Not a member of Pastebin yet?
Sign Up,
it unlocks many cool features!
- (From the opening sequence images in 516710-0)
- 私のお兄さんを 取らないで!
- [Title card] 恋は△(さんかく) 愛は●(えんまん)
- FILENAME: text_516710-1_flUel.txt
- 真井 あかり: いたわね
- 由良 蛍: ん~…強くはなさそ~…
- 真井 あかり: だからって寝ちゃダメよ?
- 由良 蛍: わかってるよぉ~…
- 真井 あかり: じゃあ、行きましょう!
- 真井 あかり: やぁ!
- 真井 あかり: いい手ごたえ! 一気に攻めるわ
- 真井 あかり: 蛍、援護して!
- 由良 蛍: …じゃぁ~… 枕をぉ…投げるよぉ~…
- 由良 蛍: そぉ~れぇ~…
- 真井 あかり: これで…
- 真井 あかり: 終わり!
- …………!?!?!?
- 真井 あかり: ふぅ… 確かに強くはなかったわね
- 由良 蛍: ん~…あかりぃ…また少しぃ… 強くなったんじゃない~…?
- 真井 あかり: えっ!本当?
- 真井 あかり: えへへ~…
- 由良 蛍: 成長期だねぇ~…
- 由良 蛍: それじゃぁ… 送ってくからぁ…帰ろっかぁ~…
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: なんで、魔女退治の後は いつも蛍が私を送っていくの?
- 真井 あかり: 遊びに行くときとかは 私が送ってあげないと
- 真井 あかり: その辺で寝ちゃうのに…
- 由良 蛍: だってぇ~…あかりはぁ…
- 由良 蛍: 変身しているときはぁ… 16歳でもぉ…
- 由良 蛍: ホントはぁ…小学生だしぃ~…
- 真井 あかり: むっ…
- 由良 蛍: そろそろ小学生がひとりでぇ… 出歩く時間じゃないもん~…
- 真井 あかり: 子ども扱いしないで!
- 由良 蛍: すねないでよぉ~… 私のためだと思ってさぁ~…
- 真井 あかり: …蛍のため?
- 由良 蛍: あかりをひとりで帰したらぁ… 私が怒られるのぉ~…
- 真井 あかり: …ああ、世間体ってやつね
- 由良 蛍: そ~…
- 真井 あかり: なら、仕方ないか…
- 真井 あかり: 蛍が怒られたら可哀想だから
- 真井 あかり: 子ども扱いしたことは 許してあげる
- 由良 蛍: わぁ~い… あかりぃ…優し~…
- 真井 あかり: さぁ、帰るわよ
- 由良 蛍: はぁ~い…
- 由良 蛍: ん~…眠ぅ~ぃ…
- 真井 あかり: これだと、どっちが送ってるのか わからないわね…
- 由良 蛍: 大丈夫ぅ~… もうすぐあかりの家でしょ~…?
- 由良 蛍: それまではぁ…ね…なぁ…い…
- 真井 あかり: いまにも寝そうじゃない…!
- 二階堂 陽斗: あかり
- 真井 あかり: 陽斗(はると)お兄さん! ただいま!
- 真井 あかり: 待っててくれたの?
- 二階堂 陽斗: そろそろ帰って来る頃だと思って
- 二階堂 陽斗: 由良先輩 いつもありがとうございます
- 由良 蛍: ん~…こちらこそぉ…
- 由良 蛍: あかりにはぁ…いつもぉ… お世話になってるからぁ~…
- 由良 蛍: じゃあ…私はこれでぇ~…
- 二階堂 陽斗: 今日はおじさんたちも うちでご飯食べるって
- 真井 あかり: パパたちも!?
- 真井 あかり: (やったぁ!)
- 真井 あかり: (陽斗お兄さんと一緒に お夕飯が食べられる!)
- 真井 あかり: うちに戻って 急いで支度してくるね!
- 二階堂 陽斗: お隣さん同士なんだから そんなに慌てなくて大丈夫だよ
- FILENAME: text_516710-2_flUel.txt
- <翌日>
- 真井 あかり: おはよう、陽斗お兄さん!
- 二階堂 陽斗: おはよう、あかり いつもより早いね
- 真井 あかり: 今日は蛍が日直だから 普段より早く起こしに行くの
- 二階堂 陽斗: それで気合が 入っているんだね
- 真井 あかり: まぁね
- 真井 あかり: (…っていうのは ウソじゃないけど)
- 真井 あかり: (気合が入ってる一番の理由は)
- 真井 あかり: (蛍が日直の日は 早く家を出るから)
- 真井 あかり: (部活の朝練に行く 陽斗お兄さんと)
- 真井 あかり: (蛍の家まで、一緒に 登校できるからなんだけど)
- 二階堂 陽斗: どうしたの、あかり?
- 真井 あかり: …えっと、お兄さん 制服のネクタイが曲がっているわ
- 真井 あかり: 直してあげるから 少ししゃがんでくれる?
- 二階堂 陽斗: あっ、急いでたから…
- 真井 あかり: はい、直ったわよ
- 二階堂 陽斗: ありがとう あかりは本当にしっかり者だね
- 二階堂 陽斗: あかりのお兄さん みたいなものなんだから
- 二階堂 陽斗: 僕もしっかりしないとなぁ…
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: (また妹扱い…)
- 真井 あかり: (私のこと生まれたときから 見てきたんだとしても)
- 真井 あかり: (妹としてじゃなくて 女の子として好きって)
- 真井 あかり: (たくさん アピールしてるんだから)
- 真井 あかり: (少しくらい気づいてくれても いいじゃない…)
- 真井 あかり: (…それだけ、5歳差の壁って とっても厚いってことよね)
- 真井 あかり: (同じ学年だったら 一緒に部活もできたのに)
- 真井 あかり: …陽斗お兄さん 部活楽しい?
- 二階堂 陽斗: 楽しいよ
- 二階堂 陽斗: あかりは、部活に興味津々だね
- 真井 あかり: だって、陽斗お兄さん 最近ずっと部活ばっかりだから
- 二階堂 陽斗: あはは…
- 二階堂 陽斗: いましかできないと思うと 熱が入っちゃって
- 真井 あかり: (まぁ、そうよね…)
- 真井 あかり: (陽斗お兄さんは、 おじ様の跡を継いで)
- 真井 あかり: (二階堂グループを引っ張って いかないといけないから)
- 真井 あかり: (いまのうちに、っていう 気持ちはわかるわ)
- 真井 あかり: (…そのせいで)
- 真井 あかり: (お兄さんといられる時間が 減るのは寂しいけど)
- 二階堂 陽斗: ただ、今日の放課後の部活は お休みしないといけなくて…
- 真井 あかり: どうして?
- 二階堂 陽斗: 父さんから用事があるから 早く帰ってこいって言われたんだ
- 真井 あかり: おじ様から? 会社のお手伝いかしら?
- 二階堂 陽斗: うーん…詳しいことは 教えてくれなかったんだ
- 二階堂 陽斗: 僕にとっても 『いい話』らしいんだけど…
- 二階堂 陽斗: 昨日の会食から帰ってきてから 妙に機嫌がいいんだよね
- 真井 あかり: (…あれ? 早く帰るってことは)
- 真井 あかり: もしかして、 今日は一緒に帰れる?
- 二階堂 陽斗: 僕はいいけど 由良先輩のことはいいの?
- 真井 あかり: 大丈夫!
- 真井 あかり: 蛍だって、たまには 自立させないといけないもの!
- 真井 あかり: だから、 陽斗お兄さん、一緒に帰ろ?
- 二階堂 陽斗: じゃあ、そうしようか
- 二階堂 陽斗: 授業が終わったら 教室まで迎えに行くね
- 真井 あかり: うんっ!
- 真井 あかり: (やったぁ!)
- FILENAME: text_516710-3_flUel.txt
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: ほーたーるー! 朝よっ!おーきーてぇーっ!!
- 蛍の声: あぅっ~…!?
- 蛍の声: なんでぇ~…ベッドからぁ… 落とすのぉ~…?
- 真井 あかり: ご、ごめん… ちょっと勢いあまっちゃって…
- 蛍の声: え~ん… ヒドイよぉ~…
- 真井 あかり: 私が悪かったわ… 謝るから、機嫌を直して
- 真井 あかり: 着替えも手伝ってあげるから
- 蛍の声: ん~…怒ってはないけどねぇ~…
- 蛍の声: 手伝ってくれるならぁ… おねがぁ~い…
- 由良 蛍: ふわぁ~…
- 真井 あかり: 眠くてもいいけど まっすぐ歩いてね
- 由良 蛍: ん~…今日はぁ… 機嫌がいいねぇ~…
- 由良 蛍: いつもならぁ…
- 由良 蛍: 『自分で歩きなさい』ってぇ… 言うしぃ~…
- 由良 蛍: 着替えをぉ…手伝ってぇ… くれることもないのにぃ~…
- 真井 あかり: だって、今日は陽斗お兄さんが 一緒に帰ってくれるから!
- 由良 蛍: へぇ~… 二階堂くん…部活ないんだぁ~…
- 真井 あかり: ないんじゃなくて お休みするらしいわ
- 真井 あかり: おじ様に早く帰ってくるように 言われたらしいの
- 真井 あかり: そういうわけで、 放課後はお世話できないから
- 真井 あかり: 日直はひとりでやってね できるわよね…?
- 由良 蛍: ん~…頑張るぅ~…
- 由良 蛍: でもぉ…珍しいねぇ~… 部活休んでまでなんてぇ~…
- 真井 あかり: そう言われてみればそうかも? 基本、学校が優先だし…
- 由良 蛍: ぷちうさの新しい~… グッズ企画とかかなぁ~…?
- 由良 蛍: 確かぁ…ぷちうさ関連のぉ… 事業はぁ~…
- 由良 蛍: 二階堂くんがぁ…ほとんどぉ… 任されてるんだよねぇ~…?
- 真井 あかり: 会社を継いだときの勉強も 兼ねてね
- 真井 あかり: でも、今回は違うと思うわ
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんも、どんな用事か 教えてもらえなかったらしいから
- 由良 蛍: …ん~…?
