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- ナルト外伝 『満ちた月が照らす道』、特別読み切り編のネタバレです。
- カラー扉絵は大蛇丸とミツキ。
- 『己の道は 巳(ヘビ)の道───』
- ■闇の塒から、物語は始まる──
- 大蛇丸のアジト、ベッドので目を覚ますミツキ。
- 傍らには助手である水月の姿も。
- ナルト外伝 ネタバレ
- 大蛇丸「目が覚めた?」
- ミツキ「うっ……」
- 身体にはたくさんのチューブや管が繋がれている様子。
- そこへ大蛇丸が小さなおちょこを持ってやってくる。
- 大蛇丸「さっき私の調合した薬を飲んだからもう大丈夫よ」
- 「さあ…もう一杯飲んで 楽になるわ」
- 「さあ…」
- 震える手で受け取るミツキ「……」
- その様子を訝し気な様子で見ている水月「………」
- ミツキは受け取った薬を飲み干すも、ゴホゴホっと咳き込み、そのおちょこを落としてしまう。
- 大蛇丸はおちょこを拾って部屋を後にする。
- 大蛇丸「ちゃんと目が覚めたら私の部屋へ連れて来てちょうだい 後は任せるわ」
- 水月「了解…」
- 大蛇丸の背中を追いながら、呆けている様子のミツキ。
- 水月「おい……大丈夫かい?」
- 自分の手を見るミツキ「……!」
- 「……ボクは…」
- 「誰だ?」
- 【大蛇丸】
- その頃、大蛇丸の部屋には来客が。
- フードを被った謎の男。
- 大蛇丸「これで6度目ね」
- 何も言わず、煙草に火を点ける男。
- 大蛇丸「次こそはうまくいくといいけどねェ…」
- 【ミツキ&水月】
- アジトを歩く2人。
- ミツキ「…ボクはどうしてベッドに?」
- 水月「都合の悪い事は忘れるにかぎるよ…」
- ミツキ「…え?」
- 水月「君は大蛇丸様とのツーマンセルの極秘任務に失敗した」
- 「で 大蛇丸様が負傷した君をかかえこのアジトに…覚えてない?」
- とそこでいきなりミツキに襲い掛かる水月。
- ミツキ「!!」
- ミツキはまっすぐ伸びて来たクナイを躱すと、大蛇丸と同じように腕を蛇のように伸ばし、水月の腕をグルグル巻きにして捕らえていく。
- ナルト外伝 ネタバレ (2)
- ギュウウウ…と締め上げるミツキ。
- 水月「くっ!」
- 思わず放したクナイをミツキは伸ばした右腕で掴みとり、水月へと向けていく。
- 笑う水月「いいね」
- ミツキ「!!?」
- そこで我に返ったミツキ。
- 慌てて左腕を伸ばし、そのクナイを自分の腕で受け止める。
- ミツキ「ぐ………」
- 「す…すみません…つい」
- 水月「体が覚えてるみたいだね」
- 「自分が忍者だってこと」
- よく見ると自分で刺したはずの腕は水月がガードしてくれてた様子。
- ミツキ「…え? なっ…?」
- 水月「君はある男に捕まり 街で記憶を消されたんだよ」
- 「命を消されるよりはまあ良かったとしておこうよ」
- 「ごめんごめん…ちょっと確かめたくなってね」
- 「忍の才能まで消えてたら…大蛇丸様ががっかりすると思ってさ…」
- ミツキ「……オロチ…マル…?」
- 水月「いや……やっぱりガッカリするかな(汗)」
- そして2人は大蛇丸の部屋へ。
- 大蛇丸「そう…私が大蛇丸 そしてアナタの親」
- ミツキ「……ボクの親…?」
- 大蛇丸「…そうよ…だからアナタは私にとって特別なの」
- 「だから記憶を取り戻しに行く」
- ミツキ「記憶を取り戻すって…? どうやって?」
- 端末を操作し、ある忍の映像を出す大蛇丸。
- 大蛇丸「この男は忍…他人の記憶を奪う能力を持つ…」
- 「奪った記憶は己の所有物(モノ)としてストックする」
