Advertisement
Not a member of Pastebin yet?
Sign Up,
it unlocks many cool features!
- * CTRL+F: Part 1 / Part 18 (Last)
- ========Part 1========
- Rain: うおおおおお!
- Emperor Vlad: 忘れたか。
- 私にはどんな攻撃も届かない。
- Emperor Vlad: くっ!
- Rain: 残念だったな。
- お前の魔法も俺たちには届かない。
- Emperor Vlad: なるほど……。
- この私と
- 我慢比べをしようというわけか。
- Rain: まあ、そうなるな。
- Emperor Vlad: ならば続けるまでもない。
- 結果は明らかだ。
- Rain: なんだと?
- Rain: 何!?
- Lasswell: これは……。
- Emperor Vlad: お前たちほどの強者ならわかるはずだ。
- 私の魔力が底なしだということを。
- Lasswell: ……。
- Emperor Vlad: と、言ったところで
- 諦める連中ではないな。
- Rain: そうだ。
- よくわかってるじゃないか。
- Emperor Vlad: 戦力の差など全く気にしない。
- 本当に面倒くさい連中だ。
- Emperor Vlad: だが、見よ。
- Lasswell: あれはなんだ?
- Emperor Vlad: あの移送空間は
- グランドールへと続いている。
- Rain: グランドール?
- Emperor Vlad: 孤高の空に君臨する
- 私のためだけの大宮殿だ。
- Emperor Vlad: ウェポンの力を利用して、
- グランドールから永遠の独裁を
- 満喫するつもりだったのだが……。
- Emperor Vlad: それはもう叶わぬこととなった。
- Emperor Vlad: ならば、グランドールから
- この星に向けて、
- 魔導砲を撃ち続けるとしよう。
- Lasswell: なんだと!?
- Emperor Vlad: 数か月もすれば
- パラデイアからあらゆる命が
- 消え去るだろう。
- Emperor Vlad: きっと美しいぞ。
- 人間がいなくなった星は。
- Emperor Vlad: 私の不老不死の肉体も
- いつかは尽きるだろうが、
- Emperor Vlad: それまでは
- 宝石を愛でるように
- 空からこの星を眺めることにしよう。
- Emperor Vlad: パラデイア最後の独裁者としてな。
- Lasswell: ふざけるな!
- Rain: そんなことをさせるか!
- Rain: くっ!
- Emperor Vlad: だから面倒くさいと言ったはずだ。
- Fina: レイン!ラスウェル!
- Rain: くっ……。
- ヴラドを追うぞ!
- Fina: うん!
- Lasswell: ここで奴を逃がしたら
- この星は終わりだ!
- ========Part 2========
- Lasswell: くそっ!
- エルマウル: 空に発生した移送空間と
- ここは繋がっていたようだな。
- Lid: え?
- じゃ、もうヴラドを
- 追いかけられないの?
- エルマウル: 案ずるな。
- 動力を入れ直せばいいだけのことだ。
- エルマウル: この装置はアルドールタワーから
- エネルギーを供給されているようだ。
- Faisalith: え?
- ということは……?
- エルマウル: 一度、
- アルドールタワーに戻る必要がある。
- Rain: ヴラド!
- Nichol: 防衛システムが作動したようですね。
- Lid: どうする?
- 誰がアルドールタワーに戻るの?
- エルマウル: その役目は私しかおるまい。
- Juraga: ならば俺とクンシラが
- 付き添うことにしよう。
- Juraga: エルマウル、俺の背に乗れ。
- エルマウル: おや。
- 背には女しか乗せないと聞いていたが。
- Juraga: 緊急事態だ。
- 贅沢は言っていられん。
- Lid: ジュラガ、クンシラ。
- 私も行こうか。
- Kunshira: いいえ。
- リドさんたちは
- ここで待機していてください。
- Kunshira: 獣人のスピードなら
- 敵が現れても
- かいくぐることができますから。
- Lid: わかった。
- じゃ、それまでに
- ここの敵を全滅させておくから。
- エルマウル: ああ。
- 待っていてくれ。
- Rain: ラスウェル!
- エルマウルたちの道を切り開くぞ!
- Lasswell: ああ!
- Lid: ジュラガ、クンシラ、エルマウル!
- 頑張ってね!
- Jake: さて、俺たちは俺たちで
- 頑張らないとな。
- Citra: ふん。
- なんとも味気ない相手だがな。
- Sakura: ニコルのような敵だったら、
- それはそれでやる気がでまい。
- Citra: ほう。
- サクラ、お前も
- ニコルの魅力に気付きつつあるのか?
- Sakura: まあ、姉妹じゃからな。
- Citra: フッ。その話に関しては
- 戦いが終わったら
- ゆっくり話そうではないか。
- Lasswell: さあ。
- やるぞ、みんな。
- ========Part 3========
- Ignacio: くそ……。
- いくら倒してもキリがないな。
- Citra: このままでは体力を消耗するだけだ。
- エルマウルたちはまだなのか?
- Lasswell: その声はエルマウル!
- Lid: アルドールタワーに着いたんだね!
- エルマウル: 今、動力を入れる。
- エルマウル: 全員、
- グランドールに向かったようだな。
- Juraga: なんとか役目は果たせたな。
- Kunshira: ええ。
- そうですね。
- Juraga: さて、エルマウル。
- ここを突破する知恵をもらえるか?
- エルマウル: ほう。
- この状況でも諦めないのだな。
- Kunshira: もちろんです。
- こんなところで
- 死ぬわけにはいきません。
- Juraga: 大切な人が待っているのだからな。
- 俺たちの故郷……グンガンで。
- エルマウル: そうか……。
- エルマウル: 知識というものは
- 人のために使ってこそ意味がある。
- エルマウル: 安心するがいい。
- 私の知識でお前たちを
- 必ず勝利へと導いてみせよう。
- Juraga: ああ。
- 期待しているぞ。
- Sakura: これでヴラドを追いかけられるぞ。
- Lasswell: よし。
- 三人ともこっちに戻ってきてくれ。
- エルマウル: いや、私たちは戻らない。
- Lasswell: え?
- Juraga: 早くヴラドを追うんだ。
- Kunshira: 私たちが戻っている時間すら
- 今は惜しいはずです。
- Lasswell: そうか……わかった。
- Faisalith: エルマウル。
- 私をウェポンから助けてくれて
- 本当にありがとう。
- エルマウル: 礼などいらん。
- 私は知恵を貸したまでだ。
- Faisalith: この戦いが終わったら、
- おいしいものをご馳走してね。
- エルマウル: そこは
- ご馳走してくれるんじゃないのか?
- 普通は……。
- Faisalith: え?
- あれ?
- 私、なんか間違えた?
- グリ: エルマウル、ごめんなさいね。
- ファイサリスはバカじゃないの。
- 食い意地が張ってるだけなの。
- Faisalith: グリ、失礼だよ!
- Lid: ジュラガ、クンシラ。
- じゃ、行ってくるね。
- Jake: あとは俺たちに任せて
- 二人はグンガンの明るい未来でも
- 想像してればいいさ。
- Juraga: ああ。
- そうする。
- Kunshira: みなさん、どうかご無事で!
- エルマウル: 待たせたな。
- よくぞ持ちこたえてくれた。
- ========Part 4========
- Lid: え?
- 何これ?
- どうやって進めばいいの?
