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- Title : 円交少女 ~陸上部ゆっきーの場合~
- Author: 若林浩太郎
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- プロローグ 再会
- 第 1 章 河原木悠希
- 第 2 章 彼女の理由
- 第 3 章 空の器
- 第 4 章 満たされる
- エピローグ 美月真子
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- 数日前まで、こんなことになるなんて思いもしなかった。
- 「ゆっきー、お願い」
- 「真ま子こ……」
- すがるような眼まな差ざしを私に向けているのは、美み月つき真子。私──河か原わら木ぎ悠ゆう希きの友達だ。
- 「わたしのこと……助けてよ」
- 「え……」
- 震えている。真子の細い身体が、恐怖で震えている。
- 「一緒に……えんこーして?」
- その提案に、一瞬、言葉を失う。頭の中が真っ白になった。言葉が出てこない。何せ男の子と付き合ったこともないのだ。それなのに、援助交際だなんて。それはつまり、知らない男の人とエッチするわけで……。
- 私自身の息遣いが荒くなっているのが分かった。真子の恐怖が伝わり、私の手も震えている。すがるような真子の眼差しから逃れるように、視線を外した。
- 「……ごめん、そういうのムリ」
- 出てきた言葉は、それだった。真子は、確かに私の友達だ……と思う。彼女はいま、とても困っている。お金が必要だ。それも分かる。だけど、その為に知らない男とエッチするなんて。想像できないのだ。
- 「援交とか、ほんと考えられない…………ごめん」
- うつむいて、つぶやくように言葉を絞り出した。
- 「うー……」
- ぺたん、と真子が座り込んでしまった。
- 「真子、大丈夫……?」
- 「吐きそー……」
- そのままぐったりと倒れ込んでしまう真子を前に、どうすることも出来ない。立ち去ることも、彼女の提案を受けることも。どちらも選べずにいた。
- 「……あ。待ってて。水、持ってくる」
- 真子を見ているだけの自分に耐えかねて、立ち上がる。ここはネットカフェだ。古い漫画喫茶を改装したからだろうか、ところどころ壁の塗装が剥がれ落ちている。設備も決して新しくはないが、利用料金は安い。ドリンクバーでプラスチックのコップに水を注ぎ、私と真子が借りたカップルシートへ戻った。
- 「これ、飲んで」
- 真子は何とか上体を起こせるといった具合でコップを受け取り、水を少し口に含んだ。
- 「……ううぅ」
- そのまま、またぐったりしてしまう真子。椅子に座り、考える。どうすればいいんだろう──。ううん、どうしてこんなことになったのか、まるで分からない。いつ、間違ったんだろう。予定されていた人生のレールが大きく曲がり、放り出されたのはどの地点か。何が真子の運命を、ここまで狂わせたのだろう。始まりはどこだったのか。分からない。
- 「真子……」
- 大丈夫かと心配になり、声をかけた。真子は手を突き出して、構わないでと主張する。少し休めば、動けるようになるだろうか。
- 眼下でうなだれている真子、その髪の色を見て思う。随分変わってしまった、と。初めて会ったとき、真子の髪は黒かった。いまでは雑誌モデルのように綺麗に染まり、整えられた髪。いつの間に、こんなに垢抜けたのだろう。どこにでもいる目立たない地味な子だったのに。初めて真子と出会ってから、数年しか経っていない。それなのに、何がいったい私たちの運命をここまで狂わせてしまったんだろう。私には分からない。私には……。
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- 私たちが初めて出会ったのは、中学3年の頃だった。ただのクラスメイト。最初は、そうだった。
- 「えーこのように、聖徳太子は、推古天皇に代わって政治を行ったわけだ」
- 社会の教師がホワイトボードに書きながら、説明している。ごく普通の授業風景だ。
- 「この様な役職を何というか? 美月、答えてみろ」
- 教師は振り返り、たまたま目が合った真子を名指しした。
- 「えっ? ええ、と……そのぉー……」
- 助けを求めるように視線を泳がせる真子。だが誰も、助け船を出してはくれない。
- 「だ、代理……?」
- どっ、と教室に笑いが起こった。
- 「ぷっ! なにそれ」
- 「ほんと、バカだよね~」
- 陰口を言ったのは、クラスにいる他の女子たち。教師は溜め息を一つつき、眉をひそめた。
- 「美月、ちゃんと授業を受けていれば、これぐらい分かるだろう」
- 「……ごめんなさい」
- 地味で目立たないクラスメイト。要領は悪く、成績も悪かった。そんな真子を見ていると、心のどこかがうずく。どう言えばいいのか分からない、この気持ち。それを抱えたまま、話すきっかけもないまま過ごしていた。
- 放課後になって、帰り支度をしていたときのこと。
- 「ねぇねぇ、週末どーする?」
- 「都内まで出よーよ! 駅チカ新しくなってるんだって!」
- クラスメイトの女子たちが同じ机を囲み、楽しそうに話している。
- 「あ、あのぉ……」
- 「?」
- 背後から声をかけられた女子の一人が振り返る。
- 「わたしも一緒にいっていいかなー?」
- 思い切ってそう尋ねたのは真子だった。女子たちは、互いに顔を見合わせる。
- 「あんたさー、そんなことしてる暇あんの?」
- 「えっ?」
- 真子は何を指摘されたのか分からない様子だった。
- 「今日だって怒られてたじゃん。もうすぐテストだよ?」
- 「う、うん……でも、わたしも買い物行きたいなって……」
- 「絶対ヤバいって! 家で勉強した方がいいよ」
- 露骨に迷惑そうな顔を見せてクラスメイトがそう言うと、真子が首を傾げた。
- 「え、えへ……そ、そーかなぁ」
- 早く目の前から去って欲しいと言わんばかりに、黙って真子を見つめる女子たち。
- 「分かったぁ。今度また、良かったら一緒に行こうねー……?」
- クラスの女子たちがカバンを手に取り、離れていく。
- 「はーい。また今度、そのうちね」
- 「赤点脱出したらの話だね」
- 「ちょっとー、そんなの無理だって!」
- そんな風に真子を小馬鹿にしながら、教室を出て行った。こんな光景を目の当たりにしたのは、そのときが初めてじゃない。女の子たちの輪に加わろうとしてはつまはじきにされ、そのたびに落ち込んだ顔をしていた。名残惜しそうにしながら、真子がカバンを持って教室から出ようとする。
- 「……ねぇ、美月さん」
- 気付いたら、声をかけていた。
- 「え……ふぇっ? ええと、河原木さん……何か、用?」
- 「あ、ごめん。ええと、別に大したことじゃないんだけど……よかったら、私と一緒に勉強しない?」
- ただの気まぐれだった、と思う。心の中にあるモヤモヤが、声をかけることで少しだけ晴れる気がした。
- 「でも……わたし、きっと迷惑かけちゃうから……」
- 「私も分からないところ、多いから。特に歴史はさっぱり。一緒に勉強すれば、もっと良く分かると思って」
- 「そ、そうかなぁ……? えへへ、それじゃあ……お願いしても、いーい?」
- うなずく。ようやく、真子は顔を上げて目を合わせてくれた。
- 「じゃあ私の家きなよ。一緒に頑張ろう?」
- 「うんっ! ありがとう、河原木さん……!」
- 嬉しそうに目を輝かせた真子と一緒に、帰宅したのだ。
- * * *
- 「ふぁーぁ……」
- 自宅に戻り、自室に真子を招き入れた。同じ机の上に教科書やノートを広げ、勉強している。勉強を始めてからまだ1時間も経っていない、のだが。
- 「さっきから、あくびばっかり」
- 「あ、ご、ごめんなさい……! せっかく教えてくれてるのに……」
- 言われて気付いたのか、弾かれたように反応する真子。
- 「いいよ、疲れてきたんでしょ?」
- 冷蔵庫の中に何かあるだろうと思いつき、立ち上がる。
- 「少し、休憩しよっか」
- 「よかったぁ……もう、頭がグラグラで限界だったのー」
- 「早いよ、まだ1時間も経ってないよ」
- 真子も冗談を言うんだ、と思い少し笑った。
- 「げげげ、そんなに勉強したの、はじめてかも……」
- 「……ほんとにいってるの?」
- どうやら冗談ではなかったらしい。
- 「えー、えー、なにか変?」
- 小動物のように首を傾げ、こちらを見上げてくる。そんな彼女を見ると、とても責める気にはなれなかった。
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- 「……ううん、いい。お茶とお菓子もってくるよ」
- 「わぁ、ありがとう河原木さん!」
- ぎゅっ、と脚に抱きついてくる真子。すりすり、と頬を寄せてくる。
- 「ちょ、ちょっと……くっつかないの」
- 私は一人っ子なので妹はいない。もしいたら、こんな感じだったのかな、と少し思った。部屋を出て、キッチンに向かう。
- 「ほんと……変な子」
- 冷蔵庫から適当にお茶と、お菓子を取り出し振る舞った。真子は目を輝かせ、遠慮なくそれを口に運ぶ。
- 「河原木さんって、陸上部なんだよね。みんなでランニングしてるの、見た」
- お菓子をつつく手を止め、真子が口を開いた。
- 「うん、そう。ほんと、いつも走ってばっかり」
- 「いいなあ、お友達がたくさんいて。わたしは全然だからー」
- 「部活やってたら、知り合いは自然と増えるから」
- 目に何か留まったようで、真子が立ち上がった。
- 「これって賞状? 1位とか、すごーい!」
- 部屋に飾ってあった額縁入りの賞状を見て、真子が目を輝かせた。
- 「たまたまだよ、そんなの」
- 謙遜で言ったのではない。本当に、たまたまだと思っているのだ。続けていくうちに走るのが速くなって、気付けば大会で1位になった。でも上には上がいるわけで、地元なら注目される程度のものでしかない。
- 「美月さんは何もしてないの?」
- 「なーんにも。えへへ……わたしは運動ぜんぜんダメで……頭も悪いし。ほんと、なんにも出来ないんだよね。あー。うん……わたし、なんにもないなぁ……」
- ばつが悪そうにはにかむ彼女の顔に、なぜか胸がチクリと痛む。
- 「そんなこと、ないよ」
- 気付いたら口から出ていた。
- 「だって、私だって……同じだし」
- 真子が首を傾げる。
- 「んん? どーして?」
- 「どうしてって、そのぅ……それは……まぁ、なんとなく」
- 確かに、何が同じなのだろう。上手く言い表せない。
- 「ぷっ! ふふ……変なのー。河原木さんって、面白いね」
- 「初めて言われた」
- 屈託ない笑みを見せられ、頬が熱くなる。
- 「ねぇねぇ、たまーにお話ししても、いい?」
- 真子は私の横にススッと寄ってきて、そう尋ねた。
- 「クラスメイトだし、当たり前」
- 「ほんとーう? わぁぁ、嬉しい……!」
- またも、ぎゅっと抱きついてくる真子。今度は身体に、満面の笑みで。
- 「だ……抱きつかないの。苦しいよ」
- 「えー、だって嬉しいもん」
- 柔らかいほっぺたを二の腕に擦こすりつけ、真子は抱きついたまま返す。
- 「あと、河原木さんって、慣れないからやめてよ」
- 「じゃあー、なんて呼べばいいのぉ?」
- 「ゆっきーでいいよ。陸上部の子、みんなそう言うし」
- 「じゃあわたしは真子って呼んで!」
- 「いいよ、分かった。みんなそう呼ぶの?」
- 軽く首を振ってみせる真子。
- 「わたし、友達いないからー。家族しか、そう呼ばないんだけど。だから河原木さんで二人目かなー、えへへぇ」
- 「そうなの? 二人目って……」
- 「家族のことはいいじゃない」
- 真子はそれ以上追求されたくないようだったので、私も聞かないようにした。
- それが、真子とちゃんと話した初めての日だった。それから、真子が言ったようにたまに話をするようになったのだ。部活が忙しかったから、いつも一緒ってわけじゃなかった。でも、真子といると、なんだかほっとしてる自分がいて。何回か、一緒に遊びにいったことも覚えている。たとえば、部活がない、ある日の放課後のこと。
- 「ねぇ、ゆっきー。今度さ……渋谷いってみない?」
- 帰り支度をしていると、真子が声をかけてきた。
- 「渋谷?」
- 「一人で行くといっぱい声かけられるらしいけど……ゆっきーとなら安心かなって」
- 「いいけど……うーん、でも……」
- 私が言い淀むと、真子は怪訝な顔をしてみせた。
- 「ゆっきー、なにかお悩み?」
- 「うん。その……何を着ていけばいいのかなって」
- 「なーんだ、そんなこと? 制服でいけばいいよ。みんなそうしてるし」
- にっこり笑って、手を握ってくる真子。もしかして私が他の女子たちと同じように、一緒に行きたくないって言うとでも思ったのだろうか。
- 「そういうもの?」
- 「うん。前にみんなといったときも、制服だったし。でもわたし、途中ではぐれちゃって。みんなすっごく楽しかったって言ってたけどーわたしは、悲しみだった……えへへぇ」
- わざと真子を置いていったのだろう。グループで行動していると、そんな風にする人は出てくる。
- 「行って見ようか? 今度の日曜なら空いてるし」
- 「ありがとう、ゆっきー! わー、楽しみー!」
- そうして、週末の日曜日。二人で渋谷まで行って遊んだ。特別に、語るようなことは何もない。プリ撮ったり、買い食いしたり、服を買ったりした。そんな些細な思い出が、いまはなんだか愛おしい。
- ときは過ぎ、卒業式の日。式が終わって二人、並んで写真を撮った。
- 「うぅ……ゆっきーと、同じ学校に行きたかったなー。だけどわたし、バカだから……全然ムリだったよ……」
- 「私だって、たまたま陸上の推薦で……」
- 同じ高校に行けたら良かったのに。何度もそう思った。考えても仕方のないことだけど、卒業式を迎えて改めて思う。
- 「ゆっきーは何でも出来ていいなあ……」
- 空を見上げて、ぽつりと真子がつぶやいた。
- 「そんなこと……」
- 「わたしは、なんにもないなあ。進学して、見つけられたら……いいな」
- 振り返って、寂しそうに笑った真子の顔をいまでも覚えている。
- 「うん……。きっと、見つかるよ」
- 本当にそうだといいなと、つぶやくように言った言葉が耳に残る。
- 「ねぇ、真子……」
- 「なぁに? ゆっきー」
- 「ま、また……メール、するから。だから……」
- 「うん、ありがと……。ゆっきー、ばいばい」
- そう言って真子と別れた。あれから3年近く。メールで連絡したのすら、1年以上も前だ。学校が別々になったことで、私たちは疎遠になってしまった。それなのに真子に連絡を取ってみようと思ったのは、特別な理由があったからではない。ただ、誰でも良かったのだろうと思う。自分が空っぽでないと証明できるなら、きっと何だって……。
- * * *
- 高校3年の1学期が終わってから数日経った、ある日のことだ。終業式の後、屋上からグラウンドを眺めていた。視線の先には、部活に精を出す生徒がいる。屋上のドアを開き、誰かがやってきた。
- 「うへぇー。やっぱ屋上は涼しいな」
- 現れたのは、野球部の生徒たちだった。屋上は風通しが良く、たしかに涼しい。それに何より、口うるさい監督もマネージャーもいない。
- 「クソ暑い日は、熱中症対策しとかないとな」
- 「またサボり?」
- 「うわ!? ビックリした! なんだよ河原木……い、いたのかよ」
- 「そんなんだから、ずっと2軍なんだよ」
- 痛いところを突かれたという風に、顔をしかめる野球部員。
- 「うるせぇな……陸上部のエースとは違うんだよ」
- 肩をすくめて、別の野球部員が笑う。
- 「そうそう。2軍には2軍のやり方があるってな」
- 「つーわけで、俺たちのことはほっといてくれ」
- 「心配しなくても、監督に告げ口なんてしないよ」
- 拍子抜けした様子で、顔を見合わせる野球部員たち。
- 「何だよ、今日は物分かりがいいな」
- 「続けてるだけ、偉いと思ってさ」
- 野球部員のユニフォームについた泥を見ながら、そう言った。たとえレギュラーになれなくても、それぞれ頑張っているんだって私は知っている。
- 「河原木だって陸上やってるじゃんか」
- 「辞めちゃったの」
- 「え……? 辞めたって、なんで」
- 座っていた野球部員の1人が立ち上がり、真顔になって尋ねてきた。私は彼の方へ向き合うことなく、出口のドアに向かって歩いていく。
- 「怪我しちゃったから。膝と、あと色々。だから、続けてるみんなは、それだけで偉いよ。監督には、黙っててあげるから。ここで休んでいけば?」
- 「お……おい、ちょっと待てよ」
- なにか言いたげな野球部員を置いて、階段へと足を向ける。逃げるようにして、勢いよく階段を駆け下りようとした。
- 「つぅっ……!」
- 階段の壁によりかかり、膝を手で押さえる。右膝が一瞬だけ軋みをあげて、脳天まで痛みが広がった。歯医者で神経を直接触られたときのような、耐えがたい痛み。
- 「やっぱ、響くなぁ……」
- 顔を上げ、ゆっくり階段を下りる。もう走れない。そう。前と同じようには、決して──。
- 高校に入学してからも陸上競技を続けていた私は、それなりの結果を出していた。だから中学のときと同じように、大学も推薦で受験できるかもしれない。私だけではなく、両親もそう思っていた。
- 「競技を続けることは難しいと思って下さい」
- 医者は、私と両親を前にそう言った。何のためらいもなく、淡々と状況を説明していく。言葉は意味を持たず、耳に入ることなく通り過ぎた。もう走れない。それだけが、私にとって確かなことだった。
- 選手生命を絶たれ、推薦枠入試の可能性も消えた。当然、大学へ行くとすれば勉強するしかない。頼んでもいないのに両親は参考書を買ってきて、予備校の夏期講習を予約した。仕方のないことなのだ。これがきっと、正しい道なのだと思う。誰かにいつの間にか吹き込まれた常識に従い、私は勉強を始めた。けれど、その生活は余りに空虚で──。
- 「真子……」
- 自室のコルクボードに貼られていた、写真の数々。その殆どは陸上の部活中に撮ったもの。しかし、たった1枚そうではないものがあって、それが目に留まった。中学の卒業式、その後に真子と二人で撮った写真。そこには、校門の前で微笑む私と真子の姿が写っている。
- 「真子、どうしてるかな……」
- 何となく。何となく、真子と話がしたい。メールしようとスマホを手に取り、そこで思った。1年以上メールしてないのに、いまさら何の用って、そう思われないかな。何気ない文章を選び、迷った挙げ句、送信ボタンを押した。
- 「えっ?」
- メールを送信した直後、メールの着信音が鳴った。
- 「まさか真子から? そんな偶然って……あ。送信エラー? ああ、そっか……真子、メアド変えたんだ……ずっと連絡取ってなかったし、仕方がないか」
- これで真子と連絡を取る手段はなくなってしまった。
- 翌日。気だるい夏期講習を終えて、そのまま家に帰るのも億劫おっくうで、気付けばとある学校の前に来ていた。
- 「ここで合ってる……よね?」
- それは真子が進学したはずの高校。校門の前まで来て、考えている。真子に会ってどうするのか、なんて。
- 「あっれぇー? もしかして、ゆっきーじゃない?」
- 後ろから名前を呼ばれ、振り返る。
- 「え……あっ! 同じクラスの……」
- それは中学3年のとき、同じクラスメイトだった女子生徒だ。彼女もまた、中学時代は陸上部だった。
- 「うっそ、マジ久しぶりじゃん! 陸上で活躍してるの知ってるよ」
- 「あ、うん。ありがと……」
- 彼女は知らないのだ。私が陸上をやめたことなど。
- 「ところで、どうして来たの? こっちに陸上の仲間とかいたっけ?」
- 「あ、ううん。陸上とは全然関係なくて、美月さん……覚えてる? ここに進学したって聞いてるけど……」
- 「え? あー……あの子ね。確かにいたけど……」
- さっそく本題を切り出すと、女子生徒は少し驚いた表情をした。
- 「もう辞めちゃったよ」
- 「えっ……辞めるって、退学?」
- 高校を退学するという選択肢が頭の中になかった私は、何のことかすぐに分からなかった。
- 「そうなんだ……でも、どうして?」
- 「んー、ちょっと分かんない。いきなり辞めたって感じ? そもそも、辞める前から、ほとんど学校来てなかったっぽいし」
- まるで関心がなさそうに彼女は言葉を続ける。
- 「……連絡、つけられないかな」
- 「あんまり友達いない感じだったし……たぶん、誰も知らないんじゃないかな」
- 「そう、なんだ」
- 「うーん……どうしてもっていうなら、RIMEのなうでも探すっきゃないんじゃない? 目立たない子ほど、ああいうのマメに書くじゃん? 運が良ければ、見つかるかも」
- 「そっか。ありがと、帰ったら探してみる」
- 「それじゃあ、そっちの高校に行ったみんなにもよろしく言っといてね」
- 「うん、それじゃあ」
- 自宅に戻り、部屋のドアを閉めた。真子は学校を辞めていた。それって、大変なことじゃないんだろうか。何か事情があったのかもしれないけど、誰も事情は知らないっぽい。一体、真子はいまどこにいるんだろう。メアドどころか、行方すら分からなくなってしまった。
- 「思ってたより、ショックかも……」
- コルクボードに貼られた写真を見つめ、つぶやいた。視線を落とす。ついこの前まで忘れてたくせに、と。気になる。どうして真子は学校を辞めたんだろう。胸がざわつく。何ごともなければいいと思う。
- 「あ、そういえば……」
- 校門前で女子生徒に言われたことを思い出した。RIMEならユーザーも多いし、真子も使っているかもしれない。手がかりが見つかるかも、そう思うといてもたってもいられなくなった。
- 「他に方法もないし……」
- やるだけやってみよう、そう思いアプリのアイコンをタッチする。なう検索まで来て、ふと気付いた。何で探せばいいのだろうと。美月真子、試しに本名で検索してみる。
- 「……ダメ、本名じゃ見つからない」
- それならと思い、次にカタカナでマコ。さらにアルファベットでMAKOと、とにかく思いつくものをかたっぱしから試していく。
- 「はぁ……多すぎて、誰が誰か分かんない」
- どうやら、もっと条件を絞らないといけないみたいだ。私はお世辞にも、RIMEを使いこなしているとは言い難い。
- 「あっ、出身校なんて欄があるんだ」
- それならと思い、藤中の名前を入れてみる。そして年齢、住んでいた場所。
- 「……」
- 不思議なもので、見つからないと見つけたくなる。メールするかどうか迷っていたくらいなのに、いまは必死に検索しているなんて不思議だ。
- 「……! これって……」
- とあるアイコンに目が留まった。カメラに向かってピースしている女の子。指で顔は殆ど隠れてるけど、目を見て分かった。真子だ。
- 「えっと、プロフィール欄……学校は、辞めた……渋谷に住んでる? アルバイトでもしてるのかな……彼氏がいて、いまは喧嘩中……か」
- 心配して損した。文面を読む限り、元気じゃない。
- 「……真子」
- 中学の卒業式。真子は言った。見つかるかな、と。高校へ進学し、彼女は何か見つけられたのだろうか。アイコンをタップし、少し迷う。私がメッセージ送ったら、びっくりするんじゃないかなと。でもプロフィール欄には彼氏とケンカして凹んでる、慰めて欲しいと書いてある。偶然だけど、丁度いいかもと思う。何より、せっかく見つけたのだから。
- 「……よし」
- 少し緊張しながら、思い切ってメッセージを送ってみた。今度はメールを送ったときのように、送信エラーになることもなく。
- 「私って分かるように書いたつもりだけど……」
- もし分かったとしても、真子は困るかもしれない。もう私のことを忘れていたら、いまさら連絡するのは面倒だと思うだろう。が、しかし──。
- 「え、あっ! 電話? ちょっと待って……」
- いきなり着信音が鳴り響いて、慌てて画面にタッチした。
- 「も、もしもし……?」
- 『やっほー! ゆっきー、お元気ー?』
- 「真子……!」
