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Chihaya PS Route JP

NamassukaRevolution Dec 10th, 2016 (edited) 80 Never
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  1. アイドルマスタープラチナスターズ(PS4)
  2. 千早のコミュ
  3.  
  4.  
  5.  
  6. ~出会い : 「解放の条件」~
  7.  
  8.  
  9.  
  10. 千早
  11. 「プロデューサー。
  12. 今日から本格的にご指導いただけると聞いて、来ました」
  13.  
  14. 千早
  15. 「ただ、指導手腕は……大丈夫でしょうか」
  16.  
  17. P
  18. 「相変わらず、きびしいな……。そういえば思い出すなあ。
  19. 千早と最初に会った時は……」
  20.  
  21. 千早
  22. 「失礼します!如月千早、ただいま到着しました。
  23. 早すぎたでしょうか?バスの時間が読み切れなくて……」
  24.  
  25. P
  26. 「あ、いやいや、しかたないよ。本数も少ないしね。
  27. ようこそ合宿所へ。俺は……」
  28.  
  29. 千早
  30. 「……誰でしょう?顔なじみの方ではないですよね?
  31. 失礼ですけれど、どなた……」
  32.  
  33. P
  34. 「顔なじみではないけど、これから、なじむ予定なんだ。
  35. 俺は765プロの新人プロデューサーで……」
  36.  
  37. 千早
  38. 「プロデューサー?うちの事務所のですか?
  39. ウワサはそれとなく……でも、本当に新人だなんて……」
  40.  
  41. 千早
  42. 「それに……。あの、まさか、
  43. ここで私たちといっしょに寝泊りを?」
  44.  
  45. P
  46. 「まあ、必要に応じてね。
  47. 別の宿を確保するほどの余裕は、うちにはないし……」
  48.  
  49. 千早
  50. 「そんな……。仲間だけでも不安なのに……
  51. 見ず知らずの人となんて……」
  52.  
  53. P
  54. 「そ、そいイヤがることはないんじゃないかな?
  55. もちろん、同じ部屋で過ごすわけじゃないし……」
  56.  
  57. P
  58. 「こんな風には考えられないかな?
  59. 俺は、ホテルのスタッフみたいなものって」
  60.  
  61. P
  62. 「同じ施設に、赤の他人がいるのは、
  63. 別にめずらしいことじゃないと思うけど」
  64.  
  65. 千早
  66. 「……」
  67.  
  68. 千早
  69. 「そう……ですね。
  70. 外泊先には、常に他の誰かもいるわけですし……」
  71.  
  72. 千早
  73. 「では、外泊というか……そう割り切ることにします。
  74. でも活動は、真剣に打ち込みますので」
  75.  
  76. P
  77. 「ああ、頼むよ。
  78. よろしく、如月さん」
  79.  
  80. 千早
  81. 「千早でかまいません。あなたは……
  82. プロデューサーは、上司ですから」
  83.  
  84. 千早
  85. 「甘やかさず、慣れ親しまずでお願いできればと」
  86.  
  87. P
  88. 「わかった。
  89. それじゃあ千早、奥へ来てれる?」
  90.  
  91. P
  92. 「こんな感じだったな。
  93. 警戒心が強くて、こっちが面食らったっけ……」
  94.  
  95. P
  96. 「さて千早。
  97. 早速、プロデュース方針を決めようと思うんだけど」
  98.  
  99. 千早
  100. 「それより先に決めてほしいことが。
  101. あの……期限を切ってくれませんか?」
  102.  
  103. P
  104. 「期限?何の期限?」
  105.  
  106. 千早
  107. 「合宿の期限です。未熟な私たちを鍛えるための合宿、
  108. そう理解はしていますが……無期限で誰かと暮らすなんて……」
  109.  
  110. 千早
  111. 「なるべく早く、ひとりに戻りたいんです。
  112. ですから、ゴールを決めてもらえればと」
  113.  
  114. P
  115. 「そうか……。千早はあまり、この合宿所が好きじゃないんだな。
  116. 自然もたくさんあっていい環境だと思うけど」
  117.  
  118. 千早
  119. 「そういう問題ではありません。
  120. ……遊びでは、ないですから」
  121.  
  122. P
  123. 「よし、わかった。じゃあ大目標のエクストリームライブを
  124. 達成できたら、合宿所からの卒業を認めるよ」
  125.  