- 真井 あかり: ただ、お兄さんにとっても 『いい話』だそうよ
- 由良 蛍: つまりぃ… サプライズってことぉ~…?
- 真井 あかり: そうね、おじ様の機嫌が よかったらしいから
- 真井 あかり: すごくいいサプライズなのかも
- 由良 蛍: ん~…んん~…
- 由良 蛍: (周りが盛り上がってるぅ… サプライズってぇ…)
- 由良 蛍: (あんまりぃ… いいことないんだよねぇ~…)
- 由良 蛍: (…ってぇ… 思うんだけどぉ~…)
- 真井 あかり: えへへ~… 早く放課後にならないかなぁ~…
- 由良 蛍: (あかりが楽しそうだからぁ… いっかぁ~…)
- 由良 蛍: (水を差したらぁ… 可哀想だもんねぇ~…)
- FILENAME: text_516710-4_flUel.txt
- 二階堂 陽斗: あかり、お待たせ
- あっ! あかりちゃんのお兄さんだ!
- お迎えに来てくれるなんて 優しいね
- 真井 あかり: 優しいのは…そうだけど…
- 真井 あかり: (本当は兄じゃなくて)
- 真井 あかり: (お隣に住んでる 遠縁の親戚なのよね)
- 真井 あかり: (どこにいっても 兄妹に見られるし)
- 真井 あかり: (パパやママ、 二階堂のおじ様おば様からも)
- 真井 あかり: (そういう扱いだけど…!)
- 二階堂 陽斗: もしかして、 まだ帰る準備できてないかな?
- 二階堂 陽斗: お兄さん、手伝おうか?
- 真井 あかり: ううん、大丈夫! 帰ろっ!
- 真井 あかり: (いつもより一緒にいられる 時間を楽しまなきゃっ!)
- 真井 あかり: クラスのみんなを集めて
- 真井 あかり: 逃げちゃったウサギさんを 探したんだけど
- 真井 あかり: 全然見つからなくて…
- 真井 あかり: 仕方がないから ウサギ小屋まで戻ったの
- 真井 あかり: そうしたらね…
- 二階堂 陽斗: うん
- 真井 あかり: いつのまにか、 自分で戻ってたみたいで
- 真井 あかり: ウサギ小屋の前にいたのよ びっくりしちゃったわ
- 二階堂 陽斗: 遊び疲れて戻ってきたのかな?
- 真井 あかり: たぶんね
- 二階堂 陽斗: でも、無事でよかったね
- 真井 あかり: うんっ!
- 真井 あかり: (もう少しで お家に着いちゃうなぁ…)
- 真井 あかり: (本当はもっとお兄さんと 一緒にいたいのに…)
- 真井 あかり: (でも、そんなワガママを言って 困らせるわけにはいかないわ)
- 真井 あかり: …………あっ!
- 真井 あかり: (あのお店、ぷちうさのグッズが たくさん置いてある!)
- 二階堂 陽斗: 少し寄っていく?
- 真井 あかり: 本当!?
- 真井 あかり: …あ、でも、早く帰らないと いけないのよね…?
- 二階堂 陽斗: 少しだけなら大丈夫だよ
- 真井 あかり: じゃ、じゃあ、ちょっとだけ…!
- 真井 あかり: ―あかり― えへへ~… ぷちうさ、可愛い!
- 二階堂 陽斗: ―陽斗― 欲しいなら買ってあげるよ
- 真井 あかり: ―あかり― ――っ!?
- 真井 あかり: ―あかり― あっ! ち、違うの…!
- 真井 あかり: ―あかり― ぷちうさは、陽斗お兄さんが私のために 描いてくれたキャラだから特別ってだけで…
- 真井 あかり: ―あかり― こういう子どもっぽいものが 好きなわけじゃないから…!
- 二階堂 陽斗: ―陽斗― あはは…そうだったね
- 二階堂 陽斗: もういいの?
- 真井 あかり: …うん、いい
- 真井 あかり: (何よ、微笑ましそうにして 背伸びしてると思ってるのね)
- 真井 あかり: (ふーんだっ!)
- 陽斗の父: やっと帰って来たか!
- 二階堂 陽斗: 父さん!? 外で待ってなくてもいいのに…
- 陽斗の父: 居ても立っても 居られなかったんだ
- 陽斗の母: あかりも一緒だったのね おかえりなさい
- 真井 あかり: ただいま戻りました おば様!
- 陽斗の父: じゃあ、陽斗 許嫁に会いに行くぞ!
- あかり&陽斗: …………はっ…?
- あかり&陽斗: 許嫁!?
- 陽斗の父: あかりも一緒でちょうどよかった
- 陽斗の父: あかりには、 まだ伝えていなかったからな
- 陽斗の母: ふふ、この人ったら 嬉しくて
- 陽斗の母: 先にあかりのご両親に 話しちゃったものねぇ
- 陽斗の父: あのふたりは、陽斗にとっても 親みたいなものだからな
- 陽斗の母: あら? あかり、聞いてる…?
- 真井 あかり: いい、なずけ…
- FILENAME: text_516710-5_flUel.txt
- 由良 蛍: すぅ…すぅ…
- あかりの声: 蛍っー!!
- バンッ!
- 真井 あかり: やっぱり寝てたわね!
- 真井 あかり: 起きなさい! 日直はどうしたのよ!
- 由良 蛍: んん~…終わってるぅ~… 疲れたからぁ…休んでるのぉ~…
- 真井 あかり: えっ!そうなの? 偉いじゃない
- 真井 あかり: …じゃなく!
- 真井 あかり: 起きて! 大変なの!
- 由良 蛍: …ん~… あかりぃ…?
- 由良 蛍: お家にぃ… 帰ったんじゃなかったのぉ~…?
- 真井 あかり: 帰ったけど戻って来たの! 大変なのよ!
- 由良 蛍: 大変~…?
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんが結婚しちゃう!
- 由良 蛍: …へぇ~…結婚かぁ…
- 由良 蛍: (やっぱりぃ… 嫌なサプライズだったねぇ…)
- 真井 あかり: とにかく、聞いて!
- 真井 あかり: いい、なずけ…
- 真井 あかり: は、陽斗お兄さん… 許嫁がいたの…?
- 二階堂 陽斗: 僕も初耳だよ…
- 陽斗の父: 昔、口約束でだけどな
- 陽斗の父: ありがたいことに 向こうも覚えてくれてて
- 陽斗の父: 陽斗も高校生になったから
- 陽斗の父: 本格的に話を進めよう ってことになったんだ
- 二階堂 陽斗: そんな急に…
- 陽斗の父: 恋人はいないって言ってただろ?
- 二階堂 陽斗: …ちょっと前に脈絡もなく
- 二階堂 陽斗: 恋人がどうとか聞いてきたのは こういうことだったのか…
- 真井 あかり: 陽斗お兄さん…! ちょっと来て!
- 真井 あかり: 陽斗お兄さん、 好きな人がいるのよね?
- 二階堂 陽斗: ――っ!?
- 二階堂 陽斗: そうだけど…その… 会いたくても…会えないし…
- 真井 あかり: でも、好きなんでしょ?
- 二階堂 陽斗: …うん
- 真井 あかり: おじ様たちに言ったら 考え直してくれるかも!
- 二階堂 陽斗: いや…でも、僕の片想いだから…
- 二階堂 陽斗: 父さんたちを説得するのは難しい と思うよ…
- 二階堂 陽斗: ほら、見て
- 二階堂 陽斗: すっかりその気だ…
- 真井 あかり: うぅ…
- 真井 あかり: (ダメダメダメ!)
- 真井 あかり: (陽斗お兄さんに 許嫁なんて絶対ダメ!)
- 陽斗の母: 会う前から不安に思わないで
- 陽斗の母: お相手の方は とても素敵なお嬢さんよ
- 陽斗の父: 父さんたちの顔を立てると思って 頼む!
- 二階堂 陽斗: …………
- 陽斗の父: 今回は、ただの顔合わせだから なっ?
- 二階堂 陽斗: わかったよ…
- 真井 あかり: えっ!?
- 真井 あかり: …ということなの!
- 真井 あかり: どうしよう… 陽斗お兄さんが結婚しちゃう!
- 由良 蛍: 二階堂くんはぁ…
- 由良 蛍: まだ結婚できるぅ… 年齢じゃないけどねぇ~…
- 真井 あかり: そうだけど! そうじゃなくてわかるでしょ?
- 由良 蛍: ん~…このままだとぉ~… ってぇことでしょ~…?
- 真井 あかり: そうよ!
- 由良 蛍: 断らないのぉ~…?
- 真井 あかり: お兄さんが…?
- FILENAME: text_516710-6_flUel.txt
- 由良 蛍: 断らないのぉ~…?
- 真井 あかり: お兄さんが…?
- 由良 蛍: だってぇ…二階堂くん… 好きな人いるよねぇ~…?
- 真井 あかり: …うん 私としては複雑なんだけど
- 由良 蛍: 二階堂くんの好きな人はぁ… ちょっと訳アリだもんねぇ~…
- 由良 蛍: おまけにぃ…あかりはぁ… 妹扱いだしぃ~…
- 真井 あかり: …好きってアピールしても 気づいてくれないんだもん
- 由良 蛍: ん~…ともかくぅ…
- 由良 蛍: 二階堂くんはぁ…いまぁ~…
- 由良 蛍: 許嫁さんとの顔合わせにぃ… 連れて行かれててぇ~…
- 由良 蛍: 許嫁の話にぃ… 前向きになられたらぁ…
- 由良 蛍: あかりとしては 困るってわけだぁ~…
- 真井 あかり: …うん
- 真井 あかり: おじ様たちがその気だから 押し切られちゃうかも…
- 真井 あかり: 陽斗お兄さん、 家族の押しには弱いから…
- 由良 蛍: (あかりにもぉ… 甘いもんねぇ~…)
- 真井 あかり: しかも、その相手がね 香春グループのご令嬢らしいの!
- 由良 蛍: 香春ぅ~…?
- 由良 蛍: ん~…なんだっけぇ… どこかで聞いたようなぁ…?
