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- <タイヴァス:>
- ……。
- <タイヴァス:>
- 村の中に敵の気配はないようだ。
- 先を越されてはいなかったな。
- <ルンド:>
- 辺りをサーチしてみた。
- 追手の気配もない。
- <タイヴァス:>
- わかった。
- だが、慎重にいこう。
- <タイヴァス:>
- ここで戦闘が始まったら
- 村人まで巻き込んでしまう。
- それは避けたい。
- <ルンド:>
- わかった、タイヴァス。
- ルンド、警戒モードで進む。
- <タイヴァス:>
- ヨルテ村か。
- 素朴で良さそうな村だな。
- <ルンド:>
- ここに保護対象の少女がいる。
- 名前はレフティア。
- <タイヴァス:>
- レフティアに身寄りはないと
- 聞いているが……。
- どこに住んでいるのか。
- <ルンド:>
- タイヴァス、
- 村人に聞いてみよう。
- <タイヴァス:>
- そうだな。
- <タイヴァス:>
- すまない。
- レフティアという少女は
- どこにいるのだろうか。
- <不愛想な村人:>
- レフティアなら
- ノーラばあさんの家だろ。
- <ルンド:>
- ばあさん?
- <ルンド:>
- ノーラは
- あなたの祖母なのですか。
- <不愛想な村人:>
- いや、違う。
- <ルンド:>
- それならばあさんと呼ぶのは失礼では?
- ノーラさんでいいのではないですか?
- <不愛想な村人:>
- なんだこの機械は?
- あんたのおもちゃか?
- <タイヴァス:>
- いいや。
- 俺の相棒さ。
- <タイヴァス:>
- ルンド、いいか。
- この人は親しみをこめて
- ばあさんと呼んだんだ。
- <タイヴァス:>
- 人間の表現には
- いろいろなニュアンスが
- あるのを覚えておけ。
- <ルンド:>
- わかった。
- 情報をインプットする。
- <ルンド:>
- ルンド、また賢くなった。
- <不愛想な村人:>
- で、レフティアになんの用だ?
- <タイヴァス:>
- 俺は軍人だ。
- 国の要請により
- レフティアの保護にきた。
- <不愛想な村人:>
- そうか。
- あの子を連れていくのか。
- <不愛想な村人:>
- いいんじゃないか。
- 身寄りのない子だし、
- 反対する村人もいないはずだ。
- <タイヴァス:>
- レフティアに親はいないのか?
- <不愛想な村人:>
- ……あれは一年ほど前か。
- <不愛想な村人:>
- あの子はフラっと一人で
- ヨルテ村にきたんだ。
- <不愛想な村人:>
- 最初から誰ともほとんど話さないし
- ずっと無表情でな……。
- <不愛想な村人:>
- 相当、酷い目にあったのか、
- 事情はわからないけどよ……。
- <不愛想な村人:>
- ノーラばあさんが引き取って
- しばらく一緒に暮らしてたんだが……。
- <不愛想な村人:>
- 数か月前に逝っちまってな。
- ノーラばあさんが。
- <タイヴァス:>
- それで、レフティアは
- 今は一人で暮らしているってわけか。
- 少し冷たいんじゃないのか?
- <不愛想な村人:>
- ……。
- <不愛想な村人:>
- レフティアがきてから
- 村がモンスターによく
- 襲われるようになってな。
- <不愛想な村人:>
- 体が光ったところを
- 見たって者もいるんだ。
- <タイヴァス:>
- 体が光った?
- <不愛想な村人:>
- あの女の子は魔女なんじゃないか。
- そんな噂も出回ってるのさ。
- <不愛想な村人:>
- わかるだろ?
- あの子はこの村の厄介者なんだよ。
- <タイヴァス:>
- わかった。
- ノーラばあさんの家に行ってみる。
- <ルンド:>
- あの子は?
- <タイヴァス:>
- さあな。
- レフティアではないようだが……。
- <ハーヴェ:>
- 僕はハーヴェ。
- おじさんたち、レフティアを
- 連れて行くんだろ?
