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- 17*
- 「何回見ても、テンション上がるなー!」
- 『本当に凄いな……』
- 奈々さんと別れ、上陸して直ぐに大声で叫ぶ朋樹。その横で、自分も感心した。
- 島一つ分の広大な土地を使った、遊園地。
- 流石だな、マフィア。ドス黒く汚い金を積んだと言われるが、確かに全くそんな事を気にも留めず真っ白な心で堪能できそうだ。
- ふと顔を上に向けると、豪華なホテルのような建物の上空を、バルーンがいくつも浮遊していた。形はリボーンで、ようこそだとかいらっしゃいませ等の、歓迎する言葉の垂れ幕が下にくっついている。
- こちらもお金が掛かっていそうだ。
- 「姉ちゃん、サーカスショーやってるよ!見に行こう今すぐ行こう!!」
- 『ん、ああ。それより先に、ロンシャンと合流しなくて良いのか?』
- 「いーじゃんいーじゃん。アッチはアッチで仲良くやってるっしょ」
- そう言って、自分の手を引っ張り走り出した弟に、仕方が無いなと着いていく。
- こんな所に来たのも、幼い頃以来で凄く久し振りだ。今日はもう弟に付き合い、思いっきり楽しもうと思う。
- ****
- 素晴らしい。
- サーカスのショーを全て見終わり、抱いた感想はそれに限る。他にも色々と言葉は浮かぶが、最後に行き着くのはその一言だ。
- 初めて見た、と言うのも、この感動に拍車を掛けている。
- 「スゲースゲースゲー!」
- それは朋樹も同じなようで、瞳を爛々と輝かせて両の拳を高く掲げて感動していた。
- していた事と言えば、ナイフ投げや火の輪潜りや大仕掛けな手品等々。一般的と言えば一般的だが、それを生で見れたのは良い経験だ。今度、姫月を連れてきたら喜んでくれるだろうか。
- 既に大分満足していたが、弟は次にジェットコースターに乗ろうと満面の笑みで誘ってくる。
- 当初に決めていた通り、自分は今日一日弟に付き合うつもりなので、連れて行かれる方向へ歩を進めた。この調子だと、全てのアトラクションを制覇したいと言い出しそうだ。
- 少し決心が崩れかけていると、背後から複数の土を蹴る音が聞こえてきた。そして、自分達の背後でその音が止む。
- 自分が振り向くより先に、弟が振り向いた。
- 「ね、えちゃん」
- 『どうかした、の……か』
- 固まる弟に続き後ろを振り返って、不覚にも驚きで自分も固まってしまった。
- 数人の強面の警備員らしき人物が、更に怖い顔で自分達を見下ろしていた。否、弟は見下ろされてはいなかったけれど。
- 「トマゾファミリー、内藤ロンシャンの連れの方ですね?」
- あの阿呆餓鬼。
- 心の中で悪態を吐き、有無を言わせずズルズルと引き摺り連れて行かれたのは、地下鉄の入り口である。
- 行き先は、言わずもがな、裏マフィアランドだ。
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