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- Kanna: お母さん、 こんなことになっちゃつたけど…今日、 商売はするんだよね?
- Anna: もちろんよ。さっさと賊を倒して、 ガンガン稼ぐわ。あと、 そうだ。 今日祭りの願いごと、 やっと決まったわよ。
- Kanna: えっ、 何にしたの?
- Anna: 「 この子が私みたいな、 優秀な商人になりますように」 ってお願いするつもりよ。
- Kanna: …優秀な商人かぁ… 私、 なれるかなぁ…
- Anna: 大丈夫、 あなたは私の子優秀な商人の血が引き継がれているはずよ。
- Kanna: わかった。 その言葉を信じてがんばる!
- Anna: うふふ、 その意気よ。で、 今日売るのは、 この花よ!この花には「 私を集めて」 っていう特殊な花言葉があって… 集めれば集めるほど、いいことが起きるという不思議な花なの。
- Kanna: へえー、 おもしろいね!
- Anna: そうでしょう。で、 花を売る際に一つ商人としての新たなテクニックを伝授するわ。
- Kanna: わかった。 で、 どういうテクニックなの?
- Anna: …心して聞きなさい。 あなたはこの花を持ってお祭りを練り歩き… あなたのことを知らないお客さんに花を売ってまわるの。
- Kanna: 私のことを知らないお客さんに?
- Anna: そう、 そこが肝心よ。…まずは見知らぬお客さんを見つけるわよね。で、 その人に花を買ってもらう。そしたらしばらくして、またその人のところに行って、「 花を買って」 って言うの。その人は、 きっとこう言うわ。 「 さっき買ったよ」 って。
- Kanna: うん、 そうだよね。
- Anna: そこであなたは、 すかさずこう返すの。「 ああ、 多分それ私の双子の姉妹だよ」 「 私の花も買って」 って。こんな感じで、 いろんな見知らぬ人に売って歩くの。
- Kanna: え、 えーっ! ? それって、 嘘をつくってことじゃない?そんなのやだよー! やりたくない一つ! 私、 そんな商人にはなりたくなーい!私にそんなことやらせようとするなんてお母さん、 見損なったよ!
- Anna: …こ、 心にグサリときたわ… 今のは教えちゃいけないテクニックだったのかも…
- Kanna: ほんとだよー。
- Anna: あぁ… 私ってダメね… お金が絡むとつい… よからぬことを考えちゃう癖があって… この手はもう使わないって、 あのとき反省したのに…
- Kanna: あのときって? もしかして、 実際にやったことあるの?
- Anna: …え、 ええ… 実は…カムイにこ…
- Kanna: えーっ! ? お父さんに一つ! ?
- Anna: 彼…いい人だから、 真実を打ち明けても怒らなかったわ。それどころか、 二度も買ったのは花を気に入ったからだとか言ってくれて… うう… 思い出すだけで…恥ずかしい…
- Kanna: もう、 お母さんったら… ほんと気をつけたほうがいいよ?娘にそんな手を教えようとしたってバレたら、 さすがのお父さんも怒るんじゃない?
- Anna: そ、 そうよね…
- Kanna: …でも、 この花…ほんときれいだね。そんなズルい手を使わなくてもたくさん売れると思うな。だからちゃんと普通に、 正々堂々と売ろう?
- Anna: ええ、 そうよねわかった。 そうしましょう。反省の印に、 今日のお祭りの願いごとは変更しておくわ。「 この子が私みたいな商人になりますように」 じゃなくて… 「 私みたいに、 がめつくない商人になりますように」 にしておく。だから、 さっきのテクニックは聞かなかったことにして?
- Kanna: うふふ、わかった。 き、 賊を倒して商売を始めよう?
- Anna: そうね。 さっさと倒してじゃんじゃん稼ぐわよっ!
- Kanna: わーい! サービスしちゃよーっ!
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