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- Transcript: Chapter 10 / The End
- * CTRL+F: Opening / Part 1 ~ Part 22 (Last)
- ========Opening========
- Vlad: 孤高なる魂の極み……。
- それがこの姿だ。
- Vlad: 私は人の領域を超えた。
- 個にして全。唯一にして絶対。
- Vlad: 私こそが世界となったのだ。
- Vlad: さあ、剣を抜け。魔法を唱えよ。
- お前たちから戦いの意志が消えぬことは
- よくわかっている。
- Vlad: ある意味、お前たちは
- 私から孤独を忘れさせてくれた。
- Vlad: 忌々しく思いつつも、
- 退屈しのぎにはなった。
- Vlad: だが、もう終わりにするときだ。
- Rain: ……くっ。
- Lasswell: ……これがヴラドの正体なのか。
- Jake: ウェポンよりもでかいとはな……。
- はは……。
- これはもう笑うしかないぜ。
- Lid: こんなバケモノに勝てるの?
- アタシたち……。
- Guri: 勝てるっていうか……。
- そもそもどうやって戦うのよ。
- あんな大きなのを相手に……。
- Faisalith: グリ、弱気はダメ!
- ここまできたらやるしかないって!
- Faisalith: だから!
- グリ、震えている場合じゃないよ!
- Guri: 違うって!
- 震えてるんじゃないの!
- グランドールが揺れているのよ!
- Faisalith: え?
- Faisalith: ホントだ。
- 私もすごい揺れてる。
- Lasswell: まずいな。
- グランドールが
- 崩壊するのかもしれない。
- Faisalith: え?
- だったらすぐに脱出しないと。
- Rain: 待ってくれ。
- もう一人のフィーナがいないぞ。
- Rain: どこに行ったんだ?
- Fina: ……。
- Rain: アクスターが消えたことと
- 何か関係があるのか?
- Fina: 二人はもう行ったの。
- 役目を終えたから。
- Rain: え?
- Fina: 二人は運命を変えてくれた……。
- Fina: だから、これからは私たちが
- 新しい未来を作っていかないと。
- Fina: 二人の全てを賭けた思いを
- 無駄にしないように……。
- Lasswell: ……。
- Rain: ……。
- Lid: フィーナ……。
- それってどういうこと?
- Rain: わかった……。
- 詳しい話はあとで聞かせてくれ。
- 今はここから脱出しないと。
- Fina: うん。
- ========Part 1========
- Lasswell: ここは研究室のようだな。
- Sieghart: む?
- これは……確か……。
- Citra: ジークハルト。
- 物を漁っている暇はないぞ。
- 早くここから脱出しなければ。
- Sieghart: ああ。わかっている。
- Fina: きゃっ!
- Rain: 大丈夫か、フィーナ?
- Lasswell: 怪我はないか?
- Fina: うん。
- 大丈夫だよ。
- Fina: ふふっ。
- Rain: どうしたんだ?
- こんな状況なのに
- 何か笑えることでもあったのか?
- Fina: こんな大ピンチなのにおかしいよね。
- Fina: レインとラスウェルが
- ずっと側にいてくれるだけで、
- 私、なんだか嬉しくって……。
- Lasswell: ああ。
- その気持ちはなんとなくわかるな。
- Fina: でも、私たち三人が
- 一緒に戦えるのって
- きっとこれが最後だよね……。
- Rain: ああ。
- 戦いはもうこれで終わりにしないと。
- Fina: うん……。
- そうだよね……。
- Fina: ……。
- Fina: 戦いは好きじゃなかったけど、
- 三人で冒険できなくなるのは
- 寂しいな……。
- Rain: ん?
- なんか言ったか、フィーナ。
- Fina: ううん。
- なんでもない。
- Fina: 戦いを終わらせなくちゃね。
- パラデイアのためにも。
- 私たちのためにも。
- ========Part 2========
- Lasswell: あったぞ!
- 移送ゲートだ!
- Rain: よし!
- ここから地上に戻れるはずだ!
- Lid: まかせて!
- すぐに装置を動かすから!
- Faisalith: きゃっ!
- Jake: リドちゃん!
- 焦らせるつもりはないが
- 超特急でよろしく頼むぜ!
- Lid: わかってるってば!
- 集中してるから黙ってて!
- Sieghart: ここで果てたのなら
- 俺は真の意味で
- 夜空に光り輝く星となるわけだ。
- Sieghart: そんな終わり方も
- 美しいかもしれないな。
- Citra: お前も黙っていろ、ジークハルト。
- Lid: オッケー!
- 間に合った!
- みんな、急いで!
- King Yashuka: な、なんだ……あれは……。
- King パルテ: 空から巨大なものが降りてくる……。
- King パルテ: あれは人なのか?
- King Yashuka: なんという禍々しさだ……。
- Whyt: 怖いよ、怖いよ……。
- 怖いのがこっちにくるよ……。
- Whyt: どうしよう! どうしよう!
- ポーチカたちどうすればいいの!?
- Potchi: みんな家の中に入って
- 扉にしっかり鍵をかけて!
- Potchi: 家から絶対に出ちゃダメだよ!
- 家の外は危ないからね!
- 怯える人々: 終わりだ!
- この世の終わりが空から降ってきた!
- 怯える人々: 早く逃げなくちゃ!
- 怯える人々: だ、だけど……。
- あんなものから
- どうやって逃げるってんだよ!?
- 怯える人々: 逃げ場なんてない……。
- 終わりだ……。
- もう……何もかも……。
- Vlad: 讃えよ、民よ。
- 真の平和をもたらす神を。
- Vlad: 歓喜せよ、民よ。
- お前たちの無価値な魂を
- この手で刈り取ってくれよう。
- Vlad: 受け入れるがいい。
- 拒めば苦しみしか残らぬ。
- Vlad: 私はヴラド。
- お前たちに等しく死を与えよう。
- Vlad: 私はこの星の最後の一人となるのだ。
- Rain: ヴラドは人間を全て滅ぼすつもりだ。
- Lasswell: なんとしても阻止するぞ。
- Cid: だが、どうやって戦えばいい……。
- あんなでかい奴を相手に……。
- Lid: みんな、あれを見て!
- 飛空艇がヴラドに向かってる!
- Nichol: アルドール軍と
- ヘスの子の飛空艇ですね。
- Child of Hess: 装填でき次第、全砲弾を放て!
- 指示を待つ必要はない!
- Child of Hess: 目標の状態は!?
- Child of Hess: ダメージを確認できません!
- まるで無傷です!
- Child of Hess: アルドール軍の攻撃も
- 一切、効果はないようです……。
- Child of Hess: 怯むな!
- 砲弾が尽きるまで攻撃を続けろ!
- Child of Hess: 待ってください!
- 目標から何か光が……。
- Child of Hess: う、うわぁぁぁぁぁぁ!
- Lid: そ、そんな……。
- Jake: 全滅かよ……。
- Citra: 砲撃も全く効いていなかったぞ。
- Ignacio: くっ……。
- どうすれば奴を倒せるんだ。
- Rain: あいつの頭部にクリスタルがある。
- 見えるか?
- Lasswell: ああ。
- 確かに確認できるな。
- Rain: ずっと気になっていたんだ。
- あいつは魂を
- 複製するって言ってたけど……。
- Rain: だったら、
- オリジナルの魂はどこにあるんだ?
- Fina: 魂を保存するのなら
- クリスタルしかないと思う。
- Lasswell: ということは……。
- あの頭部のクリスタルに……。
- Rain: ヴラドのオリジナルの魂がある。
- 絶対にそうだ。
- Sakura: つまりじゃ。
- あのクリスタルを壊してしまえば……。
- Nichol: 魂の複製はもうできない……。
- これは勝算が出てきましたね。
- Mylo: よかった!
- やはり無事に脱出できたんですね!
- Lasswell: マイロ!
- お前も無事だったか!
- Mylo: はい!
- インビンシブル号で
- みなさんのことを探していたんです!
- Mylo: みなさんは絶対に
- 生き延びていると信じていましたから。
- Fina: ありがとう、マイロ。
- Rain: そうか。
- インビンシブル号があるのなら、
- すぐに反撃ができるぞ。
- Mylo: ヴラドはかつてない
- 最強の敵となりました。
- それでも諦めていないのですね。
- Rain: そうさ。
- 当たり前だろ。
- Mylo: それでこそみなさんです。
- Mylo: もちろん、私も同行します。
- さあ、
- インビンシブル号の元に急ぎましょう。
- Rain: よし。
- 目指すはヴラドの頭部だ。
- ========Part 3========
- Lasswell: マイロ。
- このままヴラドの頭部へ
- 飛空艇を着けられるか?
