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- ……。
- …………。 ……………………。
- 忍「…………」
- 草原にいる。 思い出したように襲ってきた頭痛を、目頭を押さえてこらえる。
- 自分は何のための神輿だったのか。 世界は、自分と草原だけだった。 少女がいたような気もするが、その姿はない。
- 忍(……あれ?) 違和感がある。 しかし、その正体は定かではない。 一つ確実なことは。
- 空が溶けて堕ちること。 間違いない事実だった。
- 過酷な時と呼ぶしかない。 そのための忍であり、王なのだ。
- 仮に忍が空洞だとしても、全抹消に比べれば、些細なことである。
- 根底からなくなってしまう恐怖を、語るには言葉は非力にすぎる。 故に終末を語る言葉はない。 絶無あるいはディスピアに対し、人が採択できる選択肢は一つしかない。
- 立ち向かうこと―――
- 手段は選ばれなくて当然だ。 絶無あるいはディスピアに対し、人が採択できる選択肢は一つしかない。
- そう、たとえ忍が空洞だったとしても。 王族の義務からは逃れられない。
- 彼は全てを成し遂げねばならない。 不可能だとわかっていても。 勝ち目などない。
- あるのは一つ、前面に立って立ち向かい、民に先んじて破滅を受けることだ。
- 貴宮忍と呼ばれた人格は、その際にかき消えるだろう。
- 考えれば、最初になくなれるのは楽なのかも知れない。 残念ながら、人は神ではない。 忍もまた、神には辿り着けなかった。 人が成ることができるのは、ただ王だけであるからだ。 そして現貴宮忍とは、擬似的奇跡を生み出すために、鋳造された有機の偶像。 彼が守れる臣民は、そう多くはない。 わかっている。 そう、わかりきったことだった。 自分自身さえ破滅することが確定している。 人の世に神はなく。 神なき世界に奇跡なし。 奇跡なき世に救いはない。 あるものは、わずかばかりの砂金にも似たような希望だけ。 希望が保持されるのは、GVPの残滓たる、貴宮忍が朽ちるその日までである―――
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