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- FILENAME: text_316011-1.txt
- ピピピピッ、ピピピピッ♪
- いろは: …っ、ふぁ…?
- いろは: あ、もう朝… 朝ごはんの用意しないと…
- いろは: あれ…?
- いろは: やちよさん おはようございます
- やちよ: おはよう、いろは
- やちよ: まだ、時間が早いけど、 目が覚めちゃった?
- いろは: 今日の朝ごはんの準備、 私だと思って起きたんですけど…
- やちよ: ふふっ、それは昨日よ?
- いろは: えっ!?
- いろは: あ、そっか 今日って金曜日でしたっけ?
- いろは: ………はっ、いけない
- いろは: それなら、ユニオンのみんなと 話をする日でしたよね!?
- いろは: キモチの石は集まったけど、 次はどうするかって…
- やちよ: 本当、今日のいろはは、 おとぼけさんね
- いろは: へ?
- やちよ: 魔法少女同士が戦う日々は もう終わった
- やちよ: 今は自動浄化システムのおかげで 魔女になることもないから
- やちよ: 課題はどうやって魔法少女の話を 広めるかって状況でしょ?
- いろは: …そっか、そうでした
- やちよ: 魔法少女同士で 争っていた時の緊張感が
- やちよ: まだ抜けてないのかも しれないわね
- 鶴乃の声: ししょー!いろはちゃーん!
- 鶴乃の声: みかづき荘で唯一通いのメンバー 最強の由比鶴乃が登場だよー!
- ダッダッダッダッ!
- ガチャッ!
- 鶴乃: 今日もお邪魔しまっす! おっ、これは朝食の香りだね!?
- やちよ: そりゃ、いつもより 1時間近く早い登場だもの…
- やちよ: いろは、お茶でも淹れてあげて
- いろは: はい
- いろは: 鶴乃ちゃん お茶とコーヒーどっちにする?
- 鶴乃: じゃあ、久しぶりにコーヒーで! ありがとね!
- うい: さなさん 食べた食器持っていくよ
- さな: ありがとう、ういちゃん…
- フェリシア: あ~、やべぇ~
- フェリシア: 今日のフレンチトースト むっちゃうまかったぞ~
- やちよ: そんな恍惚とするほど…?
- フェリシア: おうっ、絶品ってやつだぞ! また作ってくれよな!
- やちよ: それなら今度、 一緒に作って覚えてみる?
- フェリシア: あー…それならいい…
- やちよ: ちょっと…
- いろは: ふふっ
- 「今日の獅子座の運勢は…ごめんなさい 残念だけど12位」
- 「過去に振り回される予感がするから気をつけて ラッキースポットはホテルだよ」
- 鶴乃: ありゃりゃ
- 鶴乃: いろはちゃんの運勢 今日はしょんぼりする感じだね
- いろは: ラッキースポットには行けないし 気をつけないといけないね
- 鶴乃: いっそ旅行に行っちゃう!?
- いろは: そ、それは急過ぎるよ さすがに学校はさぼれないから…
- 鶴乃: んだねー、えへへ
- ももこ: へぇー キモチの石って懐かしいな
- ももこ: 確かに、緊張感が 抜けてないのかもしれないけど
- ももこ: アタシはいろはちゃんの感覚、 なんとなくわかる気がするよ
- かえで: 私も…
- かえで: 今でも知らない魔法少女に 襲われる夢を見るぐらいだもん…
- レナ: かえでの場合は、 怖がりだから余計なんじゃない?
- かえで: うゆっ…そうだけど…
- かえで: レナちゃんだって夜中に 電話してきたでしょ?
- かえで: 突然、魔法少女に襲われて 死にかける夢を見たって…
- レナ: ちょ、かえで! それは言わない約束でしょ!?
- ももこ: はいはい、 朝から元気にケンカしない…
- ももこ: って、そうだ プロミストブラッドと言えば
- ももこ: いろはちゃんさ 今日の放課後って予定ある?
- いろは: 今日ですか? うーん…そうですね…
- いろは: ユニオンのみんなで集まる機会も 少なくなりましたし…
- いろは: スーパーに寄って帰る以外は 特に何もなかったような?
- いろは: あ、水徳寺に本を返しに行く 予定があるぐらいだと思います
- いろは: 何かあるんですか?
- ももこ: 今日、こっちにらんかちゃんが 来るみたいなんだけど
- ももこ: 他のメンバーも来ると思うから 会っていかないかなって
- レナ: クレーンゲームで バトろうって約束してんのよ
- かえで: せっかくだから いろはちゃんもおいでよ
- いろは: うーん それじゃあ、行ってみようかな
- いろは: 魔法少女同士でぶつかることもなく 魔女になることもない 私たちが望んでいた平和な日常が目の前にある
- いろは: 自動浄化システムが世界中に広がってから 何かあるんじゃないかって身構えていたけど 今のところは何もない
- いろは: もちろん魔女との命掛けの戦いは残ってるけど こうしてみんなの柔らかい表情を見てると 望んでいた未来になったんだなって思う
- いろは: 敵が現れる驚きも誰かが傷つく悲しみも要らない
- いろは: 周りが見ていたら とても面白くなくて飽き飽きしそうな時間が 私たちにとってはきっと かけがえのない最上の時間なんだと思う
- FILENAME: text_316011-2.txt
- 枇々木 めぐる: 5対3… クレーンゲームバトルの勝者は…
- 枇々木 めぐる: 笠音アオ&智珠らんかペア!
- アオ: まあ、当然の結果だよね~
- アオ: テヘッ
- 智珠 らんか: クレーンゲームなら負けないとか あんだけ豪語してたのに
- 智珠 らんか: レナ、あんたさ マジでダサいってわかってる?
- アオ: 加えて罰ゲームで 飲み物のおごりも決定だね~
- 枇々木 めぐる: おっと、ここで二木市のふたりが 敗者のふたりを追い詰める!
- 枇々木 めぐる: ゲーマーとしてのプライドは どこにもありません!
- 枇々木 めぐる: 対して! 水波レナと秋野かえでの反応は!
- めぐるの声: 闘志のかけらもなく 涙を流すばかり!
- めぐるの声: おっと、いけません…!
