりん: 栄総合学園主催のイベントなの
- 御園 かりん: 実行委員に選ばれて すごくはりきってたんだけど…
- 御園 かりん: 入院で参加できなくなっちゃって
- みふゆ: ………… …………
- アリナ: …ちょっとしたことで
- アリナ: 今でもナイトメアに うなされるってことは
- アリナ: 結局、克服したつもりが
- アリナ: 克服できてなかったって ことだヨネ
- みふゆ: ――っ!? ちょっと、アリナ!
- アリナ: ワッツ? 何か違う?
- みふゆ: …………
- みふゆ: …アリナの 言う通りなのかもしれませんね
- みふゆ: (自分で思っていたより ずっと深く傷ついていた…と)
- 御園 かりん: わたしもそう思ったの
- 御園 かりん: だからもう一度 本気で向き合うことにしたの
- アリナ: 何に?
- 御園 かりん: もちろんハロウィン感に、なの!
- アリナ: 果てしなくどうでもいいヨネ…
- 御園 かりん: どうでもよくないの!
- 御園 かりん: ハロウィンが生んだ 魔法少女として
- 御園 かりん: わたしのプライドが許さないの!
- みふゆ: でも…向き合うって 何をするつもりなんですか?
- 御園 かりん: よくぞ聞いてくれましたなの!
- 御園 かりん: もうすぐハロウィンだし…
- 御園 かりん: ハロウィン感をテーマにした 漫画を描くことにしたの!
- 御園 かりん: わたしは漫画家志望だから 創作を通じて
- 御園 かりん: 「ハロウィン感とは何か」という 永遠のテーマの答えに
- 御園 かりん: 近づくことができると思うの
- みふゆ: 「ハロウィン感とは何か」…?
- アリナ: 美術史上、稀に見る くだらないテーマだと思うワケ
- 御園 かりん: くだらなくてもいいの!
- 御園 かりん: 最高にハロウィン感のある 漫画を描いて
- 御園 かりん: 今度こそかえでちゃんを見返すの
- みふゆ: いいですね、その意気です!
- アリナ: ハァ…
- みふゆ: それに、かりんさんも 退院間近ですし
- みふゆ: 以前のように漫画を描いて それを見てもらって…
- みふゆ: 元の生活に 近いことをして過ごすのは
- みふゆ: 悪くないと思います
- 御園 かりん: 退院… そう言えばそうだったの
- 御園 かりん: 退院祝いの夢を見たのも もうすぐ退院だからなの
- みふゆ: アリナもかりんさんを 優しく指導してあげてくださいね
- FILENAME: text_311121-3.txt
- <翌日…>
- 御園 かりん: …………
- アリナ: さっきから何してるワケ?
- 御園 かりん: ハロウィン感についての 資料を読んでいるの
- みふゆ: 「怪盗少女マジカルきりん」…?
- アリナ: 好きな漫画を 読み返してるだけだヨネ?
- 御園 かりん: 違うの!
- 御園 かりん: 「トリックアンドトリート 奇跡の悪魔祓い」…
- 御園 かりん: この第30話はわたしが 魔法少女になったときに
- 御園 かりん: ものすごく 影響を受けたお話なの!
- アリナ: つまりフールガールが 設定をパクった回?
- 御園 かりん: 先輩、ミもフタもないの…
- 御園 かりん: とにかくこのお話に
- 御園 かりん: わたしの考えるハロウィン感の すべてが詰まっているの
- 御園 かりん: これを参考にして描けば 最高のハロウィン感が出せて
- 御園 かりん: きっと、かえでちゃんを ぎゃふんと言わせられるの!
- みふゆ: 今日も元気ですね 安心しました
- アリナ: プア、アート
- 御園 かりん: …!
- 御園 かりん: …よくわからないけど バカにされた気がするの!
- アリナ: フールガールは 本当にフーリッシュだヨネ…
- みふゆ: ダメですよ、アリナ!
- みふゆ: これは退院に向けた リハビリでもあるんですから
- みふゆ: むやみに見下すんじゃなく きちんと助言してあげてください
- アリナ: ノー、アイキャント
- アリナ: アリナは他人を見返すための 画法なんて知らないワケ
- アリナ: ギャラリーに評価されたいなら アリナに頼るより
- アリナ: ギャラリーの意見でも 聞けばいいと思うケド?
- 御園 かりん: ――っ!?
- 御園 かりん: …それは考えてなかったの
- 御園 かりん: わたし、自分が最高に
- 御園 かりん: ハロウィン感があると思う 漫画を描けば
- 御園 かりん: みんなも同じように 感じてくれると思い込んでたの…
- 御園 かりん: だから、原点に帰るために マジきりを読み返していたの
- みふゆ: …確かに、その成果を見て 他の人がどう思うかは
- みふゆ: 見せてみないとわかりませんよね
- 御園 かりん: そうなの!
- 御園 かりん: 自分と他人の感じ方は違う… とても大切なことなの!
- 御園 かりん: かえでちゃんを見返せるくらい ハロウィン感を出したかったら
- 御園 かりん: もっと読者に 歩み寄らないといけなかったの!
- アリナ: …………
- 御園 かりん: アドバイスありがとうなの アリナ先輩!
- アリナ: …ワッツ?
- アリナ: アドバイスなんて したつもりないんですケド?
- 御園 かりん: えへへ… ちょっと懐かしいの
- 御園 かりん: 記憶をなくす前の先輩も そんな感じで
- 御園 かりん: ツンツンしながら 的確に指導してくれたの…
- みふゆ: ちょうどよかったですね
- みふゆ: 今日はかえでさんたち3人が お見舞いに来るそうですから
- 御園 かりん: グッドタイミングなの!
- 御園 かりん: かえでちゃんたちから
- 御園 かりん: ハロウィン感についての意見を 直接聞き出すチャンスなの!