- ケータイ越しに聞こえる真子の声は、前と何ら変わっていなかった。
- 『そうでーす、真子だよー! えーと、どしたの、急に……?』
- 「えっと、メアド変わったみたいだったから……RIMEでしか、連絡つかなくて」
- 『うそうそー! マジで? ゆっきーに教えてなかった……っけ?』
- 「うん、前のに送ったら返ってきたから」
- 真子は予想もしていなかったようで、すっとんきょうな声を上げている。
- 『えええー、ごめんなさい! うぅ、機種変のときにミスったんだと思う……』
- 「気にしないで。連絡してなかった私が悪いよ」
- 『そんな、ゆっきーが謝ることないよ! あー、わたしまじひどい子……』
- 電話の向こうで落ち込んでいる真子を容易に想像できて、自然と笑みがこぼれた。
- 「でも……真子、元気みたいで、ちょっと安心した」
- 『うーん、まーまーかな? ゆっきーも前と変わりなーい?』
- 「最近は少し……変わったかな。色々あって、前より暇になったんだ」
- 『えーっ、本当!? だったら遊ぼうよー!』
- 変わらない真子の調子に、中学時代を思い出す。気付けば彼女は、私の中に踏み込んでくる。それは決して嫌な感触ではなく、むしろ心地いい。
- 『すっごく久しぶりだしー、わたし、ゆっきーに会いたい!』
- 「私も……真子に会いたいな」
- 『もちもち! じゃあじゃあ、えっとねー、渋谷で会おうよ』
- 「渋谷? うん、いいけど……」
- 考えていると、電話の向こうで不思議そうな顔をしている真子の顔が浮かんできた。
- 『もしかして、渋谷だと遠いー?』
- 「大丈夫。ええ、と……なに着ていこうかと思って」
- 『えへへっ、そんなの制服でいいじゃん』
- 「そっか……うん、そうだよね」
- 真子と話していると、昔の自分に戻ったような気がした。他愛ない会話をとりとめもなくするだけ。それが楽しくて。いまになってようやく、それがかけがえのないものだったと分かった。
- 『それじゃあねー、いつにする? いまから?』
- 「いまからだと夜中になっちゃうよ。それじゃ……明日はどう?」
- 『いいよー、おっけーおっけー』
- 再会の約束に、心が弾む。そして──翌日。
- 「うわ……人、多いな」
- 渋谷はいつ来たって人が多い。久しぶりに来たけど、落ち着かないな。制服って、なんだか目立つし。
- 「ねぇねぇ彼女、いま1人?」
- 「ごめんなさい、待ち合わせですから」
- キャッチセールスにつかまり、慌ててその場を離れる。もうこれで3回目。ちょっと早すぎたかも。
- 「ん……?」
- 溜め息をつきながら辺りを見回すと、交差点の向こうにいる男女に目が留まった。
- 「あれ、真子……?」
- 気付くまで、少し時間がかかった。中学時代の真子とは、見た目が変わっていたからだ。
- 真子の隣に、普通のサラリーマンっぽい人が立っていた。あれがRIMEなうで言ってた彼氏なのかもしれない。見た感じ、歳が離れていそうだ。そういうことも、あるのかもしれない。少し話をしてから、男性は軽く手を振って別れていった。
- 「真子……!」
- 「えっ……わ、わーっ! ゆっきー! えーっ、もう来てたんだ? はやーい! お待たせしてごめんねー!」
- 「わ、ちょっと……!」
- 「お久しぶりー!」
- 一目散にこちらにやってきて、真子はぎゅっ、と抱きついてきた。甘い香水の匂いが鼻をくすぐる。
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- 「えへへ……ぎゅーっ……」
- 「ちょっと……苦しいし、恥ずかしいから……」
- 「もうちょっと充電させてよ。んーっ!」
- ぐりぐりと胸元に、ほっぺたを寄せてくる。女の子らしい、柔らかな感触を覚えた。
- 「えへへぇ……会えて嬉しいよ。ありがとう、ゆっきー!」
- やがて顔を上げると、真子は笑顔を見せてそう言った。
- 「そんな……私こそありがと。本当……久しぶり、だね」
- 内心、驚いていた。中学時代の真子はどこにでもいる地味な女の子で、髪の毛だって黒かった。それなのに髪も染め、いまではすっかり垢抜けている。
- 「ほんと久しぶりだね~! ゆっきー、変わってないね。日焼けしてるのもいっしょ。あ、そっか。陸上部だったもんね」
- 「そ、そうだね。真子は……変わったね」
- 「えー、そーかなー? なんにも変わんないよー?」
- 「何ていうか……中学のときからすると、大人っぽくなったかなって」
- 「えへへぇ、昔はまじ芋かったよね……」
- 「違うよ、そういう意味じゃないって」
- 「いーよいーよ、ほんとのことだから。あの頃はまじモテなかったなぁ……」
- 「そういえば、さ。さっき男の人と手繋いでたけど、彼氏?」
- 「え? あー……やっぱり見てた?」
- 視線を泳がせる真子。彼女にしては珍しく、言葉を選んでいる風だ。
- 「彼氏じゃなくてー、ええと……なんていうかー、そのー。知り合いだけど、あんま知らない人? えへへぇ……。まー、いいじゃない。それよりも、今日は楽しも? ほら、手をつないで……仲良し」
- 手を握ってくる真子、その柔らかい感触に戸惑う。彼女はいつだって、私が作っている心の壁をすり抜けてくるのだ。
- 「ちょっと恥ずかしいよ」
- 「いいじゃん、だってデートだもん。ね、ね、お買い物付き合ってよ」
- ちっとも変わってない。私の知ってる真子だ。それが嬉しくて、安心した。
- 「……はいはい、付き合ったげる」
- 「やったぁー」
- 前と同じだ。真子に連れ回されて、行ったことのないお店に入って。目的があるようで、まるでない。気付くと何時間も経っていた。
- 「真子、買い物はもういいの?」
- 「うん、大したものじゃないから。付き合ってくれてありがとうねー」
- 「ううん。普段はああいうお店入らないし、楽しかった」
- 二人で並んで歩く。知らない誰かが見たら、どう見えるだろう。やっぱり友達に見えるのかな。それとも、姉妹かな。
- 「さっきの服さ、ゆっきーにも似合うと思うな。スタイルいいし、まじ可愛いし」
- 「私には無理だよ。色だって黒いし……可愛くないって」
- 日焼けした肌に目を落として返す。
- 「そんなことないって。あっ! ゆっきー、ここ、ここだよ! 今日も行列だけど……」 角を曲がったところに、行列の出来たスイーツ店があった。どうやら真子が行きたいと言っていた場所らしい。
- 「時間はあるから、並ぼう?」
- 「同じだね、わたしもちょー暇。並ぼう、並ぼう。なに頼もうかなー。シナモンはくしゃみ出るからパスだなぁ……」
- 「私は、チョコバナナかな」
- 「おいしそー! でも、これカロリーすごそー……」
- 「代謝はいい方だから」
- 「そっかー、ゆっきー、毎日走ってるもんね」
- 「あ、その……」
- 「どしたの?」
- 「やめちゃったんだ、陸上」
- 「えーっ、まじまじ? なんでー!?」
- 「んー、色々あって。ちょっと出来なくなったんだ」
- 「あんなに、頑張ってたのにー」
- 「こんなに真っ黒になるまで、ね。バカみたいに走ってた。でも、もういいんだ。足も壊れちゃったし。なんにもなくなっちゃったなぁーって……」
- 自嘲の笑みを浮かべて、視線を外す。
- 「……」
- メニュー表を見つめたまま、二人とも黙ってしまった。
- 「………そっかぁ、悲しいね」
- 「落ち込んでいるわけじゃ、ないけどさ」
- 「分かった! じゃあ今日は、わたしの奢り!」
- 「ええ? でも……」
- 「だいじょーぶ、お金はあるから」
- それから店内に通されて、二人で他愛ない会話をして。お店を出るとき、真子は言葉通りお金を払ってくれた。
- 「ねえ、真子……やっぱり、悪いよ。自分のは自分で払うよ」
- 「いいのいいの! あのくらいなら、全然へーき」
- 「でも……結構高かったよね?」
- 「大丈夫だよー、わたし学校辞めたのは知ってるでしょ?」
- 「それは……知ってるけど」
- 「ちゃんとバイトしてるんだよ? ね、偉いでしょー! がんばって稼いだお金だから、ゆっきーに奢ってあげたくてー。中学のときからお世話になってるからー、お礼させてほしいなって。だから、受け取ってよ。わたしからの、お願い」
- 「ん……うん。それじゃ、今日だけは甘えておくね」
- 「えへへぇ、そうしてそうしてー!」
- 「……なんて言うか、ありがと」
- 「どーいたしまして」
- 「今度は、私がごちそうするね」
- 「そんなの、気にしなくていいのに。学生のうちは、甘えるものだよ?」
- 「……そう、なのかな」
- 同い年の友達に言われると、不思議な気持ちだ。
- 「あのさ……渋谷で、どんなお仕事してるの?」
- 「えっ? ああー、お仕事ねー。うーんと……なんていうかー。接客業? みたいな?」
- 「忙しいの?」
- 「そんなことないよー。あー、でも、待ち時間が多いかな……。1人でぼーっとしてて、孤独だなあって……。だからー、今日はゆっきーといれて、ほんとに楽しいよー。まるで昔に戻ったみたいだなーって!」
- 真子も同じように感じてたんだ。
- 「そうだね、昔みたい……だね」
- 「ねぇ、ゆっきー? わたしと、これからも遊んでくれる?」
- 「うん、もちろんだよ。もっと一緒にいたいな」
- 「わたしもー! じゃあじゃあ、今日は夜遊びしちゃお?」
- 「でも……あんまり遅いのは……」
- 「クラブ、行こうよ」
- 「えっ……クラブ? だけど、行ったことないし……」
- 「すっごく楽しいよ!」
- 「でも、制服で行ったら……マズくないかな?」
- 「へーきへーき! わたしだって制服だよー。なんちゃって、だけど」
- クラブに向かう途中、真子が空を見上げた。
- 「ゆっきーと、ずっと一緒に……いたいなぁ」
- 「……」
- 真子のどこか寂しそうな横顔を見て、何と声をかけていいのか分からなくなる。
- 「あ、でもでも、もしかして……お家の人、厳しい?」
- 「うん……多少は、ね……」
- でも、と思う。私だって真子と一緒にいたいのだ。だから──。
- 「いいよ、遊ぼう?」
- 「わー! いいの!?」
- 「うん。私もさ、ちょっと遊びたい気分だから」
- 「ふまじめゆっきーだ! 新鮮ー! じゃあじゃあ、えーっと、一番楽しいところに連れていかなくちゃ」
- 真子がスマホを取り出そうとすると、スマホのバイブ音が聞こえてきた。
- 「うげ……彼氏からだ、どーしよ……」
- 「えっ? じゃあ、出た方がいいんじゃ?」
- 「それは、そうなんだけど……タイミング悪ぅ……」
- 明らかに乗り気ではない様子で、しぶしぶ真子は電話に出ている。
- 「はーい、真子だよー」
- 私に背を向けたまま、真子が話す。先ほどまでの楽しそうな声とはうって変わって、すぐに不機嫌だと分かる声色だ。
- 「え、そんなの……いいじゃん、友達と遊んでるだけだよー。……場所? うん、渋谷……道玄坂のあたり……えーっ? いいよいいよっ、来なくていいしっ……あっ!」
- どうやら電話は切れてしまったらしく、真子は溜め息をついている。
- 「……どうかしたの?」
- 「ええと……その、ごめんねゆっきー。いまから来るって……」
- 「そ、そうなんだ。せっかくだから挨拶しようかな」
- 「……やめといた方がいいよ」
- 明らかな拒否の色合いを含んだ声に、嫌な予感がした。何だか変だ。彼氏なのに、全然嬉しそうじゃないなんて。あ、ケンカしてるってRIMEに書いてたから、それかな。
- 「わっ、なに?」
- いきなり近くでクラクションが鳴ったので、驚いて音のした方向を見た。明らかに高級車らしい車が一台、こちらに向かって近付いてくる。
- 「うるさいなぁ……」
- 真子は車の方を見ようともせず、うんざりした様子でつぶやいた。と、車が停まり中から見慣れない男が出てくる。白いスーツに身を包んだ年上の男だ。
- 「おっす、パコ」
- 「レイドくん……」
- もしかしてこの人が真子の彼氏なのだろうか、そう思う。
- 「今日さ、龍偉さんのバースデーなんだわ。一緒に行こうぜ? どうせ来るつもりだったんだろ?」
- 「そ、そんなの知らないよー、聞いてないし……! それに……いま友達と遊んでるから行けないよー」
- 「は? なんだよ、それ。すげー盛り上がるから楽しいぞ?」
- 「だから、ムリだって言ってるでしょー?」
- 「……あん?」
- あからさまに怪訝そうな顔をして、男は真子に詰め寄る。
- 「……それに、パーティすごくお金かかるじゃん」
- 「金ならあるだろ?」
- 「ないよ、ないないっ……ぜーんぜんない……」
- 「嘘つくんじゃねよ。今日だってよ……」
- どんどん壁際に追い詰められていく真子、それが見ていられなくて追いすがる。
- 「ちょ、ちょっと」
- 男が振り返って、視線を寄越す。
- 「真子……今日は、私と一緒に遊ぶ約束、してるから。だから……ごめんなさい」
- 「……キミ、誰?」
- 頭のてっぺんからつま先まで品定めするような目で私を見ながら、レイドと呼ばれた男は言った。
- 「私、真子の友達……中学の同級生」
- 「ふぅーん。はっ、パコに友達ねぇ……友達なんかいたのかよ? ま、とにかく……名前は?」
- 「……悠希」
- 「悠希、な。可愛いじゃねーか。俺、こういうものだから」
- 値踏みするような目でねめつけた後、レイドはすっと一枚の名刺を差し出した。
- 「クラブ【サイオン】……?」
- 「俺、ホストやってんの」
- 見た目通りだった。真子がレイドと私の間に割って入る。
- 「ちょっと、営業やめなよ。この子、まだ学校行ってるんだから」
- 「そんなの、関係ねぇーよ。今日、なんならその子も連れてこいよ」
- 「…………」
- 視線を外したまま押し黙る真子。顔に嫌だ、と書いてある。
- 「なんだよ、その顔」
- 「あーもー、分かったよ、分かったってば……」
- 「心配すんな、来れば絶対楽しいからさ。後悔させねぇよ。んじゃ、俺先に行くわ。キミも、よろしくな」
- 言いたいことを言って、そのまま車に乗り込むと去っていった。
- 「ゆっきー、名刺捨てちゃっていいよ」
- 「真子の彼氏って……ホストなの?」
- 「うん、そうなんだけどー、ちょっとオラオラ間違っててさー」
- 大きな溜め息をつきながら、真子はレイドの去って行った方を見ている。
- 「だからいつまで経っても、ナンバー2止まりなんだよ」
- 「……お店に来てって言ってたけど、どうするの?」
- 「んー、そうだね……行かないと、殴るしなぁ……」
- 「え? 殴るって、それって……」
- 何かの聞き間違いかと思った。
- 「その……他にも色々ねー、あるから。お金のこととか……さ。ごめんね、ゆっきー。今日はもう遊べないや」
- 「私は、いいんだけど……でもさ、真子は、いいの?」
- 口に出してから、思った。私に何か出来るというのだろうか。
- 「……駅まで、送るね」
- 渋谷駅の前、改札の近くまで来て立ち止まった。
- 「……真子、ここでいいよ」
- 「うん。今日はありがと。ゆっきー、ばいばい……」
- 真子がムリして笑っているのが分かる。
- 「……真子……」
- 「んー?」
- 「……なんだろ、卒業式のこと、思い出した」
- 「えへへぇ……わたしも、同じ。こうやって、さよならしたよね。あのときは、寂しかったなぁ……」
- すっかり暗くなった空を見上げる真子。
- 「楽しかったなー、あの頃」
- 「うん……私もそうだよ」
- 「ねぇ、ゆっきー。藤中のときに戻りたいね……? あの頃は、なんにもなかったけど……でも、わたしが欲しかったのは……こういうのじゃなかったんだけどな……」
- 精一杯笑おうとしている真子、その表情に胸が痛い。真子がゆっくり遠ざかっていく。その背中に向かって、何と言えば良いか分からず、ただ言葉を絞り出す。
- 「真子……」
- 「ゆっきー……」
- やがて信号が変わり、真子の姿は瞬く間に渋谷の雑踏にかき消されていく。
- 「助けてよ…」
- かすれるような声が、耳に届いた。確かにそう聞こえたような、そんな気がしたのだ。
- 埼京線までの長いコンコースを歩きながら、思う。あの声は、何だったのだろう。私は駅の改札を通り、構内に入った。ホームに上がり、電車を待つ。その間、ずっと同じことを考えていた。真子を放っておいていいのかな。何か力になれないだろうか。と、電車がホームに滑り込んできた。
- 「真子……?」
- 向かい側のホームに、真子が立っていたような気がした。電車を見送り、確かめる。
- 「……あ、見間違い……」
- 少し似ているだけの、全くの別人だった。
- 「このままじゃ……いけない」
- でも、私に何が出来るっていうんだろう。ホームに立ったまま、考える。答えは出ない。椅子に座り、足元に視線を落として考える。何本もの電車が通り過ぎていった。
- 「何とかしなくちゃ……」
- 何が出来るか分からないけど、何もしないままではいられない。スマホを取り出し、RIMEで真子にメッセージする。そしてレイドから貰った名刺を頼りに、ホストクラブ【サイオン】へ向かったのだった。
- あらためてホストクラブ『サイオン』の看板を前にすると、どうしていいのか分からず戸惑っている。私、なにやってんだろ。でも、放っておけないよね。様子見に行くって、RIMEしちゃったし。どうすればいいんだろう、どうすれば。まさか、中に入っていくわけにもいかないし。
- 「ひゃぅんっ!?」
- 聞き覚えのある声がして、弾かれたように顔を上げた。
- 「いまの声、真子?」
- 「パコ、てめー。俺に恥かかすんじゃねーよ」
- 「そ、そんなんじゃないよ……ほんとーに、もう、お金ないんだよ……」
- おぼつかない足取りで、真子がビルから現れた。
- 「嘘つくな。昨日もウリやってたんだろ?」
- 「だって、何十万も払ってくれるわけじゃーないし……」
- 「ひとりだけならな。でも、そうじゃねーだろ?」
- 「じ、10回も20回も、やれっていうの……?」
- 「てめー! 俺が無理矢理やらせてるみてぇに言うんじゃねーよ!」
- 我が目を疑った。レイドが、真子の髪を思い切り掴みあげたからだ。
- 「痛い痛い痛いっ……!」
- 「あ? マジでキレんぞ。分かってんのか、オイ!」
- 「ごめんなさい、ごめんなさい。許して下さい……繋がってるお客さん、何人かいるから。すぐ、メールしてみる、から……」
- 「ちょ……ちょっと」
- 気付くと声が出ていた。
- 「や、やめなよ」
- 「……あぁん? 誰だテメー」
- こっちも向かずにレイドがすごむ。
- 「こ、怖がってる……でしょ」
- 「あ? お前、確かさっきの……」
- 「ゆっきー……どうして……」
- 真子のすがるような目を見て、くっ、と息を吸い込んだ。
- [image file=../image/i047.jpg]
- 「それ以上ひどいことすると、警察呼ぶから」
- 「……チッ。パコ、分かってんだろうな。間に合わせろよ?」
- 真子が目を伏せ、分かってると答えた。レイドはようやく真子から手を離し、そのまま店へと戻っていった。
- 「ゆっきー、どうして……来ちゃったの……?」
- 「真子のこと、気になって……心配で、放っておけなかったの」
- 疲弊した様子で言葉を絞り出す真子に手を伸ばす。彼女は手を取り、ゆっくり立ち上がる。その目の端に涙が浮かんでいるのが見えた。よく見たら、真子の顔色が悪い。それに息がお酒臭い。大丈夫かと尋ねると、気持ち悪いと言って倒れそうになる真子。肩を抱き寄せるようにして支える。
- 「ねえ、どこかで休もう?」
- 「あはは……でも、お金ないよ。わたし、いちもんなーし……」
- 二人で休むくらいなら何とかなる。足取りもおぼつかない真子を連れて、渋谷駅へ向かう。とにかく、クラブから離れなくてはと思った。駅へ向かう途中でネットカフェの看板が目に入る。そこに入り、カップルシートでようやく腰を落ち着けた。
- 「……ごめん。こんなとこしか、思いつかなかった」
- 「んー、全然平気……楽ちんだよー」
- ビニール生地の大きなソファを真子に譲り、そこに寝かせる。具合は大丈夫かと聞くと、少し楽になったと言って真子が微笑んだ。わずかに酔いは覚めてきたようだ。
- 「わたしねー、学校で……いじめられてたんだー」
- 「……えっ?」
- 唐突に始まった打ち明け話。どうやら中学を卒業してから、真子は大変だったらしい。高校へ進学するも、友達は出来ず勉強にもついていけなかったという。学校では所在ない毎日で、次第に行くのが億劫になり、不登校になった。すると家にもいられなくなり、付き合っている人の家に転がり込んだのだという。しかしその人とは別れてからは帰るところもなくなり、泊めてくれる人を探した。それが援助交際の始まり。それを生業なりわいにして、真子は生活している。信じられない気持ちだった。テレビなんかで、帰る場所がない子供たち、みたいな特集はときどきある。それを見ても、どこか遠くの関係ない人の話なのだと思っていた。友達がそうなっていたなんて、夢にも思わなくて──。
- 「……普通のバイト、すればいいのに……」
- 真子は弱々しく首を振った。住所不定無職。ニュースでよく聞くフレーズの、そんな人はまともな職に就けないのだという。自嘲気味に真子が笑い、バカだから普通の仕事は出来ないのだと付け加えた。一緒にいた私だから分かる。そんなことはないと、無責任に否定することは出来ない。周りが当たり前のようにやっていることが出来ない人だっているのだ。そこからこぼれてしまって、どこにもひっかからず、落ちるところまで落ちてしまったら、取り返しがつかない。目の前にいる真子を見て、つくづくそう思う。私は愚かだ。友達が苦しんでいるのに気付いてあげることも出来なかった。
- 「ダメだよ、ゆっきー。かわいーのに、ほら……眉間にしわ、よってる。わたしなら……うん、だいじょーぶ。たまに、レイドくんとこにも泊めて貰えるし……」
- そうだ。そこも気になっていた。真子にひどいことをした、あの男。
- 「……あいつ、本当に彼氏なの?」
- 「うーん、実際のところは、どうなんだろ……? キャッチで声かけられて、一緒にお店にいって……それから、口説かれちゃって……えんこー相手はおじさんばっかりだけど、レイドくんはカッコいいからー」
- 真子とレイドの間に愛情があるかどうかは、分からない。ただ、真子がいいように使われてお金を搾り取られているとしたら、それはまともな彼氏彼女の関係ではないと思う。
- 「お金を払わなくちゃ、いけないんでしょ?」
- 「んー、お店行くと、ばんばん飲まされてぇ……知らない間にね、すごーく高くなっちゃうんだー、えへへ……」
- 確信した。真子はレイドに食い物にされているのだ。真子の顔を覗き込み、真っ直ぐ目を見つめて別れた方がいいと言った。実際、暴力を振るわれている現場を目の当たりにして放っておけるはずもない。そんなのまともな関係と言えるだろうか。
- 「別れ……? ムリだよー、レイドくんに売り掛けまだ残してるし……」
- 「売り掛け?」
- そんな言葉、初めて聞いた。
- 「借金……いままで飲んだ分の……もう、分かんないくらい、あるんだー。レイドくんは、月に30万払えばいいって言ってくれてるけどー」
- 私は自分が息を吸い込む音を聞いた。目をくっ、と見開き真子に詰め寄る。
- 「そんな大金っ……! 絶対におかしいよ」
- 「今月あんまし稼いでなくてー、その上、また飲んじゃったからー。また売り掛け増えちゃった……あはは、わたしってほんとバカ……」
- おかしい。絶対におかしい。やるせない思いで胸が一杯になり、うつむいて自分の手を握った。
- 「……明日までに、10万用意しなくちゃ」
- 信じられない額。信じられない期限だ。そんなお金をどうやって稼ぐのかと真子に問いかけると、援交するしかないとあっさり返ってきた。
- 「ごめんゆっきー、ちょっとメールするね」
- 真子はもぞもぞと起き出し、慣れた手つきでスマホを弄いじり始めた。
- 「サポ希望、ホ別30K、ゴム有り……ん、これでいいかなー?」
