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Love is Triangular△, Love is Smooth● JP Text

Jun 9th, 2022 (edited)
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  1. (From the opening sequence images in 516710-0)
  2. 私のお兄さんを 取らないで!
  3. [Title card] 恋は△(さんかく) 愛は●(えんまん)
  4.  
  5. FILENAME: text_516710-1_flUel.txt
  6. 真井 あかり: いたわね
  7. 由良 蛍: ん~…強くはなさそ~…
  8. 真井 あかり: だからって寝ちゃダメよ?
  9. 由良 蛍: わかってるよぉ~…
  10. 真井 あかり: じゃあ、行きましょう!
  11. 真井 あかり: やぁ!
  12. 真井 あかり: いい手ごたえ! 一気に攻めるわ
  13. 真井 あかり: 蛍、援護して!
  14. 由良 蛍: …じゃぁ~… 枕をぉ…投げるよぉ~…
  15. 由良 蛍: そぉ~れぇ~…
  16. 真井 あかり: これで…
  17. 真井 あかり: 終わり!
  18. …………!?!?!?
  19. 真井 あかり: ふぅ… 確かに強くはなかったわね
  20. 由良 蛍: ん~…あかりぃ…また少しぃ… 強くなったんじゃない~…?
  21. 真井 あかり: えっ!本当?
  22. 真井 あかり: えへへ~…
  23. 由良 蛍: 成長期だねぇ~…
  24. 由良 蛍: それじゃぁ… 送ってくからぁ…帰ろっかぁ~…
  25. 真井 あかり: …………
  26. 真井 あかり: なんで、魔女退治の後は いつも蛍が私を送っていくの?
  27. 真井 あかり: 遊びに行くときとかは 私が送ってあげないと
  28. 真井 あかり: その辺で寝ちゃうのに…
  29. 由良 蛍: だってぇ~…あかりはぁ…
  30. 由良 蛍: 変身しているときはぁ… 16歳でもぉ…
  31. 由良 蛍: ホントはぁ…小学生だしぃ~…
  32. 真井 あかり: むっ…
  33. 由良 蛍: そろそろ小学生がひとりでぇ… 出歩く時間じゃないもん~…
  34. 真井 あかり: 子ども扱いしないで!
  35. 由良 蛍: すねないでよぉ~… 私のためだと思ってさぁ~…
  36. 真井 あかり: …蛍のため?
  37. 由良 蛍: あかりをひとりで帰したらぁ… 私が怒られるのぉ~…
  38. 真井 あかり: …ああ、世間体ってやつね
  39. 由良 蛍: そ~…
  40. 真井 あかり: なら、仕方ないか…
  41. 真井 あかり: 蛍が怒られたら可哀想だから
  42. 真井 あかり: 子ども扱いしたことは 許してあげる
  43. 由良 蛍: わぁ~い… あかりぃ…優し~…
  44. 真井 あかり: さぁ、帰るわよ
  45. 由良 蛍: はぁ~い…
  46. 由良 蛍: ん~…眠ぅ~ぃ…
  47. 真井 あかり: これだと、どっちが送ってるのか わからないわね…
  48. 由良 蛍: 大丈夫ぅ~… もうすぐあかりの家でしょ~…?
  49. 由良 蛍: それまではぁ…ね…なぁ…い…
  50. 真井 あかり: いまにも寝そうじゃない…!
  51. 二階堂 陽斗: あかり
  52. 真井 あかり: 陽斗(はると)お兄さん! ただいま!
  53. 真井 あかり: 待っててくれたの?
  54. 二階堂 陽斗: そろそろ帰って来る頃だと思って
  55. 二階堂 陽斗: 由良先輩 いつもありがとうございます
  56. 由良 蛍: ん~…こちらこそぉ…
  57. 由良 蛍: あかりにはぁ…いつもぉ… お世話になってるからぁ~…
  58. 由良 蛍: じゃあ…私はこれでぇ~…
  59. 二階堂 陽斗: 今日はおじさんたちも うちでご飯食べるって
  60. 真井 あかり: パパたちも!?
  61. 真井 あかり: (やったぁ!)
  62. 真井 あかり: (陽斗お兄さんと一緒に お夕飯が食べられる!)
  63. 真井 あかり: うちに戻って 急いで支度してくるね!
  64. 二階堂 陽斗: お隣さん同士なんだから そんなに慌てなくて大丈夫だよ
  65.  
  66. FILENAME: text_516710-2_flUel.txt
  67. <翌日>
  68. 真井 あかり: おはよう、陽斗お兄さん!
  69. 二階堂 陽斗: おはよう、あかり いつもより早いね
  70. 真井 あかり: 今日は蛍が日直だから 普段より早く起こしに行くの
  71. 二階堂 陽斗: それで気合が 入っているんだね
  72. 真井 あかり: まぁね
  73. 真井 あかり: (…っていうのは ウソじゃないけど)
  74. 真井 あかり: (気合が入ってる一番の理由は)
  75. 真井 あかり: (蛍が日直の日は 早く家を出るから)
  76. 真井 あかり: (部活の朝練に行く 陽斗お兄さんと)
  77. 真井 あかり: (蛍の家まで、一緒に 登校できるからなんだけど)
  78. 二階堂 陽斗: どうしたの、あかり?
  79. 真井 あかり: …えっと、お兄さん 制服のネクタイが曲がっているわ
  80. 真井 あかり: 直してあげるから 少ししゃがんでくれる?
  81. 二階堂 陽斗: あっ、急いでたから…
  82. 真井 あかり: はい、直ったわよ
  83. 二階堂 陽斗: ありがとう あかりは本当にしっかり者だね
  84. 二階堂 陽斗: あかりのお兄さん みたいなものなんだから
  85. 二階堂 陽斗: 僕もしっかりしないとなぁ…
  86. 真井 あかり: …………
  87. 真井 あかり: (また妹扱い…)
  88. 真井 あかり: (私のこと生まれたときから 見てきたんだとしても)
  89. 真井 あかり: (妹としてじゃなくて 女の子として好きって)
  90. 真井 あかり: (たくさん アピールしてるんだから)
  91. 真井 あかり: (少しくらい気づいてくれても いいじゃない…)
  92. 真井 あかり: (…それだけ、5歳差の壁って とっても厚いってことよね)
  93. 真井 あかり: (同じ学年だったら 一緒に部活もできたのに)
  94. 真井 あかり: …陽斗お兄さん 部活楽しい?
  95. 二階堂 陽斗: 楽しいよ
  96. 二階堂 陽斗: あかりは、部活に興味津々だね
  97. 真井 あかり: だって、陽斗お兄さん 最近ずっと部活ばっかりだから
  98. 二階堂 陽斗: あはは…
  99. 二階堂 陽斗: いましかできないと思うと 熱が入っちゃって
  100. 真井 あかり: (まぁ、そうよね…)
  101. 真井 あかり: (陽斗お兄さんは、 おじ様の跡を継いで)
  102. 真井 あかり: (二階堂グループを引っ張って いかないといけないから)
  103. 真井 あかり: (いまのうちに、っていう 気持ちはわかるわ)
  104. 真井 あかり: (…そのせいで)
  105. 真井 あかり: (お兄さんといられる時間が 減るのは寂しいけど)
  106. 二階堂 陽斗: ただ、今日の放課後の部活は お休みしないといけなくて…
  107. 真井 あかり: どうして?
  108. 二階堂 陽斗: 父さんから用事があるから 早く帰ってこいって言われたんだ
  109. 真井 あかり: おじ様から? 会社のお手伝いかしら?
  110. 二階堂 陽斗: うーん…詳しいことは 教えてくれなかったんだ
  111. 二階堂 陽斗: 僕にとっても 『いい話』らしいんだけど…
  112. 二階堂 陽斗: 昨日の会食から帰ってきてから 妙に機嫌がいいんだよね
  113. 真井 あかり: (…あれ? 早く帰るってことは)
  114. 真井 あかり: もしかして、 今日は一緒に帰れる?
  115. 二階堂 陽斗: 僕はいいけど 由良先輩のことはいいの?
  116. 真井 あかり: 大丈夫!
  117. 真井 あかり: 蛍だって、たまには 自立させないといけないもの!
  118. 真井 あかり: だから、 陽斗お兄さん、一緒に帰ろ?
  119. 二階堂 陽斗: じゃあ、そうしようか
  120. 二階堂 陽斗: 授業が終わったら 教室まで迎えに行くね
  121. 真井 あかり: うんっ!
  122. 真井 あかり: (やったぁ!)
  123.  
  124. FILENAME: text_516710-3_flUel.txt
  125. 真井 あかり: …………
  126. 真井 あかり: ほーたーるー! 朝よっ!おーきーてぇーっ!!
  127. 蛍の声: あぅっ~…!?
  128. 蛍の声: なんでぇ~…ベッドからぁ… 落とすのぉ~…?
  129. 真井 あかり: ご、ごめん… ちょっと勢いあまっちゃって…
  130. 蛍の声: え~ん… ヒドイよぉ~…
  131. 真井 あかり: 私が悪かったわ… 謝るから、機嫌を直して
  132. 真井 あかり: 着替えも手伝ってあげるから
  133. 蛍の声: ん~…怒ってはないけどねぇ~…
  134. 蛍の声: 手伝ってくれるならぁ… おねがぁ~い…
  135. 由良 蛍: ふわぁ~…
  136. 真井 あかり: 眠くてもいいけど まっすぐ歩いてね
  137. 由良 蛍: ん~…今日はぁ… 機嫌がいいねぇ~…
  138. 由良 蛍: いつもならぁ…
  139. 由良 蛍: 『自分で歩きなさい』ってぇ… 言うしぃ~…
  140. 由良 蛍: 着替えをぉ…手伝ってぇ… くれることもないのにぃ~…
  141. 真井 あかり: だって、今日は陽斗お兄さんが 一緒に帰ってくれるから!
  142. 由良 蛍: へぇ~… 二階堂くん…部活ないんだぁ~…
  143. 真井 あかり: ないんじゃなくて お休みするらしいわ
  144. 真井 あかり: おじ様に早く帰ってくるように 言われたらしいの
  145. 真井 あかり: そういうわけで、 放課後はお世話できないから
  146. 真井 あかり: 日直はひとりでやってね できるわよね…?
  147. 由良 蛍: ん~…頑張るぅ~…
  148. 由良 蛍: でもぉ…珍しいねぇ~… 部活休んでまでなんてぇ~…
  149. 真井 あかり: そう言われてみればそうかも? 基本、学校が優先だし…
  150. 由良 蛍: ぷちうさの新しい~… グッズ企画とかかなぁ~…?
  151. 由良 蛍: 確かぁ…ぷちうさ関連のぉ… 事業はぁ~…
  152. 由良 蛍: 二階堂くんがぁ…ほとんどぉ… 任されてるんだよねぇ~…?
  153. 真井 あかり: 会社を継いだときの勉強も 兼ねてね
  154. 真井 あかり: でも、今回は違うと思うわ
  155. 真井 あかり: 陽斗お兄さんも、どんな用事か 教えてもらえなかったらしいから
  156. 由良 蛍: …ん~…?