- Mylo: それは無理です。
- 飛空艇を
- 落とした光にやられてしまいます。
- Mylo: ですが、可能な限り接近を試みます。
- 着陸目標はヴラドの腰部付近です。
- Rain: 充分だ。
- あとは奴の体をつたって頭部を目指す。
- Child of Hess: あの光がきます!
- みなさん、振り落とされないように!
- Jake: こりゃ無事に辿り着くまでに
- 運を使い果たしちまいそうだ。
- Lid: 大丈夫!
- アタシはヘスの子の操船技術を信じる!
- Mylo: 私はずっと頑なな考えを持ち、
- 多くの間違いを犯してしまいました。
- Mylo: でも、だからこそ
- 今すべきことがわかるのです!
- Mylo: ヘスとアルドールの未来のために
- 必ずみなさんを
- ヴラドの元へと送り届けます!
- Child of Hess: 光がまたきます!
- Cid: 揺れるぞ!
- 何かに掴まれ!
- Mylo: ヴラドの腰部まであと少しです!
- みなさん、突入の準備を!
- Lasswell: 着陸している時間はない!
- ヴラドの体に直に飛び降りるぞ!
- Ignacio: 後戻りはできねえぞ!
- 覚悟を決めろ!
- Guri: ファイサリス。
- 私はあなたの
- 足手まといになりたくない。
- Guri: だからここで
- 待っていた方がいいわよね?
- Faisalith: ううん。
- グリ、一緒にきて。
- Guri: ……いいの?
- Faisalith: 私たちはソウルメイトなんだから。
- いつでもどこでも一緒だよ。
- Guri: ファイサリス、ありがとう……。
- あなたといられるなら、
- そこが地獄でも天国になるわ。
- Mylo: ヴラドの腰部です!
- Rain: チャンスは一瞬だ!
- みんな、集中しろ!
- Mylo: 今です!
- みなさん、ご武運を!
- ========Part 4========
- Reagan:待て!
- Lasswell: どうしたんですか、父さん?
- Reagan:敵の気配がする。
- だが、この気は……。
- Citra:お前は……氷刃のヴェリアス!
- Folka:いえ、そんなはずはありません。
- 氷刃がこんなところにいるわけが……。
- Reagan:……。
- Reagan:お前とはいつか
- 雌雄を決しようと誓った仲だ。
- Reagan:それなのに今の攻撃からは
- なんの思いも伝わってこない。
- Reagan:お前は氷刃ではないな。
- Ice Veritas: ……。
- Rain:なっ!?
- Jake:八盟傑だと!?
- これはどういうことだ?
- Sakura:ヴラドめ。
- ……やってくれたのう。
- Sakura:こやつらはもちろん
- 本物の八盟傑ではない。
- 全部、わしらのコピーじゃ。
- Fina:コピー……。
- でも、どうしてそんなことが……。
- Sakura:わしら八盟傑は全員、
- 不老不死の改造を受けておるからのう。
- Sakura:そのときに肉体のデータを
- ヴラドに盗まれていたのじゃろうな。
- Ignacio: 皇星を大量生産したみたいに
- 俺たちのコピーを作ったってわけか。
- Sieghart: なんと愚かな。
- 外見を模したところで
- 俺の美しさには届かぬというのに。
- Sieghart: いいか、よく聞け。
- 模造品ども。
- Sieghart: 俺の美しさの本質とは
- 宝石のように輝く内面のきらめきが
- 外見に溢れ出てきたものなのだ。
- Sieghart: 外見も美しく、内面も美しい。
- それこそが
- 俺という存在の本質と知れ。
- Folka:内面が美しい……。
- それを自分で
- 言ってしまうところが……。
- Citra:お前を素直に
- 美しいと思えないことの本質だ。
- Cid:昔の自分と戦うのはやり辛いが……。
- Reagan:そんなことを言ってる場合じゃないな。
- Folka:私は鎧の力に囚われ、
- 大きな過ちを犯してしまいました。
- Folka:だから、こうして
- 鎧の私と対峙できることを
- 少し嬉しく思っています。
- Citra:私も同じ気持ちだ。
- 乗り越えないとな。過去を。
- Reagan:魂はこちらにあるんだ。
- 鎧だけの連中に
- 負けるわけにはいかないぞ!
- Ignacio: おおよ!
- Folka:過去の私と向き合い
- それを乗り越えてみせます。
- ========Part 5========
- Lasswell: なんとか……
- 倒せたな……。
- Raegan: 過去とは言え、同じ自分……。
- 手強い相手だった。
- Folka: ですが、私たちは乗り越えました。
- Folka: 過去の行いが
- 消えたわけではありませんが……。
- それでも前に進んでいけます。
- Citra: ああ。
- 先に進もう。
- Rain: はあ……はあ……。
- Raegan: 復活しただと!?
- Nichol: 少しでも肉体が残っていれば
- すぐに再生してしまうようです。
- Lasswell: くそ……。
- ここで全ての力を出し尽くしては……。
- Rain: ヴラドと戦うための力は
- 残しておきたいところだが……。
- Jake: くっ!
- 余力を残したいのはわかるが
- ここでやられちゃ意味ねえぞ!
- Fina: どうしよう……。
- どうすればいいの、レイン?
- Rain: 仕方ない……。
- 全力でやるしかないな。
- Rain: あとのことは
- ここを生き延びてから考えよう。
- Lasswell: ああ。
- それしか道はないな……。
- Sieghart: そうだ。その通り。
- それが美しき道だ。
- Sieghart: だが、全力で
- やるのはお前たちではない。
- Rain: どういうことだ?
- Sieghart: シトラ、フォルカ。
- イグニシオ、シド。
- これを受け取れ。
- Citra: これは?
- Sieghart: ナギやレヴナートが使った薬だ。
- 原初の雫を原料にしたもので
- 限界以上の力を引き出すことができる。
- Sieghart: グランドールの
- 研究ブロックで見つけたのだ。
- 何かの役に立つかともらっておいた。
- Ignacio: そいつはいい。
- でかしたぜ、ジークハルト。
- Sieghart: ここにある分全てを飲み干し、
- 限界の……
- さらに限界を超えた力を得るのだ。
- Sieghart: そうでなければ
- こいつらは倒せんだろう。
- Cid: 力を無理に引き出すってことか。
- その分、肉体への負荷は
- とてつもなく大きくなるな。
- Ignacio: だがよ、加減して勝てる相手でもねえ。
- やるしかねえだろ。
- Citra: ……。
- Citra: いや、
- 問題はそれだけではない。
- Folka: どういうことですか?
- Citra: 私はエルマウルから聞いたのだ。
- エルマウル: そうか。
- あの薬のお陰で
- 死の淵から甦ったというわけか。
- エルマウル: まあ、力が尽きた状態で
- 飲んだのは幸いだったな。
- Citra: ……どういう意味だ?
- エルマウル: あの薬は原初の雫を
- 元にして作られている。
- Citra: 原初の雫……。
- 全てのものをあるべき姿に
- 戻す効果があるんだったな。
- エルマウル: そうだ。だからもし、
- お前が健康な状態で
- 薬を摂取していれば……。
- エルマウル: おそらく
- 不老不死の体を失っていただろう。
- Citra: え?
- エルマウル: 不老不死の体を失えば
- その時点でお前たちは死ぬかもしれん。
- エルマウル: 一気に700歳くらい
- 歳をとる可能性もあるからな。
- エルマウル: もちろん、
- 不老不死ではなくなるだけで
- あとは何も変わらないかもしれん。
- Citra: そこは飲んでみなければ
- わからないということか……。
- エルマウル: そうだ。
- 無理に試す必要はないと思うがな。
- Citra: この薬には
- そんなリスクがあるのだが……。
- Citra: 当然、私は飲む覚悟ができている。
- Sieghart: 今更、恐れる話でもないな。
- この薬、美しく飲ませてもらおう。
- Ignacio: もちろん、俺も飲むぜ。
- お前たちだけにやらせるかよ。
- Cid: ここで逃げたら
- 娘たちに顔向けできん。
- Folka: はい。
- 命を賭ける価値は充分あります。
- Raegan: よし。
- Raegan: レイン、ラスウェル。
- ここの戦いは
- 俺たちに任せてくれ。
- Raegan: ジークハルト。
- 俺にもその薬を……。
- Raegan: お、おい!?