- Faisalith: あ、でも……。
- Faisalith: なんか体が
- 引っ張られる感じがするよ。
- Lasswell: よし。
- この流れに身を任せてみよう。
- グランドールに辿り着くかもしれない。
- Raegen: ……。
- Citra: どうした、レーゲン。
- Raegen: ヴラドのことを考えていた。
- Sakura: あやつも
- 不老不死になっていたとはのう。
- Raegen: ああ。
- そこが不思議なんだ。
- Raegen: 不老不死の身なのだから
- その気になれば
- 永遠に皇帝の座にいられたはずだ。
- Raegen: それなのにヴラドは
- 皇帝ではなく一闘星になっていた。
- Raegen: あいつはどうして
- わざわざそんなことを……。
- Nichol: もしかしたら、独裁体制を
- 維持するためではないでしょうか。
- Nichol: 不老不死の皇帝が
- 何百年もの間、独裁を続ければ
- さすがに民の不満も爆発してしまう。
- Nichol: だからこそヴラドは
- アルドール・オーダーを作り
- 一闘星が皇帝になれるようにした。
- Jake: なるほど。民にとっては
- 公平なシステムに見えるからな。
- 不満も解消されるというわけか。
- Nichol: ええ。
- ですが、実際は……。
- Jake: 歴代の皇帝たちを
- ヴラドが影から操っていたと……。
- Emperor Vlad: いいや、違う。
- Lasswell: ヴラド、どこだ!
- どこにいる!?
- Emperor Vlad: お前たちも目にしたはずだ。
- カガネの魂を複製し、
- 皇星の体に植え付けたのを。
- Nichol: 魂の複製……。
- まさか……。
- Emperor Vlad: 私は自分の魂を複製し、
- 一闘星となった者の肉体に
- 注いでいたのだ。
- Emperor Vlad: すると魂の融合が行われ……。
- Emperor Vlad: 皆、私になる。
- Emperor Vlad: 私は影から操ってなどいない。
- Emperor Vlad: 歴代の皇帝は全て私だったのだ。
- Lasswell: なんだと……。
- Folka: こんなところにも
- モンスターが現れるなんて。
- Lasswell: ヴラドが放ったのかもしれない!
- みんな、迎え撃つぞ!
- ========Part 5========
- Akstar: ……くっ。
- Lasswell: 大丈夫ですか、アクスターさん。
- Akstar: 心配は無用だ。
- Akstar: ヴラドに全種類の明鏡を
- 叩きこむだけの元気はある。
- Akstar: まあ、もっとも、
- それで俺の命は終わりになるがな。
- Lasswell: アクスターさん……。
- Akstar: そんな暗い顔を見せるな。
- お前とはもう別れをすませたはずだ。
- Lasswell: は、はい……。
- Lasswell: 何!?
- Citra: いかん!
- 衝撃で移送空間が不安定に……!
- Rain: ラスウェル!
- Lasswell: レイン!
- Lasswell: ……くっ。
- ここまできて
- 離れ離れになってしまうなんて。
- Cid: 今の攻撃は一体……。
- Cid: 皇星!?
- ヴラドのところに行かせないつもりか。
- Citra: くっ!
- Raegen: いかん。
- これ以上、攻撃されると
- さらに移送空間が不安定になるぞ。
- Ignacio: なんであいつは
- 攻撃してこないんだ?
- Ignacio: まさか……。
- Ignacio: カガネ……。
- Ignacio: お前……。
- カガネの魂が入ってるのか?
- 絶皇星のインフェルノ: ……。
- 絶皇星のインフェルノ: ええ、そうよ。
- イグニシオくん……。
- Ignacio: ……そうか。
- Ignacio: ならお前だけは……
- 俺がやらなくちゃならねえな。
- 絶皇星のインフェルノ: 約束してくれたもんね。
- 何度でも私を殺してくれるって。
- Ignacio: ああ。
- お前の魂は俺が救ってやる。
- 絶皇星のインフェルノ: ……ありがとう。
- 絶皇星のインフェルノ: でもね……。
- 絶皇星のインフェルノ: 今回は私が
- イグニシオくんを救ってみせる!
- Ignacio: カガネ!?
- 何をするつもりだ!?
- Ignacio: カガネ!?
- Ignacio: カガネ……。
- 俺たちを助けてくれたのか……。
- Ignacio: ……。
- Ignacio: ……なあ、レーゲン。
- Raegen: なんだ?
- Ignacio: ヴラドを倒したら
- カガネの魂は解放されるよな?
- Raegen: ああ。
- カガネの魂を利用する者は
- もう誰もいなくなる。
- Ignacio: そうだよな……。
- Folka: イグニシオ。
- 絶対にヴラドを
- 倒さないといけませんね。
- Ignacio: ああ……。
- やるさ。
- やってやる。
- Lasswell: レインたちは無事だろうか……。
- Raegen: あいつたちなら心配はない。
- 移送空間の出口を目指せば
- きっと合流できるはずだ。
- Lasswell: そうですね。
- 急ぎましょう。
- ========Part 6========
- Folka: いくら進んでも
- 出口が見当たりませんね……。
- Citra: 皇星の攻撃で移送空間の
- 狭間に飛ばされてしまったようだな。
- Ignacio: 何か目印になるものがないと
- どっちに進んでいいのか
- わからないぜ。
- Lasswell: 目印か……。
- クリスタルなら所々にあるが……。
- Lasswell: なっ!?
- Citra: クリスタルは
- 人の思いを込めることができる。
- Citra: ならば記憶が込められていても
- 不思議ではないが……。
- Raegen: こっちにも別のクリスタルがあるぞ。
- 今のとは輝きの色が違うが……。
- Lasswell: 触ってみます。
- Lasswell: (こ、これは……?)
- Lasswell: (過去の記憶がクリスタルに
- 込められていたというのか?)
- Lasswell: 俺は師匠に勝ってみせます!
- Akstar: フッ。
- 虫けらラスウェルから
- 泣き虫ラスウェルになったな。
- Akstar: ならば決勝戦の舞台で会おう。
- みんなにもよろしく言っておいてくれ。
- Lasswell: 師匠……。
- Lasswell: あなたの気持ちに
- 俺は必ず応えてみせます……。
- Lasswell: (このときの俺は
- 思ってもいなかったんだ……)
- Lasswell: (これが師匠との
- 最後の会話になってしまうなんて……)
- Lasswell: (……)
- Lasswell: (……アクスターさんは
- 師匠と呼ばなければ話に応じてくれる)
- Lasswell: (だが……)
- Lasswell: (俺としては
- やはり師匠と呼びたいのが本音だ)
- Lasswell: 今のは……。
- タワーに入る直前の俺たちの姿だ。
- Raegen: しかし、この現象……。
- Raegen: この空間に飛ばされたときに
- クリスタルが誰かの記憶を
- 取り込んだと考えるべきか……。
- Lasswell: だとすると、
- クリスタルを探せば……。
- Raegen: 出口に近付くかもしれないな。
- Sieghart: 美しい俺が美しい光を追うのは必然だ。
- やってみようではないか。
- Ignacio: そうだな。
- 他に当てがあるわけでもないしよ。
- Faisalith: じゃ、クリスタルを探して
- レッツゴーだね。
- Lasswell: 今まで本当にいろんなことがあった。
- だが、こうしてみんなで辿り着いた。
- Rain: そうだな。
- あとは全てを
- 終わらせるために戦うだけだ。
- Lasswell: さあ、行こう。
- たくさんの人の思いを背負って。
- Rain: ああ。
- 俺たちの世界を作るために。
- Folka: 今のは……。
- Lasswell: 俺の過去の記憶だと思う。
- Faisalith: 今度は誰の記憶なんだろう。
- Folka: あの場にはみんないましたからね。
- 誰とははっきり言えませんね。
- ========Part 7========
- Faisalith: あ、クリスタルを見つけたよ。
- Raegen: よし。
- ラスウェル、触ってみろ。
- Raegen: それで、もしさっきと
- 繋がっている記憶が見れたら……。
- Lasswell: 俺たちは出口に向かって進んでいる。
- そう考えてもいいということですね。
- Raegen: ああ、そうだ。
- Lasswell: わかりました。
- 極皇星のプルガトリオ: 極・明鏡!