  126. 千早
  127. 「本当ですか?なら、その日に向かって、
  128. ひたむきに歌唱力の強化を……」
  129.  
  130. P
  131. 「いや、それだけじゃ足りないと思う。今の千早は
  132. なんていうか……アイドルとして、ガードが固すぎるよ」
  133.  
  134. P
  135. 「もっとファンに親しんでもらえるようにならないと、
  136. エクストリームライブは達成できないと思うけど」
  137.  
  138. 千早
  139. 「親しみ……?
  140. でも私は、本気で歌と向き合いたいんです」
  141.  
  142. 千早
  143. 「アイドルも歌手である以上、実力を認められてこそ……。
  144. 親しみやすさで切り抜けようなんて、甘えですよね?」
  145.  
  146. P
  147. 「そんなことはないよ。
  148. つまり、千早はもっと……」
  149.  
  150. ■ 人を楽しませて
  151. ▲ 余裕を持って
  152. ● 気を許して
  153.  
  154. ▲ 余裕を持って
  155.  
  156. P
  157. 「余裕を持ってほしいんだ。
  158. 今の千早を見ていると、切羽詰まっているように感じるから」
  159.  
  160. 千早
  161. 「……実際に詰まっています。この合宿でも成功できなかったら、
  162. もう……後がありません」
  163.  
  164. P
  165. 「そんな風に考えると、よけい行き詰ると思う。せっかくの
  166. 田舎暮らしなんだし、空でも見ながら、のんびりいこう」
  167.  
  168. 千早
  169. 「空……。なにがあるとも思えませんが……
  170. 気晴らしは、必要かもしれませんね」
  171.  
  172. P
  173. 「とにかく、エクストリームを制覇したいなら、
  174. おおらかな心を身につけること。それが俺の方針だ」
  175.  
  176. P
  177. 「千早は、仲間やファンともっと慣れ親しまないと。
  178. でないと、ずっと合宿所暮らしになると思う」
  179.  
  180. 千早
  181. 「わ、わかりました……。従うしかありませんね。
  182. たしかに、これまでのやり方ではうまくいかなっかたし……」
  183.  
  184. 千早
  185. 「でも、まわりと親しむって……私が?
  186. どうなってしまうの、この合宿……」
  187.  
  188. P
  189. (ひとり途方に暮れている。
  190. でも、ここを乗り越えないと、アイドルとしての成功はない)
  191.  
  192. P
  193. (なんとか集団生活に落け込ませて、心を解き放たせよう。
  194. この合宿で……、千早の生活そのものを立て直す!)
  195.  
  196.  
  197.  
  198. ~ランクE:「バーベキューの準備」~
  199.  
  200.  
  201.  
  202. P
  203. (最初の関門を突破し、新人アイドルと認められた千早。
  204. そのお祝いもかねて、ある催しを開くことにした)
  205.  
  206. 千早
  207. 「バーベキューパーティー?
  208. その準備を……私が?」
  209.  
  210. P
  211. 「ああ、人がいないから、自分たちで準備しなきゃいけないんだ。
  212. 悪いけど、材料の下ごしらえに加わってくれるか?」
  213.  
  214. 千早
  215. 「でも私……料理なんて慣れていません。
  216. 情けないほどの腕ですし、それに……」
  217.  
  218. 千早
  219. 「誰かと、こういう共同作業をしたことは……。
  220. やりとげられるでしょうか?」
  221.  
  222. P
  223. 「そんな大げさに考えなくていいよ。
  224. ただのパーティーの準備なんだし。それに……」
  225.  
  226. P
  227. 「できないことをー歩ー歩やっていくのは、
  228. アイドルとして大切なことだと思うけど」
  229.  
  230. 春香
  231. 「そうだよ千早ちゃん。
  232. バーベキューの準備、楽しいよ?」
  233.  
  234. 千早
  235. 「春香……」
  236.  
  237. 春香
  238. 「ね、いっしょにやろっ♪
  239. そうすれば、楽しさが何倍にもなるし!」
  240.  
  241. P
  242. 「春香、頼むな。
  243. 千早に手を貸してやってくれ」
  244.  
  245. 春香
  246. 「はいっ、まっかせてください!」
  247.  
