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Yachiyo (Fairy Tale ver.) MSS JP text

Dec 20th, 2022 (edited)
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  1. FILENAME: text_314021-1.txt
  2. やちよ: …………
  3. いろは: あれ? 編み物だなんて珍しいですね
  4. やちよ: ちょっと懐かしくなってね 昔の道具を引っ張りだしたのよ
  5. いろは: 確かに年季が入ってるような… 昔はよくやっていたんですか?
  6. やちよ: よくっていうほどじゃないけど…
  7. やちよ: おばあちゃんに教わって 作ったこともあったのよ
  8. やちよ: この前、私とみふゆの タイムカプセルを開けたときに
  9. やちよ: 手編みのマフラーが2本、 出てきたのを覚えてる?
  10. いろは: マフラー…
  11. いろは: あっ! 雪の結晶の模様が入ってる…!
  12. いろは: あれって、やちよさんが 編んだものだったんですね
  13. やちよ: 不格好だったでしょ?
  14. やちよ: まだ小学生だった頃で、 編み物も始めたばかりだったから
  15. いろは: でも、一生懸命 作ったものだったんですよね?
  16. やちよ: ええ
  17. やちよ: クリスマスに両親へ プレゼントするつもりだったから
  18. うい: ただいまー!
  19. 鶴乃: お邪魔しまーす
  20. やちよ: おかえりなさい
  21. さな: おふたりで なんの話をしてたんですか?
  22. フェリシア: おもしれー話か?
  23. やちよ: この間タイムカプセルから マフラーが出てきたでしょ?
  24. やちよ: それにまつわる話だから、 別に面白くなんてないわよ
  25. 鶴乃: いやいやいやいや!
  26. 鶴乃: やちよが小学生の頃の話なら むしろ気になるって!
  27. フェリシア: おう、オレも聞きたい!
  28. やちよ: そう…?
  29. やちよ: 話すのは構わないけど この話、たぶん長くなるわよ
  30. うい: でも、聞いてみたいな
  31. さな: ね、聞きたいよね…
  32. やちよ: そこまで言うなら仕方ないわね
  33. やちよ: でも、まずは 手洗いうがいをしてくること
  34. みんな: はーい!
  35. やちよ: ふふっ…
  36. やちよ: いろは、悪いけど
  37. やちよ: みんなが手を洗っている間に お茶を淹れてもらえる?
  38. いろは: はい、もちろん!
  39. やちよ: 悪いわね
  40. やちよ: 私は、例のマフラーを 取ってくるわ
  41.  
  42. FILENAME: text_314021-2.txt
  43. フェリシア: …このマフラー マジでやちよが作ったのか?
  44. やちよ: そうよ 小学生の頃、だけど
  45. フェリシア: へぇ、意外だな… 幅が揃ってないし…
  46. やちよ: 初めて編んだものだからね 今なら、もう少し上手にできるわ
  47. うい: いま編んでるマフラー すっごくキレイだもんね!
  48. 鶴乃: 元々やちよが器用な証拠だよ
  49. いろは: ただ、上手じゃなくても…
  50. いろは: 私はタイムカプセルから 出てきた方のマフラーも
  51. いろは: 温かみがあっていいと思います
  52. やちよ: …そうかしら
  53. いろは: ご両親にあげるために 頑張って作ったんですよね?
  54. やちよ: ええ
  55. いろは: なんだか、その気持ちが 詰まっている気がするんです
  56. やちよ: …………
  57. さな: …あれ?
  58. さな: あの…プレゼントなら どうしてここに…?
  59. やちよ: …………
  60. やちよ: 簡単に話しても わからないと思うから
  61. やちよ: 小学生だった頃の 事情から話しましょうか
  62. やちよ: 『私の両親は転勤族だったの』
  63. やちよ: 『みかづき荘に預けられることになる前は 両親と一緒に 日本全国いろんなところに行ったわ』
  64. やちよ: 『両親と一緒に過ごす そんな日々も楽しかった』
  65. やちよ: 『でも、転校ばかりだったから なかなか友だちはできないし』
  66. やちよ: 『モデルの仕事を始めて以来 私も忙しくなってしまったから モデル事務所がある神浜市の おばあちゃんのところ…』
  67. やちよ: 『つまり、みかづき荘に 預けられることになったの』
  68. やちよの父: うぅ…やちよ やっぱりお父さんたちと一緒に…
  69. やちよ: もう、何度も話し合ったでしょ
  70. やちよ: おばあちゃんもいるから 私は大丈夫…!
  71. やちよの母: でも、慣れない環境だし…
  72. やちよの母: 明日の転入手続きまでは 一緒にいたいわ…
  73. やちよ: 転校だって初めてじゃないから 大丈夫だってば
  74. やちよ: お仕事あるんでしょ?