- みふゆ: グッドタイミング…
- みふゆ: ももこさんに言ってあげたら きっと喜びますよ
- FILENAME: text_311121-4.txt
- ガチャ…
- かえで: お邪魔しま~す…
- レナ: もうすぐ退院って聞いたけど?
- 御園 かりん: そうなの お見舞いありがとうなの!
- 御園 かりん: 実は、3人を待ってたの
- ももこ: ん、アタシらを?
- 御園 かりん: そうなの! 最高のタイミングだったの
- レナ: ももこと一緒にいて その言葉を聞くなんて…
- ももこ: アタシもびっくりだよ
- 御園 かりん: わたしからお願いがあるの
- 御園 かりん: 3人が一番 ハロウィンを感じるものを
- 御園 かりん: 教えてほしいの!
- ももこ: え…? どうして?
- 御園 かりん: えっと、その… 話せば長くなるんだけど…
- ももこ: ハロウィン感を極めたいから 意見を聞きたい…?
- かえで: …ごめんね、かりんちゃん
- かえで: 私、ホントにひどいこと 言っちゃったんだね…
- 御園 かりん: ううん、かえでちゃんは 悪くないの!
- 御園 かりん: 揺るぎない自信が わたしの中にあれば
- 御園 かりん: かえでちゃんのひとことに 動揺することもなかったの
- アリナ: …でも、仕返しに ぎゃふんと言わせたいんだヨネ?
- 御園 かりん: そ、それは…
- 御園 かりん: かえでちゃんが驚くぐらい ハロウィン感を極めたいっていう
- 御園 かりん: 決意表明なの!
- レナ: 要はハロウィン感がないって かえでに言われたのが悔しいから
- レナ: 見返したいってことよね?
- ももこ: …って かえでのせいにしてるけど
- ももこ: レナも結構 ひどいこと言ってたよな?
- レナ: 本人にホントのこと言ったら ダメなこともあるでしょ
- ももこ: うぉい、レナ!
- レナ: うっ… わ、悪かったわよ!
- かえで: …私も本当にごめんね
- かえで: かりんちゃんが 自信を取り戻すためなら
- かえで: なんでも協力するから…!
- 御園 かりん: ありがとうなの!
- 御園 かりん: でも、いま欲しいのは お詫びの言葉じゃないの
- 御園 かりん: かえでちゃんたちが一番 ハロウィンを感じるものは
- 御園 かりん: 何かを知りたいの!
- ももこ: ハロウィンを感じるもの… ハロウィン感かぁ…
- 御園 かりん: あっ、あまり考えないで 直感でお願いするの
- 御園 かりん: その方が真のハロウィン感に 迫れると思うの!
- ももこ: そうだな…アタシは
- ももこ: 「トリックオアトリート!」の かけ声かな!
- レナ: レナは…仮装?
- 御園 かりん: ふむ、ふむ…
- ももこ: おっ、仮装と言えば
- ももこ: LinkSのりっちゃん… 今度のハロウィンコス可愛いよな
- レナ: ちょっと、推し変? さぁちゃん一筋じゃなかったの?
- ももこ: いやいや、衣装の話だよ
- 御園 かりん: えっと… かえでちゃんは?
- 御園 かりん: どんなモノに ハロウィンを感じるの?
- かえで: えっと…私は… かぼちゃ、かな?
- かえで: …毎年、家族でね 家庭菜園で採れたかぼちゃを
- かえで: 顔のかたちにくり抜いて 飾りつけるんだけど…
- みふゆ: へえ…自家製の ジャック・オー・ランタンですね
- かえで: うん、それ かぼちゃのランタン
- かえで: かぼちゃを部屋に飾りつけると ハロウィンだなって感じがする…
- 御園 かりん: …なるほど
- 御園 かりん: かぼちゃ…仮装… トリックオアトリート…
- かえで: あ、あの…こんな答えで 役に立てたの…かな?
- 御園 かりん: もちろんなの! 3人とも、ありがとうなの!
- 御園 かりん: こんなことがあって、わたしは
- 御園 かりん: 「ハロウィン感とは何か」… その答えを見つけるために 新作漫画を描き始めたの
- 御園 かりん: やっぱりアリナ先輩は アリナ先輩なの!
- FILENAME: text_311122-1.txt
- カリカリカリ…
- 御園 かりん: うぅ~ん… これじゃないの
- アリナ: 何が?
- 御園 かりん: かえでちゃんたちの意見を聞いて さっそく漫画を描いたんだけど…
- 御園 かりん: 自分でもちょっと違う気がするの
- アリナ: フーン
- 御園 かりん: アリナ先輩にも見てほしいの
- アリナ: …すぐに燃やしたいんですケド
- 御園 かりん: だめなの! 病院が火事になるの!
- 御園 かりん: …でも確かに、出来はよくないの
- 御園 かりん: かえでちゃんたちの意見を聞いて
- 御園 かりん: 背景にかぼちゃを置いて 主人公に仮装させて
- 御園 かりん: キャンディをばらまきながら
- 御園 かりん: 「トリックアンドトリート」って 決めゼリフを言わせたんだけど…
- 御園 かりん: なんていうか、登場キャラに ハロウィン感が全然ないの!
- アリナ: そもそもハロウィンのお決まりは トリックオアトリートだケド?
- アリナ: 変なアレンジ入れてる時点で 他人の意見聞く気ないヨネ?
- 御園 かりん: これはマジカルきりんちゃんの 名言中の名言なの!
- 御園 かりん: 生粋のマジきらーとして そこは譲れないの!
- アリナ: 別にいいケド…
- 御園 かりん: …かえでちゃんたちの意見も あんまり参考にならなかったの
- 御園 かりん: かぼちゃを置いて仮装して
- 御園 かりん: トリックオアトリートって言えば ハロウィンっぽいなんて
- 御園 かりん: 絵を描かない子の意見って 普通すぎると思ったの…
- アリナ: …シット
- 御園 かりん: 小声で罵倒しないでほしいの!