- とても明日までに10万なんて用意できるとは思えない。それに、だ。もし用意できたとして、その次はどうなるんだろう。ただただ、レイドとかいう男にむしりとられていくだけじゃないのか。やはり、あの男と縁を切るしかない。そして、まともな仕事をするのだ。そう真子に説明すると、真子はうなずいて、どうやって明日までにお金を作るのかと尋ねてきた。彼女に悪意はない。分かっている。だからこそ、言葉に詰まった。そう。まともな仕事でそんな大金を用意できるなら、最初からやっていない。家には戻れないらしく、親にお金を借りる線はムリなのだという。八方ふさがりだ。と、真子のスマホが鳴った。
- 「……あっ! やった、返ってきたきたー」
- さっき出したメールの返事が返ってきたらしい。けど、真子の表情がスグに曇ってしまう。
- 「えー、まじでー……」
- 「何か、悪いこと?」
- 自虐の笑いを浮かべ、真子が首を振った。
- 「あはは、やっすい女だって、もうバレバレみたい……ほらゆっきー、見てみて? ひっどいと思わないー?」
- 見せられたスマホの画面には、意味の分からない言葉が並んでいた。
- 『パコ、たけーよ。今月厳しいから、15Kなら相手してやるよ』
- 「……? 15Kって、どういう意味?」
- 「Kは千円。だから15Kは15000円。いまのわたしの値段」
- 「……パコって、真子のこと……?」
- 「もち。わたし、ヤリマンだからさー……いつでもすぐにパコパコってハメられる、パコちゃん……なーんて……」
- 背筋が寒くなった。そんな呼び方、ひどい。真子はちょっと可愛いでしょ、と言って笑った。
- 「あー、去年ぐらいなら、30Kいけたんだけどなー……お客さんも飽きちゃうから、すぐ買い叩かれちゃうんだよねー。はぁ、これじゃ明日までに10万なんて絶対ムリ」
- 真子は何とも言えない表情で、すがるように別の男性にメールを出している。
- 「どうして、こんなことになっちゃったんだろ……」
- 虚ろな目でスマホの画面を見つめながら、ぽつんと真子がつぶやいた。どこで、どう間違ったのだろう。私にも分からない。何が真子を、私を追い詰めたのか。どうして私は走れなくなったの? あんなにいっぱい、一生懸命頑張って練習してきたのに。おかしいよ。何度考えても、答えはなかった。同じだ。どうして真子は、ここまで落ちてしまったのか。理由なんてないんだ。暗澹たる気持ちで胸が一杯になる。どうしたらいいの。どうすれば、抜け出せる。
- 「あ……メールだ」
- 真子が意外そうな顔で固まっているので、どうしたのかと聞いてみた。すると、3Pだったら50K出してもいいと返ってきたらしい。
- 「3P……って何?」
- 「……女の子二人で、えんこーするってこと……友達、連れてきてって……」
- 真子の瞳が、ちらりとこちらを見る。すがるような視線だ。
- 「ゆっきー、お願い」
- 「真子……」
- 一緒に援助交際する。真子と一緒に、知らない男に身体を売る。真子を救う為に、そうして欲しいと頼まれた。けど、口から出てきた言葉は──。
- 「……ごめん、そういうのムリ」
- * * *
- ──そして私は、ここにいる。ぐったりとうなだれたままの真子を目の前にして、何の決断も下せずにいるのだ。
- やがて具合が良くなったらしい真子がネットカフェを出ようと提案し、私たちはそこを後にした。渋谷駅に向かう途中、殆ど会話もなく。駅が見えてきた交差点で、真子が立ち止まった。
- 「ゆっきー、今日はありがとうね。あとは、わたしで何とかするから……」
- 「……本当に、大丈夫?」
- 大丈夫じゃない。分かっているのに聞く私も、薄情者だ。真子は目を腫らしたままのひどい顔で笑ってみせた。
- 「あはは、へーきへーき。ゆっきーのお陰だよー」
- と、真子が深刻そうな顔になった。胸がずきん、と痛む。
- 「あの、さ。ほんと、ごめんね……」
- 手を握って、その手を見つめるようにうつむいて話す真子。いつもは考えずに喋る真子が、言葉をひとつひとつ丁寧に選んでいるのが分かった。間違えないように、傷つけないように、たどたどしく口にしている。
- 「さっき言ったこと、なしにして……?」
- ぎゅっ、と自分の手を握る真子。
- 「わたし、ひどいことお願いしたよね。まじないよね」
- 真子の細い肩が震えている。
- 「さいてー……」
- ひどいのは私も同じだ。こんなになるまで、気付いてあげられなかった。それなのに友達だなんて言えるだろうか。
- 「え、えへへ……」
- 精一杯笑って、真子は顔を上げた。
- 「さよなら、ゆっきー」
- ぺこり、と頭を下げる真子。また、だ。真子が落ちていく。こうやって彼女は、どこにもひっかからず落ちていったのだ。行き着く場所はどこか分からない。
- 「ばいばい……」
- 力なく手を振って、笑顔のまま真子は雑踏の向こうへと歩いていく。
- 「……真子っ……!」
- 鼻の奥がつんとした。心がきしむ音がして、たまらず目を閉じる。まぶたの裏に映るのは、真子の顔、声。私に──私に助けを求める真子の声。
- 【わたしは、なんにもないなあ。進学して、見つけられたら……いいな】
- 【ねぇ、ゆっきー。藤中のときに戻りたいね……?】
- 【あの頃は、なんにもなかったけど……でも、わたしが欲しかったのは……こういうのじゃなかったんだけどな……】
- 【わたしのこと……助けてよ……】
- 気付けば顔を上げて、走り出していた。雑踏の中、消えていこうとする背中に追いすがり、その手を取る。
- 「ゆっきー……?」
- 真子の顔を見て、首を横に振った。
- 「1人にしたくない」
- 「あ、あぁ……あぅぅ……」
- 真子の身体を抱きしめると、震えているのが分かった。そこら辺の女の子と何ひとつ変わらない華奢な身体を。
- 「どう……して?」
- そう聞いて、真子はいまにも笑いだしそうな顔をした。
- 「私は、素通りしたくない。真子の隣を過ぎていった人たちみたいに、私は……だって、友達だもの」
- 「ゆっきー……やさしー……」
- くしゃっ、と真子の表情が崩れる。途端に溢れ出す大粒の涙が頬を伝い、私の頬にもかかっていく。
- 「嬉しいよぅ、ほんと……に……」
- [image file=../image/i058-059.jpg]
- 真子と私は、どこも変わらない。そうだ。ようやく分かった。あのとき、中学時代にどうして声をかけたのか。私たちはどこか似ているのだ。ただ空っぽだと気付いていたか、ただそれだけの違い。
- 真子を抱きしめながら、強く思う。これは私だ。私は、いつの間にかレールを外れた自分を見つけて欲しかった。そしてそれが、真子が、目の前に立っていた。誰かに手を差し伸べて欲しくて、声にならない悲鳴を上げているのに誰にも気付いて貰えない。そんな辛さを、私は知っているから──。
- 「行こう、真子」
- * * *
- 本当にラブホテルに来てしまった。真子から援交相手に連絡を取って貰い、約束を取り付けた。その相手とこれから援助交際するなんて言われても、全く実感がない。なにせ男の人と付き合ったこともないのだ。それを通り越して、いきなりセックスだなんて、想像も出来ない。ただひとつ確かなのは、真子を置いて自分だけ逃げるなんて出来ない、その気持ちだけ。緊張のため口の中はカラカラで、身体もガチガチに強ばっている。
- 「あ、もしもしー? ホテル入りましたー」
- 真子が援交相手からの電話を受けている。
- 「……うん、約束どおり。だけど今日はまじ特別だからね? はーい、待ってまーす」
- もうすぐ、相手の男の人が、来る。慣れた様子で電話をしている真子を、不安げに見つめることしか出来ない。
- 「ゆっきー、だいじょうぶ……?」
- 真子が気遣って声をかけてくれた。何とか笑顔を作って大丈夫だと返すも、きっとぎこちない笑いになっているだろう。
- 「だめだったら、我慢しないでね?」
- 「大丈夫だって。でも……私、こういうの初めてだから……。こういうふうにしたらいいとか……ある?」
- 「んー、どーだろ……? 言われたこと頑張ってればいい感じかな。あ、でも、今日の人はちょっと強引なとこあるから。ムリってなったら、甘えて誤魔化すのがいいかな」
- 男の人に甘える。具体的にどうしたらいいのか分からなくて戸惑う。
- 「あ、あと写メやたらと撮りたがるから、顔は隠してね」
- 顔を撮られるかもしれない。一気に怖くなった。と、ホテルのチャイムが鳴る。
- 「あっ、来たみたい」
- 真子が扉まで出迎えにいく。頭が真っ白になったままで、ただ黙ってその背中を見ていることしか出来ない。
- 「よーうパコ、久しぶり!」
- 見慣れない男が入ってきて、軽いノリで挨拶した。何もかも初めての体験で、面食らってしまう。こんなに当たり前のようにしてしまうものなんだ、なんて。
- 「やっほー、お久しぶりー。今日はありがとうー。いきなりでビックリしたでしょ?」
- 上機嫌で真子とハグする男。久々に3Pがしたかったとか何とか言っている。どういう意味だろう。私の方へ歩み寄ってきてこちらを見下ろす男。どうやら私のことを気に入ったらしく、可愛いとか言ってくれた。楽しそうに口の端を上げて笑っている男に笑顔で返そうとしたが、ダメだ。生理的に受け付けない。
- 「ふーん……マジモンの学生?」
- うなずいて、3年生だと答える。嘘をついてもしょうがない。ただ真子を助けたいという気持ちだけが私を支えている。
- 「もー、そんなにじろじろ見ないで。この子、初めてだから緊張してるの。優しく、してあげてね?」
- 「ああ、俺のチンコで優しく可愛がってやるよ。お前たちも、嬉しいだろ?」
- 既に膨らんでいる股間を撫でつけ、男は胸を張って言った。真子は男の股間を見つめながら、もじもじと身を揺すってみせる。恥ずかしいと顔を赤らめながら真子が言うと、男は真子に耳打ちした。やりたいんだろ、はっきり言えと。
- 「う……うん。オチンポで、可愛がって欲しいよぅ……」
- すっかり発情した顔で、甘えた声を漏らす真子。これは演技だろうか、それとも本気なのか。私には分からない。何しろ「オチンポ」なんて言い方すら、いま初めて聞いたのだ。しかもそんな言葉を、女の子が口にしているだなんて。何もかもが初めて尽くしで、ついていけない。まるで別の世界に迷い込んだようだ。
- 「パコのマンコに、ハメてやるからな」
- 「はぁーい……待ってまーす」
- 意味ありげに笑うと、少し身を引く真子。すると男は私の方を見て、舌なめずりした。
- 「そっちの子にもな、たっぷりくれてやるよ」
- 嫌です、という言葉が喉まで出かかった。もごもごと、ハッキリしない返答しか出来ない。
- 「この子は初めてだって言ってるでしょー? もっと優しくしてあげて」
- 「分かった、分かったよ。それじゃあ、まずは……写メを撮らせて貰おうかな?」
- 真子が男に詰め寄る。
- 「何度も言ってるけど、顔は絶対ダメだからね」
- 思い出作りだの何だのと言う男。全く信用できない。男がバッグの中からスマホを取りだしレンズを向けた。こんな場面を撮られてしまうと思うと、クラクラする。
- 「ほら、ベッドに座れよ」
- 言われるがままベッドに座るが、男は首を振る。これではパンツが見えないのだという。真子の横に並び、恥ずかしさを堪えて脚を開いていく。
- 「おい、顔隠すなって。そこまで撮ってねーからさ」
- 「えー、嘘っぽーい。ゆっきー気をつけなよー?」
- 必死に顔を覆い隠そうとする。シャッターを切られるのが分かった。
- 「ゆっきーって言うんだ。可愛いね?」
- 「あ、う、うん……ゆっきー、です……」
- カメラを構えたまま、男が下卑た笑いを漏らす。下着も似合っている、とか上機嫌で褒めてくれた。ちっとも嬉しくない。男がパンツを撮ろうとしているのが分かった。反射的に脚を閉じようとする。
- [image file=../image/i063.jpg]
- 「ほら、足を閉じるなって」
- 恥ずかしさの余り顔が熱くなって、うめき声が漏れてしまう。
- 「ゆっきー、もう少しだけ、サービス頑張ろ……?」
- 「わ、分かってる……から……」
- 真っ赤になった顔を手で覆いながら、必死で恥ずかしさを堪えていく。
- 「ゆっきーのおっぱい、何カップあるんだ?」
- 「……Dカップ」
- 「わたしはFだよー」
- すっかり慣れた様子で胸をはだけてみせる真子。ところが男はそっけなく返し、私の方をじろじろ見つめてくる。乳房、お腹、腰、無遠慮に視線を投げかけてくる男。生理的嫌悪感に身を震わせる。
- 「身体も締まってるなあ。日焼けあとも……いいじゃねえか。何か運動やってたのか?」
- 陸上をやっていたと答えると、男は興味津々で下着が透けるんじゃないのかと追及してくる。もちろん部活のときは地味なものをつけているから、そんな心配は要らない。すると今度は真子の方を見て、男は愉快そうに笑った。
- 「へぇ……なるほど。パコは相変わらずの黒だな」
- 「わたし、黒好きだもん。汚れも目立たないし」
- 男が喉を鳴らして笑う。真子はヤリマンだから、セックスのしすぎで下着を汚しているのだと言ってくる。友達を悪いように言われて良い気はしないが、言い返してもいいことはない。そして男は私もヤリマンなのか、前にセックスしたのはいつかと尋ねてきた。
- 「……そんなの、答えられないよ」
- 初めてだ、なんて恥ずかしくて言えない。やや萎えた様子で、男は私が真子と同じヤリマンだったらショックだとひとりごちた。そういうのではないと反論すると、男は処女なのかとからかってきた。顔が熱くなるのを感じながら反論すると、男が私の顔を覗き込む。
- 「ゆっきー、顔真っ赤だな。経験薄いのは、マジなんだ?」
- 男は興奮してきたと漏らし、舌なめずりする。私の脚を見つめて、口の端を吊り上げ愉しそうに笑う。
- 「えへへぇ……オチンポ、さっきからビンビンになってるー」
- 「ああ、痛いぐらい勃ってるよ。ほら、見せてやるよ」
- 男がジッパーを下げると、生のペニスが飛び出してきた。こんなに近くで、勃起したものを見たのは当然、初めてだ。思わず大きい、と感想をつぶやいてしまう。男は嬉しそうにペニスを見せつけて、もっとじっくり見ろと言った。うなずいて視線を向けると、俺のものを見た感想は、と尋ねてくる。真子に助け船を求め視線を送ると、彼女はただうなずいた。そのまま言えばいい、ということなのだろう。
- 「く……黒くて、その……逞しくって……ちょっと怖い……」
- たどたどしく感想を言っていくと、男のものが興奮して何度も跳ねた。
- 「もうぅ、ちょっとー興奮しすぎー。だらだら先走っちゃってるよー?」
- 「しょうがないだろ。この状況、マジ高ぶるぜ。ほら、オチンポ見つめながら、ピースしてくれよ」
- またやるのか、と不満を口にする真子。何度もそんなことを経験しているなんて、考えられない。私にも同じことをやるよう強要する男に、引きつった笑いでうなずく。
- 「もー、しょうがないなー。じゃあ、ゆっきー。顔は隠しながら、ぴーすってしよ?」
- 凶器を突きつけられたかのように、こわごわとポーズを取ってみせる。男は納得いかないようで、ペニスをしっかり見つめるようダメ出しした。分かってる、と返して黒く硬くそそり立ったものを見つめる。
- 「それじゃ、これからどうするんだ?」
- 「これから……このおっきなオチンポと、えんこーしまーす」
- 「ほら、ゆっきーも」
- 「大きな……お……お、オチンポと……援助交際……します」
- 「じゃあ、まずはフェラして貰おうか?」
- 「はぁーい……おっきなオチンポ、しゃぶりまーす……」
- [image file=../image/i067.jpg]
- 真子に視線で促され、真似をする。
- 「大きい、オチンポを……お口で、します……」
- 「もっとはっきり、言ってくれよ」
- 「な、舐めて……咥えて、感じさせます……」
- うつむきながらそう告白すると、またシャッターの音が聞こえてきた。こんな光景を撮りたがるなんて、と嫌悪感に身を震わせていると真子が男の方にすり寄っていく。真子が先に、男のペニスを咥えるらしい。お手本を見せてくれるつもりなのだろう。慣れた手つきで男のペニスを手に取り、ゴシゴシ擦っていく。
- 「あは……ガマン汁垂らして、待ちきれないって感じー。パコのお口でおしゃぶりして、気持ちよくしたげるね?」
- 「く、く……そんなにシコらなくたって、もう準備は出来てるからっ……」
- 「エッチなんだぁ……はむぅっ。ちゅるっ……ん、んんっ……んちゅぷぅっ……」
- 目の前で行われていることに、圧倒される。恋人でもない男のペニスを舐めたり、咥えたりするだなんて。ペニスを口に含み、舌で刺激しているようだ。どんな風に舌を動かしているのか、見ていても全く分からない。
- 「いいよ、さすがパコちゃん! そこ、気持ちいいっ……」
- 「んれろっ……ん、ふぅっ……よかったぁ……ぴくぴくってしてる……」
- 「ゆっきー、俺のチンコはいまどうなってる?」
- 「そ、それは……お、オチンポに……真子の舌が……絡んでて……。エッチな汁が……どんどん、溢れてきてる……」
- ただ目の前で起こっていることを口にすることしか出来ない。どうやらそれはガマン汁というらしく、男は初めて見たのかと訊いてきた。恥ずかしくて男の顔を見上げることも出来ず、ペニスを見つめながらうなずく。
- 「そのたどたどしい感じ、最高にクるなぁ……ゆっきもーほら、舐めてくれよ」
- ついにきた。見たり喋ったりするだけで終わるなんて、思ってなかったけど。いざそのときになると、緊張する。助け船を求めて目を泳がせると、真子が身体を触ってきた。一緒にしよう、と誘ってくれる。そうか、真子の真似をすればいいのだと思い直す。
- 「じゃあ……やってみるね……」
- 恐る恐る男のペニスに手を伸ばす。ペニスの先端からは変な匂いが漂ってきて、生理的な嫌悪感が増してくる。けれど、逃げるわけにはいかないのだ。
- 「は、はぁ……うぅぅっ、ん、んっ……! ちゅぅ……うぷっ、ちゅ、る……」
- 嗅いだことのないペニスの匂いにむせそうになりながら、ゆっくりと亀頭にキスをする。
- 「おぅっ……たどたどしいフェラじゃねーの。もっと吸い付いていいんだよ?」
- 言われるがまま、これでいいのだろうかと思い試してみる。真子がするときのように上手くは出来ていないし、淫靡な水音もしない。ただ嫌悪感に耐えながら、試すだけ。男に感想を求められ、熱くて硬いとだけ答えた。ペニスが跳ねたので、きっと正解なのだろう。
- 「いいよー、んん……ゆっきー。フェラ出来てるよー、はぁむっ……」
- 男はダブルフェラが良いだとか意味の分からないことを言って興奮している。それを聞いた真子が、早くないか、だとか笑って言う。まだちょっとしか舐めていないのだと。何が早いのか、さっぱり分からない。とにかくいまは、真子の真似をして舌を、口を動かすだけだ。男が満足して、真子にお金を渡すまで。
- 「まだまだ、我慢するから……くぅっ! 楽しまないとね……! ほら、ガマン汁舐めて?」
- 「んちゅるぅーっ……! んちゅ、じゅるぅっ……」
- ペニスの先端に吸い付き、いやらしい水音を立ててみせる真子。私にも同じようにやれと強いる男に嫌だとも言えず、恐る恐る亀頭に唇を近づけていく。生臭い。ネバネバしてる。この感想が頭を支配した。仕方なく、ガマン汁を舐め取っていく。
- 「一生懸命だなぁ、ゆっきー。じゃあ、もっと奥まで咥えて……」
- どうやら男は気をよくしたようで、真子ではなく私にやれと勧めてきた。真子がさっきやっていたのを思い出し、仕方なく口を大きく開く。そのまま亀頭を咥え込もうとする。亀頭を口の中に含み、舌を動かす。口の中から淫らな音が響き、これがフェラチオなのかと思った。と、いきなりペニスの方が動いた。舌の上を滑るようにして、亀頭が喉の方へと突き込まれる。抵抗しようと手をバタつかせ、深すぎると抗議するがムダだった。口の中いっぱいにペニスを入れられ、目を剥く。目を閉じ、鼻から息を吸い込み、懸命に咥え込む。
- 「おおおっ……狭くて最高っ……!」
- 男はそのまま腰を前後に振り乱し、何度も何度も喉へ亀頭を突き込んできた。そのたびにペニスに付いたガマン汁と私の唾液が触れ合い、淫靡な水音を立てる。窒息しないよう息継ぎをするだけで、とても舌を動かす余裕などない。やがて満足したのか、男は腰を大きく引いた。
- 「う、うぷぅっ!? うぇ……げほっ! 押し込み、すぎっ……!」
- 「いや、気持ちよくてさぁ……最高だよ、ゆっきーの口マンコ!」
- むせて下を向き、呼吸を整える。いまので終わりだろうと顔を上げると、再び口の中に亀頭を突き込まれた。またもや、男が腰を振り始める。
- 「くそぅっ……これは、ちょっとヤバすぎるっ……!」
- 目を閉じて早く終われ、終わってと願う。誰かが手をぎゅっ、と握った。目を開けなくても分かる。真子だ。男は容赦なく腰を振り乱し、私の喉奥に亀頭を突き込んではペニスを小刻みに震わせる。
- 「すっごぉー、ピストンしちゃってる。もしかして……もうイっちゃう?」
- 「あ、ああ……もう限界だよ! たっぷり精液出すからね! はぁ! はぁ……ゆっきー、精液欲しいかい?」
- 男が答えを待っているのは分かっている、けれど口の中にペニスで占拠されて喋れるはずもない。何とか口を動かそうとした次の瞬間、亀頭が奥まで入ってきた。
- 「もちろん、欲しいよねー? おちんぽ汁、いーっぱい」
- 真子が真横から同意を求めてくる。男が腰を引いて、止めた。かろうじて喋れるようになり、息遣いを荒くしたまま、男の顔を見上げてうなずく。
- 「ほ、欲しい……かな……オチンポ汁、いっぱい……んんんっ!?」
- 「じゃあほら! もっと欲しいって言って!」
- ペニスが口内で跳ね回る。射精が近いのだろうか、私には分からない。ただ、男を満足させないと、真子を助けられないのだ。だから一生懸命、口を動かして答えていく。
- 「んちゅ……く、くだひゃぃっ……オチンポ汁、たっぷりっ……! 私のお口に、出してっ……お、お願いします……ちゅぱっ!」
- 「ゆっきーの口に出すから、吸い付くんだよ?」
- 男が私の頭を掴み、激しく腰を前後させる。亀頭が喉に届き、舌の上を滑って戻り、唇に止められて再び喉奥へ突き込まれ、それが幾度となく繰り返される。息苦しくて、目を閉じ、ただ早く終わって欲しいと願う。そしてそれはスグにきた。
- 「お、おおおぉぉっ……い、イクぅぅっ!」
- [image file=../image/i073.jpg]
- 「はぁ、ふぁ……んんっ、んぐっ! ひっ……!? んんんっ、んーっ!! ぶ、ぶはぁっ……!」
- ガクガクと腰を震わせながら、男は喉奥で精液を放出した。ペニスの先から溢れてくる未知の体液が、喉に、舌にかかる。生臭さが口いっぱいに広がり、鼻まで支配してしまう。匂いの元、精液はとめどなく溢れて止まらない。
- 「うえぇっ! げほっ、げほぉ! うぷっ、うえぇぇ……」
- ネバっこくて舌にからみつく精液を、たまらず吐き出した。
- 「ダメじゃないかゆっきー! ちゃんと飲み干さないと!」
- ムリだ。こんな苦くて変な味で臭い、不潔なものを飲み込むだなんて、絶対にムリ。
- 「ゆっきー、大丈夫ー? あーあ、いっぱいこぼれちゃったねー」
- いままで嗅いだことのない、粘つく精液の匂いに吐き気を覚えている。こんなことされるなんて思わなかった。男はこぼれた精液を見つめてもったいないとかこぼしているが、私にはその気持ちがちっとも理解できそうにない。
- 「ゆっきーまだ慣れてないから、ね、おまけしてあげてよー? わたしが、ちゃんと何度でも飲んであげるからー」
- 抗議したい気持ちを抑えて、真子にならう。かろうじて謝罪の言葉を絞り出すと、真子に手伝って貰ってしょうがない子だと叱られた。何もかも初めてなのだ、出来るはずがない。
- 「……まあいいか。精液を飲めなくたってさ、本番で満足させて貰えばいいや」
- 我が耳を疑った。本番、本番っていうと、つまり本物のセックスをするということか。この名前も知らない男と、いまこれから。その行為を想像して、思わず背筋が震えてしまう。
- 「はぁーい、それじゃあゴムつけましょーね」
- 「えぇー? やっぱりつけなきゃダメ? そろそろNSで生中、いいだろう?」
- まるで暗号のような言葉をやり取りする真子と男。男の要望に首を振ってみせる。真子は後で色々大変だからと拒否した。知らない女の子とセックスするのにコンドームもなしなんて、この男は何を考えているんだろう。そんな私の思いを察したのか、真子が私の顔を見て、初援交なのだから手加減してと頼んだ。