  157. 真井 あかり: ただ、お兄さんにとっても 『いい話』だそうよ
  158. 由良 蛍: つまりぃ… サプライズってことぉ~…?
  159. 真井 あかり: そうね、おじ様の機嫌が よかったらしいから
  160. 真井 あかり: すごくいいサプライズなのかも
  161. 由良 蛍: ん~…んん~…
  162. 由良 蛍: (周りが盛り上がってるぅ… サプライズってぇ…)
  163. 由良 蛍: (あんまりぃ… いいことないんだよねぇ~…)
  164. 由良 蛍: (…ってぇ… 思うんだけどぉ~…)
  165. 真井 あかり: えへへ~… 早く放課後にならないかなぁ~…
  166. 由良 蛍: (あかりが楽しそうだからぁ… いっかぁ~…)
  167. 由良 蛍: (水を差したらぁ… 可哀想だもんねぇ~…)
  168.  
  169. FILENAME: text_516710-4_flUel.txt
  170. 二階堂 陽斗: あかり、お待たせ
  171. あっ! あかりちゃんのお兄さんだ!
  172. お迎えに来てくれるなんて 優しいね
  173. 真井 あかり: 優しいのは…そうだけど…
  174. 真井 あかり: (本当は兄じゃなくて)
  175. 真井 あかり: (お隣に住んでる 遠縁の親戚なのよね)
  176. 真井 あかり: (どこにいっても 兄妹に見られるし)
  177. 真井 あかり: (パパやママ、 二階堂のおじ様おば様からも)
  178. 真井 あかり: (そういう扱いだけど…!)
  179. 二階堂 陽斗: もしかして、 まだ帰る準備できてないかな?
  180. 二階堂 陽斗: お兄さん、手伝おうか?
  181. 真井 あかり: ううん、大丈夫! 帰ろっ!
  182. 真井 あかり: (いつもより一緒にいられる 時間を楽しまなきゃっ!)
  183. 真井 あかり: クラスのみんなを集めて
  184. 真井 あかり: 逃げちゃったウサギさんを 探したんだけど
  185. 真井 あかり: 全然見つからなくて…
  186. 真井 あかり: 仕方がないから ウサギ小屋まで戻ったの
  187. 真井 あかり: そうしたらね…
  188. 二階堂 陽斗: うん
  189. 真井 あかり: いつのまにか、 自分で戻ってたみたいで
  190. 真井 あかり: ウサギ小屋の前にいたのよ びっくりしちゃったわ
  191. 二階堂 陽斗: 遊び疲れて戻ってきたのかな?
  192. 真井 あかり: たぶんね
  193. 二階堂 陽斗: でも、無事でよかったね
  194. 真井 あかり: うんっ!
  195. 真井 あかり: (もう少しで お家に着いちゃうなぁ…)
  196. 真井 あかり: (本当はもっとお兄さんと 一緒にいたいのに…)
  197. 真井 あかり: (でも、そんなワガママを言って 困らせるわけにはいかないわ)
  198. 真井 あかり: …………あっ!
  199. 真井 あかり: (あのお店、ぷちうさのグッズが たくさん置いてある!)
  200. 二階堂 陽斗: 少し寄っていく?
  201. 真井 あかり: 本当!?
  202. 真井 あかり: …あ、でも、早く帰らないと いけないのよね…?
  203. 二階堂 陽斗: 少しだけなら大丈夫だよ
  204. 真井 あかり: じゃ、じゃあ、ちょっとだけ…!
  205. 真井 あかり: ―あかり― えへへ~… ぷちうさ、可愛い!
  206. 二階堂 陽斗: ―陽斗― 欲しいなら買ってあげるよ
  207. 真井 あかり: ―あかり― ――っ!?
  208. 真井 あかり: ―あかり― あっ! ち、違うの…!
  209. 真井 あかり: ―あかり― ぷちうさは、陽斗お兄さんが私のために 描いてくれたキャラだから特別ってだけで…
  210. 真井 あかり: ―あかり― こういう子どもっぽいものが 好きなわけじゃないから…!
  211. 二階堂 陽斗: ―陽斗― あはは…そうだったね
  212. 二階堂 陽斗: もういいの?
  213. 真井 あかり: …うん、いい
  214. 真井 あかり: (何よ、微笑ましそうにして 背伸びしてると思ってるのね)
  215. 真井 あかり: (ふーんだっ!)
  216. 陽斗の父: やっと帰って来たか!
  217. 二階堂 陽斗: 父さん!? 外で待ってなくてもいいのに…
  218. 陽斗の父: 居ても立っても 居られなかったんだ
  219. 陽斗の母: あかりも一緒だったのね おかえりなさい
  220. 真井 あかり: ただいま戻りました おば様!
  221. 陽斗の父: じゃあ、陽斗 許嫁に会いに行くぞ!
  222. あかり&陽斗: …………はっ…?
  223. あかり&陽斗: 許嫁!?
  224. 陽斗の父: あかりも一緒でちょうどよかった
  225. 陽斗の父: あかりには、 まだ伝えていなかったからな
  226. 陽斗の母: ふふ、この人ったら 嬉しくて
  227. 陽斗の母: 先にあかりのご両親に 話しちゃったものねぇ
  228. 陽斗の父: あのふたりは、陽斗にとっても 親みたいなものだからな
  229. 陽斗の母: あら? あかり、聞いてる…?
  230. 真井 あかり: いい、なずけ…
  231.  
  232. FILENAME: text_516710-5_flUel.txt
  233. 由良 蛍: すぅ…すぅ…
  234. あかりの声: 蛍っー!!
  235. バンッ!
  236. 真井 あかり: やっぱり寝てたわね!
  237. 真井 あかり: 起きなさい! 日直はどうしたのよ!
  238. 由良 蛍: んん~…終わってるぅ~… 疲れたからぁ…休んでるのぉ~…
  239. 真井 あかり: えっ!そうなの? 偉いじゃない
  240. 真井 あかり: …じゃなく!
  241. 真井 あかり: 起きて! 大変なの!
  242. 由良 蛍: …ん~… あかりぃ…?
  243. 由良 蛍: お家にぃ… 帰ったんじゃなかったのぉ~…?
  244. 真井 あかり: 帰ったけど戻って来たの! 大変なのよ!
  245. 由良 蛍: 大変~…?
  246. 真井 あかり: 陽斗お兄さんが結婚しちゃう!
  247. 由良 蛍: …へぇ~…結婚かぁ…
  248. 由良 蛍: (やっぱりぃ… 嫌なサプライズだったねぇ…)
  249. 真井 あかり: とにかく、聞いて!
  250. 真井 あかり: いい、なずけ…
  251. 真井 あかり: は、陽斗お兄さん… 許嫁がいたの…?
  252. 二階堂 陽斗: 僕も初耳だよ…
  253. 陽斗の父: 昔、口約束でだけどな
  254. 陽斗の父: ありがたいことに 向こうも覚えてくれてて
  255. 陽斗の父: 陽斗も高校生になったから
  256. 陽斗の父: 本格的に話を進めよう ってことになったんだ
  257. 二階堂 陽斗: そんな急に…
  258. 陽斗の父: 恋人はいないって言ってただろ?
  259. 二階堂 陽斗: …ちょっと前に脈絡もなく
  260. 二階堂 陽斗: 恋人がどうとか聞いてきたのは こういうことだったのか…
  261. 真井 あかり: 陽斗お兄さん…! ちょっと来て!
  262. 真井 あかり: 陽斗お兄さん、 好きな人がいるのよね?
  263. 二階堂 陽斗: ――っ!?
  264. 二階堂 陽斗: そうだけど…その… 会いたくても…会えないし…
  265. 真井 あかり: でも、好きなんでしょ?
  266. 二階堂 陽斗: …うん
  267. 真井 あかり: おじ様たちに言ったら 考え直してくれるかも!
  268. 二階堂 陽斗: いや…でも、僕の片想いだから…
  269. 二階堂 陽斗: 父さんたちを説得するのは難しい と思うよ…
  270. 二階堂 陽斗: ほら、見て
  271. 二階堂 陽斗: すっかりその気だ…
  272. 真井 あかり: うぅ…
  273. 真井 あかり: (ダメダメダメ!)
  274. 真井 あかり: (陽斗お兄さんに 許嫁なんて絶対ダメ!)
  275. 陽斗の母: 会う前から不安に思わないで
  276. 陽斗の母: お相手の方は とても素敵なお嬢さんよ
  277. 陽斗の父: 父さんたちの顔を立てると思って 頼む!
  278. 二階堂 陽斗: …………
  279. 陽斗の父: 今回は、ただの顔合わせだから なっ?
  280. 二階堂 陽斗: わかったよ…
  281. 真井 あかり: えっ!?
  282. 真井 あかり: …ということなの!
  283. 真井 あかり: どうしよう… 陽斗お兄さんが結婚しちゃう!
  284. 由良 蛍: 二階堂くんはぁ…
  285. 由良 蛍: まだ結婚できるぅ… 年齢じゃないけどねぇ~…
  286. 真井 あかり: そうだけど! そうじゃなくてわかるでしょ?
  287. 由良 蛍: ん~…このままだとぉ~… ってぇことでしょ~…?
  288. 真井 あかり: そうよ!
  289. 由良 蛍: 断らないのぉ~…?
  290. 真井 あかり: お兄さんが…?
  291.  
  292. FILENAME: text_516710-6_flUel.txt
  293. 由良 蛍: 断らないのぉ~…?
  294. 真井 あかり: お兄さんが…?
  295. 由良 蛍: だってぇ…二階堂くん… 好きな人いるよねぇ~…?
  296. 真井 あかり: …うん 私としては複雑なんだけど
  297. 由良 蛍: 二階堂くんの好きな人はぁ… ちょっと訳アリだもんねぇ~…
  298. 由良 蛍: おまけにぃ…あかりはぁ… 妹扱いだしぃ~…
  299. 真井 あかり: …好きってアピールしても 気づいてくれないんだもん
  300. 由良 蛍: ん~…ともかくぅ…
  301. 由良 蛍: 二階堂くんはぁ…いまぁ~…
  302. 由良 蛍: 許嫁さんとの顔合わせにぃ… 連れて行かれててぇ~…
  303. 由良 蛍: 許嫁の話にぃ… 前向きになられたらぁ…
  304. 由良 蛍: あかりとしては 困るってわけだぁ~…
  305. 真井 あかり: …うん
  306. 真井 あかり: おじ様たちがその気だから 押し切られちゃうかも…
  307. 真井 あかり: 陽斗お兄さん、 家族の押しには弱いから…
  308. 由良 蛍: (あかりにもぉ… 甘いもんねぇ~…)
  309. 真井 あかり: しかも、その相手がね 香春グループのご令嬢らしいの!
  310. 由良 蛍: 香春ぅ~…?
  311. 由良 蛍: ん~…なんだっけぇ… どこかで聞いたようなぁ…?
  312. 真井 あかり: すごいお金持ちのお家よ!
