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Nazta

Transcript: Chapter 10 / The End

Feb 28th, 2019
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  1. Transcript: Chapter 10 / The End
  2.  
  3. * CTRL+F: Opening / Part 1 ~ Part 22 (Last)
  4.  
  5. ========Opening========
  6.  
  7. Vlad: 孤高なる魂の極み……。
  8. それがこの姿だ。
  9.  
  10.  
  11. Vlad: 私は人の領域を超えた。
  12. 個にして全。唯一にして絶対。
  13.  
  14. Vlad: 私こそが世界となったのだ。
  15.  
  16.  
  17. Vlad: さあ、剣を抜け。魔法を唱えよ。
  18. お前たちから戦いの意志が消えぬことは
  19. よくわかっている。
  20.  
  21. Vlad: ある意味、お前たちは
  22. 私から孤独を忘れさせてくれた。
  23.  
  24.  
  25. Vlad: 忌々しく思いつつも、
  26. 退屈しのぎにはなった。
  27.  
  28. Vlad: だが、もう終わりにするときだ。
  29.  
  30. Rain: ……くっ。
  31.  
  32.  
  33.  
  34.  
  35. Lasswell: ……これがヴラドの正体なのか。
  36.  
  37. Jake: ウェポンよりもでかいとはな……。
  38. はは……。
  39. これはもう笑うしかないぜ。
  40.  
  41. Lid: こんなバケモノに勝てるの?
  42. アタシたち……。
  43.  
  44. Guri: 勝てるっていうか……。
  45. そもそもどうやって戦うのよ。
  46. あんな大きなのを相手に……。
  47.  
  48. Faisalith: グリ、弱気はダメ!
  49. ここまできたらやるしかないって!
  50.  
  51. Faisalith: だから!
  52. グリ、震えている場合じゃないよ!
  53.  
  54. Guri: 違うって!
  55. 震えてるんじゃないの!
  56. グランドールが揺れているのよ!
  57.  
  58. Faisalith: え?
  59.  
  60. Faisalith: ホントだ。
  61. 私もすごい揺れてる。
  62.  
  63. Lasswell: まずいな。
  64. グランドールが
  65. 崩壊するのかもしれない。
  66.  
  67. Faisalith: え?
  68. だったらすぐに脱出しないと。
  69.  
  70. Rain: 待ってくれ。
  71. もう一人のフィーナがいないぞ。
  72.  
  73. Rain: どこに行ったんだ?
  74.  
  75. Fina: ……。
  76.  
  77. Rain: アクスターが消えたことと
  78. 何か関係があるのか?
  79.  
  80. Fina: 二人はもう行ったの。
  81. 役目を終えたから。
  82.  
  83. Rain: え?
  84.  
  85. Fina: 二人は運命を変えてくれた……。
  86.  
  87. Fina: だから、これからは私たちが
  88. 新しい未来を作っていかないと。
  89.  
  90. Fina: 二人の全てを賭けた思いを
  91. 無駄にしないように……。
  92.  
  93. Lasswell: ……。
  94.  
  95. Rain: ……。
  96.  
  97. Lid: フィーナ……。
  98. それってどういうこと?
  99.  
  100. Rain: わかった……。
  101. 詳しい話はあとで聞かせてくれ。
  102. 今はここから脱出しないと。
  103.  
  104. Fina: うん。
  105.  
  106. ========Part 1========
  107.  
  108. Lasswell: ここは研究室のようだな。
  109.  
  110. Sieghart: む?
  111. これは……確か……。
  112.  
  113.  
  114.  
  115.  
  116.  
  117. Citra: ジークハルト。
  118. 物を漁っている暇はないぞ。
  119. 早くここから脱出しなければ。
  120.  
  121.  
  122. Sieghart: ああ。わかっている。
  123.  
  124.  
  125. Fina: きゃっ!
  126.  
  127. Rain: 大丈夫か、フィーナ?
  128.  
  129. Lasswell: 怪我はないか?
  130.  
  131. Fina: うん。
  132. 大丈夫だよ。
  133.  
  134. Fina: ふふっ。
  135.  
  136. Rain: どうしたんだ?
  137. こんな状況なのに
  138. 何か笑えることでもあったのか?
  139.  
  140. Fina: こんな大ピンチなのにおかしいよね。
  141.  
  142. Fina: レインとラスウェルが
  143. ずっと側にいてくれるだけで、
  144. 私、なんだか嬉しくって……。
  145.  
  146. Lasswell: ああ。
  147. その気持ちはなんとなくわかるな。
  148.  
  149. Fina: でも、私たち三人が
  150. 一緒に戦えるのって
  151. きっとこれが最後だよね……。
  152.  
  153. Rain: ああ。
  154. 戦いはもうこれで終わりにしないと。
  155.  
  156. Fina: うん……。
  157. そうだよね……。
  158.  
  159. Fina: ……。
  160.  
  161. Fina: 戦いは好きじゃなかったけど、
  162. 三人で冒険できなくなるのは
  163. 寂しいな……。
  164.  
  165.  
  166. Rain: ん?
  167. なんか言ったか、フィーナ。
  168.  
  169. Fina: ううん。
  170. なんでもない。
  171.  
  172. Fina: 戦いを終わらせなくちゃね。
  173. パラデイアのためにも。
  174. 私たちのためにも。
  175.  
  176. ========Part 2========
  177.  
  178. Lasswell: あったぞ!
  179. 移送ゲートだ!
  180.  
  181. Rain: よし!
  182. ここから地上に戻れるはずだ!
  183.  
  184. Lid: まかせて!
  185. すぐに装置を動かすから!
  186.  
  187. Faisalith: きゃっ!
  188.  
  189. Jake: リドちゃん!
  190. 焦らせるつもりはないが
  191. 超特急でよろしく頼むぜ!
  192.  
  193. Lid: わかってるってば!
  194. 集中してるから黙ってて!
  195.  
  196. Sieghart: ここで果てたのなら
  197. 俺は真の意味で
  198. 夜空に光り輝く星となるわけだ。
  199.  
  200. Sieghart: そんな終わり方も
  201. 美しいかもしれないな。
  202.  
  203. Citra: お前も黙っていろ、ジークハルト。
  204.  
  205. Lid: オッケー!
  206. 間に合った!
  207. みんな、急いで!
  208.  
  209. King Yashuka: な、なんだ……あれは……。
  210.  
  211. King パルテ: 空から巨大なものが降りてくる……。
  212.  
  213. King パルテ: あれは人なのか?
  214.  
  215. King Yashuka: なんという禍々しさだ……。
  216.  
  217. Whyt: 怖いよ、怖いよ……。
  218. 怖いのがこっちにくるよ……。
  219.  
  220. Whyt: どうしよう! どうしよう!
  221. ポーチカたちどうすればいいの!?
  222.  
  223. Potchi: みんな家の中に入って
  224. 扉にしっかり鍵をかけて!
  225.  
  226. Potchi: 家から絶対に出ちゃダメだよ!
  227. 家の外は危ないからね!
  228.  
  229. 怯える人々: 終わりだ!
  230. この世の終わりが空から降ってきた!
  231.  
  232. 怯える人々: 早く逃げなくちゃ!
  233.  
  234. 怯える人々: だ、だけど……。
  235. あんなものから
  236. どうやって逃げるってんだよ!?
  237.  
  238. 怯える人々: 逃げ場なんてない……。
  239. 終わりだ……。
  240. もう……何もかも……。
  241.  
  242. Vlad: 讃えよ、民よ。
  243. 真の平和をもたらす神を。
  244.  
  245. Vlad: 歓喜せよ、民よ。
  246. お前たちの無価値な魂を
  247. この手で刈り取ってくれよう。
  248.  
  249. Vlad: 受け入れるがいい。
  250. 拒めば苦しみしか残らぬ。
  251.  
  252. Vlad: 私はヴラド。
  253. お前たちに等しく死を与えよう。
  254.  
  255. Vlad: 私はこの星の最後の一人となるのだ。
  256.  
  257. Rain: ヴラドは人間を全て滅ぼすつもりだ。
  258.  
  259. Lasswell: なんとしても阻止するぞ。
  260.  
  261. Cid: だが、どうやって戦えばいい……。
  262. あんなでかい奴を相手に……。
  263.  
  264. Lid: みんな、あれを見て!
  265. 飛空艇がヴラドに向かってる!
  266.  
  267. Nichol: アルドール軍と
  268. ヘスの子の飛空艇ですね。
  269.  
  270. Child of Hess: 装填でき次第、全砲弾を放て!
  271. 指示を待つ必要はない!
  272.  
  273. Child of Hess: 目標の状態は!?
  274.  
  275. Child of Hess: ダメージを確認できません!
  276. まるで無傷です!
  277.  
  278. Child of Hess: アルドール軍の攻撃も
  279. 一切、効果はないようです……。
  280.  
  281. Child of Hess: 怯むな!
  282. 砲弾が尽きるまで攻撃を続けろ!
  283.  
  284. Child of Hess: 待ってください!
  285. 目標から何か光が……。
  286.  
  287. Child of Hess: う、うわぁぁぁぁぁぁ!
  288.  
  289. Lid: そ、そんな……。
  290.  
  291. Jake: 全滅かよ……。
  292.  
  293. Citra: 砲撃も全く効いていなかったぞ。
  294.  
  295. Ignacio: くっ……。
  296. どうすれば奴を倒せるんだ。
  297.  
  298. Rain: あいつの頭部にクリスタルがある。
  299. 見えるか?
  300.  
  301. Lasswell: ああ。
  302. 確かに確認できるな。
  303.  
  304. Rain: ずっと気になっていたんだ。
  305. あいつは魂を
  306. 複製するって言ってたけど……。
  307.  
  308. Rain: だったら、
  309. オリジナルの魂はどこにあるんだ?
  310.  
  311. Fina: 魂を保存するのなら
  312. クリスタルしかないと思う。
  313.  
  314. Lasswell: ということは……。
  315. あの頭部のクリスタルに……。
  316.  
  317.  
  318. Rain: ヴラドのオリジナルの魂がある。
  319. 絶対にそうだ。
  320.  
  321. Sakura: つまりじゃ。
  322. あのクリスタルを壊してしまえば……。
  323.  
  324. Nichol: 魂の複製はもうできない……。
  325. これは勝算が出てきましたね。
  326.  
  327. Mylo: よかった!
  328. やはり無事に脱出できたんですね!
  329.  
  330. Lasswell: マイロ!
  331. お前も無事だったか!
  332.  
  333. Mylo: はい!
  334. インビンシブル号で
  335. みなさんのことを探していたんです!
  336.  
  337. Mylo: みなさんは絶対に
  338. 生き延びていると信じていましたから。
  339.  
  340. Fina: ありがとう、マイロ。
  341.  
  342. Rain: そうか。
  343. インビンシブル号があるのなら、
  344. すぐに反撃ができるぞ。
  345.  
  346. Mylo: ヴラドはかつてない
  347. 最強の敵となりました。
  348. それでも諦めていないのですね。
  349.  
  350. Rain: そうさ。
  351. 当たり前だろ。
  352.  
  353. Mylo: それでこそみなさんです。
  354.  
  355. Mylo: もちろん、私も同行します。
  356. さあ、
  357. インビンシブル号の元に急ぎましょう。
  358.  
  359. Rain: よし。
  360. 目指すはヴラドの頭部だ。
  361.  
  362. ========Part 3========
  363.  
  364. Lasswell: マイロ。
  365. このままヴラドの頭部へ
  366. 飛空艇を着けられるか?
  367.  
  368. Mylo: それは無理です。
  369. 飛空艇を
  370. 落とした光にやられてしまいます。
  371.  
  372. Mylo: ですが、可能な限り接近を試みます。
  373. 着陸目標はヴラドの腰部付近です。
  374.  
  375.  
  376. Rain: 充分だ。
  377. あとは奴の体をつたって頭部を目指す。
  378.  
  379.  
  380. Child of Hess: あの光がきます!
  381. みなさん、振り落とされないように!
  382.  
  383.  
  384. Jake: こりゃ無事に辿り着くまでに
  385. 運を使い果たしちまいそうだ。
  386.  