- アリナ: だってイラつくカラ
- アリナ: その漫画を描いてるのは この間の子を見返すためだヨネ
- 御園 かりん: そうなの! かえでちゃんを見返したいの!
- アリナ: だったら評価するのは アナタじゃなくてその子なワケ
- アリナ: たとえ素人でも、その子が ハロウィンっぽいと言えば
- アリナ: それが正解なワケ
- アリナ: ギャラリーが全員素人でも
- アリナ: そいつらがみんな揃って ハロウィンっぽいと言えば
- アリナ: それがハロウィン感なんだカラ
- アリナ: フールガールの意見なんて 知ったコトじゃないワケ
- 御園 かりん: ――っ!?
- 御園 かりん: じゃあ、かえでちゃんを ぎゃふんと言わせるような…
- 御園 かりん: ううん、もっとでっかく
- 御園 かりん: 誰もが「これぞハロウィン」って 認めてくれるような
- 御園 かりん: そんな漫画を描くには…?
- アリナ: アリナはそんなコトに興味ないし その方法も知らないワケ
- アリナ: アリナの意見を聞くくらいなら 適当にギャラリーを集めて
- アリナ: 多数決でもした方がマシだヨネ?
- 御園 かりん: …!
- 御園 かりん: わかったの… わたし、本気度が足りなかったの
- アリナ: ワッツ? …本気度?
- 御園 かりん: もっとハロウィン感のある キャラを創造して
- 御園 かりん: 最高のハロウィン漫画にするには
- 御園 かりん: もっともっと、たくさんの人の 意見を聞くべきだったの
- アリナ: …………
- 御園 かりん: 漫画雑誌だって 読者アンケートの結果を
- 御園 かりん: とっても大事にするって 聞いたことがあるの
- 御園 かりん: 退院したら いろんな友だちをつかまえて
- 御園 かりん: みんなの意見を たくさん聞いてみようと思うの!
- アリナ: 退院までは何するワケ?
- 御園 かりん: 他にも描きたい漫画があるから そのネームを描くつもりなの
- 御園 かりん: できあがったらそれも アリナ先輩に見てもらいたいの!
- アリナ: 意欲だけはホントに旺盛だヨネ…
- 御園 かりん: アリナ先輩のおかげで 道が開けたからなの!
- 御園 かりん: アドバイスありがとうなの!
- アリナ: アドバイス…? アリナは別に…
- 御園 かりん: それからしばらく経って… わたしは退院の日を迎えたの
- FILENAME: text_311122-2.txt
- みたま: ハッピーハロウィン!
- みたま: 退院おめでとう かりんちゃん!
- 御園 かりん: ありがとうなの!
- みたま: もうすぐハロウィン…
- みたま: かりんちゃんが 主役のシーズンね♪
- 御園 かりん: 実はそのことで 少し相談があるの
- みたま: それって… ハロウィンに関係あるってこと?
- みたま: いったい何かしら?
- 御園 かりん: 調整屋さんに来るお客さんに アンケートをお願いしたいの
- 御園 かりん: ハロウィン感をテーマにした漫画を描いてみて 浮かび上がった問題点…それは 登場キャラにハロウィン感が足りないこと!
- 御園 かりん: 最高にハロウィン感のあるキャラを生み出すには もっといろんな人の意見を 聞かなきゃいけないと思ったの!
- みたま: なるほどねぇ でも、どうしてアンケートを?
- 御園 かりん: えへへ…
- 御園 かりん: それは、アリナ先輩が アドバイスしてくれたからなの!
- 御園 かりん: 読者にハロウィン感を アピールしたかったら
- 御園 かりん: たくさんの人を集めて 意見を聞くのがいいって
- みたま: アリナが…? ちょっと意外ね
- みたま: (アリナって、他人の意見に 耳を貸す人だったかしら…?)
- カラン
- 木崎 衣美里: はろはろー!!!! みたまっちょ!
- みたま: あら、衣美里ちゃんたち 相変わらずハイテンションね♪
- 五十鈴 れん: …こんにちは…
- みたま: いらっしゃい ハッピーハロウィン♪
- みたま: ちょうどよかったわ お客さんがいっぱい来てくれて
- みたま: かりんちゃんからみんなに お願いがあるんですって
- 木崎 衣美里: …うん、だいたいわかった!
- 都 ひなの: 本当か…?
- 木崎 衣美里: 要はどういうキャラを描けば ハロウィン感マシマシに見えるか
- 木崎 衣美里: 多数決で決めたいって コトっしょ?
- 綾野 梨花: そのためのアンケートかー 面白そうだね、れんちゃん!
- 五十鈴 れん: …ぅん…
- 木崎 衣美里: でもどーせなら、アンケートより コンテストのが楽しくね??
- 御園 かりん: …コンテスト?
- 木崎 衣美里: そー、ハロウィン感コンテスト!
- 木崎 衣美里: みんなに変身してもらって ハロウィン感をみんなで採点!
- 木崎 衣美里: 合計ポイントが上位の3人は
- 木崎 衣美里: ハロウィン漫画に登場させて もらえる!…みたいな?
- 御園 かりん: 確かに、上位の子たちを モデルにすれば
- 御園 かりん: ハロウィン感のあるキャラを 描けるかもなの…!
- 綾野 梨花: それに、描いてるうちに
- 綾野 梨花: もっと面白いキャラを 思いつくかもしれないもんね!
- みたま: ハロウィン感コンテスト…
- みたま: 優勝候補はやっぱり かりんちゃん本人かしらぁ?
- 都 ひなの: …いや、でも 大丈夫なのか?
- 都 ひなの: かりんの話だと、今ちょっと 自分のハロウィン感に
- 都 ひなの: 自信喪失ぎみだって 話だったような…?
- 都 ひなの: もしも、意外な対抗馬が 現れたりしたら…
- 御園 かりん: 問題ないの!
- 御園 かりん: どんな結果になっても 事実を受け止める覚悟なの!
