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sampu ponbau prosa

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Jun 18th, 2016
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  1. 一・たんんぽぽの知恵
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  3. 春になると、たんぽぽの黄色いきれいな花が咲きます。二、三日経つと、その花は、しぼんで、だんだん黒っぽい色に変わっていきます。そうして、たんぽぽの花の軸は、ぐったりと地面に倒れてしまいます。
  4. けれども、たんぽぽは、枯れてしまったのではありません。花と軸を静かに休ませて、種にたくさんの栄養を送っているのです。こうして、たんぽぽ、種をどんどん太らせるのです。
  5. やがて、花はすっかり枯れて、その後に、白い綿毛ができてきます。
  6. この綿毛の一つ一つは、広がると、ちょうどらっかさんのようになります。たんぽぽは、この綿毛についている種をふわふわと飛ばすのです。
  7. このころになると、それまで倒れていた花の軸が、また起き上がります。こうして、背伸びをするように、ぐんぐん伸びていきます。
  8. なぜこんなことをするのでしょうか。それは、背を高くするほうが、綿毛に風がよく当たって、種を遠くまで飛ばすことができるからです。
  9. よく晴れて、風のある日には、綿毛のらっかさんは一杯に開いて、遠くまで飛んでいきます。でも、湿り気の多い日や雨降りの日には、綿毛のらっかさんはすぼんでしまいます。それは綿毛が湿って重くなると、種を遠くまで飛ばすことができないからです。
  10. このように、たんぽぽはいろいろな知恵を働かせています。そうしてあちらこちらに種を散らして、新しい仲間を増やしていくのです。
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  13. 二・ヤドカリの引越し
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  15. ヤドカリは巻き貝の殻の中に住んでいます。貝殻は大きくなりませんから、ヤドカリは成長するにつれて、何度か貝殻を取り替えます。そのとき、ほかのヤドカリの貝殻に住み替えることが多いのです。いったいどうやって住み替えるのでしょう。
  16. 海辺で一匹のヤドカリを観察しました。このヤドカリはもう一匹の小さいヤドカリに出会いました。相手のヤドカリは貝殻の中に隠れました。相手の殻は少し大きめです。はじめ、このヤドカリは相手のヤドカリの貝殻を回したり、入り口にはさみを突っ込んだりました。貝殻の大きさや表面の傷を調べているようです。
  17. 次に、相手が貝殻の入り口にはさみを入れて、自分の貝殻の何度もぶつけました。そして、相手が貝殻から出ると、すばやくの殻の中に入っていきました。相手のヤドカリは入れ違いに空になった貝殻に入りました。
  18. ヤドカリはこのように相手の貝殻が気に入れば、中のヤドカリと入れ替わるようにして住み替えるのです。
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  21. 三・蟻の行列
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  23. 夏になると、庭のすみなどで蟻の行列をよく見かけます。この行列は、蟻の巣から餌のある所までずっと続いています。蟻は、物がよく見えません。それなのになぜ蟻の行列ができるのでしょうか。
  24. アメリカにウイルソンという学者がいます。この人は、次のような実験をして、蟻の様子を観察しました。
  25. はじめに蟻の巣から少し離れたところにひとつまみの砂糖を置きました。しばらくすると、一匹の蟻がその砂糖を見つけました。これは、餌を探すために外に出ていた働き蟻です。蟻は、やがて、巣に帰っていきました。すると、巣の中からたくさんの働き蟻が次々と出てきました。そして、列を作って、砂糖の所まで行きました。不思議なことにその行列ははじめの蟻が巣に帰るときに通った道筋から外れていないのです。
  26. 次に、この道筋に大きな石を置いて、蟻の行く手をさえぎって見ました。すると、蟻の行列は、石の所で乱れて、ちりぢりになってしまいました。ようやく一匹の蟻が、石の向こう側に道の続きを見つけました。そして、砂糖に向かって進んていきました。そのうちに、ほかの蟻達も、一匹二匹と見つけて歩きだしました。まただんだんに蟻の行列ができていきました。帰るときも、行列の道筋は変わりません。蟻の行列は、砂糖のかたまりがなくなるまで続きました。
  27. これらの観察からウイルソンは、働もき蟻が地面に何か道しるべになる物をつけておいたのではないか、と考えました。