  387. Lid: 大丈夫!
  388. アタシはヘスの子の操船技術を信じる!
  389.  
  390. Mylo: 私はずっと頑なな考えを持ち、
  391. 多くの間違いを犯してしまいました。
  392.  
  393.  
  394. Mylo: でも、だからこそ
  395. 今すべきことがわかるのです!
  396.  
  397. Mylo: ヘスとアルドールの未来のために
  398. 必ずみなさんを
  399. ヴラドの元へと送り届けます!
  400.  
  401. Child of Hess: 光がまたきます!
  402.  
  403. Cid: 揺れるぞ!
  404. 何かに掴まれ!
  405.  
  406. Mylo: ヴラドの腰部まであと少しです!
  407. みなさん、突入の準備を!
  408.  
  409. Lasswell: 着陸している時間はない!
  410. ヴラドの体に直に飛び降りるぞ!
  411.  
  412. Ignacio: 後戻りはできねえぞ!
  413. 覚悟を決めろ!
  414.  
  415. Guri: ファイサリス。
  416. 私はあなたの
  417. 足手まといになりたくない。
  418.  
  419. Guri: だからここで
  420. 待っていた方がいいわよね?
  421.  
  422. Faisalith: ううん。
  423. グリ、一緒にきて。
  424.  
  425. Guri: ……いいの?
  426.  
  427. Faisalith: 私たちはソウルメイトなんだから。
  428. いつでもどこでも一緒だよ。
  429.  
  430. Guri: ファイサリス、ありがとう……。
  431. あなたといられるなら、
  432. そこが地獄でも天国になるわ。
  433.  
  434. Mylo: ヴラドの腰部です!
  435.  
  436. Rain: チャンスは一瞬だ!
  437. みんな、集中しろ!
  438.  
  439. Mylo: 今です!
  440. みなさん、ご武運を!
  441.  
  442. ========Part 4========
  443.  
  444. Reagan:待て!
  445.  
  446. Lasswell: どうしたんですか、父さん?
  447.  
  448. Reagan:敵の気配がする。
  449. だが、この気は……。
  450.  
  451.  
  452. Citra:お前は……氷刃のヴェリアス!
  453.  
  454. Folka:いえ、そんなはずはありません。
  455. 氷刃がこんなところにいるわけが……。
  456.  
  457.  
  458. Reagan:……。
  459.  
  460. Reagan:お前とはいつか
  461. 雌雄を決しようと誓った仲だ。
  462.  
  463.  
  464. Reagan:それなのに今の攻撃からは
  465. なんの思いも伝わってこない。
  466.  
  467.  
  468. Reagan:お前は氷刃ではないな。
  469.  
  470. Ice Veritas: ……。
  471.  
  472. Rain:なっ!?
  473.  
  474. Jake:八盟傑だと!?
  475. これはどういうことだ?
  476.  
  477.  
  478. Sakura:ヴラドめ。
  479. ……やってくれたのう。
  480.  
  481.  
  482. Sakura:こやつらはもちろん
  483. 本物の八盟傑ではない。
  484. 全部、わしらのコピーじゃ。
  485.  
  486.  
  487. Fina:コピー……。
  488. でも、どうしてそんなことが……。
  489.  
  490.  
  491. Sakura:わしら八盟傑は全員、
  492. 不老不死の改造を受けておるからのう。
  493.  
  494.  
  495. Sakura:そのときに肉体のデータを
  496. ヴラドに盗まれていたのじゃろうな。
  497.  
  498.  
  499. Ignacio: 皇星を大量生産したみたいに
  500. 俺たちのコピーを作ったってわけか。
  501.  
  502.  
  503. Sieghart: なんと愚かな。
  504. 外見を模したところで
  505. 俺の美しさには届かぬというのに。
  506.  
  507.  
  508. Sieghart: いいか、よく聞け。
  509. 模造品ども。
  510.  
  511.  
  512. Sieghart: 俺の美しさの本質とは
  513. 宝石のように輝く内面のきらめきが
  514. 外見に溢れ出てきたものなのだ。
  515.  
  516.  
  517. Sieghart: 外見も美しく、内面も美しい。
  518. それこそが
  519. 俺という存在の本質と知れ。
  520.  
  521.  
  522. Folka:内面が美しい……。
  523. それを自分で
  524. 言ってしまうところが……。
  525.  
  526.  
  527. Citra:お前を素直に
  528. 美しいと思えないことの本質だ。
  529.  
  530.  
  531. Cid:昔の自分と戦うのはやり辛いが……。
  532.  
  533. Reagan:そんなことを言ってる場合じゃないな。
  534.  
  535. Folka:私は鎧の力に囚われ、
  536. 大きな過ちを犯してしまいました。
  537.  
  538.  
  539. Folka:だから、こうして
  540. 鎧の私と対峙できることを
  541. 少し嬉しく思っています。
  542.  
  543.  
  544. Citra:私も同じ気持ちだ。
  545. 乗り越えないとな。過去を。
  546.  
  547.  
  548. Reagan:魂はこちらにあるんだ。
  549. 鎧だけの連中に
  550. 負けるわけにはいかないぞ!
  551.  
  552.  
  553. Ignacio: おおよ!
  554.  
  555. Folka:過去の私と向き合い
  556. それを乗り越えてみせます。
  557.  
  558. ========Part 5========
  559.  
  560. Lasswell: なんとか……
  561. 倒せたな……。
  562.  
  563.  
  564. Raegan: 過去とは言え、同じ自分……。
  565. 手強い相手だった。
  566.  
  567. Folka: ですが、私たちは乗り越えました。
  568.  
  569. Folka: 過去の行いが
  570. 消えたわけではありませんが……。
  571. それでも前に進んでいけます。
  572.  
  573.  
  574. Citra: ああ。
  575. 先に進もう。
  576.  
  577. Rain: はあ……はあ……。
  578.  
  579. Raegan: 復活しただと!?
  580.  
  581. Nichol: 少しでも肉体が残っていれば
  582. すぐに再生してしまうようです。
  583.  
  584.  
  585. Lasswell: くそ……。
  586. ここで全ての力を出し尽くしては……。
  587.  
  588.  
  589. Rain: ヴラドと戦うための力は
  590. 残しておきたいところだが……。
  591.  
  592.  
  593. Jake: くっ!
  594. 余力を残したいのはわかるが
  595. ここでやられちゃ意味ねえぞ!
  596.  
  597.  
  598. Fina: どうしよう……。
  599. どうすればいいの、レイン?
  600.  
  601.  
  602. Rain: 仕方ない……。
  603. 全力でやるしかないな。
  604.  
  605.  
  606. Rain: あとのことは
  607. ここを生き延びてから考えよう。
  608.  
  609.  
  610. Lasswell: ああ。
  611. それしか道はないな……。
  612.  
  613.  
  614. Sieghart: そうだ。その通り。
  615. それが美しき道だ。
  616.  
  617.  
  618. Sieghart: だが、全力で
  619. やるのはお前たちではない。
  620.  
  621.  
  622. Rain: どういうことだ?
  623.  
  624. Sieghart: シトラ、フォルカ。
  625. イグニシオ、シド。
  626. これを受け取れ。
  627.  
  628.  
  629. Citra: これは?
  630.  
  631. Sieghart: ナギやレヴナートが使った薬だ。
  632. 原初の雫を原料にしたもので
  633. 限界以上の力を引き出すことができる。
  634.  
  635.  
  636.  
  637. Sieghart: グランドールの
  638. 研究ブロックで見つけたのだ。
  639. 何かの役に立つかともらっておいた。
  640.  
  641.  
  642. Ignacio: そいつはいい。
  643. でかしたぜ、ジークハルト。
  644.  
  645.  
  646. Sieghart: ここにある分全てを飲み干し、
  647. 限界の……
  648. さらに限界を超えた力を得るのだ。
  649.  
  650.  
  651. Sieghart: そうでなければ
  652. こいつらは倒せんだろう。
  653.  
  654. Cid: 力を無理に引き出すってことか。
  655. その分、肉体への負荷は
  656. とてつもなく大きくなるな。
  657.  
  658.  
  659. Ignacio: だがよ、加減して勝てる相手でもねえ。
  660. やるしかねえだろ。
  661.  
  662.  
  663. Citra: ……。
  664.  
  665. Citra: いや、
  666. 問題はそれだけではない。
  667.  
  668.  
  669. Folka: どういうことですか?
  670.  
  671. Citra: 私はエルマウルから聞いたのだ。
  672.  
  673. エルマウル: そうか。
  674. あの薬のお陰で
  675. 死の淵から甦ったというわけか。
  676.  
  677.  
  678. エルマウル: まあ、力が尽きた状態で
  679. 飲んだのは幸いだったな。
  680.  
  681.  
  682. Citra: ……どういう意味だ?
  683.  
  684. エルマウル: あの薬は原初の雫を
  685. 元にして作られている。
  686.  
  687.  
  688. Citra: 原初の雫……。
  689. 全てのものをあるべき姿に
  690. 戻す効果があるんだったな。
  691.  
  692.  
  693. エルマウル: そうだ。だからもし、
  694. お前が健康な状態で
  695. 薬を摂取していれば……。
  696.  
  697.  
  698. エルマウル: おそらく
  699. 不老不死の体を失っていただろう。
  700.  
  701. Citra: え?
  702.  
  703. エルマウル: 不老不死の体を失えば
  704. その時点でお前たちは死ぬかもしれん。
  705.  
  706. エルマウル: 一気に700歳くらい
  707. 歳をとる可能性もあるからな。
  708.  
  709. エルマウル: もちろん、
  710. 不老不死ではなくなるだけで
  711. あとは何も変わらないかもしれん。
  712.  
  713.  
  714. Citra: そこは飲んでみなければ
  715. わからないということか……。
  716.  
  717. エルマウル: そうだ。
  718. 無理に試す必要はないと思うがな。
  719.  
  720.  
  721. Citra: この薬には
  722. そんなリスクがあるのだが……。
  723.  
  724.  
  725. Citra: 当然、私は飲む覚悟ができている。
  726.  
  727. Sieghart: 今更、恐れる話でもないな。
  728. この薬、美しく飲ませてもらおう。
  729.  
  730.  
  731. Ignacio: もちろん、俺も飲むぜ。
  732. お前たちだけにやらせるかよ。
  733.  
  734.  
  735. Cid: ここで逃げたら
  736. 娘たちに顔向けできん。
  737.  
  738.  
  739. Folka: はい。
  740. 命を賭ける価値は充分あります。
  741.  
  742.  
  743. Raegan: よし。
  744.  
  745. Raegan: レイン、ラスウェル。
  746. ここの戦いは
  747. 俺たちに任せてくれ。
  748.  
  749. Raegan: ジークハルト。
  750. 俺にもその薬を……。
  751.  
  752.  
  753. Raegan: お、おい!?
  754.  
  755. Sieghart: すまんな、レーゲン。
  756. 薬は全て飲み干した。
  757. お前の分はない。
  758.  
  759.  
  760. Raegan: どうして……。
  761.  
  762. Citra: レーゲン。
  763. お前にはパラデイアの行く末を
  764. 見届ける義務がある。
  765.  
  766.  
  767. Folka: レインとラスウェルも
  768. あなたの力を
  769. まだまだ必要とするでしょう。
  770.  
  771.  
  772. Sieghart: だから、これは俺たちの役目だ。
  773.  
  774. Raegan: ……何を言っている。
  775. そんなことをされて、
  776. 俺が喜ぶとでも思っているのか……?
  777.  
  778. Ignacio: 喜ぶ必要はないさ。
  779.  
  780. Ignacio: 生き残ってくれればそれでいい。
  781.  
  782. Cid: いけそうだな。
  783.  
  784. Sieghart: ああ。
  785. 美しきものが込み上げてきた。
  786.  
  787.  
  788. Ignacio: レイン、ラスウェル。
  789. 奴らは俺たちが倒す。
  790. あとのことは頼むぞ。
  791.  
  792.  
  793.  
  794. Lasswell: ……はい。わかりました。
  795.  
  796. Cid: 政治のことなど大変になるだろうが、
  797. たまにはレーゲンのことも
  798. 構ってやってくれ。
  799.  
