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- <Rain:>
- これでどうだ!
- <Rain:>
- はあ、はあ……。
- なんとか倒したか……。
- <Rain:>
- だけど、ただのモンスターに
- 血の覚醒を使って
- ここまで苦戦するなんて……。
- <Rain:>
- 何!?
- <Rain:>
- さすがにこれはやばいぞ……。
- <Rain:>
- リュース!
- ネイリッカ!
- <リュース:>
- レイン、ようやくきたか。
- <ネイリッカ:>
- ふーん。
- ちょっと驚きね。
- <ネイリッカ:>
- リュースとの約束を守って
- ホントにここまでくるなんて。
- <リュース:>
- 当然だ。
- <リュース:>
- 剣をかわした俺にはわかる。
- レインは戦士同士の約束を
- 破る男ではない。
- <リュース:>
- 俺との決着をつけるためには
- 何があっても追ってくる。
- そう信じていたぞ。
- <リュース:>
- 信じていたが……。
- <リュース:>
- なんだ。
- 今の戦いは。
- <ネイリッカ:>
- グダグダだったわね。
- まったく知的じゃなかったわ。
- <リュース:>
- あんな調子で
- 俺と決着がつけられると思ってるのか?
- <リュース:>
- 見損なったぞ、レイン。
- <リュース:>
- ならば、すぐに息の根を止めてやる。
- それが、ここまできたことへの、
- せめてもの情けだ。
- <リュース:>
- さあ、レイン!
- 剣を抜け!
- <Rain:>
- いや、ちょっと待ってくれよ。
- <Rain:>
- お前たちがいるっていうことは
- ここはリヴォーニアなのか!?
- <ネイリッカ:>
- ええ、そうよ。
- <Rain:>
- よし!
- <Rain:>
- やったぞ!
- やっとこれた!
- <Rain:>
- だけどどうして……。
- <ネイリッカ:>
- ああ。それそれ。
- その歪みがリヴォーニアへのゲートよ。
- <ネイリッカ:>
- あなた、運がいいのね。
- ゲートが出現する座標は
- 常に変化しているのに。
- <ネイリッカ:>
- おまけにゲートは
- 大きな力を感知しないと開かないの。
- <Rain:>
- 大きな力?
- <ネイリッカ:>
- そう。
- とてつもない魔力とか……。
- <Rain:>
- そっか。
- 血の覚醒か……。
- <ネイリッカ:>
- ええ。
- 血の覚醒を使った瞬間に、
- ゲートが出現したはずよ。
- <Rain:>
- (……なるほど。
- 大きな力でゲートが開く、か……)
- <Rain:>
- (でも、だったら
- この世界にやってきたのは
- どうして俺一人だけだったんだ?)
- <Rain:>
- (それだけじゃない。
- なんか違和感がある)
- <Rain:>
- (ネイリッカの話とは
- 状況が少し違ったような……)
- <リュース:>
- やはり俺とお前は
- 決着をつける定め……。
- <リュース:>
- 運がよかったにしろ
- お前はゲートに
- 選ばれた男というわけだ。
- <Rain:>
- だから待てって。
- <Rain:>
- もちろん、ここにきたのは
- お前と決着をつけるためだけど……。
- <Rain:>
- 血の覚醒についても
- 真実がわかると思ったからだ。
- <Rain:>
- それに……。
- <Rain:>
- 今、俺はこの世界のことを
- もっと知りたいと思っている。
- <Rain:>
- だいたいさ、
- ほとんど偶然でこれたわけだろ?
- <Rain:>
- それなのに
- お前と戦っておしまいじゃ
- もったいないじゃないか。
- <リュース:>
- も、もったいない?
- <Rain:>
- 用事だけすませて帰るなんて
- 面白くないだろ。
- <Rain:>
- せっかくだから、
- 俺はもっとリヴォーニアを
- 冒険してみたいんだよ。
- <ネイリッカ:>
- リュース、
- 今は戦うのを諦めたら?
- <リュース:>
- お、面白くないだと?
- <ネイリッカ:>
- ……ぷ。
- <リュース:>
- そうだな……。
- 気が削がれた。
- <リュース:>
- ただ、冒険なんて
- 軽い気持ちでいたら
- この世界では長生きできないぞ。
- <リュース:>
- まあ、
- お前の気持ちも少しはわかるしな。
- <Rain:>
- さっきのモンスターでわかったさ。
- だけど、俺にとっては
- そんな危険も含めて冒険なんだ。
- <リュース:>
- フッ。
- いいだろう。
- <リュース:>
- だが、忘れるな。
- 俺には
- 最強でなければならない理由がある。
- <リュース:>
- だから、
- お前とは必ず決着をつける。
- いいな。
- <Rain:>
- ああ。
- 望むところだ。
- <ニーニ:>
- じゃあさ、
- シェルナ共和国に行こうよ。
- <Rain:>
- え?
- <Rain:>
- き、君は?
- <ニーニ:>
- 久し振り。
- 異界でも会ったよね。
- <ニーニ:>
- 私はニーニ。
- この問題児二人の監視役よ。
- <ネイリッカ:>
- 誰が問題児よ。
- <リュース:>
- 誰が問題児だ。
- <ニーニ:>
- はい。
- そういう自覚のないところが
- 問題だって言ってるでしょ。いつも。
- <ニーニ:>
- リュースに関していえば
- 戦闘とか強くなること以外、
- まったくの興味なしじゃない。
- <ニーニ:>
- この間も訓練を終えたと思ったら
- そのままそこで眠り始めちゃったし。
- <リュース:>
- 当然だ。
- 帰る時間がもったいないだろ。
- <リュース:>
- 訓練場で寝て起きれば、
- すぐに訓練を再開できる。
- <リュース:>
- それの何が問題なんだ?
- <ニーニ:>
- はぁ……。
- 議論の余地なしね。
- <ネイリッカ:>
- 確かにリュースはひどい問題児ね。
- それには同意するわ。
- <ニーニ:>
- あれ、30人分はあったわよ!
- <ニーニ:>
- ネイリッカ。
- この間、食材のお使いを頼んだよね?
- <ニーニ:>
- 三人分の材料を買ってきてって
- きちんと伝えたのに……。
- <ニーニ:>
- なんで、お店に並んでる食材を
- 全部、買ってきちゃうのかな!?
- <ネイリッカ:>
- おかしいわね。
- 昔はお使い得意だったのに。
- <ネイリッカ:>
- これでも私はずっと
- 天才少女と呼ばれていたのよ!
- いや、今でも天才だけど!
- <Rain:>
- なんかすごいな……お前たち。
- <ニーニ:>
- そうでしょう?
- <Rain:>
- まあ、いいや。
- 目的地があるわけでもないし
- シェルナ共和国に行ってみるよ。
- <ニーニ:>
- うん。
- それがいいって。
- <ニーニ:>
- だってさ……。
- <Rain:>
- ……え?
- <Rain:>
- あの空間の歪みがリヴォーニアに
- 通じていたってことか……。
- <Rain:>
- あの空間の歪みがリヴォーニアに
- 通じていたってことか……。
- <ニーニ:>
- どうせ自分の世界には
- 帰れないんだし。
- <ネイリッカ:>
- そうね。
- 面白くないかもね。
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