Vi_Vi

Isabeau de Bavière MSS JP Text

Mar 18th, 2022 (edited)
99
0
Never
Not a member of Pastebin yet? Sign Up, it unlocks many cool features!
text 42.35 KB | None | 0 0
  1. FILENAME: text_341221-1.txt
  2. <1424年>
  3. <フランス、パリ>
  4. ミヌゥ: ―ミヌゥ― かしこまりました お母さま…
  5. ミヌゥ: 偉大なるイザボー様より 命を賜りました
  6. ミヌゥ: イヴリーの包囲は そのまま継続せよ、と
  7. ハッ!
  8. ミヌゥ: とはいえ敵の城塞は ほどなく陥落するでしょう
  9. と、申しますと…?
  10. ミヌゥ: コルボーお姉さまが 向かわれましたから…
  11. すごいですね、ミヌゥ様は まだお若いのに
  12. イングランド軍の将に てきぱきと指示をなさって
  13. ラピヌ: ちがうよ~
  14. ラピヌ: たしかにミヌゥは 頭もいいけど…
  15. ラピヌ: いまのはお母さまの伝言を 伝えたんだよー!
  16. イザボー様の…? どういうことでしょう?
  17. 申し訳ありません、ラピヌ様
  18. この子はお仕えを始めてから まだ日が浅く
  19. 何も存じ上げないもので…
  20. ラピヌ: そっかー、じゃあ教えてあげる
  21. ラピヌ: お母さまはほとんど 口を利かなくなっちゃったけど
  22. ラピヌ: ミヌゥだけはお母さまと 少し心がつながってるんだよね
  23. 心が…つながっている…?
  24. ラピヌ: そう!
  25. ラピヌ: だからお母さまのご命令は ミヌゥが聞いて伝えるんだよ
  26. なるほど…
  27. ありがとうございます、ラピヌ様 勉強になりました
  28. ラピヌ: それじゃ、お仕事がんばってね!
  29. …不思議な力をお持ちなのですね ミヌゥ様は
  30. ラピヌ様とコルボー様も それとは違う力をお持ちだわ
  31. イザボー様のご令嬢方は すごい方ばかりなのですね
  32. ええ、そして
  33. イザボー様の孫にあたる ヘンリー国王陛下は
  34. イングランド王国とフランス王国
  35. ふたつの国の 正統なる国王という地位にあるわ
  36. その祖母であらせられる 偉大なるイザボー様は
  37. ふたつの王国を統べる影の女王… と呼ぶにふさわしいお方なのよ
  38.  
  39. FILENAME: text_341221-2.txt
  40. ミヌゥ: …あら?
  41. ラピヌ: おかえり、コルボー!
  42. ミヌゥ: お戻りになられていたのですね コルボーお姉さま
  43. コルボー: ああ、たった今な
  44. イザボー: ………… …………
  45. コルボー: お母さま…?
  46. コルボー: わざわざお出迎え いただかなくとも、こちらから…
  47. イザボー: …サヴァ…
  48. イザボー: ………… …………
  49. ミヌゥ: いかがなさいました? お母さま
  50. ミヌゥ: …はい…ええ… 承知いたしました
  51. コルボー: お母さまはなんと?
  52. ミヌゥ: イヴリーでの働き ご苦労であった、と…
  53. ミヌゥ: 次は、ギーズの友軍の援護に 向かっていただきたいそうです
  54. コルボー: わかった
  55. コルボー: ありがとうございます、お母さま 楽しんでまいります
  56. イザボー: ………… …………
  57. コルボー: ミヌゥ、私が不在の間に
  58. コルボー: あのお方から 他の指示はなかったか?
  59. ミヌゥ: 友軍であるイングランド軍への 言伝がございました
  60. ミヌゥ: ヴェルヌイユの状勢から 目を離さぬように、と…
  61. コルボー: ヴェルヌイユ? …なぜだ?
  62. コルボー: スコットランド軍の動きは 他の都市に向いているようだが
  63. ミヌゥ: さあ、私にも心あたりは…
  64. ミヌゥ: おそらくあの方にしかわからない 何かをお察しなのでは、と
  65. ラピヌ: あれっ? 今度はスコットランド軍が敵?
  66. ミヌゥ: 正確に申しますと…
  67. ミヌゥ: 敵はシャルル王太子派と スコットランド軍の混成軍ですわ
  68. ミヌゥ: 敵は、無知な者たちを扇動して 私たちをイングランド陣営と呼び
  69. ミヌゥ: 自分たちこそ真のフランス軍だ… などと称しておりますが
  70. ミヌゥ: もともと、争っているのは 私たちフランス人同士なのです
  71. コルボー: そうだな、私らは ヘンリー国王陛下を
  72. コルボー: イングランド・フランス両国の 国王と認める陣営
  73. コルボー: だからイングランド軍と 手を結んでいる
  74. コルボー: 一方、それを認めない連中が 南に集うシャルル王太子派…
  75. コルボー: これがフランス国内における 私らの敵だ
  76. ミヌゥ: スコットランドはもともと イングランドと犬猿の仲…
  77. ミヌゥ: 「敵の敵は味方」ということで わざわざ海の向こうから
  78. ミヌゥ: 王太子派に 援軍をよこしたのですわ
  79. ラピヌ: えっと、それじゃ…
  80. ラピヌ: 王太子派とスコットランド軍を
  81. ラピヌ: まとめてぐっちゃぐちゃに すればいいんだよね!
  82. コルボー: そうですね
  83. ミヌゥ: フフ…
  84. 失礼いたします!
  85. コルボー: ン…?
  86. ミヌゥ: 何か?
  87. ミヌゥ: ただならぬ様子ですが…
  88. はい、さきほど入った 報せによりますと
  89. ヴェルヌイユが 敵の手に落ちたとのこと!
  90. コルボー&ミヌゥ: …………!
  91.  
