「ふぅむ……委員長、ずいぶん慶司に懐いたもんだなぁ」

「懐くって……。姫川の場合、転入生のお世話役を仰せつかったから、それをがんばってるだけだろ」

「そうかぁ？あんな姫川ははじめて見るけどなぁ……」

「俺は人見知りしないタイプだからすぐ馴染んでるように見えるかもしれないが、転入したのは昨日の話だと言うことを忘れないように」

「この学園じゃ、俺はまだよちよち歩きの赤ちゃんみたいなものだろ？姫川のはきっと母性本能的なものだよ。今のうちって話だな」

「……今のうちに食っちまうって話？」

「こういう扱いが今のうちだけで、慣れたらすぐになくなるって話だよ」

「大して変わらなくね？」

「全然違うだろ……」

「ほら、先生来たぞ」

「うい」

今のうちに食っちまうって――

そりゃ姫川はかわいいし、性格もいいし、スタイルだっていい具合だし、えっちしたくないって言ったら嘘になるが――

宇佐美先輩も姫川のこと、しっかりしてるようでぽやぽやしてるとかなんとか言ってたし、今の様子なら本当に食っちまうってことも――

じゃない、違う違う。

食うとか食わないとかじゃなくて、えっちするならちゃんとつきあってしたいし――

じゃない、それも違う。

ふぅ……なんかおかしいな。

姫川の言うように、ここに来てからいろいろありすぎたから、頭が疲れているのかもしれない。

メティス自体も頭を使う能力だしな……あの時の≪アイギス≫の使用が、いまだに尾を引いている可能性だってある。