- 真井 あかり: すごいお金持ちのお家よ!
- 由良 蛍: それはぁ… 知ってるんだけどぉ~…
- 由良 蛍: それ以外でもぉ… どこかでぇ…聞いたようなぁ…?
- 真井 あかり: もし、陽斗お兄さんが 気に入られちゃったらどうしよう
- 真井 あかり: そんなことになったら きっと結婚まっしぐらよ…
- 真井 あかり: あの香春家だもの…
- 真井 あかり: いくら二階堂家とはいえ 断れないわ…
- 由良 蛍: ん~…とりあえずぅ… あかりの家に行こーよぉ…
- 由良 蛍: 顔合わせが終わってぇ… 二階堂くんが帰って来るのをぉ…
- 由良 蛍: 一緒に待ってあげるぅ…
- 由良 蛍: それでぇ… 一緒に話を聞いてみよぉ~…
- 真井 あかり: …うん ありがとう、蛍
- 由良 蛍: …ふわぁ~…
- 真井 あかり: …蛍が寝てないと 変な感じがするわ…
- 由良 蛍: ん~…寝たいけどぉ… 一緒に待つぅ…約束だからぁ…
- 真井 あかり: ……………あっ! お兄さんのお家の車が見えたわ!
- 真井 あかり: 帰って来たみたい!
- 由良 蛍: じゃぁ~…行こっかぁ~…
- 真井 あかり: 陽斗お兄さん!
- 二階堂 陽斗: …もしかして、僕たちの帰りを 待っててくれたの?
- 真井 あかり: それより、どうだったの!?
- 二階堂 陽斗: …えっとね
- 真井 あかり: 断れなかったのね…?
- 二階堂 陽斗: うん…
- 二階堂 陽斗: 僕たちを引き合わせるのが 目的だったみたいで
- 二階堂 陽斗: 許嫁の話が出なくて…
- 二階堂 陽斗: 僕から言い出せるような 雰囲気でもなかったから…
- 由良 蛍: それとぉ…ご両親がぁ… その気だったからぁ~…?
- 二階堂 陽斗: それもあります…
- 二階堂 陽斗: 香春さんのご両親も 同じようでしたし…
- 真井 あかり: …やっぱり流されてた
- 二階堂 陽斗: あはは… 情けないお兄さんでごめん
- 二階堂 陽斗: でも、断るつもりではいるんだ
- 二階堂 陽斗: …あの人が好きだから
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: (不安だわ…)
- 真井 あかり: (陽斗お兄さんは優しいから)
- 真井 あかり: (おじ様たちにどうしても って言われたら)
- 真井 あかり: (絶対、断り切れないもの)
- 真井 あかり: (ここは私が なんとかしなくちゃ…)
- FILENAME: text_516710-7_flUel.txt
- <翌日>
- <聖リリアンナ学園>
- 由良 蛍: …ねぇ~…あかりぃ~…
- 由良 蛍: ―蛍― 隠れる必要あるぅ~…?
- 真井 あかり: ―あかり― てきじょー視察に来てるのよ 慎重にしなきゃ…
- 由良 蛍: ―蛍― ん~…そっかぁ~…
- 由良 蛍: そういえばさぁ~…
- 由良 蛍: あかりってぇ… なんでぇ…栄総合なのぉ~…?
- 真井 あかり: えっ? 何よ、急に
- 由良 蛍: 二階堂くんもだけどぉ…
- 由良 蛍: お家の規模を考えればぁ… ふたりともぉ…
- 由良 蛍: お金持ち学校にぃ… 行くものじゃないかなぁ~…
- 由良 蛍: ってぇ…聖リリアンナに来てぇ… 思ったのぉ~…
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: 私は、陽斗お兄さんが 栄総合に通っていたから
- 真井 あかり: 同じ学校に行きたいって パパとママにお願いしたけど…
- 由良 蛍: ん~…じゃぁ… 二階堂くんはぁ~…?
- 真井 あかり: お兄さんは… なんでだっけ?近いから?
- 由良 蛍: お金持ち学校ならぁ… 車で通えるけどぉ~…?
- 真井 あかり: うーんと…あっ!
- 二階堂 陽斗: 「それなら、僕は栄総合にしようかな 一番近いから」
- 二階堂 陽斗: 「だから、あかり もう泣かないで」
- 真井 あかり: 私が物心つく前の動画が 残ってて
- 真井 あかり: ママに見せてもらったんだけど
- 真井 あかり: たくさん一緒にいたいって 私が泣いちゃったみたいなの…
- 由良 蛍: ん~…学校遠いとぉ~… 帰りも遅くなるもんねぇ~…
- 真井 あかり: 私は、まだ赤ちゃんだったから あんまり覚えてないんだけどね…
- 由良 蛍: それでぇ…家から近い~… 栄総合にしたんだぁ~…
- 真井 あかり: それより、どうやって入るか 考えなくちゃ
- 由良 蛍: 『陽斗お兄さんの許嫁を 偵察するわよ』ってぇ…
- 由良 蛍: 勢いだけでぇ… 来ちゃったもんねぇ~…
- 由良 蛍: 関係者じゃないとぉ~… 入れないのにぃ~…
- 真井 あかり: うっ… じっとしていられなくて…
- 由良 蛍: どーしよっかぁ~…
- 由良 蛍: さすがにぃ… 知り合いでもないのにぃ…
- 由良 蛍: その香春家のご令嬢をぉ~…
- 由良 蛍: 呼び出してもらうのはぁ… 難しいかもぉ~…
- 真井 あかり: 何か、手はないかしら?
- 柚希 ほとり: あのぉ…何かお困りですか…? お手伝いできることありますか?
- 真井 あかり: えっ? あ…ご親切にありがとう
- 由良 蛍: わぁ~…運がいーねぇ~…
- 真井 あかり: えっと、実は会いたい人がいて…
- 柚希 りおん: ちょっと、ほとりん!
- 柚希 りおん: あたしをおいて走っていくなんて どういうつもり!?
- 香春 ゆうな: どうかなさいましたの?
- FILENAME: text_516710-8_flUel.txt
- <少し前…>
- 香春 ゆうな: それでは、帰りましょうか ほとりさん、りおんさん
- 柚希 りおん: それで、どうだったのよ?
- 香春 ゆうな: どう、とは…?
- 柚希 りおん: 許嫁! 昨日、会ったんでしょ?
- 柚希 ほとり: じ、実は…ボクも気になってて
- 香春 ゆうな: その話でしたか
- 香春 ゆうな: お相手の方と ふたりだけでお話もしたのですが
- 香春 ゆうな: とても誠実な方でしたわ
- 柚希 りおん: それって イイ感じだったってこと?
- 香春 ゆうな: いえ、今回のお話は 白紙に戻すということで
- 香春 ゆうな: お互いに合意しましたの
- 柚希 りおん: えっ!? いい人じゃなかったの?
- 香春 ゆうな: 素敵な方であることは 間違いありません
- 香春 ゆうな: ですが、わたくしには やるべきことがあります
- 香春 ゆうな: 憧れのあの方…マミ様と対等に 向き合える自分になるためには
- 香春 ゆうな: まだまだ修行不足…
- 香春 ゆうな: いまは他のことにうつつを 抜かしている時間はありません!
- 柚希 りおん: つまり いまは恋より憧れってことね
- 香春 ゆうな: そういうことですわ
- 香春 ゆうな: これもふたりだけのときに お話して
- 香春 ゆうな: お互いの両親にも まだ伝えていないのですが…
- 香春 ゆうな: お相手の方…陽斗さんには 想い人がいらっしゃるそうです!
- 柚希 りおん: 恋人が!?
- 香春 ゆうな: いえ、片想いだそうなのですが とてもロマンチックで…
- 柚希 りおん: ロマンチック?
- 香春 ゆうな: 調子が悪くて倒れていた 陽斗さんを
- 香春 ゆうな: お相手の女性が 助けてくださったそうです
- 柚希 りおん: ベタだけど悪くないわね
- 香春 ゆうな: そして、初対面なのに 親身になってくれた優しさに
- 香春 ゆうな: 心惹かれたそうですわ
- 柚希 りおん: 弱っているところに 優しくされてイチコロってわけね
- 柚希 りおん: これもベタだけど 少女漫画みたいでいいじゃない
- 香春 ゆうな: そして、ですね…
- 香春 ゆうな: ご両親にも打ち明けられない 秘密の恋、だそうです
- 柚希 りおん: ――っ!?
- 柚希 りおん: 秘密の恋!? どういうこと、それ?
- 香春 ゆうな: 踏み込んだことはあまり… お相手の方に事情があるため
- 香春 ゆうな: ただ、ひっそりと想うことしか できないそうですわ
- 柚希 りおん: きゃあっ! それはロマンチックだわ!
- 柚希 りおん: ねぇ、ほとりん! ほとりんもそう思うでしょ?
- 柚希 りおん: …………
- 柚希 りおん: って、ほとりんは!?
- 柚希 ほとり: あのぉ…何かお困りですか…? お手伝いできることありますか?
- 真井 あかり: えっ? あ…ご親切にありがとう
- 由良 蛍: わぁ~…運がいーねぇ~…
- 真井 あかり: えっと、実は会いたい人がいて…
- 柚希 りおん: いた! あたしを置いてくなんて!
- 柚希 りおん: ちょっと、ほとりん!
- 柚希 りおん: あたしをおいて走っていくなんて どういうつもり!?
- 香春 ゆうな: どうかなさいましたの?
- 柚希 ほとり: あぅ…ごめん… 困っているみたいだったから…
- 柚希 ほとり: それで、えっと… 会いたい人がいるんだよね…?
- 真井 あかり: え、ええ… 陽斗お兄さんの許嫁さんに…
- 真井 あかり: お兄さんは、優しくて はっきり言えないから
- 真井 あかり: 私が見極めてあげようと 思ってきたんです
- 由良 蛍: 私はぁ…付き添い~…
- 柚希 りおん: はると、お兄さん…? 陽斗ってことはかはるんの…
- 真井 あかり: かはるん…さん? あっ、香春ゆうなさん!?
