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- Mashu
- レイシフト、成功しました。
- ……これは。視界が……阻害されるほどの状態です。
- Mashu
- 霧……?
- いえ、もしくは煙でしょうか。凄い濃度です……
- Mashu
- 空には……
- やはり、これまでと同じ「光の輪」を確認。ですが……
- Mashu
- それさえ、この霧または排煙のせいで
- はっきりとは
- Dr. Roman
- 空を埋め尽くすほどの霧、煙。
- それ自体は産業革命の頃には珍しくはないけど……
- Dr. Roman
- いいや、ただの霧や煙ではないようだ。
- こちらでは異常な魔力反応として検出されている。
- Dr. Roman
- 凄い濃度だ。とても濃い。濃いな。
- いや、これはちょっと濃すぎるんじゃないか……!
- Dr. Roman
- まるで、大気に魔力が充満しているようだ。
- 大気の組成そのものに魔力が結び付いたクラスだよ!
- Dr. Roman
- 生体に対して有害なほどのモノだよ、これは……
- マシュ、[%1][&君:ちゃん]、体の調子は?
- Mashu
- わたしは問題ありません。
- デミ・サーヴァントであるからでしょうか。
- Mashu
- 先輩はどうですか?
- 様子は……普段と、そう変わらなく見えますね。
- ?1:普通だよ
- ?!
- Mashu
- 良かった。
- ですが、できれば濃い霧には入らないで下さい。
- Dr. Roman
- [%1][&君:ちゃん]も異常なし、か。
- 確かにバイタルの測定にもさしたる変動はないかな。
- Dr. Roman
- ちょっと驚いたな。
- その霧の観測結果が出て来たんだけどね……
- Dr. Roman
- 断言しよう、生体には有害だ。
- 通常の人間であれば、深く吸いこめば命に関わる。
- Dr. Roman
- 何らかの由来で魔術的な耐性を有しているとか、
- 魔術師や怪物、サーヴァントや幻想種であれば別だよ?
- Dr. Roman
- なのでマシュは大丈夫だ。
- でも[%1][&君:ちゃん]が無事なのは……
- Dr. Roman
- ううん……なんだろうねえ。
- もしかして、毒耐性スキルでも付いてるのかな?
- Mashu
- そうなんですか?
- Dr. Roman
- もしかしてマシュ……いや、マシュと融合した
- 英霊の恩恵なのかもしれない。
- Dr. Roman
- マシュと融合したサーヴァントには
- 強い毒耐性とか、強い祝福のスキルがあって、
- Dr. Roman
- その加護がマスターにも与えられているのかもだ。
- 無事なのは、その恩恵かな。
- Mashu
- ……わたしが先輩のお役に立てるのは嬉しいのですが、
- スキルで呼ぶのはなんだか妙です、ドクター。
- Dr. Roman
- まあ、[%1][&君:ちゃん]は人間だしね。
- じゃあ、毒耐性スキル(仮)で。
- Mashu
- は、はい……(仮)……ですか……
- Dr. Roman
- ともかく、だ。霧の都ロンドンは、
- 魔力の霧に包まれた危険な死の都市と化している。
- Dr. Roman
- 周囲の様子はどうだい。
- 犠牲者は、見掛けられるかい?
- Mashu
- いいえ、ドクター。
- 往来はまったくの無人です。
- Mashu
- 現在時刻は午後二時。
- ですが、馬車はおろか歩行者さえありません。
- Mashu
- 犠牲者の姿も見えません。
- 誰もいないんです。
- Mashu
- まるで廃墟のよう、です……
- Mashu
- 後は……街路沿いに確認できる限りでは、
- 建物のすべての戸や窓が閉められています。
- Dr. Roman
- きっと、魔力の霧で犠牲者が発生した後、
- 生存者が屋内へ避難したんだろう。そういうことか……
- Dr. Roman
- こちらでも、確かに
- 周辺の建物に生体反応を相当数確認している。
- Dr. Roman
- 生き残ったロンドン市民だろうね。
- 皆、屋内から出られずに困っているんだろう。
- ?1:一刻も早く解決するべきだ
- ?2:やれることをやろう
- ?!
- Mashu
- ……はい。
- そうですね、先輩。
- Mashu
- わたしたちが聖杯を入手・破壊すれば
- この異常なロンドンの存在そのものが修正されます。
- Mashu
- ですから、きっと……
- この霧で命を落としたはずの市民たちも。
- Mashu
- 屋内で霧から逃れている市民たちの存在も。
- どちらも、すべて。
- Mashu
- 先輩とわたしが事態を収拾すれば、
- 魔力の霧に関わる事象は完全に消えるでしょう。
- Mashu
- 被害さえ存在しないことになります。
- ですから……その……ですね、ええ、と……
- Dr. Roman
- マシュはこう言ってるのさ。
- 先輩は優しいひとですね、って。違う?
- Mashu
- …………。
- …………。
- Dr. Roman
- え。あれ、まずかった?
- 待って、いやいや、ボクまずいこと言った?
- Dr. Roman
- いや。待った。生体反応だ。
- ???