- 「しょうがないなぁ……ゴム有りの約束だしな」
- 「えへへぇ……ありがとー。じゃー、いっぱい……エッチ楽しもうね?」
- 真子が悪戯っぽく笑うと、男は愉しそうに笑った。射精して柔らかくなっていたはずのペニスが、見る見るうちに大きくなっていく。硬くそそり立つ精液まみれのペニス。それを包み込む薄いゴム。
- 「いま出したばっかなのにー、すっごく、おっきくなってるよー? あはっ、こんなの入っちゃったら絶対気持ちいいだろうなぁ……」
- 「ああ、掻き回してやるよ。ほら、ゆっきーもキスしてくれよ」
- 私は答えられずにいた。いまから、本番をする。この男とセックスしてしまうのだ。あんな大きなものが、膣内に挿入されてしまうと想像しただけで、震えが止まらない。処女膜を突き破り、亀頭が子宮に届く。気持ちいいか痛いかとか、そんなんじゃなく理屈で言い表せない拒否感が胸いっぱいに広がっている。
- 「……ゆっきー、どうしたの?」
- 私の様子がおかしいと気付いたのだろう、真子が心配して手を握ってくれた。
- 「……は? えっ……おい、もしかして泣いて……る?」
- 男の声で私は自覚した。自分が泣いていることを。涙が溢れて止まらない。視界が曇って、真子の顔すらぼやけて見える。耐えていた。私は耐えていたんだ。頑張って真子を助けなくちゃって、ムリをしていた。真子に優しくされて、堰を切ったように涙が溢れてしまったのだ。そうするともうダメで、頭でいくら泣き止もうとしても、止まれない。
- 「ごめん、ムリかも……」
- 「ゆっきー……初めてだもんね、これ以上はムリか……」
- 真子がどんな顔をしているのか、涙で見えない。男が舌打ちした。
- 「萎えるなぁ……」
- 心底うんざりしている声で男が漏らした。
- 「あ、えーと、えーっと……今日はその分、わたしが頑張るから……」
- 「はぁ? 3Pの約束だろ。フェラも満足に出来ないみてーだし、なんだかなぁ……」
- 男が歩いていって財布を取り出し、そこからお札を取り出してベッドに放り投げた。
- 「ホテル代がもったいねえよ。ほら、これで解散だ」
- 「えーっ! 少ない!」
- 「フェラだけだったら、そんなもんだろ。3P出来ない、お前らが悪いんだぞ?」
- 何を言われても言い返せない私がいる。どうしたらいいの。でも、どうしようもない。これ以上、どう頑張ったらいいの。
- 「そんなぁ……! ね、ねぇ、お願いだから……お金、どうしてもいるんだから……」
- 「そんなの、俺の知ったことかよ」
- 男の言い分に、真子まで泣き出してしまった。男は焦って真子に手を差し伸べたが、真子はそれを払ってベッドから飛び降りた。
- 「おい、どこ行くんだよ?」
- 「……トイレ」
- 髪を振り乱して、真子はそのままトイレへと消えていく。その後、かすかにトイレからすすり泣くような声が聞こえてきた。
- 「はぁ……マジ、萎えるな」
- 「……ご、ごめんなさい……私のせいで……」
- やっと泣き止んだ私。頑張った。やれるだけやった。でも、ダメだった。ぶち壊したのは私だ。真子を助けたかったのに、これじゃダメだ。けど、どうしたらいいの。
- 「本当だよな、ゆっきーさえちゃんとセックスさせてくれたらなぁ……」
- 「で、でも……私……」
- うつむいて、か細い声で返すことしか出来ない。と、男が肌を寄せてきた。
- 「……なぁ、ゆっきー」
- ささやくような小さな声で言われ、顔を上げる。処女なんだろ、と言われて驚いた。慌てて否定するが、男はゆっくり首を振る。さっきの反応で分かったというのだ。言葉に詰まる私の顔を、男が覗き込んできた。再び、処女なのかと尋ねられ、迷った挙げ句にうなずく。
- 「そっか、処女か……まー、そうだよな。だったらよ……俺と個人的に援助交際しないか?」
- 「え……?」
- 「ゆっきーの処女になら10万、いや20万出してもいいぜ…………ま、強制はしないから。ゆっきーの気分次第ってことで」
- 何を思ったのか男は入り口の方へ歩いていく。やがてホテルに備え付けてあるメモ帳を見つけると、そこに何かを書き込んだ。ページを破き、黙って私の手にそれを握らせる。何なのだろうと思い手を開くと、そこには男の連絡先が書かれていた。
- 「そんな……」
- どう答えていいか分からず困惑していると、真子が瞳を真っ赤に腫らして戻ってきた。
- 「ゆっきー、行こ」
- 「う……うん……」
- 「また気が変わったらよろしくな、ゆっきー」
- 真子は男に視線を向けることもなく、そのまま私の手を引いていく。そして、さっき二人でいたネットカフェへと戻ってきた。他に行くあてもないから、ここにしただけ。カップルシートで二人うつむき、押し黙っている。
- 「……どーしよ」
- 先に口を開いたのは真子だった。
- 「さっき、レイドくんから電話あったんだよね……」
- 「……え」
- 男から渡された連絡先のメモを、ぎゅっと握りしめる。
- 「払えないかもって言ったら、超怒っててー……あは。ヤバい、ぼこられる……」
- クラブの前で見た光景がフラッシュバックした。真子の髪の毛を掴み、いまにも拳を振り上げそうなレイドの顔。そのまま真子の顔を何度も殴るシーンが、想像できてしまった。
- 「に、逃げようよ。一旦、実家に避難してさ……」
- 「ムリだよ、いまさら帰れないよ。それに、お店のバックには、怖い人いるから……えへへぇ……バックれたりしたら、殺されちゃうかも」
- その言葉は、真実味を帯びていた。水商売は怖い人と繋がっていると、誰かから聞いたことがある。
- 「何とかしてお金、つくらないとー。誰でもいいから、まじで……」
- 「真子……でも、昨日からほとんど寝てないでしょう?」
- 「へーきへーき……死ぬよりましだよ……」
- フラフラになりながらスマホを取り出す真子。
- 「ダメだよ。そんな身体じゃ、倒れちゃう。その、私……」
- そうだ。真子を救えるのは、私しかいないんだ。
- 「……お金、何とか出来ないか……考えてみるから。真子は少し休んでて……何とかしてみる」
- 真子を椅子に押し倒すようにして寝かし、リクライニングを倒した。
- 「えー……?」
- 「心配しないで。横になってて。私のこと……信じて」
- 「うん、ゆっきーのこと……信じる。ゆっきーのことだったら、信じられるよ……」
- 相当ムリをしていたのだろう。真子はそのまま目を閉じて、数分もしないうちに寝息を立てていた。私が何とかするしかないんだ。真子のことを助けられるのは、私だけ──。
- * * *
- 「本当に来てくれるなんて嬉しいよ……ゆっきー」
- 男はホテルの一室で、ソファに腰掛けて待っていた。特に何も答えることなく、持っていたカバンを置く。備え付けられている時計を見ると、さっきから数時間も経っているのだと分かった。
- 「時間なら気にしなくていいよ。なんなら、泊まってもいいんだ」
- 優しく見せようとする男の、そのいやらしさが気持ち悪かった。
- 「別に……ゆっくりするつもりなんて、ないから……」
- お金さえ貰えれば、いつだって立ち去るつもりだ。男は私を見て愉快そうに笑うと、改めて頭のてっぺんからつま先まで品定めするように見た。そのまま私を中心にグルッと回る。やがて腕を組み『ずいぶん緊張してるね?』と笑顔で言った。
- 「これから処女を捧げるんだから、当たり前か」
- 「捧げるとか、そんなんじゃ……ない、から。そんな大切なものじゃないし……」
- 男の愉しそうな顔を見ているのが嫌で、目を合わせることなく淡々とした口調で返す。男は横から歩み寄り、私の顔を覗き込んだ。
- 「いや、おじさんにとっては、宝物だよ?」
- 「そういうの、キモい」
- たまらず男の顔を見て言った。すると男は喉をくくっ、と鳴らして笑う。そのキモい男に処女を捧げるんだろう、と。私は首を振り捧げるんじゃないと否定する。男はベッドのふちに座って、おじさんにくれるんだよねと確認してきた。
- 「それはそう……だけど。でも……お金が……!」
- 「分かってる、分かってるって。ゆっきーが最後まで出来たら、ちゃんと約束は守るからさ」
- 何もしないままお金だけ持っていかれるのは避けたいのだろう。満足させたらくれてやる、と言うわけだ。ただの口約束。男を信用できるかどうかなんて分からない。でもやるしかないんだ。
- 「絶対……だからね」
- 決意を込めた目で男を見ると、男は鷹揚にうなずいた。
- 「途中NGはもうなしだよ?」
- 「……分かってるって」
- ベッドから立ち上がった男が、覚悟は出来たみたいだねと嬉しそうに言う。視線をベッドに向けたので、私は横になればいいのかと尋ねる。てっきりそうだ、と言うものかと思いきや男は肩をすくめて首を振った。
- 「ま、そうあわてないで。まずはさっきみたいに、ポーズ取ってよ」
- 「……また写真撮るの? ああいうの、私、好きじゃない」
- 顔が映ったりしたら大変だ。それに何より、生理的に受け付けない。男は自分のバッグに手を突っ込んでゴソゴソと掻き回すと、何かを取り出した。これを着ければ顔は分からないと言って、差し出してくる。それは目隠しだった。確かに目の周りが隠れたら、顔は分からなくなる。
- 「顔が映らなけりゃいいんだろ? これくらいはサービスしなよ」
- 「……分かった」
- 仕方なく、男から受け取った目隠しで顔を覆っていく。着けてみると、想像していた以上に怖い。知らない男とラブホテルの部屋で二人っきりなのに、周りが見えないのだ。しかし男は愉しそうな声で笑い、妖しい雰囲気が興奮すると漏らした。男の足音がして、少し離れた。ゴソゴソと音がする。またバッグから何かを取り出しているようだ。
- 「現役JKの処女喪失前、貴重な絵だよ? 記念撮影しておかないとね」
- 「……っ……」
- 周りの見えない恐怖と、男から感じる得体の知れない嫌悪感に言葉を失う。反射的に手で顔を覆い、写真撮影に備えた。
- 「手で顔を隠さなくても、いいんだよ?」
- 「だけど……口元、とか……」
- どうやら男はそれでも構わないらしく、まあいいかと漏らしシャッターを切った。
- 「ほら、パンツもっと見せて? 貴重な処女マンコだからね」
- 「マジでキモい……」
- さっきも言われたように、股を開けと言うのだろう。言われて腹を立てる前に、スカートを上げてやる。男はそれが嬉しかったのか、笑って、もっともっととせがむ。
- 「う、うるさい……な……」
- 「そうそう、そのまま処女マンコを、丸見えにさせて……」
- またシャッターが切られた。不気味だ。私の姿は、どんな風に映っているんだろう。そして、撮った写真を何に使うつもりなのか。まるで分からない。だから不気味なのだ。
- 「俺のチンコを受け入れてくれるなんて……感動だなあ。ほら、ゆっきー。処女マンコを捧げますって言って」
- 恥ずかしいから嫌だと答えると、男は首を振った。約束してくれないと信用できないというのだ。恥ずかしさの余り身悶えていると、男はピースしながら言えと強要してくる。
- 「……分かった、から。その……援交、します」
- カメラのレンズを向けられている。シャッターを切る音が何度も聞こえた。誰と援交するのか問うてくる男。何故そんなことを訊くのか。とにかく男を納得させないと先に進めない。男がいる方向へ顔を動かし、おじさんと援交しますと宣言する。ところが男は援交って何をするのかと分かりきったことを聞いてくる。
- [image file=../image/i085.jpg]
- 「その……おじさんと、セックス……します」
- 「ゆっきーはセックスの経験、あるの?」
- なるほど、ようやく分かった。これが言わせたかったのか。羞恥に身体が熱くなるのを感じながら、経験はない、処女だと答える。男が笑う声が聞こえた。処女なのに援交しちゃうのかと問われ、うなずいてみせる。処女だけど援交するのだと答えた。そして、おじさんに処女を捧げますと付け加える。これが聞きたかったのだろう、と心の中で思いながら。男はというと、いい、とてもいいと何度も言いながら上機嫌でシャッターを切る。
- 「処女マンコにたっぷり、セックス教えてあげるからね」
- 「う、うん、教えて貰う……処女マンコに、セックス……」
- 男が生唾を飲み込む音が聞こえた。ゆっきーを大人の女にしてあげるから、とか言っている。嫌悪感と羞恥に身震いしながらも、口ではよろしくお願いしますと答えていた。と、肩を触れられ驚いて飛び跳ねそうになる。
- 「もう怖がらないね? 絶対、処女援交するんだね?」
- 耳元で囁くように言って確認される。声のした方に顔を向けてうなずいた。
- 「するよ、する……約束、するから……。お金、欲しいから……だから……処女マンコに、援交セックス……して下さいっ……」
- 「すごいこと言っちゃったねえ……」
- ムッとして、言わせたのはそっちでしょうと抗議する。男は私から離れていった。ゴソゴソと音がする。どうやらバッグの中をいじっているようだ。
- 「ゆっきーの覚悟は分かったよ……でも、念には念を入れさせて貰うからね」
- 「え、な、なんのこと……きゃっ!?」
- 何か無機質なものが触れた。それに手を、腕を縛られる。
- 「な、何するの……? 痛いっ……!」
- 反射的に抗議したが、男は興奮した様子で暴れるなと言ってきた。怪我をするぞ、と付け加えて金属製の何かを動かしている。何をしているのかと強く抗議すると、男は高笑いした。逃げられないようにしたんだよ、と言われ手を動かそうとする。だが動かない。しまった、やられた。足も縛られ、まるで動かせない。
- 「処女セックスさせてくれるんだから、このぐらいかまわないだろう?」
- 何とかしようと手足に力をこめるが、ベッドの上で腰をひねるくらいしか出来ない。外してと言うが、男の耳には届いていないようで、もう逃げられないよと耳打ちしてきた。
- 「あっ……ちょっと!?」
- 「ほら、もうこの目隠しも必要ないよね?」
- いきなり目隠しを外され、自分がどれだけ危うい状態にあるのか思い知らされた。
- 「な、な、なっ……!? こんなの、聞いてない!」
- 顔を横に向け、男が着けた拘束具を見る。分かっていたことだが、外れそうにない。それでも諦めるわけにはいかず、外してと主張しながら男を見た。
- 「なっ」
- 「ゆっきーのその顔……最高にイイ!」
- 男はカメラを手にし、私の顔にレンズを向けていた。恐怖でくっ、と息を呑む。
- 「撮らないでよ! 顔はダメッ……!」
- 「大丈夫、後でちゃんと消すから。ほら、もう1枚! この恥ずかしそうな顔……!」
- 腕を拘束され、顔を隠すこともままならず男に写真を撮られてしまう。嫌だと言うも、抗議の言葉は男を興奮させるだけだ。拘束と同じで、保険みたいなものだと主張する男を睨み付ける。
- [image file=../image/i088.jpg]
- 「写真を消して欲しければ、処女セックスするんだよ?」
- 「くぅぅっ……分かった、分かったから……! 処女セックス、絶対、ちゃんとするから……」
- これで満足なの? と付け加えたくなった。男は喉を鳴らして笑い、その意気だとカメラを持ったまま肌を寄せてくる。素直にしていれば気持ち良くさせてあげる、と言いながら手を伸ばしてきた。下着越しに秘部を触られ、嫌悪感に身を震わせる。
- 「あぅっ……そんなところ……っ」
- 「ちゃんと言ってくれないと、聞こえないよ?」
- 「……アソコ、いきなり触らないでっ……」
- 「アソコじゃないだろう?」
- 小動物を虐めて楽しんでいるような、陰湿な声色で男は語りかけてくる。目を閉じて何度も頭を振り、羞恥に耐えて口を開く。
- 「お、オマンコ、いきなり触らないで……」
- 「もっと優しく触って欲しいんだね。じゃあこうやって……」
- まとわりつくような指遣いで秘部をなぞられ、ピクピクと身体が反応してしまう。オマンコはどんな感じになっているんだと聞かれ、顔をしかめた。見れば分かることなのに、また私に言わせようというのか。男から視線を外し、なぞられてると答えた。男は私の返答に満足していない様子だ。オマンコのひだに沿って、指でぐりぐりいじられているのだと言うと、男は口元を歪めた。実を言うと、少しくすぐったい。
- 「このぐらい優しいと、嫌じゃないかい? 気持ちいいっていうより……」
- 「ん……ちょっと、くすぐったい……かも」
- どうして私が思っていることが分かったのだろう。
- 「少しだけ強くするね……」
- 指先にこもる力が変わった。秘部を弄られながら男に感想を求められ、不思議な気持ちで、生返事をする。すると男は興味津々でオマンコどんな感じかと聞いてきた。ちらり、と男の方を見ると期待に満ちた眼差しをしている。丁度いい感じ、と答えると男はさらに身を乗り出し、むずむずするかと問う。
- 「そんなの分かんないよ……んんぅ、くっ……」
- 「……じゃあ、もうちょっと時間をかけてほぐそうかな」
- 男は慣れた手つきで指先を動かす。天井の照明が目に入った。不思議だ。この部屋に来たとき、私はもっと緊張していたはずなのに。こんな風に縛られて、男に大事なところを触られている。それで身体は熱を帯び、息遣いも荒くなっているだなんて。
- 「これぐらいなら、もう痛くないかい」
- 「う、うん……痛くないけど…」
- 男の気遣いを受け、戸惑う。酷いことをされ続けると思ったのに、急に優しくされたからだ。
- 「もっと念入りに、ほぐしてあげるからね」
- 「はぁ、はぁぁ……んっ……んんっ」
- 秘部の上をなぞるように指の腹を動かされ、クリトリスをつつかれる。いつの間にか膨らんでいたそこを刺激されると、変な声が出てしまう。男は口の両端を吊り上げて笑うと、オマンコ気持ちいいって言ってみてよとせがんできた。気持ちいいわけじゃないと否定すると、男は首を振る。その方が盛り上がると言うのだ。男は、女を気持ち良くさせたいのだから、そう言うものだとさとしてくる。
- 「えっと……その、オマンコ気持ちいい……」
- 「もっと気持ちよさそうな声で」
- 「そんなこと言われたって、む……難しい、ん! んぅぅっ……! 気持ち、いいっ……オマンコ……はっ、はぁぁ……」
- 鼻息を荒くして男が身を乗り出し、もっと大きな声で言うよう強いる。男に、期待に満ちた眼差しを向けられ、たまらず視線を外す。呼吸を乱したまま、オマンコくりくりされるの気持ちいい、と言い切る。男はクリトリスをつつき、弾かれたように反応してしまう。
- 「くくくっ……見てご覧? 愛液で、下着が張り付いちゃってるよ? すっかり感じちゃってるねえ」
- 「そんなこと……ない……」
- 首を傾げ、本当かなーと疑わしげに言う男を見て分かった。私に言わせるつもりなのだと。
- 「うぅ……オマンコ、ピクピクしてる……よ。ここ、くりくりされて、気持ちよくなっちゃった、から……」
- 「言えたご褒美に、キスしてあげるよ」
- 何を言い出すのかと緊張して身を強張らせる。唇を奪われるのではと思ったがそうではなく、男は秘部に口づけしてきた。
- 「やぁっ! あ、ああぁっ……!?」
- 「痛くないだろう?」
- たしかに痛くない。だが、むずむずする。男が口をつけて舌を動かす。そのたびに淫靡な水音が響く。
- 「オマンコ、ちゅっちゅするのっ……んんっ、やっ……」
- 顔を横に向けて目を閉じ、味わったことのない感触に耐える。男にどういう気持ちかと問われ、気持ち良くなっていると答えてやった。言われたからそうしただけなのに、息遣いはすっかり荒くなってしまっていて。自分でも聞いたことのない喘ぎが漏れて、驚いてしまう。
- 「……いま、ビクッてしたね。甘酸っぱい匂いがしてきたなぁ……やっぱりオマンコ濡れてるんじゃないかな?」
- 「そ、そんなことは……」
- 強要されれば素直に答えたくなくなるというもの。だが男は濡れているだろう、としつこく聞いてくる。
- 「わ、分かんないよ……で、でも……さっきより熱くなってるから……もしかしたら……濡れちゃってるのかも……」
- 「気持ちよくなってるんだよ、ゆっきーの処女マンコ」
- 実に愉しそうに男は語る。再び秘部に口づけされ、小さく喘ぎ声が漏れる。眉のあたりがヒクヒクと動いてしまう。くいくいと舌を突きたてられると、否定できないと悟った。男にどうなんだい、と聞かれ言葉に詰まる。視線を逸らし、期待通りの答えを返す。気持ち良くなってきて、濡れてしまっていると。処女オマンコ感じているのだと。と、男が黙って何かを見つめているのに気付いた。
- 「あ、やっ……! こ、こんなの嘘っ」
- 「染みが浮かんじゃってるね?」
- 穿いていた下着が愛液で濡れている。男は意気揚々と立ち上がり、カメラを構えて下着に向けてきた。ちゃんと撮っておかないといけない、なんて言いながら。手足に力を込めて身じろぐが、動けない。撮らないでとお願いしてもダメで、男は笑って保険だからと何度も口にしてシャッターを切る。そして私の顔を覗き込み、この写真を消して欲しかったらどうして欲しいか分かるよね、と念を押してきた。
- 「うぅぅぅ……し、処女マンコ……濡れているところ、撮って……下さい……」
- 「くっ、ふふふふ! 本当にイイ顔してるね。ほら、もっと声に出して?」
- 「はぅ…うぅ、感じる。オマンコ……弄られて。気持ちいい……! 舌が、食い込んできて……ビクってして……こんなに恥ずかしいのに……うぁ、気持ち……うぅ!?」
- 一気に言い切って、呼吸を整える。もし、いま鏡を見たら私の顔は真っ赤だろう。羞恥で耳まで赤くなっていると、見なくても分かる。
- 「ゆっきー、可愛いよ?」
- 「え? はぁ……はぁ、あ……うん。ありがとう……」
- 「そんな可愛いオマンコ見せて貰うね?」
- 身体が熱くなり、頭がぼんやりしかけていた。すぐに反応できなくて、顔を上げ慌てて男の顔を見る。下着がゆっくり剥ぎ取られる様を、呆然と見ていることしか出来ない。
- 「あぅっ、あぁ!? そんな、オマンコを直接……!」
- 「ほら、ちょっと濡れてる。とろとろしてるよ……?」
- 「う、うんっ……処女マンコ……濡れちゃってる……」
- 男が耳元に口を寄せ、俺のオチンポを受け入れるためにもっと濡らさなくちゃいけないねと告げてきた。再び秘部に舌を這わされ、ねぶられてしまう。知らない男に大事なところを舐められて喘いでいるなんて、嘘みたいだ。でも実際は、私自身が聞いたことのないような声が漏れてしまっている。そして。男の舌先が、淫唇に触れた。
- 「ゆっきーの処女マンコに舌が入っちゃうよ…?」
- 「ぬぷって……あぁ? き……来たぁ……あ、ああぅ……!」
- 「誰かに舐めさせたこと、あるかい?」
- 分かりきった質問だ。体験したことのない感触を味わい、何度も頭を振りながら、一度もないと答える。すると男は秘部の内側を舌先で掻き回してきた。それもされたことはないと告げると、男は愉快そうに喉を鳴らして笑った。
- 「奥から愛液が溢れてくるよ……これはセックスしたいって言ってるんだ。分かるね?」
- かろうじて頭を振ってうなずいてみせると、男は満足そうに舌を動かしてきた。ざらりとした舌の腹が粘膜を擦り、ぐりぐりされて感じると告げる。男はますます鼻息を荒くして、舌を激しく動かすのだった。
- 「愛液で、オマンコがドロドロになってきたよ? ほぉら、またビクッてした。こんなの止めたら可哀想だよね……じゃあ、ぷくってしたクリトリスも、こうやって……」
- [image file=../image/i096.jpg]
- 「そ、そこっ……! あ、あぁふ!? そこダメ……!」
- 陰豆を舌の腹でねぶられ、自分でも驚くほど敏感に反応してしまう。執拗にそこを刺激され、何度も頭を振って悶える。すると男は、何をどうして欲しいのかちゃんと言わないと分からない、と意地悪を言う。
- 「ふぁ……はぁぁ、クリトリスはっ……舐めないで……感じ過ぎるっ……からっ」
- 「じゃあ、もっといじめてあげないとね?」
- 今度は男がクリトリスにむしゃぶりついた。赤子が乳首に吸い付くように、口の中に入れられてしまう陰豆。そのまま舌で転がされ、あられもない声を上げて悶えてしまう。
- 「ひうぅぅぅっ!? あ、あ、あぁっ……あーっ! あぁぁ~!!」
