ルミナスアーク　インフィニティ　雑感
題して「またこの現代商業美少女JRPG」



シナリオ設定など

-ルミナスアークシリーズのコンセプトはヒロインが皆魔女。今作ではヒロインは巫女っぽい役割を持つ「アイドル」という肩書を持つ存在。ライブを行い、でっかいクリスタルに魔力を注ぐことが仕事。アイドルという名の魔女ということ。

-しかし、ラ　イ　ブ　を　し　な　い　。　歌　っ　て　踊　ら　な　い　。

-しないといいますか、その演出がありません。歌は……各ヒロイン2曲ずつありますが超必殺技の時にしか聞こえません。しかも10秒程度のみ。しかもしかも、音楽鑑賞モードがありません。つまり24曲を用意したのにロングどころかショートすら聞けません。アイドルがコンセプトなのにこれいかに。（予約していたら12曲あるCDが付いてきますが）

-主にADV演出。JRPGだから仕方がないと言っても、せっかくの3Dモデルなのに超必殺技と戦闘以外のところに動きが見れないのはとても残念。戦闘の動きもあまり面白くない。

-地の文のないADVなのであの限定的な臨場感が全くない進行と描写が楽しめます。モデルを使ってください。ゲームでしか出来ませんから。

-アルトとソポラの話が…酷いといいますか、急。会ったばっかりなのにあのドラマティックな展開は何。それに分岐はあるけど展開に違いは絶対にほぼないと見ます、アルトとソポラを入れ替えるだけの意味のない分岐。

-世界設定がない。というより世界作りはしていません。設定はありますが、この国はこういう場所ですそして美術設定はこうってだけのもの。住民や営みの描写が非常に少なく、国というより本当にただの「場所」です。王様達も王というよりただの「場所に住んでる偉い人」。国ごとの世界観がばらばらで統一感がありません。

-それに加え、フローティアという浮遊拠点の実態が不明。空を飛ぶ……巨大建築物。中立国家、らしい。世界中に水を運ぶ。操縦者は二人。…都市ですか？街ですか？家屋はないけど部屋はいっぱい。人はいますか？NPCっぽいものがいた描写は…2回くらいあったようですが、ヒロインと主人公だけが拠点にしてる場所になっています。他の人がまるでいません。都市？ただのゲームに置ける本拠地。

-台詞で魔法の詩を「ららるー」と皆に歌わせるのがださかった……最後のらららーのオンパレードがちょっと色々台無しにしてしまいました。合計27曲も作ったのに何故シナリオのために一つも作らないんですか。

-シナリオが可もなく不可もなし……といいたいけど、不可もないってことは、多分ない。つまらなくなくて痛くなくてツッコミたいと思うこともあまりなく、けれど全く面白くない。無難の鑑！




ゲーム性　戦闘

-ぬ　る　い　。

-ぬるさは予想出来ました。ルミナスアークシリーズは基本的ぬるい。そこはあまり期待してなかった。

-ぬるいゆえに、これ以降のバランスに関する批判はあまり意味がありません。直したとしても難易度に影響はありません。

-物理が弱い。魔女がテーマのシリーズなんで魔法使いはいつも多い方でしたけど、従来のゲームでは物理は有効でした。今回は使う意味があまりない。物理に強い敵が多くて、何かの属性で攻撃した方がいい場合がほとんど。物理攻撃が一番強いジョーカーだけがやっとまともに物理で戦える程度、そのジョーカーでさえ魔法を使ったほうがいい場合が多い。

-属性攻撃が魔法扱い。炎の剣で切ってもそれは魔法。風の矢を射てもそれは魔法。ATKは意味が無い。ATKが高くてもただの副次的な攻撃手段。

-幸いほぼ皆を魔法使いとして扱うことは出来ますが……魔法使いっぽい魔法使いを使ったほうがいい。

-逆に言えば代役が効き安すぎて皆自分だけの特徴がありません。ルミナスアーク3ではそこそこ差別化してましたけど。

-水着という装備があります。主要キャラ分を獲得するのに作業ゲーなミニゲームを百回くらい遊ぶ必要があります。この水着は防御力がありませんが、WCを8下げます。WCとはおそらくWait Count。つまり行動速度。これとても大事。魔法力とAP獲得量も上がりますからかなり便利。

-ずっと水着プレイの紙防御でも問題ありません。みんなのHPがとても高いので（いつも敵より高い）、何よりもぬるいので楽勝。

-キャラの属性の偏りが酷い。青キャラ4、赤キャラ3、緑キャラ2、黄キャラ2。露骨な水贔屓！しかも魔法がゴミなフェイランの土属性攻撃が使えないので実質黄1。ヴィオレット超強いからいいけど。

-パッシブスキルの大半が死にスキル。必須とも言える重要なパッシブスキルは二つだけ：自然回復（20％）と属性アッタクレート＋20％。ぬるいから必須じゃないけど、あると非常に便利。

