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Shin-Bungeiza x Animestyle talk event: Mamoru Oshii edition

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Feb 6th, 2019
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  1. 新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 111 押井守映画祭2019 第二夜〈天使のたまご&御先祖様〉編 2019/01/26 ・
  2. 押井守さん ・西尾鉄也さん ・小黒祐一郎さん
  3.  
  4. 天使のたまご
  5. 西尾: 70分と比較的短い作品なので、その時間で眠ってしまう人はリテラシー低いのでは。映像的な刺激があるし、音楽もドラマチックで全然見れる。
  6.  
  7. 押井: 寝ちゃって大丈夫。 タルコフスキーみたいな作品をアニメーションでやってみたかった。心地よい、無限の時。 眠くなる映画は良い映画。
  8.  
  9. 西尾: 物は言いようでは?
  10. 押井: 映画で眠くなることはいい事。 脳と映像がシンクロしている証拠。
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  12.  
  13. 押井: 動画が地獄だった。特に少女の髪の毛とか。 戦車のカットは1カットだけで3ヶ月かかった。当時は若くてイケイケだったからやれると思った。アニメーターが地獄を見ないと作れない作品。
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  15. 西尾: ジブリのスタメンが揃ってる。 仕上げが保田さんでプロデューサーが鈴木さん。
  16. 押井: あの頃はジブリと良好な関係だった。 二木ちゃんは半年以上借りた。保田さんとは何回も廊下に声が響くくらいの喧嘩をした。最後はお互い納得した。
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  18. 押井: 庵野は3週間くらいで逃げた。 現場は修行僧みたいな雰囲気があったので「修道院みたいな現場は嫌だ」と言って逃げていった。
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  20. 押井: 最後まで見るとこの作品に込められたメッセージが分かる仕組み。 一生懸命見なくてもいい。 構造はあるけどストーリーはない。
  21.  
  22. 御先祖様
  23. 押井: 全然売れなかった。 予算も無かったけど音楽はリッチに作っている。二人しか入れない様なバンドのスタジオで作業していた。(自分は朝まで廊下で立っていたり苦労した)
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  25. 押井: うる星みたいな作品を作れとぴえろの社長(布川さん)に言われていたけど、ラムちゃんが詐欺師だったらどうなるかと思って作ったらプロデューサーは固まってしまった。 普通だったら2話で打ち切りになる。
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  27. 御先祖様ショックについて
  28. 西尾: この作品が転換期になっている。 マニアックな業界受けをした。
  29. 押井: アニメーター受けが良かった。
  30. 押井: 色んなアニメーターが出入りした。今考えたら結構な顔ぶれ。 西尾: 4話は技術的にピーク。
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  32. 押井: 6話はパンク状態。動画の状態が良くないけど、原画が良いのでなんとか見れる。黄瀬にも8カットくらい描いてもらってる。 御先祖様は1本だいたい6、70カット。長尺の芝居が多いので原画作業はとても大変だった。背景は2、30枚。
  33.  
  34. 西尾: カット袋ではなくカット箱。 押井: 袋に入り切らないから。 当時、OVAは枚数を競っていたけどお金が無かったので無駄な事は一切やってない。 本来、デザインはうつのみやではなく別の人(ガイナックス)にやって貰う予定だったけど逃げられた。摩砂雪にも逃げられた。
  35.  
  36. スカイ・クロラ
  37. 押井: これを最後にアニメの監督をしていない。
  38. 西尾: アニメーションの流れが変わった。
  39. 押井: 今は企画が一本も通らないので奥さんに「あんたの時代じゃない」と言われた。
  40.  
  41. 押井:
  42. アニメ嫌いになった訳でもやらなくなった訳でもない。今も1、2本(企画?)頑張ってる。
  43. 西尾: 30代最後の仕事。いつの間にか監督が年下になってた。 監督は年上の方が噛みつきやすいのでまだ気楽。年下は噛みつき難いしパワハラになってしまうのでやりにくい。
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  45. 押井: 文芸映画に近い。地上の芝居をこだわっていきたい思っていたので空中戦は正直無くてもよかった。 実際、CGの空中戦は凄かったけど芝居がキモ。
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  47. 芝居について
  48. 押井: 「芝居じゃない芝居をさせる」とてっつんと何度も話した。動かすな、でも止めるなと。それでどうやって存在感を出すか。人がいるだけで成り立つ作品にするか。 実際にそれが出来たので達成感が大きかったし、一番気に入ってる。
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  50. 西尾: シンプルなデザインだったので現場受けが非常に良かった。俺の株も急上昇した。 スカイは終わった後に倒れるとまではいかないけど、それなりに無理して頑張った。
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  52. 押井: 俺は相当サボった。 レイアウトの描き直しは今までキャラのアタリとか全部描いていたけど、スカイはアイレベルの線を一本入れて終わり。後はてっつんにお任せ。
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  54. 西尾: 現場に監督がいなかった。
  55. 押井: 絵が描けないので基本邪魔するだけ。てっつんの事は全面的に信用していたのでスカイはほぼてっつんの仕事。
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  57. 作画について
  58. 押井: 作画的には満足している。 時間が自然に流れるような、芝居でキャラクターの存在感を示して欲しい、キャラクターを地面に立たせて欲しいと頼んだ。 それは作監にしか出来ない。
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  60. 押井: 新聞を折るシーンは見て欲しい。 師匠のボーリングは素晴らしい。 黄瀬の担当シーンは滅茶苦茶色っぽい。
  61.  
  62. I.Gについて
  63. 押井: こんだけ期間が空くと顔と名前が分からない。今の社内は異様に静か。
  64. 西尾: 若い女の子しかいない。
  65. 押井: スカイの時は酒飲んだりおでん作ったりして酷く怒られた。今はそういった空気が全く無い。
  66. 西尾: 机の下にすき焼き鍋とか隠してた。
  67.  
  68. 押井: 集団でワイワイ作るような、アニメ作りの良さみたいなのが今はほぼ無い。 スカイの時はそういった空気がまだあった。 井上、師匠でピザパーティーをした時も覗いてるだけで中に入って来ようとしなかった。
  69. 西尾: 今の子は「師匠、井上さんって誰ですか?」って感じ。
  70.  
  71. 西尾さんについて
  72. 押井: スーパーマン。 何でも出来る。真面目で締め切りもしっかり守る。責任感も強いから文句は言うけど机にかじり付いている。 黄瀬は超問題児だったので苦労した。アパートやゲーセンに迎えに行ったり、てっつんには逆に煽られたりする。
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