- Lasswell: な、なんだ……。
- Lasswell: 今の記憶は……。
- Lasswell: 俺たちは
- こんな戦いをしていないぞ……。
- Lasswell: 皇星に苦戦はしたが
- タワーに入る前に勝てたんだ!
- あんなボロボロにはなってない!
- Lasswell: それにアクスターさんと
- もう一人のフィーナの姿もなかった!
- Lasswell: どういうことなんだ、これは!?
- Raegen: ラスウェル、落ち着くんだ。
- Lasswell: は、はい……。
- Raegen: 確かに混乱するのもわかる。
- 俺たちの過去とは
- 全く違う記憶だったからな。
- Raegen: この記憶が何を意味するのか。
- その答えを知るためには
- もっと先に進むしかない。
- Lasswell: そうですね。
- わかりました……。
- Lasswell: (この謎の記憶……)
- Lasswell: (俺にとってとてつもなく重要な
- 意味があるような……)
- Lasswell: (……そんな気がする)
- Lasswell: や、やはりこいつらが使う明鏡は……
- 俺たちの明鏡とは
- 威力がけた外れに違う……。
- Lasswell: くっ!
- 防ぎようがない!
- Rain: 仕方ない……。
- こうなったら相打ち覚悟で……。
- Rain: くっ!
- 極皇星のプルガトリオ: がっ!
- Rain: ……はあ、はあ。
- Lasswell: レイン!
- Fina: ラスウェル!
- 危ない!
- Fina: うっ!
- Lasswell: フィーナ!
- Lasswell: くそおおおおお!
- Lasswell: はあ……はあ……。
- やった……。
- Rain: はぁはぁ……。
- 無事か……みんな……。
- Cid: くっ……。
- 残念ながら……。
- 無事とは言えない状態だな。
- Sakura: うむ……。
- まさかここまで苦戦するとは……。
- Citra: この状況で
- 皇帝と戦うことになるのか……。
- 想定外だな……。
- Lid: 本当に勝てるの?
- アタシたち……。
- Fina: それでも……。
- 進むしかないんだよね……。
- Rain: ああ……。
- そうだ……。
- Lasswell: ……。
- ========Part 8========
- Lasswell: 新たなクリスタルがあった……。
- Lasswell: 今度はどんな記憶が現れるのか……。
- Ignacio: さあ、中身を見ようぜ。
- ちゃんと出口に向かっているのなら
- さっきの続きが見られるはずだ。
- Lasswell: そうだな……。
- Faisalith: ラスウェル、不安なの?
- Lasswell: いや、不安というより、
- 何かすごく引っかかるんだ。
- Lasswell: あの記憶には何か重要なことが
- 隠されている気がして……。
- Faisalith: そう。
- じゃ、しっかり見ないとね。
- Lasswell: ああ。
- Levnato: よもや、こんな日がくるとはな。
- 思ってもいなかったが……。
- Levnato: これもまた運命、か。
- Lasswell: ……。
- Lasswell: レインの新しい力で
- 俺たちはヴラドの魔法を防いだ……。
- Lasswell: しかし、この記憶では……。
- Ignacio: ヴラドに負けたみたいだな。
- 俺たちは。
- Sieghart: ふむ。
- 謎は深まるばかりだな。
- Raegen: 今は次のクリスタルを
- 探してみるしかないな……。
- Lasswell: ……はい。
- Raegen: お、お前は……。
- Raegen: ヴラド……。
- Emperor Vlad: 久し振りだな。
- レーゲン。
- Faisalith: ヴラドって……。
- まさか……。
- 700年前の皇帝?
- Raegen: ああ、そうだ。
- 700年前の戦争で、俺たちを裏切り
- 大地ごとラピスに飛ばした奴だ。
- Emperor Vlad: それだけではないぞ、レーゲン。
- お前の両親を殺して
- 王の座を手にした男でもある。
- Raegen: ……。
- Faisalith: で、でも……。
- なんでヴラドがレヴナートだったの?
- 意味がわからないんだけど。
- Emperor Vlad: わからないか?
- Emperor Vlad: まあ、わかる必要もない。
- Rain: こ、これは……。
- Emperor Vlad: どうせここで全員死ぬのだからな。
- Raegen: いかん!
- みんな、逃げろ!
- Emperor Vlad: 遅い。
- Emperor Vlad: 皇星との戦いで
- 傷ついたお前たちが、
- この極大魔法を防ぐのは不可能だ。
- Rain: く、くそ……。
- Rain: なんてことだ……。
- Lasswell: レイン……。
- Fina: ううう……。
- Rain: ラスウェル、フィーナ……。
- 大丈夫か……。
- Lasswell: ああ。
- 俺たちは……なんとか……。
- だが、みんなが……。
- Rain: サクラ……ニコル……。
- Rain: リド……ジェイク……。
- Lasswell: ファイサリス……。
- しっかりするんだ……。
- Faisalith: ……うう。
- Rain: みんな……。
- なんとか息はあるが……。
- でも、このままじゃ……。
- Fina: 私が……回復魔法を……。
- Rain: フィーナ……。
- 無理をしちゃダメだ……。
- Emperor Vlad: どうだ?
- これが絶望というものだ。
- Rain: ヴラド……。
- Emperor Vlad: 悲しむがいい。
- 苦しむがいい。
- Emperor Vlad: 絶望とは底なしだと
- お前たちに教えてやろう。
- Rain: なっ!
- Lasswell: く、くそ……。
- ========Part 9========
- Lasswell: 俺の情が……甘さが……。
- みんなを……。
- Faisalith: ラスウェル……。
- Lasswell: 進もう……。
- クリスタルの記憶を見なければ……。
- Lasswell: 俺はどうしてもこの続きを知りたい。
- いや、知らなくてはならないんだ。
- Lasswell: クリスタルに込められた記憶は
- 俺たちが経験した出来事とは
- まるで違っている……。
- Faisalith: うん。
- 私たちヴラドにやられていたもんね。
- Lasswell: しかし、俺にはあの記憶が
- 偽物だとは思えないんだ……。
- Faisalith: 誰かが本当に経験した記憶ってこと?
- Lasswell: ああ……。
- Lasswell: もちろん、
- そんなことあるわけがないのは
- わかっている。
- Lasswell: わかっているんだが……。
- Emperor Vlad: さあ、絶望しろ。
- Lasswell: くっ……。
- Emperor Vlad: ほう。
- 私の極大魔法を二度くらっても
- 生き延びるとは……。
- Rain: うう……。
- Lasswell: レイン……。
- しっかりしろ……。
- Lasswell: なんてことだ……。
- 左腕と左足が……。
- Fina: レイン……。
- Fina: 私が……回復魔法で……。
- Emperor Vlad: そんなことを私が見逃すと思うか?
- Lasswell: くそっ……。
- Lasswell: やらせるか……。
- Emperor Vlad: ほう。
- まだ私に剣を向けるというのか。
- Lasswell: 当たり前だ……。
- たとえ一人になろうとも
- 俺は絶対に諦めない……。
- Emperor Vlad: なるほど……。
- Emperor Vlad: 力、技、魔法……。
- 全て私に大きく劣っているが、
- 心だけは負けていないようだな。
- Emperor Vlad: その意気に免じて一つ提案だ。
- Emperor Vlad: 剣を下ろせ。
- そうすれば見逃してやる。
- Lasswell: なんだと?
- Emperor Vlad: ここで戦いをやめて、
- すぐに治療すれば
- 仲間の命は助かるかもしれんぞ。
- Lasswell: 今更、何を言っている……。
- Emperor Vlad: 敵対の意志がない者と
- 私は戦うつもりはない。
- Emperor Vlad: わからんのか?