- Sieghart: すまんな、レーゲン。
- 薬は全て飲み干した。
- お前の分はない。
- Raegan: どうして……。
- Citra: レーゲン。
- お前にはパラデイアの行く末を
- 見届ける義務がある。
- Folka: レインとラスウェルも
- あなたの力を
- まだまだ必要とするでしょう。
- Sieghart: だから、これは俺たちの役目だ。
- Raegan: ……何を言っている。
- そんなことをされて、
- 俺が喜ぶとでも思っているのか……?
- Ignacio: 喜ぶ必要はないさ。
- Ignacio: 生き残ってくれればそれでいい。
- Cid: いけそうだな。
- Sieghart: ああ。
- 美しきものが込み上げてきた。
- Ignacio: レイン、ラスウェル。
- 奴らは俺たちが倒す。
- あとのことは頼むぞ。
- Lasswell: ……はい。わかりました。
- Cid: 政治のことなど大変になるだろうが、
- たまにはレーゲンのことも
- 構ってやってくれ。
- Cid: こいつは意外と寂しがりやだからな。
- Rain: ああ、わかったよ……。
- Raegan: ……。
- Cid: レーゲン、そんな顔をするな。
- Ignacio: 俺たちの戦いをその目に
- しっかり焼き付けてくれ。
- Citra: さあ、いくぞ!
- これが私たちの最後の戦いだ!
- Folka: この手で未来を紡ぎましょう!
- Sieghart: ああ!
- 美しい未来をな!
- ========Part 6========
- Reagan: お前たち!
- Citra: ……。
- Citra: どうやら命は繋ぎ止めたらしい……。
- Cid: だが、体の中から
- 何かが消えたような感覚があった……。
- Sieghart: 不老不死の力は
- 失ったのだろうな……。
- Citra: ……ああ。
- 何か抜け殻になったような
- 感じがする……。
- Reagan: ……そうか。
- Ignacio: 今のところは生きているが、
- この先、どうなるかはわからんな……。
- Folka: こんな体ではもう一緒にはいけません。
- Citra: ……。
- Citra: 私たちはここまでだ……。
- あとは頼んだぞ、レーゲン。
- Reagan: ……。
- Reagan: ここにくるまで
- 本当にいろいろなことがあったな。
- Reagan: 俺にとってお前たちは……
- 戦友で、同志で、
- 家族のようでもあった。
- Reagan: 長い間、共に戦ってくれて感謝する。
- Reagan: 辛いことの方が多かったが、
- それでもお前たちといられてよかった。
- Folka: ええ……。
- 私たちも同じ気持ちです。
- Ignacio: お前と一緒に戦えて楽しかったぜ。
- Sieghart: 俺たちのリーダーよ。
- 最後まで美しくあれ……。
- Cid: お前の息子たちを……。
- その仲間を守ってやれ……。
- Citra: 六盟傑の絆は永遠だ。
- Citra: さあ、行け。
- レーゲン。
- Reagan: ああ。
- わかった……。
- Reagan: どんなときでも
- 俺の心の中にはお前たちがいる。
- Reagan: それ以上の強き力はない。
- Reagan: ……行ってくる。
- ========Part 7========
- Lasswell: 胸部の辺りまで登ってこれたな。
- これもシトラたちのおかげだ。
- Rain: そうだな……。
- Lid: シドたち、大丈夫かな?
- Reagan: 心配するな。
- 命がある限りは
- 決して諦めない連中だ。
- Reagan: また会えるさ。必ず。
- Fina: はい。
- 私もそう信じます。
- Lasswell: よし。
- このまま頭部を目指すぞ。
- Nichol: 待ってください。
- あそこの隙間から
- 体内へ入れそうです。
- Nichol: 体表を伝っていくよりも
- 安全かもしれません。
- Jake: 体内か……。
- 胃液で溶かされたりしなきゃ
- いいんだけどな。
- Faisalith: ジェイク、ダメダメ。
- 嫌なことは考えないで、
- 明るい話をしながら進もうよ。
- Lid: だね。それがいいと思う。
- Fina: じゃあ、
- ファイサリスに聞いてもいい?
- Fina: ファイサリスはこの旅が終わったら
- どうするつもり?
- 何かしたいこととかってある?
- Faisalith: この旅が終わったら……か。
- そんなこと考えてなかったな。
- ずっと必死に戦ってたから……。
- Faisalith: ……。
- Faisalith: 私、友だちと一緒に過ごしたいな。
- Faisalith: することはなんでもいいの。
- どこかに遊びに行ってもいいし。
- ずっと話してるだけでもいいし。
- Faisalith: 今まで友だちって呼べるのは
- グリしかいなかったけど、
- Faisalith: この旅を通じて、
- 新しい友だちがたくさんできたから。
- Fina: うん。
- 私もファイサリスと
- もっと一緒にいたいな。
- Faisalith: 本当に?
- じゃあ、フィーナのところに
- 遊びに行っていい?
- Fina: もちろん!
- グリもきてね!
- Guri: ありがとう、フィーナ。
- じゃ、何かお土産を持っていくからね。
- Fina: ふふ。楽しみにしてるね。
- Faisalith: うーん!
- なんかワクワクしてきた!
- Faisalith: 早くフィーナと遊びたいから
- ヴラドなんかさっさと倒しちゃうよ!
- Rain: はは。
- 本当にさっさと倒しちゃいそうだな。
- ファイサリスが言うと。
- Lasswell: ああ。
- それがファイサリスの
- すごいところなんだ。
- Faisalith: うーん。
- そうだな……。
- ========Part 8========
- Rain: 首のあたりまできたな。
- 頭部まではもう少しだ。
- Rain: なんだ!?
- Nichol: ヴラドが地上を攻撃しているようです!
- Lasswell: まずい!
- みんな、振り落とされるなよ!
- Faisalith: きゃあああああ!
- Lasswell: ファイサリス!
- Rain: ラスウェル!
- ファイサリス!
- Lasswell: 俺たちは大丈夫だ!
- みんなも耐えてくれ!
- Jake: お、終わったか?
- Faisalith: ありがとう、ラスウェル。
- Lasswell: ああ。
- 気にすることは……。
- Lasswell: 上だ!
- 巻き上げられた瓦礫が落ちてくるぞ!
- 避けるんだ!
- Nichol: ……どうやら治まったようですね。
- Lasswell: どうした、レイン?
- Rain: この輝き……。
- クリスタルだ……。
- Rain: ……。
- Lasswell: レイン、どうした?
- Rain: いや……。
- 俺たちの旅はクリスタルから
- 全てが始まったんだな、と思ってさ。
- Lasswell: ああ。
- そうだな……。
- Fina: クリスタルがきっかけで
- 私たちは出会ったんだもんね。
- Lasswell: それからずっと俺たちは
- クリスタルを追いかけてきた……。
- Lasswell: クリスタルを守ったり壊したり……。
- ずいぶんと振り回されたものだ。
- Rain: そこに込められた思いによって
- クリスタルは人の味方にも敵にもなる。
- Lasswell: ヴラドは人への悪意を込めた。
- Lasswell: ならば俺たちは人への情を込めて……。
- Fina: うん。
- その思いにきっと
- クリスタルは応えてくれる。
- Rain: このクリスタルの破片、
- お守り代わりに持っていくか。
- Lasswell: ああ。
- ========Part 9========
- Rain: あったぞ!
- クリスタルだ!
- Vlad: やはり……ここまできたか。
- Rain: ヴラド!
- Vlad: このクリスタルには
- 私のオリジナルの魂が込められている。
- Jake: オリジナル……ってことは……。
- Lid: そのクリスタルを壊せば、
- あんたも終わりってことね!
- Rain: くっ!
- Vlad: お前たちでは
- 私の孤高な魂に触れることはできん。
- Lasswell: やはり簡単にはいきそうにないな……。
- Rain: ああ……。
- だが、それでも……。
- Rain: 俺のために命を託してくれた人がいた。
- Lasswell: 俺たちを信じて
- 思いを託してくれた人たちがいた。
- Fina: 私たちが戦うのは
- 自分のためだけじゃない。
- Vlad: 愚かな者たちよ。
- 命を捨てても他者のために戦うか。
- Vlad: くだらん。
- 自己犠牲の精神など愚の骨頂だ。
- Vlad: 他者などいらぬ。
- 世界は私だけのものだ。
- 他の誰かなど存在の意味がない。
- Reagan: なんとでも言え。
- 追い込まれたのはお前だ!
- Lasswell: 今、全ての情を背負って!
- Rain: ヴラド!
- お前の歪んだ夢を砕く!
- Vlad: ああ。そうだ。
- しかし、それは叶わぬ。
- ========Part 10========
- Rain: これで終わりだ!
- Lasswell: うおおおおおおお!
- Vlad: まだだ!