  75. やちよの母: そうだけど…
  76. やちよ: 今日、出発しないと 困るのはふたりなんだから
  77. やちよの母: でも、徹夜でお父さんと 交代で運転すればギリギリ…
  78. やちよ: 危ないからダメ
  79. やちよ: もう、これじゃあ 私の方が心配になっちゃうよ…
  80. やちよ: しっかりして!
  81. やちよの父: …そうだな
  82. やちよの父: でも、何かあったら いつでも言うんだぞ
  83. やちよの母: 毎日電話するからね
  84. やちよ: 私もお母さんたちも忙しいんだし 毎日はしなくて大丈夫
  85. やちよ: …週末くらいで
  86. やちよの祖母: やちよのことは任せて
  87. やちよの祖母: ふたりも 無理はしないようになさいね
  88. やちよの父: ああ、頼むよ 母さん…
  89. やちよの母: よろしくお願いします
  90. やちよ: はぁ、やっと行ったわね まったく、大丈夫かしら
  91. やちよ: …………
  92. やちよ: 『振り返ってみると 両親に心配をかけたくなくて この頃から背伸びばかりしていたわね』
  93. やちよの祖母: 今日のお夕飯は やちよの好きなものにしようね
  94. やちよ: …うん
  95. やちよ: 『きっと大人たちには 強がっていることなんて バレバレだったでしょうけど』
  96.  
  97. FILENAME: text_314021-3.txt
  98. やちよ: 『モデルの仕事がしやすい環境作りと ひとつの学校に落ち着いて友だちを作るために みかづき荘に預けられることになったけど』
  99. ねぇ、学校が終わったら うちに遊びに来ない?
  100. やちよ: (遊びのお誘い…!)
  101. やちよ: …行きたいけど 今日は撮影があって
  102. あっ、モデルさんなんだっけ?
  103. やちよ: うん
  104. そっか…残念だけど お仕事なら仕方ないよね…
  105. やちよ: ごめんなさい… また今度誘ってね
  106. やちよ: 『けれど、結局 学校の子たちと放課後遊ぶことは ほとんどなかったわ』
  107. やちよ: 『みんな親切にしてくれたけど 神浜市に定住したことで モデルの仕事が ますます忙しくなってしまったから…』
  108. やちよ: 『まぁ、そういう意味では 安定してモデルの仕事をするため っていうもうひとつの目的は 十分達成できたと言えるけど』
  109. やちよの祖母: やちよ、お母さんから 電話がきたわよ
  110. やちよ: えっ、今日も!
  111. やちよ: …週末だけでいいって言ったのに
  112. やちよの祖母: ふふっ
  113. やちよ: もしもし…
  114. やちよの母: やちよ! 元気にしていた?
  115. やちよ: …昨日も電話したでしょ 元気にしてるよ
  116. やちよの母: でも、電話だと 顔が見れないんだもの…
  117. やちよの母: 学校はどう? 困ってることはない?
  118. やちよ: それも大丈夫
  119. やちよの母: そう…? いつも大丈夫って言うから…
  120. やちよ: 本当だよ
  121. やちよ: えっと…今日だって 放課後遊ぼうって誘われたし…
  122. やちよ: (遊びにはいけなかったけど…)
  123. やちよの母: さっそく お友だちができたの?
  124. やちよの母: よかったわね
  125. やちよ: う、うん… 学校でもテレビの話とかするよ
  126. やちよ: (…本当は見てないから 聞いてるだけだったんだけど…)
  127. やちよの母: へぇ、いいわね そっちだと何が流行ってるの?
  128. やちよ: えっとね… 変身して戦うやつ、とか…
  129. やちよの母: 変身…あっ! ティーナちゃんかな?
  130. やちよの母: “内緒のヒロイン ティピカル☆ティーナ”でしょ!
  131. やちよ: あ、うん… それ、だよ
  132. やちよの母: …………
  133. やちよ: お母さん…?
  134. やちよの母: んー…じゃあ、次に帰るまでに お母さんも見ておこうかなー!
  135. やちよ: い、いいよ、わざわざ見なくて! お仕事忙しいんだからっ…!
  136. やちよ: それに、テレビの話は 友だちとするし…
  137. やちよの母: そう…?
  138. ピッ…
  139. やちよ: (…ふぅ)
  140. やちよ: (友だちがちゃんとできないこと なんとかごまかせたかな…?)
  141. やちよ: …………
  142. やちよの祖母: やちよ
  143. やちよ: おばあちゃん…
  144. ギュッ
  145. やちよ: …心配かけたくないの
  146. やちよの祖母: そうね… やちよの気持ちもわかるわ
  147. やちよ: 『強がってばかりだった幼い私は 自分で自分を苦しめてもいたけど…』
  148. やちよ: 『決して不幸ではなかったのよ』
  149.  
  150. FILENAME: text_314021-4.txt
  151. やちよ: 『学校ではうまく友だちを作れなくて 両親の前では強がってばかりいたけど』
  152. やちよ: 『幼い頃の私は不幸ではなかったの』
  153. やちよ: ――っ!?