- 私はお前の心の強さを認め、
- 殺すには惜しいと思っているのだ。
- Emperor Vlad: どうした?
- 何を迷っている?
- Emperor Vlad: ここにいる者たちは
- お前の大切な仲間なのだろう?
- Emperor Vlad: ならば答えは一つのはずだ。
- Rain: ラスウェル……耳を貸すな……。
- 皇帝の戯言だ……。
- Lasswell: レイン……。
- Emperor Vlad: まあ、私はどちらでも構わん。
- Emperor Vlad: 選択肢は与えた。
- あとはお前が好きに選べばいい。
- Emperor Vlad: 全滅するか。
- 仲間の命を救うか。
- Lasswell: お、俺は……。
- Rain: ラスウェル、よく考えろ……。
- Rain: ヴラドも魔力を消耗しているんだ。
- 今なら一対一でも勝機がある。
- Rain: 戦え……。
- 戦ってくれ……。
- Lasswell: レイン……。
- だが、もし俺が負けたら……。
- Lasswell: レイン……。
- 俺はお前を……
- みんなを失いたくないんだ……。
- Rain: ダメだ……
- ラスウェル……。
- Lasswell: ここで引いても
- 生きてさえいれば
- いつか世界を変えることはできる。
- Lasswell: ……。
- Lasswell: すまない……レイン……。
- Emperor Vlad: 情深きお前のことだ。
- その選択をすると思っていたぞ。
- Emperor Vlad: 本当に愚かな男だ。
- Lasswell: 何?
- Emperor Vlad: 私に歯向かったお前たちを
- このまま見逃すはずがあるまい。
- Emperor Vlad: 瀕死の仲間を前にし
- 正常な判断ができなかったようだな。
- Lasswell: ヴラドーーーーーーーっ!
- Emperor Vlad: くくっ……。
- 実にいい声だ。
- Emperor Vlad: さあ、絶望とともに塵となれ。
- ========Part 10========
- Rain: ……ううぅ。
- Rain: み、みんな……。
- Rain: ラスウェル……。
- Rain: ラスウェル……。
- しっかりしろ、ラスウェル……。
- Rain: そんな……。
- ラスウェル……。
- Rain: 目を覚ましてくれ……。
- 頼む……。
- ラスウェル……。
- Rain: ううっ……。
- Rain: フィーナ……。
- リド、サクラ、ジェイク、ニコル……。
- 父さん……。
- Rain: みんな……。
- 死んでしまったのか……。
- Rain: くっ……。
- うううっ……。
- Zeno: ほう。
- かろうじて命を繋ぎ止めた者がいたか。
- Rain: ゼノ……。
- Zeno: だが、その傷では
- お前も長くはもつまい。
- Rain: ……。
- Rain: 俺は死なない……。
- Zeno: その傷で俺に勝てると思うのか?
- Rain: 勝てるとか勝てないじゃない。
- Rain: やらなきゃならないんだ。
- Rain: ヴラドを倒さないと……。
- みんなの仇を討たないと……。
- Zeno: なるほど……。
- 死を前にしても諦めないのだな。
- お前という男は。
- Zeno: 俺は皇帝を殺すために
- オーダーズに入り、
- 二闘星の座まで登りつめた。
- Rain: ……え?
- Zeno: お前だけではないということだ。
- この国を変えようと思っていたのは。
- Zeno: 独裁政権を打破するには
- 現状の皇帝を殺すしかない。
- それが俺の悲願だったのだが……。
- Zeno: 最近になって
- この体が病に
- 侵されていることを知ってな……。
- Zeno: それで俺は諦めてしまったのだ。
- 皇帝と戦うことを……。
- Zeno: しかし、お前は違う。
- そんな体になっても
- まだ皇帝と戦おうとしている。
- Zeno: やれるかもしれない。
- お前なら。
- Zeno: さあ、ついてこい。
- ここから逃がしてやる。
- Rain: そんな言葉を信じろというのか?
- Zeno: ……。
- Rain: 何?
- Akstar: 俺の名はアクスター。
- この姿を見せるのは
- 皇帝以外ではお前が初めてだ。
- Rain: これは回復魔法……。
- Akstar: 鎧を脱いだ以上、
- 俺はオーダーズではない。
- 一人の男としてお前を助けるつもりだ。
- Rain: ……。
- Akstar: まだ信じられないか?
- Rain: わかった……。
- すまない。
- 力になってくれ。
- Akstar: ああ。
- 任せておけ。
- Faisalith: ……ラスウェル。
- Lasswell: ……ああ。
- Lasswell: このクリスタルの記憶を
- 俺は全て見なければならない。
- Lasswell: たとえ、
- その先に何が待っていようとも。
- Faisalith: ちょっと待って。
- これってどういうことなの?
- Lasswell: ……。
- Lasswell: クリスタルの記憶によれば、
- 俺たちはレイン以外全滅した。
- Faisalith: だったらこの記憶は誰のものなの?
- Lasswell: ……それは、きっと……。
- Lasswell: まだこの記憶には続きがあるはずだ。
- みんな、ついてきてくれ。
- ========Part 11========
- Fina: ラスウェルたちがいないね。
- Jake: 皇星の攻撃で
- 離れ離れになってしまったからな。
- Rain: 心配はいらないさ。
- ラスウェルたちなら
- すぐに追いついてくるはずだ。
- Sakura: そうじゃな。
- ラスウェルたちを信じるとしよう。
- Akstar: くっ……。
- Rain: ここがグランドールか……。
- Rain: アクスター、大丈夫か。
- Akstar: 俺のことは気にするな……。
- 別にどうってことはない……。
- Rain: アクスター……。
- もう十分、助けてもらった。
- あんたはここで待っていてくれ。
- Akstar: 俺の身を気にしている場合か。
- ヴラドの底無しの魔力を見ただろ。
- Akstar: 力が尽きかけているとはいえ、
- ここで黙って待つ気はないぞ。
- Rain: だけど……。
- ラスウェルのいないところで
- あんたを死なせでもしたら……。
- Akstar: フフ……。
- 死に様のことを
- お前にどうこう言われたくはないな。
- Akstar: ラピスでソルと戦ったとき
- お前は仲間のいないところで
- 命を捨てようとしたではないか。
- Rain: ああ。
- あのことか……。
- ラスウェルから聞いたんだな。
- Akstar: あのときのお前に迷いはあったか?
- Akstar: なかったはずだ。
- 今の俺と同じようにな。
- Dark Fina: 迷いなく自分の信じた道を進む。
- レイン、その気持ちは
- あなたが誰よりも理解できるはずよ。
- Rain: 信じた道か……。
- Rain: でも、その道が間違っていたとしたら?
- Dark Fina: そういうこともあるかもね。
- Dark Fina: でも、あなたなら
- その間違いを乗り越えて
- また迷わずに進んでいける。
- Dark Fina: それこそが
- ラスウェルとは違う
- あなたの強さなんだと思う。
- Sakura: そうじゃな。
- レインよ、おぬしは迷わず
- 新たな道を切り開いてゆけ。
- Nichol: 迷ったときに考えるのは
- 後に続く私たちに任せてください。
- Fina: うん。
- そうだよ、レイン。
- Rain: ……。
- Rain: ありがとう、みんな。
- 俺はやるよ。
- この星の未来を切り開いてみせる。
- Rain: グランシェルトの騎士として。
- Akstar: それで、だ。
- もちろん、
- 俺も連れて行くんだよな?
- Rain: ああ。
- 一緒に行こう、アクスター。
- ========Part 12========
- Dark Fina: ふふふ。
- Rain: ん?
- どうしたんだ。急に笑って。
- Dark Fina: 嬉しいな、って。
- またこうして
- レインと一緒に歩くことができたから。
- Rain: そうだな。
- 俺も嬉しいよ。
- Dark Fina: あら、本当に?