- 「とろけた顔しちゃってるの分かる? 本当に気持ちよくなってるんだね」
- 息を整える間も与えられず、かろうじて否定した。だが男は、素直になるんだと強いてくる。女の子が感じてくれた方が喜ぶってさっきも言ったよね、と念を押された。どうすれば、と迷っている間に再び男がクリトリスにしゃぶりつく。
- 「ふあぁ、あぅぅ……! い、いいっ、気持ちいいっ。アソコ……溶けちゃうっ……」
- 「この敏感処女オマンコに……オチンポ突っ込んでもいいんだね?」
- 意地悪な質問だ、と思いながらうなずいてみせた。いい、構わないと答える。男にもっとハッキリ言うんだと強要され、私は目を閉じた。羞恥で耳まで熱くさせ、オマンコにおじさんのオチンポ挿入してもいいから、と言ってやった。
- 「おじさんに処女を捧げてくれるんだよね?」
- 「はぁぁ、はぁ、約束したから……だから、あ、あぁぁっ……!!」
- 男の指に挟まれるクリトリス。軽くねじるように弄ばれ、身体を電流のような快感が走った。男はくっくっ、と喉を鳴らし、そこまで言うなら貰ってあげるよと笑う。秘部の割れ目を指でなぞって、その指を私に見せつける。すっかり愛液で濡れた指を。
- 「ゆっきーの処女マンコも、すっかりグショグショだし……これなら入れても大丈夫そうだねえ?」
- 「うぅ……くぅ、う……うん」
- 目を閉じて思う。誰の所為でもない、これは私が決めたこと。だから──。
- 「……処女オマンコ、捧げる準備……出来たよ。オマンコ、すっかり濡れてて……そ、そのぅ……おじさんのオチンポ、受け入れられる……から……」
- 「セックス、出来るんだね?」
- 期待に満ちた眼差しを向けられ、男の目を見つめてうなずく。
- 「出来る……。処女を、破って……欲しい……」
- 手をパン、と鳴らし男が立ち上がる。見ると、すっかり男のペニスは勃起していた。隆々と反り立って、お腹にめり込みそうだ。さっき私と真子で咥えたというのに、どうしてまだあんなに元気なんだろう。男はそのまま腰を落とし、ペニスの先端を秘部に向けてきた。と、そこで気付く。
- 「え、あっ……ちょ、ちょっと待って……!? コンドーム、つけてよ……! な、生はダメ! そのままは絶対に……」
- 「ゴムハメなんて、セックスじゃないよ。処女マンコは、やっぱり生で味わわないと」
- 亀頭が秘部に食い込んでくる。入れられてしまう、と思ったが男は腰を止めた。外で出すからいいだろう、だとか大丈夫だよ、と説得されるがそうはいかない。何度も首を振って嫌だと主張すると、男は溜め息をついてカメラのレンズを向けてきた。
- 「やっ、写真、やめて……」
- 「分かるよね? ちゃんと最後までしてくれよ?」
- 生で味わわなきゃ、処女オマンコの意味がない、とか意味の分からないことを言っている。顔を隠すことも出来ず、ただ身じろぐばかり。撮らないでとお願いすると、じゃあ生でハメてもいいんだなと身を乗り出してくる。しまいに男は、頼むよ、と頭を下げてきた。息遣いを荒くしたまま、必死になってバカじゃないのと罵ってやる。
- 「処女に生ハメできる機会なんて、一生に一度あるかないかなんだぜ? それも、ゆっきーみたいな可愛い子に……約束は守るからさあ、頼むよ!」
- 「…………ぜ、絶対……だからね……? 外に出すって、約束……して?」
- 分かってると何度も連呼し、男はペニスの根元を持った。亀頭が膣口に触れる。それが割れ目を大きく押し開くのを目の当たりにしたかと思うと、それはすぐに膣内へと入ってきた──。
- 「あっ……や、やぁっ!? あふっ……ゆ、ゆっくり、してっ……! あ……あぁぁ……あっ! ああぁぁーーーっ!?」
- 入ってくる。熱い何かが粘膜を擦りたてながら、自分の体内に侵入してくる。味わったことのない感触に目を見開き、ただただ声を上げることしか出来ない。
- 「おおぉっ、おほぉ! 俺の生チンポが、ゆっきーの膣内なかに……!」
- 何かが、破れた。実感。処女ではなくなったのだという実感。感傷に浸っている時間はない。男は勢いよく腰を押し進めようとしている。
- 「はぁぁ、ま、待って……! もう入ってるから……」
- 「まだまだだよ……? 処女オマンコに全部ブチ込まないと……はぁ、はっ!」
- 男は私の願いを聞き届けることなく、腰を前に動かす。いままで狭いままだった膣内が亀頭で押し開かれ、そしてついに──。
- 「ゆっきー、入ったよ……ふ、ふふふ! ほら、一番奥まで……!」
- 「う、ううぅぅぅっ……くふぁっ……はぁぁ、はぁっ」
- 痛みと熱で、膣内がじんじんと響いている。否応なく男の熱を内側から伝えられ、身悶えながら熱い吐息を漏らした。
- 「さすが処女オマンコ、きっつきつだねえ……くくくっ! 初めての生オチンポの感想を聞かせてくれないか……?」
- 男は口からよだれを垂らしながら、こちらに聞いてきた。膣内でペニスがピクピクと小刻みに震えている。
- 「あ、くぅっ……バカみたいに、熱くて……! はぁ、はぁぁっ、苦しい、よっ……くふぅっ……! あぁ!? 動かないで……!」
- 「そんなのムリだよ。さっきから締め付けてきて……ゆっきーの生オマンコ最高……!」
- [image file=../image/i101.jpg]
- 亀頭が奥の奥を突き上げた。目を剥き、口を開けて、ただただバカみたいに声を上げる。ああ、とか、うう、とか、そんな声しか出ない。
- 「ゆっきーさぁ、処女を捨てられて嬉しいでしょ?」
- 嬉しいものか。こんな痛くて苦しいなんて、最低だ。でも、嬉しいと言わないときっと男は納得しない。最深部を亀頭で掻き回される感覚に、ぐっと耐えていく。
- 「ふぁぁ、はぁっ……そう、だね……う、嬉しいかな……くぅっ!? 処女なんて、ほんとどうでも良かったから……ああっ! 処女を奪ってくれたオチンポには……か、感謝してる……よ……」
- 「オチンポ、気に入ったんだな?」
- 「う、うんっ……お、オチンポ……大好きっ……」
- 男は満面の笑みを浮かべて、腰を動かし始める。入り口まで戻ったかと思うと、また奥まで届くペニス。湧き上がる嫌悪感。痛みをこらえ、ただただ成り行きを見守ることしか出来ない。熱い。ただ膣内が熱く、不思議な感情が込み上げてくる。それを言い表す言葉を知らず、吐息を漏らし続ける。
- 「これがゆっきーを大人の女にしたオチンポだぞ?」
- 「う、うんっ………嬉しいっ……はぁあ、私……お、大人になっちゃったんだ……」
- 「くっ……くくく、そうだよ。援交でゆっきーは女になっちゃったんだよ」
- 「うぅ、はぅ……! 女にしてくれて……あ、ありがとう。うふぅぅ……! 大きなオチンポ……あぁ、はぁぁ、ハメて貰うの……嬉しいよっ」
- 気をよくしたらしい男が、もっといっぱい可愛がってやらないとな、そう言って腰を大きく振り立てる。激しく擦られる粘膜、奥に当たる亀頭。たまらず喘ぐと、男は喜んで声を上げた。きゅっ、と締まったというのだ。俺のオチンポが気に入ったんだろうと笑い、いっそう腰を激しく振り立てる。
- 「う、うん……おっきくて、男らしい……オチンポ……あぁ、はぁ! 乱暴にオマンコを掻き回してっ……はうぅ! き、気持ちいいっ……!」
- 熱いもので身体の内側を掻き回され、頭がぼーっとしてきた。男は私の気持ちいいという言葉を真に受けたようで、処女オマンコでオチンポに慣れるなんてと笑う。こんなムリヤリ、そうレイプされているようなものなのに気持ち良くなるはずがない。そう、なるはずがないんだ。
- 「くぅぅっ! このキツマン最高だよ! ああっダメだ、もうイッちゃいそうだ……!」
- 「はぁぁ、はぁっ、イクって……まさか、あああっ……!?」
- 「このまま膣内に出してもいいか? いいだろう!?」
- 「お、お願いだから中出しだけは、やめてぇ……!!」
- また、ペニスが中で大きく震えた。
- 「ふぁぁん、あぁ、あはぁぁ! 許して、下さいぃぃっ……! なっ何でもするからぁっ……!」
- 「うおおっ! イクっ! イク、イクイクっ……!」
- 腰を一心不乱に振り立てながら、男は叫ぶように言う。膣内を震えながら進んでくるペニスに心底恐怖し、悲鳴のような声を上げていた。
- 「やああぁああっ!? いやああぁあっ……!? あ、あああぁああっ……!?」
- 一瞬の出来事だった。熱い何かが、お腹の上に、顔に、胸にかかる。おびただしい何かがとめどなくかかる。そこで私は目を閉じていたのだと気付いた。怖かったのだ。
- 「あぁぁ……はぁぁ、はぁっ! 熱いぃぃっ……? こ、これ……」
- 「はぁぁっ! はぁぁ! しょうがないなぁ……ゆっきーがそこまで言うなら、中出しは勘弁してあげるよ……」
- いつの間にかペニスが抜かれ、亀頭から精液が溢れていた。いつ終わるともなく射精は続き、私の身体を汚し続ける。
- 「ふぁっ、はぁぁ……はぁー、あ、ありがとう……は、はうぅぅっ……はぅっ、うくっ……精液の……んんっ! すごい匂い……」
- さっき口の中で受け止めたのと同じ、得体の知れない野生の匂いが立ち上ってきて頭がクラクラしてくる。ぼーっとした頭にぼやけた視界、息遣いも荒いまま、ただ精液の匂いが射精されたのだと教えてくれた。
- 「はぁ……はっ、ゆっきーの締まった身体に、全部ぶっかけちゃったよ? 焼けた肌に、ザーメンが映えるね……? とってもはしたなくて、最高にエロい姿だよ?」
- どうやら射精は終わったらしく、ペニスの先端からはもう何も出てこない。男に顔を覗き込まれ、視線を外して、それはどうも、と礼を言う。
- 「さぁて、それじゃあ……汚れたオチンポを綺麗にして貰おうかな……?」
- 「はぁ……はぁ、あ……私が? ティッシュとかで……?」
- 「何を言ってるんだよ、お掃除フェラに決まってるだろ?」
- 私は何を言っているのか分からず、一瞬ぽかん、とする。男は両手を腰に当て、さっき私が何でもすると言ったじゃないかと詰め寄る。言った。確かに言った。けど、まさかまた咥えることになるなんて思いもしなかった。
- 「ゆっきーはこのオチンポに、処女を捧げたんだからね? 感謝しながら、綺麗になるまで舐めてくれないとねぇ。じゃないと、拘束も解いてあげられないよ?」
- ああそうか、やはり。一秒でも早く自由に手足を動かせるようになりたくて、分かったと答えた。男はうなずいて、ペニスを私の顔に近づける。
- 「いい子だよ、じゃあ……たっぷりおしゃぶりするんだ。ゆっきーを大人にしてくれたオチンポに感謝をしながら、お掃除するんだよ?」
- ようやく男は私の手足を縛っていた布のようなものをほどいてくれた。こんなことがすぐに出来るなんて、きっといままでにも同じような援交をしてきたのだろう。やはり援交したがる男なんて、ろくな人間じゃない。嫌悪感を募らせ、自由になった手足を動かしてみる。そしてさっきと同じように、ペニスを手に取った。
- 「やっぱり、匂うかい?」
- 「う、うん……すごい匂いがする……」
- 男は喉を鳴らして笑い、私の愛液と男の精液が混ざり合っているからだと楽しげに言った。そのすごい匂いのペニスを前に迷っていると、男はしゃぶって舐め取れと強いてくる。
- 「ん、じゅる……ちゅぱ、ぺろっ……うぅん……ふぁ、ふぅっ……じゅるる……!」
- 愛液と精液、それに汗、色んな体液にまみれたペニスは触れるだけで粘ついていると分かった。こんなものに私は処女を奪われたのかと思いながら、舌を這わせる。精液を舐め取り、口の中に運んでいく。男は満足そうに気持ちいいと言い、ペニスがピクピク反応する。そんなに動かされたら綺麗に出来ないと言いたくなる気持ちを抑え、舌を動かしていく。
- 「ゆっきーの初セックスは、どうだったかなぁ?」
- 「しょ、しょれはぁぁ……ん、ちゅむ、じゅるっ……! うみゅ、ちょっと痛くて……苦しかった……けど……でも、処女を奪って貰って……う、嬉しかった……よ? はむっ……ちゅる、処女オマンコにセックスしてくれたオチンポに、感謝してる……」
- [image file=../image/i107.jpg]
- 言いながらペニスに付着した精液を舐め取り、すすりあげていく。ペニスがときどきピクピク反応して、男が上擦った声を漏らす。感じているのだろうかと思っていたら、さっきよりずっと上手くなったと褒めてくれた。そして丁寧なフェラチオで気持ち良くて、またイキそうだとも。
- 「ふえっ……そ、そんな! 綺麗にしてるのに……」
- 「このままゆっきーの口に出すから、全部飲み込むんだよ!」
- 心構えが出来るより先に、亀頭が喉に押し込まれた。男は私の頭を乱暴に掴み、ペニスを口内に突き込んでくる。さっきしたのと同じように腰を振り立てられ、気付いた。これは喉を膣内に見立てたセックスなんだって。
- 「んふぅぅぅっ……!? んちゅ、んみゅうぅぅうふぅ!? あぁ!? 喉っ……奥までっ! んみゅ、んふうぅっ!?」
- 「今度こそ、ちゃんと精液ごっくんするんだよ……? ゆっきー、出来るよね?」
- 亀頭で喉を塞がれ窒息感に悶えながらこらえる。男を見上げ、かろうじて、ちゃんとすると答えた。
- 「はむぅ……んみゅ、じゅぷっ、ちゅるる……ん、んーっ!?」
- 「おおおっ…来る、また出るっ……! 喉マンコも最高だよぉ!」
- ラストスパートと言わんばかりに、喉に執拗に亀頭を押し込められ目を剥く。どうやら射精が近いらしくビクビクと震えるペニスを何度も奥まで突き込まれ、息苦しさの余り目を閉じる。
- 「いっ、イク……イクイク、あぁ……ああああ!? 出すよ、ゆっきー!!」
- 「んんっ……んみゅうぅ!? ぶはぁっ……! ん、んんんんんぅぅーっ!? ひぁ……ああぁ! ふぅぅ……うぅんん、ぢゅる……はぅ、ごく……ん!」
- 喉奥で熱くて生臭いものを出され、目を白黒させる。熱い白濁液が舌にかかり、絡みつく。口内をたちまち支配していく精液。立ち上る匂いが鼻の奥まで占拠し、嗅覚を麻痺させる。喉を塞がれて息苦しかったからじゃない、この匂いを嗅ぐと、頭がクラクラする。
- 「はぁ……はぁぁ、俺のザーメンおいしいだろ? あぁっ……」
- 「んふぅ……うぅっ、し……知らないっ。ぢゅるる、ちゅぱぁ……ふぅぅっ! はふぅ……ちゅむ、じゅるる……うぅんんっ!」
- 粘つく精液を何とか少しずつ飲み下すと、男は満足げに笑った。喉を鳴らして精液を飲む姿が最高に可愛いのだという。口の中に精液を出され、あげくせっかくペニスを綺麗にしていたのに、また最初からになってしまった。仕方なく再び精液を舐め取っていく。
- 「はぁ、はぁ……うぅ、くぅん……はぁ……あぁっ。終わった……と思う」
- 「ふぅぅっ……! 最高の援交だったよ……? ゆっきーの処女、確かに貰ったからね。さあ……それじゃ受け取るといい。約束のお金だ」
- 男はバッグの中にあった財布からお札を取り出し、数えてから私に手渡した。全てを終えた私に残されていたのは、充実感や達成感ではない。やっと終わってくれたという、安堵だった。
- 「どうかな、ゆっきーさえ良ければ……今後も援交したいんだけどなあ」
- 男は財布を手で叩きながらそう言ってきた。もちろん、そんなの嫌に決まっている。それに、もっと重要なことがある。私は忘れていない。スマホを指差し、写真を消すよう頼んだ。男は渋ったが、私が頑として引き下がらないと言うと写真を削除してくれた。
- 「ああ~もったいないなあ。ゆっきーの処女喪失の瞬間が……」
- 「…………お金、確かに貰ったから」
- 汚れた部分をウェットティッシュで拭き、身支度を整える。男は口の端を吊り上げ笑い、さっきの話を考えておいてくれと言う。また援交したいというのだ。私にハマっちゃいそうだ、とか何とか気持ち悪いことを付け加えるが無視する。それ以上は言葉を交わすことなく、ラブホテルの一室を後にした。誰が、こんなこと二度もするもんか。
- 「……真子、お待たせ」
- ネットカフェに戻ると、真子はまだ眠っていた。不思議そうな顔をする彼女を起こし、もう大丈夫だと告げる。ネットカフェを出て向かった先は、もちろんホストクラブ『サイオン』だ。偶然、レイドが外に出てきて私たちの顔を認めた。真子はばつが悪そうに視線を逸らしたが、私はレイドにまっすぐ歩み寄る。
- 「……はい、これ」
- 「あん……? お前、パコのツレだよな。何だこの金は?」
- 無造作に突き出された札束を受け取り、いぶかしむレイド。
- 「10万円。それで足りるはず、だよね」
- 渡したお金を数え、レイドは鼻を鳴らしている。
- 「これ以上、真子にひどいことするのは止めて」
- レイドは私の後ろにいる真子を睨み付けた。うつむいたまま何も言わない真子。レイドは札束と私を交互に見て、このお金はどうしたと尋ねた。
- 「そんなのどうだっていいでしょ」
- 「へえ……」
- ジロジロと品定めするように、私のことを見つめるレイド。
- 「手首、痕が残ってるぞ?」
- 言われて気付いた。男に拘束されたとき、どうやらアザがついてしまったらしい。
- 「ゆっきー、アザになってる……」
- 手首にうっすらと残る拘束の痕を隠し、首を振る。大したことじゃないと告げると、レイドは納得した顔で何度もうなずいた。
- 「ふぅん、そうか……なるほど、な」
- 「ゆっきー、やっぱり……そのお金って……」
- どうやらレイドと真子には勘づかれてしまったらしい。
- 「……大丈夫。こんなの、一度っきりだから」
- レイドは肩をすくめて、俺には関係ねえことだと笑う。そして真子の方を見て、来月は遅らせるなと厳しい目を向ける。真子はうつむき、分かってるとだけ答えた。何をしに店の外へ出てきたのか、レイドは札束を財布に入れると店の中に戻っていった。
- 「ふう……真子、これでもう安心だよ」
- 安堵の吐息を一つ漏らすと、振り返って真子の顔を見た。てっきり真子も安心しているのかと思ったら、彼女はまだうつむいている。どうしたのかと問いかけて驚く。真子の目から大粒の涙が溢れ、頬を伝っていたから。
- 「真子……泣いてるの?」
- 「泣いてる、よぅ……ふぇぇぇ……!」
- ぎゅっ、と強く抱きしめられ困惑した。ふるふると震え、真子は泣きじゃくる。
- 「ちょ、ちょっと、どうしたの……」
- 「どうしたじゃないよ! 全然大丈夫じゃないじゃん! 分かるもん。えんこーで稼いだんでしょ?」
- それしかなかった。私だけは、真子の前を見なかったフリして素通りしたくなかったから。涙でぐしょぐしょになった真子の顔を見て、少し笑う。
- 「マスカラ溶けて、ひどい顔だよ」
- 「あ、あうぅぅ……」
- 別にたいしたことはしていないから安心してと告げると、真子は本当に大丈夫かと心配してくれた。思い出したように写真を撮られてないかと言われたので、ちゃんと消して貰ったよと返す。ところが真子は私から離れてうつむいてしまう。
- 「……あいつ、タチ悪いよ。こっそり保管してるかも……前、隠し撮りされそうになったことあるし……」
- 「……え?」
- 嫌な予感がした。もし、あのとき。男が持っていたのとは別にカメラがあったら──。
- * * *
- 真子と別れ、家に帰ってきた。色んなことがあった。ありすぎた1日だった。
- 「はぁ……」
- 昨日と何ら変わらない私の部屋。その天井を見上げ、落ち着けないでいる。あんな名前も知らないおじさんとセックスしてしまった。写真を撮りたがる気持ち悪い男と。私は、処女を売り払ってしまったのだ。ぼんやりと天井を眺めながら、脱力感を覚えている。
- 「……気になる……」
- 男が持っていたカメラ、つまりスマホに画像が残っていないのは確認した。でも、それが全てだったとは限らない。真子の言葉が気になっていた。もしカメラが別にあったら?「あ、電話? 誰……?」
- 突然の電話に驚き、スマホに手を伸ばす。知らない番号だ。無視していれば切れると思ったが、鳴り続けている。とりあえず出てみることにした。
- 「もしもし?」
- 『あー、えーっと、ゆっきーか?』
- 相手はあのレイドだった。たしかにゆっきーだと答えると、相手は桐生レイドと名乗った、間違いない。そして彼は真子の彼氏だとも付け加えた。
- 「どうして、私の番号……」
- 『真子から聞いたんだよ。あいつに相談されて、しょうがなく……な』
- 「相談? な、何を……」
- 『援交したんだろ。隠さなくてもいい。問題は……タチ悪い奴が相手だったかどうか、って話だ』
- 「……う、うん。まあ……」
- 『シメてやろうか?』
- 意味が分からなくて聞き返す。するとレイドは、真子も写真を撮られて脅されることがあるのだと言ってきた。そういう掟破りをする奴は制裁を加えなきゃいけねえ、と。
- 『ま、一応……俺の彼女だからな。守るのは当然だろ?』
- 「で、でも一応、私の写真は消して貰ったし……」
- 『分かってねえな。そんなもの、いくらでも復元できるんだぜ。やるなら、カメラごと壊さないと意味がねえ』
- そう言われても、そんなこと知るはずもなく。レイドは真子に泣きつかれたから、俺が助けてやってもいいと言う。その為には、男の素性を教えろと付け加える。
- 「あのとき初めて会ったんだし、身元なんて……」
- 『だったらもう一度会うなりして、カバンでも漁れ。ネットに流出したら、取り返せねえ。絶対にどこかに残っちまうんだよ』
- 妙に説得力のある言葉だった。それだけに不安が募る。相手の身元が分かったら教えろと言い、レイドは電話を切った。ネットに流出してからでは遅い。その言葉に背中を押され、男の連絡先にメールした。写真を全て消してくれたのかと尋ねると、男は消し忘れが何枚かあったと言う。
- 「…………最悪……」
- 悪びれる様子もなく、男はもう一回会おうと告げてきた。俺の目の前で消した方が、確実だろうと。
- 「こいつ、もしかしたら、最初からそれ目的で……」
- 会わないとバラまくとか、言い出すかもしれない。なんとか、しなければいけない。男の要求に応え、日にちと場所を設定した。
- 「……援交なんて、もうしないって思ったのに」
- そう思ってホテルを出たのだ。それなのに、数日後にまたすることになってしまった。しかも同じ男と、だ。終わらせる為には仕方ない。今度は真子の為でなく、自分自身の為に──。
- [image file=../image/i117.jpg]
- とあるラブホテルの一室で待ち合わせた私は、約束通りの時間にやってきた。男は先に到着しており、私の姿を見て喜んだ。
- 「言われた通り、ユニフォーム持ってきたから」
- 「今日はそれでおじさんと援交しようね。さあ……早く着替えてみせて」
- 仕方なく陸上部のユニフォームに着替えようとして服を脱いで、その手を止めた。
- 「視線、すごくイヤらしいんだけど……」
- 「そりゃそうだよ。こうしてじっくり見る為に、着て貰ったんだからねえ。ゆっきーとまたセックスできるのが嬉しくて、仕事も放りだしてきたんだよ?」
- 「……はぁ」
- 脅す為に写真を撮ったり、女の身体を縛ったりするような男だ。まともな返事を求めるのが間違っているのかもしれない。ユニフォームに着替え終わると、男は舌なめずりして肌を寄せてきた。
- 「おじさんのオチンポで、また気持ち良くしてあげるからね」
- 「気持ち良くなってないからっ……」
- 男は調子に乗って、処女喪失セックスで感じていたじゃないか、とか言っている。気持ち良くなってないと冷たく言い放つと、それなら確かめてみようと男がベッドに横たわってみせる。
- 「それじゃあ、俺の顔にまたがって」
- 「またがる? それって、顔の上に乗るってこと?」
- そんな恥ずかしいことは出来ないと拒否すると、男は上半身を起こしてブルマ越しのオマンコを感じたいと強く主張した。それともいますぐハメて欲しいのかなと尋ねられ、そんなわけないと言い返す。
- 「それじゃあいいよね? さあ、おじさんの顔に乗ってごらん。ゆっきーのオマンコが感じてるって証明してあげるよ」
- 「うう……。恥ずかしくて、ほんとイヤだけど……」
- この馬鹿げた援交を終わらせる為にも、ここは男の言う通りにするしかない。諦め、ゆっくりと男の顔にお尻を乗せるよう腰を下ろしていく。
- 「おおぅ、ゆっきーの汗とオマンコの匂いっ……!」
- ブルマ越しに鼻を擦りつけられ、背筋を震わせて反応してしまった。変態、やめて、と言い放つと男が楽しそうに笑う。擦りつけているのは私の方だというのだ。