- まだだぁぁぁぁ!
- Rain: ここで退けるか!
- ラスウェル!
- Lasswell: ああ!
- いくぞ、レイン!
- Rain: 砕けろ!
- Vlad: ぐおおおおおおおおお!
- Faisalith: やった!
- Rain: はあ……はあ……。
- Reagan: クリスタルを破壊した。
- これでヴラドは復活できないはずだ。
- Sakura: 魂を失ったこの巨大な体も
- 動きを止めるはずじゃ。
- Lasswell: ……。
- Lasswell: いや、待ってくれ。
- 確かにクリスタルは破壊したが……。
- Lasswell: ヴラドの体は動きを止めていない。
- Reagan: おかしい……。
- どういうことだ。
- Lasswell: 何!?
- Reagan: くっ!
- Rain: しまった……。
- Lasswell: まだ……こんな力が……。
- ========Part 11========
- Lasswell: うう……。
- Fina: 私たちはヴラドに飲み込まれて……。
- Faisalith: ここはどこなの?
- なんにもないけど……。
- Vlad: どこまでも静かで平穏な……
- 私だけが存在する平和な世界……。
- Rain: ヴラド!?
- Lasswell: どこにいる!?
- Vlad: これこそが
- 私が作ろうとした世界だ……。
- Vlad: 私のオリジナルの魂は
- お前たちの手で破壊された……。
- Vlad: この風景も魂の残影に過ぎない……。
- Vlad: だが……。
- Vlad: たとえ私だけの世界が作れずとも……。
- 魂の残影だけになろうとも……。
- Vlad: お前たち……。
- お前たちだけは……生きて帰さぬ……。
- Vlad: それが……。
- Vlad: それが王になれなかった者の……。
- 選ばれなかった者の……。
- Vlad: 矜持だ!
- Jake: ちっ!
- 何が矜持だ。
- 執念と怨念の固まりじゃねぇか。
- Nichol: しかし、この思いの強さは……。
- Lasswell: ああ。
- 歪んだ思いであっても、
- その強さは俺たちと変わらない。
- Lid: なんか……。
- すごくまずい感じがするんだけど。
- Sakura: 自分の存在以外を認めぬ世界……。
- そんな妄執を抱いた男の最後の抵抗じゃ。
- 油断するでないぞ。
- Nichol: この白い世界には
- 争いがない代わりに喜びもありません。
- Fina: 私たちはこんな世界は嫌だよ。
- Faisalith: うんうん!
- 友だちと一緒の世界の方がいい!
- Lasswell: ここは俺たちのいるべき場所じゃない!
- お前を倒して、
- みんながいる世界に帰る!
- ========Part 12========
- Lasswell: はぁはぁ……。
- Jake: やったのか?
- Nichol: いや、気を抜いてはいけません。
- Sakura: あれを見るのじゃ……。
- Lid: な、なんで増えてるのよ!?
- Vlad: 言ったはずだ。
- お前たちだけは生きて帰さぬと。
- Rain: 怯むな!
- ここで負けたら全てが無意味だ!
- Lasswell: ああ!
- 命がある限り応戦するぞ!
- Rain: くそ……。
- 負けるか……。
- Rain: 俺はここで
- 負けるわけにはいかないんだ。
- 絶対に……。
- Rain: だけど……。
- もう力が残って……。
- Rain: これは……。
- さっき拾ったクリスタル……。
- Rain: そうか……。
- Rain: そうだよな……。
- Rain: 俺にはまだ力が残っていたんだな。
- Rain: ……みんな、力を貸してくれ。
- Sol: どうした、レイン。
- 今はまだ太陽が沈む時間ではないぞ。
- Rain: ソル……。
- Sol: お前を滅していいのは私だけだ。
- さあ、立て。
- Rain: ああ……。
- Crimson: お前の戦いには意味と価値がある。
- 俺たちも力を貸そう。
- Kyanos: レイン。
- 憎しみに囚われた魂などに負けるな。
- Kyanos: お前は希望の光なのだから。
- Rain: クリムゾン、キュアノス……。
- Milfas: 私はレインを信じてるよ。
- レインなら
- みんなが笑える世界を作れるって。
- Rain: ミルファス……。
- Milfas: さあ、立って。
- 私たちがついているよ。
- Rain: ありがとう、ミルファス……。
- Rain: よし。
- 俺はまだやれる。
- Sol: それでいい。
- 太陽だからな、お前は。
- Rain: ああ。
- 俺は眩しく輝く道を進む。
- どんなものにも怯むことなく!
- アトル: ラスウェル。
- こんなところで
- 立ち止まってるヒマはないよ。
- プリス: アタイたちが手を引くから
- 何度だって立ち上がっておくれ!
- プリス: あんたはアタイが
- 見込んだ男なんだからね!
- Lasswell: アトル……プリス……。
- ああ、そうだな。
- ドグ: あなたたちなら
- この世界で苦しむ民を
- 救うことができるはずです~。
- マグ: 私たちはそう確信し、
- あなたたちに思いを託しました。
- ラグ: その選択は何も間違っていなかった。
- 今でもそう信じているぞ。
- Lasswell: ドグ、マグ、ラグ……。
- わかった、やってみる。
- Regina: みんなを守りたいと思うと
- 胸のあたりが温かくなる気がする。
- Regina: だから、私も一緒に戦う。
- クローワ: 私は明るくて
- 希望のある話が好きなので……。
- クローワ: みなさんの物語は
- ハッピーエンドで終わらせましょう。
- Lasswell: クローワ、レジーナ……。
- そうだな。
- 俺もハッピーエンドの話が好きだよ。
- Lasswell: みんなが望んでいた未来……。
- 今こそそれを叶えるときだ。
- Lasswell: 最後は共に戦おう!
- モンベルト: 今一度、俺のすべての力を
- お前が築く未来のために使おう。
- レージュ: 誰の心にも弱い部分はあるわ。
- だからこそ強い部分が美しくなるの。
- 花の冠のように。
- メメ: 最後まで頑張らないとね。
- 心残りのないように。
- ダリシュ: 一度決めたことはやり遂げようぜ。
- 大切な人のためにさ。
- ホナー: みんなを守るためにも
- カッコイイところを
- 見せないといけませんね。
- Raegan: モンベルト、レージュ、
- メメ、ダリシュ、ホナー……。
- Yuraisha: レーゲン。
- 心から希望の灯を消してはいけません。
- Yuraisha: この星の未来は
- あなたたちにかかっているのですから。
- Rowen: 晴れた日ばかりが続くことはない。
- 必ず雨が降る日もある。
- Rowen: だが、今日は雨の日じゃない。
- Rowen: レーゲン。
- お前が世界から暗雲を吹き飛ばす日だ。
- Raegan: 母さん、ローウェン……。
- Raegan: ソフィア……。
- Sophia: また、傷が増えていますね。
- Sophia: 誰かを守って
- いつもあなたは傷だらけ……。
- 出会った頃から本当に変わりません。
- Raegan: ああ、そうだな……。
- Sophia: だから今は、
- 私があなたを守ります。
- Raegan: ありがとう、ソフィア。
- Rain: ヴラド、見ろ!
- これがクリスタルの本当の力だ!
- Lasswell: 人を滅ぼそうというお前には
- この思いの力は絶対に手に入らない!
- Lasswell: 入るわけがないんだ!
- Raegan: いくぞ、みんな!
- 全ての力を合わせるぞ!
- Raegan: 俺たちなら勝てる!
- ビジョンを……思いの力を信じるんだ!
- ========Part 13========
- Rain: やったぞ……。
- Sol: ああ。
- よくやった、レイン。
- Sol: 何か困ったことがあれば呼ぶがいい。
- 私はいつもお前と共に輝いている。
- Sol: 月と太陽だからな。
- 私たちは。
- Rain: ソル……。
- Rain: ああ……。
- そうだな……。
- Milfas: レイン。
- 私たちは信じてるよ。
- Milfas: みんなが幸せな世界を……。
- Kyanos: 憎しみに飲まれぬ世界を……。
- Crimson: 希望の光に溢れた世界を……。
- Milfas: レインならきっと作れるって。
- アトル: 僕たちの思いは消えません……。
- マグ: 命は消えても、思いは託され、
- 後の世界に残っていくはず……。
- Chrowa: 物語がずっと
- 語り継がれていくように……。
- この先の未来へと……。
- マグ: 私たちがラスウェルに託したように。
- Lasswell: ありがとう……。
- 俺はみんなの思いを背負って
- これからも生きていくよ。
- Faisalith: ラスウェル……。
- アクスターさんは呼ばなかったんだね。
- Lasswell: ……俺はもう師匠を
- 頼らないと決めたんだ。
- Faisalith: そう……。
- Faisalith: その言葉を聞いたら、きっと喜ぶよ。
- アクスターさん。
- Lasswell: ああ……。
- Raegan: もういってしまうのか?