- めぐるの声: めぐるが実況すると、 固有魔法の力で面倒になるので
- めぐるの声: このあたりで失礼します!
- ももこ: 何しに来たんだよ… おかげでバトルは白熱したけど…
- いろは: レナちゃんもかえでちゃんも いいところまでいったんだけどね
- レナ: 敗者に慰めの言葉はいらないわ
- かえで: でも、ふたりで特訓したし やっぱり悔しいねぇ…
- いろは: もう、そこまでして 二木市の人とは争わなくても…
- いろは: ほら、せっかく和解できたし…
- アオ: ん~?なんか勘違いしてない? 争いじゃなくてこれは遊びだよ~
- 智珠 らんか: そうそう、マジで受け取って 仲が悪いとか思わないでよ?
- 智珠 らんか: こうして悪口言うのも 愛嬌みたいなもんなんだから
- アオ: グループの垣根を越えて 遊べるだけでも幸せだもんね
- レナ: じゃあ今のセリフって 本気じゃないってことよね?
- 智珠 らんか: 本気じゃないけど、 飲み物はおごってもらうから
- レナ: え゙っ!?
- いろは: それじゃあ紅晴さんたちは、 生徒会で忙しいんだ
- アオ: ずっとプロミストブラッドを 優先してきたからね~
- アオ: 今はひかるとふたりで溜まった 仕事を片づけてるみたい
- 智珠 らんか: ひかるがさくやの代わりに なれてるとは思えないけどね…
- アオ: し、しっかり応援はしてるよ?
- いろは: そういえば、大庭さんは? 竜ケ崎の方で忙しいの?
- 智珠 らんか: んなわきゃないでしょ 自由きままにマンガ読んでるだけ
- ピロン♪
- 智珠 らんか: って、噂をしてたら樹里から…
- アオ: 姉ちゃんなんて?
- 智珠 らんか: なんで勝負事に樹里サマを よばねーんだ…って怒ってる
- アオ: うわぁ… あとでブチブチ言われそう…
- ももこ: ほら、みんな店に着いたから 並んで注文しちゃって
- レナ: 笠音とらんかには、敗者として レナとかえでが払うから
- かえで: え、私も!?
- レナ: は?
- レナ: ひとりで逃げようったって チームなんだから許さないわよ
- かえで: ふゆぅ…
- いろは: ん、あれって
- 燦: あら?
- ミユリ: これはこれは、かつての仇敵が 雁首を揃えて来ましたよ!
- ももこ: そりゃ、こっちの台詞だよ
- いろは: 羽根の方たちも一緒ですか? 神浜市にいるなんて珍しいですね
- ミユリ: それは偶然、姫様の用事が 神浜市であっただけですよ
- 燦: 加えて、魔女の反応を追ってたら 神浜市に入ってしまったのよ
- 燦: それで今は、魔女を倒せた羽根に ご褒美をあげてたところ
- ミユリ: 燦様のアメと鞭は最高の塩梅で なんとも幸せな時間ですぅ~
- レナ: ご褒美のネオマギウス… 罰ゲームのレナたち…
- かえで: 同じお店にいるのに、 私たちだけ鬱々としてるね…
- いろは: あはは…
- FILENAME: text_316011-3.txt
- いろは: それじゃあ、私はそろそろ 水徳寺に行きますね
- ももこ: そう言えば、本を返しに行くって 話してたよね
- レナ: レナたちはせっかくだから もう少し居座って帰るわ
- かえで: ネオマギウスの人たちと話すのも 久しぶりだもんね
- ひめなの声: ただ、今から水徳寺に行っても ぶっちゃけ意味ないと思うけど?
- いろは: あ、藍家さん!
- ひめな: キャハッ★ いろりん、久しぶりー
- いろは: あ、お久しぶりです
- いろは: じゃなくて、意味がないって どういうことですか?
- ひめな: 実は私チャン、 さっきまで水徳寺に居たんだけど
- ひめな: 一族そろって調整屋に行くって 言ってたからね
- いろは: つまり、水徳寺に行っても 留守っていうことですか?
- ひめな: そういうことっ
- ミユリ: ちなみにちなみに、姫様は 水徳寺で何をしてたんですか?
- ひめな: んー…? 時女一族おめかしショー?
- 燦: なによ、それ…
- ひめな: とりま説明すると…
- ひめな: 「静香ちゃんってファッションに興味津々だけど 時女一族のメンツってぶっちゃけさ 他人のコーデができる人がいなさそうでしょ?」
- ひめな: 「だから私チャンが一肌脱いで 静香ちゃんたちと軽くショッピングして みんなで見せ合いっこをしてたってわけ」
- すなお: そろそろ静香も出番です
- ちはる: うん、着替えてこないと
- 静香: うー、緊張するわね…
- ガサッ
- ちはる: 何、その袋
- 静香: 藍家さんが私のために 用意したって言ってたわ
- すなお: あら、優しいですね
- 静香: ええ、取りあえず気合を入れて 着替えてくるわ
- ちはる: あ、すなおちゃん! 次は涼子ちゃんだよ!
- すなお: どう変わるのか楽しみですね
- ひめな: では、時女一族おめかしショー エントリーナンバー8番
- ひめな: 南津涼子!
- 南津 涼子: 「あー、すっごいむずがゆいなぁ… 普段しない格好だから変な感じがする」
- ちはる: せせっ、せっ、せっ、せ… 清楚系涼子ちゃんだーーー!
- すなお: 淡い白を基調としたフリル地 オフショルダーのワンピース…
- すなお: 加えて、髪もキレイに整えて サラサラのワンレンヘアに…
- ちはる: 涼子ちゃんの新規開拓だ!
- ちはる: 眠る美貌を呼び覚ます 涼子ちゃんゴールドラッシュ!
- 南津 涼子: 「おまえ、ちゃる覚えてろよこの野郎! 人の勇気をもてあそびやがって!」
- ちはる: ええっ!?ほめてるんだよぅ!
- 南津 涼子: 「ああ、もう耐えられないから戻る!」
- ひめな: じゃあ、次は大本命にして 時女一族の本家!