- 柚希 ほとり: この人がかはるん… 香春ゆうなさんだよ
- 真井 あかり: あなたが…
- 香春 ゆうな: ――っ!?
- 香春 ゆうな: (こ、これは…)
- 香春 ゆうな: (先日りおんさんにお借りした 少女漫画…)
- 香春 ゆうな: (“年の差なんて飛び越えて!” のヒロイン・ハルちゃんが)
- 香春 ゆうな: (ライバルの上級生を偵察する シチュエーションと全く同じ…)
- 真井 あかり: (な、なんか じっと見られてる…)
- 香春 ゆうな: (…わたくし わかってしまいましたわ!)
- 香春 ゆうな: (この方が、陽斗さんの想い人)
- 香春 ゆうな: (きっと年の差を 気にしてらしたのね)
- 真井 あかり: (…もしかして睨まれてるの? 怖気づいたりしないんだから!)
- 香春 ゆうな: (そして、この様子だと)
- 香春 ゆうな: (この方も陽斗さんに 恋をしている様子…)
- 香春 ゆうな: (つまり、おふたりは)
- 香春 ゆうな: (お互いに 片想いをなさっていますのね!)
- FILENAME: text_516710-9_flUel.txt
- 香春 ゆうな: (恋しい相手のために ここまでいらっしゃるとは…)
- 香春 ゆうな: (なんて いじらしいのでしょう!)
- 香春 ゆうな: (ぜひとも 応援して差し上げたいわ)
- 香春 ゆうな: お名前をお聞きしても よろしいかしら?
- 真井 あかり: …真井あかりです
- 香春 ゆうな: あかりさん… とても可愛らしいお名前ですわね
- 真井 あかり: えっ? えっと、ありがとうございます?
- 香春 ゆうな: 陽斗さんには 一度お会いしただけですが
- 香春 ゆうな: 礼儀正しく実直で とても素敵な方だと思いましたわ
- 真井 あかり: なっ!
- 真井 あかり: (まさか、この人も お兄さんのことが好きなの!?)
- 真井 あかり: わ、私もよく知ってます! 長い付き合いですからっ!
- 香春 ゆうな: まぁ、そうでしたわね
- 真井 あかり: (これって許嫁の余裕!?)
- 真井 あかり: (うぅ…お嬢様で年齢も お兄さんとつりあってて)
- 真井 あかり: (勝てる要素がないわ!)
- 由良 蛍: ん~…?なんかぁ… すれ違い始めてるぅ~…?
- 柚希 ほとり: 噛みあってない、ですよね…?
- 香春 ゆうな: (これが恋する乙女)
- 香春 ゆうな: (己の愛にすべてを捧げる姿は)
- 香春 ゆうな: (まさに少女漫画で拝見した ヒロインそのものですわ!)
- 香春 ゆうな: 心配なさらなくても
- 香春 ゆうな: あの方とは既にお互いの気持ちを 確かめ合っていますわ
- 真井 あかり: えっ…!?
- 真井 あかり: (は、陽斗お兄さんは 断るって言っていたのに!?)
- 柚希 りおん: あ、ちょっと まぎらわしい言い方して!
- 由良 蛍: コントみたいにぃ… なってきたねぇ~…
- 香春 ゆうな: ですから…
- 香春 ゆうな: あかりさんの恋 わたくしにも応援させてください
- 真井 あかり: …………えっ?
- 柚希 りおん: あんた、 面白がってていいの?
- 由良 蛍: ん~…キミだってぇ… 面白がってるよねぇ~…?
- 柚希 りおん: あたしはいいのよ!
- 柚希 ほとり: ねぇ…りおん、 ボクたちで誤解を解こうよ…
- 真井 あかり: えっと、応援するって どういうことですか?
- 真井 あかり: ゆうなさんもお兄さんのことが 好き、なんですよね…?
- 香春 ゆうな: 尊敬できる方だとは思いますが
- 香春 ゆうな: お慕いしているわけでは ございません
- 真井 あかり: …よかった!
- 香春 ゆうな: むしろ、おふたりの恋が とてもロマンチックで
- 香春 ゆうな: ハッピーエンドに なってほしいと思ってますわ
- 由良 蛍: …ん~…そこもぉ… 誤解があるみたいだけどぉ~…
- 由良 蛍: 二階堂くんにとってぇ… 小学生は恋愛対象外だよぉ~…
- 由良 蛍: あかりはぁ…遠縁の親戚でぇ… 妹みたいなものなのぉ~…
- 香春 ゆうな: あら、てっきり…
- 香春 ゆうな: では、あかりさんの片想い…?
- 真井 あかり: …悔しいけどその通りです
- 香春 ゆうな: では、陽斗さんの想い人とは どなたでしょう?
- 真井 あかり: …………
- 由良 蛍: 話すと長くなるからぁ… 場所を移さない~…?
- 香春 ゆうな: でしたら、わたくしおすすめの お店に参りましょう
- 香春 ゆうな: 家の者に 車を手配させますわ
- 由良 蛍: すご~くぅ… 長いリムジンだったぁ~…
- 胡桃 まなか: いらっしゃいませ! 珍しい組み合わせですね
- 真井 あかり: あっ、まなかさん…
- 香春 ゆうな: ご存知でしたか?
- 真井 あかり: えっと…
- 由良 蛍: 同じユニオンの魔法少女同士ぃ… 繋がりがあるんだよぉ~…
- 香春 ゆうな: まぁ… 魔法少女だったのですね
- 香春 ゆうな: ふふっ 意外な共通点まであるなんて…
- 柚希 りおん: とりあえず注文しましょっ! お腹が空いたわ!
- 胡桃 まなか: ご注文承りました! それでは…
- みんな: ――っ!?
- 胡桃 まなか: 魔女の気配…お店の近くです!
- 香春 ゆうな: お店のことでお忙しいでしょうし
- 香春 ゆうな: わたくしたちが 代わりに参りますわ
- 胡桃 まなか: お願いしてしまって いいでしょうか…?
- 由良 蛍: …使用人さんたちにぃ… 見とがめられたりしない~…?
- 香春 ゆうな: 問題ありませんわ
- 香春 ゆうな: 少々個人的な話するので 外してちょうだい
- かしこまりました
- FILENAME: text_516710-10_flUel.txt
- 柚希 りおん: みんなで来る必要も なかったわね!
- 由良 蛍: …それでぇ… そっちはぁ…?
- 真井 あかり: 大丈夫みたい…
- 真井 あかり: でも、なんで また陽斗お兄さんが…
- 由良 蛍: ん~…やっぱりぃ… 魔女にもモテるみたいだねぇ~…
- 香春 ゆうな: 前にも被害に遭われたのですか?
- 真井 あかり: はい、前にも陽斗お兄さんを 助けたことがあって
- 真井 あかり: 実はそのときに…
- 二階堂 陽斗: …ぅ…………
- 由良 蛍: 目を覚ますみた~い… 私たちはぁ…隠れとこぉ~…
- 真井 あかり: えっ!? ちょっと…!
- 由良 蛍: これでぇ…二階堂くんのぉ… 好きな人がぁ…わかるよぉ~…
- みんな: …?
- 真井 あかり: (わ、私だけ 置いてかないでよ!)
- 二階堂 陽斗: …ぅ~ん…? 僕は、何を…?
- 真井 あかり: …気がついた?
- 二階堂 陽斗: ――っ!?
- 二階堂 陽斗: あ、あなたは… 前に僕を助けてくれた…!
- 二階堂 陽斗: …僕は、一体…?
- 真井 あかり: えっと、体調が悪そうだったから 介抱していたの…
- 二階堂 陽斗: 助けてくださっただけではなく ここまで気にかけてくれるなんて
- 二階堂 陽斗: 本当になんて お礼を言えばいいか…
- 二階堂 陽斗: またお会いできるなんて…
- 二階堂 陽斗: その、今日も介抱して いただいたんでしょうか?
- 真井 あかり: …そんなところよ
- 真井 あかり: (陽斗お兄さん、あのとき 魔女から助けた私のことを)
- 真井 あかり: (真井あかりとは、別の人だと 思っちゃってるのよね…)
- 二階堂 陽斗: はは、お恥ずかしいところばかり 見せてしまっていますね…
- 真井 あかり: そんなことないわ
- 真井 あかり: それより、しっかり休めている? 疲れが溜まっているのかも…
- 二階堂 陽斗: …そう、ですね 最近は、いろいろあって…
- 二階堂 陽斗: でも、こうやって気にかけて もらえて、元気が出ました
- 真井 あかり: それでも、無理は禁物よ 自分を大切にしなくちゃ
- 二階堂 陽斗: ありがとうございます
- 二階堂 陽斗: あなたは、今日も撮影ですか?
- 真井 あかり: …!
- 真井 あかり: え、ええ… そうよ
- 真井 あかり: (最初に会ったときに とっさについちゃったウソ)
- 真井 あかり: (まだ信じているのね…)
- 真井 あかり: (ごめんなさい 陽斗お兄さん…)
- 二階堂 陽斗: …………
- 二階堂 陽斗: そういえば、その衣装って
- 二階堂 陽斗: 今度始まる変身ヒロインの番組の コスチュームって話でしたよね?
- 二階堂 陽斗: ぷちうさも、 衣装の一部なんですか?
- 真井 あかり: えっ?
- 二階堂 陽斗: そのマスコットキャラクター…
- 二階堂 陽斗: 父が経営している会社で 作っているんです
- 二階堂 陽斗: 番組とコラボしているなら 父も知っているかなと思って…
- 真井 あかり: (あっ!しまった…!)
- 真井 あかり: こ、これは、私の趣味よ! 休憩中だからつけてるだけ
- 二階堂 陽斗: そうだったんですね 気に入ってもらえて嬉しいです
- 真井 あかり: えっと…その… 私、そろそろ戻らないと…
- 二階堂 陽斗: あっ…引き止めてしまって すみません…
- 二階堂 陽斗: お仕事の途中ですよね
- 真井 あかり: それじゃあ、私はこれで あまり無理しないでね
- 二階堂 陽斗: はい、ありがとうございました
- 二階堂 陽斗: …はぁ… やっぱり素敵な人だなぁ…
- みんな: …………
- 香春 ゆうな: …えっと、これは どういうことでしょう?