  154. やちよ: これ、おいしい…!
  155. やちよちゃんも それ気に入ったの?
  156. ささみときゅうりの梅肉和えって 言うんだよ
  157. やちよ: 私も、ってことは お姉さんも好きなの?
  158. うん、大好き!
  159. やちよちゃん、 こっちも食べてみて
  160. あっ、お味噌汁のおかわりいる? ついでによそってくるよ
  161. やちよ: …………
  162. 宿題やっているの? 偉いね
  163. やちよ: やらないといけないことを してるだけだし偉くはないよ…?
  164. 言われる前に自分から やってるだけで十分偉い!
  165. やちよ: …うん、ありがとう
  166. 隣で課題やっていい?
  167. やちよ: うん、いいよ
  168. あ、わからないところあったら 聞いてね
  169. やちよ: (大学生は 宿題じゃなくて課題なんだ…)
  170. やちよ: (なんか、いいな…)
  171. やちよ: (私も早くお姉さんたちみたいに 大人になりたい)
  172. やちよ: (そうすれば)
  173. やちよ: (お父さんとお母さんも 心配しなくなるだろうし…)
  174. やちよ: 『今ならね 大学生が大人かって聞かれると 迷っちゃうんだけど…』
  175. やちよ: 『小学生だった頃の私にとっては 十分大人に見えたの』
  176. やちよ: 『早くお姉さんたちの仲間入りをして 両親に心配をかけない自分になりたいって 思っていたわ』
  177. 次の撮影まで 15分休憩になりまーす!
  178. やちよ: …ふぅ
  179. やちよ: (今日はかなり いい感じにできてるかも…!)
  180. やちよのマネージャー: やちよ、 お父さんが見に来てくれたよ
  181. やちよ: えっ…!
  182. やちよの父: やちよ!すごいな! とっても可愛かったよ!
  183. やちよ: あ、あれくらい普通だよ… 私だってプロだもん
  184. やちよの父: うん、そうだな 頑張ってるもんな
  185. やちよ: …じゃなくて! どうして、ここにいるの!?
  186. やちよの父: 出張だよ 近くでやる打ち合わせがあるんだ
  187. やちよの父: でも、始まるまで 少し時間があるから抜けてきた
  188. やちよ: ダメじゃない!
  189. やちよの父: サボりじゃないぞ ちょっと遅いお昼休みだから
  190. やちよ: それなら…
  191. やちよ: 待って、お昼ご飯は食べたの?
  192. やちよの父: …………
  193. やちよ: 食べてないの…?
  194. やちよ: もう、食べないと身体に悪いし お仕事頑張れないでしょ?
  195. やちよの父: だって、少しでも やちよに会いたくて…
  196. やちよ: 私は大丈夫だって いつも言ってるじゃない
  197. やちよ: お仕事を優先して
  198. やちよの父: でも、お父さんが寂しいんだ…
  199. やちよ: …………
  200. やちよ: 私が休憩の間だけだからね
  201. やちよ: その後はちゃんとお昼を食べて お仕事に戻って
  202. やちよ: 『忙しいのに時間を作って会いに来てくれて 本当は嬉しかったの』
  203. やちよ: 『でも、父の仕事の邪魔には なりたくなかったし』
  204. やちよ: 何より、我慢することが 大人への近道だと思っていたから
  205. やちよ: 素直に甘えられなかったのよね…
  206. いろは: ちょっとわかるかも…
  207. うい: わたしは…甘えちゃうけど…
  208. やちよ: それでいいのよ、ういちゃん 私の両親がそうだったように
  209. やちよ: ふたりの両親も、きっと 甘えてほしいって思ってるから
  210. やちよ: 私は背伸びしたかったんだけど、 両親は甘やかしたかったみたいね
  211.  
  212. FILENAME: text_314022-1.txt
  213. やちよ: …さて、小学生だった頃の私が どんな子だったかはこの辺にして
  214. やちよ: ここからは、 マフラーの話をしましょうか
  215. やちよ: 『あれは… 私が魔法少女になって みふゆとも仲良くなったあとのことだったわ』
  216. やちよの父: うぅ…今日は冷えるなぁ…
  217. やちよの母: もう12月だものね
  218. やちよの父: やちよ、風邪ひかないように 温かくして過ごすんだぞ
  219. やちよ: うん、わかってる
  220. やちよ: お父さんとお母さんも 風邪ひかないでね
  221. やちよの母: ありがとう
  222. やちよの母: …しばらくは来られないけど 電話はするからね
  223. やちよ: 12月は毎年忙しいって わかってるから大丈夫
  224. やちよ: それよりお仕事に集中して
  225. やちよの母: …うん
  226. やちよの母: でも、クリスマスくらい 一緒に過ごしたいわね
  227. やちよ: 無理しないでいいってば
  228. やちよ: (クリスマス、か…)
  229. みふゆ: クリスマスプレゼントですか…?