  313. 由良 蛍: それはぁ… 知ってるんだけどぉ~…
  314. 由良 蛍: それ以外でもぉ… どこかでぇ…聞いたようなぁ…?
  315. 真井 あかり: もし、陽斗お兄さんが 気に入られちゃったらどうしよう
  316. 真井 あかり: そんなことになったら きっと結婚まっしぐらよ…
  317. 真井 あかり: あの香春家だもの…
  318. 真井 あかり: いくら二階堂家とはいえ 断れないわ…
  319. 由良 蛍: ん~…とりあえずぅ… あかりの家に行こーよぉ…
  320. 由良 蛍: 顔合わせが終わってぇ… 二階堂くんが帰って来るのをぉ…
  321. 由良 蛍: 一緒に待ってあげるぅ…
  322. 由良 蛍: それでぇ… 一緒に話を聞いてみよぉ~…
  323. 真井 あかり: …うん ありがとう、蛍
  324. 由良 蛍: …ふわぁ~…
  325. 真井 あかり: …蛍が寝てないと 変な感じがするわ…
  326. 由良 蛍: ん~…寝たいけどぉ… 一緒に待つぅ…約束だからぁ…
  327. 真井 あかり: ……………あっ! お兄さんのお家の車が見えたわ!
  328. 真井 あかり: 帰って来たみたい!
  329. 由良 蛍: じゃぁ~…行こっかぁ~…
  330. 真井 あかり: 陽斗お兄さん!
  331. 二階堂 陽斗: …もしかして、僕たちの帰りを 待っててくれたの?
  332. 真井 あかり: それより、どうだったの!?
  333. 二階堂 陽斗: …えっとね
  334. 真井 あかり: 断れなかったのね…?
  335. 二階堂 陽斗: うん…
  336. 二階堂 陽斗: 僕たちを引き合わせるのが 目的だったみたいで
  337. 二階堂 陽斗: 許嫁の話が出なくて…
  338. 二階堂 陽斗: 僕から言い出せるような 雰囲気でもなかったから…
  339. 由良 蛍: それとぉ…ご両親がぁ… その気だったからぁ~…?
  340. 二階堂 陽斗: それもあります…
  341. 二階堂 陽斗: 香春さんのご両親も 同じようでしたし…
  342. 真井 あかり: …やっぱり流されてた
  343. 二階堂 陽斗: あはは… 情けないお兄さんでごめん
  344. 二階堂 陽斗: でも、断るつもりではいるんだ
  345. 二階堂 陽斗: …あの人が好きだから
  346. 真井 あかり: …………
  347. 真井 あかり: (不安だわ…)
  348. 真井 あかり: (陽斗お兄さんは優しいから)
  349. 真井 あかり: (おじ様たちにどうしても って言われたら)
  350. 真井 あかり: (絶対、断り切れないもの)
  351. 真井 あかり: (ここは私が なんとかしなくちゃ…)
  352.  
  353. FILENAME: text_516710-7_flUel.txt
  354. <翌日>
  355. <聖リリアンナ学園>
  356. 由良 蛍: …ねぇ~…あかりぃ~…
  357. 由良 蛍: ―蛍― 隠れる必要あるぅ~…?
  358. 真井 あかり: ―あかり― てきじょー視察に来てるのよ 慎重にしなきゃ…
  359. 由良 蛍: ―蛍― ん~…そっかぁ~…
  360. 由良 蛍: そういえばさぁ~…
  361. 由良 蛍: あかりってぇ… なんでぇ…栄総合なのぉ~…?
  362. 真井 あかり: えっ? 何よ、急に
  363. 由良 蛍: 二階堂くんもだけどぉ…
  364. 由良 蛍: お家の規模を考えればぁ… ふたりともぉ…
  365. 由良 蛍: お金持ち学校にぃ… 行くものじゃないかなぁ~…
  366. 由良 蛍: ってぇ…聖リリアンナに来てぇ… 思ったのぉ~…
  367. 真井 あかり: …………
  368. 真井 あかり: 私は、陽斗お兄さんが 栄総合に通っていたから
  369. 真井 あかり: 同じ学校に行きたいって パパとママにお願いしたけど…
  370. 由良 蛍: ん~…じゃぁ… 二階堂くんはぁ~…?
  371. 真井 あかり: お兄さんは… なんでだっけ?近いから?
  372. 由良 蛍: お金持ち学校ならぁ… 車で通えるけどぉ~…?
  373. 真井 あかり: うーんと…あっ!
  374. 二階堂 陽斗: 「それなら、僕は栄総合にしようかな 一番近いから」
  375. 二階堂 陽斗: 「だから、あかり もう泣かないで」
  376. 真井 あかり: 私が物心つく前の動画が 残ってて
  377. 真井 あかり: ママに見せてもらったんだけど
  378. 真井 あかり: たくさん一緒にいたいって 私が泣いちゃったみたいなの…
  379. 由良 蛍: ん~…学校遠いとぉ~… 帰りも遅くなるもんねぇ~…
  380. 真井 あかり: 私は、まだ赤ちゃんだったから あんまり覚えてないんだけどね…
  381. 由良 蛍: それでぇ…家から近い~… 栄総合にしたんだぁ~…
  382. 真井 あかり: それより、どうやって入るか 考えなくちゃ
  383. 由良 蛍: 『陽斗お兄さんの許嫁を 偵察するわよ』ってぇ…
  384. 由良 蛍: 勢いだけでぇ… 来ちゃったもんねぇ~…
  385. 由良 蛍: 関係者じゃないとぉ~… 入れないのにぃ~…
  386. 真井 あかり: うっ… じっとしていられなくて…
  387. 由良 蛍: どーしよっかぁ~…
  388. 由良 蛍: さすがにぃ… 知り合いでもないのにぃ…
  389. 由良 蛍: その香春家のご令嬢をぉ~…
  390. 由良 蛍: 呼び出してもらうのはぁ… 難しいかもぉ~…
  391. 真井 あかり: 何か、手はないかしら?
  392. 柚希 ほとり: あのぉ…何かお困りですか…? お手伝いできることありますか?
  393. 真井 あかり: えっ? あ…ご親切にありがとう
  394. 由良 蛍: わぁ~…運がいーねぇ~…
  395. 真井 あかり: えっと、実は会いたい人がいて…
  396. 柚希 りおん: ちょっと、ほとりん!
  397. 柚希 りおん: あたしをおいて走っていくなんて どういうつもり!?
  398. 香春 ゆうな: どうかなさいましたの?
  399.  
  400. FILENAME: text_516710-8_flUel.txt
  401. <少し前…>
  402. 香春 ゆうな: それでは、帰りましょうか ほとりさん、りおんさん
  403. 柚希 りおん: それで、どうだったのよ?
  404. 香春 ゆうな: どう、とは…?
  405. 柚希 りおん: 許嫁! 昨日、会ったんでしょ?
  406. 柚希 ほとり: じ、実は…ボクも気になってて
  407. 香春 ゆうな: その話でしたか
  408. 香春 ゆうな: お相手の方と ふたりだけでお話もしたのですが
  409. 香春 ゆうな: とても誠実な方でしたわ
  410. 柚希 りおん: それって イイ感じだったってこと?
  411. 香春 ゆうな: いえ、今回のお話は 白紙に戻すということで
  412. 香春 ゆうな: お互いに合意しましたの
  413. 柚希 りおん: えっ!? いい人じゃなかったの?
  414. 香春 ゆうな: 素敵な方であることは 間違いありません
  415. 香春 ゆうな: ですが、わたくしには やるべきことがあります
  416. 香春 ゆうな: 憧れのあの方…マミ様と対等に 向き合える自分になるためには
  417. 香春 ゆうな: まだまだ修行不足…
  418. 香春 ゆうな: いまは他のことにうつつを 抜かしている時間はありません!
  419. 柚希 りおん: つまり いまは恋より憧れってことね
  420. 香春 ゆうな: そういうことですわ
  421. 香春 ゆうな: これもふたりだけのときに お話して
  422. 香春 ゆうな: お互いの両親にも まだ伝えていないのですが…
  423. 香春 ゆうな: お相手の方…陽斗さんには 想い人がいらっしゃるそうです!
  424. 柚希 りおん: 恋人が!?
  425. 香春 ゆうな: いえ、片想いだそうなのですが とてもロマンチックで…
  426. 柚希 りおん: ロマンチック?
  427. 香春 ゆうな: 調子が悪くて倒れていた 陽斗さんを
  428. 香春 ゆうな: お相手の女性が 助けてくださったそうです
  429. 柚希 りおん: ベタだけど悪くないわね
  430. 香春 ゆうな: そして、初対面なのに 親身になってくれた優しさに
  431. 香春 ゆうな: 心惹かれたそうですわ
  432. 柚希 りおん: 弱っているところに 優しくされてイチコロってわけね
  433. 柚希 りおん: これもベタだけど 少女漫画みたいでいいじゃない
  434. 香春 ゆうな: そして、ですね…
  435. 香春 ゆうな: ご両親にも打ち明けられない 秘密の恋、だそうです
  436. 柚希 りおん: ――っ!?
  437. 柚希 りおん: 秘密の恋!? どういうこと、それ?
  438. 香春 ゆうな: 踏み込んだことはあまり… お相手の方に事情があるため
  439. 香春 ゆうな: ただ、ひっそりと想うことしか できないそうですわ
  440. 柚希 りおん: きゃあっ! それはロマンチックだわ!
  441. 柚希 りおん: ねぇ、ほとりん! ほとりんもそう思うでしょ?
  442. 柚希 りおん: …………
  443. 柚希 りおん: って、ほとりんは!?
  444. 柚希 ほとり: あのぉ…何かお困りですか…? お手伝いできることありますか?
  445. 真井 あかり: えっ? あ…ご親切にありがとう
  446. 由良 蛍: わぁ~…運がいーねぇ~…
  447. 真井 あかり: えっと、実は会いたい人がいて…
  448. 柚希 りおん: いた! あたしを置いてくなんて!
  449. 柚希 りおん: ちょっと、ほとりん!
  450. 柚希 りおん: あたしをおいて走っていくなんて どういうつもり!?
  451. 香春 ゆうな: どうかなさいましたの?
  452. 柚希 ほとり: あぅ…ごめん… 困っているみたいだったから…
  453. 柚希 ほとり: それで、えっと… 会いたい人がいるんだよね…?
  454. 真井 あかり: え、ええ… 陽斗お兄さんの許嫁さんに…
  455. 真井 あかり: お兄さんは、優しくて はっきり言えないから
  456. 真井 あかり: 私が見極めてあげようと 思ってきたんです
  457. 由良 蛍: 私はぁ…付き添い~…
  458. 柚希 りおん: はると、お兄さん…? 陽斗ってことはかはるんの…
  459. 真井 あかり: かはるん…さん? あっ、香春ゆうなさん!?
  460. 柚希 ほとり: この人がかはるん… 香春ゆうなさんだよ
  461. 真井 あかり: あなたが…
  462. 香春 ゆうな: ――っ!?
