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London: City of Demonic Fog

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Jun 21st, 2017
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  1. Mashu
  2. レイシフト、成功しました。
  3. ……これは。視界が……阻害されるほどの状態です。
  4.  
  5. Mashu
  6. 霧……?
  7. いえ、もしくは煙でしょうか。凄い濃度です……
  8.  
  9. Mashu
  10. 空には……
  11. やはり、これまでと同じ「光の輪」を確認。ですが……
  12.  
  13. Mashu
  14. それさえ、この霧または排煙のせいで
  15. はっきりとは
  16.  
  17. Dr. Roman
  18. 空を埋め尽くすほどの霧、煙。
  19. それ自体は産業革命の頃には珍しくはないけど……
  20.  
  21. Dr. Roman
  22. いいや、ただの霧や煙ではないようだ。
  23. こちらでは異常な魔力反応として検出されている。
  24.  
  25. Dr. Roman
  26. 凄い濃度だ。とても濃い。濃いな。
  27. いや、これはちょっと濃すぎるんじゃないか……!
  28.  
  29. Dr. Roman
  30. まるで、大気に魔力が充満しているようだ。
  31. 大気の組成そのものに魔力が結び付いたクラスだよ!
  32.  
  33. Dr. Roman
  34. 生体に対して有害なほどのモノだよ、これは……
  35. マシュ、[%1][&君:ちゃん]、体の調子は?
  36.  
  37. Mashu
  38. わたしは問題ありません。
  39. デミ・サーヴァントであるからでしょうか。
  40.  
  41. Mashu
  42. 先輩はどうですか?
  43. 様子は……普段と、そう変わらなく見えますね。
  44.  
  45. ?1:普通だよ
  46.  
  47. ?!
  48.  
  49. Mashu
  50. 良かった。
  51. ですが、できれば濃い霧には入らないで下さい。
  52.  
  53. Dr. Roman
  54. [%1][&君:ちゃん]も異常なし、か。
  55. 確かにバイタルの測定にもさしたる変動はないかな。
  56.  
  57. Dr. Roman
  58. ちょっと驚いたな。
  59. その霧の観測結果が出て来たんだけどね……
  60.  
  61. Dr. Roman
  62. 断言しよう、生体には有害だ。
  63. 通常の人間であれば、深く吸いこめば命に関わる。
  64.  
  65. Dr. Roman
  66. 何らかの由来で魔術的な耐性を有しているとか、
  67. 魔術師や怪物、サーヴァントや幻想種であれば別だよ?
  68.  
  69. Dr. Roman
  70. なのでマシュは大丈夫だ。
  71. でも[%1][&君:ちゃん]が無事なのは……
  72.  
  73. Dr. Roman
  74. ううん……なんだろうねえ。
  75. もしかして、毒耐性スキルでも付いてるのかな?
  76.  
  77. Mashu
  78. そうなんですか?
  79.  
  80. Dr. Roman
  81. もしかしてマシュ……いや、マシュと融合した
  82. 英霊の恩恵なのかもしれない。
  83.  
  84. Dr. Roman
  85. マシュと融合したサーヴァントには
  86. 強い毒耐性とか、強い祝福のスキルがあって、
  87.  
  88. Dr. Roman
  89. その加護がマスターにも与えられているのかもだ。
  90. 無事なのは、その恩恵かな。
  91.  
  92. Mashu
  93. ……わたしが先輩のお役に立てるのは嬉しいのですが、
  94. スキルで呼ぶのはなんだか妙です、ドクター。
  95.  
  96. Dr. Roman
  97. まあ、[%1][&君:ちゃん]は人間だしね。
  98. じゃあ、毒耐性スキル(仮)で。
  99.  
  100. Mashu
  101. は、はい……(仮)……ですか……
  102.  
  103. Dr. Roman
  104. ともかく、だ。霧の都ロンドンは、
  105. 魔力の霧に包まれた危険な死の都市と化している。
  106.  
  107. Dr. Roman
  108. 周囲の様子はどうだい。
  109. 犠牲者は、見掛けられるかい?
  110.  
  111. Mashu
  112. いいえ、ドクター。
  113. 往来はまったくの無人です。
  114.  
  115. Mashu
  116. 現在時刻は午後二時。
  117. ですが、馬車はおろか歩行者さえありません。
  118.  