- 綾野 梨花: おー、本気っぷりヤバい!
- 木崎 衣美里: それじゃ、さっそく始めよー! ハロウィン感コンテスト!
- カラン
- みたま: あら? またお客さん?
- 空穂 夏希: こんにちはー! トリックオアトリート!
- みんな: ――っ!?
- 木崎 衣美里: なに、その ハロウィン感あふれるコス!
- 空穂 夏希: あはは…仮装イベントに 呼ばれちゃって、その帰りなの
- みたま: 仮装もコンテストの 審査対象になるのかしらぁ?
- 綾野 梨花: 何も問題なくない?
- 御園 かりん: 優勝候補登場なの~!
- FILENAME: text_311122-3.txt
- みたま: ハロウィン感コンテスト ここまでの暫定順位よぉ!
- みたま: 現在の1位はぁ~ オバケ衣装の夏希ちゃん!
- みたま: そして2位は…
- みたま: ハロウィンが生んだ魔法少女こと かりんちゃん!
- みたま: それから同率2位の大健闘! 小悪魔系魔法少女の衣美里ちゃん
- みたま: 4位に入ったのはぁ
- みたま: ユーレイっぽさが評価された れんちゃんでしたぁ!
- みたま: …………
- 都 ひなの: おい、5位以下は?
- みたま: わたしたち3人は ハロウィン感とは無縁みたいねぇ
- 綾野 梨花: コスプレ感はあるけどね…
- 綾野 梨花: でも…あの3人が並ぶと まじハロウィン感あるよね!
- 御園 かりん: …2位は悔しいけど でも、納得なの!
- 御園 かりん: 空穂先輩のオバケの方が ハロウィン感あると思うの!
- 空穂 夏希: あはは、そもそも私のは ハロウィン用の仮装だからね
- みたま: まだまだ勝負はこれからよぉ? 強力な助っ人を呼んだんだから
- 五十鈴 れん: …助っ人…?
- 綾野 梨花: 誰のことだろ…?
- カラン
- 保澄 雫: こんにちは
- 木崎 衣美里: なんかー、すごいの来たし!!!
- 毬子 あやか: …みたまさんから お笑い仮装コンテストって聞いて
- 御園 かりん: お笑いじゃないの ハロウィン感コンテストなの!
- みたま: はぁい、エントリー追加ね
- みたま: 赤ずきんちゃんとぉ… 道化っぽい衣装?…みたいな?
- 都 ひなの: 混戦になってきたな…
- 都 ひなの: …そもそもハロウィンというのは
- 都 ひなの: この世とあの世の境界が 曖昧になるとされる日らしい
- 都 ひなの: だから、死者の霊に混じって 悪霊が現れて悪さをする
- 綾野 梨花: じゃ、仮装やお菓子の意味は?
- 都 ひなの: 悪霊に仲間だと思わせて 襲われないようにしたり
- 都 ひなの: お菓子を渡して見逃してもらう… まあ、一種の魔除けだな
- みたま: それで幽霊や魔物っぽい子は ハロウィン感ある気がするのねぇ
- 御園 かりん: …都先輩 すごく詳しいの!
- 都 ひなの: ネットで調べただけだ どこまで本当かわからないぞ
- 御園 かりん: きりんちゃんみたいな とんがり帽子の魔法使いは
- 御園 かりん: ハロウィンとどう関係あるの?
- 空穂 夏希: 悪霊を呼び出したりするから ハロウィンっぽいのかな?
- 御園 かりん: マジカルきりんちゃんは 悪魔を祓ったりもするけど
- 御園 かりん: 確かにちょっと、ダークサイドな 感じの力を使いこなすの!
- 御園 かりん: ハロウィン感がどういうものか 少しつかめてきた気がするの…!
- みたま: …でも、まだ何か 足りない気がするのよね
- カラン
- みたま: あら、今度は誰かしら?
- 入名 クシュ: …えっと…?
- みたま: いらっしゃい クシュちゃん!
- みたま: そうそう! 誰か忘れてると思ってたのよぉ
- 都 ひなの: …?
- みたま: さっそくだけどクシュちゃん ちょっと変身してみて?
- 入名 クシュ: え? あ…はい…
- みんな: ――っ!?
- 御園 かりん: すごいハロウィン感なの!
- 木崎 衣美里: これもう優勝っしょ!?
- 御園 かりん: コウモリたちを従えた 死者の王たる吸血鬼…
- 御園 かりん: これぞハロウィンって感じなの!
- 入名 クシュ: えっと…? よくわからないんだけど…
- みたま: 調整屋さんでは今 ハロウィン感コンテスト中なの
- みたま: 最後の大物が エントリーしたところで
- みたま: いよいよ本戦を始めるわよぉ
- 毬子 あやか: 今までのって、予選だったの?
- 保澄 雫: そんなところだと思ってた…
- 御園 かりん: そんな感じで大いに盛り上がった 「ハロウィン感コンテスト」の最終結果は…
- みたま: 3位はぁ…ハロウィンの申し子 かりんちゃん!
- みたま: 2位はぁ…神浜の可愛いオバケ! 夏希ちゃん!
- みたま: そして優勝はぁ…
- みたま: ハロウィンの街が いちばん似合いそうな魔法少女
- みたまの声: クシュちゃんでした~!
- パチパチパチ…!
- 御園 かりん: ふぅ… なんとか3位に入れたの
- みたま: それじゃ 3人の記念写真を撮るわね!
- カシャッ
- 御園 かりん: 写真に飾り付けが入ってるの!
- みたま: バーチャル背景よ
- みたま: かりんちゃんのスマホでも できるはずよぉ?
- 御園 かりん: そうなの…? あっ…本当なの!
- 五十鈴 れん: …衣美里さん… 4位だった…ね…
- 綾野 梨花: 惜しかったね、えみりん!
- 御園 かりん: エミリーちゃんも 記念写真を撮るの!