  800.  
  801. Cid: こいつは意外と寂しがりやだからな。
  802.  
  803. Rain: ああ、わかったよ……。
  804.  
  805. Raegan: ……。
  806.  
  807. Cid: レーゲン、そんな顔をするな。
  808.  
  809. Ignacio: 俺たちの戦いをその目に
  810. しっかり焼き付けてくれ。
  811.  
  812.  
  813. Citra: さあ、いくぞ!
  814. これが私たちの最後の戦いだ!
  815.  
  816.  
  817. Folka: この手で未来を紡ぎましょう!
  818.  
  819. Sieghart: ああ!
  820. 美しい未来をな!
  821.  
  822. ========Part 6========
  823.  
  824. Reagan: お前たち!
  825.  
  826. Citra: ……。
  827.  
  828. Citra: どうやら命は繋ぎ止めたらしい……。
  829.  
  830. Cid: だが、体の中から
  831. 何かが消えたような感覚があった……。
  832.  
  833.  
  834. Sieghart: 不老不死の力は
  835. 失ったのだろうな……。
  836.  
  837.  
  838. Citra: ……ああ。
  839. 何か抜け殻になったような
  840. 感じがする……。
  841.  
  842.  
  843. Reagan: ……そうか。
  844.  
  845. Ignacio: 今のところは生きているが、
  846. この先、どうなるかはわからんな……。
  847.  
  848.  
  849. Folka: こんな体ではもう一緒にはいけません。
  850.  
  851. Citra: ……。
  852.  
  853. Citra: 私たちはここまでだ……。
  854. あとは頼んだぞ、レーゲン。
  855.  
  856.  
  857. Reagan: ……。
  858.  
  859. Reagan: ここにくるまで
  860. 本当にいろいろなことがあったな。
  861.  
  862.  
  863. Reagan: 俺にとってお前たちは……
  864. 戦友で、同志で、
  865. 家族のようでもあった。
  866.  
  867.  
  868. Reagan: 長い間、共に戦ってくれて感謝する。
  869.  
  870. Reagan: 辛いことの方が多かったが、
  871. それでもお前たちといられてよかった。
  872.  
  873.  
  874. Folka: ええ……。
  875. 私たちも同じ気持ちです。
  876.  
  877.  
  878. Ignacio: お前と一緒に戦えて楽しかったぜ。
  879.  
  880. Sieghart: 俺たちのリーダーよ。
  881. 最後まで美しくあれ……。
  882.  
  883.  
  884. Cid: お前の息子たちを……。
  885. その仲間を守ってやれ……。
  886.  
  887.  
  888. Citra: 六盟傑の絆は永遠だ。
  889.  
  890. Citra: さあ、行け。
  891. レーゲン。
  892.  
  893.  
  894. Reagan: ああ。
  895. わかった……。
  896.  
  897.  
  898. Reagan: どんなときでも
  899. 俺の心の中にはお前たちがいる。
  900.  
  901.  
  902. Reagan: それ以上の強き力はない。
  903.  
  904. Reagan: ……行ってくる。
  905.  
  906. ========Part 7========
  907.  
  908. Lasswell: 胸部の辺りまで登ってこれたな。
  909. これもシトラたちのおかげだ。
  910.  
  911. Rain: そうだな……。
  912.  
  913. Lid: シドたち、大丈夫かな?
  914.  
  915. Reagan: 心配するな。
  916. 命がある限りは
  917. 決して諦めない連中だ。
  918.  
  919. Reagan: また会えるさ。必ず。
  920.  
  921. Fina: はい。
  922. 私もそう信じます。
  923.  
  924. Lasswell: よし。
  925. このまま頭部を目指すぞ。
  926.  
  927. Nichol: 待ってください。
  928. あそこの隙間から
  929. 体内へ入れそうです。
  930.  
  931. Nichol: 体表を伝っていくよりも
  932. 安全かもしれません。
  933.  
  934. Jake: 体内か……。
  935. 胃液で溶かされたりしなきゃ
  936. いいんだけどな。
  937.  
  938. Faisalith: ジェイク、ダメダメ。
  939. 嫌なことは考えないで、
  940. 明るい話をしながら進もうよ。
  941.  
  942. Lid: だね。それがいいと思う。
  943.  
  944. Fina: じゃあ、
  945. ファイサリスに聞いてもいい?
  946.  
  947. Fina: ファイサリスはこの旅が終わったら
  948. どうするつもり?
  949. 何かしたいこととかってある?
  950.  
  951. Faisalith: この旅が終わったら……か。
  952. そんなこと考えてなかったな。
  953. ずっと必死に戦ってたから……。
  954.  
  955. Faisalith: ……。
  956.  
  957. Faisalith: 私、友だちと一緒に過ごしたいな。
  958.  
  959. Faisalith: することはなんでもいいの。
  960. どこかに遊びに行ってもいいし。
  961. ずっと話してるだけでもいいし。
  962.  
  963. Faisalith: 今まで友だちって呼べるのは
  964. グリしかいなかったけど、
  965.  
  966. Faisalith: この旅を通じて、
  967. 新しい友だちがたくさんできたから。
  968.  
  969. Fina: うん。
  970. 私もファイサリスと
  971. もっと一緒にいたいな。
  972.  
  973. Faisalith: 本当に?
  974. じゃあ、フィーナのところに
  975. 遊びに行っていい?
  976.  
  977. Fina: もちろん!
  978. グリもきてね!
  979.  
  980. Guri: ありがとう、フィーナ。
  981. じゃ、何かお土産を持っていくからね。
  982.  
  983. Fina: ふふ。楽しみにしてるね。
  984.  
  985. Faisalith: うーん!
  986. なんかワクワクしてきた!
  987.  
  988. Faisalith: 早くフィーナと遊びたいから
  989. ヴラドなんかさっさと倒しちゃうよ!
  990.  
  991. Rain: はは。
  992. 本当にさっさと倒しちゃいそうだな。
  993. ファイサリスが言うと。
  994.  
  995. Lasswell: ああ。
  996. それがファイサリスの
  997. すごいところなんだ。
  998.  
  999. Faisalith: うーん。
  1000. そうだな……。
  1001.  
  1002. ========Part 8========
  1003.  
  1004. Rain: 首のあたりまできたな。
  1005. 頭部まではもう少しだ。
  1006.  
  1007. Rain: なんだ!?
  1008.  
  1009. Nichol: ヴラドが地上を攻撃しているようです!
  1010.  
  1011. Lasswell: まずい!
  1012. みんな、振り落とされるなよ!
  1013.  
  1014. Faisalith: きゃあああああ!
  1015.  
  1016. Lasswell: ファイサリス!
  1017.  
  1018. Rain: ラスウェル!
  1019. ファイサリス!
  1020.  
  1021. Lasswell: 俺たちは大丈夫だ!
  1022. みんなも耐えてくれ!
  1023.  
  1024. Jake: お、終わったか?
  1025.  
  1026. Faisalith: ありがとう、ラスウェル。
  1027.  
  1028. Lasswell: ああ。
  1029. 気にすることは……。
  1030.  
  1031. Lasswell: 上だ!
  1032. 巻き上げられた瓦礫が落ちてくるぞ!
  1033. 避けるんだ!
  1034.  
  1035. Nichol: ……どうやら治まったようですね。
  1036.  
  1037. Lasswell: どうした、レイン?
  1038.  
  1039. Rain: この輝き……。
  1040. クリスタルだ……。
  1041.  
  1042. Rain: ……。
  1043.  
  1044. Lasswell: レイン、どうした?
  1045.  
  1046. Rain: いや……。
  1047. 俺たちの旅はクリスタルから
  1048. 全てが始まったんだな、と思ってさ。
  1049.  
  1050.  
  1051. Lasswell: ああ。
  1052. そうだな……。
  1053.  
  1054. Fina: クリスタルがきっかけで
  1055. 私たちは出会ったんだもんね。
  1056.  
  1057. Lasswell: それからずっと俺たちは
  1058. クリスタルを追いかけてきた……。
  1059.  
  1060. Lasswell: クリスタルを守ったり壊したり……。
  1061. ずいぶんと振り回されたものだ。
  1062.  
  1063. Rain: そこに込められた思いによって
  1064. クリスタルは人の味方にも敵にもなる。
  1065.  
  1066. Lasswell: ヴラドは人への悪意を込めた。
  1067.  
  1068. Lasswell: ならば俺たちは人への情を込めて……。
  1069.  
  1070. Fina: うん。
  1071. その思いにきっと
  1072. クリスタルは応えてくれる。
  1073.  
  1074. Rain: このクリスタルの破片、
  1075. お守り代わりに持っていくか。
  1076.  
  1077. Lasswell: ああ。
  1078.  
  1079. ========Part 9========
  1080.  
  1081. Rain: あったぞ!
  1082. クリスタルだ!
  1083.  
  1084. Vlad: やはり……ここまできたか。
  1085.  
  1086. Rain: ヴラド!
  1087.  
  1088. Vlad: このクリスタルには
  1089. 私のオリジナルの魂が込められている。
  1090.  
  1091. Jake: オリジナル……ってことは……。
  1092.  
  1093. Lid: そのクリスタルを壊せば、
  1094. あんたも終わりってことね!
  1095.  
  1096. Rain: くっ!
  1097.  
  1098. Vlad: お前たちでは
  1099. 私の孤高な魂に触れることはできん。
  1100.  
  1101. Lasswell: やはり簡単にはいきそうにないな……。
  1102.  
  1103. Rain: ああ……。
  1104. だが、それでも……。
  1105.  
  1106. Rain: 俺のために命を託してくれた人がいた。
  1107.  
  1108. Lasswell: 俺たちを信じて
  1109. 思いを託してくれた人たちがいた。
  1110.  
  1111. Fina: 私たちが戦うのは
  1112. 自分のためだけじゃない。
  1113.  
  1114. Vlad: 愚かな者たちよ。
  1115. 命を捨てても他者のために戦うか。
  1116.  
  1117. Vlad: くだらん。
  1118. 自己犠牲の精神など愚の骨頂だ。
  1119.  
  1120. Vlad: 他者などいらぬ。
  1121. 世界は私だけのものだ。
  1122. 他の誰かなど存在の意味がない。
  1123.  
  1124. Reagan: なんとでも言え。
  1125. 追い込まれたのはお前だ!
  1126.  
  1127. Lasswell: 今、全ての情を背負って!
  1128.  
  1129. Rain: ヴラド!
  1130. お前の歪んだ夢を砕く!
  1131.  
  1132. Vlad: ああ。そうだ。
  1133. しかし、それは叶わぬ。
  1134.  
  1135. ========Part 10========
  1136.  
  1137. Rain: これで終わりだ!
  1138.  
  1139. Lasswell: うおおおおおおお!
  1140.  
  1141. Vlad: まだだ!
  1142. まだだぁぁぁぁ!
  1143.  
  1144. Rain: ここで退けるか!
  1145. ラスウェル!
  1146.  
  1147. Lasswell: ああ!
  1148. いくぞ、レイン!
  1149.  
  1150. Rain: 砕けろ!
  1151.  
  1152. Vlad: ぐおおおおおおおおお!
  1153.  
  1154. Faisalith: やった!
  1155.  
  1156. Rain: はあ……はあ……。
  1157.  
  1158. Reagan: クリスタルを破壊した。
  1159. これでヴラドは復活できないはずだ。
  1160.  
  1161. Sakura: 魂を失ったこの巨大な体も
  1162. 動きを止めるはずじゃ。
  1163.  
  1164. Lasswell: ……。
  1165.  
  1166. Lasswell: いや、待ってくれ。
  1167. 確かにクリスタルは破壊したが……。
  1168.  
  1169. Lasswell: ヴラドの体は動きを止めていない。
  1170.  
  1171. Reagan: おかしい……。
  1172. どういうことだ。
  1173.  
  1174. Lasswell: 何!?
  1175.  
  1176. Reagan: くっ!
  1177.  
  1178. Rain: しまった……。
  1179.  
  1180. Lasswell: まだ……こんな力が……。
  1181.  
  1182. ========Part 11========
  1183.  
  1184. Lasswell: うう……。
  1185.  