  92. FILENAME: text_341221-3.txt
  93. コルボー: ヴェルヌイユが…落ちた?
  94. ミヌゥ: イングランド軍が 敗れたのですか?
  95. いえ…それが…
  96. 敵のスコットランド軍の 先頭に立つ少女が
  97. 魔法のようなものを 使ったと思うと
  98. 次の瞬間、ヴェルヌイユの市街に 忽然とスコットランド軍が現れ
  99. 無血開城のような形を 余儀なくされた…と
  100. 信じがたい話ですが…
  101. 続報が入りましたら またお知らせします!
  102. ミヌゥ: …どう思います?
  103. コルボー: 単に、報告が間違っていると 思いたいが…
  104. ミヌゥ: にわかには信じがたいことですが
  105. ミヌゥ: お母さまがヴェルヌイユの状勢を 気にかけていらっしゃったのも
  106. ミヌゥ: 少し前から、異変の前兆を 感じておられたゆえかと…
  107. ラピヌ: んー、敵は 魔法を使ったんだよね?
  108. ラピヌ: それって 魔法少女ってことじゃないのー?
  109. コルボー: ええ、私もそれを考えていました
  110. コルボー: しかし…誰がそいつを 魔法少女にしたのか…
  111. コルボー: そいつもお母さまに願いを捧げて 魔法少女になったとでも…?
  112. ミヌゥ: その場合は、侍女の誰かが 裏切ったことになりますが
  113. ミヌゥ: 侍女の中に、そのような魔法を 使う者はおりませんでしたし
  114. ミヌゥ: その可能性はなさそうですわ
  115. コルボー: …面白い
  116. コルボー: そんな敵がいるなら 殺し合いもたっぷり楽しめそうだ
  117. ミヌゥ: ですが…コルボーお姉さまには 別の命令が下っておりますし…
  118. ミヌゥ: ここは私とラピヌお姉さまに 対処はおまかせを
  119. コルボー: ミヌゥたちが? 危険な相手かもしれないぞ
  120. ラピヌ: だいじょーぶ、まかせて!
  121. ミヌゥ: その前に、報告の真偽を 確かめる必要もありますけれど…
  122. コルボー: ………… …………
  123. コルボー: …やはり報告は本当のようだな
  124. ミヌゥ: ええ、ヴェルヌイユには ラピヌお姉さまと私が赴き
  125. ミヌゥ: 敵方の魔法少女に対処します
  126. ミヌゥ: では、準備がございますので…
  127. コルボー: …………
  128. コルボー: (予測がつかない)
  129. コルボー: (敵の魔法少女が どれほどの力を持った存在か…)
  130. コルボー: (…考えにくいことだが)
  131. コルボー: (私たち姉妹すら 凌駕する力を持った魔法少女が)
  132. コルボー: (出現した可能性も 捨てきれない…)
  133. コルボー: (契約済みの侍女たちを ミヌゥたちの護衛につけるか?)
  134. コルボー: (いや、心を失った侍女では 不測の事態には対処できない)
  135. コルボー: (お母さまに助力を願えるなら)
  136. コルボー: (この事態にも容易に 対応ができただろうが…)
  137. コルボー: …………
  138. コルボー: ん…? お母さま…侍女?
  139. コルボー: …………! そうか…それだ!
  140. ラピヌ: 「私も…私も魔法少女になるっ!!」
  141. ラピヌ: 「だからっ!」
  142. ラピヌ: 「だからお母さまを…」
  143. ラピヌ: 「もとに戻してっ!!」
  144. コルボー: (あのとき魔女と化してしまった お母さまは)
  145. コルボー: (ラピヌお姉さまの願いで もとの姿に戻ったが)
  146. コルボー: (お姉さまの 願いをもってしても)
  147. コルボー: (正気を戻すことまでは 適わなかった…)
  148. コルボー: (その後、幾人もの少女に 願いを捧げさせてきたが…)
  149. コルボー: (お母さまが 正気を取り戻すことはなかった)
  150. コルボー: (数刻はおろか、ほんの数瞬…)
  151. コルボー: (意識をこちらに向けられた だろうか、といった有様だった)
  152. コルボー: …だが
  153. コルボー: (ひとつ気づいたことがある)
  154. コルボー: (侍女たちの中でも、才気に 優れた者が願いを捧げた場合)
  155. コルボー: (その結果がより良い方向に つながることが多かった)
  156. コルボー: (それが、生まれであるのか 本人が持っていた資質なのかは)
  157. コルボー: (わからないが…)
  158. コルボー: (ならば アイツがいいだろう…)
  159. コルボー: (高位貴族に連なる血を引き 戯れに見せた弓術でも)
  160. コルボー: (抜群の才があった あの侍女ならば)
  161. コルボー: (せめてこの戦いの間だけでも)
  162. コルボー: (お母さまの正気を戻すことが できるかもしれない…)
  163. コルボー: …あの方の閨に向かうとするか
  164. コルボー: アイツにはせいぜい 心から願ってもらうとしよう
  165. コルボー: ―コルボー― お母さま
  166. コルボー: ―コルボー― …この侍女に、叶えていただきたい 願いがあるそうです
  167. イザボー: ―イザボー― 来なさい(ヴィアン・イスィ)…
  168. イザボー: こうして直接言葉を交わすのは ひさしぶりになるかしらね
  169. イザボー: 我が愛しき娘よ
  170. コルボー: お母さま…!
  171. イザボー: ここまでするからには よほどの事態が起きているのね?
