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Nazta

S4P1:02-02

May 11th, 2021
53
0
Never
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  1.  
  2. <Rain:>
  3. これでどうだ!
  4.  
  5. <Rain:>
  6. はあ、はあ……。
  7. なんとか倒したか……。
  8.  
  9. <Rain:>
  10. だけど、ただのモンスターに
  11. 血の覚醒を使って
  12. ここまで苦戦するなんて……。
  13.  
  14. <Rain:>
  15. 何!?
  16.  
  17. <Rain:>
  18. さすがにこれはやばいぞ……。
  19.  
  20. <Rain:>
  21. リュース!
  22. ネイリッカ!
  23.  
  24. <リュース:>
  25. レイン、ようやくきたか。
  26.  
  27. <ネイリッカ:>
  28. ふーん。
  29. ちょっと驚きね。
  30.  
  31. <ネイリッカ:>
  32. リュースとの約束を守って
  33. ホントにここまでくるなんて。
  34.  
  35. <リュース:>
  36. 当然だ。
  37.  
  38. <リュース:>
  39. 剣をかわした俺にはわかる。
  40. レインは戦士同士の約束を
  41. 破る男ではない。
  42.  
  43. <リュース:>
  44. 俺との決着をつけるためには
  45. 何があっても追ってくる。
  46. そう信じていたぞ。
  47.  
  48. <リュース:>
  49. 信じていたが……。
  50.  
  51. <リュース:>
  52. なんだ。
  53. 今の戦いは。
  54.  
  55. <ネイリッカ:>
  56. グダグダだったわね。
  57. まったく知的じゃなかったわ。
  58.  
  59. <リュース:>
  60. あんな調子で
  61. 俺と決着がつけられると思ってるのか?
  62.  
  63. <リュース:>
  64. 見損なったぞ、レイン。
  65.  
  66. <リュース:>
  67. ならば、すぐに息の根を止めてやる。
  68. それが、ここまできたことへの、
  69. せめてもの情けだ。
  70.  
  71. <リュース:>
  72. さあ、レイン!
  73. 剣を抜け!
  74.  
  75. <Rain:>
  76. いや、ちょっと待ってくれよ。
  77.  
  78. <Rain:>
  79. お前たちがいるっていうことは
  80. ここはリヴォーニアなのか!?
  81.  
  82. <ネイリッカ:>
  83. ええ、そうよ。
  84.  
  85. <Rain:>
  86. よし!
  87.  
  88. <Rain:>
  89. やったぞ!
  90. やっとこれた!
  91.  
  92. <Rain:>
  93. だけどどうして……。
  94.  
  95. <ネイリッカ:>
  96. ああ。それそれ。
  97. その歪みがリヴォーニアへのゲートよ。
  98.  
  99. <ネイリッカ:>
  100. あなた、運がいいのね。
  101. ゲートが出現する座標は
  102. 常に変化しているのに。
  103.  
  104. <ネイリッカ:>
  105. おまけにゲートは
  106. 大きな力を感知しないと開かないの。
  107.  
  108. <Rain:>
  109. 大きな力?
  110.  
  111. <ネイリッカ:>
  112. そう。
  113. とてつもない魔力とか……。
  114.  
  115. <Rain:>
  116. そっか。
  117. 血の覚醒か……。
  118.  
  119. <ネイリッカ:>
  120. ええ。
  121. 血の覚醒を使った瞬間に、
  122. ゲートが出現したはずよ。
  123.  
  124. <Rain:>
  125. (……なるほど。
  126.  大きな力でゲートが開く、か……)
  127.  
  128. <Rain:>
  129. (でも、だったら
  130. この世界にやってきたのは
  131. どうして俺一人だけだったんだ?)
  132.  
  133. <Rain:>
  134. (それだけじゃない。
  135.  なんか違和感がある)
  136.  
  137. <Rain:>
  138. (ネイリッカの話とは
  139.  状況が少し違ったような……)
  140.  
  141. <リュース:>
  142. やはり俺とお前は
  143. 決着をつける定め……。
  144.  
  145. <リュース:>
  146. 運がよかったにしろ
  147. お前はゲートに
  148. 選ばれた男というわけだ。
  149.  
  150. <Rain:>
  151. だから待てって。
  152.  
  153. <Rain:>
  154. もちろん、ここにきたのは
  155. お前と決着をつけるためだけど……。
  156.  
  157. <Rain:>
  158. 血の覚醒についても
  159. 真実がわかると思ったからだ。
  160.  
  161. <Rain:>
  162. それに……。
  163.  
  164. <Rain:>
  165. 今、俺はこの世界のことを
  166. もっと知りたいと思っている。
  167.  
  168. <Rain:>
  169. だいたいさ、
  170. ほとんど偶然でこれたわけだろ?
  171.  
  172. <Rain:>
  173. それなのに
  174. お前と戦っておしまいじゃ
  175. もったいないじゃないか。
  176.  