  1186. Fina: 私たちはヴラドに飲み込まれて……。
  1187.  
  1188. Faisalith: ここはどこなの?
  1189. なんにもないけど……。
  1190.  
  1191. Vlad: どこまでも静かで平穏な……
  1192. 私だけが存在する平和な世界……。
  1193.  
  1194. Rain: ヴラド!?
  1195.  
  1196. Lasswell: どこにいる!?
  1197.  
  1198. Vlad: これこそが
  1199. 私が作ろうとした世界だ……。
  1200.  
  1201. Vlad: 私のオリジナルの魂は
  1202. お前たちの手で破壊された……。
  1203.  
  1204. Vlad: この風景も魂の残影に過ぎない……。
  1205.  
  1206. Vlad: だが……。
  1207.  
  1208. Vlad: たとえ私だけの世界が作れずとも……。
  1209. 魂の残影だけになろうとも……。
  1210.  
  1211. Vlad: お前たち……。
  1212. お前たちだけは……生きて帰さぬ……。
  1213.  
  1214. Vlad: それが……。
  1215.  
  1216. Vlad: それが王になれなかった者の……。
  1217. 選ばれなかった者の……。
  1218.  
  1219. Vlad: 矜持だ!
  1220.  
  1221. Jake: ちっ!
  1222. 何が矜持だ。
  1223. 執念と怨念の固まりじゃねぇか。
  1224.  
  1225. Nichol: しかし、この思いの強さは……。
  1226.  
  1227. Lasswell: ああ。
  1228. 歪んだ思いであっても、
  1229. その強さは俺たちと変わらない。
  1230.  
  1231. Lid: なんか……。
  1232. すごくまずい感じがするんだけど。
  1233.  
  1234. Sakura: 自分の存在以外を認めぬ世界……。
  1235. そんな妄執を抱いた男の最後の抵抗じゃ。
  1236. 油断するでないぞ。
  1237.  
  1238. Nichol: この白い世界には
  1239. 争いがない代わりに喜びもありません。
  1240.  
  1241. Fina: 私たちはこんな世界は嫌だよ。
  1242.  
  1243. Faisalith: うんうん!
  1244. 友だちと一緒の世界の方がいい!
  1245.  
  1246. Lasswell: ここは俺たちのいるべき場所じゃない!
  1247. お前を倒して、
  1248. みんながいる世界に帰る!
  1249.  
  1250. ========Part 12========
  1251.  
  1252. Lasswell: はぁはぁ……。
  1253.  
  1254. Jake: やったのか?
  1255.  
  1256. Nichol: いや、気を抜いてはいけません。
  1257.  
  1258. Sakura: あれを見るのじゃ……。
  1259.  
  1260. Lid: な、なんで増えてるのよ!?
  1261.  
  1262. Vlad: 言ったはずだ。
  1263. お前たちだけは生きて帰さぬと。
  1264.  
  1265.  
  1266. Rain: 怯むな!
  1267. ここで負けたら全てが無意味だ!
  1268.  
  1269. Lasswell: ああ!
  1270. 命がある限り応戦するぞ!
  1271.  
  1272. Rain: くそ……。
  1273. 負けるか……。
  1274.  
  1275.  
  1276. Rain: 俺はここで
  1277. 負けるわけにはいかないんだ。
  1278. 絶対に……。
  1279.  
  1280.  
  1281. Rain: だけど……。
  1282. もう力が残って……。
  1283.  
  1284.  
  1285. Rain: これは……。
  1286. さっき拾ったクリスタル……。
  1287.  
  1288. Rain: そうか……。
  1289.  
  1290. Rain: そうだよな……。
  1291.  
  1292. Rain: 俺にはまだ力が残っていたんだな。
  1293.  
  1294. Rain: ……みんな、力を貸してくれ。
  1295.  
  1296. Sol: どうした、レイン。
  1297. 今はまだ太陽が沈む時間ではないぞ。
  1298.  
  1299. Rain: ソル……。
  1300.  
  1301. Sol: お前を滅していいのは私だけだ。
  1302. さあ、立て。
  1303.  
  1304.  
  1305. Rain: ああ……。
  1306.  
  1307. Crimson: お前の戦いには意味と価値がある。
  1308. 俺たちも力を貸そう。
  1309.  
  1310.  
  1311. Kyanos: レイン。
  1312. 憎しみに囚われた魂などに負けるな。
  1313.  
  1314.  
  1315. Kyanos: お前は希望の光なのだから。
  1316.  
  1317. Rain: クリムゾン、キュアノス……。
  1318.  
  1319. Milfas: 私はレインを信じてるよ。
  1320. レインなら
  1321. みんなが笑える世界を作れるって。
  1322.  
  1323.  
  1324. Rain: ミルファス……。
  1325.  
  1326. Milfas: さあ、立って。
  1327. 私たちがついているよ。
  1328.  
  1329.  
  1330. Rain: ありがとう、ミルファス……。
  1331.  
  1332. Rain: よし。
  1333. 俺はまだやれる。
  1334.  
  1335.  
  1336. Sol: それでいい。
  1337. 太陽だからな、お前は。
  1338.  
  1339.  
  1340. Rain: ああ。
  1341. 俺は眩しく輝く道を進む。
  1342. どんなものにも怯むことなく!
  1343.  
  1344.  
  1345. アトル: ラスウェル。
  1346. こんなところで
  1347. 立ち止まってるヒマはないよ。
  1348.  
  1349. プリス: アタイたちが手を引くから
  1350. 何度だって立ち上がっておくれ!
  1351.  
  1352.  
  1353. プリス: あんたはアタイが
  1354. 見込んだ男なんだからね!
  1355.  
  1356.  
  1357. Lasswell: アトル……プリス……。
  1358. ああ、そうだな。
  1359.  
  1360.  
  1361. ドグ: あなたたちなら
  1362. この世界で苦しむ民を
  1363. 救うことができるはずです~。
  1364.  
  1365.  
  1366. マグ: 私たちはそう確信し、
  1367. あなたたちに思いを託しました。
  1368.  
  1369.  
  1370. ラグ: その選択は何も間違っていなかった。
  1371. 今でもそう信じているぞ。
  1372.  
  1373.  
  1374. Lasswell: ドグ、マグ、ラグ……。
  1375. わかった、やってみる。
  1376.  
  1377.  
  1378. Regina: みんなを守りたいと思うと
  1379. 胸のあたりが温かくなる気がする。
  1380.  
  1381.  
  1382. Regina: だから、私も一緒に戦う。
  1383.  
  1384. クローワ: 私は明るくて
  1385. 希望のある話が好きなので……。
  1386.  
  1387.  
  1388. クローワ: みなさんの物語は
  1389. ハッピーエンドで終わらせましょう。
  1390.  
  1391.  
  1392. Lasswell: クローワ、レジーナ……。
  1393. そうだな。
  1394. 俺もハッピーエンドの話が好きだよ。
  1395.  
  1396.  
  1397. Lasswell: みんなが望んでいた未来……。
  1398. 今こそそれを叶えるときだ。
  1399.  
  1400.  
  1401. Lasswell: 最後は共に戦おう!
  1402.  
  1403. モンベルト: 今一度、俺のすべての力を
  1404. お前が築く未来のために使おう。
  1405.  
  1406.  
  1407. レージュ: 誰の心にも弱い部分はあるわ。
  1408. だからこそ強い部分が美しくなるの。
  1409. 花の冠のように。
  1410.  
  1411.  
  1412. メメ: 最後まで頑張らないとね。
  1413. 心残りのないように。
  1414.  
  1415.  
  1416. ダリシュ: 一度決めたことはやり遂げようぜ。
  1417. 大切な人のためにさ。
  1418.  
  1419.  
  1420. ホナー: みんなを守るためにも
  1421. カッコイイところを
  1422. 見せないといけませんね。
  1423.  
  1424.  
  1425. Raegan: モンベルト、レージュ、
  1426. メメ、ダリシュ、ホナー……。
  1427.  
  1428.  
  1429. Yuraisha: レーゲン。
  1430. 心から希望の灯を消してはいけません。
  1431.  
  1432. Yuraisha: この星の未来は
  1433. あなたたちにかかっているのですから。
  1434.  
  1435.  
  1436. Rowen: 晴れた日ばかりが続くことはない。
  1437. 必ず雨が降る日もある。
  1438.  
  1439.  
  1440. Rowen: だが、今日は雨の日じゃない。
  1441.  
  1442. Rowen: レーゲン。
  1443. お前が世界から暗雲を吹き飛ばす日だ。
  1444.  
  1445.  
  1446. Raegan: 母さん、ローウェン……。
  1447.  
  1448. Raegan: ソフィア……。
  1449.  
  1450. Sophia: また、傷が増えていますね。
  1451.  
  1452. Sophia: 誰かを守って
  1453. いつもあなたは傷だらけ……。
  1454. 出会った頃から本当に変わりません。
  1455.  
  1456.  
  1457. Raegan: ああ、そうだな……。
  1458.  
  1459. Sophia: だから今は、
  1460. 私があなたを守ります。
  1461.  
  1462.  
  1463. Raegan: ありがとう、ソフィア。
  1464.  
  1465. Rain: ヴラド、見ろ!
  1466. これがクリスタルの本当の力だ!
  1467.  
  1468. Lasswell: 人を滅ぼそうというお前には
  1469. この思いの力は絶対に手に入らない!
  1470.  
  1471.  
  1472. Lasswell: 入るわけがないんだ!
  1473.  
  1474. Raegan: いくぞ、みんな!
  1475. 全ての力を合わせるぞ!
  1476.  
  1477.  
  1478. Raegan: 俺たちなら勝てる!
  1479. ビジョンを……思いの力を信じるんだ!
  1480.  
  1481. ========Part 13========
  1482.  
  1483. Rain: やったぞ……。
  1484.  
  1485. Sol: ああ。
  1486. よくやった、レイン。
  1487.  
  1488. Sol: 何か困ったことがあれば呼ぶがいい。
  1489. 私はいつもお前と共に輝いている。
  1490.  
  1491. Sol: 月と太陽だからな。
  1492. 私たちは。
  1493.  
  1494.  
  1495. Rain: ソル……。
  1496.  
  1497. Rain: ああ……。
  1498. そうだな……。
  1499.  
  1500.  
  1501. Milfas: レイン。
  1502. 私たちは信じてるよ。
  1503.  
  1504.  
  1505. Milfas: みんなが幸せな世界を……。
  1506.  
  1507. Kyanos: 憎しみに飲まれぬ世界を……。
  1508.  
  1509. Crimson: 希望の光に溢れた世界を……。
  1510.  
  1511. Milfas: レインならきっと作れるって。
  1512.  
  1513. アトル: 僕たちの思いは消えません……。
  1514.  
  1515. マグ: 命は消えても、思いは託され、
  1516. 後の世界に残っていくはず……。
  1517.  
  1518.  
  1519. Chrowa: 物語がずっと
  1520. 語り継がれていくように……。
  1521. この先の未来へと……。
  1522.  
  1523.  
  1524. マグ: 私たちがラスウェルに託したように。
  1525.  
  1526. Lasswell: ありがとう……。
  1527. 俺はみんなの思いを背負って
  1528. これからも生きていくよ。
  1529.  
  1530.  
  1531. Faisalith: ラスウェル……。
  1532. アクスターさんは呼ばなかったんだね。
  1533.  
  1534.  
  1535. Lasswell: ……俺はもう師匠を
  1536. 頼らないと決めたんだ。
  1537.  
  1538. Faisalith: そう……。
  1539.  
  1540. Faisalith: その言葉を聞いたら、きっと喜ぶよ。
  1541. アクスターさん。
  1542.  
  1543.  
  1544. Lasswell: ああ……。
  1545.  
  1546. Raegan: もういってしまうのか?
  1547.  
  1548. Sophia: 私はどこにもいきません。
  1549. ずっとあなたの心の中にいます。
  1550.  
  1551.  
  1552. Yuraisha: そう。
  1553. 忘れないで。
  1554. あなたは一人じゃない。
  1555.  
  1556.  
  1557. Rowen: 生きろよ、レーゲン。
  1558. 雨の日も晴れの日も。
  1559.  