  463. 香春 ゆうな: (こ、これは…)
  464. 香春 ゆうな: (先日りおんさんにお借りした 少女漫画…)
  465. 香春 ゆうな: (“年の差なんて飛び越えて!” のヒロイン・ハルちゃんが)
  466. 香春 ゆうな: (ライバルの上級生を偵察する シチュエーションと全く同じ…)
  467. 真井 あかり: (な、なんか じっと見られてる…)
  468. 香春 ゆうな: (…わたくし わかってしまいましたわ!)
  469. 香春 ゆうな: (この方が、陽斗さんの想い人)
  470. 香春 ゆうな: (きっと年の差を 気にしてらしたのね)
  471. 真井 あかり: (…もしかして睨まれてるの? 怖気づいたりしないんだから!)
  472. 香春 ゆうな: (そして、この様子だと)
  473. 香春 ゆうな: (この方も陽斗さんに 恋をしている様子…)
  474. 香春 ゆうな: (つまり、おふたりは)
  475. 香春 ゆうな: (お互いに 片想いをなさっていますのね!)
  476.  
  477. FILENAME: text_516710-9_flUel.txt
  478. 香春 ゆうな: (恋しい相手のために ここまでいらっしゃるとは…)
  479. 香春 ゆうな: (なんて いじらしいのでしょう!)
  480. 香春 ゆうな: (ぜひとも 応援して差し上げたいわ)
  481. 香春 ゆうな: お名前をお聞きしても よろしいかしら?
  482. 真井 あかり: …真井あかりです
  483. 香春 ゆうな: あかりさん… とても可愛らしいお名前ですわね
  484. 真井 あかり: えっ? えっと、ありがとうございます?
  485. 香春 ゆうな: 陽斗さんには 一度お会いしただけですが
  486. 香春 ゆうな: 礼儀正しく実直で とても素敵な方だと思いましたわ
  487. 真井 あかり: なっ!
  488. 真井 あかり: (まさか、この人も お兄さんのことが好きなの!?)
  489. 真井 あかり: わ、私もよく知ってます! 長い付き合いですからっ!
  490. 香春 ゆうな: まぁ、そうでしたわね
  491. 真井 あかり: (これって許嫁の余裕!?)
  492. 真井 あかり: (うぅ…お嬢様で年齢も お兄さんとつりあってて)
  493. 真井 あかり: (勝てる要素がないわ!)
  494. 由良 蛍: ん~…?なんかぁ… すれ違い始めてるぅ~…?
  495. 柚希 ほとり: 噛みあってない、ですよね…?
  496. 香春 ゆうな: (これが恋する乙女)
  497. 香春 ゆうな: (己の愛にすべてを捧げる姿は)
  498. 香春 ゆうな: (まさに少女漫画で拝見した ヒロインそのものですわ!)
  499. 香春 ゆうな: 心配なさらなくても
  500. 香春 ゆうな: あの方とは既にお互いの気持ちを 確かめ合っていますわ
  501. 真井 あかり: えっ…!?
  502. 真井 あかり: (は、陽斗お兄さんは 断るって言っていたのに!?)
  503. 柚希 りおん: あ、ちょっと まぎらわしい言い方して!
  504. 由良 蛍: コントみたいにぃ… なってきたねぇ~…
  505. 香春 ゆうな: ですから…
  506. 香春 ゆうな: あかりさんの恋 わたくしにも応援させてください
  507. 真井 あかり: …………えっ?
  508. 柚希 りおん: あんた、 面白がってていいの?
  509. 由良 蛍: ん~…キミだってぇ… 面白がってるよねぇ~…?
  510. 柚希 りおん: あたしはいいのよ!
  511. 柚希 ほとり: ねぇ…りおん、 ボクたちで誤解を解こうよ…
  512. 真井 あかり: えっと、応援するって どういうことですか?
  513. 真井 あかり: ゆうなさんもお兄さんのことが 好き、なんですよね…?
  514. 香春 ゆうな: 尊敬できる方だとは思いますが
  515. 香春 ゆうな: お慕いしているわけでは ございません
  516. 真井 あかり: …よかった!
  517. 香春 ゆうな: むしろ、おふたりの恋が とてもロマンチックで
  518. 香春 ゆうな: ハッピーエンドに なってほしいと思ってますわ
  519. 由良 蛍: …ん~…そこもぉ… 誤解があるみたいだけどぉ~…
  520. 由良 蛍: 二階堂くんにとってぇ… 小学生は恋愛対象外だよぉ~…
  521. 由良 蛍: あかりはぁ…遠縁の親戚でぇ… 妹みたいなものなのぉ~…
  522. 香春 ゆうな: あら、てっきり…
  523. 香春 ゆうな: では、あかりさんの片想い…?
  524. 真井 あかり: …悔しいけどその通りです
  525. 香春 ゆうな: では、陽斗さんの想い人とは どなたでしょう?
  526. 真井 あかり: …………
  527. 由良 蛍: 話すと長くなるからぁ… 場所を移さない~…?
  528. 香春 ゆうな: でしたら、わたくしおすすめの お店に参りましょう
  529. 香春 ゆうな: 家の者に 車を手配させますわ
  530. 由良 蛍: すご~くぅ… 長いリムジンだったぁ~…
  531. 胡桃 まなか: いらっしゃいませ! 珍しい組み合わせですね
  532. 真井 あかり: あっ、まなかさん…
  533. 香春 ゆうな: ご存知でしたか?
  534. 真井 あかり: えっと…
  535. 由良 蛍: 同じユニオンの魔法少女同士ぃ… 繋がりがあるんだよぉ~…
  536. 香春 ゆうな: まぁ… 魔法少女だったのですね
  537. 香春 ゆうな: ふふっ 意外な共通点まであるなんて…
  538. 柚希 りおん: とりあえず注文しましょっ! お腹が空いたわ!
  539. 胡桃 まなか: ご注文承りました! それでは…
  540. みんな: ――っ!?
  541. 胡桃 まなか: 魔女の気配…お店の近くです!
  542. 香春 ゆうな: お店のことでお忙しいでしょうし
  543. 香春 ゆうな: わたくしたちが 代わりに参りますわ
  544. 胡桃 まなか: お願いしてしまって いいでしょうか…?
  545. 由良 蛍: …使用人さんたちにぃ… 見とがめられたりしない~…?
  546. 香春 ゆうな: 問題ありませんわ
  547. 香春 ゆうな: 少々個人的な話するので 外してちょうだい
  548. かしこまりました
  549.  
  550. FILENAME: text_516710-10_flUel.txt
  551. 柚希 りおん: みんなで来る必要も なかったわね!
  552. 由良 蛍: …それでぇ… そっちはぁ…?
  553. 真井 あかり: 大丈夫みたい…
  554. 真井 あかり: でも、なんで また陽斗お兄さんが…
  555. 由良 蛍: ん~…やっぱりぃ… 魔女にもモテるみたいだねぇ~…
  556. 香春 ゆうな: 前にも被害に遭われたのですか?
  557. 真井 あかり: はい、前にも陽斗お兄さんを 助けたことがあって
  558. 真井 あかり: 実はそのときに…
  559. 二階堂 陽斗: …ぅ…………
  560. 由良 蛍: 目を覚ますみた~い… 私たちはぁ…隠れとこぉ~…
  561. 真井 あかり: えっ!? ちょっと…!
  562. 由良 蛍: これでぇ…二階堂くんのぉ… 好きな人がぁ…わかるよぉ~…
  563. みんな: …?
  564. 真井 あかり: (わ、私だけ 置いてかないでよ!)
  565. 二階堂 陽斗: …ぅ~ん…? 僕は、何を…?
  566. 真井 あかり: …気がついた?
  567. 二階堂 陽斗: ――っ!?
  568. 二階堂 陽斗: あ、あなたは… 前に僕を助けてくれた…!
  569. 二階堂 陽斗: …僕は、一体…?
  570. 真井 あかり: えっと、体調が悪そうだったから 介抱していたの…
  571. 二階堂 陽斗: 助けてくださっただけではなく ここまで気にかけてくれるなんて
  572. 二階堂 陽斗: 本当になんて お礼を言えばいいか…
  573. 二階堂 陽斗: またお会いできるなんて…
  574. 二階堂 陽斗: その、今日も介抱して いただいたんでしょうか?
  575. 真井 あかり: …そんなところよ
  576. 真井 あかり: (陽斗お兄さん、あのとき 魔女から助けた私のことを)
  577. 真井 あかり: (真井あかりとは、別の人だと 思っちゃってるのよね…)
  578. 二階堂 陽斗: はは、お恥ずかしいところばかり 見せてしまっていますね…
  579. 真井 あかり: そんなことないわ
  580. 真井 あかり: それより、しっかり休めている? 疲れが溜まっているのかも…
  581. 二階堂 陽斗: …そう、ですね 最近は、いろいろあって…
  582. 二階堂 陽斗: でも、こうやって気にかけて もらえて、元気が出ました
  583. 真井 あかり: それでも、無理は禁物よ 自分を大切にしなくちゃ
  584. 二階堂 陽斗: ありがとうございます
  585. 二階堂 陽斗: あなたは、今日も撮影ですか?
  586. 真井 あかり: …!
  587. 真井 あかり: え、ええ… そうよ
  588. 真井 あかり: (最初に会ったときに とっさについちゃったウソ)
  589. 真井 あかり: (まだ信じているのね…)
  590. 真井 あかり: (ごめんなさい 陽斗お兄さん…)
  591. 二階堂 陽斗: …………
  592. 二階堂 陽斗: そういえば、その衣装って
  593. 二階堂 陽斗: 今度始まる変身ヒロインの番組の コスチュームって話でしたよね?
  594. 二階堂 陽斗: ぷちうさも、 衣装の一部なんですか?
  595. 真井 あかり: えっ?
  596. 二階堂 陽斗: そのマスコットキャラクター…
  597. 二階堂 陽斗: 父が経営している会社で 作っているんです
  598. 二階堂 陽斗: 番組とコラボしているなら 父も知っているかなと思って…
  599. 真井 あかり: (あっ!しまった…!)
  600. 真井 あかり: こ、これは、私の趣味よ! 休憩中だからつけてるだけ
  601. 二階堂 陽斗: そうだったんですね 気に入ってもらえて嬉しいです
  602. 真井 あかり: えっと…その… 私、そろそろ戻らないと…
  603. 二階堂 陽斗: あっ…引き止めてしまって すみません…
  604. 二階堂 陽斗: お仕事の途中ですよね
  605. 真井 あかり: それじゃあ、私はこれで あまり無理しないでね
  606. 二階堂 陽斗: はい、ありがとうございました
  607. 二階堂 陽斗: …はぁ… やっぱり素敵な人だなぁ…
  608. みんな: …………
  609. 香春 ゆうな: …えっと、これは どういうことでしょう?
  610. 柚希 りおん: あたしは、わかった気がする…
  611. 柚希 ほとり: うん…
  612. 柚希 りおん: あかりは前にも同じように 陽斗を助けたことがあって
  613. 柚希 りおん: そのとき、とっさに 魔法少女の姿について
  614. 柚希 りおん: 変身ヒロインの撮影中って ウソをついたってことよね?