  230. やちよ: お父さんもお母さんも お仕事頑張ってるから
  231. やちよ: 何かしてあげたくて…
  232. いいね きっと喜ぶよ!
  233. 何をあげるか決めた?
  234. やちよ: …ううん
  235. やちよ: それが思いつかなくて みんなに相談しようと思ったの
  236. やちよ: みふゆやお姉さんたちは 何かあげたことある…?
  237. みふゆ: ワタシは…
  238. みふゆ: お稽古事で結果を残すことが 一番の贈り物だって言われました
  239. やちよ: あ、ごめん…
  240. みふゆ: だ、だから…!
  241. みふゆ: こうやって贈り物を考えるのは わくわくします…!
  242. みふゆ: 一緒に素敵なプレゼントを 考えましょう…!
  243. やちよ: みふゆ… ありがとう
  244. 何をあげようか 迷ってるみたいだけど
  245. どういう感じがいいとかある?
  246. やちよ: えっと…
  247. 漠然とでもいいよ そこからアイデア広げてこ!
  248. やちよ: …クリスマスらしいもの?
  249. みふゆ: クリスマス…クリスマス… クリスマスらしい小物とかです?
  250. やちよ: …小物 いいと思うけど…
  251. やちよ: ふたりは仕事で家を空けることが 多いから
  252. やちよ: 飾っても見る機会が あんまりないかも…
  253. みふゆ: それは悲しいですね…
  254. それなら 持ち運べるものとかかな?
  255. みふゆ: 持ち運び… 身につけるってことですか…?
  256. やちよ: 身につける…
  257. やちよ: あっ! マフラー!
  258. みふゆ: マフラー…?
  259. やちよ: さっきお見送りした時 ふたりとも寒そうだったから
  260. それいいかもね! お仕事のときにもつけていけるし
  261. みふゆ: 手編みマフラーは クリスマスの定番だって
  262. みふゆ: クラスの子が言っているのを 聞いたことがあります…!
  263. やちよ: て、手編み…?
  264. みふゆ: 違いました?
  265. やちよ: (編み物はしたこと ないんだけど…)
  266. やちよ&みふゆ: ううん
  267. やちよ: おばあちゃんに教わって やってみようかな
  268.  
  269. FILENAME: text_314022-2.txt
  270. やちよ: (えっと…模様をつけるから ここで糸を変えるんだっけ…)
  271. やちよ: 『お仕事を頑張っている両親に クリスマスプレゼントとして 手編みのマフラーを贈ろうと決めた私は おばあちゃんに教わって 初めての編み物に挑戦したの』
  272. やちよ: …あれ?
  273. やちよ: (これでちゃんと 模様になるのかな…?)
  274. やちよの祖母: やちよ そろそろお夕飯の時間だよ
  275. やちよ: えっ、もうっ!? ごめん、お手伝いできなくて…
  276. やちよの祖母: クリスマスまでは お手伝いはしなくていいわよ
  277. クリスマスまでにマフラー2本 編んじゃいたいんでしょ?
  278. やちよ: うん…
  279. やちよ: 忙しくて会えるかわからないけど ちゃんと間に合わせたい
  280. だったら、お手伝いのことは 気にしてないでいいから
  281. 編み物に集中しよ?
  282. やちよ: …ありがとう
  283. それより、どう? 順調?
  284. やちよ: えっと…
  285. やちよ: 模様を入れるところなんだけど ちゃんとできてる…?
  286. やちよの祖母: 見せてごらん
  287. やちよ: 『初めてだったから わからないことだらけだったし 編む速度も遅かったけど みんなが助けてくれたのよ』
  288. やちよの祖母: …うん これで大丈夫
  289. やちよ: 糸、切らなくていいんだよね…?
  290. やちよの祖母: ええ、むしろ切っちゃダメよ
  291. やちよ: 『それからずっと編み続けて 一週間後…』
  292. やちよ: …………
  293. やちよ: …よ、よし 糸…切る、わよ…?
  294. みふゆ: は、はい…!
  295. やちよ: うっ…本当に… 大丈夫、よね…?
  296. やちよの祖母: ふふ、大丈夫よ ちゃんと編めてるわ
  297. やちよ: じゃあ…
  298. パチンッ
  299. やちよ: できた…
  300. みふゆ: すごいです、やっちゃん!
  301. みふゆ: 1本目のマフラー 編み終わりましたね!
  302. やちよ: えへへ…
  303. やちよ: あ、まだできてないわ 糸の処理をしないと…
  304. やちよの祖母: とじ針を持ってくるわね
  305. やちよ: …………
  306. やちよ: (マフラー、編めちゃった)
  307. やちよ: (…幅が揃ってないし 糸も寄ったところがあるけど)
  308. やちよ: (初めてにしては よくできた、かも…)
  309. やちよの祖母: やちよ
  310. やちよ: おばあちゃん どうしたの?