- 柚希 りおん: あたしは、わかった気がする…
- 柚希 ほとり: うん…
- 柚希 りおん: あかりは前にも同じように 陽斗を助けたことがあって
- 柚希 りおん: そのとき、とっさに 魔法少女の姿について
- 柚希 りおん: 変身ヒロインの撮影中って ウソをついたってことよね?
- 由良 蛍: そ~…
- 由良 蛍: 二階堂くんはねぇ… いまの子のことが好きなのぉ~…
- 由良 蛍: でもぉ…
- 由良 蛍: その正体があかりだってぇ… 気づいてないんだよぉ~…
- 香春 ゆうな: …! ああ…!
- 香春 ゆうな: 確かに陽斗さんの想い人は 調子が悪くて倒れていたところを
- 香春 ゆうな: 助けていただいた方だという お話でしたわね
- 由良 蛍: そ~…そういうことぉ~…
- 柚希 りおん: ねぇ…つまり、それって
- 柚希 りおん: あかりと16歳のあかりと陽斗の 三角関係ってことじゃない!?
- ゆうな&ほとり: ――っ!?
- [Part 1 end]
- -----
- [Part 2 start]
- FILENAME: text_516720-1_K5aq8.txt
- 柚希 りおん: ねぇ…つまり、それって
- 柚希 りおん: あかりと16歳のあかりと陽斗の 三角関係ってことじゃない!?
- ゆうな&ほとり: ――っ!?
- 柚希 ほとり: えっと…
- 柚希 ほとり: 11歳のあかりさんは 陽斗さんが好きで
- 柚希 ほとり: 陽斗さんは 16歳のあかりさんが好き…
- 柚希 ほとり: でも、陽斗さんは
- 柚希 ほとり: 16歳のあかりさんの 正体を知らない…?
- 由良 蛍: そ~…
- 香春 ゆうな: まぁ… 複雑ですわね
- 柚希 りおん: なんで正体を明かさないのよ?
- 柚希 りおん: 結局のところ、 お互いに好きなんでしょ?
- 真井 あかり: そう単純じゃないんです!
- 由良 蛍: あ~…戻ってきたぁ… 二階堂くんはぁ~…?
- 真井 あかり: ちゃんと町の方へ戻って行ったわ もう大丈夫だと思う
- 香春 ゆうな: それで、単純ではないとは どういうことでしょう?
- 由良 蛍: まずぅ…魔法少女だってぇ… 言わないといけないでしょ~…?
- 真井 あかり: それだけじゃなくて…
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんにとって 私は妹でしかないんです
- 真井 あかり: もし、恋をしている 同年代の女の子が
- 真井 あかり: 実は小学生の女の子… 私だったって知ったら
- 真井 あかり: きっと気持ちも冷めちゃう…
- 由良 蛍: まぁ…生まれたときからぁ 知ってるわけだしぃ~…
- 由良 蛍: そもそもぉ…二階堂くんはぁ…
- 由良 蛍: 小学生が恋愛対象にぃ… なるなんてぇ~…
- 由良 蛍: 考えたこともなさそうなぁ… タイプだよぉ~…
- 真井 あかり: それに、私は 本当の私を見てほしいんです
- 真井 あかり: 魔法で変身した姿じゃなくて
- 真井 あかり: 本当の私…真井あかりを 見てほしいんです!
- 香春 ゆうな: そうでしたの…
- 香春 ゆうな: やっぱり、あかりさんは とても健気な方ですね
- 香春 ゆうな: 改めて応援したくなりましたわ
- 真井 あかり: えっ…
- 香春 ゆうな: あかりさんの正体について 内密にしておくのは当然として…
- 香春 ゆうな: あかりさんの想いも 秘密にしておきますわ
- 真井 あかり: ありがとうございます
- 真井 あかり: …あの、最初に会ったとき
- 真井 あかり: 嫌な態度をとってしまって ごめんなさい
- 香春 ゆうな: ふふっ、 気にしていませんわ
- 柚希 ほとり: 痛っ…! りおん、なんでつつくの?
- 柚希 りおん: これって“ミミカル☆ミミコ” そのまんまの展開じゃない!
- 柚希 りおん: 興奮するなって言う方が 無理だわ!
- 香春 ゆうな: それは少女漫画の題名ですの?
- 柚希 ほとり: りおんが好きな 変身ヒロインの番組だよ…
- 胡桃 まなか: おかえりなさい! みなさん、無事でしたか?
- 香春 ゆうな: ええ、ご心配なく
- 胡桃 まなか: あっ! ゆうなさんのお家の執事さん?
- ゆうな様 ご歓談中に申し訳ございません
- お約束しておりました 二階堂様がいらっしゃいました
- 香春 ゆうな: あら、もうそんな時間ですの?
- 香春 ゆうな: …個人的な話も終わりましたので こちらにお連れして
- かしこまりました
- 真井 あかり: 二階堂って… 陽斗お兄さん?
- 香春 ゆうな: 言いそびれてしまいまして 申し訳ございません
- 香春 ゆうな: 実は今日、このあとお会いする 約束になっておりまして…
- 真井 あかり: ええっ!?
- 香春 ゆうな: 父たちから交流を深めるように 申し付けられていますの…
- 由良 蛍: ん~…それでぇ… 北養区にぃ…いたんだぁ~…
- 二階堂 陽斗: 遅くなってしまい 申し訳ありません
- 香春 ゆうな: お気になさらないで
- 香春 ゆうな: 友人たちと お茶をいただいておりましたから
- 真井 あかり: 陽斗お兄さん…
- 二階堂 陽斗: あかり?どうして北養区に? 由良先輩まで…
- 真井 あかり: えっと…偶然、かな…?
- 由良 蛍: ここのシェフの娘さんとねぇ~… 友だちなのぉ~…
- 由良 蛍: 私たちもぉ…ゆうなたちもぉ~…
- 由良 蛍: それでぇ…な~んかぁ… 意気投合しちゃってぇ~…
- 香春 ゆうな: そういうことですわ
- 二階堂 陽斗: でしたら、僕はかえって お邪魔になってしまいますね
- 香春 ゆうな: そんなことはございません どうぞお座りになって?
- 香春 ゆうな: あかりさんのお隣が 空いていますから
- 真井 あかり: はい、お兄さん 座って!
- 二階堂 陽斗: …じゃあ、お邪魔しようかな
- FILENAME: text_516720-2_K5aq8.txt
- 二階堂 陽斗: 楽しい時間を ありがとうございました
- 香春 ゆうな: ふふっ、 わたくしも楽しかったですわ
- 香春 ゆうな: あかりさんとも たくさんお話できましたし
- 香春 ゆうな: それではまた
- 香春 ゆうな: 明日のお食事会で お会いしましょう
- 二階堂 陽斗: 僕たちも帰ろうか
- 真井 あかり: うんっ!
- 真井 あかり: 蛍、起きて! 帰るわよ!
- 由良 蛍: ん~…ん… 起きてるぅ~…
- 真井 あかり: もうっ! それは起きてるって言わないの!
- 二階堂 陽斗: あはは… 相変わらずだね…
- 二階堂 陽斗: 車を呼んであるから 先輩の家まで送っていく?
- 真井 あかり: うん… そうするわ
- 真井 あかり: お待たせ! 蛍を家の中まで送ってきたわ
- 二階堂 陽斗: いつもえらいね
- 二階堂 陽斗: …………
- 真井 あかり: 陽斗お兄さん?
- 二階堂 陽斗: 家まで歩かない? 少し、話したいことがあるんだ
- 真井 あかり: いいけど…
- 二階堂 陽斗: 香春さんと会ってみて どうだった?
- 真井 あかり: どうって…
- 真井 あかり: 変わっているところもあるけど 素敵な人よ
- 真井 あかり: (私の恋も応援してくれるし)
- 二階堂 陽斗: 仲良くできそう?
- 真井 あかり: もちろん!
- 二階堂 陽斗: そっか…
- 真井 あかり: …どうしてそんなことを聞くの?
- 二階堂 陽斗: …………
- 二階堂 陽斗: 恋を… 諦めようと思って
- 真井 あかり: えっ…? ま、待って!
- 真井 あかり: 初恋だって… 好きだって言ってたじゃない!
- 真井 あかり: なのに、どうして!?
- 真井 あかり: ゆうなさんの方が好きに なっちゃったの!?
- 二階堂 陽斗: そういうことではないよ …ただ、家のことを考えるとね
- 真井 あかり: 家…? おじ様たちのこと?
- 二階堂 陽斗: 両親の期待もあるけど 一番は会社のことかな
- 二階堂 陽斗: 父さんの会社が大きくなったのは
- 二階堂 陽斗: そこで働いてくれている人たちが 頑張ってくれているからなんだ
- 真井 あかり: …それは知ってるけど
- 二階堂 陽斗: 僕はいずれ 父の会社を継ぐつもりだから
- 二階堂 陽斗: 一生懸命働いてくれている 人たちを守らないといけない
- 真井 あかり: それと、恋を諦めることが どう関係あるの?
- 二階堂 陽斗: 香春グループは とても大きな会社で
- 二階堂 陽斗: もし、仲たがいしてしまったら
- 二階堂 陽斗: お兄さんや あかりの家族だけじゃなくて
- 二階堂 陽斗: 二階堂グループで 働いてくれている人たちにも
- 二階堂 陽斗: 悪い影響が出てしまう
- 二階堂 陽斗: お仕事がなくなってしまったり とかね…
- 真井 あかり: あっ…
- 二階堂 陽斗: 僕の身勝手な気持ちのせいで… 叶うかもわからない恋のために
- 二階堂 陽斗: みんなを振り回すのは いけないことだと思ったんだ
- 真井 あかり: (お兄さんの言ってることは 確かにその通り、かも…)
- 真井 あかり: …でも、ゆうなさんは
- 真井 あかり: やりたいことがあるから 婚約は考えられないって…
- 二階堂 陽斗: もちろん、 香春さんの気持ちは尊重するよ
- 二階堂 陽斗: ただ、今回のことに関して お兄さんは
- 二階堂 陽斗: 父さんたちの決めることに 反対するのはやめようと思って
- 真井 あかり: …それでいいの?