- そんなこと言われたら
- もっともっと嬉しくなっちゃう。
- Rain: 今、体が……。
- Dark Fina: ふふ。
- 無理して作り出した精神体だからね。
- そりゃ、消えたりもするわよ。
- Rain: ……大丈夫なのか?
- Dark Fina: そうね。
- またクリスタルに
- 戻らないといけないかも。
- Akstar: ……。
- Dark Fina: でも、この体だからこそ
- いろんな場所に
- 自由に現れることができるってわけ。
- Rain: そっか……。
- Akstar: それはそれとして……。
- レイン。
- お前はヴラドの魔力をどう思った?
- Rain: ……。
- Rain: 正直、底知れない感じだった。
- 力の差がどれだけあるのかも
- わからないぐらいに……。
- Rain: 俺一人だったら
- 絶対に勝てるとは言い切れないな。
- Akstar: ああ、そうだな。
- だが、お前は一人じゃない。
- 俺やもう一人のフィーナもいる。
- Akstar: ヴラドがどれだけ強くても
- 今は新たな未来を作ることだけを考えろ。
- Akstar: 恐れることは何もない。
- お前なら必ずやれる。
- Rain: ああ、わかったよ。
- Rain: って……なんか不思議だな。
- あんたと話していると
- すごく自信が湧いてくる。
- Akstar: フッ。
- それが俺の人徳だ。
- Rain: いや、そういうことじゃなくて……。
- なんていうのか……。
- Akstar: まあ、あまり深く考えるな。
- Dark Fina: そうよ。
- 早くヴラドを探さないと。
- Rain: あ、ああ……そうだな。
- ========Part 13========
- Dark Fina: あっ……。
- Fina: ……今のは何?
- Dark Fina: ……私が消える前兆よ。
- Dark Fina: ふふ。
- 前にもこんなことあったわね。
- Dark Fina: もっとも、
- あのとき消えそうになったのは
- あなただったけどね。
- Fina: 消えるって……。
- クリスタルに戻るってこと?
- Dark Fina: ううん。違うわ。
- Dark Fina: 膨大な力を使うことがあってね……。
- Dark Fina: それが原因で
- もうすぐ私は
- 全ての力を使い切ってしまうの。
- Dark Fina: そうなったら、
- 私の存在は完全に消滅してしまうわ。
- Fina: 消滅って……。
- Dark Fina: あ、レインには内緒よ。
- このことは。
- Fina: で、でも……。
- Dark Fina: ……。
- Dark Fina: 大丈夫よ、心配しなくても、
- 悲しくなんてないから。
- Dark Fina: ……ううん。
- 悲しいって言えば悲しいけど……。
- Dark Fina: でも、なんだろう……。
- もっと別の気持ちがあって……。
- Dark Fina: うん。
- 充実感っていうのかな……。
- 私、満足してるの。
- Dark Fina: ふふ。
- あなたもあのとき
- そう言ってたでしょ。
- Dark Fina: 私は長く生きてきたから
- いろんなことを知っているの。
- Dark Fina: どんなに頑張っても
- 叶わない願いがあることを。
- Dark Fina: でもね、それでも……。
- Dark Fina: 私は手を伸ばしたいの。
- たとえ、それが掴むことが
- できないものだとしても。
- Fina: ……。
- Dark Fina: そういうのって、
- 意味のないことかしら?
- Fina: ううん。
- そんなことない。
- Dark Fina: ふふ。
- でしょ。
- Dark Fina: 誰かを思うのって
- 楽しいだけじゃなくって
- 辛いことや悲しいこともあるわ。
- Dark Fina: でも、それを含めて素敵なことだし。
- Dark Fina: だから、満足してる。
- 私、本当に満足しているの。
- Dark Fina: だから、気にしないで。
- レインのことはお願いね。
- Fina: ……。
- Fina: やめて。
- Fina: そんなことを言わないで。
- Fina: 私、大泣きしたんだから。
- Fina: 満足してるって言ったあと
- 消えちゃうのが怖くなって……。
- Fina: 大泣きしたんだから……。
- Fina: 私にはわかる……。
- Fina: あなたも消えるのは不安で怖いって。
- Dark Fina: そうね……。
- Dark Fina: じゃ、どうしたらいい?
- Fina: 泣いてもいいよ。
- Dark Fina: え?
- Fina: ……怖かったら
- ……不安だったら……。
- 泣いても……泣いてもいいんだから。
- Dark Fina: ふふ。
- ありがとう。
- Dark Fina: じゃ、お言葉に甘えて。
- Dark Fina: なんか不思議……。
- あなたが
- すごく逞しくなっちゃって……。
- Dark Fina: そっちの方が嬉しくて
- 泣けちゃうかも……。
- Dark Fina: ……。
- Dark Fina: やだ。恥ずかしい。
- 誰かの側で泣くなんて
- 何百年振りかしら。
- Fina: 誰かじゃないよ。
- あなたは私なんだから。
- Dark Fina: そうね……。
- そうよね……。
- Dark Fina: 私なら大丈夫。
- Dark Fina: だって私が消えても
- あなたがいてくれるんだから……。
- Dark Fina: 怖いけど怖くない。
- 何も怖くない。
- Fina: うん……。
- うん……。
- Dark Fina: ありがとう……。
- もう一人の私……。
- Fina: え?
- ========Part 14========
- Faisalith: ずいぶん進んだね。
- なんか出口も
- もうすぐって感じがしない?
- Lasswell: ……そうだな。
- Lasswell: ファイサリス、
- 一つ聞いてもいいか?
- Faisalith: うん、いいよ。
- もちろん。
- Lasswell: クリスタルが見せる記憶……。
- あれが本当に起こったことなら、
- 俺たちはなんだと思う?
- Faisalith: うーん……。
- Faisalith: ラスウェル。
- いろいろとわからないことが多いけど
- 怖がることはないと思うな。
- Faisalith: 考えるのも、不安になるのも
- 生きてるってことの証なんだから。
- Lasswell: ……俺たちは生きている。
- ……それが全てってことか。
- Faisalith: うん。
- Lasswell: 俺は生きている。
- だから、真実を知らなくてはいけない。
- Lasswell: この記憶の持ち主のためにも……。
- Rain: あの日からどれだけ経ったのだろう……。
- Rain: 左腕、左足、左目を失っても……。
- 俺はまだ生き延びている……。
- Rain: だけど……。
- Rain: すまない……。
- みんな……。
- Rain: もう一度、ヴラドに挑むため、
- 仲間を集めようとしたり、
- 三種類の明鏡を会得したけど……。
- Rain: ダメだった……。
- Rain: 最後は逃げること……。
- 生き延びることだけで必死で……。
- Rain: 俺一人では……。
- 何もできなかった……。
- Aldore Soldier: なんだ。
- この薄汚い男は?
- Aldore Soldier: 死にかけてるようだな。
- 連行しても無駄だ。
- 放っておけ。
- Aldore Soldier: いや、待て……。
- Aldore Soldier: 左腕、左足、左目を
- 失っているようだな……。
- Aldore Soldier: こいつ……もしかして……。
- Aldore Soldier: 手配中のテロリストと
- 特徴が一致するが……。
- Aldore Soldier: なら、ここで始末するか。
- Aldore Soldier: ああ。
- テロリストならば
- 殺害許可の指示が出ている。
- Rain: ……。
- Rain: ……ここまでか。
- ???: レインはやらせないわ。
- Rain: 君は……。
- Dark Fina: レイン……。
- Dark Fina: 本当にごめんなさい……。
- 長い間、
- あなたを一人にさせてしまって……。
- Rain: ……ありがとう。
- Rain: だけど、俺を回復させたところで……。
- Rain: 何十年もいろいろな手で戦ったけど、
- 皇帝の牙城は揺るがなかった。
- Rain: もう俺に打つ手はないんだ……。
- Dark Fina: そんなことはないわ。
- Dark Fina: この数十年間、
- 私はずっと力を蓄えていたの。
- Rain: え?