  248. 千早
  249. 「でも、あの、プロデューサー……。
  250. ……わかりました、やってみます……」
  251.  
  252. 千早
  253. 「………………」
  254.  
  255. 春香
  256. 「ち……、千早ちゃん?なんていうか、その……
  257. 包丁持ったまま、こわい顔でウロウロしないで~」
  258.  
  259. 千早
  260. 「え?でも、私はただ真剣に……」
  261.  
  262. P
  263. 「そういえば、この合宿所の裏山に、伝説があったな。
  264. 包丁を持ったやまんばが出るとか出ないとか……」
  265.  
  266. 春香
  267. 「プロデューサーさんも、こわい話しないでくださいよ~」
  268.  
  269. 千早
  270. 「皮をはいで……3枚に下ろす……」
  271.  
  272. 春香
  273. 「だ、だから……、
  274. もっと楽しいおしゃべりしながら、ね?」
  275.  
  276. P
  277. 「ははは……。とにかく千早、春香に教わりながら
  278. ていねいにな」
  279.  
  280. 千早
  281. 「はい、春香となら……。
  282. 私なりの役割、果たさないと……」
  283.  
  284. 千早
  285. 「ふー、なんとか無事に……。
  286. でも……クタクタです、プロデューサー」
  287.  
  288. 千早
  289. 「誰かと歩調を合わせて作業するのって……疲れるんですね。
  290. 歌っている時より、ずっと……」
  291.  
  292. P
  293. 「人に気を使う場所は、たくさんあるからなぁ。
  294. サイン会や握手会、他にもたくさん……」
  295.  
  296. P
  297. 「まずは仲間に、自然に気づかいできるようにならないと」
  298.  
  299. 千早
  300. 「先は長そうです。
  301. でもこれはきっと……自業自得……」
  302.  
  303. 千早
  304. 「打ち解けることを避けてきた報いかもしれません……。
  305. 最低限のことはできるようになった上で、この合宿所を……」
  306.  
  307. P
  308. 「ああ、それができるまで、
  309. 出ていかせないからな?」
  310.  
  311. 千早
  312. 「はい、必要なことですから」
  313.  
  314. P
  315. 「その通りだよ。
  316. 必要なことだ……」
  317.  
  318. ■ アイドル以前に
  319. ▲ 人として
  320. ● アイドルとして
  321.  
  322. ● アイドルとして
  323.  
  324. P
  325. 「アイドルとして。
  326. 親しみやすくないと、人気も出ないから」
  327.  
  328. 千早
  329. 「技量さえあればいいと思っていました。
  330. それでは足りないんでしょうか?」
  331.  
  332. P
  333. 「足りないと思う。
  334. ステージに立ってみて、どう思った?」
  335.  
  336. 千早
  337. 「ファンの気持ちはわかりません……。
  338. でも、それは……これから確かめていくしか」
  339.  
  340. P
  341. 「ところで千早。バーベキューの味はどうだった?
  342. おいしかったか?」
  343.  
  344. 千早
  345. 「えっ……味?……あまり、おぼえていません。
  346. 片付けをどうしようと考えていて……」
  347.  
  348. P
  349. 「そうか。それは悪いことをしたな。
  350. ー応、ランクアップしたお祝いだったのに」
  351.  
  352. 千早
  353. 「いえ、十分に有意義だったかと。
  354. それなりに味わい深かったです」
  355.  
  356. 千早
  357. 「空虚なお祝いより……よほど響きました」
  358.  
  359. P
  360. (夜のかすかな光が、千早を照らす。
  361. まだまだ他人行儀だけど、少しだけ心を開いてくれたようだ)
  362.  
  363.  
  364.  
  365. ~ランクD:「パジャマパーティー」~
  366.  
  367.  
  368.  
  369. P
  370. (そこそこのアイドルと認められ始めた千早。
  371. ステージパフォーマンスは確実に向上してるけど……)
  372.  
  373. P
  374. (親しみやすさの方は、なかなか増してこないな。
  375. 今夜はこの合宿所で、すこし荒療治をしてみよう)
  376.  
  377. 千早
  378. 「プロデューサー、今晩はパーティーだと聞きました。
  379. またバーベキューでしょうか?」
  380.  
  381. P
  382. 「いや、今晩はバーベキューじゃなくて
  383. ……パジャマなんだ」
  384.  