- 「別の記憶を植え付け 人を操る事も…もちろん奪った記憶をそのまま植え直すこともできる」
- 「ミツキ…アナタはこの男に記憶を奪われたのよ アナタを元に戻すにはこの男を捕らえ、今までの記憶を植え直すしかない」
- 水月「ボクたちはこの男を”ログ”と呼び この能力を”経引きの術”と呼んでいる…」
- ミツキ「………」
- 大蛇丸「もう一度2人でこの男の所へ行くのよ」
- ミツキ「…! ちょっと待って……」
- 「なら……」
- 水月「?」
- 大蛇丸「……?」
- ミツキ「その前回の任務ってのでボクとアナタがこの男と接触したのは……何の為?」
- 大蛇丸「……」
- 「もちろん…今までこの男が集めた情報を全て奪うためよ」
- 「コイツを生け捕りにしてね…」
- ミツキ「……!」
- 水月「それが…逆に大切なこちらの情報を奪われちゃったわけ」
- ミツキ「……大蛇丸…って言いましたよね…アナタも一緒だったなら…」
- 「アナタこそ記憶を改ざんされているかもしれないじゃないですか!?」
- 「そもそもアナタはボクの父親母親どっちなんですか!?」
- 大蛇丸「そんなのどっちでもいい事なの」
- 「前のアナタなら私が伝説の三忍と知ってる 私がその程度の忍じゃない事も…」
- ミツキ「…何でこんなに弱いボクなんかを連れてそんな任務に…?」
- 大蛇丸「アナタは自分自身もなめてる様ね…さっき言ったはずよ…」
- 「特別だって…アナタはこの私の子供なのよ」
- 「今は忘れてしまっているだけ…私はアナタが愛おしい」
- 「これは”私達親子”のためでもあるのよ」
- 迷いを見せるミツキ「………でも」
- 大蛇丸「子供のアナタは私の言う事だけ聞いてればいいの」
- ギロっと睨む大蛇丸に背筋が凍るミツキ。
- ミツキ「ボクはただ…自分が何者か知りたいだけなんだ…」
- 大蛇丸「それも 私について来れば解決することよ」
- 場面かわり、”ログ”のアジト。
- 何やら巻物を前に刀を構えて敵を待っている様子。
- ログが何かを感じ取ったように目を開ける。
- そのアジトの近くにまでやってきた大蛇丸とミツキだが、アジトは結界に囲まれている様子。
- 大蛇丸「ここから先は奴の結界があるの」
- ミツキ「…どうするんです?」
- 大蛇丸「アナタがこの結界を破るのよ」
- 焦るミツキ「え?」
- 大蛇丸「だからこそ前にもアナタを連れて行ったのよ この結界はアナタしか破れない…」
- ミツキ「ボクに…そんな力が…」
- 大蛇丸「忘れてしまっているだけ アナタには特別な力がある」
- 「やり方は教えるわ」
- ログ「!!」
- 「結界を……来たか」
- 音もなく刀を抜いていくログ。
- ナルト外伝 ネタバレ (3)
- その頃ミツキは手をかざし、結界を解いている真っ最中だった。
- それを満足げな表情で見つめる大蛇丸。
- ズオオッっと結界に勢いよく穴が開いていく。
- ミツキ「…!?」
- 信じられないといった様子で自分の掌を見つめるミツキ。
- 大蛇丸「それがアナタの力…さあ行くわよ」
- アジトを登っていくと、そこには刀を抜いて待ち構えていた様子のログの姿が。
- 大蛇丸「やっぱり気付かれてたみたいね……」
- ログ「そちら側からわざわざ来なくても こちらからいずれ出向くつもりだった」
- 「”アレ”を開ける鍵をもらいにな…」
- 金縛りの術を仕掛けるログ。
- だが大蛇丸には効かないようで、普通に刀を抜いていく。
- 大蛇丸「…今度こそアレは返してもらう…この子の記憶も一緒にね」
- ミツキ「!?」
- ログ「ホウ…! もう金縛りの術は効かぬようだな」
- 刀を手に襲い掛かるログに対し、大蛇丸も真っ向から飛び出していく。
- ぶつかり合う2人。
- ミツキ「!」(速い!!)
