竹ノ花

　　　　　　　　　　竹ノ花

魚骨工造　　　　　　　　　　　戊年向


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なぁオヤジ

どうしてこの竹を全部切らなきゃならないんだ？

せっかく育てたのにさ

お前
竹の花が咲くのを見るのは初めてか？

こいつは「不吉」なんだぜ

不吉？

長年かけて花を咲かせたはいいが
いっさいに枯れちまいやがる

あとはな
それ

お前と家主様の仲が良いのは分かるが
身の程をわきまえとけよ

お互い傷つくだけだぜ

花が咲けば、
あとは死ぬだけ

稗田家の女も
それと同じ


＝稗田阿七＝


稗田家は里の名族であり

ＧＥＮＳＯＵＫＹＯＵの歴史を代々記録していると言われる

家主様がまたどこぞへ行かれたようだ

お前ちょっと探してきてくれ

ただ奉公人は一人も置かず

家主様をみかけた？

さあ

ないよ

毎年、俺みたいな少間使いを雇い入れるのだ

また
あそこかな...

それは、
彼女と俺しか知らないところ

おい
皆探しているぞ

見つかっちゃったわね
もう

下で見張っててくれる？

すぐ降りるから
心配しないで？
これぐらい平気よ

どうやって登ったかの方が気になる

お庭から出ずにこの里の景色がみられるのはここだけ

皆が一生懸命いている

風も気持ちいい

靴，降りるわよ？

え？

待て！　待て！

私も降りるわよ
受け止めてね？

よいしょ

うわぁ

うふふ

さっきお尻触ったでしょ？
触るか！

恐らくね

これからもうこの木には登れなくなる

なんで？

この体はもう駄目になる

おい、不吉な話はやめろよ

そうではないよ？
私はね
死なんて恐れてないの

私は

このＧＥＮＳＯＵＫＹＯＵの歴史を記録するためだけに
生まれてきた

死んでも記憶はそのまま継承される

私にとって

転生は
古い体を捨てるだけの記

転生とかよくわからないけど

今のお前はまだ生きているじゃないか

だったら
そのまま生きて行けよ

...

そうね

あのね

いろいろ

本当にありがとう


いつの日か
俺はたくさん金を儲けて大きい畑を買って

これより大きな屋敷もたてて

そして
お前を嫁にするんだ

私はいったい

なにしてるのよ


お気をつけくださいまし
家主様

今日も呑み行くぞ

おお、
いつものところで？

坊やも行くか？

俺はいい...

２０歳（二十歳hatati)にもなってないのに


（｜＿｜　）

（　｜＿｜）

（　．＿．）

ちょっと待って！

あなたが
思っているような...

家主様

お願い
話を聞いて！

待ってください！

転生したら！
絶対！

絶対！

もう

もういいんだ

それでいいよ

お前に相応しい幸せが見つかったんだよ

いや
羨ましいぜ

彼女にとってこれが
最善の結末なのだろうから

俺は自分に言い聞かせた
ただ、
心には少さくて深い傷を残した

癒えされない
消えない傷痕がいつまでも疼く


＝稗田阿弥＝

おらガキ共！
危ないだろッ！

仕上がるぜ－
親方－！

ばっちりだぜ

おう
終わったらさっさと帰りやがれ

今夜は
冷えるぜぇ！


十数年が経っていた

物が色褪せるには足らずとも
人が変わるには過分な歳月だ

親方
帰らないの？

おう
一服してからな

親方も大変だー

子守をやらなきゃなんねーからな

てめぇらー
早く帰れ！

見つけた！

ねぇねぇ
ねぇってば

あたしはもう大人だから

はいはい

もう結婚した？
あたしを嫁にしてくれる？

...

んもう！

人の話を聞いて！

わくわく

返せ

やだ

いやん

捕まえたらかえるよ－

来て来て－

このガキ

ぱらぱら

この子は
今の家主様

うわあああああ
痛い
痛い

らめれ

がえるお
がえるお

あ－あ

返れちゃた

んもう女の子に乱暴しちゃってき

顔が変になって
嫁にいけいけなくなったらどうするの！

でもね
もう一度あなたと出会えて
よかった

もう
その冗談はやめろって

本気だよ

前世から
あなたが好きだったから

バカ言うな

昼寝でもしようぜ


おい

おい...