- 二階堂 陽斗: 会社を継ぐなら 自分のことだけではダメだからね
- 二階堂 陽斗: それに、香春さんなら
- 二階堂 陽斗: あかりとも 仲良くしてくれるだろうから
- 真井 あかり: (…陽斗お兄さんは)
- 真井 あかり: (流されてるんじゃなくて みんなのことを考えてたんだ)
- 真井 あかり: (私は、そんなふうに 考えたこともなかった)
- 真井 あかり: (陽斗お兄さんと違って 私、まだまだ子どもだ…)
- 二階堂 陽斗: えっと…突然難しい話をして びっくりさせちゃったかな?
- 真井 あかり: …………
- 二階堂 陽斗: ごめんね…
- 二階堂 陽斗: でも、あかりは大切な家族だから 話しておきたかったんだ
- 真井 あかり: …………うん…
- FILENAME: text_516720-3_K5aq8.txt
- <翌日>
- 由良 蛍: あかり…? お~い…あ~か~り~…!
- 真井 あかり: …着替えたのね 学校、行くわよ
- 蛍の下の姉: …ねぇ、あかりちゃんってば どうしちゃったの?
- 蛍の下の姉: ぼんやりしちゃって 明らかにおかしいけど
- 蛍の上の姉: 蛍ちゃん… また、やっちゃった?
- 由良 蛍: 私じゃないよぉ~… でもぉ…ん~…様子見とくぅ~…
- 由良 蛍: あかりぃ… 大丈夫ぅ~…?
- 真井 あかり: いつもどおりよ
- 由良 蛍: ん~…どーしよぉ~… 重症みたい~…
- 真井 あかり: おはようございます
- おは、よう…!?
- 真井 あかり: 蛍、しっかり勉強するのよ
- ちょ、ちょっと どうしちゃったの?
- 蛍、また何かあかりちゃんに 酷いことしちゃったんじゃない?
- 泣かせた前科があるもんね
- 由良 蛍: だからぁ~…私じゃないのぉ~… え~ん…みんなぁ…ヒドイ…
- じゃあ、どうしちゃったわけ?
- あのあかりちゃんが ぼんやりしてるなんて…
- 由良 蛍: ん~…
- 由良 蛍: (確か、今日は両家の親睦を 深める食事会だっけ…?)
- 由良 蛍: (それを心配してる…?)
- 由良 蛍: (でも、ゆうなたち当人同士は 乗り気じゃないし…)
- 由良 蛍: 心当たりはあるんだけど ちょっと様子見てから、かな…
- 由良 蛍: あかりの中でまだ気持ちの整理が できてないと思うから
- 先生さようなら みなさん、さようなら!
- みんな: 「さようなら!」
- 真井 あかり: …………
- …あかりちゃん 大丈夫かな?
- 元気なかったね…
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: (昨日、陽斗お兄さんと 話したことが)
- 真井 あかり: (頭から離れない…)
- 二階堂 陽斗: 恋を… 諦めようと思って
- 二階堂 陽斗: 会社を継ぐなら 自分のことだけではダメだからね
- 真井 あかり: (私、お兄さんが 家のこととか会社のこととか)
- 真井 あかり: (ちゃんと考えてるなんて 知らなかった…)
- 真井 あかり: (お兄さんと並べるように 頑張って)
- 真井 あかり: (ちょっとずつ近づけてるって 思ったのも)
- 真井 あかり: (私の努力が 実ったからじゃなくて)
- 真井 あかり: (お兄さんが私に 合わせてくれてたからだった…)
- 真井 あかり: (だって 陽斗お兄さんは)
- 真井 あかり: (周りのことを見て しっかり考えているのに)
- 真井 あかり: (私は自分のことしか 考えてなかったんだもの…)
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: (許嫁をなかったことに したいのは)
- 真井 あかり: (陽斗お兄さんや ゆうなさんのためじゃなくて)
- 真井 あかり: (私が陽斗お兄さんを 好きだから…)
- 真井 あかり: (ただ、取られたくないだけ)
- 真井 あかり: (そのあとどうなるかなんて 全然考えてなかった…)
- 真井 あかり: 私、やっぱり子どもっぽい… 全然、大人になれてない…
- 真井 あかり: (昨日、お兄さんが 言っていたことは正しい)
- 真井 あかり: (大人になりたいなら 私も応援しないといけないのに)
- 真井 あかり: (私もこの気持ちを 諦めないといけないのに)
- 真井 あかり: ……………
- 真井 あかり: …でも、やっぱり嫌だよぉ
- FILENAME: text_516720-4_K5aq8.txt
- 真井 あかり: うぅ…ぐす…
- 由良 蛍: …見つけた
- 真井 あかり: …………蛍…?
- 真井 あかり: あっ…ごめん… 蛍のこと、忘れてたわ…
- 由良 蛍: 気にしてないよぉ~…
- 由良 蛍: …それで、何があったの?
- 真井 あかり: 何も、ないけど…
- 由良 蛍: ホントに?
- 真井 あかり: …………うん…
- 由良 蛍: そっか
- 由良 蛍: じゃあ、二階堂くんに 聞いてみるね
- 真井 あかり: えっ!? なんで陽斗お兄さんに!?
- 由良 蛍: 二階堂くんなら、あかりの様子が おかしい理由を知ってると思って
- 真井 あかり: 蛍のそういうところズルい… 脅すなんて…
- 由良 蛍: ホントにズルかったら 先に二階堂くんに聞いてるよぉ…
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: …実は、昨日蛍を送ったあとにね
- 真井 あかり: だから、私も 恋を諦めるべきなのかなって…
- 由良 蛍: それでいいの?
- 真井 あかり: …………うん…
- 真井 あかり: 私、もう子どもじゃないもん…
- 由良 蛍: ふーん…
- 由良 蛍: 簡単に諦めるなんて 二階堂くんも二階堂くんだよね
- 真井 あかり: えっ?
- 由良 蛍: あかりはさぁ… 自分の恋を諦めて
- 由良 蛍: 二階堂くんとゆうなが 正式な許嫁になるために
- 由良 蛍: 協力するつもりなんだよね?
- 由良 蛍: お家と会社のために
- 真井 あかり: …そうよ
- 由良 蛍: それって、二階堂くんとゆうなが 結婚するのを手伝うってことだよ
- 真井 あかり: ――っ!?
- 由良 蛍: しかも ふたりが仲良くなっていくのを
- 由良 蛍: 一番近くで 見ることになるわけだけど
- 由良 蛍: それでいいの?
- 由良 蛍: できるの?
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんと、ゆうなさんを…
- 真井 あかり: ………… …………嫌だ…
- 真井 あかり: できるわけないじゃない…!
- 真井 あかり: だって… やっぱり好きだもん…
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんのこと 大好きだもん…
- 由良 蛍: じゃあ、どうしたい?
- 真井 あかり: お兄さんに私の気持ちを 伝えたい…
- 由良 蛍: 気持ち…? 好きって伝えるってこと?
- 真井 あかり: ううん、そうじゃなくて…
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんに 恋を諦めてほしくないの
- 由良 蛍: …ん?16歳の姿で 両想いになりたいってこと?
- 真井 あかり: うまく言えないけど…
- 真井 あかり: ただ、 諦めるのはダメだって思って…
- 由良 蛍: …つまり
- 由良 蛍: あかりは二階堂くんへの想いも 諦めたくないけど
- 由良 蛍: 二階堂くんにも 恋を諦めてほしくないってこと?
- 真井 あかり: …うん でも、そんなのワガママだから…
- 由良 蛍: あかりと二階堂くんってぇ… 変なところで似たもの同士だねぇ
- 由良 蛍: 自分の気持ちにぃ… 素直じゃないところとかぁ~…
- 由良 蛍: 大切な人のためにぃ… 恋を諦めようとするところとかぁ
- 真井 あかり: …あっ
- 由良 蛍: このままだとゆうなに 二階堂くん取られちゃうよ?
- 由良 蛍: それが嫌だってことは はっきりしてるんだよね?
- 真井 あかり: うん… それは絶対に嫌!
- 由良 蛍: じゃあ… それを伝えなきゃね
- FILENAME: text_516720-5_K5aq8.txt
- 柚希 りおん: 蛍から話は聞いたわ!
- 柚希 りおん: 愛のために、両家のお食事会に 乱入するなんて面白いじゃない!
- 柚希 ほとり: り、りおん… あかりさんは真剣なんだよ…?
- 柚希 りおん: あたしだって真剣よ!
- 柚希 りおん: “ミミカル☆ミミコ”でも こういう展開あったわよね!
- 真井 あかり: 蛍とふたりで行くんだと 思ってた…
- 由良 蛍: 手伝ってもらおうと思ってぇ… 電話でお願いしたのぉ~…
- 由良 蛍: 人手は多い方がいいからねぇ~…
- 由良 蛍: 香春家の使用人がぁ… 何十人も見張ってるからぁ~…
- 真井 あかり: そ、そんなに…!?
- 柚希 ほとり: もっといるかも…
- 真井 あかり: ええっ!?
- 柚希 りおん: 何がどれだけいようと
- 柚希 りおん: あたしとほとりんがついてれば 大丈夫よ
- 柚希 ほとり: それで、ボクたちは どうすればいいんでしょうか…?
- 由良 蛍: ん~…まずはぁ…
- 由良 蛍: 状況のおさらいから しよっかぁ~…
- 由良 蛍: 「香春家と二階堂家のお食事会はぁ… 水名区にあるぅ…香春家御用達のぉ… 知る人ぞ知る料亭を貸し切ってぇ… 行われるのぉ…」
- 由良 蛍: 「そのお店はぁ… せまぁ~い…路地裏にあってぇ…」
- 由良 蛍: 「路地裏のぉ…周辺ではぁ… 使用人たちがぁ…あちこちに潜んでてぇ~… 警護してるんだよねぇ~…」
- 柚希 りおん: つまり、簡単には近づけない ってことね
- 由良 蛍: そ~…
- 柚希 りおん: ちょっと可哀想だけど
- 柚希 りおん: かはるんとこの使用人さんたちを やっつければ、いいのかしら?