  385. 千早
  386. 「は?……あの、火を通しても、食べられませんよね?
  387. プロデューサー、熱でも……?」
  388.  
  389. P
  390. 「違う違う。千早のトークのカタさが気になって、
  391. それを、なんとかしたいと思ったんだ」
  392.  
  393. P
  394. 「だから今日は、仲間とパジャマパーティーをしてもらう。
  395. みんなには頼んであるから」
  396.  
  397. 千早
  398. 「パジャマパーティー……!?ウワサには聞いたことが……。
  399. 普段は話さないことも、あけすけに話すとか……」
  400.  
  401. 「で、できません!やり方もわかりませんし……。
  402. あの……昇格に免じて、中止を……」
  403.  
  404. P
  405. 「昇格したからこそ、チャレンジしてほしいんだよ。
  406. 仲間同士なんだから、ぶっちゃけた話ぐらいできるだろ?」
  407.  
  408. 千早
  409. 「で、では……、春香にだけなら……」
  410.  
  411. P
  412. 「春香に逃げ込んだら、アイドルの練習にならないよ。
  413. ファン相手だと、ハードルはもっと高いわけだし」
  414.  
  415. P
  416. 「どんなに嫌がっても、やってもらうつもりだから。
  417. さあ、着替えてきて」
  418.  
  419. 千早
  420. 「……。議論の余地はないんですね……。
  421. では……」
  422.  
  423. P
  424. 「よし、準備OKかな。似合ってるよ……っていうのも、
  425. おかしなホメ言葉だけど」
  426.  
  427. 千早
  428. 「プロデューサー、ー言、いいですか?」
  429.  
  430. P
  431. 「な、なにかな?」
  432.  
  433. 千早
  434. 「……お世話になりました」
  435.  
  436. P
  437. 「どうして最後の挨拶っぽいー言なんだ……。
  438. ただのおしゃべりなんだから、肩の力を抜いて、楽しんで」
  439.  
  440. 千早
  441. 「楽しむなんてできません。それ以前に、
  442. なにを話していいのか、わかりません……」
  443.  
  444. 千早
  445. 「そもそも、なぜパジャマなんです?
  446. あの……プロデューサー、せめて会話の糸口だけでも」
  447.  
  448. P
  449. 「糸口って……普段、千早がしないような話をすればいいよ。
  450. そうだなあ、たとえば……」
  451.  
  452. ■ デビュー前の秘話
  453. ▲ 合宿中の出来事
  454. ● 恋の話
  455.  
  456. ▲ 合宿中の出来事
  457.  
  458. P
  459. 「合宿中の出来事とか。日常に起きたささいなこととか、
  460. あんまり話してないんじゃないか?」
  461.  
  462. 千早
  463. 「出来事って……Tシャツにカナブンが入ってしまったとか、
  464. 神社の鈴を鳴らしたら取れてしまったとか……」
  465.  
  466. P
  467. 「そうそう、そういうのでいいんだよ。
  468. どうしてファンの前で話さなかったんだ?」
  469.  
  470. 千早
  471. 「だって、ありきたりすぎて、
  472. 面白くないかと……」
  473.  
  474. P
  475. 「ありきたりでも、アイドルが話せば面白いんだ。
  476. 存在自体が、普通の人とはちがうんだから」
  477.  
  478. 千早
  479. 「そ、そういうものなんですね。
  480. 知りませんでした……」
  481.  
  482. P
  483. 「それじゃ、いいか、千早?理性を捨てて、
  484. 女子会のノリで話すんだ。今なら、きっとできるから」
  485.  
  486. 千早
  487. 「はい……。どうにか、取り返しのつかない夜に
  488. ならないように……。おやすみなさい」
  489.  
  490. P
  491. 「おはよう千早。昨日はどうだった?」
  492.  
  493. 千早
  494. 「案外、うまく話せたかもしれません。
  495. でも私、ー晩中、なんて中身のない会話を……」
  496.  
  497. 千早
  498. 「達成感はあります……。でも、なにもおぼえてなくて。
  499. 本当に楽しくて、空墟な時間……」
  500.  
  501. P
  502. 「それでいいんだよ、千早。お疲れ様。
  503. 今後もたまには、みんなとこうして話すようにな」
  504.  