何やってんだ

やっぱりわからないの？
私の顔

見て見て

この体はこんなにも
軽くて元気だし

すべてはあなたと
もう一度出会うためなの

今の私はね
あなたと出会う為に生まれてきたの


緊張してる？

いきなり全裸に剥かれちゃうなんて

恥ずかしいよぅ

扉が閉まってないけど
大丈夫？

そのまま
扉を閉めに行く気か

いやだよ

見られても平気だもん

バカ...

おっぱいの大きい子は
嫌なの？

そんなに硬くしないでよ
食べないから

ゆっくりして

ちゅぱ
ちゅぱ

うーうんー

あなた可愛いね

お
お前こそ！

さっきから
子犬みたいな声を出しやがって

出してない！！

やめろ！
痛い！


忆憶消えろ
(Е. Д. Поливанов Пн 22 апреля 2013 15:29:01 №21710
記憶 там должно быть, я думаю.)


やめろって

忘れろ！！


んもう...

早くしないと
夜が明けちゃう

またまた

ぬるぅ

ん...
あん...

やっぱりちょっと...

ああ！

うあん...
う...

ビクン　　　ビクン

　　ずん


おいおい無理するな
止めるよ

やだ！

...

ただ

あたし嬉しいの

私ね

ずっと昔からこの体を

私のすべてを
愛してる人に
捧げるつもりだったんだから

うん

ちゅぱ

ぁん

んっあ

もみ

もみ

ねぇもっと

強くして

ぶるん

ビクン

あん♡

くすぐったい
んふ

あん

たっぱんたっぱん

だめ
そんなっ

うん
感じるよぅ

大きくて熱いモノがあたしを貫いて

あたしを貫いて暴れてる

あん♡

う
うあん

ハア

パン
パン

ズッ

え？

なにやって？

このまま

このままじゃ

ぐちゅぐちゅ

初めてなのに乱暴にされて
気持ちいいなんて♡


もう
もうひゃめえぇ

じちゅじちゅ

あん

いい

ハァ

イッちゃうから
この感じ

おい
そろそろ俺...！

いいよ
全部出して

そして

あなたの子種を一滴も余さず
あたしの子宮に

ハァ♡
赤ちゃんを孕ませて

お願い！


ドッ
ふちゅ

あん
あ
いく
いく！！
いくうううう！！

ドビュドビュ


ドロッ

ハァ

こんなに
いっぱい出して

溢れてるよ

ねぇ

もう一度しよ

この
エロガキか...

まだちょっと欲しいだもん！
え？
え...

あん♡


芋？
毎日こんなの食べてるの？

どうした？
焼けたら食べえるぞ

おいしいよ

これじゃないってば

あなたって人は

そういえばさぁ

大きい畑を買って、
あたしを嫁にしてくれるって言ってたよね

もうすぐ...
なんとかするさ...

言ってみただけよ

あなたと一緒なら
どんな生活だって平気よ

んじゃ
焼き芋食べてくれ
新生活の前祝いだ

熱いよ

おう！
いただきます！

おいしい？

甘い！

顔についてるわよ

や、やめろ

お
おいおい！

みんなみてるだろ！

コホン

親方！
熱いなー！

おもでたもすぐかもな！

まさか
あの親方が家主様とねぇ

貫禄だな！

あははは...

こんなに
急に幸せになっちゃって

実感が全くわかあないぐらい


雨のせいで堰が壊せれたみたい

里の男たちは行かなきゃいけない

恐らく
何々月もかかるな

行かなきゃ...だめ？

親方だからしょうがないよ

荷物はもういい？

ぱちぱち

じゃ行くよ

ちゃんと女房と子供にも挨拶したか？

戦争じゃあるまいし

待ってーー！

待ってよーー！

おい！
停めてくれ！

大雨だってのに

どうして
こんなことまで...

靴は？

薬！
この薬を持ってて！

あと、
あとね

ゆっくり喋れ

ご飯ちゃんと食べて
汚い水飲まないで
寒くなったら服を着て
お酒飲まないで
他の女を見ないで！

あと

早く帰ってきて...