  172. コルボー: はい…
  173. コルボー: ヴェルヌイユにて、敵軍に 正体不明の魔法少女が現れました
  174. コルボー: これからミヌゥたちが 対処に向かう予定ですが…
  175. イザボー: …なるほど、万全を期すなら 私が直接赴く方がよさそうね
  176. ???: …………
  177. イザボー: この子が、私を今の状態に 戻した侍女ね
  178. イザボー: 光栄に思いなさい この女王の翼賛となれたことを
  179. コルボー: はい、さる貴族からの 預かりだった者ですが
  180. コルボー: 元より弓術を得意としていた からでしょうか…
  181. コルボー: 武器は、なかなか 強力な魔力を持った弓のようです
  182. ???: …………
  183. イザボー: ふふ、友軍のイングランドも
  184. イザボー: 弓兵に重きを置いた戦術を 得意としていたわね
  185. イザボー: ちょうどいいわ
  186. イザボー: ヴェルヌイユには この子と一緒に向かいます
  187. イザボー: そうね 褒美として名をあげましょう
  188. イザボー: あなたのことは
  189. イザボー: “矢(フレシュ)”と 呼んであげる
  190. こくっ
  191. イザボー: では、支度を始めるわ
  192. イザボー: フレシュ、こちらへ
  193. フレシュ: …………
  194. コルボー: (…これで)
  195. コルボー: (ミヌゥたちを 危険に晒さずに済む…)
  196.  
  197. FILENAME: text_341221-4.txt
  198. <1424年8月>
  199. <フランス、ヴェルヌイユ近郊>
  200. <連合イングランド陣営>
  201. ざわ…
  202. …いったい何事だ?
  203. い、イザボー様が いらっしゃいました!
  204. なっ…? こんな最前線にか?
  205. 急ぎ、お迎えの準備を!
  206. イザボーの声: …必要ありませんわ 邪魔になる前に引き揚げますので
  207. イザボー: ヴェルヌイユを取り戻すための 一大決戦を前に
  208. イザボー: 前線で日々、戦っていらっしゃる 方々の慰問に参りましたの
  209. イザボー: 少し、お話を 聞かせていただけますかしら
  210. は…はいっ
  211. イザボー: …ひとつお伺いしますわ
  212. イザボー: このイングランド陣営で 最も有能な将は誰でしょう?
  213. ハッ、それはもちろん
  214. 総指揮官たるイングランド摂政 ベッドフォード公かと!
  215. イザボー: …ふふ、そうね
  216. イザボー: こんな聞き方をされたら誰だって 総大将が一番と答えるわよね
  217. イザボー: それじゃ、2番目に有能な将は 誰だと思う?
  218. イザボー: あなたたち自身が本当にそう思う 人の名を教えてほしいの
  219. …………
  220. …私の考えでは… ジョン・タルボット様かと
  221. そうだな…普段は 飄々とされているが
  222. あの方の勇猛さを 兵たちはみな知っている
  223. イザボー: そう そういうお話が聞きたかったの
  224. イザボー: ふふ… いいお話が聞けたわね
  225. イザボー: (ジョン・タルボット… 苦労人で腰の低い大食漢)
  226. イザボー: (戦場では勇猛で信義に厚く 兵の信頼は高いけれど…)
  227. イザボー: (イングランドの弓兵隊が 騎兵たちを薙ぎ払い)
  228. イザボー: (騎士の時代が終わりつつある 現実が見えぬほど馬鹿ではない)
  229. イザボー: (これから始まる一大決戦では この男に花を持たせましょう)
  230. イザボー: …………
  231. イザボー: (内通者の情報によると 敵軍では、重要な一翼を)
  232. イザボー: (これがほぼ初陣となる 若きアランソン公が担うはず)
  233. イザボー: (友軍の配置にわざと隙を作って 誘い込みましょう)
  234. フレシュ: …………
  235. イザボー: ふふ…そのときは あなたに役に立ってもらいますよ
  236. イザボー: あとは、敵方の魔法少女… これをどうにかするだけね
  237. イザボー: ふふ… この姿になるのは、ひさしぶりね
  238.  
  239. FILENAME: text_341222-1.txt
  240. <1424年>
  241. <フランス、ヴェルヌイユ近郊>
  242. イザボー: さあ…いよいよ 一大決戦が始まるわね
  243. イザボー: 本格的な会戦の前に… すべきことをしておきましょう
  244. イザボー: …ふふっ
  245. イングランド軍など恐れるな!
  246. 我らには神のご加護を受けた 少女がついている!
  247. おおぉー!
  248. 次は、兵隊さんたちが この場所に隠れられるように
  249. 魔法をかけて…と
  250. ――っ!?
  251. イザボー: なるほど 目くらましの魔法でしたか
  252. イザボー: あなたね? イングランド軍を惑わせて
  253. イザボー: だまし討ちでヴェルヌイユを 陥落させた魔法少女は
  254. …あ、あなたは …誰…?
  255. イザボー: あなたと同じ キューブと契約した魔法少女よ
  256. イザボー: さあ、答えなさい
  257. イザボー: あなたはいったい何を願って 魔法少女になったの?
  258. …わ…私は… 王太子様の軍勢に
  259. イングランド軍から 町を奪い取ってほしくて…
  260. イザボー: …なるほど
  261. イザボー: 王太子派とスコットランド軍が 急に狙いを変えて
  262. イザボー: ヴェルヌイユが不思議なほど あっけなく陥落したのは
  263. イザボー: あなたの願いのせいだったのね
  264. …………
  265. イザボー: どんな敵かと思えば いじましいものね
  266. イザボー: ささやかな願いにふさわしい まるで取るに足らぬ力
  267. イザボー: 目くらましの魔法で 軍勢を隠したり
  268. イザボー: 人々を鼓舞する… といったところがせいぜいかしら
  269. …何が言いたいの…!
  270. イザボー: あら…これは失礼したわね
  271. イザボー: でも、もういいの 言いたかったことはこれだけよ
  272. イザボー: …邪魔だから消えなさい
  273. ――っ!?
  274. イザボー: …ふふ
  275.  
  276. FILENAME: text_341222-2.txt
  277. スコットランド軍の 援軍はまだか!
  278. …イングランド軍に見つかって 足止めされている模様です!