- [image file=../image/i119.jpg]
- 「だって、おじさんの顔に座ったら……体重かかっちゃうでしょ……」
- 男の顔にまたがると、自然と恥部が鼻先に食い込んでしまう。男は鼻をクンクンと言わせて匂いを嗅ぎ、聞いてもいないのにエッチな香りがすると感想を述べた。汗をかいただけだと言い返すも、男はまるで意に介していない様子だ。じっとりしていると嬉しそうに言い、ブルマ越しに秘部を舐め始めた。
- 「うぁ、舐めないで……あぅ……! ん、んんぅ……!」
- 舌に押されたブルマが秘部にめり込む。濡れた舌の感触に、腰と背筋をヒクヒク震わせてしまう。敏感だな、と喜んで言う男。すっかり感じているというのだ。首を振って否定するも、強く舌を突き込まれ背筋を反らし感じてしまう。
- 「ちょっと、舐めすぎ……だよ。そんなにねっとり……はぁぁ、くっ……うぅ」
- 「この間のお返しだよ。フェラのお礼に、オマンコを舐めてあげたいんだ」
- 「頼んでない……あっ、んあぁ、はっ……はっ! ひあぁっ……ふああぁっ……ちょ、ちょっとっ……」
- 自分でも驚くほどに声を上げ、喘いでしまっている。いやらしい声が漏れちゃってると笑われたので、そんなんじゃないと言い返す。でも激しく舌を動かし責められると、どうしても喘ぎ声が漏れてしまう。
- 「くふっ……あ、あふっ……! はふ……割れ目ダメぇ……んんっ、あうぅ……」
- そんな甘い声を漏らしておいて説得力がないと笑う男。指先が伸びてきて、割れ目をなぞられる。
- 「あ、そこはっ……!? くひぃっ……!」
- いつの間にかすっかり膨らんでしまったクリトリスに触れられ、あごを上げて上擦った声を漏らしてしまった。感じてるじゃないかと指摘され、そこは敏感なところだからしょうがないと返すと、男は嬉しそうに笑った。たくさん可愛がってやるとか言って、指でつつき始めた。
- 「あ、ああっ……つんつんするの、やめてよ……んぁ、はぁ……はぁぁっ」
- 聞こえるようにわざと鼻を鳴らし、男が匂いを嗅ぐ。どんどん匂いが濃くなっていると指摘され、身体が小刻みに震えているのを自覚した。そんなに濡れてないでしょうと言うと、男は感じてるんだろうと聞いてきた。ためらいつつも、ちょっとだけ、と返す。
- 「はぁ……ん、んんんっ? 鼻が当たってる……うぅ、ふぅぅ」
- 「素直じゃないね。ほら、これでどうだい」
- 「ひぁうっ!? うぅ、くぅっ! うぅん!」
- クリトリスを指で擦こすられ、舌先でつつかれた。ゆっきーはここが大好きなんだな、と笑って男が責め続ける。そんなことないと否定しようとしたが、言葉は途中で遮られた。クリトリスが甘噛みされたからだ。秘部から身体中に走る甘い電流に、言葉を失う。
- 「今日はね、しっかり感じてもいいんだよ。ゆっきーをイカせてあげるからね……」
- 「い、イキたくなんか……ないっ、んぁ、はぁっ……はぁぁ!」
- 言葉とは裏腹に、男の思惑通りに感じてしまっている。調子に乗って責め立てる男に言い返すのが関の山で、身体はすっかり反応しているのだ。気持ちいいだろうと聞かれ、ちょっとだけ感じてると答えた。素直になってきたから、ご褒美をあげると男は言う。指でブルマをめくり、舌先で秘部をつつかれた。
- 「ひゃんっ!? ちょ……直接、だなんて……んうぅ、ふぁぁ、あぅ!」
- 「もっともっと、オマンコを舐めて欲しいだろ? ブルマ越しじゃなく、舌を中に入れて掻き回してあげようか? それともクリトリスをしゃぶって欲しい?」
- [image file=../image/i122.jpg]
- 「はぁ、はっ……ふぅぅ。そんなこと、思ってない……ん、くぅぅぅぅっ……!?」
- セックスするのは、まだ2回目だ。それなのに、こんなに感じてしまっている自分に驚く。火照った身体で、濡れた吐息を漏らし、小刻みに身体を震わせる。顔が、頬が熱い。頭がぼーっとしている。
- 「ほら、素直に言ってごらん。オマンコはすっかり素直になってるよ? もっとほじって欲しいって、よだれを垂らしてるじゃないか」
- 自分でもハッキリ分かるくらい、秘部が濡れている。膣奥からじわじわとしみ出るそれが外に出てしまっているのだと確信した。
- 「はうぅっ!? あぁん……! う、うぅ、あ、ああぁ……! やぁぁ、はぁぁ、クリトリス……噛まないで……あぁっ。き、気持ち良く……して、欲しいの……」
- 演技だ。男を満足させる為に演じているのだ。そうじゃないとおかしい。どうしてこんなに気持ち良くなっているのか、自分でも分からない。どうでもいい援交相手の男に責められて感じてるなんて、どうにかしてる。
- 「よく言えたね……それじゃ、自分でブルマをめくるんだ」
- 「はぁ……はぅ。う、うん……はぁ、これでいいの……?」
- ブルマをめくり、秘部を露わにする。改めて見ると、すごい光景だ。ラブホテルの一室でユニフォーム姿になり、男の顔にまたがっているだなんて。とにかくいまは、男を満足させなくては。でないと、このバカげた援交をお仕舞いに出来ないのだ。
- 「ふわぁっ!? んん、くひっ……」
- 「背筋を仰け反らせて、そんなに気持ちいいのか?」
- 舌を膣内に突き込まれ掻き回されると、自分でも驚くほどいやらしい喘ぎ声が漏れてしまう。男は手応えを感じたようで、舌をより一層激しく動かしてくる。やがて舌を動かすのを止めると、喉を鳴らして笑い、愛液が溢れてくるぞと煽ってきた。気持ちいいのかと問われ、ヒクヒクと身体を震わせながらうなずく。
- 「う、うん……さっきより、ずっといいっ……! アソコに、舌食い込んで……んあぁ、掻き回されてる……はぁぁ、エッチなの溢れて……んんっ!? 止まらないよ……!」
- すっかり濡れそぼってしまった秘部。感じてないなんて、とても言えないくらい愛液が溢れてしまっている。つい数日前まで処女だったのに、どうしてこんなに気持ち良くなっているのか自分でも分からない。どうして、そう自分に問いかけるが答えはない。また、男にクリトリスを舌先でつつかれ、甘い声を上げてしまった。
- 「もっと気持ちよくして欲しいだろ?」
- 「そ、それはぁ……あ、ああぁっ……怖いよぅ……」
- このまま気持ち良くなり続けたら、どうなってしまうのか。次から次へと私の知らない私が現れ、混乱するばかりだ。男は素直になれよ、と優しく誘う。もっと気持ち良くなりたいと私が言ったら、もっと気持ち良くしてやるというのだ。答えに窮していると、男がクリトリスに吸い付いてきた。
- 「あ、あ、あぁあああっー! ま、待ってっ……!? ふあぁっ!?」
- 「ダメだよ、待たない」
- 男の口に含まれてしまったクリトリス。ざらりとした舌の腹で何度も愛撫され、目を剥いて言葉を失う。感じすぎていつの間にか流れていた涙と、よだれ。それらをぬぐうことすら忘れて、バカみたいに喘ぐ。ああ、とか、うう、とか言葉にならない声を漏らし続けることしか出来ない。
- 「あ、あうんっ……んあああぁっ!? あ、くっ……うぅん!? あ、ああぁああっ……あ、ああぁっ……はぁぁー、はぁっ、はぁ……な、何……いまの……ふぁぁ、あぁ……私、頭……真っ白に……なって……あぁ、はぁっ、はぁ」
- 「どうやら、イッちゃったみたいだね」
- その言葉にドキッとする。いつもみたいに頭が働かない。これがイクということなのか。まだ味わったことのない感覚を知らされて戸惑っている。
- 「もうすっかり、準備できたみたいだね……ふふふ。イッたばかりのオマンコを、じーっくり見てあげようか」
- 身体に力が入らない。全身が麻痺したみたいに言うことを聞かず、それでいてふわふわとして現実感がない。男に背中を押され、前屈みになる。ベッドに座り、この不思議な感覚は何なのかと困惑しているうち、男がベッドから立ち上がった。
- 「ほら、ベッドに寝て……脚をしっかり開いて……」
- なかばベッドに押し倒されるようにして、脚を開いた。真上から男に見下ろされている。こんなのおかしい。はしたない格好、知らない男とラブホテルで二人きり。何もかも、いままでの私では理解できない状態。困惑したまま、ただ熱い吐息を漏らす。
- 「ゆっきーのオマンコ、すっかり充血しちゃってるよ。もう準備OKみたいだ」
- 「うああぁっ……こんな格好、恥ずかしい……」
- 男にまじまじと秘部を見つめられ、出てきた言葉がそれだった。覆う布は何もなく、愛液まで垂らしてしまっている。
- 「そのまま脚を抱え上げて……動かずに、見せつけるんだ、いいね?」
- 「えっ、この格好のまま、じっとしろっていうの……? い、嫌だよ……恥ずかしい」
- 男は満面の笑みでうなずく。初々しくていいというのだ。何ならまた縛ってあげようか、それなら自分で抱えていなくて済むと言われ、慌てて否定する。それはもっと嫌だ。じゃあ、と覆い被さってくる男。
- 「ゆっきーのオマンコ濡れ濡れになっちゃってるし、準備OKだよ。このまま、たっ……ぷり生セックスしようね」
- そう言って膣口を指先でなぞったかと思うと、男はおもむろに指を秘部の内側に入れてきた。内側の粘膜を指でぐりぐりとほじるように掻き回され、ふっ、ふっ、と熱い吐息が漏れてしまう。とろり、と何か溢れて太ももの内側を伝う。愛液だ。膣口から漏れた愛液の多さに、自分でも驚く。
- 「お漏らししたみたいになっちゃってるな?」
- 「見ないで……あぁ、指でっ……か、掻き回しちゃダメぇ……はっ、はぁぁ……!」
- 真上から男が顔を覗き込んでくる。私にどうして欲しいか言ってみろというのだ。また言わせる気か。この男はこれが好きなのだ、と理解した。そう、つまり言わなければ男は満足しない。
- 「はっはっ……あ、あぁ、濡れてるアソコにっ……その、入れて下さい……」
- [image file=../image/i127.jpg]
- 「そんなんじゃダメ。全然エロくないよ」
- 私なりに頑張ったのに、男は全く納得してくれない。もっといやらしい言葉で誘え、と命令してクリトリスをつまんできた。ピクン、と身体が跳ねる。上擦った声が漏れて、ますます息遣いが荒くなる。
- 「はぅぅ……お、オマンコに……おっきいの、欲しい……生のオチンポ、思いきり突っ込んで……か、掻き回してっ……!」
- 「いいよ、ゆっきー。すっかり素直になったね……?」
- 満足そうに低い声で笑う男。秘部の入り口を執拗に指の腹で擦りたてられ、小刻みに身体を震わせて喘いでしまう。
- 「イッたばかりだから、敏感になってるな。ほら……どろっと濁った愛液、溢れてきたぞ……? 男を知ったばかりの身体で、欲しがってるんだね」
- 「そ、そうだよ……オチンポ、欲しがってる……の、はっ、はぁぁ! オマンコに入れてっ……か、感じさせて……欲しいの……!」
- 膣内の粘膜を、淫唇を、クリトリスを巧みに指で弄ばれ、自分でも驚くほどにいやらしい言葉で誘ってしまった。違う、これは演技なんだから。こうしないと援交を終わらせられない、そうだよね。自分に言い聞かせるも、身体の芯から走る電流に自戒の言葉が掻き消えてしまいそうだ。
- 「じゃあ、どうせならさ……中出しまで経験しちゃおっか」
- 「はぁぁっ、はっ……なかだ……え? だ……ダメ! それだけは……あぁ、妊娠、しちゃう……からっ、んぁ、うぅ!? そ、そこっ……奥を擦られるの、弱い……あ、あぁっ……外出しでお願い……んうぅ、あっ! あぁ!」
- 聞き流しそうになって、全力で否定する。男は中出しされた方が気持ちいいぞ、と誘いながら、いっそう激しく膣内を指で掻き回す。ひだを指の腹で執拗に擦られ、声までもが震えてしまう。男は諦めずに、体験してみれば考え方も変わるとか言っている。
- 「だ、ダメ……だから……はぁ、はぁっ! そこは、譲れないもん……うぅ!?」
- 「そうかあ、ダメかあ、残念だなあ……でもさ? ゆっきーのオマンコ、さっきからきゅうきゅう締め付けてきてるよ……? 俺の指、そんなに気に入ったの?」
- 男に言われて、膣口が狭まり締め付けているのを自覚した。そんなにまじまじと秘部が動くのを見つめるのは初めてで、驚いて目をみはる。と、男が指先を割れ目から抜き、おもむろにクリトリスをつまむ。
- 「んうぅ!? あぁっ!? はふ、はうぅ! んあぁ、あ、ああぁっ……!? またっ、また来る……ひはぁ! オマンコ、熱いようっ……と、溶けるっ……!」
- 身体の芯から流れてくる電流のような快感。その勢いが増し、津波のようになって理性を押し流す。目を閉じ、身を強張らせてその瞬間に備えた。
- 「ほらほら、イッちゃいなよ。もう我慢できないんだろう?」
- 「んぁ、あーっ! あぁぁ!? やだぁ! また来るっ……イッちゃ……あうぅ!? あ、あぁああっー! い、イクぅ……!!」
- 頭の芯がとろけるようなその感覚に酔いしれ、言葉を忘れ、ただ荒く息をするだけ。男は笑って、こっちがガマン出来なくなってきたと股間をまさぐる。気付けばもう、ペニスが、亀頭が膣口にあてがわれていた。
- 「ゆっきー、それじゃあいくからな……?」
- 「ひ、ああぁーっ!? くぁっ……ふぅぅ! は、入ってぇ……! あ、あぁ……太い、けどっ……ん、んふうぅぅっ!?」
- 挿入されてくる太くて熱い肉の感触に言葉を失う。柔らかいひだを擦りたてながら奥へ奥へと入ってくるそれに負けまいと、目を閉じ力を込めて待つ。
- 「すっごい……締め付け、あぁ、はぁっ……ん? ゆっきー、どうした?」
- 「ふあぁ、はぁぁ、その……痛くないから……あぁ、はぁっ」
- これだけ濡れているんだから当たり前だと男は言う。違う、私が言いたいのはそういうことじゃない。前回は処女だったから、初めてだったから膜が破られて痛かったんだ。数日前に処女でなくなったというのに、2回目でそれを実感するなんて。
- 「あ……あああ、あぁっ……オマンコの奥まで、来ちゃってる……!」
- [image file=../image/i131.jpg]
- 「ずぶずぶオチンポ咥え込んで、ほぉら……奥に当たっちゃうよ? オマンコが濡れてイッて、すっかり素直になっちゃったね……お、おぉう、締まるっ!」
- ペニスの根元が膣口に触れるほど突き込まれ、亀頭が奥の奥に当たった。私の知らない快感が身体の芯で渦を巻いて生まれたかと思うと、波になって全身を駆け抜ける。
- 「ここを突かれると、堪たまらないだろ? どうなんだ。さあ……ほら、子宮を突き上げると、オマンコがきゅっきゅ締め付けてきて……搾り取られそうだよ」
- 子宮。そうか、私は子宮を突き上げられていたんだ。でも、そんなのどうだっていい。理屈とか、どうだっていいと思えるくらい気持ち良くて、脚を抱え上げる手にも力が入ってしまう。シーツに頭を押しつけたまま何度も頭を振り、甘い吐息を漏らす。援交して初のセックス、拘束されて処女を奪われたときより全然違う快感。
- 「んあぁ、奥やめてぇ……! いひぃ……そこっ、ダメ……んあぁ!?」
- 「オマンコ肉が、ぎゅうぎゅう絡み付いてきてるぞっ……うぉぉ! ゆっきーのオマンコ最高だ……くぅぅ、腰が止まらないっ……」
- 男は口からよだれすら垂らしながら、がつがつと腰を振り立てる。亀頭が膣の外へ出てしまうのではないかと思うほど引き、一気に膣奥へと突き込んできた。子宮を突き上げられ、一瞬頭が真っ白になる。絶頂にも似た甘い快感が駆け抜け、ただただ身悶えるしか出来ない。
- 「奥が弱いんだな? 突いたらキュッと締まるよ……おお、さ、最高だ、気持ち良すぎる……さあ、もっと激しくいくぞ……!」
- 「あふぁ、ガツガツって突くのダメぇ……弱いところ狙うなんて、ひ、卑怯者ぉ……っ! ふぁ、ああー……!? あふぅ、ふぅぅん……! くぅぅん!? んあっ、あっあぁぁ、あーー!! んあぁ! 激しすぎっ! ひぃ、ひぃぃんっ……!?」
- あごを上げて天を仰ぎ、濡れた吐息を小刻みに漏らす。膣内の柔ひだを熱くて硬いペニスで擦りたてられ、亀頭で子宮を突かれている。気持ちいい。ううん、気持ちいいなんてものじゃない。私の知らなかった快感。子宮を突き上げられるたびにそれがやってきて、何もかもどうでも良くなってしまいそう。怖い。このままいったら、どうなってしまうの。
- 「はぁ! はぁっ! うぅ!? うおおぉおっ!? ゆっきー、ちょっと締めすぎ!! もうもたない……! お、おおお……っ!?」
- 「ああっ! 何……もたないって、え? ええっ!? 嘘でしょ? やだ、やだっ……ダメ、そんな! ああぁあ~~~っ……!?」
- 熱いものが、ごぽっ、ごぽっ、と音を立てて体内に溢れ出す。勢い良く、子宮を叩くように噴出するそれが何なのか私は知っている。
- 「は、はぁああっ……ご、ごめんよ……」
- 「そ、そんな……ああっ、嘘……嘘だって言って……」
- [image file=../image/i134-135.jpg]
- 精液を膣内に射精されてしまった。
- 「どうしよう……! あれだけダメって言ったのに中出しするなんて、ひどい……!」
- 妊娠してしまう。その事実に頭が凍り付く。
- 「はぁ、あぁっごめんね、ごめんね……でも、アフターピルがあるからさ。セックスの後で飲めば、妊娠することはないから……はぁぁ、はっ」
- 「え…………? 本当? 本当の……本当に?」
- 本当と聞くたびに、男は嘘じゃない本当だよと答えた。おじさん持ってるから、妊娠しない、絶対に大丈夫だと何度も何度も言った。
- 「んふぅ!? あっ、やぁぁん! 何? またオチンポ動い……てるっ」
- 硬いままのペニスが再び子宮を突き上げ、驚いて声を上げた。恐怖と不安で凍り付いた理性が、消し飛んでしまう。
- 「ゆっきーのオマンコが気持ちよすぎるんだよ、1発出したぐらいじゃ、全然萎えない……う、うぅ!?」
- 男は弓なりに仰け反って悶え、快感に身を震わせた。再び膣内を掻き回され、出されたばかりの精液が外に掻き出される。愛液だけでなく精液ですべりも良くなった肉壁を擦られ、身を強張らせて悶え、喘ぐ。
- 「大丈夫だから、妊娠しないから……お、おおっ……!」
- 「ひゃあぅ、うぅぅっ……!? ふあああぁああっあはぁぁ……!? ダメっ……! やぁああっ……らめ、らめらめっ……!!」
- 目を大きく見開き、言い知れぬ快感の奔流に流されまいとこらえる。男は私を感じさせてやらないと、とか言ってますます激しく腰を振る。
- 「中出し精液、擦り付けないでぇ……」
- 「それが気持ちいいんだろ? ほら、また締まったぞ……!」
- 身体の内側から響く淫靡な水音。愛液と精液が混ざり合い、ペニスが掻き分けて奏でるいやらしい音。その音を掻き消そうとするかのように、喘いでいく。
- 「はぁ、はふっ、んん! ひぅっ!? うううっ……! ああぁあっ!? あ、あぁああっ……! あ、ああぁっ……変なの来ちゃう、こっ、こんなの……!?」
- 「はぅ、はぁぁ! イキそうなのか? はぁっ、イキそうなんだな?」
- 快感の激流に理性が押し流されそうで、目をつむって天を仰ぐ。来る。何か、味わったことのない何かが来てしまう。
- 「分っかんないよぉ……で、でもぉ……さっきより、もっと……気持ちいいっ! あああぁあっ……!? あ、あぁあっ! や、ヤバいよっ……このままじゃ……!?」
- 男は腰の動きを緩めた。何ごとかと目を開けると、男が顔を覗き込んできた。子宮を突き上げられ、開いた口から舌を突き出したまま、上擦った声で喘ぐ。何度も何度も子宮を突かれ、また昂ぶってしまう。
- 「ほら、はぁぁ、ちゃんとイきたいなら……はぁっ、おねだりするんだよ。はぁ、もう中出しちゃったんだし……いまは、全部認めて……はぁぁ、楽しむんだ」
- 言われたように簡単に頭を切り換えられるわけがない。またもや男は腰の動きを緩めた。私が言うまで、続ける気なのか。
- 「あぁ、ふうぅっ……いま、だけっ……特別だからねっ……? 本当はダメだけど……はっ、はぁぁ、今日だけ……だからね? あ……え、えっと……欲しい。はうぅぅっ!」
- 子宮を突き上げられ、身悶える。もっと大きな声でハッキリ言えと催促された。
- 「はぁ……はっ、欲しい……気持ちよく、なりたいっ……おっきなオチンポで、私のオマンコ掻き回して……さ、最後までして……イカせて、くだ……さいっ……! あ、あああっ!? あひぃぃっ!? くうぅん! す、すごいぃっ!!」
- ペニスで膣内を掻き回され、淫らな水音が室内に響き渡る。柔ひだを擦りあげられ、子宮を突き上げられ、快感に身悶え、喘ぎ、考える間もなくまた子宮を突かれ理性が吹き飛んでしまう。いままで味わった快感の限度を、軽く飛び越えていく。
- 「はっ激しいぃ……! 壊れるぐらい突かれてぇっ……!? あふぅ……ふぁ、あ、あぁ、ああっ!? あ、あぁああっ……!!」
- 「一緒にイクよ……! もう1回、中出しするから……! いいね……!?」
- 「う、うんっ……特別ぅ、今日だけ、だからっ……! 中出ししていいから、イカせて欲しいの……! あぁっ!? あ、ああぁあああーっ!?」
- 自分が出した声すら遠く聞こえるほどに、意識が遠のいていく。頭が、真っ白になる。
- 「うおおおっ!! イク! また、中に出しちゃうよ……!!」
- 「ひあぁ……来るぅ!! 熱い精液、また来ちゃうぅっ! くぁぁ! んあぁ! はぁ、はぁ! ふあぁあんっ!?」
- 膣内でペニスが大きく震えた。
- 「で、出るぅぅぅっ……!!」
- 「あぁ……あああ、んあぁああーーっ!? い、イクうぅっぅううううううっ……!!」
- 熱い飛沫が、また子宮を叩いた。その熱さが頭の芯まで届いて、理性すら溶かされるような感覚を覚えた。喘いで開きっぱなしの口から舌を突き出し、よだれを垂らし、焦点の定まらない目で天井を見る。
- 「ああぁ……また、出されちゃった……はぁ、ふぁぁ……どくっどくって……出てるぅ……あふぅぅ、私……2回も、中出し……されちゃった……は、はうぅ……」
- 「はぁ! はぁぁ! 一緒にイくのは……最高の気分だよね? ふぅ、ふっ、ゆっきーの顔も、とろけちゃってるよ?」
- たちまち膣内に満ちては、膣口から溢れていく白濁液。男のにやけた顔を見て、視線を外す。そんなこと知らないと言い返し、絶頂の余韻に浸る。
- 「それなら、仕上げにもう1発……!」
- 男が腰を立てる。抜かずに入ったままのペニスが硬くなっていく。
- 「えっ……? あ、う、うんっ……い、イキたい。もう1回……イカせて……! き、気持ちいいの……もっと欲しいよ……ふあぁっ!? オチンポ硬いよぉ……!」
- 私、何を言ってるんだろう。残った理性がそうつぶやいたけれど、快感に流されてどうでも良くなってしまう。
- [image file=../image/i140-141.jpg]
- 「掻き回してぇ……! だらしないオマンコに、また精液っいぃっぱい注いで……!」
- 「も、もちろんだよ……! ふぅ、うおぉ!? 吸い上げられるっ……!!」
- 自らも腰を振って、男と共に絶頂へとかけのぼっていく。頭が、真っ白に──。
- 「あ、あぁぁ!? イクっ……!? 私……またイッちゃう……!?」
- 「また一緒にイこうね……! さあ、おじさんと一緒に……うぉぉ!?」
- 「う、うんっ、嬉しいっ……一緒にイクの、気持ちいい……からっ! ふぁああ! あーっ!? 来る……くるくるくるぅっ……来ちゃううぅ!? あ、あひぃ……ふあああぁあっ……イッくううぅぅうーっ!? はぁー、はぁぁ……ああぁ……3回目……んんぅ」
- 身体中の力を解き放って、ただ注がれる精液の熱さを感じる。どくん、どくんと音を立てて満ちてくるそれが子宮を満たす感覚に、酔いしれて言葉を失いただ呼吸するだけ。
- 「ふおぉっ、搾り取られる……! たっぷり種付けしたぞ、マジで妊娠するかも……」
- その言葉にハッとなり、脱力した身体でかろうじて嫌だと首を振る。すると男はペニスを抜き、カバンの方へ歩いていった。驚いて抱え上げていた手を下ろし、上半身を起こし男の方を見る。すると男はカバンから何かを取り出し、私の方へ差し出してくる。男が手にしているのが、アフターピルという薬らしい。受け取ろうと手を差し出すと、男は笑って手を引っ込めた。何をするのかと怒ると、再び仰向けになれと言う。何をするのかと尋ねながら仰向けになると、まだ屹立したままのペニスに薬をのせて、私の方へ向けてきた。