  505. 千早
  506. 「はい、努力を……というか、これ、努力とは逆ですよね。
  507. 機を見て、流されるようにしてみます」
  508.  
  509. P
  510. (パジャマパーティーは成功!硬さをすこし取り除けたようだ。
  511. たわいのない会話から、MCの腕も磨いてほしいな)
  512.  
  513.  
  514.  
  515. ~ランクC:「みんなでお風呂」~
  516.  
  517.  
  518.  
  519. P
  520. (アイドルとして成長を続ける千早。トークもこなれてきたけど、
  521. 仲間と家族のように……とまでは、いっていない)
  522.  
  523. P
  524. (ここで、あともう一押しすることで、
  525. 大きく変われそうな気がする。なら……)
  526.  
  527. 千早
  528. 「今日は何ですか、プロデューサー?
  529. 最近は、ファンの方にも手を振り返せるようになりました」
  530.  
  531. 千早
  532. 「今の私なら、もうパジャマパーティーでも平気です。
  533. こわいものなんて……」
  534.  
  535. P
  536. 「今日は、仲間とお風呂に入ってもらおうと思って」
  537.  
  538. 千早
  539. 「………………」
  540.  
  541. P
  542. 「千早、しっかりするんだ、千早!
  543. もう一人前だし、このぐらいできるよな?」
  544.  
  545. P
  546. 「和気あいあいとお風呂に入れれば、
  547. かなり、おおらかになれると思ったんだけど」
  548.  
  549. 千早
  550. 「それはそうでしょうね……。
  551. 本当に心を許してなければ、できませんし……」
  552.  
  553. 千早
  554. 「相手にも……よります……。
  555. 横にいて気にならない子とか、干渉しない子なら……」
  556.  
  557. P
  558. 「今、お風呂にいるのは、亜美と真美なんだ」
  559.  
  560. 千早
  561. 「………………」
  562.  
  563. P
  564. 「千早、しっかりするんだ、千早!
  565. あの二人だって、おとなしい時はある……かもしれないだろ?」
  566.  
  567. 千早
  568. 「本当に……そう思いますか?」
  569.  
  570. P
  571. 「か、かもしれない、という意味では」
  572.  
  573. 千早
  574. 「仲間とお風呂……。あるいは、できて当然かもしれません。
  575. でも私……」
  576.  
  577. 千早
  578. 「さすがに見られたくないです。その……あちこち……。
  579. 中でも、とくに……」
  580.  
  581. P
  582. 「とくに見られたくないのは……
  583. まあ、この辺だよな」
  584.  
  585. (Pは千早のおなかをタッチする)
  586.  
  587. 千早
  588. 「いえ、おなかまわりは、かろうじて許せるような。
  589. これでも鍛えていますから」
  590.  
  591. P
  592. 「そうか。でも『おなかだけ見て』っていうわけにも
  593. いかないしな」
  594.  
  595. 千早
  596. 「そんなこと言ったら逆効果です!
  597. むしろ、言ってない場所ばかりを……きっと……」
  598.  
  599. P
  600. 「とにかく、ここまでは順調に来られたんだ。
  601. このお風呂が最後の関門と思って、入ってみよう、千早」
  602.  
  603. 千早
  604. 「みようじゃありません。これもプロデュースなんですか?
  605. もし本気で必要と思ってるなら……」
  606.  
  607. P
  608. 「もちろん思ってるよ。
  609. その顔から、さびしさが消えるならって」
  610.  
  611. 千早
  612. 「そ、そういう言い方……、ずるいです。
  613. だまされてしまいそう……」
  614.  
  615. 千早
  616. 「もう……仕方ありません。いきます。いきますよ?
  617. どうなっても知りませんから」
  618.  
  619. P
  620. 「ああ、気をつけて。……待ってるから」
  621.  
  622. 千早
  623. 「今度こそ……お世話になりました。
  624. それじゃあ……」
  625.  
  626. 千早
  627. 「う、あ……亜美ー、真美ー?入るわよー?
  628. いっしょに……」
  629.  
  630. 千早
  631. 「きゃあああああ!」
  632.  
  633. P
  634. (この場所から離れていよう。
  635. 声を聞かないこと。それがせめてもの礼儀……)
  636.  
  637. P
  638. 「千早……平気だったか?」
  639.  
