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saihate no ima 過酷な時-0 text

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Nov 8th, 2012
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  1. ……。
  2.  
  3. …………。 ……………………。
  4.  
  5. 忍「…………」
  6.  
  7. 草原にいる。 思い出したように襲ってきた頭痛を、目頭を押さえてこらえる。
  8.  
  9. 自分は何のための神輿だったのか。 世界は、自分と草原だけだった。 少女がいたような気もするが、その姿はない。
  10.  
  11. 忍(……あれ?) 違和感がある。 しかし、その正体は定かではない。 一つ確実なことは。
  12.  
  13. 空が溶けて堕ちること。 間違いない事実だった。
  14.  
  15. 過酷な時と呼ぶしかない。 そのための忍であり、王なのだ。
  16.  
  17. 仮に忍が空洞だとしても、全抹消に比べれば、些細なことである。
  18.  
  19. 根底からなくなってしまう恐怖を、語るには言葉は非力にすぎる。 故に終末を語る言葉はない。 絶無あるいはディスピアに対し、人が採択できる選択肢は一つしかない。
  20.  
  21. 立ち向かうこと―――
  22.  
  23. 手段は選ばれなくて当然だ。 絶無あるいはディスピアに対し、人が採択できる選択肢は一つしかない。
  24.  
  25. そう、たとえ忍が空洞だったとしても。 王族の義務からは逃れられない。
  26.  
  27. 彼は全てを成し遂げねばならない。 不可能だとわかっていても。 勝ち目などない。
  28.  
  29. あるのは一つ、前面に立って立ち向かい、民に先んじて破滅を受けることだ。
  30.  
  31. 貴宮忍と呼ばれた人格は、その際にかき消えるだろう。
  32.  
  33. 考えれば、最初になくなれるのは楽なのかも知れない。 残念ながら、人は神ではない。 忍もまた、神には辿り着けなかった。 人が成ることができるのは、ただ王だけであるからだ。 そして現貴宮忍とは、擬似的奇跡を生み出すために、鋳造された有機の偶像。 彼が守れる臣民は、そう多くはない。 わかっている。 そう、わかりきったことだった。 自分自身さえ破滅することが確定している。 人の世に神はなく。 神なき世界に奇跡なし。 奇跡なき世に救いはない。 あるものは、わずかばかりの砂金にも似たような希望だけ。 希望が保持されるのは、GVPの残滓たる、貴宮忍が朽ちるその日までである―――
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