  119. Mashu
  120. 犠牲者の姿も見えません。
  121. 誰もいないんです。
  122.  
  123. Mashu
  124. まるで廃墟のよう、です……
  125.  
  126. Mashu
  127. 後は……街路沿いに確認できる限りでは、
  128. 建物のすべての戸や窓が閉められています。
  129.  
  130. Dr. Roman
  131. きっと、魔力の霧で犠牲者が発生した後、
  132. 生存者が屋内へ避難したんだろう。そういうことか……
  133.  
  134. Dr. Roman
  135. こちらでも、確かに
  136. 周辺の建物に生体反応を相当数確認している。
  137.  
  138. Dr. Roman
  139. 生き残ったロンドン市民だろうね。
  140. 皆、屋内から出られずに困っているんだろう。
  141.  
  142. ?1:一刻も早く解決するべきだ
  143.  
  144. ?2:やれることをやろう
  145.  
  146. ?!
  147.  
  148. Mashu
  149. ……はい。
  150. そうですね、先輩。
  151.  
  152. Mashu
  153. わたしたちが聖杯を入手・破壊すれば
  154. この異常なロンドンの存在そのものが修正されます。
  155.  
  156. Mashu
  157. ですから、きっと……
  158. この霧で命を落としたはずの市民たちも。
  159.  
  160. Mashu
  161. 屋内で霧から逃れている市民たちの存在も。
  162. どちらも、すべて。
  163.  
  164. Mashu
  165. 先輩とわたしが事態を収拾すれば、
  166. 魔力の霧に関わる事象は完全に消えるでしょう。
  167.  
  168. Mashu
  169. 被害さえ存在しないことになります。
  170. ですから……その……ですね、ええ、と……
  171.  
  172. Dr. Roman
  173. マシュはこう言ってるのさ。
  174. 先輩は優しいひとですね、って。違う?
  175.  
  176. Mashu
  177. …………。
  178. …………。
  179.  
  180. Dr. Roman
  181. え。あれ、まずかった?
  182. 待って、いやいや、ボクまずいこと言った?
  183.  
  184. Dr. Roman
  185. いや。待った。生体反応だ。
  186.  
  187. ???
  188. …………なんだ、おまえら?
  189.  
  190. Mashu
  191. え……と、はい、わ、わたしたちは
  192.  
  193. ???
  194. [#霧の濃い場所:こんなトコ]で息吸ってくたばらずに平然としてんだ、
  195. どうせまともな人間じゃないんだろ。
  196.  
  197. ???
  198. じゃあ、どっちだ。
  199. 敵か、味方か。
  200.  
  201. Mashu
  202. (同じ言葉を返したい気持ちです……。
  203. ドクター、彼女は人間でしょうか、それとも)
  204.  
  205. Dr. Roman
  206. (そちらもそうか。ボクのほうでもそうだ!
  207. 周囲に魔力が多いせいで反応が見極められない)
  208.  
  209. Dr. Roman
  210. (しかし、あの鎧姿だ。
  211. 普通のロンドン市民という訳ではなさそうだが)
  212.  
  213. Dr. Roman
  214. (いやあ、参った!
  215. 都市に限定されているから楽かと思ったのに)
  216.  
  217. Dr. Roman
  218. (こいつは厄介なことになってきたぞ!
  219. 彼女が、一体どういう人物なのかわからないっ)
  220.  
  221. Dr. Roman
  222. (たまたま魔術的耐性を有した一般人か、
  223. 魔術師か、それとも、サーヴァントなのか)
  224.  
  225. Dr. Roman
  226. ([#識別できない]!
  227. ああっ、こ、困ったぞ、勝手が違うっ)
  228.  
  229. Dr. Roman
  230. (こんな霧、はじめてだし……
  231. ああ、助けてマギ☆マリ!
  232.  
  233. Dr. Roman
  234. “霧のロンドンは噂以上です、
  235. どうすればいいでしょうか”、と……)
  236.  
  237. Mashu
  238. (落ち着いてくださいドクターっ。
  239. 電脳アイドルに相談しても事態は好転しません!)
  240.  
  241. ???
  242. なーにをコソコソしてんだか。
  243. 襲って来ないなら、まあ、どうでもいいや。
  244.  
  245. ???
  246. こっちも別に用はない。
  247. 邪魔したな。
  248.  