- 木崎 衣美里: でもあーし、4位だよ?
- 御園 かりん: 確かに、上位3人をモデルに キャラを描くって話をしたけど
- 御園 かりん: わたしがわたしを描いたら
- 御園 かりん: きりんちゃんみたいに なっちゃいそうだし…
- 綾野 梨花: それもそうだね!
- 御園 かりん: 3人の写真はわたしが撮るの!
- カシャッ
- 御園 かりん: この写真を参考にして 漫画を描けば
- 御園 かりん: すごくハロウィンらしいキャラが 生み出せそうな気がするの!
- みたま: お役に立ててよかったわぁ
- 御園 かりん: みんな、ありがとうなの!
- カリカリカリ…
- 御園 かりん: 今日はネームがはかどるの
- カシャッ
- 御園 かりん: 本当にハロウィン感のある 写真なの
- 御園 かりん: あ…
- 御園 かりん: わたしがいなくても すごくハロウィン風なの…
- FILENAME: text_311122-4.txt
- カリカリ…カリ…
- 御園 かりん: …………
- …カリ…
- 御園 かりん: …はぁ…
- アリナ: CO2をムダに排出するだけなら 出ていってほしいんですケド
- 御園 かりん: ご、ごめんなさいなの…
- アリナ: ハロウィン漫画の ネームに詰まったワケ?
- 御園 かりん: そうじゃないの…
- アリナ: …コンテストをやって
- アリナ: ハロウィン感のある子たちの 写真を見てたら
- アリナ: 自分がいらないような 気がしてきた…?
- 御園 かりん: そうなの…
- 御園 かりん: 勝手に落ち込んじゃって 情けないの
- 御園 かりん: せっかくアリナ先輩に アドバイスをもらって
- 御園 かりん: ハロウィン感について知るために みんなに協力してもらったのに…
- アリナ: アリナはアドバイスなんて してないんですケド?
- 御園 かりん: えっ…でも
- 御園 かりん: ギャラリーに評価されたいなら ギャラリーの意見を聞けって…
- アリナ: それは言ったケド?
- 御園 かりん: みんなに認めてもらいたいなら 多数決で決めろって…
- アリナ: アナタのギャラリーは誰なワケ?
- 御園 かりん: えっ
- アリナ: 最初はバカにした子を 見返したいとか言ってたのに
- アリナ: みんなに認めてもらいたいとか 勝手に盛り上がって
- アリナ: 対象読者を広げてたヨネ?
- 御園 かりん: あ…
- 御園 かりん: じゃあ、かえでちゃんを ぎゃふんと言わせるような…
- 御園 かりん: ううん、もっとでっかく
- 御園 かりん: 誰もが「これぞハロウィン」って 認めてくれるような
- 御園 かりん: そんな漫画を描くには…?
- アリナ: アリナはそんなコトに興味ないし その方法も知らないワケ
- アリナ: アリナの意見を聞くくらいなら 適当にギャラリーを集めて
- アリナ: 多数決でもした方がマシだヨネ?
- アリナ: アリナ的には アドバイスなんてできないから
- アリナ: 多数決の方がマシって 言っただけなんですケド?
- 御園 かりん: …!
- 御園 かりん: わたし、最初の志を忘れてたの!
- アリナ: ワッツ? …志?
- 御園 かりん: そうなの!
- 御園 かりん: ハロウィン漫画の目的は
- 御園 かりん: かえでちゃんを 見返すことなんだから…
- 御園 かりん: 対象読者をかえでちゃんに絞って 意見を聞くべきだったの!
- 御園 かりん: (かえでちゃんは確か…)
- かえで: …毎年、家族でね 家庭菜園で採れたかぼちゃを
- かえで: 顔のかたちにくり抜いて 飾りつけるんだけど…
- みふゆ: へえ…自家製の ジャック・オー・ランタンですね
- かえで: うん、それ かぼちゃのランタン
- かえで: かぼちゃを部屋に飾りつけると ハロウィンだなって感じがする…
- 御園 かりん: そうなの! キーワードはかぼちゃなの!
- アリナ: …ワッツ?
- 御園 かりん: わたしのハロウィン漫画に 足りなかったもの…
- 御園 かりん: それは ジャック・オー・ランタン!
- 御園 かりん: 勝利への鍵は かぼちゃのランタンだったの!
- アリナ: 話についていけないんですケド…
- 御園 かりん: ありがとう、先輩! それじゃ、失礼しますなの!
- アリナ: どこ行くワケ?
- 御園 かりん: 調べものなの!
- 御園 かりん: かぼちゃのランタンの由来になった 「ジャック・オー・ランタン」という人は
- 御園 かりん: 悪魔を言いくるめて 魂を取らない約束をさせたから 死んでも地獄には行けず…
- 御園 かりん: でも、生前は悪人だったので 天国の扉もくぐれなくて
- 御園 かりん: 不気味なランタンを片手に 煉獄をさまよい続ける、永遠の罪人なの
- 御園 かりん: (マジきりにも出てきたから どんなお話かは知ってたけど)
- 御園 かりん: (とても悲しい物語なの)
- 御園 かりん: (犯した罪は消えない…)
- 御園 かりん: (おばあちゃん… アリナ先輩…)
- 御園 かりん: …………
- 御園 かりん: (ううん… 拭えない罪なんてないの!)
- 御園 かりん: (今から悔い改めれば きっと先輩だって)
- 御園 かりん: (地獄じゃなくて 天国の方に行けるの!)
- 御園 かりん: あっ…
- 御園 かりん: (わかったの! 何を描けばいいか)
- 御園 かりん: (ジャック・オー・ランタンの 伝説をもとにして)
- 御園 かりん: (オリジナルの主人公を 創造するの!)
- 御園 かりん: ふっふっふ… ついに完成なの!