- 大蛇丸は左手から発動した蛇をログの背後へ回らせ、肩へ噛みつかせていく。
- しかしログの鎧は硬く、蛇の牙が通らない様子。
- 大蛇丸「いいスーツね……牙が通らないなんて…改良した?」
- ログ「毒がさえ防げば恐くない」
- 「忍法・鎧い食い!!」
- ログの鎧がスライムのように四方へ飛び出し、蛇を飲みこんでいく。
- さらにスライムは大蛇丸をも飲みこんでいく。
- 大蛇丸「!」
- あっという間に黒いスライムに包まれていく大蛇丸。
- ログ「前は簡単に逃がしてしまったからな──…今回はさせん」
- 大蛇丸「ミツ…キ……お前に…は…」
- 「”仙人の”……力が……後は……」
- そう言い残して動けなくなる大蛇丸。
- ログ「そう…本当に警戒すげきはコイツ…前回は手を焼いた」
- ミツキの方へ歩いていくログだが、ミツキは全く動けない様子。
- ミツキ「!!」
- ログ「…フッ…金縛りの術…解いていなかったのか? 己の力さえ忘れてしまった…様だな」
- 刀を振り上げるログ。
- ミツキ(体が…)
- ログ「あの力さえ無ければお前はただのガキだ!」
- 振り下ろされた刀がミツキに迫る。
- しかし斬られる直前、なぜかログの動きが止まってしまう。
- ログ「!?」
- 「…ん……ん…ぐっ……」
- ミツキは訳も分からず固まっている。
- ミツキ「……!?」
- そこでログの背後から大蛇丸が声をかける。
- 大蛇丸「大蛇に気を取られすぎよ…スーツの隙間に入れる小さな蛇でも毒の力は充分だ」
- ログのお面からは小指ほどの細さの小さな蛇が這い出て来る。
- さらに大蛇丸は鎧い食いを
- いとも簡単にはがしていく。
- ミツキ(………いつの間に…)
- 大蛇丸「呪印の毒で当分は動けもしゃべれもしないわ」
- 「ミツキ あなたは少しの間こいつを見張ってなさい」
- 「もう動けるでしょ…?」
- 立ち上がるミツキ「どうするの?」
- 大蛇丸「私はここで探し物がある…すぐに見つけてくるわ」
- 「決してそいつに近づいてはダメよ…」
- そう言ってアジトの中へ消える大蛇丸。
- 後にはログとミツキの2人だけが残されてしまう。
- そこでカリ…と何かを咬むログ。
- ミツキ「!?」
- ログ「…ハァ ハァ……強い……毒だ…」
- 「心配するな…しゃべるのがやっとだ」
- 「用意していた解毒薬も…この程度だったか…」
- ミツキ「………」
- ログ「だがこのままでは苦しい…こっちへ…来て……」
- 「オレの面を…取ってくれ……」
- ミツキ「ボクをだます気…?」
- ログ「いや…この面を取れば”その逆”だと分かる…」
- 「…一つ言っておく」
- ミツキ「…?」
- ログ「お前を…だまして…いるのは…大蛇丸の方だ」
- ミツキ「!?」
- ログ「今のお前の混乱する気持はよく…分かる…」
- 「どうぜ大蛇丸からは本当の事は何も…知らされていないだろう」
- 「”オレの時と”…同じならばな…」
- 「…お前は分かっているのか? …本当は自分が何者なのか…」
- ミツキ「…!」
- 「ボ…ボクは…大蛇丸の子供で…それで…」
- ログ「…前に余計な記憶は消してやったというのに…今度はそれを逆に利用されたか…」
- どんどん不安になるミツキ「!?」
- ログ「さあ……こっちへ来て…面を…取ってくれ…」
- 「オレもお前と同じ……」
- ミツキ「……」
- 迷いながらも、ミツキはログのお面を取っていく。
- そして現れたのは…
- ログ「オレも…ミツキだ」
- 「お前より…先に…”造られたな”」
- ミツキ「…!?」
- 「…どういう…事?」
- ログ「そうだ…オレ達は大蛇丸が作った人造人間……奴の欲を満たすための器」
- 「器はかつて杯(つき)と呼ばれ 十二支の第六…巳は蛇に当たることから オレ達は巳杯(ミツキ)と名付けられた」
- ミツキ「…人造…人間!?」
- ログ「ここで奴が探しているモノは…オレ達の元となった胚だ」
- 「それを培養してオレ達は造られた ここに入る結界を解けたのもそのおかげだ」
- 「オレはその胚を大蛇丸から盗み出し処分する…ハズだった……だが…その胚の入ったケースを開けるには…大蛇丸が持っている鍵が必要だった」
- ミツキ「…? どうして処分しようと?」
- ログ「人工的に造られた声明は…人間ではない! それは人のエゴが…造りだした身勝手な造作物だ」
- 「自然を捻じ曲げた神の真似事 大蛇丸の自己愛を投影した欲の器そのものだ」