- Dark Fina: それほどの力が必要だったの。
- Dark Fina: あなたと時を越えるために。
- Rain: 時を越える?
- Dark Fina: そうよ。
- 過去に戻って
- ヴラドの魔法からみんなを守るの。
- Rain: そんなことができるのか?
- Dark Fina: 私の力をほとんど使えばね。
- Dark Fina: 過去をやり直して、
- 新しい今を作る……。
- Dark Fina: レイン。
- そのためにはあなたが必要なの。
- Rain: わかった……。
- Rain: 連れて行ってくれ。
- 過去に。
- Rain: 今度は必ず……
- 俺はみんなを守ってみせる。
- Dark Fina: それじゃ、過去に遡るわ。
- 悲劇をなかったことにできる
- 可能性のあるときまで……。
- Lasswell: これはレインの記憶だ。
- Lasswell: しかも、未来の……。
- Faisalith: うん……そうだね。
- Lasswell: 俺たちはヴラドにやられて全滅した。
- きっとそれは現実だったのだろう。
- Lasswell: しかし、未来からやってきた
- レインによって、
- その過去はなかったことになった……。
- Faisalith: だから、私たちは
- こうやって今も生きているんだね。
- Faisalith: でも、今の記憶からすると
- 未来のレインは
- 過去にやってきたわけでしょ?
- Faisalith: そのレインはどこにいるの?
- Lasswell: それはきっと……。
- Lasswell: ……。
- Lasswell: ……父さん。
- Raegen: 俺たちに立ち止まっている暇はない。
- 行くぞ。先に進もう。
- Lasswell: ……はい。
- Lasswell: もう間違いない……。
- ========Part 15========
- Citra: 見ろ! 光だ!
- きっとあれが出口だぞ!
- Ignacio: やれやれ。
- ようやくここから出られるな。
- Folka: 早く戻らないといけませんね。
- ニコルたちも
- 心配しているでしょうし。
- Sieghart: どうした、ラスウェル?
- Lasswell: 少し待ってくれないか。
- Raegen: クリスタルか……。
- Lasswell: 早く戻らないと
- いけないことはわかっています。
- Lasswell: だが、どうしても知りたいんです。
- 俺が知らなかった
- 真実の全てを……。
- Raegen: そうだな……。
- 触れてみろ、ラスウェル。
- Faisalith: うん。
- モヤモヤしたままじゃ
- この先、思い切り戦えないもんね。
- Lasswell: ありがとう……。
- 父さん、ファイサリス。
- Akstar: ん?
- Akstar: なんだ、お前たちは?
- Rain: 俺の名はレイン。
- あんたに会いにきたんだ。
- Akstar: 悪いな。
- 帰ってくれ。
- 見知らぬ奴と話をするほど暇じゃない。
- Rain: あんたが二闘星のゼノとして
- 皇帝を倒そうとしていることは
- 知っている。
- Akstar: ……何?
- Rain: それだけじゃない。
- Rain: その悲願を病のせいで
- 諦めようとしていることも
- 俺は知っている。
- Akstar: 俺の正体がゼノであること……。
- それを知ることは
- もしかしたら可能かもしれない。
- Akstar: だが、病のことまで
- 知っているとなると……。
- Akstar: ……お前、何者だ?
- Dark Fina: まあ、まあ。
- 自己紹介したところで
- 納得できないだろうから……。
- Dark Fina: はい。
- これをどうぞ。
- Akstar: クリスタル?
- Dark Fina: その中に私の記憶を入れておいたから。
- まずは見てほしいの。
- Dark Fina: この世界でこれから起こることよ。
- Akstar: なんだと……。
- Akstar: こ、これは……。
- Akstar: 俺じゃないか……。
- Akstar: こんな突拍子もない話を
- 俺に信じろというのか?
- Rain: そうだ。
- 今のは紛れもない未来の出来事だ。
- Akstar: 真っ直ぐな目をしているな。
- Akstar: 俺を騙そうとしているのならば、
- そんな目をする必要もあるまい。
- Akstar: ……。
- Akstar: それでお前たちは俺にどうしろと?
- Rain: 俺たちが
- 過去に戻ってきた理由はただ一つ。
- 悲劇の結末を変えることだ。
- Rain: そのために協力して欲しい。
- Akstar: ……ふむ。
- Rain: 俺たちが皇帝に敗れた原因は二つ。
- Rain: 一つは皇星との戦いで
- 深手を負ってしまったこと。
- Dark Fina: 皇帝が完成させていた
- 三種類の明鏡を知らなかったせいね。
- Rain: もう一つはラスウェルの行動だ。
- Akstar: ああ、今の記憶に出てきた男のことか。
- 確かにあの甘さは命とりだな。
- まあ、気持ちはわからんでもないが。
- Rain: あの時の戦いでは
- 皇帝もかなり消耗していた。
- Rain: ラスウェルに迷いが生まれなければ
- 勝つこともできたかもしれない。
- Rain: そこで俺のやるべきことは……。
- Rain: ラスウェルに三種類の明鏡を伝え、
- 情に振り回されないように心を鍛える。
- これが悲劇を回避する方法だ。
- Akstar: ふむ……。
- お前は人に教えるほど
- 三種類の明鏡を使いこなせるのか?
- Rain: 皇星から何発もくらったからな。
- 技の仕組みは嫌でも体で覚えた。
- Rain: 俺は基本となる明鏡が使える。
- 仕組みさえわかれば、
- 三種類の明鏡も鍛錬で習得できた。
- Akstar: なるほど……。
- Akstar: だが、それなら
- 俺の協力など必要あるまい。
- お前がラスウェルを鍛えれば済む話だ。
- Rain: いや、俺は正体を明かすことができない。
- Akstar: なぜ?
- Rain: 四闘星のヒョウの正体は
- 若き日の俺なんだ。
- Dark Fina: 未来のレインが
- 歴史をやり直そうとしていることが
- 皇帝に伝わったら……。
- Akstar: この時代のお前……ヒョウが
- 殺されてしまうかもしれないな。
- Rain: そうなったら
- 未来の俺も
- 消えてしまうことになるだろう。
- Rain: だから、俺はあんたに扮して、
- 剣の師匠としてラスウェルに近付く。
- Dark Fina: で、三種類の明鏡を教えたら、
- 二闘星という正体を明かして裏切る。
- そういう手はずよ。
- Akstar: それでラスウェルに
- 情を捨てさせるというわけか……。
- Dark Fina: 全てが終わるまで
- あなたにはクリスタルの中に
- 入っていてほしいの。
- Akstar: まあ、そうだろうな。
- 俺が二人いたら計画も台無しだ。
- Akstar: しかし、
- どうやって俺に成り代わるんだ?
- Rain: 俺は変身魔法を
- ある少女から教わっている。
- だから、顔に関してはなんとかなる。
- Rain: 問題は失った手足だが、
- ゼノの鎧を身に付けていれば、
- しばらくは誤魔化せるだろう。
- Rain: あとは機会をうかがって
- 病のせいで半身を失うことになったと
- 皇帝に報告するつもりだ。
- Akstar: 全て納得した。
- その上で最後に聞かせてくれ。
- Akstar: お前の目論見が
- うまくいったとしての話だ。
- Akstar: 皇帝を倒して未来が変わったら
- お前はどうなる?
- Rain: ……。
- Akstar: 消えてしまうのではないのか?