- Sophia: 私はどこにもいきません。
- ずっとあなたの心の中にいます。
- Yuraisha: そう。
- 忘れないで。
- あなたは一人じゃない。
- Rowen: 生きろよ、レーゲン。
- 雨の日も晴れの日も。
- Raegan: 君は俺に大切なものを
- 与えてくれた……。
- Raegan: ありがとう。
- 本当にありがとう。
- Raegan: ソフィア。
- 俺はお前を永遠に愛している。
- Sophia: ええ、私も。
- あなたを永遠に愛してるわ。
- Raegan: さらばだ……。
- みんな……。
- Jake: これで終わったんだよな……。
- 本当に。
- Rain: ……。
- Rain: ……いいや。
- 最後の仕事がまだ残っている。
- Lid: どういうこと?
- Fina: あれを見て。
- Lid: どうして……。
- クリスタルは壊したはずなのに……。
- Vlad: ワレは……ヴラド……。
- コドクな……コウテイ……。
- Vlad: みなごロシ……。
- 我ハヴラド、コウテイ……。
- ワレ以外ノ命は不要……。
- Nichol: おそらくヴラドの魂が
- クリスタル化したのでしょう。
- Jake: やれやれ。
- どこまで往生際の悪い奴なんだ……。
- Sakura: まあ、そう言うな。
- あれさえ壊せば本当に終わりじゃ。
- Rain: ああ。
- そうだな。
- Fina: ねえ……。
- レイン、ラスウェル。
- Rain: なんだ?
- Fina: このクリスタルを壊したら
- 私たちの旅も終わっちゃうね。
- Lasswell: なんか……。
- 旅を終わらせたくないような
- 口振りだな。
- Fina: うん……。
- Fina: 本音を言うとね……。
- 旅が終わっちゃうのは少し寂しいかも。
- Fina: だって、私……。
- 二人と旅するのが大好きなの。
- Fina: 辛いことも悲しいことも
- レインとラスウェルがいれば、
- 全部が大切な思い出になるから。
- Rain: ああ。
- 俺も同じ気持ちだよ、フィーナ。
- Lasswell: 俺もだ。
- Fina: ふふふ。
- じゃあ、この旅が終わったら
- また三人で旅に出ない?
- Rain: ははは。
- それはいいな。
- Fina: でも、二人とも
- 王様としての仕事があるから
- 難しいかな……。
- Lasswell: いや、王にも自分の時間はある。
- 旅に出ることくらいできるさ。
- Rain: よし。
- ならこの戦いが終わったら、
- また三人で一緒に旅に行こう。
- Lasswell: わかった。
- Fina: ホントに!?
- 私、すごく嬉しい!
- Rain: 集合場所は
- グランシェルトの近くの草原だ。
- Lasswell: 大樹の周りに白い花が咲いている
- あの場所のことだな。
- Fina: そこなら私も知ってる!
- Rain: どこを旅するのかは
- そのときに決めればいいさ。
- Fina: うん。
- 約束だからね。
- Lasswell: わかった。
- 約束だ。
- Rain: 出発の日はどうする?
- Lasswell: ……そうだな。
- Guri: いいの?
- ファイサリスも一緒に
- ついていきたいんじゃないの?
- Faisalith: ううん。
- 三人の仲を邪魔しちゃ悪いしね。
- ここは我慢する。
- Guri: そっか。
- 偉いわね、ファイサリス。
- Lid: ちょっとちょっと。
- 何話し込んでるの。
- さっさとやることやっちゃおうよ。
- Fina: ふふっ。
- ごめんね。
- Lasswell: それじゃあ、終わらせるか。
- Rain: ああ。
- 長かった、この旅を。
- ========Part 14========
- Rain: 終わったんだな……。
- Lasswell: ああ。
- 今度こそ間違いない……。
- Fina: うん……。
- Faisalith: 私たち勝ったんだね!
- Guri: ええ! そうよ!
- おめでとう、ファイサリス!
- Faisalith: うん!
- Faisalith: やったね、ラスウェル!
- 大好き!
- Lasswell: ええっ!?
- Guri: 大胆ね、ファイサリス。
- でも、そんな積極さは
- ラスウェルも大歓迎のはずよ。
- Lasswell: い、いや……。
- 俺は別に……。
- Fina: ふふ、ラスウェル。
- 照れない、照れない。
- Jake: よし!
- リドちゃん、俺にも!
- Lid: ええっ!?
- Jake: それぐらいの積極さは俺も大歓迎だぜ!
- Lid: あの……その……。
- えっと……。
- Lid: やだ!
- 恥ずかしい!
- Jake: なんで!?
- Happy People: やったー! やったぞ!
- Happy People: 俺たち、助かったんだよな!
- うおおおおおお!
- Happy People: よかった……。
- 本当によかった……。
- King Yashuka: 皇帝による支配の時代は終わった。
- King パルテ: ええ。
- そして、新たな時代が始まります。
- King パルテ: この星に住むすべての人々が
- 互いに手を取り合い、助け合う時代が。
- King Yashuka: 共に作り上げていこう。
- 我らグンガンが
- まずはその手本となるように。
- Potchi: ポッチ、知ってるよ。
- Potchi: レイン、ラスウェル、フィーナ。
- それに他のみんなも。
- Potchi: みんながポッチたちを
- 守ってくれたんだよね。
- Potchi: ありがとう。ありがとう。
- Potchi: またいつかみんなと会えるといいな。
- Potchi: そのときは
- 別の変身魔法を教えてあげるね。
- Akstar: どうやらすべてが終わったようだな。
- Akstar: 勝ったんだな……。
- ラスウェルという奴が。
- Akstar: ……。
- Akstar: 一体、どれほどの男なのか。
- 興味は尽きんな。
- Akstar: 今度、会いに行ってみるか。
- Akstar: 俺が現れたら驚くだろうが……。
- それもまた一興か。
- Akstar: まあ、こんな俺でも
- 何か力になれるだろう……。
- Akstar: なんなら
- 剣の師匠にでもなってやるか……。
- Sakura: おっ!
- インビンシブルじゃ!
- 迎えがきたようじゃぞ!
- Mylo: みなさん!
- よくぞご無事で!
- Kunshira: 信じていました!
- 絶対に生きているって!
- エルマウル: 安心したぞ。
- 星が救われても
- お前たちがいなければ意味がない。
- Ignacio: おーい!
- 俺たちも生きてるぞ!
- Citra: とうとう成し遂げたんだな。
- Folka: 信じていました。
- 必ずやってくれると。
- Rain: さあ、帰ろう。
- Lasswell: ああ。
- みんなの元に……。
- Rain: (こうして俺たちの戦いは終わった)
- Rain: (だけど、これからの方がもっと大変だ)
- Lasswell: (アルドールとヘスを導いていく。
- それは武器や魔法では
- 解決できない戦いだ)
- Rain: (きつい戦いになるだろうな)
- Rain: (でも。やりがいがある)
- Lasswell: (一生を懸けて
- やり抜く意味があることだ)
- Rain: (やろうぜ、ラスウェル)
- Lasswell: (ああ。レイン。
- 俺たちで築いていこう。
- この星の未来を)
- ========Part 15========
- Mylo: みなさん。
- どちらへ行かれていたのですか?
- Lasswell: メーガス三姉妹の墓の隣に
- ヘイグとマドラの墓を作ってきた。
- 家族みんなで眠れるようにな。
- Mylo: そうだったのですか。
- 私はてっきり
- 黙って旅に出てしまったのかと……。
- Citra: ふっ。
- なぜそう思った?
- Mylo: 王は時折、剣を握っては
- 懐かしそうに眺めていますから。
- Mylo: 申し訳ありません。
- ついそう思ってしまったのです。
- Lasswell: はは。
- それはないよ。
- 俺にはやるべきことがあるからな。
- Mylo: はい。
- 失礼しました。
- ラスウェル王。
- Lasswell: マイロ。
- 相談していたスラムの件は
- どうなっている?
- Mylo: 軍施設の建設予定はなくなりました。
- 代わりに王が提案したように
- 医療施設や学校を建設します。
- Mylo: それに近隣地区の協力を仰ぎ
- 治安と生活レベルの改善を行い
- 脱スラム化を目指す計画を立てました。
- Lasswell: そうか。
- アトルとプリスも
- きっと喜んでくれるだろう。
- Mylo: とはいえ、まだ計画は始まったばかり。
- これから問題が山ほど出てくるはずです。
- Raegan: 俺もできる限りのことをしよう。
- ラスウェル王の側近としてな。
- Lasswell: ありがとうございます、父さん。
- 本当に心強く思っています。
- Lasswell: でも、いいんですか?