  279. 少女の目くらましの術が… 利かなかったのか?
  280. イザボー: …その通り
  281. イザボー: もう、あなたたちの希望は 絶たれましたわ
  282. ――っ!?
  283. [live2dName:live2d_1:effect_shake][live2dName:live2d_0:effect_shake]うわぁああっ!!!
  284. イザボー: ふふ… 他愛のないこと
  285. イザボー: このまま皆殺しにするのも 一興ですが…
  286. イザボー: イングランドのお味方が 手柄をあげられるように
  287. イザボー: 敵兵も少しだけ 残しておいてあげましょう
  288. イザボー: うふふ…
  289. ジョン・タルボット: 「さあ、好機ですよ!」
  290. ジョン・タルボット: 「イングランドの勇士たちよ! このジョン・タルボットに続きなさい!」
  291. ジョン・タルボット: 「フランス軍もスコットランド軍も まとめて踏み潰してやりましょう!」
  292. うぉおおおおーーーっ!!!
  293. …な、なんだ!?
  294. イングランド軍襲来! 先頭はジョン・タルボット!
  295. まずいぞ
  296. こちらは先の攻撃で かなりの痛手を受けている
  297. …だが妙だな 敵の右翼がガラ空きだぞ
  298. 確かに、隙だらけに見えます
  299. わざと空けてあるのか? 罠とも思えるが…
  300. アランソン公: 「反撃開始! イングランド軍の右翼を突くぞ!」
  301. 「うぉぉおーっ!!」
  302. ――っ!?
  303. あれは… 味方のアランソン公か!
  304. はい、残る騎兵隊を率いて 突撃を敢行した模様です!
  305. …いやな予感がする まさか、敵軍は
  306. 右翼側の指揮官がまだ若い アランソン公と見越して…?
  307. フレシュ: ………… …………
  308. なんだ? …イングランドの弓兵か?
  309. だが、少女ただひとりで 何をしようと…
  310. フレシュ: …………!
  311. [live2dName:live2d_1:effect_shake][live2dName:live2d_0:effect_shake][live2dName:live2d_2:effect_shake]ぐあぁああっ!!
  312. …どういうことだ!?
  313. たったひとりの弓兵を相手に …一瞬で…?
  314. イザボー: ふふっ…フランスの騎士たちも 芸のないこと…
  315. イザボー: 騎士の時代はもう終わるの
  316. イザボー: 何もない平野で闇雲に突撃すれば イングランドの弓兵の餌食になる
  317. イザボー: 先のアジャンクールの大敗で
  318. イザボー: 嫌というほど 思い知ったことでしょうに…
  319. イザボー: 勝負は決しました ヴェルヌイユは奪還したも同然
  320. イザボー: 連合イングランド陣営の大勝です
  321. イザボー: アランソン公は 生かしておきなさい
  322. イザボー: 捕虜として有効利用しないと
  323. フレシュ: …………
  324. カサ…
  325. イザボー: ん…?
  326. おい、味方をこのまま 見殺しにしていいのか?
  327. …無念だが、我々が駆けつけても 死体がふたつ増えるだけだ
  328. 任務通り、あの魔法を使う少女を しっかりと見ておくんだ
  329. その詳細をリッシュモン様に 余さず報告することが
  330. いつかフランスを 救うことになる…!
  331. イザボー: (アルテュール・ド リッシュモン…)
  332. イザボー: (シャルル王太子派に寝返った 有力貴族ね)
  333. イザボー: (これからの戦争に勝利する鍵は 魔法少女と組織戦…)
  334. イザボー: (敵にも、先が見えている者が いるようね)
  335. イザボー: (面白い…権勢をめぐる遊戯は こうでなくては)
  336.  
  337. FILENAME: text_341222-3.txt
  338. <3年後…>
  339. <1427年>
  340. <フランス、パリ>
  341. ミヌゥ: …………
  342. ラピヌ: あ、ミヌゥ! おかえり!
  343. コルボー: お母さまの閨で 何を話していたんだ?
  344. ミヌゥ: ええ、敵側への 宮廷工作について少々…
  345. コルボー: …確かに敵方の宮廷には 厄介な男がいる
  346. コルボー: フランス軍元帥リッシュモンは 敵ながら有能な軍人で政治家だ
  347. コルボー: さっさと失脚してもらわないと こちらとしてもやりづらい
  348. ミヌゥ: まさにその男の話ですわ
  349. ミヌゥ: ヴェルヌイユの戦いの頃より お母さまは警戒しておりました
  350. コルボー: (ヴェルヌイユの戦い…3年前 お母さまが正気に返ったときか)
  351. コルボー: (やはり、お母さまは 戦いのあと)
  352. コルボー: (もとの状態へと 戻ってしまったが…)
  353. コルボー: (あの大勝でタルボットも 騎士の叙勲を受けて)
  354. コルボー: (連合イングランド陣営も 多少マシになったんだったな…)
  355. ミヌゥ: シャルル王太子派が リッシュモンを抜擢した裏には
  356. ミヌゥ: 王太子の義母である
  357. ミヌゥ: ヨランド・ダラゴンの暗躍が ささやかれております…
  358. コルボー: だが、宮廷工作というなら…
  359. コルボー: シャルルの寵臣を使って すでにやっているはずだが?
  360. ラピヌ: お母さまのところに 出入りしている男がいたよねー?
  361. ミヌゥ: ピエール・ド・ジアックですわね 彼は用済みですわ
  362. ラピヌ&コルボー: ――っ!?
  363. ミヌゥ: これまでリッシュモンへの妨害は ジアックにまかせてきましたが
  364. ミヌゥ: どうにも無能で、これ以上は こちらの害にもなりかねないので
  365. コルボー: 用済み…暗殺か
  366. ラピヌ: 殺っちゃうんだ?