- ひめな: エントリーナンバー9番 時女静香
- 静香: 「もう、気合で緊張は吹っ飛ばしたわ どう?強い時女一族っていうのを“てーま”に “こーでぃねーと”してもらったのよ」
- ちはる: 静香ちゃん…
- すなお: 静香…!
- 静香: 「すばらしすぎて声も出ない?」
- ちはる: いやいや! なんで特攻服着てるの!?
- すなお: 何かの冗談…ですよね…?
- 静香: 「とっ…こう…?」
- 静香: 「えっ、えっ、これって何…? みんなから見ておかしいものなの…?」
- ちはる: 暴走する若者たちが着る なんか悪めな服だよぅ!
- 静香: 「わるめ!?」
- ひめな: どうせ殻を破るなら 静香ちゃんの真逆から攻めるのも
- ひめな: アリ寄りのアリかなーって 思ったけど、微妙だった?
- 静香: 「私をもてあそんだの…?」
- ひめな: そんな、私チャンは真剣に!
- ひめな: …っ、ぷひゅっ★
- 静香: 「笑ってるじゃない!」
- ひめな: で、ショーが強制終了して 私チャンは追い出されて終わり
- ひめな: 静香ちゃんは私チャンを倒すって 分家の子と調整屋に行っちゃった
- いろは: 静香ちゃん…
- 燦: あんまりオモチャにすると 可哀相よ…?
- ひめな: いやいや、大本命の服だって ちゃんと用意までしたんだから!
- いろは: そういう問題じゃないような…
- ひめな: 私チャンが悪者みたいじゃん…
- ひめな: まあ、イジりたくて イジってたところはあるけど
- ももこ: 認めるのかよ…
- ひめな: で、いろりんはどうすんの? 私チャンたちとお茶してく?
- いろは: んー… 私も調整屋に行きます
- いろは: かごめちゃんから来て欲しいって ちょうど連絡が来てたので
- FILENAME: text_316011-4.txt
- かごめ: あ、いろはさん こっちです!
- いろは: 久しぶりだね、かごめちゃん あれから執筆は進んでる?
- かごめ: あ、はいっ
- かごめ: 少しずつ内容が固まってきたので 教授に見てもらう予定です
- いろは: そっか、良かった
- いろは: ただ、湯国市のこともあるから 広める時は気をつけないとね
- いろは: まずは魔法少女を信じてもらえる 土壌を作らないと…
- かごめ: その湯国市の人なんですけど
- いろは: 何かあったの?
- いろは: 調整屋に来て欲しいって 言ってたことと関係がある…?
- かごめ: そうなんです とりあえず来てください…!
- いろは: こ、これって…
- みたま: それでそれで? ふたりのなれそめってどうなの?
- ラビ: や、どうも何も 私は使用人として那由他様の家に
- 那由他: そうですの ただ家事をするためにお家に…
- みたま: 待って待って! それって押しかけじゃない!
- 十七夜: 大胆だな
- みたま: それで家事もやってのけて 住み着くなんて…
- 十七夜: うむ、高等テクニックだ 言葉にならん
- ラビ: 普通に仕事をしてるだけで…
- 那由他: ラビさんこれはいったい なんの尋問ですの…?
- ラビ: 知りませんよ…
- いろは: なんで、ふたりのなれそめを 聞かれてるの…?
- いろは: それに静香ちゃんたちは…?
- かごめ: ふたりへの尋問が始まって 巻き込まれる前に帰りました…
- いろは: えぇ…?
- 旭: ちなみにこれは…
- 旭: 新カップルさんいらっしゃい というコーナーであります
- いろは: コーナー?
- アレクサンドラ: それが、神浜市の学生会議内で カップルが誕生したみたいでして
- アレクサンドラ: 東西の枠を越えた男女なので メンバーみんなで祝いたいと
- アレクサンドラ: みたまさんが中心になって 企画を考えてたみたいなんです
- うらら: その企画の実験台として ラビさんは巻き込まれたんよ
- みかげ: なゆたんも一緒にねー
- いろは: …………
- みたま: 胃袋をつかみ掃除洗濯をこなし 生活サイクルを回す…
- みたま: そうして自分なしではいられない 状態に追い込むだなんて…
- みたま: とんだ押し掛け女房ねぇ…
- ラビ: なっ…
- 那由他: だから違うんですの!
- いろは: あれが…歓迎ですか…?
- 十七夜: 厳密には違うぞ環君
- いろは: あ、十七夜さん その…歓迎ではないんですか…?
- 十七夜: うむ…これは恋人のふたりから 色々と聞き出すためのものだ
- いろは: 東西のカップルだから… ですか…?
- 十七夜: いや、男の方が自分の弟だからだ
- 十七夜: ただの東西のカップルなら、 歓迎して終わりでも構わないが
- 十七夜: いざ、自分の姉弟ともなると、 やはり気になるだろう…
- 十七夜: しかも、弟にできた恋人のことで 妙にモヤついている自分もいる…
- みたま: というわけで、スッキリ解決する 方法を考えてたどりついたのが
- みたま: 新カップルさんいらっしゃいって インタビューをするコーナーよぉ
- みたま: うふふっ
- いろは: たぶん、あんな前のめりにいくと みんな疲れると思います…
- 那由他: あぁ… ようやく解放されましたの…
- みかげ: お疲れ、なゆたん! ラビたんもお疲れ様っ!
- ラビ: みかげさんの声を聞くだけで 元気が出てきますね…
- いろは: すみません…なんだか…
- ラビ: いえ…八雲みたまのキャラは 把握していたはずなのに
- ラビ: 対応できなかった 自分の落ち度だと思う…
- アレクサンドラ: ピュエラケアが去ったので 頼ろうと思いましたが
- アレクサンドラ: とんだ被害に遭いましたね
- いろは: 本当…重ね重ねすみません… でもおかげで安心しました
- アレクサンドラ: 安心?