- レインではなく俺の側にいて。
- Raegan: ああ。
- ヘスはユライシャの国だ。
- Raegan: 親孝行をするには遅すぎるが、
- 俺は母のために
- この国に力を尽くしたいんだ。
- Lasswell: わかりました。
- Citra: 私はソフィアへの罪滅ぼしとして、
- 王とレーゲンを支えていくつもりだ。
- だから、私のことも存分に頼ってくれ。
- Lasswell: ありがとう、シトラ。
- Raegan: ラスウェル、一つ頼みがある。
- Raegan: 国の再興に本格的に動き出す前に
- 各地を回っておきたいんだ。
- Raegan: 仲間たちの顔も見ておきたい。
- 今後は会える機会も
- 限られてくるだろうしな。
- Lasswell: そうですね……。
- 俺もみんなのことは
- 気になっているので……。
- Lasswell: わかりました、父さん。
- みんなには
- よろしく伝えておいてください。
- Raegan: ああ。もちろんだ。
- Lasswell: シトラも父さんに同行してくれ。
- Citra: いいのか?
- Lasswell: 最後の戦いのあと
- いろいろとバタバタしていたからな。
- Lasswell: 遠慮なく父さんと
- 羽を伸ばしてきてくれ。
- Citra: ふっ。
- さすが王になった男だ。
- 細やかな気遣いまでできるとはな。
- Raegan: はは。そうだな。
- Citra: 礼を言うぞ。
- お前の言葉に甘え
- レーゲンに同行するとしよう。
- Raegan: では、行ってくる。
- ========Part 16========
- Citra: ザッハの復興は進んでいるようだな。
- Reagan: ああ。
- 街にも人が戻りつつあると聞いている。
- Reagan: きっとクリムゾンも
- 喜んでくれているだろう。
- Citra: ふっ。
- すごい盛り上がりようだな。
- Reagan: ああ。
- とてつもない人気らしいぞ。
- あの旅芸人一座は。
- シャムリン: さあさあ!
- 今の芸はほんのご挨拶代わり!
- 本当にすごいのはこれからですよ!
- Nagi: これから皆様にお見せするのは
- 我らが座長、ジークハルトの
- 一世一代の大技だよ!
- シャムリン: 一瞬もまばたきすることなく
- とくとご覧あれ!!
- Nagi: うわああああああ!
- Nagi: 座長の前にいるのは
- 凶暴なモンスターだあああ!
- シャムリン: 大変だ!
- このままでは座長は
- モンスターに食べられてしまうぞ!
- Nagi: 座長! 危ないよ!!
- 早く逃げてええええ!
- Sieghart: 心配無用だ。
- なんの問題もない。
- Sieghart: なぜなら……。
- Sieghart: 俺の美しさは
- モンスターも魅了する。
- Sieghart: ふっ。
- ナギ、シャムリン。
- 今日の公演も大成功だな。
- Nagi: うんうん!
- 今晩もご馳走にありつけそう!
- シャムリン: ご馳走もいいですけど
- お客さんの笑顔を見ていると、
- すごく良い気持ちになります。
- Sieghart: 観衆を幸せにして
- 俺たち自身も幸せになる。
- Sieghart: どうだ?
- こんな生き方は?
- Nagi: うん!
- すごくいい!
- Reagan: 元気でやっているようだな。
- Sieghart: レーゲン、観にきていたのか。
- それなら、まずお代をいただこうか。
- Citra: そ、そうか。
- しっかりしてるんだな。
- Sieghart: 当たり前だ。
- 今はこれが俺たちの生業だからな。
- Sieghart: 友人だろうが
- もらうものはもらう。
- 俺たち三人が生きていくために、な。
- Citra: まあ、当然の話だな。
- ほら、お代だ。
- Sieghart: うむ。
- シャムリン: ありがとうございます。
- Reagan: それにしてもいいステージだった。
- 観衆のみんなが笑顔になっていた。
- Reagan: 何よりも驚いたのが
- ナギとシャムリンが
- 一番いい笑顔をしていたことだ。
- Citra: 二人のあんな笑顔は
- 今まで見たことがなかった。
- Sieghart: そうか。
- それは嬉しい言葉だな。
- Reagan: ジークハルト、
- これからはどうするつもりだ?
- Sieghart: このまま全国を回るつもりだ。
- 一座の芸人も次第に
- 増えていくかもしれんな。
- Nagi: うん!
- 楽しみだね!
- シャムリン: そのためにも
- もっと頑張らないと!
- Sieghart: 俺たちは芸で
- この世界の人々を
- 美しい笑顔にしていく。
- Sieghart: お前たちも何か辛いことがあったら、
- いつでも俺たちの芸を観にくるがいい。
- Reagan: ああ。
- 必ず行くよ。
- Nagi: レーゲン……。
- レインに会ったら伝えておいて。
- Nagi: もっと芸を磨いて、
- いつか必ずレインの前で披露するから。
- Nagi: そのときを楽しみに待っていてねって。
- Reagan: わかった。
- 伝えておこう。
- Sieghart: そうだ、レーゲン。
- Sieghart: なんだかんだ言っても
- お前にはずいぶんと
- 世話になったからな。
- Sieghart: そのお礼と言ってはなんだが……。
- Sieghart: 俺たち旅芸人の名前を、
- 愉快なレーゲン一座に
- しようと思うのだが……。
- Citra: なんでそうなる。
- Reagan: い、いや……。
- それは遠慮しておくよ。
- Sieghart: そうか。
- まあ、あまり美しい名でもないしな。
- それならそれで構わない。
- Sieghart: お互いに美しく生きていこう。
- 俺たちが守ったこの世界で。
- Reagan: ああ。
- また会おう。
- ========Part 17========
- Citra: フォルカはいないようだな。
- Citra: レーゲン、
- 行先に心当たりはあるか?
- Reagan: ああ。
- 帰ったんだな。あの場所に。
- Citra: あの場所?
- ……そうか、あそこか。
- Citra: それなら、
- また会える機会はあるかもしれん。
- Reagan: そうだな。
- Citra: ……。
- Citra: ……フォルカ。精一杯生きろよ。
- Folka: 過去の行いを消すことはできない。
- でも……それでも私は……。
- Folka: え?
- Girls: あっ! 私、わかった!
- Girls: 初代の巫女さまに似てるのよ!
- 絵で見たことがあるの!
- Boys: お姉さん、巫女さまって知ってる?
- Folka: ええ。
- 知っていますよ。
- Girls: すごい力を持ってて
- この街を作ってくれたの!
- Boys: そのあともいろんな災害から
- みんなを助けてくれたんだよ!
- Folka: ……。
- Girls: うん。
- やっぱり巫女さまにそっくり!
- Boys: もしかしてお姉さんって
- ホントに巫女さまなの?
- Folka: いいえ。
- 私はただの人間ですよ。
- Boys: なんだ、そうなんだ。
- Boys: でも、お姉さん、優しそうだから
- 巫女さまじゃなくてもいいや!
- Girls: お姉さんはこの街になんできたの?
- 観光?
- Folka: いいえ、違いますよ。
- Folka: 私はこの街で
- 暮らしたいと思ってきたのです。
- Folka: できればずっと……。
- この土地に骨を
- 埋めることができたら、と。
- Boys: お姉さん、オルデリオンに住むの?
- じゃあ、毎日一緒に遊べるね!
- Folka: ええ。
- そうですね。
- Girls: やったやったー!
- Boys: じゃあ、ボクたちが
- この街を案内してあげるよ!
- Girls: お姉さん、ついてきてー!
- Folka: あの薬を飲んだせいで、
- 私は不老不死ではなくなった。
- Folka: この街を永遠に見守ることは
- 私にはもうできません。
- Folka: ですが……。
- Folka: その代わりに
- この街の人と一緒に
- 生きていくことができる。
- Folka: 私のできることを精一杯やって、
- 老いて死んでいくことができる。
- Folka: それってなんて
- 素敵なことなんでしょう。
- Boys: お姉さん!
- 早く早く!
- Folka: はい。
- 今行きますね。
- Boys: ねえねえ、お姉さん!
- お姉さんって誰かに似てない!?
- ========Part 18========
- Mido: こら、イーゴ!
- 私のスカートを
- また勝手にはいたでしょ!