- …………なんだ、おまえら?
- Mashu
- え……と、はい、わ、わたしたちは
- ???
- [#霧の濃い場所:こんなトコ]で息吸ってくたばらずに平然としてんだ、
- どうせまともな人間じゃないんだろ。
- ???
- じゃあ、どっちだ。
- 敵か、味方か。
- Mashu
- (同じ言葉を返したい気持ちです……。
- ドクター、彼女は人間でしょうか、それとも)
- Dr. Roman
- (そちらもそうか。ボクのほうでもそうだ!
- 周囲に魔力が多いせいで反応が見極められない)
- Dr. Roman
- (しかし、あの鎧姿だ。
- 普通のロンドン市民という訳ではなさそうだが)
- Dr. Roman
- (いやあ、参った!
- 都市に限定されているから楽かと思ったのに)
- Dr. Roman
- (こいつは厄介なことになってきたぞ!
- 彼女が、一体どういう人物なのかわからないっ)
- Dr. Roman
- (たまたま魔術的耐性を有した一般人か、
- 魔術師か、それとも、サーヴァントなのか)
- Dr. Roman
- ([#識別できない]!
- ああっ、こ、困ったぞ、勝手が違うっ)
- Dr. Roman
- (こんな霧、はじめてだし……
- ああ、助けてマギ☆マリ!
- Dr. Roman
- “霧のロンドンは噂以上です、
- どうすればいいでしょうか”、と……)
- Mashu
- (落ち着いてくださいドクターっ。
- 電脳アイドルに相談しても事態は好転しません!)
- ???
- なーにをコソコソしてんだか。
- 襲って来ないなら、まあ、どうでもいいや。
- ???
- こっちも別に用はない。
- 邪魔したな。
- ???
- ここらは霧が濃い。
- さっさと移動したほうが身のためだぞ。
- ?1:忠告、ありがとう
- ?2:そうするよ
- ?!
- ???
- ん?
- ああ。じゃあな。
- Mashu
- あっ
- Mashu
- 行ってしまいました……
- 北方向の路地……特に濃い霧の中へ、ひとりで堂々と。
- Dr. Roman
- え、ボクらが相談している間にかい。
- なんてせっかちな子なんだ、ロンドンっ子かなあ。
- Mashu
- 今のが、相談……?
- Dr. Roman
- 何か事情を知っているような口ぶりだったね。
- ロンドンの現状について、ボクらよりは詳しいだろう。
- ?1:追い掛けよう
- ?2:情報収集は重要だ
- ?!
- Mashu
- はい、先輩。
- 彼女の後を追いましょう。
- Dr. Roman
- ボクもそう言おうと思っていたんだ。
- それが、途中で彼女がどこかへ消えてしまうからさあ。
- Mashu
- ドクター。……Dr.ロマン。
- Dr. Roman
- はい。すみません。
- よし、では移動開始だね。ちゃんと観測するよ!!
- Mashu
- ……なん、でしょうか。音が聞こえます。
- Dr. Roman
- こちらでは生体反応なし。動体反応複数だ!魔力反応は、駄目だ、相変わらず霧に紛れて感知不能!
- Mashu
- 音、接近して来ます。近距離。
- マスター……!
- Dr. Roman
- 動体反応複数、凄い速度で殺到してきたぞ。
- 敵性反応と判断しよう。囲まれる前に突破するんだ!
- Dr. Roman
- これまで以上に判断と指揮が重要になる
- [%1][&君:ちゃん]、くれぐれも頼んだよ。
- Mashu
- 戦闘態勢に入ります。
- マスター、指示をお願いします!
- ==
- Mashu
- 突破しました。
- なんとか、囲まれずに移動できたようです。
- Dr. Roman
- 霧の中にあんなものがいるなんてねえ。
- そりゃあ、誰ひとりとして建物から出て来ないわけだ。
- Dr. Roman
- 扉や窓が蹴破られてないってことは、
- あれ、建物への侵入はしないってコトだろうし?
- Dr. Roman
- 変だなあ。
- ううん、実に妙だ。
- Mashu
- はい。奇妙な敵性生物……でした。
- いいえ、あれらは生物ではなかったと思います。
- Mashu
- 敵性体と仮称します。
- あれは恐らく、魔術式の[#自動人形:オートマタ]です。
- Mashu
- 残骸の構造に見覚えがありました。
- 一部、この時代の機械が使われていましたが。
- Dr. Roman
- そう、か……
- Dr. Roman
- すまない、正直言ってこちらでは事前感知できない。
- 魔力系の反応感知は完全に混乱状態だ。
- Dr. Roman
- せいぜいが動体感知のみ。
- ううん、困ったな。
- Mashu
- わたしも同じです。
- まるで、この都市と同じよう……です。
- Mashu
- 霧、煙。
- そういった、[#靄:モヤ]に……掛かっているかのようで……
- Dr. Roman
- 何にせよ、今まで以上に慎重に警戒しつつ行動だ。
- さあ、あの少女を追うとしよう。
- Mashu
- はい。……先輩、行きましょう。
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