- アリナ: ハロウィン? アリナには関係ないんですケド
- FILENAME: text_311123-1.txt
- 御園 かりん: そして生み出されたのは…
- 御園 かりん: 煉獄をさまよう無数の魂が 過去に犯した罪をすべてその身に背負う
- 御園 かりん: 心優しきかぼちゃの王様 ジャック・オー・ランタンと幽霊従者の物語!
- 御園 かりん: 煉獄を統べるかぼちゃの王として 最後の審判の日まで 死せる者の祝祭 「ハロウィン」を守る使命を課された ジャック・オー・ランタンと…
- 御園 かりん: 生前に犯した99の罪をすべて償うことを条件に 現世に戻ることを許された幽霊従者
- 御園 かりん: そんなふたりが繰り広げる ちょっぴりダークな 贖罪の旅のお話なの!
- みんな: …………
- 御園 かりん: …どう? わたしの新作漫画
- かえで: すごい!! すっごく面白いよ!
- 御園 かりん: あの…ハロウィン感は ちゃんと出てたの?
- かえで: うん、とっても!
- かえで: だって、かぼちゃの王様が 主人公なんだし!
- レナ: 途中に出てきたオバケや吸血鬼も ハロウィンっぽかったわよね
- ももこ: いいキャラしてるよな! 本当にいそうな感じで
- 御園 かりん: (コンテストに協力してくれた みんなのおかげなの)
- 御園 かりん: (実在のモデルがいたから すごく描きやすかったの…!)
- かえで: きりんちゃんみたいな女の子は 今回は出てこないんだね
- ももこ: きりんちゃんって 「怪盗少女マジカルきりん」の?
- かえで: うん、そう… かりんちゃんの漫画っていつも
- かえで: きりんちゃんに似た女の子が 主人公なイメージだったから…
- ももこ: 今回は完全にオリジナルなわけ?
- 御園 かりん: 煉獄とかかぼちゃの王様の設定は
- 御園 かりん: マジきりにも ちょこっとだけ出てくるけど
- 御園 かりん: それをヒントにして 膨らませてみたの
- ももこ: じゃあ、ほぼオリジナルだな!
- レナ: 確かにいつもと違うパターンで 新鮮だったわね
- レナ: それに、この方が ハロウィンっぽいわよ
- 御園 かりん: じゃあ、100点満点で ハロウィン感を採点したら…?
- レナ: 100点じゃない?
- ももこ: 異論なしだな!
- かえで: 私は…120点かも!
- 御園 かりん: ――っ!?
- 御園 かりん: (かえでちゃんが 心から認めてくれたの…!)
- 御園 かりん: …………
- 御園 かりん: (本当に感激なの…!)
- ももこ: これ、ハッピーエンドなのも いい感じだよな
- かえで: うん…最初は ちょっと怖い話かと思ったけど
- かえで: 最後は天国への道が開いて よかったぁ…って思った
- レナ: かえでは怖がりだもんね
- 御園 かりん: (ハッピーエンドにして 正解だったの…!)
- 御園 かりん: (かえでちゃんを意識して 描いたのがよかったの)
- 御園 かりん: そうなの! かえでちゃんを見返したいの!
- アリナ: だったら評価するのは アナタじゃなくてその子なワケ
- アリナ: たとえ素人でも、その子が ハロウィンっぽいと言えば
- アリナ: それが正解なワケ
- 御園 かりん: (ありがとう、アリナ先輩)
- 御園 かりん: (先輩が わたしを導いてくれたの…!)
- トン
- 御園 かりん: …あれっ、これは?
- 胡桃 まなか: ウォールナッツ特製 季節限定のパンプキンパイです!
- ももこ: …誰か頼んだっけ?
- レナ: レナじゃないわよ
- 胡桃 まなか: お代はいりませんので 試食の感想をいただけますか?
- 胡桃 まなか: 若い子向けのメニューなので 率直な意見を聞きたいんです
- かえで: わぁ…おいしそう!
- 御園 かりん: ありがとうなの!
- 御園 かりん: (相手が誰かを考えて作る… 料理も漫画も同じなの!)
- ピロン♪
- 胡桃 まなか: …メッセージですか?
- 御園 かりん: そうみたいなの…
- 御園 かりん: …………
- 御園 かりん: 「SAKAEハロウィンフェスタ 実行委員会より」…?
- FILENAME: text_311123-2.txt
- 御園 かりん: SAKAEハロウィンフェスタは 栄総合学園が主催する地域貢献イベントなの
- 御園 かりん: 実行委員になれて、はりきってたのに 入院で参加を辞退しなきゃいけなくなって がっかりしてたんだけど…
- 御園 かりん: 実行委員長さんから 「退院したのなら、また一緒にやらない?」って 声をかけてもらえたの!
- 御園 かりん: と、いうわけで…
- みたま: …ハロウィン用の衣装に 調整してほしい?
- 御園 かりん: お願いするの 調整屋さん!
- みたま: でも、かりんちゃんは普段から ハロウィン感あるじゃない?
- 御園 かりん: それとは別に
- 御園 かりん: ハロウィンフェスタで着る 衣装が欲しいの!
- みたま: ハロウィンフェスタ…?
- みたま: …そういうわけなのねぇ
- 御園 かりん: すごく思い入れのある祭典だから 絶対に成功させたいの
- 御園 かりん: だから自分に 気合を入れるためにも
- 御園 かりん: 特別な衣装で臨みたいんだけど
- 御園 かりん: いつもの魔法少女の格好で 仮装と言い張るのは
- 御園 かりん: ちょっとやりたくないの…
- みたま: 本当は仮装じゃないものねぇ
- みたま: …それで、どんな 衣装がいいのかしら?
- みたま: 吸血鬼?…オバケ? それとも小悪魔?
- みたま: 思いっきりハロウィン感のある 衣装にしてあげる!
- 御園 かりん: かぼちゃの王様でお願いするの
- みたま: …かぼちゃの王様?
- 御園 かりん: そうなの!