- Rain: ああ。そうだ……。
- Rain: 俺は敗北の象徴だからな。
- ラスウェルが
- 勝利を掴んだ未来には存在できない。
- Rain: だが、それでいいんだ。
- 俺が消えることが
- 勝利の証になるのだから。
- Akstar: わかった……。
- Akstar: お前になら託すことができる。
- 俺の悲願を。
- Akstar: 必ず皇帝を倒してくれ。
- Rain: ああ。
- 任せてくれ。
- Lasswell: ……。
- Lasswell: ああ……。
- Lasswell: 言葉が出ない……。
- Lasswell: だってそうじゃないか。
- Lasswell: レインは……。
- 俺のために……。
- Lasswell: 何十年も彷徨って……。
- 未来からやってきて……。
- Lasswell: それで……それで……。
- Lasswell: ずっと俺の側で
- 見守っていてくれたんだ……。
- Lasswell: アクスターさんになって……。
- Lasswell: 目的を果たしたら……。
- 自分が消えてしまうっていうのに……。
- Faisalith: ラスウェル……。
- Lasswell: いつだってそうだ。
- あいつは……。
- あいつは……。
- Lasswell: レインはそういう男なんだ……。
- Faisalith: ラスウェル、行こう……。
- Faisalith: 待ってるよ、二人のレインが。
- あなたのことを。
- Lasswell: ああ……。
- ========Part 16========
- Rain: ヴラド!
- Emperor Vlad: ここまで追ってくるとは。
- どこまでもしつこい奴らだ。
- Emperor Vlad: まあ、いい。
- ならば、相手をしてやろう。
- Emperor Vlad: だが、楽には殺してやらん。
- Emperor Vlad: お前たちの手足を奪い、
- パラデイアの命が
- 魔導砲で尽きていく光景を見せてやる。
- Emperor Vlad: 己の無力さを
- 嫌というほど味わうがいい。
- Rain: やれるものならやってみろ。
- 無力さを味わうのはお前の方だ。
- Emperor Vlad: 威勢がいいのは
- 私の魔法をお前の障壁で
- 防げると思っているからか。
- Emperor Vlad: ならば、本当に
- 防ぎきることができるかどうか。
- 一つ、試してみることにしよう。
- Rain: やらせるか!
- Emperor Vlad: まだまだいくぞ。
- Emperor Vlad: くくく。
- 大したものだよ。
- Emperor Vlad: だが、どこまで耐えられるかな。
- 私の魔力はまだまだ尽きないぞ。
- Rain: くっ……。
- Rain: まずい……。
- このままじゃ……。
- Dark Fina: アクスター……。
- Akstar: ああ。
- ようやくきたな。
- 最後の出番が。
- Emperor Vlad: む?
- Akstar: ちっ!
- Emperor Vlad: 惜しかったな。
- あと一手、足りなかったようだ。
- Dark Fina: いいえ。
- その一手がきてくれたみたいよ。
- Emperor Vlad: 何?
- Fina: ラスウェル!
- みんな!
- Lasswell: アクスターさん、俺は……。
- Akstar: よそ見などしている場合か。
- 戦いはこれからだぞ。
- Lasswell: は、はい……。
- Raegen: ヴラド。
- 決着をつけるときだ。
- Emperor Vlad: レーゲンよ。
- なぜ私がお前の父を
- 殺したか教えてやろう。
- Emperor Vlad: それは……
- 王族の血が憎かったからだ。
- Emperor Vlad: 王家に生まれただけで
- 権力が約束されている。
- そんなのはおかしいと思わんか?
- Emperor Vlad: 三種の明鏡を作ったのもそれが理由だ。
- Emperor Vlad: 王家の生まれのお前より
- 私の方が優れている……。
- 王の血などくだらんと証明するためだ。
- Emperor Vlad: 私は自らの力だけで全てを支配する。
- Emperor Vlad: これぞ権力を持つ者の
- 正しい姿だとは思わんか?
- Raegen: いいや、思わないな。
- Emperor Vlad: なんだと?
- Raegen: 血、力、生まれ……
- そのどれもが王の資格ではない。
- Rain: 自分の全てを民のために捧げる。
- それが王になる者の正しい姿だ。
- Faisalith: 支配なんて
- 言ってる時点で論外だよね。
- Lasswell: 他者との優劣に拘っている時点で
- お前には民の上に立つ資格はない。
- Fina: 私たちは
- レインとラスウェルを
- 命がけで応援する。
- Fina: 一人で戦おうとしているあなたには
- 絶対に負けない。
- Emperor Vlad: ……。
- Emperor Vlad: 一人で十分なのだ。
- Emperor Vlad: 本当に優れた者……。
- この世界は
- 選ばれし者が一人いればいい。
- Emperor Vlad: それを私が証明してやろう。
- ========Part 17========
- Emperor Vlad: ……。
- Emperor Vlad: 一体、なんなのだ……。
- Emperor Vlad: 追い詰めても、追い詰めても……。
- いつの間にか私が追い詰められている。
- Emperor Vlad: これが王族の……。
- 血の力だというのか……。
- Rain: ヴラド。
- まだわからないのか。
- Rain: 俺、ラスウェル、父さん。
- それ以外の仲間たちは
- 王族でもなんでもない。
- Rain: お前を追い込んでいるのは
- 王族の血なんかじゃないんだ。
- Raegen: 共に戦うという意思……。
- Fina: これまでに築いてきた繋がり……。
- Faisalith: 一緒に未来を見たいという思い……。
- Lasswell: ヴラド。
- お前を追い込んでいるのは……。
- Lasswell: 友情、愛情、感情……。
- 情の力だ。
- Akstar: 誰かとの繋がりの中でこそ
- 情の力は最大限に発揮され、
- 孤独で歪んだ邪念を打ち砕くのだ。
- Emperor Vlad: ……。
- Emperor Vlad: 認めぬ……。
- 孤独であることの何が悪い……。
- Dark Fina: あなたが長年
- 一闘星に求めてきたものは
- 孤独に打ち勝てる魂と肉体よね?
- Emperor Vlad: ああ、そうだ。
- このグランドールで
- 最後の独裁を行うために必要だった。
- Dark Fina: でも、結局は手に入らなかったでしょ?
- Dark Fina: ヴラド。
- 人は孤独には勝てないのよ。
- Emperor Vlad: お前たちはまるでわかっていない。
- Emperor Vlad: そこまで言うのなら。いいだろう。
- 試してやる。
- Emperor Vlad: これを見ても
- まだ同じことが言えるかどうか……。
- Emperor Vlad: これが孤独の末に辿り着いた……。
- Emperor Vlad: 孤高の力だ!
- Akstar: 一人よりも二人……。
- Lid: うそ……。
- Jake: また姿が変わりやがった!
- Citra: これは……。
- 見た目だけじゃない……。
- Folka: とてつもない力を感じます。
- Sakura: じゃが、怯んでいる場合ではないぞ。
- Nichol: ええ。
- やるしかありません。
- Faisalith: だよね、ラスウェル!
- Lasswell: ああ。
- Lasswell: この体を、魂を。
- 全て燃やし尽くして
- この戦いに勝ってみせる!
- Akstar: うむ。
- その通りだ。
- Rain: ああ!
- やろうぜ、ラスウェル!
- ========Part 18 (Last)========
- Lasswell: アクスターさん……。
- Lasswell: あなたが誰なのかわかりました……。
- Akstar: そうか……。
- Akstar: 真実は墓場まで
- 持っていくつもりだったんだがな。
- Akstar: 何か言いたいことがあるなら早くしろ。
- もうすぐ俺は消えてしまうからな。
- Akstar: そんな顔をするな。
- 悲しい未来がなくなった証だ。
- もっと喜ぶべきだ。
- Lasswell: ……喜べるわけないだろ!
- Lasswell: レイン!
- お前が消えて喜べるわけがないだろ!