  311. やちよの祖母: お父さんとお母さんね
  312. やちよの祖母: クリスマスの日、 午後からお休みが取れたそうよ
  313. やちよ: …えっ…………?
  314. やちよ: えっ!うそ!?
  315. やちよの祖母: 本当よ やちよと一緒に過ごしたいって
  316. やちよ: もう、また無理して 残業したんでしょ…
  317. やちよ: それに、なんでおばあちゃんに? 直接私に言えばいいのに…
  318. やちよの祖母: ふふ、お友だちと約束があったら 悪いと思ったみたいね
  319. やちよ: わざわざ休みを取ったなら 私だって時間くらい作るわよ…
  320. やちよ: 『強がりばっかり言ってしまったけど 本当はすっごく嬉しかったの』
  321. やちよ: (…クリスマス 一緒に過ごせるなんて)
  322. やちよ: (もう1本のマフラーも 頑張って作らなきゃ…!)
  323.  
  324. FILENAME: text_314022-3.txt
  325. やちよ: ふぅ…完成まであとちょっと…
  326. やちよ: (…幅が広かったり狭かったり しないように編んでたら)
  327. やちよ: (1本目より 少し編む速度が落ちたけど…)
  328. やちよ: (前より上手に編めるように なってきたかも…!)
  329. やちよ: 『初めてのマフラーを完成させた私は 2本目のマフラー作りに挑んだわ』
  330. やちよ: 『何より私をやる気にさせたのは 両親と一緒にクリスマスを過ごせるってこと』
  331. やちよ: 『強がって背伸びしていても 両親と過ごせるっていうだけで とても嬉しかったのよ…』
  332. ~♪~♪~♪
  333. やちよの父: クリスマスは明後日だな
  334. やちよの父: お父さん もう楽しみでしかたないよ
  335. やちよ: 楽しみにするのはいいけど 本当に無理してない…?
  336. やちよの母: してないわ
  337. やちよの母: 明後日は、仕事が終わったら すぐに行くからね
  338. やちよ: …うん、待ってる
  339. やちよ: 『両親もクリスマス当日を 楽しみにしてくれててね そのせいか、私も普段より浮かれてたみたい』
  340. やちよ: …………
  341. やちよちゃん、楽しそうだね
  342. なんだか、私も クリスマス楽しみになってきた~
  343. やちよ: 『お姉さんたちにバレちゃうくらいにはね』
  344. やちよ: 『そして、クリスマス前日…』
  345. やちよ: で、できた!
  346. おおっ! おめでとう、やちよちゃん!
  347. やちよ: ちょっと 失敗しちゃったとこもあるけど…
  348. そういうの味があるって 言うんだよ
  349. そうそう 手編みならではだからね
  350. やちよ: ふふ、なんだか そんな気がしてきた…
  351. やちよ: うん、悪くないできだよね
  352. じゃあ、ラッピングしちゃおうか
  353. やちよ: あっ、どうしよう…
  354. やちよ: ラッピングのこと 考えてなかったから用意が…
  355. 大丈夫だよ
  356. じゃーん! ラッピング用品!
  357. 勝手ながらこちらで 用意させていただきましたー!
  358. やちよ: ありがとう!
  359. 喜んでくれるといいね
  360. やちよ: うんっ…!
  361. やちよ: 『無事マフラーを編み終わって お姉さんたちのおかげで ラッピングも済ませた私は 翌日のクリスマスを心待ちにして 眠りについたの…』
  362. やちよ: あっ、雪…
  363. 天気予報の通りだね
  364. このまま降り続ければ 夜にはホワイトクリスマスかも
  365. やちよ: 『だけどね クリスマス当日になって…』
  366. やちよ: えっ… トラブル…?
  367. やちよ: 『両親は来ることが できなくなってしまったの』
  368.  
  369. FILENAME: text_314022-4.txt
  370. やちよ: 『だけどね クリスマス当日になって…』
  371. やちよ: えっ… トラブル…?
  372. やちよ: 『両親は来ることが できなくなってしまったの』
  373. やちよの母: ごめんね…
  374. やちよの母: 雪で交通網がやられたせいで
  375. やちよの母: 今日納品予定の物が 届かなくて…
  376. やちよ: えっ、それって大変なんじゃ…?
  377. やちよの母: …それで穴埋めのために 駆り出されちゃったの
  378. やちよの母: 午後半休、取ってたのに!
  379. やちよ: お父さんも…?
  380. やちよの母: そう… 同じ部署の人全員だから…
  381. やちよ: …………
  382. やちよの母: ごめんね、予定より 遅くなっちゃうけど
  383. やちよの母: お仕事が終わったら すぐに行くから…!
  384. やちよ: (…ぅ…泣いちゃダメ…)
  385. やちよ: (泣いたら、きっとお仕事 放り出して来ちゃうから…)
  386. やちよ: …大丈夫だよ 忙しいのはわかってたもの
  387. やちよの母: でも…!
