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- カンナ男:
- 我が父よ…
- 今宵、賊を成敗した暁には
- 果たすべき天啓があるのか…?
- オーディン:
- …は、はい?
- カンナ男:
- だから、賊を成敗した暁には
- 果たすべき天啓があるの?
- 簡単に言うと…
- 賊をやっつけたあと、何か予定とかある?
- オーディン:
- いや…言っていることはなんとなくわかるが…
- お前…その言い方は…
- カンナ男:
- えへへ、そうだよ。
- 大好きなお父さんの真似をしてみたんだ!
- オーディン:
- …ふっ…ふふふっ。
- か、からかわないでもらいたいな。
- 今日は子どものための祭り。
- だからと言って調子に乗っているのなら、
- ろくな大人にならないぞ。
- カンナ男:
- もう、からかってなんかいないよ?
- 僕はお父さんに憧れてるんだから!
- お父さんのしゃべり方とか仕草とか、
- 全部かっこいいなーって思ってるんだ。
- オーディン:
- えーっ!?
- そ、そそそそうだったのか!?
- そうならそうって言ってくれよ!
- 俺、全然知らなかったぞ!
- カンナ男:
- どうして?
- 選ばれし者は鈍感なの?
- オーディン:
- いやいや、だってさー。
- お前はどっちかっていうと
- Kamui寄りの子だと思ってたから…
- てっきり白い目で見られてるのかと
- 思ってたぜ…
- カンナ男:
- お母さんはこういうの、嫌なの?
- オーディン:
- 嫌かどうかはわからないが…
- 普通にしゃべってみてとは言われるな。
- あとは俺がこういう物言いをするとよく、
- 沈黙する。
- それはまるで泉に惑う
- 幽玄の魂たちの静謐…
- だめだー!
- 絶対あきれられてるに決まってるー!!
- カンナ男:
- そ、そんなことないと思うけどな。
- 僕、ときどきお母さんに
- そういう言い方をしてるけど、
- 何も言われないよ?
- オーディン:
- えっ?
- カンナ男:
- 何も言われないどころか、
- かわいいって言われるよ?
- オーディン:
- な、なんだとーっ!?
- さ、さ、さ、差別だっ!
- これは明白な家庭内差別の事案だっ!!
- カンナ男:
- …あ、でもお母さん…
- こんなことも言ってたっけ…
- お父さんのそういうしゃべり方も
- 僕と同じでかわいいって。
- オーディン:
- ?
- カンナ男:
- でもお父さんの場合、自分に酔いすぎてて、
- お母さんが笑いをこらえるのが大変なんだって。
- だからお父さんには
- 普通に話してって言ってるらしいよ。
- オーディン:
- …………
- Kamuiが…
- 俺をかわいいと思っている…
- 俺はあきれられていたんじゃなくて、
- かわいいと思われていた…
- 冷たい態度に見えたのは、
- 俺がおもしろすぎるから…
- …………
- …な、なんだこの感覚は…
- 我が漆黒の体躯から…
- 紅蓮の情意が爆出してくる…っ!!
- これは俺の理想の夫婦関係、そのものだっ!!
- カンナ男:
- あはは、そうなんだ。
- よかったね、お父さん!
- オーディン:
- ああ、最高だ…
- 家族って、最高だぁ…っ!!
- なあカンナ。今日のお祭りは
- 家族で思いっきり楽しもうな!
- カンナ男:
- うん、そうだね。
- 僕はそれを言いにきたんだ。
- オーディン:
- ああ、そうだったのか。
- では正式に答えよう。
- 銀朱の情調に熾る選ばれし者…
- このオーディンは…
- 光華の欣喜を放散させながら、
- 選ばれし珠玉のような家族と帯同しよう!
- カンナ男:
- わかった!
- …多分だけど…簡単に言うと、
- よろこんで一緒に過ごすよってことだね?
- オーディン:
- その通ーーりっ!!
- よーし、こうなったら
- アウェイキング・ヴァンダー連発だ!
- この漆黒のオーディン…
- 一瞬でお祭りの平和を取り戻してやるぜっ!
- カンナ男:
- うわぁ!
- お父さん、今日もかっこいいー!!
- ====
- シグレ:
- 父さん。
- 弟子入り試験の続きをお願いします。
- オーディン:
- …え? 今やるのか?
- 戦闘中だぞ?
- シグレ:
- でも、今、俺の体は
- 闇の力で暴走しかけています。
- この最善たる状態で
- 試験を受けさせてください!
- オーディン:
- …ふっ、ならば仕方ない。
- いいだろう。思い切り暴走させてみろ!
- シグレ:
- ありがとうございます!
- 今日は何を詠唱すればいいですか?
- オーディン:
- そうだな…今日は…あぁ、
- シンドラルゲーター・キンスメッソルでどうだ?
- シグレ:
- シンドラルゲーター・キンスメッソル…
- オーディン:
- これは反逆者たちを操る術で…
- 数ある俺の術の中でも五本の指に入る秀作だ。
- 無慈悲なウイニングメモリーや
- 悦楽のトラウリングと同様、
- アクアとの思い出にも満ちているし…
- お前にはいつか詠唱してもらおうと思っていた。
- シグレ:
- わ、わかりました!
- オーディン:
- …よし。
- では手本を見せるぞ。
- …出でよ…我が異端なる道化師たち…
- 闇の深淵より顔を覗かせるがいい…
- いくぞ…必殺!
- シンドラルゲーター・キンスメッソル!
- シグレ:
- …す、すごいですね…
- あまりの迫力に…言葉が出ません…
- オーディン:
- だろうな。
- さあ、お前もやってみろ。
- シグレ:
- わかりました。
- 行きます!
- 出でよ…我が異端なる道化師たち…
- 闇の深淵より顔を覗かせるがいい…
- いくぞ…必殺!
- シンドラルゲーター・キンスメッソル!
- オーディン:
- …………
- シグレ:
- …と、父さん?
- ダメだったでしょうか…
- オーディン:
- …いや。体躯に愉悦が充溢し…
- 言霊が亡失してしまっただけだ…
- シグレ:
- えっ?
- オーディン:
- 平たく言うと、うれしさのあまり
- 言葉を失ってしまったってことだ。
- シグレ:
- ということは…
- オーディン:
- ああ、詠唱の試験・その四はクリアだ。
- よくやったな!
- シグレ:
- よかった…
- ありがとうございます!
- オーディン:
- しかし、気を抜くな。
- まだ弟子入りが決定したわけではない。
- お前の体に選ばれし者の紋章が出るまで
- 俺はお前の師匠になるつもりはない…
- シグレ:
- 体に紋章…
- オーディン:
- なんてな。まあそれは別に出なくても
- まったく気にするものではなくて…
- シグレ:
- あ。でも最近、
- 体に変なアザが出てきましたよ。
- オーディン:
- えっ!?
- シグレ:
- それが何か…
- 妙な形をしていたような…
- オーディン:
- な、な、なんだとーーーーーーっ!?
- 今すぐに見たい…早急に確認したいが…
- …そ、そ、そ、その話はあとにしよう!
- 賊のいない平和な状態で、
- じっくり見せてくれ!
- シグレ:
- …わ、わかりました!
- では弟子入りに期待を抱きつつ…
- 賊の殲滅に全力を注ぎます!
- オーディン:
- じゃあ終わったら神社に集合だ!
- 楽しみにしてるからなーっ!
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