  1560.  
  1561. Raegan: 君は俺に大切なものを
  1562. 与えてくれた……。
  1563.  
  1564.  
  1565. Raegan: ありがとう。
  1566. 本当にありがとう。
  1567.  
  1568.  
  1569. Raegan: ソフィア。
  1570. 俺はお前を永遠に愛している。
  1571.  
  1572.  
  1573. Sophia: ええ、私も。
  1574. あなたを永遠に愛してるわ。
  1575.  
  1576.  
  1577. Raegan: さらばだ……。
  1578. みんな……。
  1579.  
  1580. Jake: これで終わったんだよな……。
  1581. 本当に。
  1582.  
  1583.  
  1584. Rain: ……。
  1585.  
  1586. Rain: ……いいや。
  1587. 最後の仕事がまだ残っている。
  1588.  
  1589.  
  1590. Lid: どういうこと?
  1591.  
  1592. Fina: あれを見て。
  1593.  
  1594. Lid: どうして……。
  1595. クリスタルは壊したはずなのに……。
  1596.  
  1597. Vlad: ワレは……ヴラド……。
  1598. コドクな……コウテイ……。
  1599.  
  1600.  
  1601. Vlad: みなごロシ……。
  1602. 我ハヴラド、コウテイ……。
  1603. ワレ以外ノ命は不要……。
  1604.  
  1605.  
  1606. Nichol: おそらくヴラドの魂が
  1607. クリスタル化したのでしょう。
  1608.  
  1609.  
  1610. Jake: やれやれ。
  1611. どこまで往生際の悪い奴なんだ……。
  1612.  
  1613.  
  1614. Sakura: まあ、そう言うな。
  1615. あれさえ壊せば本当に終わりじゃ。
  1616.  
  1617.  
  1618. Rain: ああ。
  1619. そうだな。
  1620.  
  1621.  
  1622. Fina: ねえ……。
  1623. レイン、ラスウェル。
  1624.  
  1625.  
  1626. Rain: なんだ?
  1627.  
  1628. Fina: このクリスタルを壊したら
  1629. 私たちの旅も終わっちゃうね。
  1630.  
  1631.  
  1632. Lasswell: なんか……。
  1633. 旅を終わらせたくないような
  1634. 口振りだな。
  1635.  
  1636.  
  1637. Fina: うん……。
  1638.  
  1639. Fina: 本音を言うとね……。
  1640. 旅が終わっちゃうのは少し寂しいかも。
  1641.  
  1642.  
  1643. Fina: だって、私……。
  1644. 二人と旅するのが大好きなの。
  1645.  
  1646.  
  1647. Fina: 辛いことも悲しいことも
  1648. レインとラスウェルがいれば、
  1649. 全部が大切な思い出になるから。
  1650.  
  1651.  
  1652. Rain: ああ。
  1653. 俺も同じ気持ちだよ、フィーナ。
  1654.  
  1655.  
  1656. Lasswell: 俺もだ。
  1657.  
  1658. Fina: ふふふ。
  1659. じゃあ、この旅が終わったら
  1660. また三人で旅に出ない?
  1661.  
  1662.  
  1663. Rain: ははは。
  1664. それはいいな。
  1665.  
  1666.  
  1667. Fina: でも、二人とも
  1668. 王様としての仕事があるから
  1669. 難しいかな……。
  1670.  
  1671.  
  1672. Lasswell: いや、王にも自分の時間はある。
  1673. 旅に出ることくらいできるさ。
  1674.  
  1675.  
  1676. Rain: よし。
  1677. ならこの戦いが終わったら、
  1678. また三人で一緒に旅に行こう。
  1679.  
  1680. Lasswell: わかった。
  1681.  
  1682. Fina: ホントに!?
  1683. 私、すごく嬉しい!
  1684.  
  1685.  
  1686. Rain: 集合場所は
  1687. グランシェルトの近くの草原だ。
  1688.  
  1689. Lasswell: 大樹の周りに白い花が咲いている
  1690. あの場所のことだな。
  1691.  
  1692.  
  1693. Fina: そこなら私も知ってる!
  1694.  
  1695. Rain: どこを旅するのかは
  1696. そのときに決めればいいさ。
  1697.  
  1698.  
  1699. Fina: うん。
  1700. 約束だからね。
  1701.  
  1702.  
  1703. Lasswell: わかった。
  1704. 約束だ。
  1705.  
  1706.  
  1707. Rain: 出発の日はどうする?
  1708.  
  1709. Lasswell: ……そうだな。
  1710.  
  1711. Guri: いいの?
  1712. ファイサリスも一緒に
  1713. ついていきたいんじゃないの?
  1714.  
  1715. Faisalith: ううん。
  1716. 三人の仲を邪魔しちゃ悪いしね。
  1717. ここは我慢する。
  1718.  
  1719.  
  1720. Guri: そっか。
  1721. 偉いわね、ファイサリス。
  1722.  
  1723.  
  1724. Lid: ちょっとちょっと。
  1725. 何話し込んでるの。
  1726. さっさとやることやっちゃおうよ。
  1727.  
  1728.  
  1729. Fina: ふふっ。
  1730. ごめんね。
  1731.  
  1732.  
  1733. Lasswell: それじゃあ、終わらせるか。
  1734.  
  1735. Rain: ああ。
  1736. 長かった、この旅を。
  1737.  
  1738. ========Part 14========
  1739.  
  1740. Rain: 終わったんだな……。
  1741.  
  1742. Lasswell: ああ。
  1743. 今度こそ間違いない……。
  1744.  
  1745. Fina: うん……。
  1746.  
  1747. Faisalith: 私たち勝ったんだね!
  1748.  
  1749. Guri: ええ! そうよ!
  1750. おめでとう、ファイサリス!
  1751.  
  1752. Faisalith: うん!
  1753.  
  1754. Faisalith: やったね、ラスウェル!
  1755. 大好き!
  1756.  
  1757. Lasswell: ええっ!?
  1758.  
  1759. Guri: 大胆ね、ファイサリス。
  1760. でも、そんな積極さは
  1761. ラスウェルも大歓迎のはずよ。
  1762.  
  1763. Lasswell: い、いや……。
  1764. 俺は別に……。
  1765.  
  1766. Fina: ふふ、ラスウェル。
  1767. 照れない、照れない。
  1768.  
  1769. Jake: よし!
  1770. リドちゃん、俺にも!
  1771.  
  1772. Lid: ええっ!?
  1773.  
  1774. Jake: それぐらいの積極さは俺も大歓迎だぜ!
  1775.  
  1776. Lid: あの……その……。
  1777. えっと……。
  1778.  
  1779. Lid: やだ!
  1780. 恥ずかしい!
  1781.  
  1782. Jake: なんで!?
  1783.  
  1784. Happy People: やったー! やったぞ!
  1785.  
  1786. Happy People: 俺たち、助かったんだよな!
  1787. うおおおおおお!
  1788.  
  1789. Happy People: よかった……。
  1790. 本当によかった……。
  1791.  
  1792. King Yashuka: 皇帝による支配の時代は終わった。
  1793.  
  1794. King パルテ: ええ。
  1795. そして、新たな時代が始まります。
  1796.  
  1797. King パルテ: この星に住むすべての人々が
  1798. 互いに手を取り合い、助け合う時代が。
  1799.  
  1800. King Yashuka: 共に作り上げていこう。
  1801. 我らグンガンが
  1802. まずはその手本となるように。
  1803.  
  1804. Potchi: ポッチ、知ってるよ。
  1805.  
  1806. Potchi: レイン、ラスウェル、フィーナ。
  1807. それに他のみんなも。
  1808.  
  1809. Potchi: みんながポッチたちを
  1810. 守ってくれたんだよね。
  1811.  
  1812. Potchi: ありがとう。ありがとう。
  1813.  
  1814. Potchi: またいつかみんなと会えるといいな。
  1815.  
  1816. Potchi: そのときは
  1817. 別の変身魔法を教えてあげるね。
  1818.  
  1819. Akstar: どうやらすべてが終わったようだな。
  1820.  
  1821. Akstar: 勝ったんだな……。
  1822. ラスウェルという奴が。
  1823.  
  1824. Akstar: ……。
  1825.  
  1826. Akstar: 一体、どれほどの男なのか。
  1827. 興味は尽きんな。
  1828.  
  1829. Akstar: 今度、会いに行ってみるか。
  1830.  
  1831. Akstar: 俺が現れたら驚くだろうが……。
  1832. それもまた一興か。
  1833.  
  1834. Akstar: まあ、こんな俺でも
  1835. 何か力になれるだろう……。
  1836.  
  1837. Akstar: なんなら
  1838. 剣の師匠にでもなってやるか……。
  1839.  
  1840. Sakura: おっ!
  1841. インビンシブルじゃ!
  1842. 迎えがきたようじゃぞ!
  1843.  
  1844. Mylo: みなさん!
  1845. よくぞご無事で!
  1846.  
  1847. Kunshira: 信じていました!
  1848. 絶対に生きているって!
  1849.  
  1850. エルマウル: 安心したぞ。
  1851. 星が救われても
  1852. お前たちがいなければ意味がない。
  1853.  
  1854. Ignacio: おーい!
  1855. 俺たちも生きてるぞ!
  1856.  
  1857. Citra: とうとう成し遂げたんだな。
  1858.  
  1859. Folka: 信じていました。
  1860. 必ずやってくれると。
  1861.  
  1862. Rain: さあ、帰ろう。
  1863.  
  1864. Lasswell: ああ。
  1865. みんなの元に……。
  1866.  
  1867. Rain: (こうして俺たちの戦いは終わった)
  1868.  
  1869. Rain: (だけど、これからの方がもっと大変だ)
  1870.  
  1871. Lasswell: (アルドールとヘスを導いていく。
  1872.  それは武器や魔法では
  1873.  解決できない戦いだ)
  1874.  
  1875. Rain: (きつい戦いになるだろうな)
  1876.  
  1877. Rain: (でも。やりがいがある)
  1878.  
  1879. Lasswell: (一生を懸けて
  1880.  やり抜く意味があることだ)
  1881.  
  1882. Rain: (やろうぜ、ラスウェル)
  1883.  
  1884. Lasswell: (ああ。レイン。
  1885.  俺たちで築いていこう。
  1886.  この星の未来を)
  1887.  
  1888. ========Part 15========
  1889.  
  1890. Mylo: みなさん。
  1891. どちらへ行かれていたのですか?
  1892.  
  1893. Lasswell: メーガス三姉妹の墓の隣に
  1894. ヘイグとマドラの墓を作ってきた。
  1895. 家族みんなで眠れるようにな。
  1896.  
  1897.  
  1898. Mylo: そうだったのですか。
  1899. 私はてっきり
  1900. 黙って旅に出てしまったのかと……。
  1901.  
  1902.  
  1903. Citra: ふっ。
  1904. なぜそう思った?
  1905.  
  1906.  
  1907. Mylo: 王は時折、剣を握っては
  1908. 懐かしそうに眺めていますから。
  1909.  
  1910.  
  1911. Mylo: 申し訳ありません。
  1912. ついそう思ってしまったのです。
  1913.  
  1914.  
  1915. Lasswell: はは。
  1916. それはないよ。
  1917. 俺にはやるべきことがあるからな。
  1918.  
  1919.  
  1920. Mylo: はい。
  1921. 失礼しました。
  1922. ラスウェル王。
  1923.  
  1924.  
  1925. Lasswell: マイロ。
  1926. 相談していたスラムの件は
  1927. どうなっている?
  1928.  
  1929.  
  1930. Mylo: 軍施設の建設予定はなくなりました。
  1931. 代わりに王が提案したように
  1932. 医療施設や学校を建設します。
  1933.  
  1934.  
  1935. Mylo: それに近隣地区の協力を仰ぎ
  1936. 治安と生活レベルの改善を行い
  1937. 脱スラム化を目指す計画を立てました。
  1938.  
  1939.  
  1940. Lasswell: そうか。
  1941. アトルとプリスも
  1942. きっと喜んでくれるだろう。
  1943.  
  1944. Mylo: とはいえ、まだ計画は始まったばかり。
  1945. これから問題が山ほど出てくるはずです。
  1946.  