- 由良 蛍: 暴力沙汰はダメだよぉ~… 注意を引いたりそらしたりして…
- 由良 蛍: あかりをぉ… 二階堂くんのところにぃ…
- 由良 蛍: 送り込めば成功だからぁ…
- 真井 あかり: そのために、 蛍が作戦を考えてくれたんです
- 真井 あかり: その名も、迷子作戦!
- 柚希 ほとり: よ、よし…! ちょっと恥ずかしいけど…
- 柚希 ほとり: り、りおーん どこー…?
- 柚希 ほとり: りおーん…!!
- 柚希 ほとり: (お願い、気づいて…!)
- 由良 蛍: ふたりはぁ…
- 由良 蛍: ゆうなの家の人たちともぉ… 顔見知りだよねぇ~…?
- 由良 蛍: だからぁ… それを利用しよっかぁ…
- 由良 蛍: 大切なお嬢様のお友だちがぁ… 迷子になっていたらぁ…
- 由良 蛍: 放っておけないだろうからぁ…
- 柚希 りおん: ほとりん! どこに行ったのよ!
- 柚希 りおん: (別々の場所で 迷子になったことにして)
- 柚希 りおん: (警護の人たちの注意を引く…)
- 柚希 りおん: (これで一番警備が厳しい 路地裏の入り口を突破できる)
- 柚希 りおん: (…って蛍が言っていたわね)
- 柚希 りおん: ほーとーりーん!!
- りおんお嬢様?
- こんなところで どうなさったのですか?
- 柚希 りおん: (やった! かかったわ!)
- 柚希 ほとり: あ、かはるんの お家のメイドさん…
- 柚希 ほとり: そ、それでボク…えっと… その…はぐれちゃって…
- それは心細かったでしょう…
- 手が空いている者に 連絡しますのでお待ちください
- 柚希 ほとり: (あっ… うまくいったみたい…!)
- 由良 蛍: とりあえずぅ… 入り込めたねぇ~…
- 真井 あかり: りおんさんたちを おとりにしちゃったけど
- 真井 あかり: 怒ってないかしら?
- 由良 蛍: 大丈夫ぅ~…そっちの方がぁ… 重要って言ってあるからぁ…
- 真井 あかり: …それで、ここからどうするの?
- 由良 蛍: まずはぁ…こっそり移動~… あとはぁ…
- 真井 あかり: いま目が合わなかった!?
- 由良 蛍: ん~…
- みなさん、来てください こちらで物音がしました
- 真井 あかり: あ、あれ…?気のせい? 反対側に行っちゃったわ
- 由良 蛍: …他に気になるものが あったみたいだねぇ…
- 由良 蛍: じゃぁ~…進もっかぁ…
- 真井 あかり: …意外と順調に来ちゃったわね
- 由良 蛍: …他にも何かぁ… あるのかもねぇ~…
- 真井 あかり: 何かって?
- 由良 蛍: ん~… いまは重要じゃないかなぁ…
- 由良 蛍: それよりぃ…
- 由良 蛍: 入口に警備が多すぎるぅ… これはちょっと予想外だなぁ…
- 真井 あかり: どうするの?
- 由良 蛍: ん~…どぉ~しよ~…
- 真井 あかり: ここにきてノープラン!?
- 由良 蛍: あんなに多いとはぁ… 思わなくてぇ…
- 由良 蛍: ん~…
- 由良 蛍: 仕方ないからぁ… 最終手段だねぇ…
- 真井 あかり: 魔法少女の力を使うの?
- 由良 蛍: ん~…枕の中の空間にぃ… のみ込んじゃおうかなぁってぇ…
- 真井 あかり: 危ないわよ!?
- 由良 蛍: 大丈夫ぅ~…
- 由良 蛍: 終わらせたらぁ…みんな無事にぃ 外に出られるようにするからぁ…
- 真井 あかり: …でも
- 由良 蛍: 諦めたくないんでしょ~…?
- 真井 あかり: …うん
- 真井 あかり: 暴力沙汰はダメって言ったのは 蛍だからね
- 真井 あかり: 全員無事に戻すのよ
- 由良 蛍: わかってるぅ~… じゃあ…あとでねぇ~…
- 由良 蛍: ふぅ… ちょっとぉ…ごめんねぇ…
- FILENAME: text_516720-6_K5aq8.txt
- タタタタタッ…!
- 「お、おまちください!」
- 二階堂 陽斗: ん?
- 香春 ゆうな: …ふふ やっぱりいらっしゃいましたね
- バンッ!
- 二階堂 陽斗: ―陽斗― あ、あかり!? なんで…
- 真井 あかり: ―あかり― 私の…
- 真井 あかり: ―あかり― 私の陽斗お兄さんを取らないで!
- 二階堂 陽斗: …どうしたの、あかり
- 真井 あかり: …………
- 二階堂 陽斗: 何かあるんだったら言ってごらん
- 二階堂 陽斗: お兄さん、言ってくれないと わからないよ…
- 真井 あかり: …あのね ゆうなさんは素敵な人だけど…
- 真井 あかり: でも私ね、陽斗お兄さんが…
- 二階堂 陽斗: …うん、僕が?
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんが…ぅ…ぐすっ…
- 真井 あかり: (ダメ… 泣かないでちゃんと言わなきゃ)
- 真井 あかり: (でも…うぅ…)
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんが 結婚しちゃうの…嫌だぁ…!
- 真井 あかり: うぇえええええんっ…!!
- 二階堂 陽斗: …………あかり…
- 陽斗の父: え、えっと… どうしたんだ、あかり?
- 陽斗の母: こんなに泣いちゃって…
- 香春 ゆうな: わたくしたちは一度外しましょう
- ゆうなの父: だが…
- 香春 ゆうな: 実は、わたくしからも
- 香春 ゆうな: お父様とお母様に お話がありますの
- 香春 ゆうな: ですから、どうか… お願いできませんか?
- ゆうなの父: …何か事情があるようだね
- ゆうなの父: 少し外させていただきます
- 陽斗の父: お心遣い感謝します
- 陽斗の父: あかり…どうしたんだい?
- 真井 あかり: うぅ…ぐすっ… ごめんなさい…でも…ぐすっ…
- 二階堂 陽斗: ごめん、父さん
- 二階堂 陽斗: あかりとふたりで話したいから 父さんたちも少し外してほしい
- 陽斗の父: いや、だがな…
- 陽斗の母: …あなた、 ここは陽斗に任せましょう
- 陽斗の父: そうだな
- 二階堂 陽斗: ごめん ありがとう
- FILENAME: text_516720-7_K5aq8.txt
- 真井 あかり: …………
- 二階堂 陽斗: …泣き止んだ、かな?
- 真井 あかり: うん…
- 真井 あかり: 陽斗、お兄さん… 私…ごめんなさい…
- 二階堂 陽斗: ううん 謝るのはお兄さんの方だよ
- 二階堂 陽斗: ごめんね、あかり
- 二階堂 陽斗: いろいろ急ぎ過ぎて 不安にしちゃったよね…
- 真井 あかり: …………
- 二階堂 陽斗: でもね、お兄さんは
- 二階堂 陽斗: あかりをおいて いなくなったりはしないから
- 二階堂 陽斗: 前にも言ったけど…
- 二階堂 陽斗: お兄さんは何があっても ずっとあかりのお兄さんだからね
- 真井 あかり: (…もうっ!)
- 真井 あかり: (私は大好きなお兄さんが 遠くに行っちゃいそうで)
- 真井 あかり: (寂しかったんじゃなくて…)
- 真井 あかり: (好きな人が 取られちゃいそうだから)
- 真井 あかり: (嫌だったのよ…)
- 真井 あかり: (一番、肝心なところを わかってないんだから…)
- 二階堂 陽斗: 大事な妹を… あかりを悲しませるくらいなら
- 二階堂 陽斗: 最初からちゃんと 断っておくべきだったんだ…
- 真井 あかり: えっ… 私のために…?
- 真井 あかり: (嬉しい、けど…)
- 真井 あかり: (蛍の言ってた通りかも…)
- 由良 蛍: あかりと二階堂くんってぇ… 変なところで似たもの同士だねぇ
- 由良 蛍: 自分の気持ちにぃ… 素直じゃないところとかぁ~…
- 由良 蛍: 大切な人のためにぃ… 恋を諦めようとするところとかぁ
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: …あのね、陽斗お兄さん
- 二階堂 陽斗: ん?…何?
- 真井 あかり: 私が嫌だって言ったら 好きな人のことも諦めちゃうの?
- 二階堂 陽斗: えっ…?
- 真井 あかり: …陽斗お兄さんが好きな人のこと 私が“嫌い”って言ったら
- 真井 あかり: その人のこと嫌いになる…?
- 二階堂 陽斗: …………
- 二階堂 陽斗: …それは…えっと…どう、かな
- 真井 あかり: 違うでしょ
- 真井 あかり: 恋って…
- 真井 あかり: そんなことで諦められないから 恋なんでしょ
- 二階堂 陽斗: …………
- 真井 あかり: だからね
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんも 好きな人がいるなら諦めちゃダメ
- FILENAME: text_516720-8_K5aq8.txt
- 真井 あかり: 陽斗お兄さんも 好きな人がいるなら諦めちゃダメ
- 真井 あかり: 好きなら 諦めちゃダメだから!
- 真井 あかり: (私だってそう)
- 真井 あかり: (好きな気持ち 私も諦めちゃダメだから…)
- 真井 あかり: (絶対諦めないから!)