-レベルを上げて魔法で殴ればいい。

-攻撃スキルのバリエーションが少ないので本当に魔法で殴ってる気分になります。実際範囲だけが変わります。面白みがありません。

-スキルレントというアイデアが凄くいい。これは味方の特定のスキルを借りることが出来るシステムで、例えばキャラの属性に耐性を持つ敵がいても、近くに味方がいた場合その味方のスキルを借りて有効打を与えることが出来ます。とてもおりじなる。補助技も借りられます。

-全員の移動力が3。全員。移動力を上げる装備もありません。何で差別化を図らなかった…速いキャラが4でもバランスが崩壊するとは思えません。

-歌を歌うシステムはありますが、あれは実質VPを貯める手段で、それ以外に戦略的な意味がありません。ぬるいから。

-歌うと動作が重くなるから好きじゃない。歌は流れません。

-ぶっちゃけ主人公が戦闘で取る行動は一つのみ：パフォーマンス一択。これはヒロインにポーズをさせてスキル習得に使うAPを獲得する行動です。主人公は色々出来ますけど、無駄に遅いからパフォーマンス以外の選択はおそらくしないでしょう。




システム周り、その他

-幕間が多い。ヒロインとの会話を楽しむためのものでしょうけど、薄い会話が多くてその文のテキストをシナリオに使った方がキャラが立ちます。RPGではキャラは活躍させてなんぼです。ギャルゲーごっこのためのジャンルじゃないはず。幕間ではなく、ストーリーで魅力を引き出してください。

-プロデュース画面、つまりスキル習得画面の見た目はよくても実用性が壊滅的。情報が全然まとめてなくて、何がどこにあるのかわかりづらくて、総合効果も同様に計算しづらくて、とにかく確認が非常に面倒。

-最終的には調響が作業と化します。

-ミニゲームがゴミ。

-仲間の一覧がありません。何故。

-アイテムなにそれ美味しいの



キャラなど

-ルミナスアーク3の不気味ちゃんこと師匠ことライラに勝る娘はいませんでした。ライラ師匠とは：でかい巻物で敵をぶん殴る可愛くて面白くて意外とかっこいい年齢不詳の仙人。あとセーラー服で求婚します。おもしろつよかわいい（酷い造語）。

-妹（17歳）がメインヒロインのちょっと珍しいRPG。メインと言っても皆がそこそこ活躍するからメインストーリーの中心になる娘はいません。

-それでも別にいてもいなくてもヒロインはいます。シーナやヒソカやフェイランなど。

-なんか男性陣の声優が無駄に豪華なんですけど……

- ジョーカー　悠木碧

(　ﾟдﾟ) ・・・

(つд⊂)ｺﾞｼｺﾞｼ

  ジョーカー　悠木碧

(；ﾟ Дﾟ）・・・！？

(ﾟДﾟ；) たまげたもんﾀﾞｾﾞｪ…

（可愛い声を使う役でしか知らなかった悠木が沢城に似合いそうな役をやってることに驚きました。寒い説明終わり）

-パルス役の久野美咲の独特な声が凄く癖になりました。頭から離れません。聴いていてほっこりします。ずっと聴いていたい。敵を倒す時、とても無邪気にゆるーく「ばいばーい」といいます。無邪気でゆるいからとても残忍に聞こえます。敵消滅　→　ばいばーい♪　　酷い。可愛い。

-その声のお陰で幕間のパルスの嘘発見器の話とカエリミズの話だけは覚えています。他のヒロインたちとの会話が薄すぎて同じようなことばっかり言ってて何も覚えてません。

-パルスは二十歳だからセーフ。

-多分他のルミナスアークみたいに時が経てば皆のことを忘れてしまいます。それはヒロインに問題があるというより書き手がヒロインを面白く書くことができない人というだけのことでしょう。

-巨乳が多い…12人中7人が巨乳。ヒソカを除けば6人。AA A B B B C C D E F G Hとなっていますが…文字なんかよりも見た目が重要。半分となるとやっぱり多い。貧乳と巨乳に分ければバランスが取れてるように見えてしまうかもしれませんが…皆忘れがちですけどその中間が存在しますよ？大きさを大まかに3種類に分けたら過半数はやっぱり巨乳。巨乳の陰謀、ここにも現れました。

-エンディングがしょぼい。CG付きイベントと同じくらいしょぼい。これも予想出来ましたけど。

-一番エロい衣装を着てるのは断然アクアです。一見牧歌的な普通の民族衣に見えますが、胸元と背中を見ればかなり際どいことになっています。ラナやヴァイオレットみたいな露出度の高い衣装はありますが、あの誘うようなけしからんエッチな隙間はアクアの衣装にしかありません…　（アクアとエッチしたい）

-アクアとエッチしたい




グラフィック

-あの頭身のモデルのバランスが奇跡。何故か不思議な色気もあります。あんな頭身なのに。モデルの造形はとても繊細で可愛くて全く破綻してません。見てて飽きません。

-GUI、システムグラフィックが好き。オレンジ調が何気に珍しいのにシスグラとの親和性が意外と高い。いや、これは本当に凄くいい。褒めちぎりたいけど視覚的な抽象的な模様群と文字群だから伝わりづらい。