  1947.  
  1948. Raegan: 俺もできる限りのことをしよう。
  1949. ラスウェル王の側近としてな。
  1950.  
  1951.  
  1952. Lasswell: ありがとうございます、父さん。
  1953. 本当に心強く思っています。
  1954.  
  1955.  
  1956. Lasswell: でも、いいんですか?
  1957. レインではなく俺の側にいて。
  1958.  
  1959. Raegan: ああ。
  1960. ヘスはユライシャの国だ。
  1961.  
  1962. Raegan: 親孝行をするには遅すぎるが、
  1963. 俺は母のために
  1964. この国に力を尽くしたいんだ。
  1965.  
  1966.  
  1967. Lasswell: わかりました。
  1968.  
  1969. Citra: 私はソフィアへの罪滅ぼしとして、
  1970. 王とレーゲンを支えていくつもりだ。
  1971. だから、私のことも存分に頼ってくれ。
  1972.  
  1973.  
  1974. Lasswell: ありがとう、シトラ。
  1975.  
  1976. Raegan: ラスウェル、一つ頼みがある。
  1977.  
  1978. Raegan: 国の再興に本格的に動き出す前に
  1979. 各地を回っておきたいんだ。
  1980.  
  1981. Raegan: 仲間たちの顔も見ておきたい。
  1982. 今後は会える機会も
  1983. 限られてくるだろうしな。
  1984.  
  1985.  
  1986. Lasswell: そうですね……。
  1987. 俺もみんなのことは
  1988. 気になっているので……。
  1989.  
  1990.  
  1991. Lasswell: わかりました、父さん。
  1992. みんなには
  1993. よろしく伝えておいてください。
  1994.  
  1995.  
  1996. Raegan: ああ。もちろんだ。
  1997.  
  1998. Lasswell: シトラも父さんに同行してくれ。
  1999.  
  2000. Citra: いいのか?
  2001.  
  2002. Lasswell: 最後の戦いのあと
  2003. いろいろとバタバタしていたからな。
  2004.  
  2005.  
  2006. Lasswell: 遠慮なく父さんと
  2007. 羽を伸ばしてきてくれ。
  2008.  
  2009.  
  2010. Citra: ふっ。
  2011. さすが王になった男だ。
  2012. 細やかな気遣いまでできるとはな。
  2013.  
  2014. Raegan: はは。そうだな。
  2015.  
  2016. Citra: 礼を言うぞ。
  2017. お前の言葉に甘え
  2018. レーゲンに同行するとしよう。
  2019.  
  2020.  
  2021. Raegan: では、行ってくる。
  2022.  
  2023. ========Part 16========
  2024.  
  2025. Citra: ザッハの復興は進んでいるようだな。
  2026.  
  2027. Reagan: ああ。
  2028. 街にも人が戻りつつあると聞いている。
  2029.  
  2030. Reagan: きっとクリムゾンも
  2031. 喜んでくれているだろう。
  2032.  
  2033. Citra: ふっ。
  2034. すごい盛り上がりようだな。
  2035.  
  2036. Reagan: ああ。
  2037. とてつもない人気らしいぞ。
  2038. あの旅芸人一座は。
  2039.  
  2040. シャムリン: さあさあ!
  2041. 今の芸はほんのご挨拶代わり!
  2042. 本当にすごいのはこれからですよ!
  2043.  
  2044. Nagi: これから皆様にお見せするのは
  2045. 我らが座長、ジークハルトの
  2046. 一世一代の大技だよ!
  2047.  
  2048. シャムリン: 一瞬もまばたきすることなく
  2049. とくとご覧あれ!!
  2050.  
  2051. Nagi: うわああああああ!
  2052.  
  2053. Nagi: 座長の前にいるのは
  2054. 凶暴なモンスターだあああ!
  2055.  
  2056. シャムリン: 大変だ!
  2057. このままでは座長は
  2058. モンスターに食べられてしまうぞ!
  2059.  
  2060. Nagi: 座長! 危ないよ!!
  2061. 早く逃げてええええ!
  2062.  
  2063. Sieghart: 心配無用だ。
  2064. なんの問題もない。
  2065.  
  2066. Sieghart: なぜなら……。
  2067.  
  2068. Sieghart: 俺の美しさは
  2069. モンスターも魅了する。
  2070.  
  2071. Sieghart: ふっ。
  2072. ナギ、シャムリン。
  2073. 今日の公演も大成功だな。
  2074.  
  2075. Nagi: うんうん!
  2076. 今晩もご馳走にありつけそう!
  2077.  
  2078. シャムリン: ご馳走もいいですけど
  2079. お客さんの笑顔を見ていると、
  2080. すごく良い気持ちになります。
  2081.  
  2082. Sieghart: 観衆を幸せにして
  2083. 俺たち自身も幸せになる。
  2084.  
  2085. Sieghart: どうだ?
  2086. こんな生き方は?
  2087.  
  2088. Nagi: うん!
  2089. すごくいい!
  2090.  
  2091. Reagan: 元気でやっているようだな。
  2092.  
  2093. Sieghart: レーゲン、観にきていたのか。
  2094. それなら、まずお代をいただこうか。
  2095.  
  2096. Citra: そ、そうか。
  2097. しっかりしてるんだな。
  2098.  
  2099. Sieghart: 当たり前だ。
  2100. 今はこれが俺たちの生業だからな。
  2101.  
  2102. Sieghart: 友人だろうが
  2103. もらうものはもらう。
  2104. 俺たち三人が生きていくために、な。
  2105.  
  2106. Citra: まあ、当然の話だな。
  2107. ほら、お代だ。
  2108.  
  2109. Sieghart: うむ。
  2110.  
  2111. シャムリン: ありがとうございます。
  2112.  
  2113. Reagan: それにしてもいいステージだった。
  2114. 観衆のみんなが笑顔になっていた。
  2115.  
  2116. Reagan: 何よりも驚いたのが
  2117. ナギとシャムリンが
  2118. 一番いい笑顔をしていたことだ。
  2119.  
  2120. Citra: 二人のあんな笑顔は
  2121. 今まで見たことがなかった。
  2122.  
  2123. Sieghart: そうか。
  2124. それは嬉しい言葉だな。
  2125.  
  2126. Reagan: ジークハルト、
  2127. これからはどうするつもりだ?
  2128.  
  2129. Sieghart: このまま全国を回るつもりだ。
  2130. 一座の芸人も次第に
  2131. 増えていくかもしれんな。
  2132.  
  2133. Nagi: うん!
  2134. 楽しみだね!
  2135.  
  2136. シャムリン: そのためにも
  2137. もっと頑張らないと!
  2138.  
  2139. Sieghart: 俺たちは芸で
  2140. この世界の人々を
  2141. 美しい笑顔にしていく。
  2142.  
  2143. Sieghart: お前たちも何か辛いことがあったら、
  2144. いつでも俺たちの芸を観にくるがいい。
  2145.  
  2146. Reagan: ああ。
  2147. 必ず行くよ。
  2148.  
  2149. Nagi: レーゲン……。
  2150. レインに会ったら伝えておいて。
  2151.  
  2152. Nagi: もっと芸を磨いて、
  2153. いつか必ずレインの前で披露するから。
  2154.  
  2155. Nagi: そのときを楽しみに待っていてねって。
  2156.  
  2157. Reagan: わかった。
  2158. 伝えておこう。
  2159.  
  2160. Sieghart: そうだ、レーゲン。
  2161.  
  2162. Sieghart: なんだかんだ言っても
  2163. お前にはずいぶんと
  2164. 世話になったからな。
  2165.  
  2166. Sieghart: そのお礼と言ってはなんだが……。
  2167.  
  2168. Sieghart: 俺たち旅芸人の名前を、
  2169. 愉快なレーゲン一座に
  2170. しようと思うのだが……。
  2171.  
  2172. Citra: なんでそうなる。
  2173.  
  2174. Reagan: い、いや……。
  2175. それは遠慮しておくよ。
  2176.  
  2177. Sieghart: そうか。
  2178. まあ、あまり美しい名でもないしな。
  2179. それならそれで構わない。
  2180.  
  2181. Sieghart: お互いに美しく生きていこう。
  2182. 俺たちが守ったこの世界で。
  2183.  
  2184. Reagan: ああ。
  2185. また会おう。
  2186.  
  2187. ========Part 17========
  2188.  
  2189. Citra: フォルカはいないようだな。
  2190.  
  2191. Citra: レーゲン、
  2192. 行先に心当たりはあるか?
  2193.  
  2194. Reagan: ああ。
  2195. 帰ったんだな。あの場所に。
  2196.  
  2197. Citra: あの場所?
  2198. ……そうか、あそこか。
  2199.  
  2200.  
  2201. Citra: それなら、
  2202. また会える機会はあるかもしれん。
  2203.  
  2204. Reagan: そうだな。
  2205.  
  2206. Citra: ……。
  2207.  
  2208. Citra: ……フォルカ。精一杯生きろよ。
  2209.  
  2210. Folka: 過去の行いを消すことはできない。
  2211. でも……それでも私は……。
  2212.  
  2213.  
  2214. Folka: え?
  2215.  
  2216. Girls: あっ! 私、わかった!
  2217.  
  2218. Girls: 初代の巫女さまに似てるのよ!
  2219. 絵で見たことがあるの!
  2220.  
  2221. Boys: お姉さん、巫女さまって知ってる?
  2222.  
  2223. Folka: ええ。
  2224. 知っていますよ。
  2225.  
  2226. Girls: すごい力を持ってて
  2227. この街を作ってくれたの!
  2228.  
  2229. Boys: そのあともいろんな災害から
  2230. みんなを助けてくれたんだよ!
  2231.  
  2232. Folka: ……。
  2233.  
  2234. Girls: うん。
  2235. やっぱり巫女さまにそっくり!
  2236.  
  2237. Boys: もしかしてお姉さんって
  2238. ホントに巫女さまなの?
  2239.  
  2240. Folka: いいえ。
  2241. 私はただの人間ですよ。
  2242.  
  2243. Boys: なんだ、そうなんだ。
  2244.  
  2245. Boys: でも、お姉さん、優しそうだから
  2246. 巫女さまじゃなくてもいいや!
  2247.  
  2248. Girls: お姉さんはこの街になんできたの?
  2249. 観光?
  2250.  
  2251. Folka: いいえ、違いますよ。
  2252.  
  2253. Folka: 私はこの街で
  2254. 暮らしたいと思ってきたのです。
  2255.  
  2256. Folka: できればずっと……。
  2257. この土地に骨を
  2258. 埋めることができたら、と。
  2259.  
  2260. Boys: お姉さん、オルデリオンに住むの?
  2261. じゃあ、毎日一緒に遊べるね!
  2262.  
  2263. Folka: ええ。
  2264. そうですね。
  2265.  
  2266. Girls: やったやったー!
  2267.  
  2268. Boys: じゃあ、ボクたちが
  2269. この街を案内してあげるよ!
  2270.  
  2271. Girls: お姉さん、ついてきてー!
  2272.  
  2273. Folka: あの薬を飲んだせいで、
  2274. 私は不老不死ではなくなった。
  2275.  
  2276. Folka: この街を永遠に見守ることは
  2277. 私にはもうできません。
  2278.  
  2279. Folka: ですが……。
  2280.  
  2281. Folka: その代わりに
  2282. この街の人と一緒に
  2283. 生きていくことができる。
  2284.  
  2285. Folka: 私のできることを精一杯やって、
  2286. 老いて死んでいくことができる。
  2287.  
  2288. Folka: それってなんて
  2289. 素敵なことなんでしょう。
  2290.  
  2291. Boys: お姉さん!
  2292. 早く早く!
  2293.  
  2294. Folka: はい。
  2295. 今行きますね。
  2296.  
  2297. Boys: ねえねえ、お姉さん!
  2298. お姉さんって誰かに似てない!?
  2299.  
  2300. ========Part 18========
  2301.  
  2302. Mido: こら、イーゴ!
  2303. 私のスカートを
  2304. また勝手にはいたでしょ!
  2305.  
  2306. Yego: だ、だって……。
  2307. すごく可愛かったから……。
  2308.  