  615. 由良 蛍: そ~…
  616. 由良 蛍: 二階堂くんはねぇ… いまの子のことが好きなのぉ~…
  617. 由良 蛍: でもぉ…
  618. 由良 蛍: その正体があかりだってぇ… 気づいてないんだよぉ~…
  619. 香春 ゆうな: …! ああ…!
  620. 香春 ゆうな: 確かに陽斗さんの想い人は 調子が悪くて倒れていたところを
  621. 香春 ゆうな: 助けていただいた方だという お話でしたわね
  622. 由良 蛍: そ~…そういうことぉ~…
  623. 柚希 りおん: ねぇ…つまり、それって
  624. 柚希 りおん: あかりと16歳のあかりと陽斗の 三角関係ってことじゃない!?
  625. ゆうな&ほとり: ――っ!?
  626. [Part 1 end]
  627. -----
  628. [Part 2 start]
  629. FILENAME: text_516720-1_K5aq8.txt
  630. 柚希 りおん: ねぇ…つまり、それって
  631. 柚希 りおん: あかりと16歳のあかりと陽斗の 三角関係ってことじゃない!?
  632. ゆうな&ほとり: ――っ!?
  633. 柚希 ほとり: えっと…
  634. 柚希 ほとり: 11歳のあかりさんは 陽斗さんが好きで
  635. 柚希 ほとり: 陽斗さんは 16歳のあかりさんが好き…
  636. 柚希 ほとり: でも、陽斗さんは
  637. 柚希 ほとり: 16歳のあかりさんの 正体を知らない…?
  638. 由良 蛍: そ~…
  639. 香春 ゆうな: まぁ… 複雑ですわね
  640. 柚希 りおん: なんで正体を明かさないのよ?
  641. 柚希 りおん: 結局のところ、 お互いに好きなんでしょ?
  642. 真井 あかり: そう単純じゃないんです!
  643. 由良 蛍: あ~…戻ってきたぁ… 二階堂くんはぁ~…?
  644. 真井 あかり: ちゃんと町の方へ戻って行ったわ もう大丈夫だと思う
  645. 香春 ゆうな: それで、単純ではないとは どういうことでしょう?
  646. 由良 蛍: まずぅ…魔法少女だってぇ… 言わないといけないでしょ~…?
  647. 真井 あかり: それだけじゃなくて…
  648. 真井 あかり: 陽斗お兄さんにとって 私は妹でしかないんです
  649. 真井 あかり: もし、恋をしている 同年代の女の子が
  650. 真井 あかり: 実は小学生の女の子… 私だったって知ったら
  651. 真井 あかり: きっと気持ちも冷めちゃう…
  652. 由良 蛍: まぁ…生まれたときからぁ 知ってるわけだしぃ~…
  653. 由良 蛍: そもそもぉ…二階堂くんはぁ…
  654. 由良 蛍: 小学生が恋愛対象にぃ… なるなんてぇ~…
  655. 由良 蛍: 考えたこともなさそうなぁ… タイプだよぉ~…
  656. 真井 あかり: それに、私は 本当の私を見てほしいんです
  657. 真井 あかり: 魔法で変身した姿じゃなくて
  658. 真井 あかり: 本当の私…真井あかりを 見てほしいんです!
  659. 香春 ゆうな: そうでしたの…
  660. 香春 ゆうな: やっぱり、あかりさんは とても健気な方ですね
  661. 香春 ゆうな: 改めて応援したくなりましたわ
  662. 真井 あかり: えっ…
  663. 香春 ゆうな: あかりさんの正体について 内密にしておくのは当然として…
  664. 香春 ゆうな: あかりさんの想いも 秘密にしておきますわ
  665. 真井 あかり: ありがとうございます
  666. 真井 あかり: …あの、最初に会ったとき
  667. 真井 あかり: 嫌な態度をとってしまって ごめんなさい
  668. 香春 ゆうな: ふふっ、 気にしていませんわ
  669. 柚希 ほとり: 痛っ…! りおん、なんでつつくの?
  670. 柚希 りおん: これって“ミミカル☆ミミコ” そのまんまの展開じゃない!
  671. 柚希 りおん: 興奮するなって言う方が 無理だわ!
  672. 香春 ゆうな: それは少女漫画の題名ですの?
  673. 柚希 ほとり: りおんが好きな 変身ヒロインの番組だよ…
  674. 胡桃 まなか: おかえりなさい! みなさん、無事でしたか?
  675. 香春 ゆうな: ええ、ご心配なく
  676. 胡桃 まなか: あっ! ゆうなさんのお家の執事さん?
  677. ゆうな様 ご歓談中に申し訳ございません
  678. お約束しておりました 二階堂様がいらっしゃいました
  679. 香春 ゆうな: あら、もうそんな時間ですの?
  680. 香春 ゆうな: …個人的な話も終わりましたので こちらにお連れして
  681. かしこまりました
  682. 真井 あかり: 二階堂って… 陽斗お兄さん?
  683. 香春 ゆうな: 言いそびれてしまいまして 申し訳ございません
  684. 香春 ゆうな: 実は今日、このあとお会いする 約束になっておりまして…
  685. 真井 あかり: ええっ!?
  686. 香春 ゆうな: 父たちから交流を深めるように 申し付けられていますの…
  687. 由良 蛍: ん~…それでぇ… 北養区にぃ…いたんだぁ~…
  688. 二階堂 陽斗: 遅くなってしまい 申し訳ありません
  689. 香春 ゆうな: お気になさらないで
  690. 香春 ゆうな: 友人たちと お茶をいただいておりましたから
  691. 真井 あかり: 陽斗お兄さん…
  692. 二階堂 陽斗: あかり?どうして北養区に? 由良先輩まで…
  693. 真井 あかり: えっと…偶然、かな…?
  694. 由良 蛍: ここのシェフの娘さんとねぇ~… 友だちなのぉ~…
  695. 由良 蛍: 私たちもぉ…ゆうなたちもぉ~…
  696. 由良 蛍: それでぇ…な~んかぁ… 意気投合しちゃってぇ~…
  697. 香春 ゆうな: そういうことですわ
  698. 二階堂 陽斗: でしたら、僕はかえって お邪魔になってしまいますね
  699. 香春 ゆうな: そんなことはございません どうぞお座りになって?
  700. 香春 ゆうな: あかりさんのお隣が 空いていますから
  701. 真井 あかり: はい、お兄さん 座って!
  702. 二階堂 陽斗: …じゃあ、お邪魔しようかな
  703.  
  704. FILENAME: text_516720-2_K5aq8.txt
  705. 二階堂 陽斗: 楽しい時間を ありがとうございました
  706. 香春 ゆうな: ふふっ、 わたくしも楽しかったですわ
  707. 香春 ゆうな: あかりさんとも たくさんお話できましたし
  708. 香春 ゆうな: それではまた
  709. 香春 ゆうな: 明日のお食事会で お会いしましょう
  710. 二階堂 陽斗: 僕たちも帰ろうか
  711. 真井 あかり: うんっ!
  712. 真井 あかり: 蛍、起きて! 帰るわよ!
  713. 由良 蛍: ん~…ん… 起きてるぅ~…
  714. 真井 あかり: もうっ! それは起きてるって言わないの!
  715. 二階堂 陽斗: あはは… 相変わらずだね…
  716. 二階堂 陽斗: 車を呼んであるから 先輩の家まで送っていく?
  717. 真井 あかり: うん… そうするわ
  718. 真井 あかり: お待たせ! 蛍を家の中まで送ってきたわ
  719. 二階堂 陽斗: いつもえらいね
  720. 二階堂 陽斗: …………
  721. 真井 あかり: 陽斗お兄さん?
  722. 二階堂 陽斗: 家まで歩かない? 少し、話したいことがあるんだ
  723. 真井 あかり: いいけど…
  724. 二階堂 陽斗: 香春さんと会ってみて どうだった?
  725. 真井 あかり: どうって…
  726. 真井 あかり: 変わっているところもあるけど 素敵な人よ
  727. 真井 あかり: (私の恋も応援してくれるし)
  728. 二階堂 陽斗: 仲良くできそう?
  729. 真井 あかり: もちろん!
  730. 二階堂 陽斗: そっか…
  731. 真井 あかり: …どうしてそんなことを聞くの?
  732. 二階堂 陽斗: …………
  733. 二階堂 陽斗: 恋を… 諦めようと思って
  734. 真井 あかり: えっ…? ま、待って!
  735. 真井 あかり: 初恋だって… 好きだって言ってたじゃない!
  736. 真井 あかり: なのに、どうして!?
  737. 真井 あかり: ゆうなさんの方が好きに なっちゃったの!?
  738. 二階堂 陽斗: そういうことではないよ …ただ、家のことを考えるとね
  739. 真井 あかり: 家…? おじ様たちのこと?
  740. 二階堂 陽斗: 両親の期待もあるけど 一番は会社のことかな
  741. 二階堂 陽斗: 父さんの会社が大きくなったのは
  742. 二階堂 陽斗: そこで働いてくれている人たちが 頑張ってくれているからなんだ
  743. 真井 あかり: …それは知ってるけど
  744. 二階堂 陽斗: 僕はいずれ 父の会社を継ぐつもりだから
  745. 二階堂 陽斗: 一生懸命働いてくれている 人たちを守らないといけない
  746. 真井 あかり: それと、恋を諦めることが どう関係あるの?
  747. 二階堂 陽斗: 香春グループは とても大きな会社で
  748. 二階堂 陽斗: もし、仲たがいしてしまったら
  749. 二階堂 陽斗: お兄さんや あかりの家族だけじゃなくて
  750. 二階堂 陽斗: 二階堂グループで 働いてくれている人たちにも
  751. 二階堂 陽斗: 悪い影響が出てしまう
  752. 二階堂 陽斗: お仕事がなくなってしまったり とかね…
  753. 真井 あかり: あっ…
  754. 二階堂 陽斗: 僕の身勝手な気持ちのせいで… 叶うかもわからない恋のために
  755. 二階堂 陽斗: みんなを振り回すのは いけないことだと思ったんだ
  756. 真井 あかり: (お兄さんの言ってることは 確かにその通り、かも…)
  757. 真井 あかり: …でも、ゆうなさんは
  758. 真井 あかり: やりたいことがあるから 婚約は考えられないって…
  759. 二階堂 陽斗: もちろん、 香春さんの気持ちは尊重するよ
  760. 二階堂 陽斗: ただ、今回のことに関して お兄さんは
  761. 二階堂 陽斗: 父さんたちの決めることに 反対するのはやめようと思って
  762. 真井 あかり: …それでいいの?