  388. やちよ: それよりお仕事をちゃんとして
  389. やちよ: じゃないとたくさんの人が 困っちゃうでしょ?
  390. やちよの母: …やちよ
  391. やちよ: おばあちゃんたちがいるから 私は大丈夫
  392. やちよ: だから、無理しないでね
  393. ピッ
  394. やちよ: …うぅ…………
  395. やちよの祖母: やちよ…
  396. やちよ: おばあちゃん…
  397. やちよ: お母さんたち、お仕事… 入っちゃったって…
  398. やちよ: でも…それはしかたないから…
  399. やちよの祖母: やちよ、おいで
  400. やちよ: ぅ…うわぁああん…!
  401. やちよ: 『両親の前では 物分かりがいいふりをしていたけど おばあちゃんとふたりの時は こうしてよく泣いていたわ…』
  402. いろは: やちよさん…
  403. やちよ: あの日、結局 両親は来られなくて
  404. やちよ: 翌日、手紙と一緒に プレゼントが届いたの
  405. フェリシア: ちょっとだけでも 来られなかったのかよ…
  406. やちよ: その日は、徹夜だったらしいし
  407. やちよ: 最終的に年明けまで、 対応に追われていたらしいわ
  408. やちよ: 本当は、私に電話している 時間だってなかったんだと思う…
  409. さな: …恨んで、ないんですね
  410. やちよ: ええ、まったく
  411. 鶴乃: ねぇ、やちよ
  412. 鶴乃: マフラーがタイムカプセルから 出てきたってことは…
  413. やちよ: ええ、渡さなかったの
  414. やちよ: 会えないってわかってから改めて 自分が編んだマフラーを見たら
  415. やちよ: できが悪く感じてしまって
  416. やちよ: 隠すようにタイムカプセルに 入れちゃったのよね…
  417. うい: すごく悲しかったんだね…
  418. やちよ: そうね とても悲しかった
  419. やちよ: でも、それ以上に 強がりたかったのね
  420. やちよ: こっそり泣いてたなんて… 今知られても恥ずかしいんだけど
  421.  
  422. FILENAME: text_314023-1.txt
  423. やちよ: あの年のクリスマスは…
  424. やちよ: 両親に仕事が入って 一緒に過ごせなくなったせいか
  425. やちよ: 自分で編んだマフラーが 途端にみずほらしく感じられて
  426. やちよ: 渡しもせずに タイムカプセルに隠してしまった
  427. いろは: …………
  428. やちよ: だけど、不思議ね いい思い出とは言えないのに
  429. やちよ: 昔、編んだマフラーを見ていたら 懐かしくなってしまったの
  430. いろは: だから、編み物を…
  431. やちよ: たまにはやってみようかなって
  432. やちよ: それに…
  433. フェリシア: …………
  434. やちよ: どうしたの?
  435. フェリシア: …別に
  436. フェリシア: ただ、ちょっとだけ 側にいてやろーかなって…
  437. やちよ: フェリシア…
  438. 鶴乃: …強がっちゃう気持ち わたしもわかるけどさー…
  439. 鶴乃: 客観的に見ると 強がり過ぎるのってよくないね…
  440. やちよ: そうね
  441. やちよ: …もし、 小学生の頃の私に会ったら
  442. やちよ: いいから甘えておきなさい って言ってやりたいわ
  443. 鶴乃: あはは…
  444. 鶴乃: でも、小さい頃のやちよは 聞く耳持たなそう
  445. やちよ: …まぁ、そうでしょうね
  446. さな: 私は…みかづき荘の 居心地がいい理由が…
  447. さな: わかった気がします…
  448. やちよ: えっ?
  449. さな: やちよさんが…ご両親やおばあ様 みかづき荘のお姉さんたち…
  450. さな: いろんな人に 大切にされてきたから…
  451. さな: 私たちのことも 大切にしてくれるのかなって…
  452. やちよ: …!
  453. やちよ: な、なんか照れるわね…
  454. 鶴乃: …せっかくだし、思ったこと 素直に言っておけば?
  455. やちよ: …私だけじゃなくて
  456. やちよ: 私の大切な人を褒めてくれて とても嬉しいわ
  457. やちよ: …ありがとう
  458. さな: …はいっ…!
  459. うい: あっ、もしかして 今、マフラーを編んでるのって
  460. うい: 改めて、お父さんとお母さんに あげるため…?
  461. やちよ: ううん
  462. やちよ: これは今みかづき荘に住んでいる 子たちにあげるつもりよ
  463. うい: …それって わたしたち…?
  464. やちよ: そう 今度はちゃんと渡すからね
  465. いろは: …………
  466. いろは: あの、やちよさん
  467. やちよ: ん?
  468. いろは: 私にもマフラーの編み方 教えてくれませんか…?