  640. 千早
  641. 「平気では……なかったはずです。ただ途中から
  642. 記憶がなくて……。拒むように、真っ白に……」
  643.  
  644. P
  645. 「そうか。
  646. 防衛本能が働いたのかもしれないな」
  647.  
  648. 千早
  649. 「なにもおぼえていません。
  650. でも……プロデューサー」
  651.  
  652. 千早
  653. 「もしかしたら、生きるって楽しいことなのかもって。
  654. すこし、そんな気に」
  655.  
  656. 千早
  657. 「あんな冒険、もうできません……。けど、
  658. いろいろ吹き飛んでしまいました。ふふ、ふふふ……」
  659.  
  660. P
  661. (千早は力なく、苦笑いを浮かべている。
  662. なにか大きな留め金を外してあげられた……かもしれない)
  663.  
  664. P
  665. (いろいろなものをせき止めていた、留め金を)
  666.  
  667.  
  668.  
  669.  
  670. ~ランクB:「忘れていた目的」~
  671.  
  672.  
  673.  
  674. P
  675. (千早のプロデュースは、着実に実を結びつつある。
  676. 仲間とも打ち解けあい、表現もおおらかになってきた)
  677.  
  678. P
  679. (合宿生活の効果は、アイドルとしてのみならず、
  680. 心の深いところに及んでいるようで……)
  681.  
  682. 千早
  683. 「あ、プロデューサー。
  684. プロデューサーも……海を見に?」
  685.  
  686. P
  687. 「千早……?ああ、千早もか。
  688. 海を見ながら、なにか考えていたのか?」
  689.  
  690. 千早
  691. 「はい……自分自身の変化について。
  692. この合宿所に来てから、私、変わりました」
  693.  
  694. 千早
  695. 「なんというか……
  696. 生活の質も、根本から変わったような」
  697.  
  698. P
  699. 「生活の質か……。
  700. とくに、どんなことが?」
  701.  
  702. 千早
  703. 「一番大きいのは、眠れない夜が減ったこと……」
  704.  
  705. 千早
  706. 「思い悩むことが減りました。
  707. 前は、あんなに悶々と考えていたのに……」
  708.  
  709. P
  710. 「集団生活は、かなりバタバタしてるからな。
  711. 食事に掃除にレッスン……。考え込むヒマもないだろ?」
  712.  
  713. 千早
  714. 「はい、思いきり働いて、たくさん笑って、
  715. 疲れ果てて眠る……」
  716.  
  717. 千早
  718. 「これでよかったのかもしれません。ここに来る前の私は、
  719. むずかしいところにハマり込んでいたみたいで」
  720.  
  721. 千早
  722. 「まるで……遠い昔に戻ったようです」
  723.  
  724. P
  725. 「遠い昔……。
  726. それはまだ……みんなと会う前?」
  727.  
  728. 千早
  729. 「はい、ずっと前……。もう戻れないと思っていた頃……。
  730. これも、プロデューサーがいろいろさせてくれたおかげですね」
  731.  
  732. 千早
  733. 「妙なふれあいばかりさせられて、いつの間にか、真面目に
  734. 考えることをやめてしまいました……。ふふっ」
  735.  
  736. P
  737. 「妙なふれあいはヒドいな。でも、それでいいと思うよ。
  738. 最近の千早は、ナーバスな部分もなくなってきたし」
  739.  
  740. P
  741. 「この分なら、エクストリームライブを突破する日も近そうだ。
  742. その時は約束通り、千早の希望を受け入れてもいいと思う」
  743.  
  744. 千早
  745. 「私の……希望?あの、なんの話……?」
  746.  
  747. P
  748. 「言ってたよな?目的を果たしたら、
  749. この合宿所から出ていきたいって」
  750.  
  751. 千早
  752. 「あ……そうでしたね。でも……ぬか喜びは危険です。
  753. 私はまだ、なにも手にしていませんから」
  754.  
  755. 千早
  756. 「あらゆる憂いを忘れて、心から輝ける……
  757. アイドルになって、決戦のステージへ」
  758.  
  759. P
  760. 「あらゆる憂いを、か……。なら今日は、もっとリラックスして
  761. 遊んでいった方がいいかもしれないな」
  762.  
  763. 千早
  764. 「ふふっ、そうですね。ランクアップの直後ぐらい……。
  765. プロデューサー、おすすめの気晴らし、教えてください」
  766.  