  367. ミヌゥ: そういうことですわ
  368. ミヌゥ: ただ、こちらで手を下さずとも
  369. ミヌゥ: リッシュモンの一派の誰かが 先に動く気配もありますが…
  370. コルボー: …そのあとはどうする?
  371. コルボー: ジアックが死ねば、むしろ リッシュモンの権限が強まるぞ?
  372. ミヌゥ: お母さまはそのかわりに
  373. ミヌゥ: ラ・トレモイユという男を 後釜に据えさせる意向ですわ
  374. ミヌゥ: 王太子に多額の貸付をして 宮廷内で力を増している文官です
  375. ミヌゥ: 金づるである大貴族の孫… ジル・ド・レ卿に近づくなど
  376. ミヌゥ: 出世に抜け目のない男ですわ
  377. ラピヌ: そいつにまかせて大丈夫なの?
  378. ミヌゥ: お母さまによると
  379. ミヌゥ: ラ・トレモイユはある意味で 最も信頼できる男だ…と
  380. コルボー: なぜだ?
  381. ミヌゥ: 彼は“正統のフランス王家”に 忠誠を捧げています
  382. ミヌゥ: シャルル王太子は 私たちの兄弟であり
  383. ミヌゥ: お母さまの…イザボー様の 血を引く王子ではありますが
  384. ミヌゥ: 父親が定かではないとして 世継ぎの身分を剥奪されています
  385. コルボー: …先代フランス王の血を 引いていないというわけだな
  386. コルボー: むろん王太子派は否定しているが
  387. ミヌゥ: ええ…一方、イングランド国王と フランス国王を兼任される
  388. ミヌゥ: 我らがヘンリー6世陛下は 先代のフランス王のみならず
  389. ミヌゥ: 父方のヘンリー5世の側からも フランス王の血を色濃く引くお方
  390. ミヌゥ: それを支持するラ・トレモイユは シャルル王太子派にありながら
  391. ミヌゥ: 連合イングランド陣営への 最も忠実な内通者と言えるのです
  392. コルボー: …なるほど
  393. コルボー: フランスを愛するあまり 王太子を裏切ろうというわけか
  394. コルボー: 面白い見世物が見られそうだ!
  395. ラピヌ: それで、暗殺ってどうするの?
  396. ミヌゥ: この子を使いますわ
  397. フレシュ: …………
  398. コルボー: 弓で射殺すのか
  399. ミヌゥ: ええ、遠い距離から より確実に射止めるために
  400. ミヌゥ: この子の弓がより強くなるよう 別の侍女に願いを捧げさせました
  401. ラピヌ: また魔法少女が増えた?
  402. ミヌゥ: ええ、新しい子は…
  403. ミヌゥ: “刃(ラム)”と呼びましょう
  404. ラム: …………
  405.  
  406. FILENAME: text_341222-4.txt
  407. …行くぞ
  408. …ああ
  409. ジアック: …………
  410. ザッ
  411. ジアック: ――っ!?
  412. ジアック様、我々と一緒に 来ていただきましょう
  413. ジアック: …リッシュモンの手の者か?
  414. 我々はフランスの将来を憂い リッシュモン様を支持している
  415. だがこれは リッシュモン様の命令ではない
  416. 動けばこの場で殺します
  417. おとなしく同行していただければ 弁明の機会は差し上げましょう
  418. ジアック: …即決裁判か 私刑と変わらんな
  419. どうされますか?
  420. ジアック: 拒否すれば殺すのだろう?
  421. 察しがよくて助かります 馬がございますので、こちらへ
  422. ミヌゥ: 私たちに先んじて…
  423. ミヌゥ: リッシュモンに近い者たちが ジアックを捕縛したようですわね
  424. ミヌゥ: ですが、ここは口封じも兼ねて 確実に死んでいただかないと…
  425. ミヌゥ: フレシュ、ラム
  426. フレシュ&ラム: …………
  427. ミヌゥ: 今からこの先の砦に ジアックが運び込まれます
  428. ミヌゥ: フレシュは相手に見られぬよう
  429. ミヌゥ: 遠い距離から 一撃で確実に仕留めなさい
  430. フレシュ: …………
  431. ミヌゥ: ラム、あなたは邪魔が入らぬよう 周囲の警戒を
  432. ラム: …………
  433. パカッ、パカッ…
  434. ミヌゥ: …来たようですわね
  435. …ん?
  436. どうした?
  437. 馬の様子が…
  438. ドンッ
  439. ドサッ
  440. ジアック: ………… …………
  441. おいっ…!
  442. 死んでいる…!? どこから矢を放った!
  443. 誰もいないぞ…?
  444. いったいどうなってる!
  445. フレシュ: …………
  446. ミヌゥ: ふふ… 上出来です
  447. ラム: …………!
  448. ミヌゥ: ん…? 誰かそこにいるのですか?
  449. ミヌゥ: 後を追いなさい、ラム
  450. ラム: …………
  451. ラム: …………!
  452. ブゥン
  453. ペレネル・フラメル: …………
  454. ペレネル・フラメル: 気づかれてしまいましたか
  455. ペレネル・フラメル: 私たちの目的は監視のみ
  456. ペレネル・フラメル: 厄介なことになる前に ここは退きましょう
  457. ミヌゥ: ジアックの暗殺に 成功いたしました
  458. イザボー: …サヴァ…
  459. ミヌゥ: ありがとうございます
  460. ラピヌ: 結局どーなったの?