  2309. Mido: それなら貸してって
  2310. 私に言えばいいのに!
  2311.  
  2312. Yego: いや、言ったら貸してくれないはずだ!
  2313.  
  2314. Mido: それはあなたが
  2315. 私のお気に入りのブラウスを
  2316. 臭い息まみれにしちゃったからよ!
  2317.  
  2318. Yego: 私のせいじゃない!
  2319. あれはチビモルボルのせいで……。
  2320.  
  2321. Cid: 喧嘩はそこまでだ。
  2322. いい加減に仲直りしろ。
  2323.  
  2324. Mido: でも父さん、
  2325. イーゴが悪いんだよ?
  2326.  
  2327. Yego: ミドが怒り過ぎなんだ。
  2328.  
  2329. Cid: わかったわかった。
  2330. じゃあ、二人に
  2331. 新しいスカートを作ってやる。
  2332.  
  2333. Cid: それで問題ないだろ?
  2334.  
  2335. Mido: やったー!
  2336. 父さん、大好き!
  2337.  
  2338. Yego: 私も大好き!
  2339.  
  2340. Mido: ねえ、イーゴ!
  2341. じゃあ生地を探しに街まで行こうよ。
  2342.  
  2343. Yego: うん。
  2344. 私、この前、
  2345. 素敵なお店を見つけたんだ。
  2346.  
  2347. Mido: さすが、イーゴね。
  2348.  
  2349. Citra: 娘に甘過ぎるんじゃないか、シド。
  2350.  
  2351. Cid: おお!
  2352. レーゲン、シトラ!
  2353.  
  2354. Reagan: 楽しくやってるようだな。
  2355.  
  2356. Cid: まあ、見ての通りだ。
  2357. 姉妹のパワーに圧倒される毎日だよ。
  2358. それはそれで幸せなんだがな。
  2359.  
  2360. Reagan: 頼まれていたものを持ってきた。
  2361.  
  2362. Reagan: これが最後の原初の雫だ。
  2363.  
  2364. Cid: これを飲めば不老不死では
  2365. なくなるんだな。
  2366.  
  2367. Reagan: ああ。
  2368. あるべき姿に戻るからな。
  2369.  
  2370. Cid: だが、本当にいいのか?
  2371. 原初の雫はこれで最後なんだろ?
  2372.  
  2373. Reagan: ああ。クンシラによると
  2374. 原初の雫の花は
  2375. 消えてしまったらしい。
  2376.  
  2377. Reagan: もしかしたらあの花は
  2378. パラデイアの危機にだけ
  2379. 咲くものだったのかもな。
  2380.  
  2381. Citra: ミドはお前に会うために
  2382. 不老不死の身となり
  2383. 一人で何百年も耐えてきたんだ。
  2384.  
  2385. Citra: 最後の雫を使う資格はある。
  2386.  
  2387. Cid: ありがとう。
  2388.  
  2389. Cid: ミドだけが不老不死だなんて
  2390. そんな不幸なことはない。
  2391.  
  2392. Cid: イーゴの体内の爆弾も
  2393. エルマウルの力で無事に摘出できた。
  2394.  
  2395. Cid: これで俺たち家族は
  2396. 共に生きていくことができる。
  2397.  
  2398. Reagan: だが、共に生きられるのは
  2399. 二人の娘が嫁ぐまでの間だぞ。
  2400.  
  2401. Citra: ふっ。
  2402. 娘はいつか巣立っていくものだ。
  2403.  
  2404. Cid: それなら心配は無用だ。
  2405. あの二人を嫁がせる気はない。
  2406.  
  2407. Reagan: お、おいおい……。
  2408.  
  2409. Cid: はっはっは。
  2410. 冗談に決まってるだろ。
  2411.  
  2412. Cid: レーゲン。
  2413. お互いこれからも
  2414. 子供たちを支えていこうな。
  2415.  
  2416. Reagan: ああ。シド。
  2417.  
  2418. ========Part 19========
  2419.  
  2420. Ignacio: うーむ……。
  2421.  
  2422. Ignacio: むむむむむ……。
  2423.  
  2424. Ignacio: むーん……。
  2425.  
  2426. Citra: ずいぶんと難しい顔をしているな。
  2427.  
  2428. Ignacio: よう、お前ら!
  2429. 久しぶりじゃねえか!
  2430.  
  2431. Citra: しかし、まさかお前が
  2432. 彫刻家になるとはな。
  2433.  
  2434. Reagan: ああ。
  2435. 最初に聞いたときは
  2436. さすがに驚いたぞ。
  2437.  
  2438. Ignacio: これからは
  2439. 武器を振り回したりする時代じゃねえ。
  2440.  
  2441. Ignacio: なら、俺だって
  2442. 新しいことを始めてみないと
  2443. これからの世の中で生きられねえだろ。
  2444.  
  2445. Ignacio: だが、彫刻家は大当たりだったぜ。
  2446. 楽しくて仕方がない。
  2447.  
  2448. Reagan: それにしては
  2449. ずいぶんと唸っていたな。
  2450.  
  2451. Ignacio: それは生みの辛さってやつだ。
  2452. 納得のいくものができなけりゃ
  2453. うんうん唸りたくもなるってもんだ。
  2454.  
  2455. Reagan: カガネの彫像か……。
  2456.  
  2457. Ignacio: ああ。
  2458. だが、まだまだダメだ。
  2459.  
  2460. Ignacio: 満足のいくものは
  2461. 一つも作れちゃいねえ。
  2462.  
  2463. Ignacio: ヴラドが死んだ以上、
  2464. カガネの魂も解放されたはずだ。
  2465.  
  2466. Ignacio: だがよ、その解放された魂は
  2467. どこに行くんだろうな……。
  2468.  
  2469. Ignacio: だから、
  2470. 俺はカガネの像を彫ってるんだ。
  2471.  
  2472. Ignacio: 満足のいく像が彫れたら
  2473. そこにカガネの魂が
  2474. 宿るような気がしてな。
  2475.  
  2476. Citra: そうか……。
  2477.  
  2478. Ignacio: この命が尽きるまでに
  2479. 必ず完成させてみせるさ。
  2480.  
  2481. Ignacio: 不老不死じゃないから
  2482. 永遠に彫っているわけにもいかねえ。
  2483.  
  2484. Reagan: イグニシオ。
  2485. そんな顔をするお前は初めて見た。
  2486.  
  2487. Ignacio: そうか?
  2488.  
  2489. Citra: ああ、いい顔をしている。
  2490. 戦っていたときよりも
  2491. ずっといい顔だ。
  2492.  
  2493. Ignacio: はは。
  2494. そんなこと言われると照れるぜ。
  2495.  
  2496. Ignacio: で、今日はゆっくりできるんだろ?
  2497. うまい酒と飯があるぜ。
  2498.  
  2499. Reagan: 俺たちもそうしたいが、
  2500. まだ行く場所が残っていてな。
  2501.  
  2502. Ignacio: そっか……。
  2503. ならまた次の機会だな。
  2504.  
  2505. Reagan: ああ。
  2506. また会おう。
  2507.  
  2508. ========Part 20========
  2509.  
  2510. Nichol: レイン。
  2511. 提案通り軍の縮小を実行しましたが
  2512. 上層部からかなりの反発があります。
  2513.  
  2514. Nichol: 放っておけば
  2515. クーデターを起こしかねないかと。
  2516.  
  2517. Sakura: レイン!
  2518. それよりも問題はこっちじゃ!
  2519.  
  2520. Sakura: 奴隷として
  2521. 強制労働させられていた人々は
  2522. すべて解放した!
  2523.  
  2524. Sakura: じゃが、その煽りで
  2525. 国の生産性が激減したのじゃ!
  2526. 衣食住すべてが不足しておる!
  2527.  
  2528. Nichol: いかがいたしますか、レイン王。
  2529.  
  2530. Sakura: なんとかしないとまずいぞ!
  2531. レイン王よ!
  2532.  
  2533. Rain: 頼るときにだけ
  2534. 王と呼ぶのはやめてくれ……。
  2535.  
  2536. Rain: 今聞いた問題は
  2537. すべて事前に識者と会合済みだ。
  2538.  
  2539. Rain: いくつかの策も用意し、
  2540. すでに動いているはずだ。
  2541. もう少し動向を見守ろう。
  2542.  
  2543. Nichol: そうでしたか。
  2544. 私たちもすべての会合に
  2545. 出席できるわけではありませんからね。
  2546.  
  2547. Sakura: すまんかったのう。
  2548. 少し取り乱してしまった。
  2549.  
  2550. Rain: いや、二人は本当に
  2551. よくやってくれているよ。
  2552. ありがとう。
  2553.  
  2554. Rain: 父さん、シトラ。
  2555. ごめん、気づかなかったよ。
  2556.  
  2557. Citra: 気にすることはない。
  2558.  
  2559. Citra: 王としての仕事が
  2560. 山積みのようだな。
  2561.  
  2562. Reagan: レイン、すまない……。
  2563.  
  2564. Rain: 謝らなくていいぜ、父さん。
  2565. 俺にはニコルもサクラもいる。
  2566.  
  2567. Rain: 父さんは
  2568. ラスウェルの力になってやってくれ。
  2569.  
  2570. Reagan: わかった。
  2571.  
  2572. Rain: シトラも父さんを頼む。
  2573.  
  2574. Citra: ああ、任せてくれ。
  2575.  
  2576. Reagan: そういえば
  2577. フィーナの姿が見えないな。
  2578.  
  2579. Rain: ああ。
  2580. フィーナなら
  2581. グランシェルトにいるはずだ。
  2582.  
  2583. Reagan: そうだったのか。
  2584. 俺はてっきりフィーナとお前は……。
  2585.  
  2586. Reagan: いや、野暮なことは言うまい。
  2587.  
  2588. Rain: ふっ。
  2589. 変な父さんだな。
  2590.  
  2591. Reagan: これ以上、邪魔してはいけないな。
  2592. 俺たちはそろそろ行くとしよう。
  2593.  
  2594. Sakura: 姉さん。元気でのう。
  2595. また今度、遊びに行くわい。
  2596.  
  2597. Citra: ああ。
  2598. キャンディを用意しておくよ。
  2599.  
  2600. Citra: もしよければ
  2601. ニコルも一緒に遊びにきてくれ。
  2602.  
  2603. Nichol: ええ。
  2604. 喜んで伺いますよ。
  2605.  
  2606. Nichol: 今回の戦いのことで
  2607. 聞いておきたいことが
  2608. たくさんありますから。
  2609.  
  2610. Citra: そうか。
  2611. 旅の記録を記していたのだったな。
  2612. 出版でも考えているのか?
  2613.  
  2614. Nichol: そうですね。
  2615. 私たちの軌跡を世の人々に
  2616. 知ってもらうのもいいかもしれません。
  2617.  
  2618. Nichol: 悲劇を繰り返さないためにも。
  2619.  
  2620. Citra: いつでも声をかけてくれ。
  2621. 私にできることはなんでも協力する。
  2622.  
  2623. Nichol: ええ。
  2624. ありがとうございます、シトラ。
  2625.  
  2626. Reagan: レイン……。
  2627.  
  2628. Rain: え?
  2629.  
  2630. Reagan: しっかりな。
  2631.  
  2632. Rain: ああ。
  2633.  
  2634. Rain: どんなに困難でもやり遂げてみせるさ。
  2635.  
  2636. Rain: グランシェルトの騎士として。
  2637.  
  2638. Reagan: フッ。
  2639. そうだな……。
  2640.  
  2641. ========Part 21========
  2642.  
  2643. Lid: うーん!
  2644. 青い空! 轟くエンジン音!
  2645. やっぱり飛空艇は最高ね!
  2646.  
  2647. Jake: いいや、リドちゃん。
  2648. 世の中には飛空艇よりも
  2649. 最高なものがあるんだぜ?
  2650.  
  2651. Lid: 何よそれ?
  2652.  
  2653. Jake: それはな、
  2654. 飛空艇に乗ってるときの
  2655. リドちゃんの幸せそうな顔だ。
  2656.  
  2657. Jake: こんなに最高なものは他にない。
  2658.  
  2659.  