- いろは: みたまさんたちが神浜市のことで 前を向いてるのが見られたから
- いろは: それに、湯国市の皆さんの表情も 穏やかそうで何よりです
- うらら: それは、当然なんよ
- うらら: 最近になって、やっとくららと 仲直りできたから
- うらら: 次はちゃんと湯国市から 魔法少女の話を発信できるように
- うらら: みんなで 一致団結して頑張ってるんよ
- いろは: 何だか少し馬鹿らしくなってしまうような 楽しい時間が過ぎていく
- いろは: これは私だけじゃない 他の魔法少女にとっても一緒
- いろは: ただ、ここには幸せだけが存在している気がして 忙しないけど離れがたい気がする
- いろは: これが、私たちの望んでいた未来
- FILENAME: text_316012-1.txt
- やちよ: また、みたまは変な企画を…
- やちよ: あの子の人騒がせなところは 何をしても変わらないわね
- うい: 湯国市の人たちは、 その後どうなったの?
- うい: また新カップルさんっていうのに 巻き込まれたりしなかった?
- いろは: うん
- いろは: 調整屋にお客さんが増えてきて それどころじゃなくなったから
- 鶴乃: ピュエラケアのみんなが 他の町に行っちゃって
- 鶴乃: みたまの調整屋は 千客万来って感じだね
- さな: みたまさんにとっては 嬉しい悲鳴かもしれません
- フェリシア: この間行ったときは 疲れ果てて死にそうだったけどな
- うい: でも、みんな楽しそうで 良かったね
- いろは: うん
- いろは: こうした幸せな時間を過ごして 将来を夢みることができるのって
- いろは: 私が求めていたものだけど、 みんなの救いにもなると思う
- いろは: だから、バタバタしていても、 ホッとするような時間だったよ
- やちよ: ホッとすると言えば みふゆも一息ついたところよね?
- いろは: 何かあったんですか?
- みふゆ: そうなんです!
- みふゆ: 実はワタシ 模試でA判定を頂いたんです
- やちよ: これで里見さんに教えてもらった 勉強も役に立ちそうね
- みふゆ: ええ、約束通り薬学部に入って 自立した大人になれそうです
- みふゆ: ただ…
- やちよ: ん?どうかしたの?
- みふゆ: いえ、かなえさんやメルさんにも 直接報告したかったな…って
- やちよ: …そうね 生きていれば喜んでくれたはずよ
- みふゆ: 生きてたら…そうですよね…
- みふゆ: …なんだかワタシ ふたりのことを考えていると
- みふゆ: 今の幸せに罪悪感を覚えたり、 あの頃に戻りたくなるんです…
- みふゆ: やっちゃんにはありませんか?
- やちよ: 私やみふゆに限った話じゃなくて みんなにあると思うわ…
- やちよ: 先の戦いでは、 何人もの犠牲が出てるんだから…
- やちよ: …切ない気持ちにだってなるし、 過去にすがりたくなるのも当然よ
- やちよ: 鶴乃だってそうじゃない?
- 鶴乃: どうなんだろね…
- 鶴乃: 無理してた時期もあるから 一概には言えないけど
- 鶴乃: 昔のみかづき荘には、今とは違う 良さがあったのは当然だと思うよ
- 鶴乃: わたしだってメルが 一緒だった頃を思い出すからね
- やちよ: そう、そんなものよ
- やちよ: 私はお婆ちゃんがみかづき荘で 下宿を営んでた頃を思い出すもの
- みふゆ: ああ、いいですね
- みふゆ: 大学生のお姉さんたちに 可愛がってもらって
- みふゆ: お婆ちゃんのお祝いをして あの頃も幸せでしたね
- やちよ: ええ…
- フェリシア: そっか 今も昔も幸せってあんのかも
- フェリシア: オレも父ちゃんと母ちゃんと 暮らしてたことあるしなー
- さな: 私は良い思い出なんてないですし 今の方がすごく幸せですけど
- さな: まだ小さい頃は、 可愛がってもらってたと思います
- うい: わたしにとっては入院してた頃が 懐かしいものになるのかな?
- いろは: 幸せだった?
- うい: 病気でつらい時もあったけど 幸せだったよ
- うい: 灯花ちゃんもねむちゃんも お姉ちゃんもいたから
- うい: お姉ちゃんは?
- いろは: 私は学校で浮いてたからな…
- いろは: あの頃の日々の中で 心が陰ることもあったけど
- いろは: お見舞いに行って お父さんとお母さんと暮らして…
- いろは: ういたちと一緒に笑って…
- いろは: そうだね…
- いろは: 今のみかづき荘にはない 違った良さはあったのかも
- いろは: 過去は悲しいだけじゃない
- いろは: 少しずつ幸せが 散らばってるのかもしれないね
- うい: うんっ
- いろは: あ、もうこんな時間
- いろは: やちよさん そろそろ夕飯の準備をしないと
- いろは: …やちよさん?
- ういの声: お姉ちゃん…
- うい: なんかみんな… 急に止まっちゃったよ…
- いろは: 止まるって… そんな、冗談言わないでよ
- いろは: やちよさん…!鶴乃ちゃん…!
- やちよ&鶴乃: …………
- いろは: 本当に反応しない… 急に…どういうこと…
- いろは: …少なくとも時計は動いてる
- FILENAME: text_316012-2.txt
- いろは: やっぱり 時間が止まったわけじゃないね…
- うい: うん… 止まってるのは人だけだと思う…
- いろは: 雲は動いてるし、 風で木も揺らめいてる…
- うい: さっき見た猫ちゃんも 普通に走って逃げちゃったよ…
- いろは: でも、人だけが止まってる…
- いろは: …静香ちゃんたちの様子も 見に行こう
- 静香: …………
- すなお: …………
- ちはる: …………
- いろは: やっぱりみんな同じみたい
- うい: どうやったら戻せるのかな… 魔女のせい…?
- いろは: そんな、結界の中でもないのに 起こりっこないと思う…
- いろは: そうだね…
- いろは: 魔女の魔力反応はないし 魔女の口づけも見当たらないよ…
- うい: そっか… ウワサのせいでもないよね…?
- いろは: 実体があるのは、桜子ちゃんと リィちゃんだけみたいだから
- いろは: 他に何かウワサが残ってない限り 選択肢から消えると思う…
- いろは: …原因も解決の糸口も 見当たらないし、どうしよう……
- ???の声: モッキュイ!
- いろは: え?
- うい: 今の声って
- userName: プイッキュ!