  461. ミヌゥ: リッシュモンの一派の何者かが ジアックを処断するところでした
  462. ミヌゥ: そこで、こちらで横入りして 口封じしたのですわ
  463. ミヌゥ: 世間は、リッシュモンの仕業だと 考えるでしょうけれど…
  464. コルボー: 次は後釜に ラ・トレモイユを据えるんだな
  465. ミヌゥ: ええ、あのリッシュモンという男
  466. ミヌゥ: 外様貴族の出身ながら シャルル王太子に絶対忠実で
  467. ミヌゥ: 王太子にとって耳の痛いことも 進言する“義の者”だとか…
  468. ミヌゥ: そのため 宮廷内でも政敵が多い様子
  469. コルボー: 有能な将ほど足を引っ張られる… あっちの陣営の自滅だな
  470. ミヌゥ: ええ、ですからこの機に ラ・トレモイユが
  471. ミヌゥ: 王太子の寵臣の座を勝ち得れば 宮廷内の不協和音を利用して
  472. ミヌゥ: 邪魔者のリッシュモン元帥も 一気に失脚まで追い込めるかと…
  473. フレシュ&ラム: …………
  474. <1427年>
  475. <シャルル王太子 ラ・トレモイユを侍従長に任命>
  476. <翌1428年>
  477. <アルテュール・ド・リッシュモン元帥 宮廷より追放される>
  478. イザボー: …全ては…支配のため
  479.  
  480. FILENAME: text_341223-1.txt
  481. <1428年10月12日>
  482. <オルレアン包囲戦、開始>
  483. ペレネル・フラメル: オルレアンがイングランド軍に 包囲された…?
  484. キューブ: そうみたいだ まだ陥落はしていないけれど
  485. キューブ: オルレアンが落ちれば フランスはかなり厳しくなるね
  486. ペレネル・フラメル: …そうね
  487. ペレネル・フラメル: フランス北部はほぼ イングランド陣営の勢力下で
  488. ペレネル・フラメル: パリも、ノートルダム大聖堂の あるランスも敵の手中にあるわ
  489. ペレネル・フラメル: オルレアンは シャルル王太子派にとって
  490. ペレネル・フラメル: 最後の砦とも言える都市…
  491. ペレネル・フラメル: ここぞとイングランド陣営も 攻勢を強めてくるでしょうね
  492. <1429年2月>
  493. <フランス、パリ>
  494. イザボー: …………!
  495. ミヌゥ: …かしこまりました ではそのように
  496. ラピヌ: ミヌゥ! お母さまは、なんて…?
  497. ミヌゥ: オルレアン近郊まで 我ら3人で出向くように、と
  498. コルボー: 3人で? ひさしぶりだな
  499. ミヌゥ: ええ… お母さまのお言葉によりますと
  500. ミヌゥ: いずれオルレアンという舞台に あらゆる役者が集う、と
  501. ミヌゥ: これは、その 第1幕というところですわ
  502. <1429年2月12日>
  503. <フランス、オルレアン近郊>
  504. ドサッ
  505. バタール: …我々の…奇襲は
  506. バタール: 成功したはずでは なかったのか?
  507. ミヌゥ: 残念でしたわね
  508. ミヌゥ: イングランド軍補給部隊の 倍以上もの兵力を
  509. ミヌゥ: 参集させた強襲作戦
  510. ミヌゥ: その手並みといい、連携といい 見事な攻撃でしたわ
  511. ミヌゥ: さすがは若くして
  512. ミヌゥ: この重要な 都市の指揮をまかされた
  513. ミヌゥ: “オルレアンの私生児 (バタール・ドルレアン)”
  514. バタール: くっ…
  515. コルボー: ミヌゥ お前は優しいなァ
  516. コルボー: 何千の兵を集めたか知らないが 私たちの前では紙クズも同じ
  517. コルボー: コイツは無駄なことをした 無能な指揮官だろうが
  518. ラピヌ: ウヒヒヒ♪ コルボーの言う通りだよ
  519. ラピヌ: こいつら全然 遊び甲斐がないんだから!
  520. コルボー: さぁ立ちなよ司令官どの!!
  521. コルボー: 無能なりに最後まで 戦ってみせな!!
  522. バタール: 貴様っ…
  523. ザッ
  524. 皆! 司令官を守れ!!
  525. コルボー: なんだァ?
  526. コルボー: まだ結構いるじゃないか 遊べそうなのが
  527. バタール: ダメだ! お前たち、逃げ…
  528. コルボー: …………!
  529. ドサッ
  530. バタール: あぁ… なんてことだ…
  531. ラ・イル: ここにいたのかバタールの旦那! 探したぜ
  532. バタール: ラ・イル!?
  533. ラ・イル: 立てるか? とっととズラかるぞ!
  534. ラ・イル: アンタが死んだら オルレアンはおしまいだ
  535. ラ・イル: 無理にでも連れて行くぜ
  536. ミヌゥ: いったいどこへ行きますの? 敗軍の将は潔くありませんと
  537. ミヌゥ: 九尾の猫(シャ・ア・ヌフクゥ)
  538. ミヌゥ: あら?
  539. ミヌゥ: 死体がない… 逃げられてしまったかしら?
  540. ミヌゥ: あれが“憤怒(ラ・イル)”の 異名を持つ傭兵
  541. ミヌゥ: エティエンヌ・ド・ヴィニョル…
  542. ミヌゥ: まだまだ楽しませて いただけそうね
  543.  
  544. FILENAME: text_341223-2.txt
  545. <フランス、パリ>
  546. イザボー: …………
  547. ミヌゥ: ええ、仰る通りです お母さま
  548. ミヌゥ: 敵も味方も… 役者がより多く揃うほど
  549. ミヌゥ: 舞台は盛り上がるというもの…
  550. イザボー: …………
  551. <1429年2月>
  552. …………
  553. ペレネル・フラメル: …あれは…? ラ・イルの隊…でしょうか
  554. ペレネル・フラメル: シノンの方へ向かっている…?
  555. ペレネル・フラメル: (オルレアンでは数千の兵が 命を落とし…)
  556. ペレネル・フラメル: (フランス軍にとっては 絶望的な戦況と聞きますが…)
  557. ペレネル・フラメル: (一方で、希望の光も 差し込みはじめています)
  558. ペレネル・フラメル: 「フランスは ひとりの少女によって救われる」
  559. ペレネル・フラメル: 予言の主役はいつ 舞台に上がるのか…
  560. <1429年3月6日>
  561. <フランス、シノン城>
  562. メリッサ・ド・ヴィニョル: お父様 飲み過ぎです!
