S4P1:01-02

<レイン:>
みんな、無事か？

<安堵した兵士:>
はい。
なんとか。
飛空艇への損害も軽微です。


<レイン:>
……。

<安堵した兵士:>
どうしたんですか？

<レイン:>
何か聞こえなかったか？

<安堵した兵士:>
いえ、自分は何も……。

<レイン:>
そっか……。

<レイン:>
（誰かに
　呼ばれている感じがしたけど……）


<レイン:>
（気のせいか……）

<レイン:>
（でも、なんだろう。
　胸がざわつく……）


<安堵した兵士:>
レインさん？

<レイン:>
飛空艇に被害が出なくてよかった。
さ、城に帰ることにしよう。


<安堵した兵士:>
はい。

<レイン:>
今日はフィーナと
夕食を食べる約束をしているんだ。
遅刻したら悲しむからな。


<安堵した兵士:>
ははは。
では、大急ぎで帰らなきゃですね。


<安堵した兵士:>
でも、あんな素敵な人と夕食なんて
羨ましいなぁ。



<レイン:>
ふ、二人きりじゃないぞ。
ラスウェルやファイサリスもいるんだ。


<安堵した兵士:>
なんと。
英雄が揃い踏みですね。


<レイン:>
英雄？

<安堵した兵士:>
そうですよ。
パラデイアでの戦いは
ラピスにも伝わってますし。


<レイン:>
ああ。
それで飛空艇に
パラデイアの紋章を入れてくれたのか。


<安堵した兵士:>
はい。
レインさんの飛空艇だって
民にはすぐわかるはずです。


<レイン:>
はは。
なんだか照れるな。

<安堵した兵士:>
でも、レインさんはどうして
ラピスに戻ってきてくれたのですか？


<レイン:>
なんていうのかな……。
パラデイアではやりにくくてさ。


<レイン:>
一度は王だったわけだし。
いろいろと周りが
気を遣ってくるんだよ。



<レイン:>
あと、やっぱり
俺にとってはラピスの方が
故郷って感じがするんだ。


<レイン:>
……ん？

<レイン:>
あれは……。
空間に歪みが生まれたのか？


<安堵した兵士:>
どうして急に……。

<怯えた兵士:>
まさか……虚無の渦では？

<レイン:>
いや、違う。
虚無の渦なら何度も見たが
あれは別の何かだ。



<怯えた兵士:>
どうしますか？

<レイン:>
空間に歪みが生じるなんて
ただごとじゃない。


<レイン:>
もう少し近づいて調べてみよう。

<レイン:>
ただし、すぐに引き返せるように
最善の注意を払うんだ。


<怯えた兵士:>
わかりました！

<レイン:>
よし！
警戒しつつ低速で前進！
全員、気を抜くなよ！


<怯えた兵士:>
あれが噂の血の覚醒なんですね。
レインさんがいなかったら
今頃、どんなことになっていたか……。