Mozume & Soleil

Soleil: ねえねえ母さん。 さっきの女の子、 どこ行ったかな？

Mozume: さっきの女の子？ なんの話や？

Soleil: ほら、 このお祭りにきてた子… すごくかわいかったじゃない。

Mozume: … さあ、 見とらんわあ。

Soleil: あっちに行ったかな？ ちょっと口説いてくる！

Mozume: ちょっと！ ちょっと待った！ 口説くってあんた、 そんなことより賊を退治せな。

Soleil: 賊より女の子だよ！かわいい女の子がいたら口説く！ それがあたしの信条だからね！

Mozume: はぁ…  困った子やなぁ。

Soleil: … でも待って。 守つい口説くにしても、 手ぶらで行くのはあれかなぁ。せっかくだから、 お祭りで何か買ってこっか… 屋台に新鮮な野菜とか売ってなかったっけ？

Mozume: 新鮮な野菜？ ここはお祭りやで？ 直売所ちゃうんやから。

Soleil: そっか… じゃあどうしよう。

Mozume:  せやけど、 今の発想はなんかええなぁ。

Soleil: えっ？

Mozume: あんな、 あたい… 女の子を口説くいうのはようわからんけど… 手土産に新鮮な野菜を検討するところ、 ええ趣味しとる。 さすがあたいの子やな。野菜の直売所はなくも、 おいしそうな牛乳なら売っていたような気がするわ。

Soleil: 素敵ーっ！ 新鮮な牛乳いいじゃない！

Mozume: でも焦ったらあかん。 いくらおいしそうでも、 産地はしっか娊ておいたほうがえぇ。いい産地のほうが、 女の子のウケもええと思うわ。

Soleil: うふふっ。

Mozume: なんや、 ソレイユ？

Soleil: いや、 口説くときの手土産の話ができるなんて、 母さんも意外と話せるなーって思って。なんかうれしくなってきちゃつた。

Mozume: あんたが粋な手土産の話をしてくれたからや。

Soleil: お茶でもどうかな、 母さん。 もう他の女の子はいいや。今日は母劼と話したい気分になっちゃつた！ このあと一緒に過ごさない？

Mozume: ………… えーっと… それってあたいを口説いとるの？

Soleil: ううん娘からの提案だよ。 親子水入らずでお祭りを楽しみたいなって。

Mozume: それはええな。 今日は子どもの成長を願うお祭りやし。けど、 その前に賊退治やからな。

Soleil: もちろん。 かっこよく決めるよ！