- うい: あ、よかったぁ! userNameも無事だった!
- いろは: 人じゃないから 無事だったのかもしれないね
- いろは: ねえ、userName この状況について何かしらない?
- userName: モキュッキュ!
- いろは: え、付いて行けばいいの?
- userName: モッキュ!
- userName: モキュ!
- いろは: 本屋さん…?
- userName: キュイ!
- うい: あ、お姉ちゃん!
- うい: この雑誌 ねむちゃんの記事があるよ!
- うい: 「ネットで衆目を集め続ける謎の人気作家との メッセージを通した取材記録を公開…」
- うい: 「どこの出版社にも許諾を出さない 伝説のウェブ作家の素顔に迫る中で見えたのは 執筆に対する姿勢だった」
- うい: 「私にとって物語を書くということは ただの自己表現の場ではない 大切な人に喜んでもらうために行う 愛情表現でもあった」
- うい: 「また、体の不自由な私は 他の人と比べると自分の足跡を残すことが難しく どれだけ未来へ進もうとしても 中々みんなと同じようにはいかない」
- うい: 「だから私は書くという行為によって 自分の文字を足跡として留めるのではなく 未来を手繰る歩みにしたかったのかもしれない」
- うい: 「果たしてそれが真実か否かは 己の無意識に問いかけて答えを貰うしかないが 自分に四肢があり目が前に付いてることを思えば そう捉えることもできるだろう」
- うい: 「書く事は未来への歩みなのだ」
- うい: 何か難しいこと書いてある…
- いろは: うん…
- いろは: ねぇuserName これがみんなを戻すヒントなの?
- userName: モギュゥ…
- いろは: 違うの…?
- userName: モッキュイ
- うい: 次は占いの本…?
- いろは: ねむちゃんと…占い…?
- userName: モキュ!モキュ!
- いろは: …今日の占い
- 「今日の獅子座の運勢は…ごめんなさい 残念だけど12位」
- 「過去に振り回される予感がするから気をつけて ラッキースポットはホテルだよ」
- いろは: あ、ねむちゃんとホテル…!
- いろは: ホテルフェントホープ! そこに行けばいいの!?
- userName: モッキュイ!
- いろは: さっそく行こう、うい!
- うい: うん!
- FILENAME: text_316012-3.txt
- いろは: はっはっ…はぁ…
- うい: はぁ…はぁ…
- うい: ねえ、お姉ちゃん ウワサだったら平気かな…?
- うい: 桜子ちゃんは、 普通にいるかもしれないよ
- いろは: うん、話しかけてみよう
- いろは: 桜子ちゃーん
- …………
- うい: …やっぱりダメそう?
- 万年桜のウワサ: |いろは、うい|
- うい: あ、桜子ちゃんだ!
- いろは: 良かった やっぱりウワサは無事なんだ!
- 万年桜のウワサ: |ねむが動けるから 私もこうして動けるだけ|
- 万年桜のウワサ: |ホテルフェントホープで 待ってるはずだから|
- 万年桜のウワサ: |ふたりとも会いに行って|
- いろは: そっか、ねむちゃんも 無事なんだね
- うい: みんな動かなくなったんだけど その理由ってわかる…?
- 万年桜のウワサ: |私にはわからない… ねむはヒントを知ってるかも?|
- うい: じゃあ、とりあえず ねむちゃんに話を聞いてみるね
- 万年桜のウワサ: |うん|
- いろは: ありがとう、桜子ちゃん
- いろは: 壊したはずだから 少し疑ってたんだけど…
- いろは: まだ、残ってる…
- うい: ねむちゃんが居そうなところって わかる…?
- いろは: うん、たぶんだけど、 地下に居るような気がする…
- いろは: 魔力を感じる…
- うい: あれ、でもひとりじゃない?
- いろは: この反応ってねむちゃんと それに…!
- 灯花の声: わたくしもいるよー
- うい: やっぱり、灯花ちゃんだ!
- いろは: それだけじゃない…
- アリナ: ―アリナー そ、アリナもいるカラ
- いろは: ―いろはー どうして3人が揃ってるの…?
- いろは: ―いろはー マギウスの翼がなくなってからは 一緒に話すことなんてなかったはずなのに…
- うい: ―ういー もしかして、みんなが動かなくなったのって ねむちゃんたちが何かしたの…?
- ねむ: ―ねむー 勘違いされると困るよ、うい
- ねむ: ―ねむー 僕達はただ天才が3人揃えば何ができるのか それを話し合っていただけだからね
- 灯花: ―灯花ー そーいうこと!
- 灯花: ―灯花ー わたくしたちが3人集まれば なんでもできちゃいそうだからねー
- 灯花: ―灯花ー こうやって話し合いながら 宇宙をビックリさせるような計画を立てるのが
- 灯花: ―灯花ー わたくしの夢だったんだよー
- ねむ: ―ねむー アリナの記憶が失われて叶わなかったから ようやく念願が叶ったというところだね
- ねむ: ただ、当のアリナは 全くやる気がないみたいだけど…
- アリナ: アリナは、イブとひとつになって ルーズした時点でエンド
- アリナ: 人類を滅ぼすような テンションにもならないカラ
- アリナ: アートを作るような気持ちには ならないんだヨネ
- 灯花: 人類を変えられるような 才能を持ってるのに
- 灯花: もったいないにゃー
- いろは: えっと、つまり… こうして3人がそろってる様子は
- いろは: 灯花ちゃんとねむちゃんが 叶えたかった未来の景色…?
- ねむ: 主に灯花と言った方がいいね
- いろは: それなら、アリナさん自身は 未来に何を望んでいたの…?
- いろは: 灯花ちゃんたちと何かをする気は 特にないんだよね…?
- アリナ: アリナはアナタたちと トークしたかっただけなんだヨネ
- いろは: 私と…うい…?