  763. 二階堂 陽斗: 会社を継ぐなら 自分のことだけではダメだからね
  764. 二階堂 陽斗: それに、香春さんなら
  765. 二階堂 陽斗: あかりとも 仲良くしてくれるだろうから
  766. 真井 あかり: (…陽斗お兄さんは)
  767. 真井 あかり: (流されてるんじゃなくて みんなのことを考えてたんだ)
  768. 真井 あかり: (私は、そんなふうに 考えたこともなかった)
  769. 真井 あかり: (陽斗お兄さんと違って 私、まだまだ子どもだ…)
  770. 二階堂 陽斗: えっと…突然難しい話をして びっくりさせちゃったかな?
  771. 真井 あかり: …………
  772. 二階堂 陽斗: ごめんね…
  773. 二階堂 陽斗: でも、あかりは大切な家族だから 話しておきたかったんだ
  774. 真井 あかり: …………うん…
  775.  
  776. FILENAME: text_516720-3_K5aq8.txt
  777. <翌日>
  778. 由良 蛍: あかり…? お~い…あ~か~り~…!
  779. 真井 あかり: …着替えたのね 学校、行くわよ
  780. 蛍の下の姉: …ねぇ、あかりちゃんってば どうしちゃったの?
  781. 蛍の下の姉: ぼんやりしちゃって 明らかにおかしいけど
  782. 蛍の上の姉: 蛍ちゃん… また、やっちゃった?
  783. 由良 蛍: 私じゃないよぉ~… でもぉ…ん~…様子見とくぅ~…
  784. 由良 蛍: あかりぃ… 大丈夫ぅ~…?
  785. 真井 あかり: いつもどおりよ
  786. 由良 蛍: ん~…どーしよぉ~… 重症みたい~…
  787. 真井 あかり: おはようございます
  788. おは、よう…!?
  789. 真井 あかり: 蛍、しっかり勉強するのよ
  790. ちょ、ちょっと どうしちゃったの?
  791. 蛍、また何かあかりちゃんに 酷いことしちゃったんじゃない?
  792. 泣かせた前科があるもんね
  793. 由良 蛍: だからぁ~…私じゃないのぉ~… え~ん…みんなぁ…ヒドイ…
  794. じゃあ、どうしちゃったわけ?
  795. あのあかりちゃんが ぼんやりしてるなんて…
  796. 由良 蛍: ん~…
  797. 由良 蛍: (確か、今日は両家の親睦を 深める食事会だっけ…?)
  798. 由良 蛍: (それを心配してる…?)
  799. 由良 蛍: (でも、ゆうなたち当人同士は 乗り気じゃないし…)
  800. 由良 蛍: 心当たりはあるんだけど ちょっと様子見てから、かな…
  801. 由良 蛍: あかりの中でまだ気持ちの整理が できてないと思うから
  802. 先生さようなら みなさん、さようなら!
  803. みんな: 「さようなら!」
  804. 真井 あかり: …………
  805. …あかりちゃん 大丈夫かな?
  806. 元気なかったね…
  807. 真井 あかり: …………
  808. 真井 あかり: (昨日、陽斗お兄さんと 話したことが)
  809. 真井 あかり: (頭から離れない…)
  810. 二階堂 陽斗: 恋を… 諦めようと思って
  811. 二階堂 陽斗: 会社を継ぐなら 自分のことだけではダメだからね
  812. 真井 あかり: (私、お兄さんが 家のこととか会社のこととか)
  813. 真井 あかり: (ちゃんと考えてるなんて 知らなかった…)
  814. 真井 あかり: (お兄さんと並べるように 頑張って)
  815. 真井 あかり: (ちょっとずつ近づけてるって 思ったのも)
  816. 真井 あかり: (私の努力が 実ったからじゃなくて)
  817. 真井 あかり: (お兄さんが私に 合わせてくれてたからだった…)
  818. 真井 あかり: (だって 陽斗お兄さんは)
  819. 真井 あかり: (周りのことを見て しっかり考えているのに)
  820. 真井 あかり: (私は自分のことしか 考えてなかったんだもの…)
  821. 真井 あかり: …………
  822. 真井 あかり: (許嫁をなかったことに したいのは)
  823. 真井 あかり: (陽斗お兄さんや ゆうなさんのためじゃなくて)
  824. 真井 あかり: (私が陽斗お兄さんを 好きだから…)
  825. 真井 あかり: (ただ、取られたくないだけ)
  826. 真井 あかり: (そのあとどうなるかなんて 全然考えてなかった…)
  827. 真井 あかり: 私、やっぱり子どもっぽい… 全然、大人になれてない…
  828. 真井 あかり: (昨日、お兄さんが 言っていたことは正しい)
  829. 真井 あかり: (大人になりたいなら 私も応援しないといけないのに)
  830. 真井 あかり: (私もこの気持ちを 諦めないといけないのに)
  831. 真井 あかり: ……………
  832. 真井 あかり: …でも、やっぱり嫌だよぉ
  833.  
  834. FILENAME: text_516720-4_K5aq8.txt
  835. 真井 あかり: うぅ…ぐす…
  836. 由良 蛍: …見つけた
  837. 真井 あかり: …………蛍…?
  838. 真井 あかり: あっ…ごめん… 蛍のこと、忘れてたわ…
  839. 由良 蛍: 気にしてないよぉ~…
  840. 由良 蛍: …それで、何があったの?
  841. 真井 あかり: 何も、ないけど…
  842. 由良 蛍: ホントに?
  843. 真井 あかり: …………うん…
  844. 由良 蛍: そっか
  845. 由良 蛍: じゃあ、二階堂くんに 聞いてみるね
  846. 真井 あかり: えっ!? なんで陽斗お兄さんに!?
  847. 由良 蛍: 二階堂くんなら、あかりの様子が おかしい理由を知ってると思って
  848. 真井 あかり: 蛍のそういうところズルい… 脅すなんて…
  849. 由良 蛍: ホントにズルかったら 先に二階堂くんに聞いてるよぉ…
  850. 真井 あかり: …………
  851. 真井 あかり: …実は、昨日蛍を送ったあとにね
  852. 真井 あかり: だから、私も 恋を諦めるべきなのかなって…
  853. 由良 蛍: それでいいの?
  854. 真井 あかり: …………うん…
  855. 真井 あかり: 私、もう子どもじゃないもん…
  856. 由良 蛍: ふーん…
  857. 由良 蛍: 簡単に諦めるなんて 二階堂くんも二階堂くんだよね
  858. 真井 あかり: えっ?
  859. 由良 蛍: あかりはさぁ… 自分の恋を諦めて
  860. 由良 蛍: 二階堂くんとゆうなが 正式な許嫁になるために
  861. 由良 蛍: 協力するつもりなんだよね?
  862. 由良 蛍: お家と会社のために
  863. 真井 あかり: …そうよ
  864. 由良 蛍: それって、二階堂くんとゆうなが 結婚するのを手伝うってことだよ
  865. 真井 あかり: ――っ!?
  866. 由良 蛍: しかも ふたりが仲良くなっていくのを
  867. 由良 蛍: 一番近くで 見ることになるわけだけど
  868. 由良 蛍: それでいいの?
  869. 由良 蛍: できるの?
  870. 真井 あかり: 陽斗お兄さんと、ゆうなさんを…
  871. 真井 あかり: ………… …………嫌だ…
  872. 真井 あかり: できるわけないじゃない…!
  873. 真井 あかり: だって… やっぱり好きだもん…
  874. 真井 あかり: 陽斗お兄さんのこと 大好きだもん…
  875. 由良 蛍: じゃあ、どうしたい?
  876. 真井 あかり: お兄さんに私の気持ちを 伝えたい…
  877. 由良 蛍: 気持ち…? 好きって伝えるってこと?
  878. 真井 あかり: ううん、そうじゃなくて…
  879. 真井 あかり: 陽斗お兄さんに 恋を諦めてほしくないの
  880. 由良 蛍: …ん?16歳の姿で 両想いになりたいってこと?
  881. 真井 あかり: うまく言えないけど…
  882. 真井 あかり: ただ、 諦めるのはダメだって思って…
  883. 由良 蛍: …つまり
  884. 由良 蛍: あかりは二階堂くんへの想いも 諦めたくないけど
  885. 由良 蛍: 二階堂くんにも 恋を諦めてほしくないってこと?
  886. 真井 あかり: …うん でも、そんなのワガママだから…
  887. 由良 蛍: あかりと二階堂くんってぇ… 変なところで似たもの同士だねぇ
  888. 由良 蛍: 自分の気持ちにぃ… 素直じゃないところとかぁ~…
  889. 由良 蛍: 大切な人のためにぃ… 恋を諦めようとするところとかぁ
  890. 真井 あかり: …あっ
  891. 由良 蛍: このままだとゆうなに 二階堂くん取られちゃうよ?
  892. 由良 蛍: それが嫌だってことは はっきりしてるんだよね?
  893. 真井 あかり: うん… それは絶対に嫌!
  894. 由良 蛍: じゃあ… それを伝えなきゃね
  895.  
  896. FILENAME: text_516720-5_K5aq8.txt
  897. 柚希 りおん: 蛍から話は聞いたわ!
  898. 柚希 りおん: 愛のために、両家のお食事会に 乱入するなんて面白いじゃない!
  899. 柚希 ほとり: り、りおん… あかりさんは真剣なんだよ…?
  900. 柚希 りおん: あたしだって真剣よ!
  901. 柚希 りおん: “ミミカル☆ミミコ”でも こういう展開あったわよね!
  902. 真井 あかり: 蛍とふたりで行くんだと 思ってた…
  903. 由良 蛍: 手伝ってもらおうと思ってぇ… 電話でお願いしたのぉ~…
  904. 由良 蛍: 人手は多い方がいいからねぇ~…
  905. 由良 蛍: 香春家の使用人がぁ… 何十人も見張ってるからぁ~…
  906. 真井 あかり: そ、そんなに…!?
  907. 柚希 ほとり: もっといるかも…
  908. 真井 あかり: ええっ!?
  909. 柚希 りおん: 何がどれだけいようと
  910. 柚希 りおん: あたしとほとりんがついてれば 大丈夫よ
  911. 柚希 ほとり: それで、ボクたちは どうすればいいんでしょうか…?
  912. 由良 蛍: ん~…まずはぁ…
  913. 由良 蛍: 状況のおさらいから しよっかぁ~…
  914. 由良 蛍: 「香春家と二階堂家のお食事会はぁ… 水名区にあるぅ…香春家御用達のぉ… 知る人ぞ知る料亭を貸し切ってぇ… 行われるのぉ…」
  915. 由良 蛍: 「そのお店はぁ… せまぁ~い…路地裏にあってぇ…」
  916. 由良 蛍: 「路地裏のぉ…周辺ではぁ… 使用人たちがぁ…あちこちに潜んでてぇ~… 警護してるんだよねぇ~…」
  917. 柚希 りおん: つまり、簡単には近づけない ってことね
  918. 由良 蛍: そ~…
  919. 柚希 りおん: ちょっと可哀想だけど
  920. 柚希 りおん: かはるんとこの使用人さんたちを やっつければ、いいのかしら?
  921. 由良 蛍: 暴力沙汰はダメだよぉ~… 注意を引いたりそらしたりして…
  922. 由良 蛍: あかりをぉ… 二階堂くんのところにぃ…
  923. 由良 蛍: 送り込めば成功だからぁ…
  924. 真井 あかり: そのために、 蛍が作戦を考えてくれたんです
  925. 真井 あかり: その名も、迷子作戦!