  2660. Lid: も、もう!
  2661. ジェイクったら……。
  2662.  
  2663.  
  2664. Jake: ははは。
  2665. 俺、こんなに幸せでいいのかな。
  2666.  
  2667. Jake: ようやくリドちゃんも
  2668. ハンマーを使わないように
  2669. なってくれたしな。
  2670.  
  2671. Lid: それはアタシが変わったというよりも
  2672. ジェイクが他の女の子に
  2673. 目移りしなくなったからじゃない?
  2674.  
  2675. Jake: そりゃあそうさ。
  2676. リドちゃんみたいな可愛い子と
  2677. ずっといるんだからな。
  2678.  
  2679. Jake: 目移りなんかしてる暇はないさ。
  2680.  
  2681. Lid: ジェイク……。
  2682.  
  2683. Citra: む……。
  2684. 甲板は風が強いな。
  2685.  
  2686. Jake: ぬほおおおお!?
  2687. 風でシトラちゃんの服が
  2688. めくれ上がって……。
  2689.  
  2690. Lid: ジェイク、何見てんのよ!
  2691.  
  2692. Lid: そうなの。
  2693. 結局、なんにも変わらず。
  2694.  
  2695.  
  2696. Lid: アタシもジェイクも
  2697. 今の関係がちょうどいいのかもね。
  2698.  
  2699.  
  2700. Citra: お前たちはまだ若い。
  2701. 何も焦る必要はないさ。
  2702.  
  2703.  
  2704. Lid: うん。
  2705.  
  2706.  
  2707. Jake: リドちゃん……。
  2708. 自然の流れのままにもいいけど
  2709. そろそろ舵を取らなきゃやばくない?
  2710.  
  2711.  
  2712. Jake: このまま流れにまかせると
  2713. あのでかい山に激突しそうなんだけど。
  2714.  
  2715. Lid: ひ、ひええええええ!
  2716. 緊急回避!
  2717.  
  2718. Jake: って、言ってはいるものの……。
  2719.  
  2720.  
  2721. Jake: いつでもプロポーズできる準備は
  2722. できているんで。
  2723. そこは心配しなくても大丈夫さ。
  2724.  
  2725. Reagan: そうか。
  2726. それはよかった。
  2727.  
  2728. Jake: ぐはっ!
  2729. 久し振りのハンマーツッコミ!
  2730.  
  2731. Lid: アタシもそう思ってる。
  2732. あとは自然の流れのままに……。
  2733. ってね。
  2734.  
  2735.  
  2736. Reagan: ふっ。
  2737. お前たちは変わらないな。
  2738.  
  2739. ========Part 22========
  2740.  
  2741. Fina: みんな、元気にしてるんですね。
  2742. 安心しました。
  2743.  
  2744. Reagan: ああ。
  2745.  
  2746. Reagan: レインとラスウェルは
  2747. 王としての仕事に追われているが
  2748. 充実した日々を過ごしているよ。
  2749.  
  2750. Fina: そうですか……。
  2751.  
  2752. Citra: フィーナ、どうしたんだ?
  2753. 少し寂しそうだが。
  2754.  
  2755. Fina: ……う、うん。
  2756.  
  2757. Fina: ちょっと約束があったんだけど
  2758. 二人とも
  2759. それどころじゃないみたいなんで……。
  2760.  
  2761. Citra: 約束?
  2762.  
  2763. Fina: あ、気にしないでください。
  2764. そんな大事な約束じゃないし。
  2765. だから、全然大丈夫です。
  2766.  
  2767. Citra: そうか。
  2768. ならいいのだが。
  2769.  
  2770. Faisalith: ……。
  2771.  
  2772. Citra: ファイサリスは
  2773. ラピスでの生活に慣れたか?
  2774.  
  2775. Faisalith: は、はい!
  2776.  
  2777. Faisalith: みんな、すごく優しいので
  2778. 楽しくやっています。
  2779.  
  2780. Faisalith: グランシェルトにきてから
  2781. 新しい友だちもたくさん増えました!
  2782.  
  2783. Reagan: それはよかったな。
  2784.  
  2785. Guri: その調子で
  2786. 新しい仕事も見つけないとね。
  2787. いつまでも無職はダメよ。
  2788.  
  2789. Faisalith: そ、その話は今はしないで!
  2790.  
  2791. Reagan: よかったら
  2792. 騎士の仕事を紹介しようか。
  2793.  
  2794. Faisalith: ホントですか!
  2795.  
  2796. Reagan: ああ。
  2797. ファイサリスなら歓迎されるはずだ。
  2798.  
  2799. Faisalith: 嬉しい!
  2800. 私、あれを一度
  2801. 言ってみたかったんです!
  2802.  
  2803. Reagan: ……言ってみたかった?
  2804.  
  2805. Faisalith: 私は情の力を信じる!
  2806. 1人の命も100人の命も
  2807. 守ってみせる!
  2808.  
  2809. Faisalith: グランシェルトの騎士として!
  2810.  
  2811. Faisalith: どう、グリ!?
  2812.  
  2813. Guri: いいんじゃない。
  2814. ラスウェルとレインへの
  2815. リスペクトも感じるわ。
  2816.  
  2817. Faisalith: ふふ。
  2818. フィーナはどう思う?
  2819.  
  2820. Fina: ……。
  2821.  
  2822. Faisalith: フィーナ……。
  2823.  
  2824. Fina: !?
  2825.  
  2826. Fina: ご、ごめんね。
  2827. ちょっとボーっとしちゃって。
  2828.  
  2829. Faisalith: あのね、フィーナ。
  2830. 留守番なら私にまかせて。
  2831.  
  2832. Fina: え?
  2833.  
  2834. Faisalith: だから、行っておいでよ。
  2835.  
  2836. Fina: で、でも……。
  2837.  
  2838. Reagan: なんの話だ?
  2839.  
  2840. Faisalith: さっきの約束の相手は、
  2841. レインとラスウェルなんです。
  2842.  
  2843. Faisalith: 今日だったよね?
  2844. 二人と待ち合わせしているのは。
  2845.  
  2846.  
  2847. Fina: そうだけど……。
  2848.  
  2849. Fina: でも、レインとラスウェルは
  2850. 王様の仕事で忙しいだろうし……。
  2851. きっとくるのは難しいと思う……。
  2852.  
  2853. Faisalith: そんなの行ってみなきゃわからないよ。
  2854.  
  2855. Faisalith: それにレインとラスウェルが
  2856. フィーナとの約束を
  2857. 破ったりするわけないって。
  2858.  
  2859. Fina: ……うん。
  2860.  
  2861. Fina: わかった。
  2862. 行ってみる……。
  2863.  
  2864. Reagan: そうだな。
  2865. そうした方がいい。
  2866.  
  2867. Reagan: レインに会ったら
  2868. よろしく伝えておいてくれ。
  2869.  
  2870. Fina: はい。
  2871.  
  2872. Guri: 大丈夫かしら……。
  2873.  
  2874. Citra: そうだな……。
  2875. 今の二人の立場と激務からすると
  2876. そう簡単に外出ができるとは思えん。
  2877.  
  2878. Citra: どちらか一人でもきてくれれば……。
  2879. というところかもしれん。
  2880.  
  2881. Reagan: ……。
  2882.  
  2883. Faisalith: 大丈夫。
  2884. 私は信じてる。
  2885. なんの根拠もないけど信じてる。
  2886.  
  2887. Faisalith: だから、留守は私に任せてね。
  2888. フィーナ。
  2889.  
  2890. Fina: やっぱりいない……。
  2891.  
  2892. Fina: 約束したのは今日で間違いないけど……。
  2893.  
  2894. Fina: そうだよね……。
  2895. レインもラスウェルも
  2896. 今が一番大事なときだもんね……。
  2897.  
  2898. Fina: 三人で旅に出るなんて無理だよね……。
  2899.  
  2900. Fina: ……仕方ない。
  2901. ……仕方ないよ。
  2902.  
  2903. Fina: でも、寂しいな……。
  2904.  
  2905. Fina: わかってたことだけど……。
  2906. すごく寂しい……。
  2907.  
  2908. Fina: もう三人でいられないなんて……。
  2909.  
  2910. Fina: ううん。
  2911. そうじゃない。そうじゃないよ。
  2912.  
  2913. Fina: これでいいの……。
  2914.  
  2915. Fina: 世界はレインとラスウェルを
  2916. 必要としているんだから……。
  2917.  
  2918. Rain: フィーナ。
  2919. なんで寂しそうな顔をしてるんだ?
  2920.  
  2921. Fina: えっ?
  2922.  
  2923. Rain: 俺たちが今日のことを
  2924. 忘れたと思ったのか?
  2925.  
  2926. Lasswell: 忘れるわけないだろう。
  2927. 俺たちがフィーナとの約束を。
  2928.  
  2929. Fina: レイン、ラスウェル……。
  2930.  
  2931. Fina: きて……くれたんだ……。
  2932.  
  2933. Rain: なんだよ、何泣いているんだ?
  2934.  
  2935. Rain: おいおい。
  2936. 本当に俺たちが
  2937. こないと思っていたのか?
  2938.  
  2939. Fina: ううん。
  2940. そんなことないよ。
  2941.  
  2942. Fina: 二人なら
  2943. 必ずきてくれるって信じてた。
  2944.  
  2945. Fina: でも、大丈夫なの?
  2946. 王様の仕事の方は……。
  2947.  
  2948. Lasswell: 約束のことを話したら
  2949. みんな、快く送り出してくれたよ。
  2950.  
  2951. Lasswell: いや、逆にマイロに怒られた。
  2952. 絶対に行かないとダメだって。
  2953.  
  2954. Rain: もちろん、王の仕事は大事さ。
  2955. でも、それと同じくらいに
  2956. 大切にしないといけないものがある。
  2957.  
  2958. Lasswell: 俺たちの周りにいる人たちは
  2959. みんな、そのことをよくわかってるよ。
  2960.  
  2961. Rain: それじゃ、どこに行く?
  2962. フィーナ。
  2963.  
  2964. Fina: うーん。
  2965. うーん、と……。
  2966.  
  2967. Fina: どうしようかな……。
  2968.  
  2969. Fina: ……。
  2970.  
  2971. Fina: じゃ、クリスタルの神殿を探しに!
  2972.  
  2973. Lasswell: いや、クリスタルの神殿は
  2974. もうみんな壊れてしまっただろ?
  2975.  
  2976. Fina: じゃ、神殿みたいなものを探しに!
  2977.  
  2978. Rain: みたいなものって……。
  2979.  
  2980. Rain: はは。
  2981. まあ、だったらどこでもいいか……。
  2982.  
  2983. Fina: うん!
  2984. どこでもいい!
  2985. 行ったことのない場所を冒険できれば!
  2986.  
  2987. Lasswell: 冒険か……。
  2988. まだ残っているかな。
  2989. そんなことができる場所が。
  2990.  
  2991. Rain: そんな心配はいらないって。
  2992. 世界は広いんだ。
  2993.  
  2994. Rain: 俺たちの知らないところは
  2995. まだまだいくらでもあるさ。
  2996.  
  2997. Lasswell: そうだな。
  2998.  
  2999. Lasswell: じゃ、とりあえずチョコボで走るか。
  3000.  
  3001. Rain: ああ。
  3002. 行けるところまで突っ走ろうぜ。
  3003.  
  3004. Rain: フィーナ、それでいいか?
  3005.  
  3006. Fina: うん!
  3007.  
  3008. Fina: 行こう!
  3009. どこまでも、 三人で!
  3010.  
  3011. Rain: ああ!
  3012.  
  3013. Lasswell: よし!
  3014.  
  3015. Fina: (私たちの長い旅は
  3016.  こうして一つの区切りを迎えたの)
  3017.  
  3018. Fina: (でも、それはまた
  3019.  次の冒険の始まりなんだと思う)
  3020.  
  3021. Fina: (レインとラスウェルと私……。
  3022.  三人の物語は終わらない)
  3023.  
  3024. Fina: (そう。終わらないの)
  3025.  
  3026. Fina: (このどこまでも広がる
  3027.  青い空と緑の草原のように……)
  3028.  
  3029. Fina: (いつまでも。ずっと……)
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