- アリナ: シュア
- アリナ: 自分を貫く頑固な性格も
- アリナ: 灯花とねむをコントロールできる 精神性も
- アリナ: ジーニアスがそろったところで 実現するのは無理なワケ
- アリナ: それもひとつの才能 生まれながらのアビリティだカラ
- アリナ: それでアナタたち環姉妹と 少し話してみたかったんだヨネ
- うい: じゃあ、ここにいるみんなは 一応未来を見てるんだ…
- アリナ: だけど、今のアナタたちは 慌てるばかりで物足りないヨネ
- アリナ: これならまだ、過去の滅びに 目を向けてる方が幸せなワケ
- うい: そんなこと言われても…
- userName: モッキュモキュイ!
- いろは: あ、そう! みんなに聞きたいことがあるの!
- ねむ: userNameの言葉は 僕達にはわからない
- ねむ: だけど何か慌てるような出来事が 起きているのは知ってるよ
- ねむ: userNameが僕達の前で ウロチョロしていたからね
- 灯花: ただ、わたくしたちは ここから動く気がなかったから
- 灯花: お姉さまたちを見つけて 連れてきてもらったんだよねー
- ねむ: その通りだよ、灯花 それで何があったのかな?
- いろは: …実はね
- いろは: 急にみんなが止まって 動かなくなっちゃったの…!
- FILENAME: text_316012-4.txt
- 灯花: 急に動かなくなった?
- ねむ: それは至極当然かもしれないね
- うい: どうして…?
- ねむ: 今のアリナを見ればわかるよ
- いろはの声: まさか…止まってる…?
- ねむ: この状況がお姉さんたちが 見てきた状況と同じであれば
- ねむ: 何か察する要因に なるんじゃないかな?
- いろは: …………
- いろは: …アリナさんは過去の滅びに 目を向けるって言ってた
- うい: やちよさんたちもみんな 過去を懐かしそうに思い出してた
- いろは: それが…答え…?
- いろは: でも過去を振り返るのは普通だよ それで止まるなんておかしい…
- 灯花: んー、本当にそう思う?
- 灯花: 理論上では過去に戻ることって できるかもしれないけど
- 灯花: 宇宙は誕生してから今まで、 ずっと変化し続けてるんだよねー
- 灯花: どこかでループするような形で、 同じ状態をたどったとしても
- 灯花: それは前に進んだ結果であって 過去に戻ったわけじゃない
- 灯花: つまり、進み続けるというのが わかりやすい自然の摂理なんだよ
- ねむ: 人も同じだよ 生きようとして前に進む
- ねむ: 死んで停滞したとしても 腐敗という形で前に進む
- ねむ: 決して過去に戻ることはないんだ
- ねむ: 僕達の手足は生存して進むために 大きな役割を果たし
- ねむ: 前に付いた目は栄養となる獲物を 見つける生存の役割を果たす
- ねむ: 過去を糧にすることは進むこと
- ねむ: 過去を羨むことは止まること
- ねむ: 未来は作れずあるのは無のみ
- 灯花: お姉さまとういも 後ろを…過去を見てみなよ
- うい: う…うん…
- いろは: 何も…見えない…
- 灯花: 「過去を懐かしむだけだと未来はないからねー」
- ねむ: 「そう、僕達は過去に囚われてしまう生き物」
- ねむ: 「だから生きるという前に進み続ける行為は 人間にとっては難しい」
- ねむ: 「だけど、その理屈を逆手に取れば 僕達が生きているということは それだけで十分尊いし偉いことなんだよ」
- ねむ: 取りあえず僕達に言えることは ここまでかな
- 灯花: お姉さまとういには たくさん勇気をもらってきたから
- 灯花: これでひとつ 恩返しはだいせーこーだねー
- いろは: 理由はわかったけど どうすれば解決できるの?
- うい: うん、灯花ちゃんねむちゃん 最後に教えて!
- 灯花&ねむ: …………
- うい: ふたりの時間も止まっちゃった…
- いろは: でも、灯花ちゃんとねむちゃんの 私たちを助けたかった想いに
- いろは: 救われたのかもしれないね
- うい: うん…
- いろは: 私たちは 過去を追っちゃいけないんだよ
- FILENAME: text_316013-1.txt
- いろは: 未来ではなく過去を見るようになったから みんなの時間は止まってしまった
- うい: 理由は教えてくれたけど 戻し方はわからなかったね…
- いろは: そもそも、灯花ちゃんと ねむちゃんが言ってることでも
- いろは: 私はちょっと納得できてない…
- いろは: 過去を振り返ることなんて いくらでもあったはずなのに
- いろは: 今回だけみんなが止まるなんて 何か原因があるはずだよ…
- うい: そうだよね…
- うい: userNameにも 原因ってわからないよね…?
- userName: モキュゥ…
- うい: どうしてわたしたちだけが 動けてるのかもわからないし…
- いろは: 考え方とか物の見方じゃなくて、 第三者が関わってる気がする…
- うい: あ…
- いろは: どうしたの…?
- うい: お姉ちゃん… 風がやんでるよ…
- いろは: …………
- いろは: よく見たら雲の動きも スマホの時計も…止まってる
- うい: 全部止まっちゃった…
- いろは: 世界そのものが止まった…
- うい: 何もかも、なくなっちゃった…
- userName: キュゥ…
- いろは: それでも私たちは生きてる… どうして…?
- いろは: キモチのみんな…
- いろは: 自動浄化システムを広げるために 力を貸してもらったのに…
- いろは: もういないはずなのに、 どうしてこんなところに…
- いろは: ウッ…
- やちよ: 魔法少女同士が戦う日々は もう終わった
- やちよ: 今は自動浄化システムのおかげで 魔女になることもないから
- 智珠 らんか: こうして悪口言うのも 愛嬌みたいなもんなんだから
- アオ: グループの垣根を越えて 遊べるだけでも幸せだもんね
- 燦: それで今は、魔女を倒せた羽根に ご褒美をあげてたところ
- ミユリ: 燦様のアメと鞭は最高の塩梅で なんとも幸せな時間ですぅ~
- 静香: 藍家さんが私のために 用意したって言ってたわ
- すなお: あら、優しいですね
- 静香: ええ、取りあえず気合を入れて 着替えてくるわ
- アレクサンドラ: それが、神浜市の学生会議内で カップルが誕生したみたいでして
- アレクサンドラ: 東西の枠を越えた男女なので メンバーみんなで祝いたいと
- アレクサンドラ: みたまさんが中心になって 企画を考えてたみたいなんです
- うらら: その企画の実験台として ラビさんは巻き込まれたんよ
- みかげ: なゆたんも一緒にねー
- いろは: そっ…か…
- いろは: 「私は、ういとuserNameと手を合わせて キモチのみんなをすべて 受け止めようとしていたんだっけ…」
- いろは: 「だから、いま私たちがいるのは “私とういとuserNameの世界”で」
- いろは: 「こうして見ていたのは キモチの力と一緒に流れ込んで来た 魔法少女たちが抱える幸せへの想い…」
- いろは: 中にはみんなが想う幸せな未来が たくさん詰まっていたけど
- いろは: 幸せですがりたくなる過去も たくさん含まれていた…
- いろは: それだけじゃない…
- いろは: 他にもいろんな幸せの可能性を 私は見てた気がする…
- うい: お姉ちゃん… わたしも思い出したよ、全部…
- うい: わたしたちって 未来のために動いてるから
- うい: みんなが想う未来の幸せは 見ることができたけど
- うい: 過去は真逆に動くことだから 見ることができなかったのかな?