  926. 柚希 ほとり: よ、よし…! ちょっと恥ずかしいけど…
  927. 柚希 ほとり: り、りおーん どこー…?
  928. 柚希 ほとり: りおーん…!!
  929. 柚希 ほとり: (お願い、気づいて…!)
  930. 由良 蛍: ふたりはぁ…
  931. 由良 蛍: ゆうなの家の人たちともぉ… 顔見知りだよねぇ~…?
  932. 由良 蛍: だからぁ… それを利用しよっかぁ…
  933. 由良 蛍: 大切なお嬢様のお友だちがぁ… 迷子になっていたらぁ…
  934. 由良 蛍: 放っておけないだろうからぁ…
  935. 柚希 りおん: ほとりん! どこに行ったのよ!
  936. 柚希 りおん: (別々の場所で 迷子になったことにして)
  937. 柚希 りおん: (警護の人たちの注意を引く…)
  938. 柚希 りおん: (これで一番警備が厳しい 路地裏の入り口を突破できる)
  939. 柚希 りおん: (…って蛍が言っていたわね)
  940. 柚希 りおん: ほーとーりーん!!
  941. りおんお嬢様?
  942. こんなところで どうなさったのですか?
  943. 柚希 りおん: (やった! かかったわ!)
  944. 柚希 ほとり: あ、かはるんの お家のメイドさん…
  945. 柚希 ほとり: そ、それでボク…えっと… その…はぐれちゃって…
  946. それは心細かったでしょう…
  947. 手が空いている者に 連絡しますのでお待ちください
  948. 柚希 ほとり: (あっ… うまくいったみたい…!)
  949. 由良 蛍: とりあえずぅ… 入り込めたねぇ~…
  950. 真井 あかり: りおんさんたちを おとりにしちゃったけど
  951. 真井 あかり: 怒ってないかしら?
  952. 由良 蛍: 大丈夫ぅ~…そっちの方がぁ… 重要って言ってあるからぁ…
  953. 真井 あかり: …それで、ここからどうするの?
  954. 由良 蛍: まずはぁ…こっそり移動~… あとはぁ…
  955. 真井 あかり: いま目が合わなかった!?
  956. 由良 蛍: ん~…
  957. みなさん、来てください こちらで物音がしました
  958. 真井 あかり: あ、あれ…?気のせい? 反対側に行っちゃったわ
  959. 由良 蛍: …他に気になるものが あったみたいだねぇ…
  960. 由良 蛍: じゃぁ~…進もっかぁ…
  961. 真井 あかり: …意外と順調に来ちゃったわね
  962. 由良 蛍: …他にも何かぁ… あるのかもねぇ~…
  963. 真井 あかり: 何かって?
  964. 由良 蛍: ん~… いまは重要じゃないかなぁ…
  965. 由良 蛍: それよりぃ…
  966. 由良 蛍: 入口に警備が多すぎるぅ… これはちょっと予想外だなぁ…
  967. 真井 あかり: どうするの?
  968. 由良 蛍: ん~…どぉ~しよ~…
  969. 真井 あかり: ここにきてノープラン!?
  970. 由良 蛍: あんなに多いとはぁ… 思わなくてぇ…
  971. 由良 蛍: ん~…
  972. 由良 蛍: 仕方ないからぁ… 最終手段だねぇ…
  973. 真井 あかり: 魔法少女の力を使うの?
  974. 由良 蛍: ん~…枕の中の空間にぃ… のみ込んじゃおうかなぁってぇ…
  975. 真井 あかり: 危ないわよ!?
  976. 由良 蛍: 大丈夫ぅ~…
  977. 由良 蛍: 終わらせたらぁ…みんな無事にぃ 外に出られるようにするからぁ…
  978. 真井 あかり: …でも
  979. 由良 蛍: 諦めたくないんでしょ~…?
  980. 真井 あかり: …うん
  981. 真井 あかり: 暴力沙汰はダメって言ったのは 蛍だからね
  982. 真井 あかり: 全員無事に戻すのよ
  983. 由良 蛍: わかってるぅ~… じゃあ…あとでねぇ~…
  984. 由良 蛍: ふぅ… ちょっとぉ…ごめんねぇ…
  985.  
  986. FILENAME: text_516720-6_K5aq8.txt
  987. タタタタタッ…!
  988. 「お、おまちください!」
  989. 二階堂 陽斗: ん?
  990. 香春 ゆうな: …ふふ やっぱりいらっしゃいましたね
  991. バンッ!
  992. 二階堂 陽斗: ―陽斗― あ、あかり!? なんで…
  993. 真井 あかり: ―あかり― 私の…
  994. 真井 あかり: ―あかり― 私の陽斗お兄さんを取らないで!
  995. 二階堂 陽斗: …どうしたの、あかり
  996. 真井 あかり: …………
  997. 二階堂 陽斗: 何かあるんだったら言ってごらん
  998. 二階堂 陽斗: お兄さん、言ってくれないと わからないよ…
  999. 真井 あかり: …あのね ゆうなさんは素敵な人だけど…
  1000. 真井 あかり: でも私ね、陽斗お兄さんが…
  1001. 二階堂 陽斗: …うん、僕が?
  1002. 真井 あかり: 陽斗お兄さんが…ぅ…ぐすっ…
  1003. 真井 あかり: (ダメ… 泣かないでちゃんと言わなきゃ)
  1004. 真井 あかり: (でも…うぅ…)
  1005. 真井 あかり: 陽斗お兄さんが 結婚しちゃうの…嫌だぁ…!
  1006. 真井 あかり: うぇえええええんっ…!!
  1007. 二階堂 陽斗: …………あかり…
  1008. 陽斗の父: え、えっと… どうしたんだ、あかり?
  1009. 陽斗の母: こんなに泣いちゃって…
  1010. 香春 ゆうな: わたくしたちは一度外しましょう
  1011. ゆうなの父: だが…
  1012. 香春 ゆうな: 実は、わたくしからも
  1013. 香春 ゆうな: お父様とお母様に お話がありますの
  1014. 香春 ゆうな: ですから、どうか… お願いできませんか?
  1015. ゆうなの父: …何か事情があるようだね
  1016. ゆうなの父: 少し外させていただきます
  1017. 陽斗の父: お心遣い感謝します
  1018. 陽斗の父: あかり…どうしたんだい?
  1019. 真井 あかり: うぅ…ぐすっ… ごめんなさい…でも…ぐすっ…
  1020. 二階堂 陽斗: ごめん、父さん
  1021. 二階堂 陽斗: あかりとふたりで話したいから 父さんたちも少し外してほしい
  1022. 陽斗の父: いや、だがな…
  1023. 陽斗の母: …あなた、 ここは陽斗に任せましょう
  1024. 陽斗の父: そうだな
  1025. 二階堂 陽斗: ごめん ありがとう
  1026.  
  1027. FILENAME: text_516720-7_K5aq8.txt
  1028. 真井 あかり: …………
  1029. 二階堂 陽斗: …泣き止んだ、かな?
  1030. 真井 あかり: うん…
  1031. 真井 あかり: 陽斗、お兄さん… 私…ごめんなさい…
  1032. 二階堂 陽斗: ううん 謝るのはお兄さんの方だよ
  1033. 二階堂 陽斗: ごめんね、あかり
  1034. 二階堂 陽斗: いろいろ急ぎ過ぎて 不安にしちゃったよね…
  1035. 真井 あかり: …………
  1036. 二階堂 陽斗: でもね、お兄さんは
  1037. 二階堂 陽斗: あかりをおいて いなくなったりはしないから
  1038. 二階堂 陽斗: 前にも言ったけど…
  1039. 二階堂 陽斗: お兄さんは何があっても ずっとあかりのお兄さんだからね
  1040. 真井 あかり: (…もうっ!)
  1041. 真井 あかり: (私は大好きなお兄さんが 遠くに行っちゃいそうで)
  1042. 真井 あかり: (寂しかったんじゃなくて…)
  1043. 真井 あかり: (好きな人が 取られちゃいそうだから)
  1044. 真井 あかり: (嫌だったのよ…)
  1045. 真井 あかり: (一番、肝心なところを わかってないんだから…)
  1046. 二階堂 陽斗: 大事な妹を… あかりを悲しませるくらいなら
  1047. 二階堂 陽斗: 最初からちゃんと 断っておくべきだったんだ…
  1048. 真井 あかり: えっ… 私のために…?
  1049. 真井 あかり: (嬉しい、けど…)
  1050. 真井 あかり: (蛍の言ってた通りかも…)
  1051. 由良 蛍: あかりと二階堂くんってぇ… 変なところで似たもの同士だねぇ
  1052. 由良 蛍: 自分の気持ちにぃ… 素直じゃないところとかぁ~…
  1053. 由良 蛍: 大切な人のためにぃ… 恋を諦めようとするところとかぁ
  1054. 真井 あかり: …………
  1055. 真井 あかり: …あのね、陽斗お兄さん
  1056. 二階堂 陽斗: ん?…何?
  1057. 真井 あかり: 私が嫌だって言ったら 好きな人のことも諦めちゃうの?
  1058. 二階堂 陽斗: えっ…?
  1059. 真井 あかり: …陽斗お兄さんが好きな人のこと 私が“嫌い”って言ったら
  1060. 真井 あかり: その人のこと嫌いになる…?
  1061. 二階堂 陽斗: …………
  1062. 二階堂 陽斗: …それは…えっと…どう、かな
  1063. 真井 あかり: 違うでしょ
  1064. 真井 あかり: 恋って…
  1065. 真井 あかり: そんなことで諦められないから 恋なんでしょ
  1066. 二階堂 陽斗: …………
  1067. 真井 あかり: だからね
  1068. 真井 あかり: 陽斗お兄さんも 好きな人がいるなら諦めちゃダメ
  1069.  
  1070. FILENAME: text_516720-8_K5aq8.txt
  1071. 真井 あかり: 陽斗お兄さんも 好きな人がいるなら諦めちゃダメ
  1072. 真井 あかり: 好きなら 諦めちゃダメだから!
  1073. 真井 あかり: (私だってそう)
  1074. 真井 あかり: (好きな気持ち 私も諦めちゃダメだから…)
  1075. 真井 あかり: (絶対諦めないから!)
  1076. 真井 あかり: それをね お兄さんに伝えたかったの…
  1077. 二階堂 陽斗: …うん そう、だね
  1078. 二階堂 陽斗: あかりの言う通りだ
  1079. 二階堂 陽斗: 本当に好きなら 簡単に諦めたり…
  1080. 二階堂 陽斗: 自分の気持ちを ないがしろにしたらダメだよね
  1081. 二階堂 陽斗: 片想いだから、 相手にも事情があるから
  1082. 二階堂 陽斗: そういう建前で
  1083. 二階堂 陽斗: 大切な気持ちを押し込めたら ダメだったね…
  1084. 真井 あかり: うん… それって、とっても苦しいから
  1085. 二階堂 陽斗: あはは…あかりに言われるまで 気づけないなんて
  1086. 二階堂 陽斗: ダメな兄だなぁ…
  1087. 真井 あかり: …確かに、陽斗お兄さん たまにダメよね
  1088. 真井 あかり: (鈍感で私の気持ちに 全然気づいてくれないし…)
  1089. 二階堂 陽斗: うん、反論できないなぁ…
  1090. 二階堂 陽斗: …………
  1091. 真井 あかり: なぁに? じっと見つめて
  1092. 二階堂 陽斗: 大きくなったね、あかり
  1093. 真井 あかり: …!