  563. メリッサ・ド・ヴィニョル: せっかく無事に戻ってきて くれたのに
  564. メリッサ・ド・ヴィニョル: 体を壊されたら 元も子もないですからね!
  565. ラ・イル: 堅いこと言うなって
  566. ラ・イル: どうにか戦場から 帰ってきたってのに
  567. ジル・ド・レ: オルレアンでは 大変だったようですね
  568. ジル・ド・レ: ラ・イル
  569. メリッサ・ド・ヴィニョル: (さすがシャルル王太子様の 玉座の間…)
  570. メリッサ・ド・ヴィニョル: (すごい人たちばかり 集まってる)
  571. メリッサ・ド・ヴィニョル: (シャルル王太子様に 侍従長のラ・トレモイユ様)
  572. メリッサ・ド・ヴィニョル: (王太子様の義母にあたる ヨランド・ダラゴン様も…)
  573. ラ・トレモイユ: 「この度は“乙女(ラ・ピュセル)”と称する 身分怪しき女がこの宮廷を訪れる…」
  574. ラ・トレモイユ: 「そのような奇異なる催しにも関わらず ご参集いただきありがたく思います」
  575. シャルル王太子: …皆もすでに聞き及んで いるとは思うが
  576. シャルル王太子: ヴォークルールで噂になった “乙女”が私にひと目会いたいと
  577. シャルル王太子: そういうことで 今日を迎えたわけだ
  578. シャルル王太子: 面白い噂ではあるが
  579. シャルル王太子: その娘が本当に神の使いであるか 確かめてみたいと思わないか?
  580. ざわ…
  581. メリッサ・ド・ヴィニョル: (えっ…“乙女”を試す…?)
  582. メリッサ・ド・ヴィニョル: (玉座には王太子様でなく ジル・ド・レ様を座らせて)
  583. メリッサ・ド・ヴィニョル: (シャルル王太子様は 客人の中に隠れるって…)
  584. 「“乙女(ラ・ピュセル)”到着いたしました!」
  585. ラ・トレモイユ: 「よし、入室せよ」
  586. タルト: …………
  587. メリッサ・ド・ヴィニョル: (あれが“乙女”… 私と同じ年くらい?)
  588. メリッサ・ド・ヴィニョル: (思ってたのより ずっと小柄で…)
  589. メリッサ・ド・ヴィニョル: (それに… あれは一体…?)
  590. ジル・ド・レ: お前が“乙女”と呼ばれし娘か
  591. ジル・ド・レ: よくこのシノン宮廷まで 参ったものだな
  592. タルト: …………
  593. ラ・イル: いくらなんでも悪趣味ですぜ シャルル様
  594. シャルル王太子: そう言うなラ・イル
  595. シャルル王太子: あの娘が本当に 神の使いであるならば
  596. シャルル王太子: 替え玉などに惑わされず
  597. シャルル王太子: 私を見誤ることなど ないはずであろう?
  598. タルト: …………
  599. タルト: …この方は
  600. タルト: 王太子様ではありません!
  601. ざわっ
  602. シャルル王太子: 「聞け!」
  603. シャルル王太子: 「皆の者!!」
  604. シャルル王太子: この者 真の乙女
  605. シャルル王太子: 真の神の使いなり!!
  606.  
  607. FILENAME: text_341223-3.txt
  608. <1429年4月>
  609. <フランス、シノン城>
  610. <オルレアン解放作戦、開始>
  611. ジル・ド・レ: 我らは追い詰められつつある…
  612. ジル・ド・レ: イングランドによる フランス王国の簒奪…
  613. ジル・ド・レ: オルレアンを奪われれば
  614. ジル・ド・レ: それはまさしく 現実のものとなるのだ…
  615. ジル・ド・レ: だがっ
  616. ジル・ド・レ: シャルル王太子
  617. ジル・ド・レ: そして神に認められし “乙女”とともに
  618. ジル・ド・レ: 我らはオルレアンへと出立する!
  619. ジル・ド・レ: 恐れるな 兵士たちよ!
  620. ジル・ド・レ: 我らは天の意志とともに あるのだ!
  621. うおおおぉぉぉぉっ!!
  622. タルト: …………
  623. ラ・イル: …派手好きな男だねぇ
  624. パカッ、パカッ…
  625. リズ・ホークウッド: どうかしら、タルト?
  626. リズ・ホークウッド: アランソン公に賜った 白馬の乗り心地は
  627. タルト: とても利口な馬で 私にはもったいないくらいです!
  628. タルト: あの…
  629. タルト: メリッサは戦場に行くというのに 怖くはないんですか?
  630. メリッサ・ド・ヴィニョル: 小さい頃から傭兵である お父様と一緒に
  631. メリッサ・ド・ヴィニョル: フランス中を 転々としていましたから
  632. ラ・イル: 俺としちゃあ 従軍なんかしないで
  633. ラ・イル: シノンで待つよう 今からでも考え直してほしいがな
  634. メリッサ・ド・ヴィニョル: …でも今は 何より“乙女”の…
  635. メリッサ・ド・ヴィニョル: タルトのお役に立ちたいんです
  636. メリッサ・ド・ヴィニョル: あの日謁見式で見た姿は 本当に奇跡のようでした
  637. メリッサ・ド・ヴィニョル: …だから私は決めたんです
  638. キューブ: …………
  639. ザッ…
  640. ペレネル・フラメル: 出会うべくして出会った人々が “乙女”のもとに集い
  641. ペレネル・フラメル: 運命の歯車が 大きく加速しはじめた
  642. ペレネル・フラメル: “乙女”ジャンヌは この絶望的な戦況を覆して
  643. ペレネル・フラメル: イングランド軍に包囲された オルレアンの町を
  644. ペレネル・フラメル: 解放することができるのかしら?