  767. P
  768. 「そうだな。
  769. 夜の海でできることといえば……」
  770.  
  771. ■ 千早の写真を撮る
  772. ▲ いっしょに座る
  773. ● 花火
  774.  
  775. ▲ いっしょに座る
  776.  
  777. P
  778. 「いっしょに座るか。
  779. 静かに海を見るの、どうかな」
  780.  
  781. 千早
  782. 「あ、賛成です。でも……、緊張しますね。
  783. その……並んで座るというのは」
  784.  
  785. 千早
  786. 「距離はどのぐらい……。あ、近いですか?
  787. もうすこし……いえ、でも離れすぎも……」
  788.  
  789. P
  790. 「適当でいいよ。ただ座るだけなんだから。
  791. すこし、ゆっくりしよう」
  792.  
  793. 千早
  794. 「楽しかったです、プロデューサー。そろそろ戻りましょう。
  795. ありがとうございました」
  796.  
  797. P
  798. 「いや、こちらこそ。……千早。ここまで来たら、
  799. エクストリームライブ、必ず成功させような」
  800.  
  801. 千早
  802. 「はい……。恐れも迷いもない、素の私で迎えられそうです。
  803. 満ち足りた時間が……支えてくれるから」
  804.  
  805. P
  806. (その顔からは、心の余裕がうかがえる。
  807. アイドルとして飛翔の時は……もうすぐだ)
  808.  
  809.  
  810.  
  811. ~EX LIVE後:「引き留めて」~
  812.  
  813.  
  814.  
  815. P
  816. (こうして、エクストリームライブは見事に
  817. 大成功を収め、その幕を閉じた。そして……)
  818.  
  819. 千早
  820. 「やりました……!やり遂げられました、プロデューサー!
  821. この……感覚……」
  822.  
  823. P
  824. 「おめでとう、千早!
  825. ……感覚が、どうかしたのか?」
  826.  
  827. 千早
  828. 「不思議な感じなんです。
  829. 自分と、周りの垣根がなくなったような……」
  830.  
  831. 千早
  832. 「この一体感……。
  833. 今までの私に足りなかったのは、これなんですね……」
  834.  
  835. P
  836. 「会場と、一心同体になれた感じ……かな?」
  837.  
  838. 千早
  839. 「はい……。私、ずっと自分自身を覆い隠して、ステージに
  840. 立っていた気がします。……うまくいかなくて当然でした」
  841.  
  842. 千早
  843. 「大切なのは、自分をさらけ出すこと……。
  844. それができなければ、声が届くわけない……」
  845.  
  846. 千早
  847. 「今日ははじめて、それができました……。
  848. 人とつながるって、こんなにも……」
  849.  
  850. 千早
  851. 「……あたたかいものなんですね」
  852.  
  853. P
  854. 「それがわかってくれたなら、言うことはないよ。
  855. 千早は成るべくして、エクストリームアイドルになったんだ」
  856.  
  857. P
  858. 「本当におめでとう。
  859. これでもう、俺から千早に教えることはなにもない」
  860.  
  861. P
  862. 「千早は……自由の身だ」
  863.  
  864. 千早
  865. 「自由の身……。
  866. 合宿所を卒業、ということですか?」
  867.  
  868. P
  869. 「ああ。今度は好きに時間を使っていい。
  870. それが千早の成長のためだから」
  871.  
  872. 千早
  873. 「私が望んでいた形……。
  874. 生活のリズムもレッスンのペースも、私の好きに……」
  875.  
  876. 千早
  877. 「もう、他の誰かに合わせる必要はないんですね……。
  878. また元の通りに……。なのに……」
  879.  
  880. P
  881. 「……千早?」
  882.  
  883. P
  884. (どうも表情が暗いな。
  885. 解放されて、喜んでる顔じゃない……)
  886.  
  887. 千早
  888. 「………………」
  889.  
  890. P
  891. (もしかして千早は……。そうだ、それなら……)
  892.  
  893. P
  894. 「えーと千早……ちょっと話がある。
  895. 約束を守ることは大切だよな?でも……」
  896.  
  897. P
  898. 「悪いけど……、俺は約束を破ることにする。
  899. やっぱり千早を合宿所から出すわけにはいかない」
  900.  