  1094. 二階堂 陽斗: あんなに小さかったのに…
  1095. 二階堂 陽斗: 自分の考えをちゃんと持ってて お兄さんに教えてくれた
  1096. 二階堂 陽斗: “好きなら諦めちゃダメ”なんて 考えるようになるなんて…
  1097. 真井 あかり: …どうしてそう思ったか 知りたい?
  1098. 二階堂 陽斗: ん? うん、聞きたいな
  1099. 真井 あかり: 私にも好きな人がいるからよ
  1100. 二階堂 陽斗: …………
  1101. 二階堂 陽斗: えっ!? す、好きな人…!?
  1102. 二階堂 陽斗: あ、いや…そう、だね… あかりも、もうそんな年頃かぁ…
  1103. 真井 あかり: …寂しいの?
  1104. 二階堂 陽斗: うっ…
  1105. 二階堂 陽斗: でも、あかりが好きになる人なら きっと…いい人だね…うん…
  1106. 真井 あかり: ふふ、とびっきり素敵で ちょっと鈍感だけどね
  1107. 真井 あかり: (他の人のことを 好きだと思われてるなんて)
  1108. 真井 あかり: (ちょっぴり 傷ついちゃうけど…)
  1109. 真井 あかり: (でも、いつかきっと 振り向かせてみせるわ)
  1110. 真井 あかり: (だからそれまでは…)
  1111. 真井 あかり: 陽斗お兄さん
  1112. 真井 あかり: いまはまだ お兄さんの可愛い妹でいてあげる
  1113.  
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  1115. 由良 蛍: すぅ…すぅ…
  1116. 柚希 ほとり: 蛍さん、ずっと寝てるけど… 大丈夫、かな…?
  1117. 柚希 りおん: っていうか… この状況でよく寝られるわね
  1118. 柚希 りおん: あたしたち…
  1119. 柚希 りおん: 捕まってるような ものなんだけど…
  1120. 柚希 りおん: どんな神経してるわけ?
  1121. 柚希 ほとり: 捕まっているというより
  1122. 柚希 ほとり: ボクたちは迷子という設定で 保護されてるだけだけど…
  1123. 柚希 りおん: じゃあ、蛍はどうなのよ?
  1124. 柚希 ほとり: 『お嬢様のご友人が道端で 倒れていたから保護した』
  1125. 柚希 ほとり: って言ってたよ
  1126. スッ…
  1127. 香春 ゆうな: お待たせいたしました
  1128. 柚希 りおん: かはるん!
  1129. 由良 蛍: ん~…早かったねぇ~… うまくいったってことかなぁ…?
  1130. 柚希 ほとり: わぁっ!? 起きてた!?
  1131. 由良 蛍: 起きたのはぁ…いまぁ~…
  1132. 香春 ゆうな: ふふっ、蛍さんには 気づかれていたようですね
  1133. 香春 ゆうな: こちらは万事解決いたしましたわ
  1134. 柚希 りおん: どういうことよ? あたしにもわかるように説明して
  1135. 香春 ゆうな: 許嫁の件を白紙にしてほしいと 両親を説得いたしました
  1136. 香春 ゆうな: お父様、お母様 実はわたくし憧れの人がおります
  1137. ゆうなの父: 憧れ…? それはつまり…
  1138. 香春 ゆうな: 色恋沙汰ではなく 純粋な憧れですわ
  1139. 香春 ゆうな: あの方のようになりたい そのために自分を磨きたい…
  1140. 香春 ゆうな: そういう憧れです
  1141. ゆうなの父: …ふむ どうしていまその話を?
  1142. 香春 ゆうな: あかりさんの行動に勇気を いただいたからですわ
  1143. 香春 ゆうな: 己の気持ちに正直に 勇気を持って行動する
  1144. ゆうなの父: …だが、それは時として 場をわきまえないワガママとなる
  1145. 香春 ゆうな: わかっております
  1146. 香春 ゆうな: ですが、己の気持ちを隠したまま
  1147. 香春 ゆうな: 大人の言う通りにすることが 正しいのでしょうか?
  1148. ゆうなの父: …………
  1149. 香春 ゆうな: …それは違うといまなら言えます
  1150. 香春 ゆうな: 伝える前から諦めてしまうことは
  1151. 香春 ゆうな: あまりにも もったいないことですわ
  1152. 香春 ゆうな: …お父様
  1153. 香春 ゆうな: わたくしはまだ結婚のことを 考えている余裕はございません
  1154. 香春 ゆうな: だから、今回のお話は 白紙に戻してください
  1155. ゆうなの父: …今回の出会いは
  1156. ゆうなの父: ゆうなにとって 価値のあるものだったようだね
  1157. 香春 ゆうな: この上なく貴重なものだと 思っておりますわ
  1158. ゆうなの父: あかりくん…だったかな?
  1159. ゆうなの父: 彼女の行動は 褒められたものではないが
  1160. ゆうなの父: ゆうなの気持ちを確かめないまま 先走ってしまった
  1161. ゆうなの父: 私たちにも非がある
  1162. ゆうなの父: 円満に解消できるよう 二階堂さんと話し合ってみるよ
  1163. 香春 ゆうな: ありがとうございます
  1164. 柚希 りおん: ふーん… つまり、うまくいったのね!
  1165. 柚希 ほとり: よかった…
  1166. 香春 ゆうな: あかりさんに、お礼を 申し上げなければなりませんね
  1167. 由良 蛍: お礼を言うのはぁ… こっちもだよぉ~…
  1168. 由良 蛍: すごぉ~くぅ… 助かったからぁ~…
  1169. 柚希 りおん: ん? どういうこと?
  1170. 柚希 りおん: かはるんがあかりから 勇気をもらったんでしょ?
  1171. 由良 蛍: 乱入するのをぉ… 手伝ってくれたよねぇ~…?
  1172. 柚希 ほとり: えっ!?
  1173. 由良 蛍: 警備の人の一部がねぇ~…
  1174. 由良 蛍: 私たちがぁ…通りやすいよう… 行動してたも~ん…
  1175. 柚希 りおん: はぁ!? 何よ、それ!
  1176. 柚希 りおん: 手伝ってくれるなら 先に言っときなさいよね!!
  1177. 香春 ゆうな: 申し訳ございません…
  1178. 香春 ゆうな: りおんさんたちも いらっしゃるとは思わず…
  1179. 香春 ゆうな: でも、あかりさんなら 必ず来ると思っていましたので
  1180. 香春 ゆうな: わたくしの身の周りの お世話をしてくれている方々に
  1181. 香春 ゆうな: それとなく誘導していただくよう お願いしておきましたの
  1182. 柚希 ほとり: う~ん…なんか納得できるような できないような…
  1183. 香春 ゆうな: あかりさんの方も つつがなく説得できたようですし
  1184. 香春 ゆうな: 何はともあれ すべてうまくいきましたわ
  1185. 柚希 りおん: でも、もしあかりが 大好きな“陽斗お兄さん”に
  1186. 柚希 りおん: つまみだされてたら どうしてたの?
  1187. 柚希 りおん: 全部台無しだったじゃない
  1188. 由良 蛍: それはぁ…ないからぁ… 大丈夫ぅ~…
  1189. 柚希 ほとり: どうしてですか…?
  1190. 由良 蛍: ん~…愛の力ぁ~…?
  1191. 柚希 りおん: 愛…? 本気で言ってるの?
  1192. 由良 蛍: ん~…すぅ…
  1193. 柚希 りおん: って、また寝てる!?
  1194.  
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  1196. <数日後…>
  1197. 由良 蛍: あかりがぁ… すねてるぅ~…
  1198. 真井 あかり: すねてないけど
  1199. 由良 蛍: 二階堂くんの許嫁騒動はぁ… 解決したのにぃ…
  1200. 由良 蛍: 何が面白くないのぉ~…?
  1201. 真井 あかり: …陽斗お兄さんが いつもより私を子ども扱いするの
  1202. 由良 蛍: あ~…確かぁ…あかりぃ… 泣いちゃったんだっけぇ~…
  1203. 真井 あかり: そうだけど… 蒸し返さないで…!
  1204. 由良 蛍: (あかりが泣いたからぁ…)
  1205. 由良 蛍: (さらに過保護になったんだと… 思うんだよねぇ~…)
  1206. 由良 蛍: (大人びててもぉ~… 小学生なんだってぇ…)
  1207. 由良 蛍: (改めてぇ… 思ったんだろーなぁ…)
  1208. 真井 あかり: ぷちうさをあげれば 私が喜ぶと思ってるのよ
  1209. 真井 あかり: 子どもじゃないのに…
  1210. 由良 蛍: (喜んでるけどねぇ~…)
  1211. 真井 あかり: あっ、そうだ!
  1212. 真井 あかり: 明日ね、陽斗お兄さん 部活がないから
  1213. 真井 あかり: 放課後、お買い物に 連れていってくれるんだって!
  1214. 由良 蛍: よかったねぇ~…
  1215. 真井 あかり: ちゃんとひとりで帰るのよ?
  1216. 由良 蛍: はぁ~い…
  1217. 真井 あかり: …………
  1218. 真井 あかり: それにしても よくあんな無茶思いついたわよね
  1219. 由良 蛍: 無茶ぁ~…? お食事会に乱入したことぉ~…?
  1220. 真井 あかり: そうよ
  1221. 由良 蛍: ん~…二階堂くんならぁ… 許してくれるかなぁ~…ってぇ…
  1222. 由良 蛍: あかりのことぉ… すごく大切にしてるしぃ~…
  1223. 真井 あかり: …それが妹扱いじゃなければ もっといいんだけどね
  1224. 由良 蛍: まぁまぁ~… 家族に対してだろうとぉ…
  1225. 由良 蛍: 愛は愛だよぉ~…
  1226. 真井 あかり: うーん…複雑…
  1227. 由良 蛍: 妹でもなんでもぉ…
  1228. 由良 蛍: 二階堂くんにとってぇ… あかりはぁ…
  1229. 由良 蛍: 世界で一番 可愛い女の子だと思うよぉ~…
  1230. 真井 あかり: えっ…
  1231. 由良 蛍: ふふ~… 愛されてるよねぇ~…
  1232. 真井 あかり: もうっ! からかわないで!
  1233. 真井 あかり: 私はいつか陽斗お兄さんを 振り向かせてみせるんだから!
  1234. 真井 あかり: 妹じゃなくて ひとりの女の子としてね
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