- いろは: 私は違うような気がする
- いろは: きっとね 私たちが立ち止まったんだと思う
- FILENAME: text_316013-2.txt
- いろは: きっとね 私たちが立ち止まったんだと思う
- うい: わたしたちが立ち止まった…?
- いろは: そう
- いろは: 灯花ちゃんとねむちゃんが 言ってた通り
- いろは: 過去を振り返っても 未来は動かない
- いろは: だからみんなは 止まってしまったのかもしれない
- いろは: だけど、世界そのものが こうして消えちゃったのは
- いろは: 私たちのせいだと思うの
- うい: うん…?
- いろは: たぶんね
- いろは: みんなの思い描いていた未来が 心地良すぎてね
- いろは: 私たち自身がこの世界に ずっと居たくなったんだと思う
- うい: あ、そう言われるとそうかも
- うい: みんなの未来が楽しくって 満足しちゃってたと思う
- うい: 立ち止まってたら未来は見えない
- いろは: いずれ過ぎ去っていって 今いる無の中で生きることになる
- いろは: 時間は私たちの意思に関係なく 進んでいくからね
- うい: 生きるって大変だね…
- うい: でも、そっか… ねむちゃんも言ってたもんね…
- うい: 「僕達が生きているということは それだけで十分尊いし偉いことなんだよって」
- いろは: ―いろは― その生きる時間を作り出すために… 魔法少女の未来を作るために…
- いろは: ―いろは― 私たちはひとつになったんだから 歩みを止めちゃいけない
- いろは: ―いろは― 私たちがここで留まることを選んでしまうと みんなの時間は止まってしまうから
- うい: ―うい― わたしたちで未来に繋がるように 進まないといけないね
- いろは: ―いろは― そう、みんなが止まったとしても 私たちが未来を作らないといけない
- いろは: ―いろは― だから、うい、userName 一緒に進もう!
- うい: ―うい― うんっ、未来への歯車を動かそう!
- userName: ―userName― モッキュイ!
- いろは: ふぁっ…あぁ… おはよう、うい…
- うい: おはよう…お姉ちゃん…
- いろは: userNameもおはよう
- userName: モキューイ…
- いろはの母の声: いろはー、ういー 朝ご飯できたわよー
- うい: はーい
- いろは: ふふっ
- いろは: ここは私たちの心の中で 好きなものを見る世界なんだから
- うい: うん、こうして 好きな未来を見たっていいよね
- うい: お母さんとお父さんに会うの 久しぶりっ
- うい: 昨日の夜は1年分ぐらい いっぱい甘えちゃった
- いろは: お父さんとお母さん すっごくビックリしてたね
- うい: わたしだって 前まで病気だったんだもん
- うい: そんな娘を預けて 外国に行ってるんだから
- うい: それぐらいいいの
- うい: それに、お姉ちゃんだって おねだりしてたでしょ?
- いろは: 欲しい調理器具があったからね
- いろは: 今日のピクニックに持っていく 料理で使ってみるつもりだよ
- うい: そっか
- うい: 今日はみかづき荘のみんなと
- いろは: 万年桜のうわさで ピクニックをする日だよ
- FILENAME: text_316013-3.txt
- うい: わっ、お母さんの料理 久しぶりに食べる
- いろはの母: そんな嬉しそうになるような ものは作ってないけど
- いろはの母: ほら、ただの フレンチトーストよ?
- うい: あ、この間 やちよさんも作ってた
- いろはの母: えっ、ウソ!?
- いろはの母: それなら違うメニューの方が 良かったかなぁ…
- いろはの母: 七海さんのお宅って 和食の方が多そうだったから
- いろはの母: 洋食にしようと思ったんだけど
- うい: ううん気にしなくていいよ
- うい: 七海家の味と環家の味の違いを 楽しむから
- いろはの母: そう言ってくれると嬉しいかな
- いろは: はい、お父さん コーヒー淹れてきたよ
- いろはの父: ありがとう、いろは
- いろはの父: …………
- いろはの父: ん、インスタントじゃなくて ドリップで淹れたのか?
- いろは: やちよさんの家だと 紅茶を飲んだりする機会が多くて
- いろは: コーヒーもたまに淹れるの
- いろはの父: そうか
- いろはの父: 私たちの知らないところで、 ちゃんと成長してるんだな
- いろは: それは味次第じゃないかな?
- いろはの父: …うん、美味しい
- いろは: 良かった 私も成長してたみたいだね
- いろはの母: どうだった、うい
- いろはの母: フレンチトーストの味に 違いはあった?
- うい: うんっ
- うい: やちよさんの方が しみしみで柔らかいけど
- うい: お母さんの方は染みてても サクッとした感じがするし
- うい: あんまり甘くないかも
- いろはの母: どっちの方が好み?
- うい: うーん… わたしはどっちも好きだよ?