- Yego: だ、だって……。
- すごく可愛かったから……。
- Mido: それなら貸してって
- 私に言えばいいのに!
- Yego: いや、言ったら貸してくれないはずだ!
- Mido: それはあなたが
- 私のお気に入りのブラウスを
- 臭い息まみれにしちゃったからよ!
- Yego: 私のせいじゃない!
- あれはチビモルボルのせいで……。
- Cid: 喧嘩はそこまでだ。
- いい加減に仲直りしろ。
- Mido: でも父さん、
- イーゴが悪いんだよ?
- Yego: ミドが怒り過ぎなんだ。
- Cid: わかったわかった。
- じゃあ、二人に
- 新しいスカートを作ってやる。
- Cid: それで問題ないだろ?
- Mido: やったー!
- 父さん、大好き!
- Yego: 私も大好き!
- Mido: ねえ、イーゴ!
- じゃあ生地を探しに街まで行こうよ。
- Yego: うん。
- 私、この前、
- 素敵なお店を見つけたんだ。
- Mido: さすが、イーゴね。
- Citra: 娘に甘過ぎるんじゃないか、シド。
- Cid: おお!
- レーゲン、シトラ!
- Reagan: 楽しくやってるようだな。
- Cid: まあ、見ての通りだ。
- 姉妹のパワーに圧倒される毎日だよ。
- それはそれで幸せなんだがな。
- Reagan: 頼まれていたものを持ってきた。
- Reagan: これが最後の原初の雫だ。
- Cid: これを飲めば不老不死では
- なくなるんだな。
- Reagan: ああ。
- あるべき姿に戻るからな。
- Cid: だが、本当にいいのか?
- 原初の雫はこれで最後なんだろ?
- Reagan: ああ。クンシラによると
- 原初の雫の花は
- 消えてしまったらしい。
- Reagan: もしかしたらあの花は
- パラデイアの危機にだけ
- 咲くものだったのかもな。
- Citra: ミドはお前に会うために
- 不老不死の身となり
- 一人で何百年も耐えてきたんだ。
- Citra: 最後の雫を使う資格はある。
- Cid: ありがとう。
- Cid: ミドだけが不老不死だなんて
- そんな不幸なことはない。
- Cid: イーゴの体内の爆弾も
- エルマウルの力で無事に摘出できた。
- Cid: これで俺たち家族は
- 共に生きていくことができる。
- Reagan: だが、共に生きられるのは
- 二人の娘が嫁ぐまでの間だぞ。
- Citra: ふっ。
- 娘はいつか巣立っていくものだ。
- Cid: それなら心配は無用だ。
- あの二人を嫁がせる気はない。
- Reagan: お、おいおい……。
- Cid: はっはっは。
- 冗談に決まってるだろ。
- Cid: レーゲン。
- お互いこれからも
- 子供たちを支えていこうな。
- Reagan: ああ。シド。
- ========Part 19========
- Ignacio: うーむ……。
- Ignacio: むむむむむ……。
- Ignacio: むーん……。
- Citra: ずいぶんと難しい顔をしているな。
- Ignacio: よう、お前ら!
- 久しぶりじゃねえか!
- Citra: しかし、まさかお前が
- 彫刻家になるとはな。
- Reagan: ああ。
- 最初に聞いたときは
- さすがに驚いたぞ。
- Ignacio: これからは
- 武器を振り回したりする時代じゃねえ。
- Ignacio: なら、俺だって
- 新しいことを始めてみないと
- これからの世の中で生きられねえだろ。
- Ignacio: だが、彫刻家は大当たりだったぜ。
- 楽しくて仕方がない。
- Reagan: それにしては
- ずいぶんと唸っていたな。
- Ignacio: それは生みの辛さってやつだ。
- 納得のいくものができなけりゃ
- うんうん唸りたくもなるってもんだ。
- Reagan: カガネの彫像か……。
- Ignacio: ああ。
- だが、まだまだダメだ。
- Ignacio: 満足のいくものは
- 一つも作れちゃいねえ。
- Ignacio: ヴラドが死んだ以上、
- カガネの魂も解放されたはずだ。
- Ignacio: だがよ、その解放された魂は
- どこに行くんだろうな……。
- Ignacio: だから、
- 俺はカガネの像を彫ってるんだ。
- Ignacio: 満足のいく像が彫れたら
- そこにカガネの魂が
- 宿るような気がしてな。
- Citra: そうか……。
- Ignacio: この命が尽きるまでに
- 必ず完成させてみせるさ。
- Ignacio: 不老不死じゃないから
- 永遠に彫っているわけにもいかねえ。
- Reagan: イグニシオ。
- そんな顔をするお前は初めて見た。
- Ignacio: そうか?
- Citra: ああ、いい顔をしている。
- 戦っていたときよりも
- ずっといい顔だ。
- Ignacio: はは。
- そんなこと言われると照れるぜ。
- Ignacio: で、今日はゆっくりできるんだろ?
- うまい酒と飯があるぜ。
- Reagan: 俺たちもそうしたいが、
- まだ行く場所が残っていてな。
- Ignacio: そっか……。
- ならまた次の機会だな。
- Reagan: ああ。
- また会おう。
- ========Part 20========
- Nichol: レイン。
- 提案通り軍の縮小を実行しましたが
- 上層部からかなりの反発があります。
- Nichol: 放っておけば
- クーデターを起こしかねないかと。
- Sakura: レイン!
- それよりも問題はこっちじゃ!
- Sakura: 奴隷として
- 強制労働させられていた人々は
- すべて解放した!
- Sakura: じゃが、その煽りで
- 国の生産性が激減したのじゃ!
- 衣食住すべてが不足しておる!
- Nichol: いかがいたしますか、レイン王。
- Sakura: なんとかしないとまずいぞ!
- レイン王よ!
- Rain: 頼るときにだけ
- 王と呼ぶのはやめてくれ……。
- Rain: 今聞いた問題は
- すべて事前に識者と会合済みだ。
- Rain: いくつかの策も用意し、
- すでに動いているはずだ。
- もう少し動向を見守ろう。
- Nichol: そうでしたか。
- 私たちもすべての会合に
- 出席できるわけではありませんからね。
- Sakura: すまんかったのう。
- 少し取り乱してしまった。
- Rain: いや、二人は本当に
- よくやってくれているよ。
- ありがとう。
- Rain: 父さん、シトラ。
- ごめん、気づかなかったよ。
- Citra: 気にすることはない。
- Citra: 王としての仕事が
- 山積みのようだな。
- Reagan: レイン、すまない……。
- Rain: 謝らなくていいぜ、父さん。
- 俺にはニコルもサクラもいる。
- Rain: 父さんは
- ラスウェルの力になってやってくれ。
- Reagan: わかった。
- Rain: シトラも父さんを頼む。
- Citra: ああ、任せてくれ。
- Reagan: そういえば
- フィーナの姿が見えないな。
- Rain: ああ。
- フィーナなら
- グランシェルトにいるはずだ。
- Reagan: そうだったのか。
- 俺はてっきりフィーナとお前は……。
- Reagan: いや、野暮なことは言うまい。
- Rain: ふっ。
- 変な父さんだな。
- Reagan: これ以上、邪魔してはいけないな。
- 俺たちはそろそろ行くとしよう。
- Sakura: 姉さん。元気でのう。
- また今度、遊びに行くわい。
- Citra: ああ。
- キャンディを用意しておくよ。
- Citra: もしよければ
- ニコルも一緒に遊びにきてくれ。
- Nichol: ええ。
- 喜んで伺いますよ。
- Nichol: 今回の戦いのことで
- 聞いておきたいことが
- たくさんありますから。
- Citra: そうか。
- 旅の記録を記していたのだったな。
- 出版でも考えているのか?
- Nichol: そうですね。
- 私たちの軌跡を世の人々に
- 知ってもらうのもいいかもしれません。
- Nichol: 悲劇を繰り返さないためにも。
- Citra: いつでも声をかけてくれ。
- 私にできることはなんでも協力する。
- Nichol: ええ。
- ありがとうございます、シトラ。
- Reagan: レイン……。
- Rain: え?
- Reagan: しっかりな。
- Rain: ああ。
- Rain: どんなに困難でもやり遂げてみせるさ。
- Rain: グランシェルトの騎士として。
- Reagan: フッ。
- そうだな……。
- ========Part 21========
- Lid: うーん!
- 青い空! 轟くエンジン音!
- やっぱり飛空艇は最高ね!
- Jake: いいや、リドちゃん。
- 世の中には飛空艇よりも
- 最高なものがあるんだぜ?
- Lid: 何よそれ?