  469.  
  470. FILENAME: text_314023-2.txt
  471. いろは: 私にもマフラーの編み方 教えてくれませんか…?
  472. やちよ: 教えるのは構わないけど…
  473. やちよ: 急にどうしたの?
  474. いろは: プレゼントしたい人がいるんです
  475. やちよ: …手編みマフラーを?
  476. やちよ: あ、もしかしてご両親に?
  477. いろは: 違います でも、同じくらい大切な人ですよ
  478. 鶴乃: あっ! わかった!
  479. 鶴乃: ししょー! わたしも編み物したい!
  480. やちよ: 鶴乃まで…?
  481. さな: …あっ! そ、それなら私も…!
  482. うい: わたしも!
  483. やちよ: ふたりも?
  484. フェリシア: ん~…?んん~…?
  485. 鶴乃: わたしたちの家族と言えば…?
  486. フェリシア: 家族…あっ! それならオレもやるぞ!
  487. フェリシア: やちよにすっげーマフラー 作ってやる!
  488. 鶴乃: あっ、言っちゃった…
  489. やちよ: えっ…! まさか、みんな私に…?
  490. いろは: やちよさんの話を聞いたら プレゼントしたくなったんです
  491. いろは: あっ、でもみんなで それぞれ編んだら5本に…
  492. うい: …わたし ひとりで編めるかな…?
  493. フェリシア: じゃあ、一緒に編もうぜ その方が強そうなのできそうだし
  494. さな: あっ…私もいいですか…? 自信ないので…
  495. フェリシア: おうっ! スゲーの作ろうぜ!
  496. 鶴乃: 人数が多ければすごいのできる ってわけじゃないけど…
  497. 鶴乃: 3人なら助け合えていいかもね
  498. いろは: フェリシアちゃんも 飽きずにできそうだよね
  499. いろは: やちよさん、 3本ならいいですか…?
  500. やちよ: …何本だっていいわよ 気持ち、なんでしょ?
  501. いろは: はいっ!
  502. やちよ: …じゃあ、 道具を出してくるわね
  503. やちよ: 毛糸は… みんなで買いに行きましょうか
  504. うい: 何色がいいかな?
  505. さな: やちよさんなら 青系が似合いそうですが…
  506. 鶴乃: うんうん わたしは模様もいれたいな
  507. フェリシア: ドラゴンとか 入れたら強そうだよな!
  508. 鶴乃: それ、すごく難しいと思うよ
  509. やちよ: …ふふ
  510. いろは: 楽しそうですね
  511. やちよ: ええ
  512. やちよ: それに、おばあちゃんと一緒に
  513. やちよ: 毛糸を買いに来た時のことを 思い出しちゃった
  514. やちよ: 毛糸にもいろいろあるから どれが編みやすいとか
  515. やちよ: マフラーなら何玉くらい 必要とか教えてくれたのよね…
  516. いろは: 今日は、やちよさんが 教えてくれるんですよね?
  517. やちよ: うん 任せて
  518. やちよ: (…あの日も今日も 同じくらいわくわくしてる)
  519. やちよ: (誰かのために何かを作るって それだけで幸せなことなのかも)
  520.  
  521. FILENAME: text_314023-3.txt
  522. やちよ: みんな、棒針は行き渡った?
  523. 鶴乃: オッケーだよ!
  524. フェリシア: よっしゃー! 3人でスゲーの作るぞ!
  525. うい: おーっ!
  526. さな: が、頑張ります…!
  527. いろは: じゃあ、やちよ先生 お願いします
  528. やちよ: 先生って… 照れるからいつ通りに呼んで…
  529. やちよ: コホン…
  530. やちよ: さて、改めて始めましょうか
  531. みんな: …………
  532. 鶴乃: …………
  533. いろは: …………
  534. やちよ: …………
  535. やちよ: (静かね)
  536. やちよ: (みんな、集中して 黙々と編んでる)
  537. いろは: あ、あぁあっ…! やっちゃった…どうしよ…
  538. いろは: やちよさん…!
  539. やちよ: どうしたの?
  540. いろは: いつの間にか、1目減ってて…
  541. やちよ: ちょっと見せて
  542. やちよ: 時々わからないところを聞かれて 教えてることはあるけど…
  543. やちよ: みんなで一緒にいて 同じことをしているのに こんなに静かなことはあまりない
  544. やちよ: (でも、嫌じゃないのよね…)
  545. やちよ: …ふふ
  546. やちよ: 沈黙が続くだけの時間が こんなに穏やかなんてね
  547. やちよ: (強がっちゃうくせ… ちょっとだけ直ったかな)
  548. ピロン♪
  549. やちよ: …ん? 私のスマホね
  550. やちよ: …………
  551. やちよ: えぇっ!?
  552. いろは: どうしたんですか…!?
  553. やちよ: 仕事で近くに来たから 今から会いに来るって…
  554. フェリシア: 誰がだよ?