- 「ここに置いてあるから、ちゃんと飲むんだぞ?」
- 「あ、ああぁ……そんなぁ……そんなところに置かれたら、オチンポ舐めるしかない……じゃない」
- 「そうだよ? だから……お掃除しながら、ごっくんするんだ」
- 選択肢はなかった。男はペニスを私の口元に近づけてくる。唇に亀頭が触れると、薬を求めて舌を動かす。
- 「んむぅ……ちゅる、はう、ちゅむっ……! 精液、苦いよ……お薬、どこ……? ちゅるる! はぁぁ、ちゃんと飲まないと……ん、ちゅっ……ちゅぱ……!」
- 「しっかり舌を出してしゃぶるんだ。万が一、妊娠したら困るからね?」
- 言われるまでもなく、肉棒の上に乗せられた薬を探す。何の変哲もない錠剤型のそれを見つけ、口に含んだ。精液まみれになっていたけど、迷うことなく薬を飲み込む。そして、男に言われるまま肉棒に付いていた精液を舐め取り、綺麗にした。
- 「ふふふ……うっとりしてるね。中出しセックスはどうだったかな……?」
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- 「あ、ふぁぁっ……その、とっても……気持ちよかった。オマンコ、全部楽しんで……気持ちよくしてくれて……えっと、嬉しかったよ……ありがと……」
- 何を言ってるんだろう。男に感謝する筋合いなんてないのに。不思議だ。自分で自分が分からない。
- 満足した男は、上機嫌でシャワーを勧めてきた。先にどうぞと譲ると、男はシャワールームに入っていった。いまのうちだ。男の身元を確かめなくては。そう思い立ち上がると、膣内に注ぎ込まれた精液が溢れてきた。下着に染みこむ感触に、身を震わせる。男がシャワールームから出てくる様子がないのを確認して、カバンをまさぐる。そうしてようやく、名刺入れの中から1枚の名刺を抜き取った。
- 「……はぁ…………」
- 私、なにやってるんだろう。冷静になると、すごいことをしてしまった。思い出すだけで赤面するようなことを。必要に迫られてやったのだ。援交なんて、もうしない──。
- * * *
- 男の名刺をレイドに渡してから、3日が経っていた。渋谷の路上、クラブ『サイオン』近くの路上に私は立っていた。
- 「よぉ、待たせたな」
- 「……どうも」
- 感謝しろよと言い、レイドは封筒を差し出してきた。これは何だと尋ねると、開けてみろと言う。中には小さなメモリーカードが何枚も入っていた。
- 「家にあったメモリーカードは、全部かっさらってきた。散々ビビらしてやったからな、さすがにもう隠してねーだろ」
- 「そ、そう……なんだ。そ、その……ありがと」
- うつむいたまま、小さな声で言った。視線を感じて顔を上げると、レイドは怪訝そうな顔でこちらを見つめている。手にしていたタバコを足元に落とし、靴で踏みつぶす。見かけによらないな、と言われ何のことか分からず首を傾げた。
- 「……中出しまで、させるなんてな」
- 「なっ……み、見たの?」
- 「中身が目的のメモリーカードでなかったらどうする。確認しないとな……ふっ、ふふ。ウリ始めたばっかりだってのに、女は怖えーな」
- タバコのケースから新しいのを1本取り出して火を点けると、深く吸い込んでレイドは笑った。嘲笑されたのだと分かり、思わず顔を歪める。レイドは私の方にタバコを向け、薬を信用しすぎるなと付け加えた。
- 「薬って、アフターピルのこと?」
- 「100%効くわけじゃねーからな」
- 「せ……生理は、来たから。大丈夫……」
- 「そっか? なら……良かったじゃねーか」
- レイドは振り返り、店の方へ戻っていった。
- 「……ゆっきー」
- 後ろから声をかけられ、振り返る。そこには真子が立っていた。
- 「大丈夫……だった?」
- 「うん……」
- 真子が心配そうな顔をしているので、気付いた。
- 「もしかして……あいつから何か聞いた?」
- 「う、うん……ちょっとだけ。ねぇ、何があったの……? レイドくん、あんま教えてくれないし……」
- それは、と言い淀む。真子を助ける為に、また援交したのか気にしているようだ。そうじゃないと首を振ってみせる。気にしなくていい、と。
- 「そんなことっ……! だって、前のお金も……そーだったんでしょ?」
- 真っ直ぐ見つめてくる真子の顔を、まともに見ることが出来ない。視線を外したまま、真子のせいじゃないと告げる。でも、と口にして目を泳がせる真子。
- 「最初は、真子にお願いされて、ちょっと驚いたけど……。本当は、興味があったから……援交しただけ。ベッドで寝ているだけで、びっくりするくらいお金くれるし。色々あって、私も……お小遣いが欲しかったから。ね、援交する理由……真子と一緒でしょ?」
- 「ほんとー? それなら……いいんだけど……」
- まだ疑ってはいるものの、真子は少し安心したようだ。首を振って心配しないでいいと言うと、真子はうなずいて私を信じると言った。
- 「えへへ、ゆっきーはほんと優しいね」
- 「どういう意味?」
- 足元に視線を落とし、何となく、と答える真子。何となく、か。
- 「ねえ、だったらさ…また一緒に、えんこーしようよ」
- 「……え?」
- 予想もしていなかった誘いに、どう返答したものか分からない。
- 「今度はちゃんと、まともな人連れてくるから。お金もいっぱいくれるしー、優しいよ? ゆっきーと一緒だったら、いっぱいお客がつくからー」
- 笑顔で勧める真子。良かれと思って言っているのだろう。返答しかねていると、真子は表情を曇らせた。もしかして嫌だったりするのかな、と心配そうに言う。
- 「……そんなことないって、言ったでしょ。あと1回ぐらい援交しても、一緒だし」
- 「あ、じゃあじゃあ……! 連絡しておくね……! えへへぇ、ありがとうゆっきー……大好きっ!」
- 終わらせることも出来た。援交なんてバカなこと、続けてたっていいことあるはずない。と、思う。でも、お金は必要だ。真子は借金を返済し終えてない。レイドは言った。来月は遅らせるなって。真子だけで借金を返せるのか。分からない。私は、私だけは真子を見捨てたりしないって決めたのだから。どうせ処女じゃなくなったいまの私なら、もう少しだけ援交を続けたって、何てことないんだ。
- * * *
- 「ゆっきーは現役JKって聞いたけど、本当?」
- ペニスを舐めながら、上目遣いで男の目を見る。期待に満ちたその眼差しを。舌を動かしながらうなずくと、ペニスがピクピクと跳ねた。
- 「いいねぇ、リアルJKと援交なんて、最高だよ……!」
- 数日後。真子から連絡が来て、また援交をすることになった。もちろん以前とは違う客の男だ。ラブホテルで待ち合わせ、二人で相手する。最初にそうしたように、男のペニスを二人で舐め、しゃぶっているのだ。
- 「えー、わたしだって同い年だよ? はぁむっ、んちゅる……」
- 真子と一緒にペニスをしゃぶる。なんでも3Pを望む男は多いらしい。
- 「パコちゃんは相変わらずバカだな~。現役とそれ以外ってのはさ、生とゴムくらいに差があるんだよ」
- 大した違いがあるとは思えない。通っているかどうか、それだけの差だ。男は現役にこだわっているようだが、Wフェラを受けて満足げだ。
- 「ゆっきーは、やっぱり学校に本命……彼氏がいるのかい?」
- 「んん、彼氏とかは……いない。ちゅむ、はぁ……んちゅっ……」
- 男は笑って、授業中もフェラチオしてるんじゃないかとはやし立てる。意味が分からない。してないと答えて、ペニスに吸い付いてやった。
- 「んおっ! これは言い過ぎたか、やり返されてしまったね……」
- 変だ。ついこないだまで、援交なんて遠い世界の出来事だと思っていた。真子の為に援交したとはいえ、事態に順応するのが早すぎるのではないか。勃起したペニスを生で見ることすらなかった私が、こうやって舌を這わせて男を気持ち良くさせている。臭くて咥えるなんてムリと思っていたのに、いまではすっかり慣れてしまった。
- 「おほ、裏筋いいよぉ……! このテクニック、やっぱり遊んでるんだね……?」
- 「じゅむ……ちゅる、んふぅ……意味が分からないよ……!」
- そんなに経験ないし、と言い返して尿道を指でぐりぐりとほじってやる。男は気持ち良さそうに仰け反って悶えた。慣れたせいで、どこを刺激すれば気持ち良くさせられるのか分かってしまった。
- 「はむっ……じゅる、じゅるる……! んみゅっ、んふぅ……熱くなってきたよ? ちゅば、ちゅるる……ちゅむ!」
- 「はぁ、はぁ……とても情熱的な舌使いだよ、ゆっきー……!」
- 恍惚とした顔の男を見て、笑みがこぼれた。と、真子の視線に気付いて横を見る。なんと真子まで私のフェラチオが上手いと褒めたのだ。コツを掴めば簡単だよ、と答えながら、やってみせる。照れ隠しに、亀頭を咥え込んでいく。
- 「やっぱり頭が良い子は、フェラを覚えるのも早いんだよ。それに比べて……中退のパコちゃんはいまいちかなぁ?」
- 「あー、ひっどーい! わたし、まだまだ本気じゃないもん。はむ……んっ、じゅむ、ちゅるる……ちゅぱっ!」
- 頬を膨らませて、真子はペニスをしっかりと咥え込む。男が身を仰け反らせて喘ぐ。気を良くした真子が、ますます激しく咥え込み、舌で刺激していく。いやらしい水音を立てて吸い付く真子にペースを握られたままの男。
- 「ちゅむむ、ちゅぱぁ……んふ。ねえ、ゆっきーとどっちが気持ちいーい?」
- 「それは、もちろん……はぁ、はっ、パコちゃんだよ」
- 真子が私を見て悪戯っぽく笑った。もっと奥までやってあげると宣言し、根元まで口の中に入れようとするかのようにペニスを咥え込んでいく。
- 「はぁ! はぁっ! パコちゃんのお口……最高だよ」
- 「わたしだって、ちゃんと出来るんだよ?」
- 男は肩で息をしながら真子に謝罪し、もっと吸ってくれと告げる。真子はうなずいて、亀頭が喉に届くのではないかと思うほどに咥え込む。激しくペニスを吸い立てられ、快感に酔いしれる男。それを横目で眺め、生唾を飲み込んだ。美味しそうに頬張る真子の顔は妖艶で、女の私から見ても、とてもいやらしい。私ももっと頑張った方がいいのだろうか、なんて考えてしまう。
- 「あ、あの……私のお口も楽しんで……?」
- 「もちろん構わないとも! さぁ、早く……」
- タイミングよくペニスを離してくれる真子。亀頭を咥え込み、真子がやっていたように喉の方まで舌で運んでいく。
- 「はぁ、ちゅむむっ……! んん、んうぅ、ちゅるるっ! じゅむ! んふぅ、んみゅ、じゅぷぷぷ……んんっ? んぅぅ!? けふぉ!! えほぉ! はぁ! はっ……あぁ、ごめんなさい、むせちゃって……」
- 一気に咥え込もうとして、むせてペニスを吐き出してしまった。男は力を入れすぎだと言う。もう一度、と思いペニスに吸い付くが、真子のようには上手く咥えられない。
- 「ゆっきー、ムリしちゃダメだよ。ほら、代わってー?」
- 「んん、ごめん。はぁっ、はぁ、ふぅぅ……」
- 任せておいて、とウインクすると真子は口を大きく開けて亀頭にしゃぶりついた。そのまま、柔らかそうな頬をすぼませ、ペニスをねぶっていく。男は感極まった声を上げ、真子の口が最高だと褒める。それを聞くと、やはり私はまだまだなのかと思う。
- 「も、もう限界だっ……パコちゃん、出ちゃうよ……!」
- 「ぢゅむむっ……いっぱい、出して……じゅるる! お客さんの精液、ぜーんぶごっくんするから……あんみゅぅぅっ!!」
- 直後、感極まった声と共に男が弓なりに身を反らした。男のペニスが震え、真子が目をみはる。射精したのだ、と直感した。男は肩で息をしながら、真子にすっかり弄ばれてしまったと苦笑いしている。そして私の方を見下ろし、私の奉仕も悪くなかったけど、まだまだ経験が足りないと肩をすくめた。
- 「う……ごめんなさい」
- 「あは……んみゅ……お客さんのせーえき、おいひぃーっ……んじゅるっ……ん、ごくんっ……じゅむ、ちゅむ……はぁ、ふぅぅ……」
- 精液を全て飲み込んだらしい真子は、一息ついて男の顔を見上げた。男は口の端を吊り上げて笑うと、次は下の口を味わいたいと言ってきた。
- 「じゃあじゃあっ、わたしはね……いっぱい褒めてくれたしー。今日は特別、ゴムなしでもいいかなぁー」
- 「何っ、本当かい? これはたっぷり可愛がらなくちゃな……」
- 見る見るうちに、いま射精したばかりのペニスが屹立していく。真子は笑って私を見ると、自分が相手をするから休んでていいと言う。最初の援交だったら、喜んで任せたところだろう。けど、何だかこれじゃいけない気がする。
- 「え、で、でも……私も、その……もっと頑張って、気持ちよくさせないと……」
- 「でも、ゴムなしじゃエッチ出来ないでしょ?」
- 何気ない一言だったのだと思う。別の客とゴムなしでセックスしてしまった経験からか、生ですることに抵抗が薄れてしまった。
- 「うん? もしかして……ゆっきーも生ハメOKなのかい?」
- 「そ、それは……初めてじゃ、ないけど……」
- 男は鼻息を荒くして、それなら二人とも生でしていいんだね、と興奮している。真子は心配そうに横で本当に大丈夫かと声をかけてくれた。私は男を見上げ、中出しはやめてね、と釘を刺す。もちろんだと男は笑った。すっかり上機嫌だ。
- 「いやぁ、今日は最高の日だな! 現役JKと生セックス出来るとは」
- 期待に満ちた眼差しで見つめられ、戸惑いつつも楽しんでと答えた。真子は元気よくアピールしている。男は一緒に可愛がってやると笑い、並んで座るよう言った。ベッドの上に座り、脚を開いてみせる。すると、早速男は色めき立って、ペニスを突きつけてきた。
- [image file=../image/i154-155.jpg]
- 「よぅし、まずは……パコちゃんのオマンコを味わうか」
- 屹立しきったペニスの根元を持ち、亀頭を真子の膣口へとあてがう男。
- 「んはぁぁっ!? ふあぁ、ずぷずぷって……は、入って来るぅーっ!」
- 「何だこの淫乱マンコは? すっかり濡れそぼってるじゃないか」
- 一息でペニスを根元まで挿入されて、真子が身を震わせた。横から見ても、真子の秘部は愛液まみれになっていたから入りやすかったのだろう。物欲しそうに舌を出し、心地良さそうに喘ぐ。
- 「たくましいオチンポ……しゃぶってたときから、はぁ、んぁぁ! この太いの……んんっ!? おまんこに欲しーなって思ってたのっ……! もう、興奮しちゃって……あっ、あぁん……! メチャクチャされたくって……!」
- 望み通り掻き回してあげるよ、と色めき立って腰を激しく前後させる男。そのたびに真子の白くて大きな乳房がぷるん、ぷるんと震える。
- 「あ、ああぁっー! あ、あぁーっ! あひぃっ!? がつん、がつんってハメられるの、だーい好き……あぅぅ!? おっきなオチンポ……いっぱい抱きしめるからね♪」
- 激しく責め立てられる真子の様子を横から見て、圧倒される。私が真横にいるというのに、それを忘れているかのようだ。その淫靡な光景を、ただ言葉を忘れてしばらく眺めていた。しかし膣内からじわりじわりとしみ出す愛液の感触で、我に返る。
- 「……え、えっと。あの……わ、私も……オチンポ、欲しい……よ」
- 「ははは! オチンポの取り合いとは浅ましい限りだね……? もちろん、ゆっきーにもたっぷりとあげようじゃないか……」
- 荒く息をつきながら、腰を引く男。真子の秘部からペニスが抜かれ、真子が弾かれたように反応する。もっと欲しいと言う真子に、男はすぐにあげるから待つように告げた。愛液まみれの亀頭が私の膣口にあてがわれる。男は私の太ももを掴み、腰を押し進めた。
- 「うぁっ……んあぁああ!! は、入ってくるぅ……!」
- 「くっ、なかなかキツいオマンコだな……これは。ん? あまり濡れてないねぇ……もしかして、痛いんじゃないかい?」
- まだ数回しか経験がない私のそこは狭いままだ。それに、どうしても挿入の瞬間は身体を強張らせてしまう。だからきつく締まって、男のペニスが奥まで届かなくても当然なのだ。と、頭では分かっている。でも──。
- 「痛くないよ、はぁ、あぁっ、平気だからっ……んぁ、すべりが悪くて……ごめんなさい。んぁ!? まだ、経験が浅いっ……初心者オマンコだから……う、うぅん……! はぅ、はぁぁ、でも……激しく責めてくれたら……きっと馴染むから……!」
- 「不慣れなオマンコなのに、何て健気なんだ……! それじゃあ、じっくり開発してあげるとするか……ふふふ」
- [image file=../image/i158.jpg]
- おねだりすると、男はペニスを深く突き込んできた。狭い膣壁が押し広げられる感触に身悶え、熱い吐息を漏らす。
- 「はぁぁ……おっきなオチンポに奥の方、狙われてる……!」
- 「そうだよ? ゆっきーのオマンコ、征服してやろうと思ってね」
- 男の目を見てうなずき、根元まで入れて欲しいとお願いする。乱暴に突かれ、何度も頭を振って喘ぐ。次第に馴染み、ペニスの根元が膣口に触れんばかりに接近する。
- 「あふぅっ……!? く、くうぅぅんっ……! あ、ああぁあっ!」
- 「全部入ったよ、ゆっきーの中っ……」
- 亀頭に子宮を突き上げられる感覚に、身体の芯まで痺れ言葉を失った。じわりにじんだ歓喜の涙を浮かべ、嬉しいと告げると、男は膣内がほぐれてきたと喜んだ。いっそう激しく腰を振り立てられ、天を仰いで悶える。
- 「あはぁぁ、はぅ、はぁぁ、奥ぅ……ぐりっ、てほじられてるぅ……!?」
- 「くぅ! 搾り取るような、良い締まりだ。パコちゃんと違って、握り締めてくるね」
- 膣奥で気持ち良さそうにビクビクと震えるペニス。締め付けで感じてくれているのが、身体越しに伝わってくる。と、真横で私の方を見ていた真子が頬を膨らませた。ゆっきーばかりずるい、わたしにも欲しいとおねだりする。
- 「はっは、パコちゃんも貪欲だなぁ……いいよ。もちろんあげようじゃないか」
- 男が腰を引き、ペニスが抜けた。不思議だ。セックスなんてつい先日まで経験のなかった私が、いまは援交相手のペニスを別れがたく見つめている。男は、すぐにまたハメてあげると笑った。心のどこかを見透かされた気がして、視線を外し欲しがってなんかいない、と小さくこぼす。真子が笑顔で私に謝り、脚を広げてみせた。
- 「えへへぇ……あん、入ってくる……あ、あぁっ!? き、来たぁ……ずぷずぷって入って来ちゃうよぉ……はぁ、はっ、おっきいぃ……」
- 「はあ、あぁ、パコちゃんのオマンコは、すっかりとろけてるね……!」
- またもや真子の秘部は、ペニスを簡単に深く咥え込んでしまった。そんな真子の顔を横から見ていて、ドキリとさせられた。真子は気付いているのだろうか。時折、とても大人びた妖艶な表情を見せるのだ。濡れやすいから、ベッドがぬるぬるになるくらい汚しちゃうんだ、と笑顔を見せる真子。長いまつげを揺らし、ペロリと舌なめずりする。
- 「あ、くぅぅっ! んくふぅ……! ごりごりって来るの、しゅごいっ……!」
- 「愛液、飛び散ってるぞ……くぅぅ、はぁぁ! 可愛いやつめ……!」
- 真子は男の両肩を掴み、自分に引き寄せるようにしてペニスを咥え込む。男が気持ち良さそうに突き込むのに合わせ、好き、大好きとペニスを褒めて喜ぶのだ。そのとろけそうな顔を見ていると、自分の役目を忘れてしまう。
- 「ほら、ゆっきーも……はぁっ、はぁ、オチンポ欲しかったらおねだりしないと」
- いざ自分の口で求めろと言われると、ドギマギしてしまう。真子の姿を見ていると、私もこんないやらしい姿を晒しているのだと自覚してしまうからだ。何とか絞り出すようにして、小さい声でおねだりしてみた。しかし、男はよく聞こえないと首を傾げる。
- 「そ、そのっ……オマンコの締まりでは、負けないからぁ……。えっと、太いオチンポで、もっと感じれるよう……しつけて欲しいよぉ……」
- 「じゃあ、手取り足取り教えてあげようか……」
- 「んあぁ、待ってよー! わたし、もうすぐイキそうなのにー! ねぇ、トロトロオマンコ欲しくなーい? もっとしたくない……?」
- 「ごめん……私も、生オチンポ欲しいから……」
- 「これは堪らん……目移りして困ってしまうぞ。……よぅし、それじゃあ交互に犯してあげようじゃないか」
- そう言って男はおもむろに真子の太ももを掴んだ。秘部にペニスを突き込まれ、真子は悦びの声を上げる。激しく腰を振って子宮を責めたかと思うと、いきなりペニスを抜いた。今度は私の番で、すっかり愛液でぬめった亀頭を膣口に突き込まれてしまった。
- 「んあぁ、嬉しいっ♪ もっとグチャグチャにしていーよっ! 来るぅ……! オチンポに、ぐりぐりってひっかきまわされてぇ……ひぁあぁっ!?」
- 「あぁ、そんないきなり……私? ふぁ! あああああっ……!! ああぁぁああっ!? あ、ああぁ……はぁ、はっ! 真子、気持ちいいよ……!」
- 男の言葉通り、交互にペニスを突き立てられ昂ぶっていく。真子と互いに顔を見合わせ、とろけた顔で満足げに語り合う。
- 「どうだい、生オチンポは最高だろう?」
- 「うんっ、いい……とっても気持ちいい……ひあぁ! くひっ……ふぁぁん!」
- 子宮を突き上げられ、あられもない声を上げてしまう。またペニスが抜かれ、真子に挿入される。
- 「はぁ、うっ……うぅん!? これ、ちょっとヤバい……! あ、ああぁあっ!? ほんときてるっ……あ、あぁっ! 溶けちゃうよぉ……!」
- 「トロマンとキツマン、どっちも最高で……うっ! そろそろ限界だよ……」
- ニヤリと笑い、男は意味ありげに顔を見比べている。
- 「ねえ二人とも、中出しさせてくれないかな? 中出しOKなら、追加でお小遣いをあげるよ?」
- 中はダメだと首を振ると、男が私の方に挿入してきた。
- 「んひぃっ……あ、ああぁっ! でも、でもでもっ……!」
- 「じゃーあ、じゃーあ……パコのおまんこに……精液、ちょーだい……?」
- 悪戯っぽく微笑んで、真子が自分の膣口を指で押し広げてみせた。
- 「はぁ、あぁ! パコちゃん、いいのかい?」
- 「ちゃんとピル飲んでるしー……それに、気持ちよくさせてくれたから。だから特別。中出し、おっけーだよ……? んふぅ……わたしも、もう限界だから。おちんぽミルク、ほしーよ……?」
- 発情した顔で舌を出し、男を誘う真子。男は色めき立って、真子の膣内に射精してあげようかと笑っている。真子もうなずき、いっぱい出して欲しいとせがむ。そして私の方を見た。
- 「ゆっきーは、中出し……NGだもんね?」
- 「あ、うぅ……。その、絶対ダメってわけじゃ……ないけどさ……」
- 一度、客の男にさせてしまった。未経験というわけではない。けど、どうして絶対ダメだと言い切らなかったのか、自分でも分からない。私の返答に目の色を変えた男が、中出ししてもいいのかと問いかける。真子だけオッケーというわけにもいかないだろう、と答えると男は上機嫌でうなずいた。
- 「これは、目移りしてしまうぞ! 贅沢な悩みだ……!」
- 「んぁっ! そんなこと言いながら、ほじくりまくるぅー」
- 「むほぉ、こっちのトロマンも捨て難いっ……」
- 散々、真子の膣内を掻き回しながら男は言った。そのまま射精するのかと思いきや、突然ペニスを抜き、私の方に挿入してくる。
- 「はぁうぅ! あぁ……あぁっ、こっちにも……来たぁ……あぅぅん」
- 「ゆっきーの初々しいキツマンも、やはり……いい……!」
- 真子は早く決めてとせがむ。もうイッてしまいそうだから、自分の中に出して欲しいというのだ。しかしそれは私も同じだった。昂ぶった身体が、甘美な絶頂を求めている。
- 「くぅ……!! こっちもそろそろ……二人のオマンコで限界だよ……! 悩ましいけど、ここは……ゆっきーを選ぶよ」
- 「ひああぁあああ!? ふぁ、あぁぁ……!!」
- 子宮を突き上げられて天を仰いで喘ぐ。真子には口の中にあげたから、ゆっきーにもあげないと可哀想だ、などと言い男は激しく腰を振り立てる。仰け反ったまま何度も頭を振って悶える姿を真子に見られながら、絶頂へと上り詰めていく。真子は羨ましそうにこちらを見て、指を咥えている。
- 「はぁぁんっ……! こ、このまま……最後まで……するの?」
- 「もちろんだよ、はぁ、はっ、現役JKのオマンコでイクからね……!」
- 「んぅぅん!? くぅっ……あ、ありがとう……くふぅぅ!! あぁぁん!!」
