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- KoiRizo
- 4月は何かと慌しい。
- "せわしなく通り過ぎる新品の革靴が、
- 散った桜の花びらを踏みつけて行く。"
- "目を輝かせた新入生や新入社員が、
- その希望で街を活気付かせ始める頃。"
- "カーテン越しに差し込む陽射しは、
- 眩しさの割に、とりたてて温かいというわけでもなく。"
- "それでも一日の始まりを知らせるには充分なほど、
- 朝の眠気で重たいまぶたを、軽々と突き抜けてくる。"
- ……そんな、午前7時前。
- "目覚ましが鳴り出すにはちょっとだけ早いから、
- いつもなら、寝床でうだうだしていたはず。"
- まあこの、『いつもなら』というのがミソなんだけど。
- "人生最大のハプニングというか、トラブルというか。
- あそこまで慌てたのは初めてで。"
- "そう……あの日その{何か:・・}は、眠っていた俺のそばで、
- 目覚まし時計より早く、そして大きな――"
- ――悲鳴を上げた。
- [Soutarou, the protagonist, also has a habit of breaking into soliloquy.]
- ――正直なところを言えば。
- "現状だと極大日どころか、
- 最適な観測期間も過ぎてしまっている。"
- 流れ星を目撃すること自体は可能だろう。
- だけど、最初に俺達が望んでいたような――
- "少し人よりも要領の良くない莉帆が、
- 願い事を無事に終えられる程の、大量の流星を。"
- "この夏の間に観測することは、
- できないのかもしれない。"
- だけど、何故だろう。
- 俺に焦りはない。
- "むしろ、それならそれで構わないなんて、
- そんなことさえ……。"
- ……でも、どうしてだ?
- "どうして俺は、
- そんなふうに思えるんだ?"
- 莉帆は、あんなにも真剣だったってのに。
- "まさか……所詮は他人事だと、
- 心のどこかでは……そう考えているのか?"
- "いや、違う。
- そうじゃない。"
- ……そうではないと、信じたい。
- HoshiOri
- 昨日の親睦会を経て、俺は逢坂や沖原先輩と
- さらに親睦を深めることに成功した。
- …したと思う。
- とはいえ、天文部、自然科学部ともに七夕祭りへの参加はいまだ保留のままだ。
- 両部には、参加に向けてさらに1歩前進してもらうべく、俺も今日からまた行事委員としての活動再開だ。
- 「というわけで、二正面作戦をとろうと思う」
- 「ニショウメン作戦…? えっと…どういうことかな?」
- 「俺と篠崎で、それぞれ逢坂と沖原先輩を口説こうっていう
- 作戦だ」
- 「昨日のキャンプで、篠崎は先輩と、結構親しげに話をしていたよな?」
- 「うん。沖原さんとは今まで以上に、仲良くなれたような気がするよ」
- 「俺も、逢坂とは少し距離が近づいたと思うんだ。いや、グッと近づいたと言っても過言じゃないな」
- 「え…そ、そうなの!? 具体的にどのくらい!?もしかして、2人はおつきあいを始めちゃうとか??」
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