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Seedmanc

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Dec 1st, 2018
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  1. 「高科義久研究員がなんと史上初のノーベル物理学賞とノーベル化学賞を同時に受賞されました。高科研究員が生み出した『シスダム細胞』は今世紀最大の発明となり、世界的にも賞賛されまさた。高科研究員が発見したのは他にもあり、....。」
  2.  
  3.   俺がたまたまテレビをつけると高科義久研究員の記者会見の映像が流れているのを観た。同時にノーベル賞を受賞したのは史上初の快挙という事で、その日は高科研究員の事しかテレビで流れていなかった。
  4.  
  5.   それから高科研究員は世界各国の大学や研究室からの誘いを受けたが、それらの誘いを断り東京大学の教授に抜擢された。無名の研究者から有名な教授へと知名度を上げたのだ。
  6.  
  7.   しかし、影では「彼の実験内容はありえない結果になっている」、「彼の研究内容ではシスダム細胞の開発は不可能である」などと囁かれてもいた。
  8.  
  9.   「どうして『特物』なんかになったんだよ。」
  10.  
  11.   高科は一切表情を変えなかった。
  12.  
  13.   「私にも色々と諸事情があるんです。あなたには関係のない事ですよ。」
  14.  
  15.   彼の言葉からはどこか哀しい感情がうかがえた。
  16.  
  17.   しかし、敵である以上安心は出来ない。
  18.  
  19.   すると高科は机の横に置いてある試験管と鉄パイプを手に取った。俺はいつでも対応出来るよう頭を回転させた。
  20.  
  21.   「私のシードはこうゆうものです。」
  22.  
  23.   その瞬間、試験管と鉄パイプを合わせた。すると合わせた手の中からは微弱な稲妻が走っているのが見えた。
  24.  
  25.   高科は手の中から試験管と鉄パイプが異様に変形した一つの物体を取り出した。
  26.  
  27.   「私のシードは二つの物体や物質、気体を混合する事が出来る『ミクセクタン』というやつです。私はこのシーダのおかげでノーベル賞を受賞する事が出来たんです。」
  28.  
  29.   俺はすぐさま『データハンド』の能力で、奴のシードの能力や詳細を記憶した。
  30.  
  31.   「そんな非科学的なもんでノーベル賞を受賞して、研究者としてのプライドはないのかよ?」
  32.  
  33.   「それはあるに決まってるじゃないですか。これでも私は研究者ですよ。」
  34.  
  35.   淡々とした口調が続く。
  36.  
  37.   「でも、しょうがないんです。私だって生活があるんです。」
  38.  
  39.   すぐさま高科がナイフと鉄パイプを合成させ、俺に襲いかかってきた。
  40.  
  41. ーーーーーーーーーーーーーーー
  42.  
  43.   ー国会議事堂地下3階ー
  44.  
  45.   俺は26歳の身体に苦戦しながらも戦闘を繰り広げていた。26歳の身体は16歳の身体に比べ筋肉量や身体能力が上がっており、一見有利に見えるがそれらを配慮しての動きが未だに噛み合わない。また西野に触れられると10年進められ、最悪のケースは消えてしまう。恐らく最低でも56歳までは生きているのであろうが、油断は出来ない。
  46.  
  47.   「先ほどよりも身体能力は上がっているはずなんですが噛み合ってませんね。」
  48.  
  49.   西野は余裕のある口調で俺を挑発してくる。これで身体が噛み合えばこんな状況は一転するはずなんだが。
  50.  
  51.   攻撃を避けながら、西野が破壊したイスなどのガラクタを弓化して反撃するが力の調整が難しく、軌道が僅かにブレてしまう。また西野は動体視力と反射神経が俺より秀でておりあっさり避けられてしまう。
  52.  
  53.   だが西野の攻撃を避けている間、少しづつ今の身体に慣れ始めてきていた。
  54.  
  55.   そこで、西野の攻撃に合わせ俺も反撃に出る。西野の右正拳突きを避け、素早く奴の腹部目掛けて蹴りを入れた。油断仕切っている西野は身体が噛み合った俺の蹴りに反応が遅れた。
  56.  
  57.   「ぐはっ!」
  58.  
  59.   俺は思いっきり足を振り切った。すると俺が思っている以上に力が出て、西野は空中に蹴り上げられ壁に激突し、床に叩きつけられた。
  60.  
  61.   「来たぞ。ようやく身体がマッチしてきた。」
  62.  
  63.   俺の蹴りをくらい、西野は初めて息を切らし表情が一変した。
  64.  
  65.   「やってくれましたね。ハァ、もう手は抜きませんよ。」
  66.  
  67.   すると西野は5mはあったであろう距離を瞬時に詰めてきた。
  68.  
  69.   「まじかよ!」
  70.  
  71.   西野の動きが全く見えなかった。まさに瞬間移動の部類の速さだ。
  72.  
  73.   西野の拳が俺の顔目掛けて唸りを上げた。
  74.  
  75.   俺は反射的に側にあったイスのガラクタを手に取り、西野の攻撃を阻止した。しかし西野の拳は弱まる事なく俺を吹き飛ばした。
  76.  
  77.   「くっ」
  78.  
  79.   俺はそのまま床の上に叩きつけられた。身体に激痛が走った。
  80.  
  81.   「すみません。少し力を入れすぎました。」
  82.  
  83.   俺は今まで避けていた疲労が溜まり、中々起き上がる事が出来なかった。
  84.  
  85.   なんとか必死になって起き上がると、西野は余裕そうな顔で俺を見ていた。
  86.  
  87.   疲れのせいで頭の回転も悪くなり、正当な判断が鈍ってきた。
  88.  
  89.   すると俺の頭に「死」という一文字がよぎった。
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