- いろはの母: ふふ、ごめんね 答えづらいこと聞いちゃったね
- いろはの父: 本当なら 連れていきたいところだが
- いろはの父: 前より輪を掛けて いろはも頑固になったからな…
- いろは: ごめんなさい
- いろは: でも安心して
- いろは: これからもやちよさんの家で しっかりやるから
- いろはの父: 七海さんはしっかりされてるし 心配はまったくしてないよ
- いろはの父: それに親元で暮らす以上に、 学業以外の勉強もできてる
- いろはの父: 海外で得ることと 誰かと暮らして得ること
- いろはの父: 違いこそあっても かける時間は同じだ
- いろはの父: いろはのためになってるなら それで良いと思うよ
- いろは: ありがとう、お父さん
- いろはの父: 今日はういも入れて みんなでピクニックだったかな
- いろは: うん、そうだよ
- うい: これからお姉ちゃんと一緒に お料理を作ってもってくよ
- いろはの母: それで、昨日買った型抜きで 飾りつけをするんでしょ
- うい: うん、そうだよね?
- いろは: お弁当を可愛く彩るつもりだよ
- いろはの父: そうだ、せっかくだから これを足しにしなさい
- いろはの父: 臨時のお小遣いだ
- いろは: えっ、そんな…いいの…?
- いろはの父: いろはだけじゃなくて みかづき荘のみんなにね
- いろはの父: お世話になってるお礼だから みんなと楽しむために使いなさい
- いろは: ありがとう、お父さん
- いろはの母: じゃあ、私は 代わりに料理を手伝おっか
- いろは: ううん、大丈夫 これは私たちで作りたいから
- いろはの母: そっか、わかったわ
- いろはの母: ああ、子どもの成長って なんだか寂しいものね…
- FILENAME: text_316013-4.txt
- ねむ: ふぅ…やっと着いたね…
- 灯花: 魔法少女として動いてる時は 気にならないのに
- 灯花: 普通に歩いてくると 疲れたような気がするー…
- ねむ: 人としての感覚が僕達にも 残ってる証拠かもしれないね
- やちよ: それじゃあ、みんな シートを広げてランチにしましょ
- 鶴乃: いろはちゃんのご両親の計らいで 食後のデザートだってあるし
- 鶴乃: 最高のピクニックだよ
- フェリシア: デカゴンボールデザートセットは オレのだかんな!?
- 鶴乃: 誰も食べないよ…
- さな: デザートとは言ってますけど、 食玩ばっかりですからね…
- ういの声: やちよさーん こっちにシートひくね!
- やちよ: ええ、お願い
- いろは: うい、そっちの端は持った?
- うい: うんっ
- いろは: それじゃあ、せーのっ
- 灯花: あー、ねむそれダメー!
- 灯花: パンダのピックが刺さってるのは わたくしのだからね!
- ねむ: 誰に所有権があるかなんて 決定も議論もされてないよ、灯花
- ねむ: 僕が灯花に似合う動物は 今ある中だとこれだと思うから
- ねむ: ゾウを譲ってあげるよ
- 灯花: いらにゃーーーい! わたくしはパンダがいいのー!
- うい: ちょっと、灯花ちゃん落ち着いて わたしのヒツジさんあげるから
- いろは: なんだか懐かしい光景
- やちよ: ネコにウシにウマにトリ 色々と揃えてきたのね
- いろは: はい、お父さんとお母さんに おねだりして
- いろは: 色々と買ってもらったんです
- フェリシア: ゆでた野菜も クッキーみたいでいいよな!
- さな: はい、いろんな型抜きを使って 野菜の宝石箱みたいです
- さな: フェリシアさんは、 どの野菜を食べました…?
- フェリシア: いや…オレは野菜とかさ そういうタイプじゃねーから…
- 鶴乃: のあっ!? 万々歳の唐揚げがほとんどない!
- 鶴乃: ちょっとフェリシア! バランスよく食べないとダメだよ
- やちよ: そうよ、ほら ちゃんと野菜も食べないと
- フェリシア: うぅ…ってこれパクチーじゃん! カメムシ食う趣味はねーぞ!
- フェリシア: せめて普通の野菜にしろよ!
- 鶴乃: おぉ、珍しくやちよがボケてる
- やちよ: ふふっ…
- ももこの声: おーい、みんなー!
- いろは: あっ、ももこさん!
- うい: レナさんとかえでさんもいる!
- かえで: 採れたてのお野菜 いっぱい持ってきたよー
- レナ: あーもう、食べられないし 動きたくもない
- レナ: あとはここでずーっと ダラーっとしてたいわー
- かえで: 食べてすぐに寝転がったら ウシさんになっちゃうよ?
- ももこ: でも、そうなっていいぐらい、 心地良い気候だよなー
- 万年桜のウワサ: |ここはうわさの中 だから気温も天気も変わらない|
- ねむ: 草木の香りはしても虫はいない ゆっくりするには最上の地だよ
- 灯花: だってここは、お姉さまが考えた うわさの中だからねー
- ねむ: うん、ういも含めた 僕達4人にとっては約束の地
- ねむ: 穏やかで心地良いのは当然だよ
- フェリシア: すー
- 鶴乃: かー
- さな: ふたりとも、もう寝ちゃった…
- いろは: ふふっ、本当だね
- やちよ: はぁ…
- やちよ: こんな毎日がこれからもずっと 続けばいいわね…
- いろは: 本当にそうですね…
- いろは: そう…同じ日々を 繰り返したいんじゃなくて
- いろは: 同じような日々を 続けていくのがいいんですよね
- やちよ: どうしたの、いろは?
- いろは: やちよさん、頑張りますね
- いろは: みんなが望む未来を止めずに 先の景色を紡いでいけるように
- うい: そろそろ行こうか お姉ちゃん
- いろは: うん
- やちよ: 行くってどこへ?
- いろは: こうした未来を作るための 現実へ
- ラビ: ―ラビ― 環さん、大丈夫?
- ラビ: ―ラビ― その姿って私と同じで キモチに影響されてるんじゃ…
- いろは: ―いろは― そうなんだけど、大丈夫だと思う
- いろは: ―いろは― キモチのみんなが 悪さをしてるわけじゃないから
- いろは: ―いろは― たぶん、キモチの力が流れてきて ういとuserNameも一緒だったから
- いろは: ―いろは― 一時的に力が溶け合った結果だと思う
- いろは: この理想が現実でありますように
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