- Jake: それはな、
- 飛空艇に乗ってるときの
- リドちゃんの幸せそうな顔だ。
- Jake: こんなに最高なものは他にない。
- Lid: も、もう!
- ジェイクったら……。
- Jake: ははは。
- 俺、こんなに幸せでいいのかな。
- Jake: ようやくリドちゃんも
- ハンマーを使わないように
- なってくれたしな。
- Lid: それはアタシが変わったというよりも
- ジェイクが他の女の子に
- 目移りしなくなったからじゃない?
- Jake: そりゃあそうさ。
- リドちゃんみたいな可愛い子と
- ずっといるんだからな。
- Jake: 目移りなんかしてる暇はないさ。
- Lid: ジェイク……。
- Citra: む……。
- 甲板は風が強いな。
- Jake: ぬほおおおお!?
- 風でシトラちゃんの服が
- めくれ上がって……。
- Lid: ジェイク、何見てんのよ!
- Lid: そうなの。
- 結局、なんにも変わらず。
- Lid: アタシもジェイクも
- 今の関係がちょうどいいのかもね。
- Citra: お前たちはまだ若い。
- 何も焦る必要はないさ。
- Lid: うん。
- Jake: リドちゃん……。
- 自然の流れのままにもいいけど
- そろそろ舵を取らなきゃやばくない?
- Jake: このまま流れにまかせると
- あのでかい山に激突しそうなんだけど。
- Lid: ひ、ひええええええ!
- 緊急回避!
- Jake: って、言ってはいるものの……。
- Jake: いつでもプロポーズできる準備は
- できているんで。
- そこは心配しなくても大丈夫さ。
- Reagan: そうか。
- それはよかった。
- Jake: ぐはっ!
- 久し振りのハンマーツッコミ!
- Lid: アタシもそう思ってる。
- あとは自然の流れのままに……。
- ってね。
- Reagan: ふっ。
- お前たちは変わらないな。
- ========Part 22========
- Fina: みんな、元気にしてるんですね。
- 安心しました。
- Reagan: ああ。
- Reagan: レインとラスウェルは
- 王としての仕事に追われているが
- 充実した日々を過ごしているよ。
- Fina: そうですか……。
- Citra: フィーナ、どうしたんだ?
- 少し寂しそうだが。
- Fina: ……う、うん。
- Fina: ちょっと約束があったんだけど
- 二人とも
- それどころじゃないみたいなんで……。
- Citra: 約束?
- Fina: あ、気にしないでください。
- そんな大事な約束じゃないし。
- だから、全然大丈夫です。
- Citra: そうか。
- ならいいのだが。
- Faisalith: ……。
- Citra: ファイサリスは
- ラピスでの生活に慣れたか?
- Faisalith: は、はい!
- Faisalith: みんな、すごく優しいので
- 楽しくやっています。
- Faisalith: グランシェルトにきてから
- 新しい友だちもたくさん増えました!
- Reagan: それはよかったな。
- Guri: その調子で
- 新しい仕事も見つけないとね。
- いつまでも無職はダメよ。
- Faisalith: そ、その話は今はしないで!
- Reagan: よかったら
- 騎士の仕事を紹介しようか。
- Faisalith: ホントですか!
- Reagan: ああ。
- ファイサリスなら歓迎されるはずだ。
- Faisalith: 嬉しい!
- 私、あれを一度
- 言ってみたかったんです!
- Reagan: ……言ってみたかった?
- Faisalith: 私は情の力を信じる!
- 1人の命も100人の命も
- 守ってみせる!
- Faisalith: グランシェルトの騎士として!
- Faisalith: どう、グリ!?
- Guri: いいんじゃない。
- ラスウェルとレインへの
- リスペクトも感じるわ。
- Faisalith: ふふ。
- フィーナはどう思う?
- Fina: ……。
- Faisalith: フィーナ……。
- Fina: !?
- Fina: ご、ごめんね。
- ちょっとボーっとしちゃって。
- Faisalith: あのね、フィーナ。
- 留守番なら私にまかせて。
- Fina: え?
- Faisalith: だから、行っておいでよ。
- Fina: で、でも……。
- Reagan: なんの話だ?
- Faisalith: さっきの約束の相手は、
- レインとラスウェルなんです。
- Faisalith: 今日だったよね?
- 二人と待ち合わせしているのは。
- Fina: そうだけど……。
- Fina: でも、レインとラスウェルは
- 王様の仕事で忙しいだろうし……。
- きっとくるのは難しいと思う……。
- Faisalith: そんなの行ってみなきゃわからないよ。
- Faisalith: それにレインとラスウェルが
- フィーナとの約束を
- 破ったりするわけないって。
- Fina: ……うん。
- Fina: わかった。
- 行ってみる……。
- Reagan: そうだな。
- そうした方がいい。
- Reagan: レインに会ったら
- よろしく伝えておいてくれ。
- Fina: はい。
- Guri: 大丈夫かしら……。
- Citra: そうだな……。
- 今の二人の立場と激務からすると
- そう簡単に外出ができるとは思えん。
- Citra: どちらか一人でもきてくれれば……。
- というところかもしれん。
- Reagan: ……。
- Faisalith: 大丈夫。
- 私は信じてる。
- なんの根拠もないけど信じてる。
- Faisalith: だから、留守は私に任せてね。
- フィーナ。
- Fina: やっぱりいない……。
- Fina: 約束したのは今日で間違いないけど……。
- Fina: そうだよね……。
- レインもラスウェルも
- 今が一番大事なときだもんね……。
- Fina: 三人で旅に出るなんて無理だよね……。
- Fina: ……仕方ない。
- ……仕方ないよ。
- Fina: でも、寂しいな……。
- Fina: わかってたことだけど……。
- すごく寂しい……。
- Fina: もう三人でいられないなんて……。
- Fina: ううん。
- そうじゃない。そうじゃないよ。
- Fina: これでいいの……。
- Fina: 世界はレインとラスウェルを
- 必要としているんだから……。
- Rain: フィーナ。
- なんで寂しそうな顔をしてるんだ?
- Fina: えっ?
- Rain: 俺たちが今日のことを
- 忘れたと思ったのか?
- Lasswell: 忘れるわけないだろう。
- 俺たちがフィーナとの約束を。
- Fina: レイン、ラスウェル……。
- Fina: きて……くれたんだ……。
- Rain: なんだよ、何泣いているんだ?
- Rain: おいおい。
- 本当に俺たちが
- こないと思っていたのか?
- Fina: ううん。
- そんなことないよ。
- Fina: 二人なら
- 必ずきてくれるって信じてた。
- Fina: でも、大丈夫なの?
- 王様の仕事の方は……。
- Lasswell: 約束のことを話したら
- みんな、快く送り出してくれたよ。
- Lasswell: いや、逆にマイロに怒られた。
- 絶対に行かないとダメだって。
- Rain: もちろん、王の仕事は大事さ。
- でも、それと同じくらいに
- 大切にしないといけないものがある。
- Lasswell: 俺たちの周りにいる人たちは
- みんな、そのことをよくわかってるよ。
- Rain: それじゃ、どこに行く?
- フィーナ。
- Fina: うーん。
- うーん、と……。
- Fina: どうしようかな……。
- Fina: ……。
- Fina: じゃ、クリスタルの神殿を探しに!
- Lasswell: いや、クリスタルの神殿は
- もうみんな壊れてしまっただろ?
- Fina: じゃ、神殿みたいなものを探しに!
- Rain: みたいなものって……。
- Rain: はは。
- まあ、だったらどこでもいいか……。
- Fina: うん!
- どこでもいい!
- 行ったことのない場所を冒険できれば!
- Lasswell: 冒険か……。
- まだ残っているかな。
- そんなことができる場所が。
- Rain: そんな心配はいらないって。
- 世界は広いんだ。
- Rain: 俺たちの知らないところは
- まだまだいくらでもあるさ。
- Lasswell: そうだな。
- Lasswell: じゃ、とりあえずチョコボで走るか。
- Rain: ああ。
- 行けるところまで突っ走ろうぜ。
- Rain: フィーナ、それでいいか?
- Fina: うん!
- Fina: 行こう!
- どこまでも、 三人で!
- Rain: ああ!
- Lasswell: よし!
- Fina: (私たちの長い旅は
- こうして一つの区切りを迎えたの)
- Fina: (でも、それはまた
- 次の冒険の始まりなんだと思う)
- Fina: (レインとラスウェルと私……。
- 三人の物語は終わらない)
- Fina: (そう。終わらないの)
- Fina: (このどこまでも広がる
- 青い空と緑の草原のように……)
- Fina: (いつまでも。ずっと……)
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