  555. やちよ: お父さんとお母さん…
  556.  
  557. FILENAME: text_314023-4.txt
  558. やちよ: 仕事で近くに来たから 今から会いに来るって…
  559. フェリシア: 誰がだよ?
  560. やちよ: お父さんとお母さん…
  561. 鶴乃: えっ!? 今から?
  562. うい: 突然、だね…
  563. さな: あっ…編み物…片づけた方が いいでしょうか…?
  564. いろは: うん、ひとまず中断して…
  565. やちよの母: やちよ! 元気にしてる?
  566. やちよの父: しばらく会いに来れてなくて ごめんな…
  567. やちよ: …今って 本当に今じゃない…!
  568. やちよ: もう少し早く連絡してよ…
  569. やちよの母: だって、さっき会議が終わって 飛び出してきたところなんだもん
  570. やちよの父: 出張だったんだが、 運よく早く終わったから
  571. やちよの父: 可愛い娘に会いに来たんだ!
  572. やちよ: ちょっと…みんなの前で 恥ずかしいから…
  573. やちよの母: ああ、ごめんなさい
  574. やちよの母: みかづき荘のみんなに 挨拶がまだだったわね
  575. やちよの母: やちよの母です
  576. やちよの父: 父です いつも娘がお世話になっています
  577. やちよの母: これからもよろしくね
  578. いろは: あっ、こちらこそ!
  579. やちよ: …はぁ、来るなら せめてもう少し早く言って
  580. やちよの父: もしかして忙しくしてたか? それなら悪かった…
  581. やちよ: そうじゃないけど… ご飯とか作るし…
  582. やちよの父: やちよのご飯か! 久しぶりだな…!
  583. やちよの母: あら?もしかして みんなで編み物をしていたの?
  584. いろは: そうなんです やちよさんに教えてもらって
  585. やちよの母: へぇ、楽しく過ごせてるのね よかったわ
  586. やちよの母: …ん? このマフラー…
  587. いろは: あっ…!
  588. やちよ: ああっ!?
  589. やちよ: (しまった!)
  590. やちよ: (昔編んだマフラー しまっておくの忘れてた…!)
  591. やちよ: (い、いえ…大丈夫…)
  592. やちよ: (ふたりはマフラーのこと 知らないはず)
  593. やちよの父: …これは
  594. やちよの母: もしかして、やっとプレゼント してくれる気になったのね?
  595. やちよ: …えっ?
  596. やちよの母: 何年越しかしら…?
  597. やちよの父: やちよが小学生の頃からだから 7年くらいか?
  598. やちよ: ちょ、ちょっと待って!
  599. やちよ: どうして、ソレの存在を ふたりが知ってるの…?
  600. やちよ: というか『やっと』って何!?
  601. やちよの父: おばあちゃんに聞いて くれるのをずっと待ってたんだ
  602. やちよの母: 無理に、とは言えなかったものね
  603. やちよ: か、返して…! それ上手にできてないから!
  604. やちよの父: お夕飯、ご馳走様
  605. やちよの母: 急に来たのにありがとうね
  606. いろは: いえ!
  607. いろは: 私たちもおふたりと お話できて楽しかったです
  608. うい: 本当に、泊まっていかないの…?
  609. やちよの母: そうしたいんだけど… 明日は本社で仕事なの
  610. 鶴乃: それならしかたないね… やちよも残念だろうけど
  611. やちよ: …………
  612. さな: あの…やちよさん… ご両親…帰っちゃいますよ…?
  613. フェリシア: つーか、 いつまでふくれてんだ…?
  614. やちよの母: …あのね
  615. やちよの母: あの子、昔から 甘えてくれないの
  616. やちよの母: だから、おばあちゃんが 亡くなったあとは
  617. やちよの母: 心配してたんだけど
  618. やちよ: 何…?
  619. やちよの母: 今は、もう大丈夫みたいね
  620. いろは: そうだと嬉しいです
  621. やちよの母: これからもやちよのこと よろしく
  622. いろは: はいっ!
  623. やちよ: …ほら、そろそろ行かないと 今日は電車で帰るんでしょ?
  624. やちよ: 間に合わなくなるわよ
  625. やちよの母: …うん
  626. やちよの母: じゃあ、また みんなと仲良くね
  627. やちよの父: 寒くなってきたから 風邪にも気をつけるんだぞ
  628. やちよ: わかってる
  629. やちよ: …ふたりも気をつけてね
  630. やちよ: …………
  631. いろは: 帰っちゃいましたね
  632. やちよ: そうね…
  633. うい: …あっ、雪
  634. さな: おふたり… 大丈夫でしょうか…?
  635. やちよ: …寒くないでしょ
  636. やちよ: 私が編んだマフラーが あるんだから
  637. やちよ: もう大学生だって言ってるのに… 心配し過ぎなのよ…!
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