- 「大蛇丸の息子として造られ…優秀だったオレが奴の元から去った事で その代わりが欲しかった大蛇丸は…自分の都合で オレやお前の様な存在をどんどんと造る」
- 背景にはあのケースを見つけた様子の大蛇丸が。
- ログ「オレもお前もこの世に存在すべきではないのだ…」
- 「オレが本来あるべき形に…戻す」
- 「その前に…大蛇丸 お前を始末するがな」
- 背後から現れる大蛇丸「どんな工程で生まれて来たにせよ あなた達は他と何も変わらない」
- 「あなた達は私が愛してやまない完全無欠の子供よ」
- 「私以上の力を秘めてる その存在をどれほど待ち望んだ事か…」
- 「…私のような忍が子を望むのはいけない事かしら? 人が唯一何をしても許されるべき事があるとするなら…」
- ログ「くっ…!」
- 大蛇丸「それは”愛のため”の行為…」
- ログ「それは思い上がった行為の免罪符のつもりか!? 全てをコントロールできるとでも思ってるのか!?」
- ミツキ「………」
- ログ「神の真似事をしているつもりはない…神が私たちにあたえてくれたものに従っているだけ…それだけよ……」
- ミツキ「……」
- ログ「ミツキ! お前は今はまだ子供で分からないかもしれないが いずれこの間違いに気付く!」
- 「お前が大蛇丸を止めるんだ! 大人になったお前が言ってるんだ 必ずそうする時だ来る!」
- 迷うミツキに大蛇丸も語り掛ける。
- 大蛇丸「ミツキ こいつは子供のアナタを騙そうとしているのよ!」
- ミツキ「!」
- 大蛇丸「胚も取り戻した……鍵も私の手にある」
- 「ミツキ……こっちへいらっしゃい」
- 「アナタにはもっといい兄弟を造ってあげるわ」
- ミツキ「………」
- ログ「おいミツキ!」
- 大蛇丸「ミツキさあ…」
- 2人がミツキに選択を迫っていく。
- ミツキ「……」
- 「…子供の…ボクにとって……」
- 手に持っていたログのお面を握りつぶすミツキ。
- 「そんなの…どっちでもいい事なんだよ」
- ナルト(NARUTO)外伝 ネタバレ 『満ちた月が照らす道』
- 蛇のチャクラを身にまとったミツキ。
- 「アンタ達大人の言ってる事なんてね ボクの事はボク自身が決める!」
- 大蛇丸「!」
- ログ「!」
- ミツキは大蛇丸からケースと鍵を奪うとその場を後にしていく。
- それを見送る大蛇丸。
- 大蛇丸「ついに仙人化できたようね……」
- ログ「……ええ……」
- 煙草に火をつけるログ。
- 冒頭で大蛇丸の部屋を訪れていたのは実はログだったのだ。
- しばらく離れた場所でミツキはやっと足を止める。
- ズズ…ズ…と角が引っ込み、蛇のチャクラも消えていく。
- そして大蛇丸から奪ったあのケースを開ける。
- 大蛇丸「…”今回は”巻物の中に何を入れたの?」
- ログ「……そうですね “太陽の写真”とでも言っておきましょうか……」
- 大蛇丸「太陽ねェ……」
- ログ「…”6度目”でやっとうまくいきましたね」
- 「我々の2択を選ぶことなく 第3の答えを自分で見つけると言ってくれました」
- 大蛇丸「けど…このままうまくいくかしら? 7度目が無ければいいけど……」
- 「もう記憶を飛ばす薬も使いたくはないしね…」
- 冒頭でミツキにあげたあの薬は記憶を飛ばす薬だった模様。
- ログ「……自分の道を持てた人造人間…あの子なら闇を照らせる」
- 大蛇丸「光にはなれない…そういう子たちだと思ってた…アナタもそしてあの子も」
- 「アナタ達は私の子供だからね」
- ログ「これは望んだ結果でしょ? …こんな手の込んだ芝居までやって…」
- その言葉に少し笑みをみせる大蛇丸。
- ログ「まあ…でも……あの子は自ら光にはなれないでしょうね」
- 「しかし側にいてあの子を照らしてくれる太陽を見つけられたら」
- 背景には笑うボルトの描写。
- ケースに入っていたのはボルトの写真だったのだ。
- その写真を見て微笑むミツキ。
- ログ「あの子自身も月光となって闇を照らすでしょう」
- ミツキが落とした、割れた盃を取り出す大蛇丸。
- 大蛇丸「地中の闇の杯じゃなく……夜空の闇の月ってとこかしら…」
- その割れた盃を見るログ「欠けた杯では何も入りませんからね……」
- 「でも…」
- 「夜空の欠けた”月”ならいずれ」
- 丘の上に立ち、満月を見上げるミツキ(ボクの本当の名は───)
- (巳月)
- ■己を照らす、道を往く──
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