-背景が多いけど有効活用してるとは言い難い。

-マップが綺麗だけど一度切りのものが多くてもったいない。何故か砂漠ばっかりで戦う。

-かっこいい敵はいません。

-ボスがないようなもの。

-もっとモデルをもっと動かしてください。

-OPが3つもあるのはいいことだけど……

-正直キャラデザインには奇抜な装飾が多く冷静に見ればかなり変。




総合評価

-前作のストーリーは全く覚えてないけど、面白かったという印象だけは残っています。少なくとも今作よりも。

-なんと言いましょうか。結構長い。気力吸い尽くされました。疲れたから周回は絶対しません。でもやってるとつまらないと感じることはなく、遊びやすい。やって後悔はありませんが、何かを得たとも言えません。充実感もありません。時間だけ失われましたが。感覚で言うなら、「またこういうJRPGでした。」サモンナイト5と同じね。またこのパターン。またこの構成。またこのぬるさ。またこの面白くないけど、つまらなくない感じ。またこの方向性。またこの魅力の伝え方を勘違いした似非ギャルゲっぽさ。またこのシナリオの薄さ。またこの設定の適当さ。またこのグラだけはいい視覚的狙い。

-またこの現代商業美少女JRPG。

私は豚じゃない。歯ごたえのあるゲームと、感動できるストーリーと、テキストとキャラの面白さと、戦う美少女が好き。最後だけ満たせばいいってものじゃない。いいえ、最後すら満たしてません。満たしてるのは「戦える美少女」。






どうでもいい個人プレイ雑感（ラナ最強説）

-WCの重要性はラナが証明しました。ヒソカの方がWCが2～3ほど低いけど、火力に欠け補助もあまりできないので結局使いませんでした。ラナと同じような運用は可能でしょうけど水使いが既に他3人いますしちょっと弱いし。

-WC。それは、低ければ低いほど倍の効果が出るステータスです。WCとは文字通り行動までのカウント。味方はだいたい30から50まで、敵は50から70まで。主人公が鈍足の80（48まで落とせます）。主人公以外、レベルが上がれば少しずつ低くなります。スターランキングも上がれば低くなります。

-行動までのカウントということで、単純計算での例を見ればどのような効果を持つか理解できます。例えばWC80のキャラがいるとします。WC40のキャラなら、WC80が一回行動するまでに二回行動はできます。そしてWC27なら大体WC80キャラの一回のうちに3回行動はできます。

-しかし、実際は取る行動によってカウントが増加します。3マス動いて攻撃すればその分だけ加算されます。計算はどうなってるかは知りませんが、行動順の速さの指標として理解しやすい数字。

-アクアの使用率が一番高かった私ですが、終盤になって何故かラナに追いぬかれてしまい、唯一レベルカンストしたキャラになりました。それは活躍の差。

-私はSRPGにおける遊撃が得意なキャラが好き…だけどいつも育ちすぎてただのマップを一人で駆け抜けて敵を沢山始末して攻撃を物ともしない殺戮マシーンに化けてしまいます。今回のそれがラナ。

-私のカンストラナのWCは脅威の23。センターにすれば18。これだけで敵のターンが来るまで3～4回行動できます。味方のターンが来るまで2～3回。主人公のセンター強化スキルを使えば3ターン13。13です、13。どんだけ速いんですか。

-ぬるいゲームであっても、敵を倒すには大体2発撃ちこむ必要があります。敵と耐性によりますが、一発で沈むことはまれ。つまりどんな敵でも自分のキャラにライフを60％くらい削れる火力があればいい。

-ラナはクールルート、ATK重視のルートで育てましたが……割とどうでもいいATKが高い。でもMAGも高い、そして重要な＋20％アタックレートを持っています。どんな敵でも容易に近づけてHPの7割くらい削れます。そのまま動かないで攻撃するとターンがそれだけ早く回ってきます。範囲攻撃を用いれば、2ターンで敵を二体屠れます。

-つまり、私のラナが最強でした。戦場を駆け抜け、敵を仕留め、必要とあれば回復し、味方と自分の回避率を上げ、魔法以外の攻撃をよく避け、敵はおろか味方がろくに動く前に既に一人で敵を何体も片付く最強の弓使い。とても楽しい。ラスボス戦では誰よりも早くボスの元の到達し味方が追いつくまで一人で露払いを済まし第一形態を倒してしまうほど優秀。

-ラナ縛りでフリーバトルとAP稼ぎをしないで攻略すると面白そうです。私はやりませんが、余裕があればやってみてはいかが。AP稼ぎをしないというのはちょっと厳しいかもしれませんが。

私の最終決戦前パーティはこんな感じ。半開き目ラナはご愛嬌ってことで。
http://imgur.com/a/p21vU