- 御園 かりん: ハロウィンを守護する 心優しきかぼちゃの王様なの!
- みたま: かぼちゃの王様… 何かイメージがあるのかしら?
- みたま: ランタンを持ってるとか かぼちゃパンツをはいてるとか…
- 御園 かりん: この漫画のイメージで お願いするの!
- みたま: タイトルは… 「かぼちゃの王様と幽霊従者」?
- みたま: あっ、これ…
- みたま: 前にかりんちゃんが 描いてるって言ってた
- みたま: ハロウィン感を テーマにした漫画ね?
- 御園 かりん: その通りなの! 読んでみてほしいの
- パラ…
- みたま: すごいわ! 最高にハロウィン感あるじゃない
- 御園 かりん: ありがとうなの!
- みたま: 約束通り
- みたま: クシュちゃんたちをモデルにした キャラもちゃんと出てるし
- みたま: コンテストを開催した甲斐が あったわぁ♪
- みたま: …それじゃ、じっくり読んで イメージを固めてから
- みたま: 調整を始めるわね
- みたま: どうかしらぁ…?
- 御園 かりん: すごいの! イメージ通りなの!
- みたま: ふふっ、よかったぁ!
- みたま: 王様らしく
- みたま: ハロウィンを“支配”して 守るイメージを込めたのよぉ
- みたま: よく似合っているわ
- 御園 かりん: えへへ… ありがとうございますなの!
- みたま: …それにしても、この漫画 本当によくできてるわね
- みたま: ハロウィン感もあって それに、読みやすくて面白いし
- 御園 かりん: 誰に読んでもらうかを 考えて描いたのがよかったの
- 御園 かりん: アリナ先輩のアドバイスで そのことに気づけたの
- みたま: アリナがねぇ…
- 御園 かりん: 先輩は口は悪いし 悪いこともしたかもしれないけど
- 御園 かりん: やっぱり本当は優しい心を 持っているんだと思うの…!
- FILENAME: text_311123-3.txt
- 御園 かりん: そしていよいよ SAKAEハロウィンフェスタの 準備が始まったの…!
- 御園 かりん: イベントの顔役にアリナ先輩を推薦したら なんと、先輩が引き受けてくれたっていう 連絡が来て…
- 御園 かりん: ふふ~んーなの~♪
- 御園 かりん: (ダメもとだったから 嬉しいの!)
- 御園 かりん: (まずはわたしがやる気だって ところを見せなきゃ…)
- 御園 かりん: …えっと…誰もいないの
- 御園 かりん: よしっ!
- アリナ: …………
- かりんの声: アリナ先輩!
- ガラッ
- 御園 かりん: さっそくハロウィンフェスタの 準備にとりかかるの!
- アリナ: …ハァッ?ハロウィン? いきなりなんなワケ?
- アリナ: っていうか… その格好は…?
- 御園 かりん: これは…
- 御園 かりん: …というわけで調整屋さんに 調整してもらったの!
- アリナ: ふーん…
- 御園 かりん: …聞いた割には 興味なさそうなの
- アリナ: イエス、興味ないカラ
- 御園 かりん: むぅ… そんなこと言わないで
- 御園 かりん: 『アリナ先輩も ハロウィンらしい格好をするの!』
- ~~♪~~♪
- 御園 かりん: あっ、スマホはバッグの中なの… ちょっと取ってくるの
- アリナ: なんなワケ…
- アリナ: …………ハァ!?
- アリナ: ワッツ!?なんでこんな格好に? 意味わかんないんですケド!?
- 御園 かりん: あれ…?
- 御園 かりん: アリナ先輩 さっそく着替えてくれたの?
- 御園 かりん: しかも幽霊従者さんの仮装なの! やる気満々なの…!
- アリナ: アリナは別に着替えたワケじゃ…
- 御園 かりん: 実行委員長さんから
- 御園 かりん: イベントの顔役をアリナ先輩が 引き受けてくれた
- 御園 かりん: …って聞いたときは、 ちょっと信じられなかったけど…
- 御園 かりん: ホントにやる気みたいで 嬉しいの!
- 御園 かりん: アリナ先輩 なんだかんだって言いながら
- 御園 かりん: ハロウィンの仮装までして すごく気合入ってたの…!
- 実行委員長: そう、安心しました
- 実行委員長: 孤高の芸術家という感じで ちょっと近寄りがたい…
- 実行委員長: そんなイメージを 持っている生徒もいますけど
- 実行委員長: 他人のために 一生懸命になってくれる…
- 実行委員長: そんな側面もお持ちなんですね
- 御園 かりん: …!
- 御園 かりん: そのとき、わたしは思ったの
- 御園 かりん: 「かぼちゃの王様と幽霊従者」の 贖罪の旅みたいに
- 御園 かりん: アリナ先輩もいつか、すべての罪を償って ハッピーエンドを迎える日が 来るんじゃないかって
- 御園 かりん: …………
- 御園 かりん: (先輩にアドバイスを もらいながら)
- 御園 かりん: (「かぼちゃの王様と幽霊従者」 を描いたおかげで)
- 御園 かりん: (わたしのハロウィン感も アップした気がするし)
- 御園 かりん: (本当によかったの!)
- 御園 かりん: (あれっ?…でも アリナ先輩はまだ)
- 御園 かりん: (あの漫画を 読んでないはずじゃ…?)
- 御園 かりん: (…美術部の部室に置いたまま まだ、見せてないはずなの)
- 御園 かりん: (なのに先輩は、どうして 幽霊従者の格好に…?)
- 御園 かりん: (ハロウィンらしい格好を お願いしたら)
- 御園 かりん: (珍しく、わたしの言う通りに してくれたし…)
- 御園 かりん: 『アリナ先輩も ハロウィンらしい格好をするの!』
- 御園 かりん: ………… …………
- 御園 かりん: (きっと、目ざとく見つけて 漫画を読んでくれてたからなの)
- 御園 かりん: やっぱり先輩はわたしのこと
- 御園 かりん: ちゃんと 気にかけてくれてるの…!