  28. そこで、ウイルソンは、働き蟻の体の仕組みを細かに研究してみました。すると、蟻は、お尻の所から特別の液を出すことが分かりました。それは匂いのある蒸発しやすい液です。
  29. この研究からウイルソンは、蟻の行列のできる訳を知ることができました。
  30. 働き蟻は、液を見つけると、道しろべとして、地面にこの液をつけながら帰るのです。ほかの働き蟻達は、その匂いを嗅いで、匂いに沿って歩いていきます。そしてその働き蟻達も、液を持って帰るときに、同じように、餌を地面につけながら歩くのです。そのため、餌が多いほど匂いが強くなります。
  31. このように、匂いをたどって、餌の所へ行ったり、巣に帰ったりするので、蟻の行列ができるという訳です。
  32. この液の匂いは、蟻の種類によって違うことも分かりました。それで、違った種類の蟻の道しるべが交わっていても、けっして迷うことがなく、行列が続いていくのです。
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  35. 四・シャボン玉の色変わり
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  37. シャボン玉にそっと顔を近づけて、よく見てみましょう。様々な色の模様がくるくると動いているのが分かります。虹のよう縞模様ができていることもあります。
  38. シャボン玉は、どんな色をしているのでしょうか。また、どうしてそのような色になるのでしょうか。シャボン玉を作って調べてみましょう。
  39. 先ず、湯冷ましの水をコップに半分用意します。その中に化粧石鹸を小指の頭くらい削って溶かします。次に、吹き込む息を弱めるために中ほどに二三ヶ所穴を空けたストローを用意します。この液とストローを使ってシャボン玉を作ります。
  40. ストローの一方の口にシャボン玉液をつけて、ゆっくりと吹きます。すると、シャボン玉は脹らみ、いろいろな色があらしのように目まぐるしく動き回ります。更にゆっくりと息を吹き込んでいくと、あらしは収まって、青一色になります。
  41. 続けてゆっくり息を吹き込んで、もっと大きくします。すると、青いシャボン玉には赤い縁取りができてきます。そして赤い縁取りは広がり、全体が赤っぽくなります。そのうちに黄色の縁取りが現れます。そして黄色の縁取りは全体に広がり、黄色に一色になります。
  42. このようにシャボン玉は様々に交じり合って色の模様から青、赤、黄色の三色に変わります。そして、この色変わりは、何回やっても同じ順番です。
  43. では、どうしてシャボン玉はこのように決まった順番で色変わりをするのでしょうか。
  44. 実は、シャボン玉の色は膜の厚さによって決まるのです。息を吹き込んで、シャボン玉が大きくなるにつれて、膜は薄くなります。膜の厚さが変わると色が変わります。青、赤、黄色と色が変わったのは膜が薄くなっていったからです。
  45. さまざまな色の模様が交じり合うのは膜の厚さがどこも等しくないときです。虹のような縞模様ができるのは、下の方ほど膜が厚くなっているときだったのです。一色になるのは、ゆっくりと吹いて、膜の厚さがどこも等しくなったときだったので。
  46. さあ、きれいな色のシャボン玉を作って、青空に飛ばしてみましょう。
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  49. 五・カブトガニを守る
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  51. カブトガニ、北アメリカの東海岸とアジアの一部にしか住んでいない、珍しい動物です。日本では、瀬戸内海の一部や九州北部など見られます。全長およそ六十センチメートル、鋭い剣のような尻尾を持ち、いかめしいかぶとのような頭をしています。
  52. カブトガニは、実は、二億年もの昔から、ほとんど形を変えることもなく生き続けてきた動物です。なぜそんなに長い間生き続けることができたのでしょうか。
  53. 第一の理由は、海の底の泥の中でひっそりと生活してきたことです。そのため、敵に襲われることが少なく、気候の大きな変化にも影響を浮けなくて住んだのです。
  54. 第二の理由は、食べ物が少なくて住むということです。何も食べなくても半年以上も泥の中で生きていられるのです。
  55. 第三の理由は、卵を数百個ずつ分散して産むことです。そのため卵が全滅する心配がありません。
  56. このような特徴をもつカブトガニも今では随分少なくなりました。海が汚れ、海岸が埋立てられ、カブトガニのすみかが奪われてきたからです。
  57. そのでカブトガニを守る運動が岡山県笠岡市など、各地で進められるようになりました。カブトガニを守ることは自然を守り、私達の暮らしを守ることの繋がるのです。
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