  901. 千早
  902. 「え。……ええっ、どうしてですか?
  903. 今日のステージに、なにか問題でも?」
  904.  
  905. P
  906. 「ああ、千早はまだ成長途中だ。
  907. うまく歌えたつもりだろうけど、俺はそうは見ていない」
  908.  
  909. P
  910. 「まだまだ眠っている力があるはずだ。
  911. だから合宿所卒業は……延期だ」
  912.  
  913. 千早
  914. 「延期……。そうですか……」
  915.  
  916. 千早
  917. 「その、それがプロデューサーの判断なら、
  918. しかたないですね。しかたないです」
  919.  
  920. P
  921. 「ああ、そしてもうひとつ命令だ。
  922. 俺は約束を破るひどいプロデューサーだから、容赦はしない」
  923.  
  924. 千早
  925. 「……?」
  926.  
  927. P
  928. 「せっかくエクストリームライブを達成したんだから、
  929. もっと……笑ってくれないかな?」
  930.  
  931. 千早
  932. 「プロデューサー……。はいっ、そうですね。笑わないと。
  933. ふふっ、ふふふふ……、ありがとうございます」
  934.  
  935. P
  936. 「お礼はいらないよ。
  937. ひどいことを言ってばかりなんだから」
  938.  
  939. 千早
  940. 「そうとも思えませんけど。……でも、卒業中止ではなく、
  941. 延期ということは……」
  942.  
  943. 千早
  944. 「やはり、いつかはその日が……?」
  945.  
  946. P
  947. 「それは……もちろん。
  948. いつかは、合宿を卒業する日が来ると思う」
  949.  
  950. 千早
  951. 「アイドルとしての、新しい目標……。
  952. 本当の卒業の条件は、なんですか?」
  953.  
  954. P
  955. 「合宿所を出て行く、本当の条件か。
  956. それは……」
  957.  
  958. ■ 悲しみを忘れる
  959. ▲ トップアイドル
  960. ● 宇宙一のアイドル
  961.  
  962. ■ 悲しみを忘れる
  963.  
  964. P
  965. 「悲しみを忘れることかな。笑って出ていける強さを
  966. 身につけること。それが条件だ」
  967.  
  968. 千早
  969. 「笑って……。なにもかも、お見通しなんですね。
  970. かないません……。でも……」
  971.  
  972. 千早
  973. 「そうですね。ひとりでいる自分に自信を持てないのは、
  974. 私の弱さ。一刻も早く克服を……」
  975.  
  976. P
  977. 「まあ、そう焦らなくてもいいよ。
  978. 急に別人になれるわけじゃないし、ゆっくりいこう」
  979.  
  980. 千早
  981. 「さて、この後は……エクストリームライブ達成の式典でしたね。
  982. でも、祝辞や栄誉よりも、はるかに楽しみなことが」
  983.  
  984. P
  985. 「ん?予定は……、何かあったっけ?」
  986.  
  987. 千早
  988. 「あります。私がプロデューサーと一番したいこと。
  989. すべてのセレモニーが終わったら……」
  990.  
  991. 千早
  992. 「この幸せをかみしめて……帰りましょう、私たちの家へ!
  993. いつでも、あたたかく迎えてくれる、あの場所へ!」
  994.  
  995. P
  996. (エクストリームアイドルとなった千早は、一番ほしいものを
  997. 手に入れた。あるいは、それは栄誉ではなく……)
  998.  
  999. P
  1000. (事務所のみんなと仲良く暮らせる、
  1001. あの合宿所なのかもしれない)
  1002.  
  1003. P
  1004. (満ち足りた暮らしこそ、輝きの源流なのだから……)
  1005.  
  1006.  
  1007.  
  1008. ~ランクA~
  1009.  
  1010. P
  1011. (ついにアイドル界のトップに君臨するようになった千早)
  1012.  
  1013. P
  1014. (ある日、めずらしく『仕事帰りに寄りたいところがある』
  1015. と言うので、ついてきたのだが……)
  1016.  
  1017. P
  1018. 「ここは……服屋?
  1019. 千早、服が買いたかったのか?」
  1020.  
  1021. 千早
  1022. 「はい。トップアイドルという立場になった以上、
  1023. それなりの責任があるかと」
  1024.  
  1025.  
  1026. ~ランクS~
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