- Akstar: ……。
- Lasswell: たった一人でずっと戦い続けて……。
- 辛いことも悲しいことも
- 一人で抱え込んで……。
- Lasswell: どうして……お前は……。
- Akstar: 一人じゃなかったさ。
- 心にはいつもお前がいた。
- みんながいた。
- Akstar: それはこれからもずっとそうだ。
- だから一人で消えても寂しくはない。
- Lasswell: 本当にお前は……。
- お前って奴は……。
- Lasswell: レインなんだな……。
- どこまで行っても……。
- Lasswell: 俺はお前の
- その強くて優しい思いに
- どうやって応えたらいいんだ……。
- Akstar: ……。
- Akstar: お前には
- この世界のレインがいる。
- Akstar: あいつと一緒に
- パラデイアを平和に導いてくれ。
- Lasswell: ……わかった。
- Akstar: 俺はお前の師匠……。
- アクスターとして消えていく。
- Akstar: それでいいと思わないか?
- Lasswell: ……。
- Lasswell: ……。
- Lasswell: はい。
- わかりました……。
- Lasswell: アクスターさん。
- Akstar: ああ、それでいい。
- Akstar: さらばだ、ラスウェル……。
- 今度こそ本当に……。
- Lasswell: ありがとうございました!
- Lasswell: 本当に本当に
- ありがとうございました!
- Lasswell: 師匠!
- Lasswell: 俺の師匠!
- Lasswell: この世界から消えてしまっても
- 師匠のことは一生忘れません!
- Akstar: ……。
- Akstar: フッ。
- 最後にまた師匠と呼ばれるとはな。
- Akstar: ああ……。
- よかった……。
- 本当に未来は変わったんだな。
- Akstar: ありがとう、バカ弟子……。
- Akstar: さらばだ……。
- Lasswell: さようなら、師匠……。
- Rain: アクスターが……消えた。
- Rain: どういうことだ。
- 二人は何を話していたんだ。
- Faisalith: 今は事情は聞かないであげて。
- いつかラスウェルが
- 話してくれると思うから。
- Rain: ……そうか。
- わかったよ、ファイサリス。
- Fina: (もう一人の私もいない……)
- Fina: (……)
- Fina: (黙っていなくなるなんて
- あなたらしいね……)
- Fina: (さよなら、もう一人の私……)
- Rain: 終わった……。
- Lasswell: ああ……。
- 俺たちはヴラドを倒したんだ。
- Lid: やったーーー!
- アタシたちの勝ちだよ!
- Jake: ああ!
- 皇帝の……。
- ヴラドの支配はこれで終わりだ!
- Citra: レーゲン、やったな。
- Raegen: ああ……。
- 長い戦いだった。
- Rain: ラスウェル?
- アクスター?
- Faisalith: レイン、ごめんね……。
- 二人だけにしてあげて。
- Rain: あ、ああ……。
- それはいいけど……。
- Rain: 消滅してしまうんだ。
- 最後ぐらい元の姿に戻るか。
- Dark Fina: レイン。
- Rain: 君か……。
- Dark Fina: お疲れ様……。
- 長い旅だったわね。
- Rain: ああ……。
- あとはラスウェルと
- あの世界の俺に任せるよ。
- Dark Fina: ふふ。
- なんかすっきりした顔しちゃって。
- Rain: まあね。
- Rain: そういう君こそ
- なんだか嬉しそうな顔をしているな。
- Rain: これから消えてしまうんだろ?
- 君だって。
- Dark Fina: ええ、そうよ。
- Dark Fina: でも、一人で消えるわけじゃないし。
- Rain: はは。
- 俺も一緒ってことか。
- Dark Fina: レインと一緒に消えることが
- できるなんて最高よ。
- Dark Fina: だって、私、
- レインと死ぬまで
- 一緒にいたいと思っていたんだから。
- Dark Fina: ふふ。
- やった。
- とうとう願いが叶っちゃった。
- Rain: そっか。
- Dark Fina: ねえ、レイン。
- Dark Fina: ぎゅっとして。
- Rain: え?
- Dark Fina: ハグよ、ハグ。
- Rain: ああ。
- Dark Fina: 一生懸命に手を伸ばしてよかった。
- やっと捕まえちゃった。
- Dark Fina: 人生って不思議ね。
- 思ってもいなかったところで
- 幸せが訪れたりするから。
- Rain: ……そうだな。
- Dark Fina: まあ、その人生も
- これで終わっちゃうんだけどね。
- Rain: いや、終わりじゃないさ。
- Dark Fina: え?
- Rain: 永遠になるんだ。
- 俺たちは。
- Dark Fina: ……。
- Dark Fina: ふふ。
- ずっとわかってたことだけど……。
- やっぱりそうだった。
- Dark Fina: レイン……。
- あなたってホントに素敵な人ね。
- Ignacio: さあて!
- さっさとここから
- 帰る方法を見つけないとな!
- Citra: 移送ゲートを開く端末があるはずだ。
- 探してみよう。
- Folka: イグニシオ、嬉しそうですね。
- Ignacio: ヴラドを倒したから
- カガネの魂も解放されたはずだ。
- Ignacio: だから、
- あいつの墓を作ってやろうと思ってな。
- Folka: そうですね。
- 私もお手伝いします。
- Cid: ミド、イーゴ……。
- 終わったぞ。
- これから勝利の報告に帰るからな。
- Sieghart: 俺の弟と妹にも
- いかに美しい勝利だったかを
- 詳細に説明してやらねば。
- Jake: 終わったな、リドちゃん。
- Lid: そ、そうだね、ジェイク。
- Jake: ということはだな、
- そろそろ俺たちの話も……。
- Lid: こ、ここでするのそれ!?
- Jake: 雰囲気はあるだろ?
- 星空の下というか星空の中だけど。
- 大切な話をするには最適だ。
- Lid: そ、それはそうだけど……。
- Lid: や、やっぱりもっと落ち着いてから!
- 服の汚れだって落としたいし
- シャワーだって浴びたいもん!
- Sakura: ようやく終わったな。
- ニコルはこのあとどうするんじゃ?
- Nichol: オルデリオンに戻って
- 久しぶりにゆっくり過ごしたいです。
- サクラはどうするのですか?
- Sakura: そうじゃな。
- わしも友人たちに会いたいのう。
- Sakura: そのあとは……
- 姉さんと一緒に暮らしてみるのも
- もしかしたらアリかもしれんな。
- Citra: ……ふっ。
- Citra: ニコルも一緒に暮らすのなら
- 考えないこともない。
- Sakura: なんでニコルが関係あるんじゃ!
- ニコルよりも実の妹を大切にせい!
- Faisalith: ……え?
- Fina: ファイサリス、どうしたの?
- Faisalith: 何か……嫌な感じがする。
- Fina: 嫌な感じ?
- Faisalith: うん……。
- Faisalith: ウェポンの中にいたときと
- 同じような感じがするの……。
- Fina: え?
- ???: 魂の複製……。
- Rain: 今の声はヴラド!?
- Lid: そ、そんなはずないよ!
- だって、ヴラドは死んだはずじゃ……。
- ???: 魂が無限にある。
- それこそ永遠への道標であり、
- 孤独を解消する答えだったのだ。
- Lasswell: 何が言いたい!
- 姿を見せろ!
- Raegen: まさか……。
- Rain: どうしたんだ、父さん。
- Raegen: 俺たちが倒したヴラド……。
- Raegen: あいつもオリジナルから
- 複製したものだとしたら……。
- ???: ヴラドの魂がある限り……。
- 私は何度でも甦る……。
- ???: どのように姿を変えても……。
- Rain: な、なんだ……これは……。
- Emperor Vlad: よく見るがいい。
- これが本当の私の姿だ。
- Lasswell: ……。
- Lasswell: ……。
Advertisement
Add Comment
Please, Sign In to add comment
Advertisement