  177. <リュース:>
  178. も、もったいない?
  179.  
  180. <Rain:>
  181. 用事だけすませて帰るなんて
  182. 面白くないだろ。
  183.  
  184. <Rain:>
  185. せっかくだから、
  186. 俺はもっとリヴォーニアを
  187. 冒険してみたいんだよ。
  188.  
  189. <ネイリッカ:>
  190. リュース、
  191. 今は戦うのを諦めたら?
  192.  
  193. <リュース:>
  194. お、面白くないだと?
  195.  
  196. <ネイリッカ:>
  197. ……ぷ。
  198.  
  199. <リュース:>
  200. そうだな……。
  201. 気が削がれた。
  202.  
  203. <リュース:>
  204. ただ、冒険なんて
  205. 軽い気持ちでいたら
  206. この世界では長生きできないぞ。
  207.  
  208. <リュース:>
  209. まあ、
  210. お前の気持ちも少しはわかるしな。
  211.  
  212. <Rain:>
  213. さっきのモンスターでわかったさ。
  214. だけど、俺にとっては
  215. そんな危険も含めて冒険なんだ。
  216.  
  217. <リュース:>
  218. フッ。
  219. いいだろう。
  220.  
  221. <リュース:>
  222. だが、忘れるな。
  223. 俺には
  224. 最強でなければならない理由がある。
  225.  
  226. <リュース:>
  227. だから、
  228. お前とは必ず決着をつける。
  229. いいな。
  230.  
  231. <Rain:>
  232. ああ。
  233. 望むところだ。
  234.  
  235. <ニーニ:>
  236. じゃあさ、
  237. シェルナ共和国に行こうよ。
  238.  
  239. <Rain:>
  240. え?
  241.  
  242. <Rain:>
  243. き、君は?
  244.  
  245. <ニーニ:>
  246. 久し振り。
  247. 異界でも会ったよね。
  248.  
  249. <ニーニ:>
  250. 私はニーニ。
  251. この問題児二人の監視役よ。
  252.  
  253. <ネイリッカ:>
  254. 誰が問題児よ。
  255.  
  256. <リュース:>
  257. 誰が問題児だ。
  258.  
  259. <ニーニ:>
  260. はい。
  261. そういう自覚のないところが
  262. 問題だって言ってるでしょ。いつも。
  263.  
  264. <ニーニ:>
  265. リュースに関していえば
  266. 戦闘とか強くなること以外、
  267. まったくの興味なしじゃない。
  268.  
  269. <ニーニ:>
  270. この間も訓練を終えたと思ったら
  271. そのままそこで眠り始めちゃったし。
  272.  
  273. <リュース:>
  274. 当然だ。
  275. 帰る時間がもったいないだろ。
  276.  
  277. <リュース:>
  278. 訓練場で寝て起きれば、
  279. すぐに訓練を再開できる。
  280.  
  281. <リュース:>
  282. それの何が問題なんだ?
  283.  
  284. <ニーニ:>
  285. はぁ……。
  286. 議論の余地なしね。
  287.  
  288. <ネイリッカ:>
  289. 確かにリュースはひどい問題児ね。
  290. それには同意するわ。
  291.  
  292. <ニーニ:>
  293. あれ、30人分はあったわよ!
  294.  
  295. <ニーニ:>
  296. ネイリッカ。
  297. この間、食材のお使いを頼んだよね?
  298.  
  299. <ニーニ:>
  300. 三人分の材料を買ってきてって
  301. きちんと伝えたのに……。
  302.  
  303. <ニーニ:>
  304. なんで、お店に並んでる食材を
  305. 全部、買ってきちゃうのかな!?
  306.  
  307. <ネイリッカ:>
  308. おかしいわね。
  309. 昔はお使い得意だったのに。
  310.  
  311. <ネイリッカ:>
  312. これでも私はずっと
  313. 天才少女と呼ばれていたのよ!
  314. いや、今でも天才だけど!
  315.  
  316. <Rain:>
  317. なんかすごいな……お前たち。
  318.  
  319. <ニーニ:>
  320. そうでしょう?
  321.  
  322. <Rain:>
  323. まあ、いいや。
  324. 目的地があるわけでもないし
  325. シェルナ共和国に行ってみるよ。
  326.  
  327. <ニーニ:>
  328. うん。
  329. それがいいって。
  330.  
  331. <ニーニ:>
  332. だってさ……。
  333.  
  334. <Rain:>
  335. ……え?
  336.  
  337. <Rain:>
  338. あの空間の歪みがリヴォーニアに
  339. 通じていたってことか……。
  340.  
  341. <Rain:>
  342. あの空間の歪みがリヴォーニアに
  343. 通じていたってことか……。
  344.  
  345. <ニーニ:>
  346. どうせ自分の世界には
  347. 帰れないんだし。
  348.  
  349. <ネイリッカ:>
  350. そうね。
  351. 面白くないかもね。
  352.  
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