うん

ザアー

あ...
行っちゃた

どうしよう

靴が
見つからない

カタッ
ぷぅ

体が重い

あれ

阿七
どうしよう

どうしよう

あたしはただ

ただ彼を愛してるだけなの！
うわああああ


あたしはただ彼と一緒に生きたい

一緒におじいさんおばあさんになって

一緒にいたいだけ


せうせう

カッカッ

ヒュー


赤ちゃん寝た？

うん、
さっき

静かに

すぐ寒くなるのに

親方に...
どう言えばいい...

飲まず食わずで
座り込んだまま

三日目だよね

もう言ったよ...
返事もしない

家主様の最後を見なかったからだよね...


ひゅう

お前って奴は

どうしてこんなに
わがままなんだ

転生なんて勝手をぬかして
あっという間に離れてく

俺には
お前を待つ時間なんていんだよ


ぐるるう


＝稗田阿求＝

撃て！

撃て！
ぎゃははは！

顔を狙え！

ぎゃははは！

逃げろ！

ぎゃははは！
逃げろ！

ズーーー

パタパタ


どうも
新米と野菜です

いつも世話になっております

いや
礼なら親方に言ってくださいよ

俺はただ運ぶだけでさ


ピバツ


やっと


やっと
見つけた


もう何年も

あなたは
何も言わずに

この家を支えてくれる

どうして？

ピバツ

自分は貧しい
暮らしでも

まさか

この家

この私が
そんなにお嫌ですか？

わたし...

なんで？

なにか言ってください！

あの場所
一緒に見に行こうか？


Д Д Д Д Д Д　д д

ここは...

稗田家先祖代々之墓


ここにはな
二人の女が眠っている

一人の女は
俺が愛した女

もう一人の女は
俺ほ愛した女

ごめんなさい

一人あなただけを
待たせてしまって

私は何度でも転生して
償います

そうじゃない

お前の
せいじゃない

すべては...その巻物の...


俺は見た
その巻物に
書かれた全てを

限りある
命ゆえに叶わぬ願い

喜びも
悲しみも

感情

記憶

大切な思い出

最初から
転生なんて...ない

その巻物は
俺たちの債務帳に過ぎない

ごめんなさい

たくさんのことをあなたと話したい

先代の願いに
やっと気ずいたわ

それはあたし自分の気持ち

せめてそれだけは

信じてください

私の末裔よ

私の代わりに

あの人を愛してあげて

早く気づけば...

もうちょっと早く...

俺って...
とんでもないバカだな...

彼女たちに
責めないでやってくれ

だが、
お前にはお前の人生がある

あの女たちのようになって欲しくない

でも...これは...
これじゃ、
悲しすぎるよ...

なんとしても...

私はあなたに
償わなければ

ねぇ

それじゃ

私は何のために

生まれてきたっていうの？

あいつらは

初めから
俺に借りなんて無かった

愛は貸し借りではない

なにより既に

俺は彼女たちの
一番大事なものを

愛け取っている

バカ娘

この世は

愛情だけじゃないんだぞ

雪が降る
（ふる）

帰ろう

え？

どうして...

おぶってやろう

不駄じゃ埋もれる


ありがとう...

なんだ？

お父さん...


おわり


後書き

お久ぶりです。カポです。
また実用性がない本出してしまって申し訳ございません。
今回はじっくりストーリーから考えて、Brautkleidの時よりも悩みました。
うん、頑張りました。
元々「自分らしく自分のために生きて行く」をテーマにして
「短命乙女」の物語をやりたかったんですが
いつのまにか世代間の宿命を超えて、
最後に倫理臭を漂わせるというラブ・ストーリーとなりました。
世代の宿願を背負わされ、愛情の債務に縛られる人生。
なのに最後は「自分の本心から相手を好きなる」。
そんな火山爆発みたいな恋慕の物語は描いているだけで辛かったです。
そして、八代阿求の設定は私の一番のお気に入りとなりました。
みなさまにも気に入って頂ければ幸いです。

ヒゲ親父を描くのがだんだん好きになってきた。微妙。

それではまた。

カポ


奥付
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