  249. ???
  250. ここらは霧が濃い。
  251. さっさと移動したほうが身のためだぞ。
  252.  
  253. ?1:忠告、ありがとう
  254.  
  255. ?2:そうするよ
  256.  
  257. ?!
  258.  
  259. ???
  260. ん?
  261. ああ。じゃあな。
  262.  
  263. Mashu
  264. あっ
  265.  
  266. Mashu
  267. 行ってしまいました……
  268. 北方向の路地……特に濃い霧の中へ、ひとりで堂々と。
  269.  
  270. Dr. Roman
  271. え、ボクらが相談している間にかい。
  272. なんてせっかちな子なんだ、ロンドンっ子かなあ。
  273.  
  274. Mashu
  275. 今のが、相談……?
  276.  
  277. Dr. Roman
  278. 何か事情を知っているような口ぶりだったね。
  279. ロンドンの現状について、ボクらよりは詳しいだろう。
  280.  
  281. ?1:追い掛けよう
  282.  
  283. ?2:情報収集は重要だ
  284.  
  285. ?!
  286.  
  287. Mashu
  288. はい、先輩。
  289. 彼女の後を追いましょう。
  290.  
  291. Dr. Roman
  292. ボクもそう言おうと思っていたんだ。
  293. それが、途中で彼女がどこかへ消えてしまうからさあ。
  294.  
  295. Mashu
  296. ドクター。……Dr.ロマン。
  297.  
  298. Dr. Roman
  299. はい。すみません。
  300. よし、では移動開始だね。ちゃんと観測するよ!!
  301.  
  302. Mashu
  303. ……なん、でしょうか。音が聞こえます。
  304.  
  305. Dr. Roman
  306. こちらでは生体反応なし。動体反応複数だ!魔力反応は、駄目だ、相変わらず霧に紛れて感知不能!
  307.  
  308. Mashu
  309. 音、接近して来ます。近距離。
  310. マスター……!
  311.  
  312. Dr. Roman
  313. 動体反応複数、凄い速度で殺到してきたぞ。
  314. 敵性反応と判断しよう。囲まれる前に突破するんだ!
  315.  
  316. Dr. Roman
  317. これまで以上に判断と指揮が重要になる
  318. [%1][&君:ちゃん]、くれぐれも頼んだよ。
  319.  
  320. Mashu
  321. 戦闘態勢に入ります。
  322. マスター、指示をお願いします!
  323.  
  324. ==
  325.  
  326. Mashu
  327. 突破しました。
  328. なんとか、囲まれずに移動できたようです。
  329.  
  330. Dr. Roman
  331. 霧の中にあんなものがいるなんてねえ。
  332. そりゃあ、誰ひとりとして建物から出て来ないわけだ。
  333.  
  334. Dr. Roman
  335. 扉や窓が蹴破られてないってことは、
  336. あれ、建物への侵入はしないってコトだろうし?
  337.  
  338. Dr. Roman
  339. 変だなあ。
  340. ううん、実に妙だ。
  341.  
  342. Mashu
  343. はい。奇妙な敵性生物……でした。
  344. いいえ、あれらは生物ではなかったと思います。
  345.  
  346. Mashu
  347. 敵性体と仮称します。
  348. あれは恐らく、魔術式の[#自動人形:オートマタ]です。
  349.  
  350. Mashu
  351. 残骸の構造に見覚えがありました。
  352. 一部、この時代の機械が使われていましたが。
  353.  
  354. Dr. Roman
  355. そう、か……
  356.  
  357. Dr. Roman
  358. すまない、正直言ってこちらでは事前感知できない。
  359. 魔力系の反応感知は完全に混乱状態だ。
  360.  
  361. Dr. Roman
  362. せいぜいが動体感知のみ。
  363. ううん、困ったな。
  364.  
  365. Mashu
  366. わたしも同じです。
  367. まるで、この都市と同じよう……です。
  368.  
  369. Mashu
  370. 霧、煙。
  371. そういった、[#靄:モヤ]に……掛かっているかのようで……
  372.  
  373. Dr. Roman
  374. 何にせよ、今まで以上に慎重に警戒しつつ行動だ。
  375. さあ、あの少女を追うとしよう。
  376.  
  377. Mashu
  378. はい。……先輩、行きましょう。
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