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<怯える兵士:>
逃げろ！
早く遠くへ逃げるんだ！


<戸惑っている兵士:>
だ、だがまだ
逃げ遅れている人たちが……。


<怯える兵士:>
バカ野郎！　もう手遅れなんだよ！
さっさと逃げなきゃ俺たちまで……。


<戸惑っている兵士:>
ち、ちくしょう！
なんでこんなことに……。


<怯える兵士:>
魔女だ……！
あの魔女のせいだ！


<怯えた兵士:>
ああ……。
嘘だろ？
こっちにくる……。


<戸惑っている兵士:>
あの爆発でも
まだ生きているなんて……。


<怯えた兵士:>
お終いだ……。
この国も……俺たちも……。



<レイン:>
（夢を見るんだ）


<レイン:>
（何度も何度も、同じ夢を）

<レイン:>
（その夢は目が覚めても
　ずっと俺の記憶に留まっている）


<レイン:>
（見たこともない町が崩壊していく）

<レイン:>
（肌を焼くような
　熱気と人々の悲鳴……）


<レイン:>
（俺はこの場所を、この出来事を
　知っている気がする）


<レイン:>
（いや、それだけじゃない）

<レイン:>
（知っているだけじゃないんだ）

<レイン:>
（夢を見ている間、
　ものすごく悲しい感情が
　沸き上がって止まらない）


<レイン:>
（何かものすごく大切なものを
　俺は失った）


<レイン:>
（そう。失ったんだ）

俺の中にいるモノ

 （レイン編）

<兵士:>
レインさん？

<レイン:>
……。

<レイン:>
ああ、すまない。
ぼーっとしていた。
なんか最近、寝付けないんだ。


<兵士:>
どうしてまた？

<レイン:>
子供の頃によく見ていた夢があるんだ。

<兵士:>
夢、ですか？

<レイン:>
ああ。
どこかの町が燃えているんだ。


<レイン:>
ずっと忘れていたんだけど、
最近になって
その夢をまた見るようになってさ。


<レイン:>
妙に生々しくて。
それで眠りが浅くなってるんだと思う。


<兵士:>
それは困りましたね。
夢を見る理由とかに心当たりは？


<レイン:>
いや。
まったくない。


<兵士:>
なるほど……。

<兵士:>
困っている人を救いたいという
レインさんの潜在意識が
夢に出ているのかもしれませんね。


<レイン:>
潜在意識か……。

<兵士:>
少し疲れているんじゃないですか。
虚無の被害調査で、ずっと
世界中を飛び回っていますし。


<レイン:>
疲れてなんていないさ。

<レイン:>
こうやって世界中を
飛び回っている方が
俺には性に合っているからな。


<兵士:>
はは。
レインさんらしいですね。


<レイン:>
（世界中を飛び回っても
　手がかりなしか……）


<レイン:>
（リヴォーニアで決着をつけよう、か）

<レイン:>
（リュース……。
　あいつの国はどこにあるんだ）


<慌てた兵士:>
レインさん！
飛空艇前方にモンスターの群れが！


<兵士:>
な、なんだあの数は！！
尋常じゃない群れだぞ！


<兵士:>
このまま進んだら
飛空艇はひとたまりもない！
とにかく急いで回避を！


<慌てた兵士:>
ダメです！
群れの飛行速度の方が
飛空艇を上回っています！


<兵士:>
そ、そんな……！

<レイン:>
落ち着くんだ。

<レイン:>
群れには必ずボスがいる。
そいつを叩けば勝機はある。


<レイン:>
ボスは俺に任せろ。
みんなは群れを叩いてくれ。


<兵士:>
了解しました！

<レイン:>
よし！
総員戦闘配置につけ！


<レイン:>
無駄に長引かせれば
飛空艇にも損害が出てしまう。


<レイン:>
よし！
ここは一気に片付ける！


<レイン:>
いくぞ！