- みたま: …………
- みたま: (魔法少女姿を調整すると 能力が変わったりするけれど)
- みたま: (新しい衣装のかりんちゃんも)
- みたま: (新しい魔法を使えるように なっていたりするのかしら?)
- みたま: (見た目優先で 深く考えずに調整したんだけど)
- みたま: …………
- みたま: 王様らしく
- みたま: ハロウィンを“支配”して 守るイメージを込めたのよぉ
- みたま: ハロウィンを支配する かぼちゃの王様の力…
- みたま: それって…?
- みたま: ハロウィンの季節だけ みんなに命令できる…とか?
- FILENAME: text_311123-4.txt
- <翌日…>
- みふゆ: す、すごいですね…
- アリナ: 部外者は 立ち入り禁止なんですケド
- みふゆ: ちゃんと見学の許可は もらってますよ
- みふゆ: …………
- ガチャ…
- アリナ: ふぅ…今日の仕事が やっと終わったワケ
- アリナ: …みふゆ、ここにいたワケ?
- みふゆ: 許可をもらったとは言っても
- みふゆ: あまり校内をうろうろしてると 怪しまれますし…
- みふゆ: かりんさんの漫画があったので 読ませてもらっていました
- アリナ: フールガールの漫画?
- みふゆ: 「かぼちゃの王様と幽霊従者」… テーブルの上に置かれてたんです
- みふゆ: これ、入院中に言っていた
- みふゆ: ハロウィン感をテーマにした 漫画ですよね?
- アリナ: そうなの? 初めて見たんだケド?
- みふゆ: そのはずですよ
- みふゆ: 完成したというメッセージを かりんさんからもらって
- みふゆ: タイトルも聞いていたので…
- みふゆ: でも、アリナにはまだ 見せていなかったんですね
- アリナ: イエス
- みふゆ: あ、それじゃ その幽霊従者の仮装は
- みふゆ: アリナじゃなく かりんさんが選んだんですね
- アリナ: …この格好のゴーストが その本に出てくるワケ?
- アリナ: ちょっと見せて
- みふゆ: はい、どうぞ
- みふゆ: ハロウィン感もばっちりで とっても面白いですよ
- アリナ: …シット 一段とひどくなってるヨネ
- みふゆ: えええっ!? そんなことないです!
- みふゆ: 絵の方はその… そんなにお上手じゃないですけど
- みふゆ: テーマであるハロウィン感は すごく出てますし…
- アリナ: 他人の意見を聞いて そのまま描いただけだヨネ?
- みふゆ: でも、みんなが喜びそうな ハッピーエンドで…
- アリナ: たぶん、見返したい相手の 好みに合わせただけだヨネ?
- アリナ: だいたい罪人が 煉獄から解放されたら
- アリナ: ハロウィンは終了なワケ
- アリナ: これはどう見ても
- アリナ: フールガールが納得して描いた エンディングじゃない…
- アリナ: 自分にウソついて、読者に 媚びてるのが丸わかりだヨネ
- みふゆ: えっ、だって…!
- みふゆ: 読者の意見を聞くべきだって 助言したのはアリナですよ?
- アリナ: フールガールも同じようなコト 言ってたケド…
- アリナ: アリナはアドバイスなんて してないカラ
- みふゆ: ――っ!?
- アリナ: …誰かを見返したいとか そんな動機で描かれた作品なんて
- アリナ: アリナは興味ないワケ
- アリナ: アリナはアリナの描きたいものを ただ描くだけ
- アリナ: 誰かに評価されるための ノウハウなんて知らないし
- アリナ: メモリーだって ロストしてるんですケド?
- アリナ: アリナは他人を見返すための 画法なんて知らないワケ
- アリナ: ギャラリーに評価されたいなら アリナに頼るより
- アリナ: ギャラリーの意見でも 聞けばいいと思うケド?
- みふゆ: …!
- みふゆ: (あれは、アドバイスじゃ なかったんですか…?)
- みふゆ: (わからないから自分に聞くな… そう言いたかっただけ…?)
- みふゆ: で、でも… 前より表現力も豊かになって
- みふゆ: みんなの意見を聞いた意味は あったと思いますけど…
- アリナ: 上手いゴミか下手なゴミかの 違いでしかないヨネ
- みふゆ: それになんていうか…以前より オリジナリティも出てきてますし
- アリナ: ハァ…
- アリナ: アリナが興味あるのは 内発的なアート…
- アリナ: 作り手の内側から湧き出てくる そんな作品なワケ
- アリナ: マジきりを真似しただけの 漫画の方が
- アリナ: 自分でもなぜ 模倣したいのかわからない
- アリナ: 衝動がにじみ出ていて マシだったヨネ
- アリナ: この漫画には、アリナは なんの輝きも見出せないワケ
- みふゆ: (ああ…思い出しました)
- みふゆ: (やっちゃんが かりんさんのことを)
- みふゆ: (いい子だけど、でも)
- みふゆ: (間違いもたくさんする子だって 言っていたのを)
- みふゆ: (ワタシには、芸術の良し悪しは よくわかりませんし…)
- みふゆ: (みんなの話をよく聞いて 素敵な作品を描き上げることが)
- みふゆ: (間違いだなんて とても思えませんけれど…)
- みふゆ: (でも、アリナという 天才芸術家の目には)
- みふゆ: (今回のかりんさんの作品は)
- みふゆ: (自分を見失って、迷走している …ただそう映っているんですね)
- みふゆ: …………
- みふゆ: (わかりません…ワタシには…)
- みふゆ: (何が正しくて… 何が間違いなのか)
- みふゆ: あの…もしアリナが この漫画を採点するとしたら
- みふゆ: 100点満点で何点なんでしょう
- アリナ: …………
- アリナ: 0点
- アリナ: 早く元の姿に 戻してほしいんですケド…
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