- 真井 あかり: それをね お兄さんに伝えたかったの…
- 二階堂 陽斗: …うん そう、だね
- 二階堂 陽斗: あかりの言う通りだ
- 二階堂 陽斗: 本当に好きなら 簡単に諦めたり…
- 二階堂 陽斗: 自分の気持ちを ないがしろにしたらダメだよね
- 二階堂 陽斗: 片想いだから、 相手にも事情があるから
- 二階堂 陽斗: そういう建前で
- 二階堂 陽斗: 大切な気持ちを押し込めたら ダメだったね…
- 真井 あかり: うん… それって、とっても苦しいから
- 二階堂 陽斗: あはは…あかりに言われるまで 気づけないなんて
- 二階堂 陽斗: ダメな兄だなぁ…
- 真井 あかり: …確かに、陽斗お兄さん たまにダメよね
- 真井 あかり: (鈍感で私の気持ちに 全然気づいてくれないし…)
- 二階堂 陽斗: うん、反論できないなぁ…
- 二階堂 陽斗: …………
- 真井 あかり: なぁに? じっと見つめて
- 二階堂 陽斗: 大きくなったね、あかり
- 真井 あかり: …!
- 二階堂 陽斗: あんなに小さかったのに…
- 二階堂 陽斗: 自分の考えをちゃんと持ってて お兄さんに教えてくれた
- 二階堂 陽斗: “好きなら諦めちゃダメ”なんて 考えるようになるなんて…
- 真井 あかり: …どうしてそう思ったか 知りたい?
- 二階堂 陽斗: ん? うん、聞きたいな
- 真井 あかり: 私にも好きな人がいるからよ
- 二階堂 陽斗: …………
- 二階堂 陽斗: えっ!? す、好きな人…!?
- 二階堂 陽斗: あ、いや…そう、だね… あかりも、もうそんな年頃かぁ…
- 真井 あかり: …寂しいの?
- 二階堂 陽斗: うっ…
- 二階堂 陽斗: でも、あかりが好きになる人なら きっと…いい人だね…うん…
- 真井 あかり: ふふ、とびっきり素敵で ちょっと鈍感だけどね
- 真井 あかり: (他の人のことを 好きだと思われてるなんて)
- 真井 あかり: (ちょっぴり 傷ついちゃうけど…)
- 真井 あかり: (でも、いつかきっと 振り向かせてみせるわ)
- 真井 あかり: (だからそれまでは…)
- 真井 あかり: 陽斗お兄さん
- 真井 あかり: いまはまだ お兄さんの可愛い妹でいてあげる
- FILENAME: text_516720-9_K5aq8.txt
- 由良 蛍: すぅ…すぅ…
- 柚希 ほとり: 蛍さん、ずっと寝てるけど… 大丈夫、かな…?
- 柚希 りおん: っていうか… この状況でよく寝られるわね
- 柚希 りおん: あたしたち…
- 柚希 りおん: 捕まってるような ものなんだけど…
- 柚希 りおん: どんな神経してるわけ?
- 柚希 ほとり: 捕まっているというより
- 柚希 ほとり: ボクたちは迷子という設定で 保護されてるだけだけど…
- 柚希 りおん: じゃあ、蛍はどうなのよ?
- 柚希 ほとり: 『お嬢様のご友人が道端で 倒れていたから保護した』
- 柚希 ほとり: って言ってたよ
- スッ…
- 香春 ゆうな: お待たせいたしました
- 柚希 りおん: かはるん!
- 由良 蛍: ん~…早かったねぇ~… うまくいったってことかなぁ…?
- 柚希 ほとり: わぁっ!? 起きてた!?
- 由良 蛍: 起きたのはぁ…いまぁ~…
- 香春 ゆうな: ふふっ、蛍さんには 気づかれていたようですね
- 香春 ゆうな: こちらは万事解決いたしましたわ
- 柚希 りおん: どういうことよ? あたしにもわかるように説明して
- 香春 ゆうな: 許嫁の件を白紙にしてほしいと 両親を説得いたしました
- 香春 ゆうな: お父様、お母様 実はわたくし憧れの人がおります
- ゆうなの父: 憧れ…? それはつまり…
- 香春 ゆうな: 色恋沙汰ではなく 純粋な憧れですわ
- 香春 ゆうな: あの方のようになりたい そのために自分を磨きたい…
- 香春 ゆうな: そういう憧れです
- ゆうなの父: …ふむ どうしていまその話を?
- 香春 ゆうな: あかりさんの行動に勇気を いただいたからですわ
- 香春 ゆうな: 己の気持ちに正直に 勇気を持って行動する
- ゆうなの父: …だが、それは時として 場をわきまえないワガママとなる
- 香春 ゆうな: わかっております
- 香春 ゆうな: ですが、己の気持ちを隠したまま
- 香春 ゆうな: 大人の言う通りにすることが 正しいのでしょうか?
- ゆうなの父: …………
- 香春 ゆうな: …それは違うといまなら言えます
- 香春 ゆうな: 伝える前から諦めてしまうことは
- 香春 ゆうな: あまりにも もったいないことですわ
- 香春 ゆうな: …お父様
- 香春 ゆうな: わたくしはまだ結婚のことを 考えている余裕はございません
- 香春 ゆうな: だから、今回のお話は 白紙に戻してください
- ゆうなの父: …今回の出会いは
- ゆうなの父: ゆうなにとって 価値のあるものだったようだね
- 香春 ゆうな: この上なく貴重なものだと 思っておりますわ
- ゆうなの父: あかりくん…だったかな?
- ゆうなの父: 彼女の行動は 褒められたものではないが
- ゆうなの父: ゆうなの気持ちを確かめないまま 先走ってしまった
- ゆうなの父: 私たちにも非がある
- ゆうなの父: 円満に解消できるよう 二階堂さんと話し合ってみるよ
- 香春 ゆうな: ありがとうございます
- 柚希 りおん: ふーん… つまり、うまくいったのね!
- 柚希 ほとり: よかった…
- 香春 ゆうな: あかりさんに、お礼を 申し上げなければなりませんね
- 由良 蛍: お礼を言うのはぁ… こっちもだよぉ~…
- 由良 蛍: すごぉ~くぅ… 助かったからぁ~…
- 柚希 りおん: ん? どういうこと?
- 柚希 りおん: かはるんがあかりから 勇気をもらったんでしょ?
- 由良 蛍: 乱入するのをぉ… 手伝ってくれたよねぇ~…?
- 柚希 ほとり: えっ!?
- 由良 蛍: 警備の人の一部がねぇ~…
- 由良 蛍: 私たちがぁ…通りやすいよう… 行動してたも~ん…
- 柚希 りおん: はぁ!? 何よ、それ!
- 柚希 りおん: 手伝ってくれるなら 先に言っときなさいよね!!
- 香春 ゆうな: 申し訳ございません…
- 香春 ゆうな: りおんさんたちも いらっしゃるとは思わず…
- 香春 ゆうな: でも、あかりさんなら 必ず来ると思っていましたので
- 香春 ゆうな: わたくしの身の周りの お世話をしてくれている方々に
- 香春 ゆうな: それとなく誘導していただくよう お願いしておきましたの
- 柚希 ほとり: う~ん…なんか納得できるような できないような…
- 香春 ゆうな: あかりさんの方も つつがなく説得できたようですし
- 香春 ゆうな: 何はともあれ すべてうまくいきましたわ
- 柚希 りおん: でも、もしあかりが 大好きな“陽斗お兄さん”に
- 柚希 りおん: つまみだされてたら どうしてたの?
- 柚希 りおん: 全部台無しだったじゃない
- 由良 蛍: それはぁ…ないからぁ… 大丈夫ぅ~…
- 柚希 ほとり: どうしてですか…?
- 由良 蛍: ん~…愛の力ぁ~…?
- 柚希 りおん: 愛…? 本気で言ってるの?
- 由良 蛍: ん~…すぅ…
- 柚希 りおん: って、また寝てる!?
- FILENAME: text_516720-10_K5aq8.txt
- <数日後…>
- 由良 蛍: あかりがぁ… すねてるぅ~…
- 真井 あかり: すねてないけど
- 由良 蛍: 二階堂くんの許嫁騒動はぁ… 解決したのにぃ…
- 由良 蛍: 何が面白くないのぉ~…?
- 真井 あかり: …陽斗お兄さんが いつもより私を子ども扱いするの
- 由良 蛍: あ~…確かぁ…あかりぃ… 泣いちゃったんだっけぇ~…
- 真井 あかり: そうだけど… 蒸し返さないで…!
- 由良 蛍: (あかりが泣いたからぁ…)
- 由良 蛍: (さらに過保護になったんだと… 思うんだよねぇ~…)
- 由良 蛍: (大人びててもぉ~… 小学生なんだってぇ…)
- 由良 蛍: (改めてぇ… 思ったんだろーなぁ…)
- 真井 あかり: ぷちうさをあげれば 私が喜ぶと思ってるのよ
- 真井 あかり: 子どもじゃないのに…
- 由良 蛍: (喜んでるけどねぇ~…)
- 真井 あかり: あっ、そうだ!
- 真井 あかり: 明日ね、陽斗お兄さん 部活がないから
- 真井 あかり: 放課後、お買い物に 連れていってくれるんだって!
- 由良 蛍: よかったねぇ~…
- 真井 あかり: ちゃんとひとりで帰るのよ?
- 由良 蛍: はぁ~い…
- 真井 あかり: …………
- 真井 あかり: それにしても よくあんな無茶思いついたわよね
- 由良 蛍: 無茶ぁ~…? お食事会に乱入したことぉ~…?
- 真井 あかり: そうよ
- 由良 蛍: ん~…二階堂くんならぁ… 許してくれるかなぁ~…ってぇ…
- 由良 蛍: あかりのことぉ… すごく大切にしてるしぃ~…
- 真井 あかり: …それが妹扱いじゃなければ もっといいんだけどね
- 由良 蛍: まぁまぁ~… 家族に対してだろうとぉ…
- 由良 蛍: 愛は愛だよぉ~…
- 真井 あかり: うーん…複雑…
- 由良 蛍: 妹でもなんでもぉ…
- 由良 蛍: 二階堂くんにとってぇ… あかりはぁ…
- 由良 蛍: 世界で一番 可愛い女の子だと思うよぉ~…
- 真井 あかり: えっ…
- 由良 蛍: ふふ~… 愛されてるよねぇ~…
- 真井 あかり: もうっ! からかわないで!
- 真井 あかり: 私はいつか陽斗お兄さんを 振り向かせてみせるんだから!
- 真井 あかり: 妹じゃなくて ひとりの女の子としてね
Add Comment
Please, Sign In to add comment