  645. ペレネル・フラメル: …ささやかながら、私も “乙女”の助けとなりましょう
  646. ペレネル・フラメル: ―ペレネル― 魔法で冶金しなおした このクロヴィスの剣を携えて…
  647. イザボー: …………
  648. ミヌゥ: …お母さま どうぞ次のご指示を
  649. イザボー: ………… …………
  650. ミヌゥ: …オルレアンはひと息に落とさず まだ保たせ、餌にせよ…?
  651. ミヌゥ: …かの光のもとに誕生した 我らの敵をおびき出すための餌に
  652. ミヌゥ: なるほど 私たちはどういたしましょう?
  653. イザボー: …………
  654. ミヌゥ: 承知いたしました
  655. ミヌゥ: フレシュ、こちらへ
  656. フレシュ: …………
  657. <1429年4月>
  658. <フランス、オルレアン近郊>
  659. ぐはっ!?
  660. グチャ…
  661. ラピヌ: フーン♪ フーン♪
  662. コルボー: ラピヌお姉さま ほどほどにしないと汚れますよ
  663. ラピヌ: だーめ まだまだ遊ぶの!
  664. ラピヌ: 汚れたら後でコルボーに
  665. ラピヌ: お風呂で洗ってもらうから いいのー♪
  666. コルボー: そりゃ かまいませんが
  667. ラピヌ: おおっ!?
  668. ミヌゥ: お姉さま方 ただ今戻りました
  669. ラピヌ: おかえり~
  670. コルボー: 戻ったか、ミヌゥ 何かご指示は出たのか?
  671. ミヌゥ: えぇ、オルレアンには この子とコルボーお姉さまが残り
  672. ミヌゥ: 私とラピヌお姉さまは 一旦帰還せよ…と
  673.  
  674. FILENAME: text_341223-4.txt
  675. <1429年5月>
  676. <フランス、パリ>
  677. ラム: …………
  678. イザボー: …おいでなさい (ヴィアン・イスィ)…
  679. ミヌゥ: はい、お母さま…
  680. ミヌゥ: “乙女”なる者はついに オルレアンに入り
  681. ミヌゥ: 包囲するイングランド軍から 次々に砦を奪い返しています
  682. ミヌゥ: 敵方の士気は高揚し
  683. ミヌゥ: 奇跡の聖女などという流言を 信じる者が増えておりますし
  684. ミヌゥ: 万が一、トゥーレル砦が 落とされるようなことがあれば
  685. ミヌゥ: 我が方の敗北は決定的…
  686. ミヌゥ: 舞台としては 最高潮を迎えようとしています
  687. ミヌゥ: もちろん…
  688. ミヌゥ: オルレアンにコルボーお姉さまと フレシュだけを残したのは
  689. ミヌゥ: “乙女”らを存分に、いたぶって いただくためと存じますが
  690. イザボー: ………… …………
  691. ミヌゥ: イングランド軍の陣容ですか?
  692. ミヌゥ: 総司令をはじめ 少々頼りない面々ですが…
  693. ミヌゥ: あの男…タルボットは健在です
  694. ミヌゥ: コルボーお姉さまの 邪魔をすることもないでしょう
  695. ミヌゥ: 敵方はバタール、ラ・イル ジル・ド・レ、そして“乙女”…
  696. ミヌゥ: ただ追放中のリッシュモン元帥と アランソン公は不在と
  697. ミヌゥ: 幾人かの役者を欠いた状態の ようですが…
  698. イザボー: …………
  699. ミヌゥ: おや…?
  700. ミヌゥ: オルレアンには他にも 役者が集う気配があると?
  701. ミヌゥ: それは楽しみですこと…
  702. ザッ…
  703. エリザ・ツェリスカ: リッシュモン元帥のところまで お通しいただけますか?
  704. 失礼ですが、あなたは…
  705. エリザ・ツェリスカ: 神聖ローマ帝国 ドラゴン騎士団がひとり
  706. エリザ・ツェリスカ: エリザ・ツェリスカと
  707. エリザ・ツェリスカ: 同じくドラゴン騎士団の
  708. エリザ・ツェリスカ: オスヴァルト・フォン ヴォルケンシュタインが
  709. エリザ・ツェリスカ: 参りましたと伝えなさい
  710. ど…ドラゴン騎士団…!? はい、直ちに…!
  711. エリザ・ツェリスカ: リッシュモンとともに…
  712. エリザ・ツェリスカ: 噂の“乙女”の 実力がいかほどか
  713. エリザ・ツェリスカ: この目で確かめてやりますわ!
  714. <1429年5月7日>
  715. <オルレアン近郊、トゥーレル砦>
  716. 報告いたします!
  717. フランス軍強襲!
  718. 先頭には あの“乙女”がおります!!
  719. カツン
  720. コルボー: はじめまして“乙女”
  721. コルボー: この日を楽しみにしておりました
  722. タルト: あなたが… イングランドの魔法少女
  723. コルボー: イングランド? そうか…
  724. コルボー: まだ何も 分かっちゃあいないんだな
  725. コルボー: 私はコルボー
  726. コルボー: 分かりやすく言えば… あんたらの敵だよ!
  727. イザボー: …………
  728. ミヌゥ: …トゥーレル砦をめぐる決戦が ついに始まったようですわ
  729. イザボー: ………… …………
  730. ミヌゥ: ええ、私も楽しみですわ
  731. ミヌゥ: オルレアンをめぐる攻防…
  732. ミヌゥ: たっぷりと時間をかけて 配役を終えた
  733. ミヌゥ: この、至上の舞台が
  734. ミヌゥ: どのような幕切れを迎えるのか…
  735. イザボー: ………… …………
  736. イザボー: …そして世界を…我がものに…!
Add Comment
Please, Sign In to add comment