- <タイヴァス:>
- ああ。そうだ。
- どこかで話を聞いていたんだな。
- <ハーヴェ:>
- ほら、レフティア!
- さっさと出てこいよ!
- <レフティア:>
- ……。
- <タイヴァス:>
- この子がレフティアか。
- <ハーヴェ:>
- よかった!
- ようやくお前が
- この村からいなくなる!
- <ハーヴェ:>
- みんな、ずっとこの日を
- 待っていたんだ!
- <ルンド:>
- そんなひどいこと言うのはよくない。
- そうだな、タイヴァス?
- <タイヴァス:>
- ああ、そうだ。
- <ハーヴェ:>
- でも、こいつは村の厄介者だったんだ。
- 辛気臭くて、気味悪いし。
- 目に入るだけで邪魔な存在なんだよ。
- <レフティア:>
- ハーヴェ……。
- <ハーヴェ:>
- うるさい!
- 僕に話しかけるな!
- <ハーヴェ:>
- ほら、おじさんたち!
- さっさと連れて行ってよ!
- <タイヴァス:>
- ……ああ、わかった。
- <タイヴァス:>
- 俺はタイヴァス。
- この国の軍人だ。
- <タイヴァス:>
- 上層部からの命令で
- 君を基地まで連れて行き、
- 保護する。
- <タイヴァス:>
- ついてきてくれるか?
- <レフティア:>
- ……うん。
- <ハーヴェ:>
- よし。
- これで安心だ。
- <ハーヴェ:>
- タイヴァス。
- 基地までの道を案内するよ。
- 僕、この辺りの道は詳しいんだ。
- <タイヴァス:>
- いや、遠慮しておく。
- <ハーヴェ:>
- ど、どうして?
- <タイヴァス:>
- 危険だからだ。
- <タイヴァス:>
- ここにくる途中で兵士と会った。
- 事情はわからないが、
- レフティアは狙われている。
- <タイヴァス:>
- それにモンスターもいる。
- <ハーヴェ:>
- だったら余計に僕が必要だって。
- モンスターに遭わない近道も
- 知っているし。
- <ハーヴェ:>
- もし、途中で何かあって
- レフティアが怪我でもしたら
- またこの村に戻ることになるだろ。
- <ハーヴェ:>
- レフティアには早く
- この村から
- 出ていってもらいたいんだよ。
- <ハーヴェ:>
- 村のみんなだって
- そう思ってるはずだし。
- <タイヴァス:>
- わかった。
- じゃ、案内を頼もう。
- <タイヴァス:>
- すぐに出発して大丈夫か?
- 何か準備があるなら待つが。
- <レフティア:>
- ……大丈夫。
- <タイヴァス:>
- そうか……。
- なら、行こう。
- <ルンド:>
- ……。
- <ルンド:>
- タイヴァス。
- なんでハーヴェはレフティアに
- ひどいことを言う?
- <タイヴァス:>
- ……さあな。
- <タイヴァス:>
- まあ、レフティアのことが嫌いなんだろ。
- 理由はわからないけどな。
- <ルンド:>
- レフティア、すごくカワイイ。
- なんで嫌いになるのかわからない。
- <タイヴァス:>
- へえ。
- お前にもカワイイなんて
- 概念があるのか。
- <ルンド:>
- タイヴァスは女性を見れば、
- すぐにカワイイとかキレイとか言う。
- その反応をインプットした。
- <タイヴァス:>
- なるほど……。
- 俺が軽薄な男みたいな言い方だな。
- <ルンド:>
- ルンド、事実しか言わない。
- タイヴァス、女性には誰でも優しい。
- <タイヴァス:>
- まあ、間違ってはいないが……。
- そういうことは
- あまりあちこちで言うなよ。
- <タイヴァス:>
- あちこちで言わない。
- ルンド、上層部に報告するだけ。
- <タイヴァス:>
- おい。
- やめてくれ。
- <タイヴァス:>
- そうは言ってもな……。
- だいたいなんでそこまでする。
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