- 頭のどこかによぎる、まともな私の言葉。どうしてお礼なんて言ってるんだろう。分からない。ただ、いま確かなのは絶頂がそこまで来ていることだけ。それが言葉に出来ないくらい気持ち良いって知ってしまったいまとなっては、否定なんて出来ない。
- 「ふぁぁん、んうぅ! 奥の方っ……ごつん、ごつんって突かれて……あぁ!? か、感じるぅ……はっ、はぁ! もっと、いっぱいほじって……? オチンポ凄すぎっ……き、気持ち良すぎるぅ、んあぁ!? 奥ぅ、突き上げられると、ダメッ、ダメぇぇ……こんなの、もう……イッちゃうぅ……!」
- 「ゆっきーの身体、どんどんオチンポ求めて締め付けてくるよ……うぅっ! 中出しザーメンを求めて、子宮下がってきてるよ……!」
- 私と真子のどちらに中出しするか決めた男は、もうペニスを抜くことなくラストスパートをかけてくる。子宮を執拗に責められ、そのたびに快感の電流が頭のてっぺんまで駆け抜ける。弾かれたように悶え、口からよだれすら垂らし、目を閉じたまま何度も頭を振った。
- [image file=../image/i165.jpg]
- 「あ、ああぁっ!? ゆっきー、出すよぉ!」
- 「う、うんっ! 来て、出して……出して……欲しいっ! イクッ、イッちゃうっ! ひあぁああっ!? うぁぁ! ああん……!」
- 頭が真っ白になる。あの甘美な瞬間が、来てしまう──。
- 「ザーメン種付けされながら、イクんだ……!」
- 「うん、イクッ……! 援交セックスで……な、中出しされて……イクぅぅ! あ、あひぃぃ! イ、イクぅぅ! あああぁっああああ!? イッくううぅぅーーっっ!?」
- 熱い何かが膣内で弾け、中を占拠し、子宮を満たしていく。頭の芯まで焦がすようなその感触に、悲鳴めいた嬌声を上げ悶える。
- 「くぅぅぅっ! お、おおおぉっ……!?」
- 「ひ、あぁ……あっ……ドロドロが、お腹に溢れて……! んん、染みていくの、分かる……よぉ……ふぁぁ、はぁっ、はぁ……」
- 視界がぼやけて、頭が上手く働かない。歓喜の涙が頬に筋を描いているのが分かる。荒く息をつきながら、男が笑った。私に、随分と乱れるタイプなんだねと尋ねる。男に合わせただけだと言い返す。男は首を振り、褒めたんだよと言う。とてもいやらしかった、真子もそう思うだろうと同意を求める。
- 「うん。ゆっきー、すっごくエロかった」
- 「は、はぅ……そ、そんな……」
- 選ばれなかったからだろうか、物足りなさそうな顔で私の方を見ている真子。このままじゃ妊娠しちゃうかも、と言われドキッとする。お薬を飲めば大丈夫だとうなずく真子。男はちゃんとピルを持っているから安心して、と言ってくれた。やがて精液を出しきった男がペニスを抜き、カバンからピルを取り出す。
- 「あ、あぁあ……お薬、ちょうだい」
- 「わたしがちゃーんと飲ませてあげるよ、ゆっきー。ほらぁ、あーんして……?」
- 舌の上に薬を乗せた真子が、こちらを艶めかしい目で見つめてくる。戸惑いながらも口を開けると、唇を重ねられた。
- 「んんーっ! 真子っ……んふうぅ、ちゅう……んぁ、恥ずかしい……ちゅぱ、んん!」
- 「ちゅぷ、れろ……んん、お薬、ここだよ……? ほら、もっとれろれろして……ごっくんして?」
- 真子に言われるまま薬を飲み込む。真子は笑って、よく出来ましたと私の頭を撫でてくれた。そして頬を赤らめ、セックスしてるときにすごくエッチな顔をしていたと告げる。恥ずかしくなって真子から目を逸らす。真子は構わずに、私がきらきら輝いてたよ、と言ってくれた。褒めているつもりなのだろう。
- 「とっても可愛くて……どきどきしちゃったよ」
- 囁くような一言に、また顔が熱くなるのを感じる。真子が潤んだ瞳を向け、微笑んだ。
- 「ねえゆっきー、もう一回キスしよ?」
- 「でも、お薬は飲んだよ……?」
- 「そんなの関係ないよ」
- 「んっ、ちゅむ……れろっ……んふ……」
- 真子に抱きしめられ、互いの舌を絡ませ合う。セックスしていたときとは違う胸の高鳴りを感じ、目をつむって真子に全てを任せた。そして──。
- 「二人とも、今日は本当にありがとう」
- 援交を終えて、男はカバンから財布を取り出し上機嫌で笑う。
- 「生セックスの上に、中出しまでさせてくれるなんてねぇ。ゆっきーには、中出し料金も上乗せするからね」
- 「えっ……! こんなに、沢山……」
- お金を手渡され、思わず目を見張る。真子はやったね、と喜んでくれた。
- [image file=../image/i168-169.jpg]
- 「でも……こんなに貰って、いいのかな」
- 「ほんと可愛かったし、素敵だったからだよ」
- 真子が喜んでくれた。男も満足してくれた。私も、気持ち良かった。陸上で身体を動かしたときとは別の疲労感、充実感。それを確かに感じている。でも。これでいいんだろうか。身体を満たす快感が強ければ強いほど、なくなったときにそう思うのだ。注いで、空になって、また満たすまで注ぐ。私はどこに向かおうとしているんだろう。いまは分からない。それでも、真子が借金を返済し終えるまで、いまは──。
- [image file=../image/i171.jpg]
- それからも私は、援交を続けた。あるときは、ラブホテルで。陸上部のユニフォームを着たまま、後ろから激しく責め立てられた。
- * * *
- 「あっ……あぁ、当たってる……ん、んんっ……!」
- 男の亀頭が膣口に当てられている。熱く硬くなったそれが割れ目を押し広げ、柔ひだに口づけした。
- 「くぅっ……ゆっきー、入れちゃうよ……!」
- 「ふぁ……!? あ、ああああっ……!! あっ……あああ、ああああああ~っ!? ひゃう、はぅ、ひぅぅ! んあぁ、くぅっ……うぅん!」
- 柔ひだを掻き分けて入ってくるペニスの熱さに目を剥いて嬌声を上げた。男は締め付ける膣壁の感触に上擦った声を漏らしながらも、腰を押し進めてくる。
- 「ゆっきーの膣内なか、吸い付いてくる……感じてくれてるんだね?」
- 「あぅぅ、くぅあ……あぅぅ!? はぁ、はっ……か、感じてる……よ? こ、これ……おっきい……んくふぅ!?」
- まだ狭い膣壁を広げながら分け入ってくるペニスの感触に、全身を小刻みに震わせて悶える。男は良い締まり具合だと褒め、いっそう激しくペニスを突き込んできた。
- 「ひぅぅ! はっ……あぁぁ!? 奥ぅ! 奥に、当たって……るぅ!」
- 亀頭で子宮を突き上げられる快感に、頭を振って悶える。そのたびに汗に濡れた乳房が前後に揺れる。男は満足げに、これからも援交し続けたいと語った。お金はいくらでも払う、と付け加え腰を激しく振ってくる。
- 「んふぅぅ!? くぅぅ……ぅん! あ、ああぁあっ……!」
- 「う、うねって……こ、これはヤバいよ……! はぁっ、はぁ……危うくイクところだった……! なんてエロマンコなんだ……」
- 執拗に子宮を責め立てられ、弾かれたように反応してしまう。膣口が締まり膣壁が狭まり、ペニスをしごき上げる。男は感極まった声を上げてペニスを震わせ、射精の一歩手前で踏みとどまった。
- 「くふぅっ……た、楽しんでくれて、嬉しっ……あぁん、う、うぅん! た、高いお金で買ったオマンコ……めいっぱい楽しんで……?」
- [image file=../image/i173.jpg]
- 顔を横に向け、男の方を見て言った。膣内を掻き回され、子宮を突かれるたび電流めいた快感が全身を駆け抜ける。声が震え、上手く喋れない。男は満足げに笑って、私の方こそ感じているじゃないかと指摘した。その通りだと肯定すると、男は耳元に口を寄せてきた。子宮に亀頭を当てたまま腰をひねり、ここが気持ちいいのかと尋ねてくる。弾かれたようにあごを上げ、目を閉じて喘ぐ。
- 「そこっ……気持ちい……いっ! あなたのオチンポ、オマンコで受け止めて……気持ち良くなっちゃってるよぉ……! これからも、私のオマンコを買ってね……?」
- 「ゆっきー、援交セックスは好きかい?」
- 荒く息をつきながら、何とか男の方を見た。膣内で激しく動くペニス、頭の芯すら痺れさせる快感に、ときには言葉すら失いながら悶える。男の問いかけに答えずにいると、奥を小刻みに何度も突き上げられた。
- 「ほら言って……ゆっきー?」
- 「はぁ、はっ……好き、だよ……? 私、援交セックス……好きぃ……! 気持ち良くされるの、す……好きなの……っ!」
- 「学校よりも援交セックスが好きなんだね?」
- 「が、学校……つまんないけど、援交セックス、気持ちいいっ、からぁ……!」
- 「はぁ、はぁっ! 陸上よりも援交セックスがいいんだね?」
- 「えっ……援交セックスがいい! はぁ……はっ、いっぱいお金貰えて……可愛がって貰えるっ……からぁ……!!」
- 「ゆっきー、最高だよ……! 一緒に、一緒にイこう……?」
- 「いいよ、私ももう、イクっ……からっ、あ、ああぁっ!? あああ~!!」
- 覆い被さるように身体を預けてくる男、そのままの姿勢で腰を激しく打ち付けられてしまう。膣壁を擦こすり上げ、子宮を突き上げられ激悦の奔流に意識が呑まれていく。男は感極まった様子で、射精する射精すると何度も予告した。
- 「ひあぁあっ! ちょうだい! オマンコの奥にっ、ザーメンいっぱい、注いで……!」
- 「うぉぉ! 出るっ出る出るっ! おっおっおっ……おおお!?」
- 絶頂の階段を駆け上がり、快感に呑まれ理性が掻き消える──。
- 「あぁぁっ、あぁ!? イクぅ! イィっちゃうぅ!! あっ、あーっ!! あはぁぁ! もうダメぇぇ……ああっ!? あ~~~っ!! イクううぅぅ!!」
- 息をするのも忘れ、絶頂に身を震わせる。熱い飛沫が子宮を叩き、子宮を満たし、膣内をも満たし、膣口から逆流して溢れていく。絶頂の余韻に浸り、甘い吐息を漏らす。
- 「はひっ……ひぁ、あぁぁ……!? あ、あつぅぅ……いぃ、精液、ドクドクって……出ちゃってるよ……! あ、ああぁっ……出てる! ううんっ、あふぅぅ……」
- 「はぁっ! はぁっ! くぅ、ゆっきーのイキ顔……とっても可愛かったよ」
- [image file=../image/i176-177.jpg]
- 耳元でそう囁かれ、恍惚とした表情で男の顔を見つめ返した。
- 「このまま、お持ち帰りしたいぐらいだよ……!」
- 「ば、バカぁ……は、はぅ……」
- そうして私は、精液を全て子宮に注ぎ込まれてしまった。何とも言えない充実感と、胸に去来する一抹の空しさが混ざり合い、ただホテルの壁を見つめ荒く息をつくのだった──。
- * * *
- 援交は続く。あるときは、学校の体育倉庫で。陸上部のユニフォームで四つん這いになり、男のペニスを咥え込む。
- 「ゆっきーも興奮して、ドキドキしているんだよね?」
- 「…………しないわけ、ないじゃない……」
- もしかしたら、他の生徒が入ってくるかもしれない。こんな状況で、緊張するなという方がおかしいだろう。
- 「興奮しないわけないでしょ……こんなギリギリの援交して……さっきからドキドキ止まんないんだから……! は、はぁぁっ……背筋、ぶるぶる……してるよ……」
- 「ゆっきー……。最高にエロい顔してるよ……! オチンポおねだりしてよ。腰を振りながらさ……!」
- こんな極限の状況で援交しようと言い出したのは私ではない。やめようと言ったのに、男は聞いてくれなかったのだ。それを分かっているのか、と思い男を睨み付ける。そして既に勃起して反り返ったペニスを手に取り、おずおずと舌を這わせていく。
- 「あふぅぅ、ちゅむ、ぢゅむむ……んっ、んん……! はぁっ、はぁ……私に変態みたいな真似させるなんて……」
- 亀頭に熱い吐息をふきかけ、舌先でカリ首を舐めた。そのまま亀頭を口に含み、唇で強く圧迫し吸っていく。
- 「こんなギリギリの援交させられて、どんな気分だい? 聞かせておくれよ……!」
- 「は、はぁぅっ……ん、ちゅっ……い、言えば……いいんでしょ? こうして……熱くて太くて、硬いオチンポしゃぶってると……オマンコにハメられたら、どんなに感じちゃうのかなって……! そ、想像して興奮して……っ! あそこの奥、きゅんって熱くなってる……! はぁぁ、はぁっ、ぢゅむむ……! んじゅるぅっ、おいひぃっ……」
- 男のペニスがいっそう硬くなり、口内で跳ね回った。頬をすぼませて咥え込み、押さえつける。そのまま舌の腹で裏筋をしごき立てていく。
- 「最高にエロいゆっきーの口に……射精するからね、うぅっ……! 喉の奥にがっつりハメて、濃いのっ……流し込むよ……!?」
- 「んふぁ……ん、ちゅむ! ふぁぁ!? ぢゅぽぉ……ぢゅむむっ、んん! はぅぅん、じゅるりゅ、じゅぱっ……はぅぅん……!!」
- [image file=../image/i179.jpg]
- 男は私の頭を掴み、自ら腰を振ってきた。喉を亀頭で突かれ、時折むせながらもペニスを吐き出すことなく咥え込んだ。口内から立ち上るオスの匂いに鼻の奥まで支配され、頭がクラクラしてくる。このまま射精されたらどうなるのだろうと思ったら、ますます興奮して鼓動が早まった。
- 「出すよ、ゆっきー……うぉ! お……おぉっ!」
- 「んじゅるぅ! んじゅっ……じゅっ、じゅぱぁっ……!? んみゅうう!? ぢゅむむ、じゅる! じゅぱっ……! じゅむ、じゅぷぷ……うぁぁん! はぅっ……来て、来てぇ……! 出して……中に、私の口に濃いの一杯……んうぅぅ!?」
- ペニスが跳ね回り、断末魔の雄叫びを上げた。喉奥にかかる熱いしぶき。粘っこくて、口の裏に、舌に、絡みついていく。
- 「んっんんん……んんんんん~~~っ!? ふぁ……ぁぁん、ぢゅむ、じゅる……んぐぅっ! ごきゅっ……んふぅ、ふぅぅ、ごっ……くん……」
- 青臭く生臭い。もう何度、こうやって口の中に射精されてしまっただろう。最初は怖かったはずなのに、いまとなっては慣れてしまった。この濃い香りを嗅ぐたびに、頭の芯まで痺れてくるような錯覚に襲われるのだ。この濃いオス汁を、膣内に射精されてしまうのだという確信がどこかにあるのだろう。そうするともうダメで、背筋がぶるりと震えてしまう。胸のどこかで、期待してしまっている自分がいる。
- 「オチンポについた精液、しっかり掃除してね……?」
- 「ふぁぁ、ちゅむ、ちゅぱっ……んん、ごくっ! あぁ、まだ奥から出て……ちゅぱ、ちゅむ、ちゅる! ごっくんっ……ちゅむ、ちゅぅぅ……ごきゅっ、はぁ……はぁぁ」
- ペニスについた精液を全て、舐め取り、粘っこいそれを何とか喉に流し込んだ。しかし男がそれで満足するはずもなく、あろうことか私は学校の中で膣内挿入まで許してしまうのだった。
- * * *
- 援交は続く。あるときは、陸上部のコーチとラブホテルで援交してしまった。学校で援交したことがバレ、黙っていて貰う代わりに、と関係を持つことになったのだ。
- 「はぁ……あぁ、コーチのオチンポ……は、入って……くるぅぅ!! んあっああぁぁ……あぁん!? くぅっ、あっ、あ~~~っ!! 奥……グリグリ擦られてますっ……激しすぎます……!!」
- 身体を抱き寄せられるようにして、ペニスを深く突き込まれ目を剥いた。たまらず目を閉じ、あごを上げて絶叫めいた嬌声を上げる。
- 「よがり狂わせてやる……くおおぉおっ!!」
- お腹を、太ももをゴツゴツした手でがっしり掴まれ、密着したまま腰を打ち付けてくるコーチ。余りに激しく小刻みに膣壁をしごかれ、仰け反って悶えた。
- 「あひいぃっ!? す、すごっ……すぎ、ますぅっ……! コーチぃ、コーチぃぃ……!! こんな激しいの、初めてですっ……!」
- 「俺のチンポなしじゃいられなくしてやる……っ」
- 部活中には見たことがない邪悪な顔を見せ、コーチは亀頭で子宮を突き上げてきた。執拗にそれを繰り返され、頭を振って悶える。
- 「あ、ああぁっ! こんなの味わうと、もうっ……私ぃっ!?」
- 「しっかりつかまってろよ、河原木。イキっぱなしにさせてやるからな」
- 快感に呑まれ、コーチの肩に回した手がするり、と抜けてしまいそうになる。
- 「はぅん! はぅぅん!! んうぅん、んあっ、あ~~っ!! オマンコの奥、気持ちいいところ、当たってますっ……! 感じすぎてっ! 頭、おかしくなりそうで……」
- 「子宮がすっかり降りているの、分かるぞ……!」
- 耳元でそう囁くコーチ。汗だくになりながらもコーチは腰を打ち付けてくる。膣口から膣奥まで全てを味わうような長いストロークを何度も何度もされていると、頭の芯が痺れてしまう。どうでもよくなって、いますぐ絶頂が欲しいと願ってしまう。
- 「あぁぁ……っ!? こんなのぉ、絶対に妊娠しちゃいます……! んあぁん、あぁ! ひゃう! あっ、ああぁぁ~~~っ!! ひぁ、あはぁ……あふ、あっ、あああ!? あ~~~っ!! すごいですっ……ずっと、イッ……ちゃって……ますっ……」
- 身を焦がす激悦の電流に理性が流されそうになる一歩手前で、踏みとどまっている。コーチに、お前はこれから愛人だと言わされて、自ら腰を振っていく。コーチはガハハと満足げに笑い、腰を引いた。一息で膣奥までペニスを突き込まれ、中をメチャクチャに掻き回されてしまう。
- 「きゃはぁぁ!? ひっ、ひぃぃ!! あぁぁ……ぁん!! んあぁ、こんなぁ、こんな気持ちいいの……すごすぎてぇ、やっはぁん!? あ、ああ……また来てますっ! うぁぁん!! ひっ、ひゃぁぁん……!! ま、またイッたぁ……!!」
- [image file=../image/i183.jpg]
- 理性が消し飛ばされ、ただ獣のようによがってしまう。コーチに何が欲しいのかと問われ、男らしい子種を注ぎ込まれたいと言ってしまった。ぎゅっ、と強くコーチの身体を抱きしめ、頬ずりする。
- 「愛されてるって感じて……気持ち良くなってますっ……! このままされ続けたら、私のオマンコ、本当に……っ! コーチに屈して、妊娠しちゃうかも……あぁぁ!?」
- 不意に唇を奪われ、互いに舌を絡ませ、求め合う。
- 「産むんだな? 本当に俺の子を産むんだな河原木っ……!」
- 「産みます……! コーチの子を孕んで、産んじゃいます……だからぁ! 何発でも、ザーメン注ぎ込んで下さいっ……お願いしまっ、ああ~!?」
- 出すぞ、と叫んでコーチがラストスパートをかけてきた。激しく打ち付けられる腰。汗で濡れた肌が触れ合うと、淫らな水音が響く。やがてコーチが感極まった声を上げ、膣内でペニスが激しく震えた。射精するのだと直感し、悦びに身を打ち震わせる。
- 「イクぅ、コーチと一緒に……また、イッちゃいますうぅ! イクッイクイク……!! んあぁぁ!? イクぅぅ~!! ……あはっ、ああっ、あああっ……!! あああ~~~っ!!」
- ペニスが膣内で震えるたび、塊のような白濁液が噴き出して子宮にかかる。余りにおびただしい精液の量にお腹が波打ち、膨らんでしまう。
- 「出てっ……出てるぅ、んふ……はぅぅ!? ドクッ、ドクッて……ひぃぃ! いっぱい子宮にぃ……ザーメン注がれてますぅ……くぁん、あはぁ、あっ……あぁ!? またオチンポ大きくなって……はぁぁ、あぁん……」
- 射精は続いている。大量の精液は膣内に収まるはずもなく、たちまち膣口から溢れ太ももを伝っていく。
- 「はぁ、はぁ! 俺が1回イッたくらいで、萎えるわけがないだろう?」
- 「あ、あはっ……コーチぃ……溢れるまで、いっぱい……子宮に注いで下さいっ……私を確実に、孕ませてっ……身も心もコーチの女にして……んうぅ!?」
- 喋っている途中に、勃起したままのペニスで再び精液まみれの膣内を掻き回された。絶頂したばかりの身体は敏感で、言葉も忘れ、ただよがり狂う。
- 「今日は朝まで、休まず種付けしてやるからな……!」
- 「はいっ、はい、お願いしますっ……とことん可愛がって下さい……っ」
- コーチの言葉通り、私は何度も何度も膣内射精されてしまった。いつ終わるのか分からない、果てしない援交の夜を過ごす。それは甘美と呼ぶには陳腐なほど、余りに気持ち良くて。
- 「あっああ~~~っイクぅぅ! またイッちゃいます、コーチぃ!!」
- 「河原木、また出すぞ……しっかり受け止めろ、うぉぉぉ!!」
- * * *
- 援交は続く。私はコーチの愛人として囲われてしまった。援交相手の1人として、私は関係を続けた。ところがある日、コーチとラブホテルに入っていくのを野球部員に見られてしまった。どういうわけなのかと問い詰められた結果、私は援交をしているのだと打ち明ける。彼は私に憧れていたのだといい、それを聞いた私は口止めをするべく彼に援交を持ちかけた。黙っていてくれるなら、私とさせてあげる、と。
- 「うん、来て……はぅ、あぁ……んっ、んん!? ふぁぁっ……あぁん! すっごく熱い……はぁっ、はぁ……! 奥まで来たっ……! ビクビクしてるっ……!」
- 「まっ……まだ入るぞ、根元まで……入っちまう、くおっ……!?」
- 保健室のベッドで仰向けに寝転がった野球部員の上にまたがり、騎乗位でペニスを迎え入れていく。
- 「あぅぅ!? 子宮の入口にっ……当たって、るぅ……んふぁ……ぁん!!」
- 「き、気持ち良すぎるよ……河原木……か、絡みついてくる……!!」
- 初めてのセックスに感極まった声を上げ、仰け反って喘ぐ野球部員。彼を見下ろし、若いペニスの感触に酔いしれる。すると彼は腰を上下させ、子宮に亀頭を当ててきた。
- 「ここ……気持ちいいのか?」
- 「うん……そこぉ……! そこなの……! オチンポの先、当たってるところ……だから……もっと突いて、んんっ……ああぁん!!」
- まだどうしたら気持ち良くさせられるのか分かっていない様子で、野球部員は闇雲に腰を上下させる。
- 「やべぇ……やっべーよ、こんなのっ! 俺っ……ハマっちまうよ、おかしくなっちまう……!! 河原木っ、河原木、俺っ……! お、お前が大好きだ……うぅっ!?」
- 「ひあぁん……!? ちょっとっ……告白しながら突くの、反則っ! 聞いてるこっちが、恥ずかしくなるよ……そ、それにっ。さっき、聞いた……しっ、ふぁぁ! こ、こんなに熱心に伝えなくても、いいっ……のっ……に、あ、あ、あっ……!?」
- 稚拙な腰使いだけど、熱い想いが伝わってくる。こんなに熱っぽく見つめてくる援交相手はいなかった。柔ひだを掻き分けるペニスの熱さに、胸が高鳴ってしまう。彼は好きだと何度も言い、腰を振り続けた。私が突いて欲しいと言った子宮口を、忠実に言いつけを守るように責め立てる。
- 「河原木の好きなところ……子宮の入口を、もっと……!?」
- 「あ、ああぁっ……あの、ねっ……お願い、あっ……ゆっきーって……呼んで?」
- 野球部員の目を見つめながらそう言うと、彼はうなずいた。
- 「ああ……っ、ゆっきーの感じるところ、こうやって……!」
- 「そう、そこぉ! もっと突いて、んうぅ……激しく突いてぇ……! ひゃうぅ!? オチンポ、オマンコの中でビクビクって震えてるぅ……!」
- 「くぁっ、やべぇ……射精しちまうっ!」
- 歯を食いしばって耐える彼を見ていると、愛おしいとすら思えてくる。
- 「もうちょっと……あ、あとちょっとでっ……私も、イクから……っ、はぁ……あはぁぁぁ!? だから、頑張って……! 一緒にぃ……んぅぅ!? い、一緒にイこうよ……? はぅぅ! あっ、ああっ……!!」
- 「ゆっきーと一緒に、俺も……俺も、うぉぉ……!?」
- 射精を堪えつつ、彼は激しく腰を上下させる。子宮口を擦られ、身体の奥に激悦の電流が駆け抜け、仰け反って喘ぐ。
- 「そうだよ、大好きなところ、好き好きってし合ってっ……イこうっ!? あ、ああぁっ……! 当たってるの……! 来るぅ!? 来ちゃうぅ!! イクぅ……イクイク! あぁぁ!? 一緒に……はぁっ、あぁぁん!」
- 「ゆっきー、俺もう……! 出るぅ、出すよ……くうぁぁ!?」
- ひたすら激しく責められ、絶頂の階段を駆け上がっていく。目を閉じ、頭が真っ白になっていくその瞬間を待った。
- 「い、イッちゃうぅ……! 私もっ……私も、もう……!! ああぁ! あっ、あああ! ああっ!! イッくううぅぅ~~~!? ……はぅぅ、あぁっ……あはぁ……3回目なのに……いっぱい出たね……どぴゅどぴゅっていっぱい熱いのが、あはぁぁ……っ」
- 若いオス汁を膣奥で受け止め、その熱さに胸が高鳴る。3回目だというのに、大量の精液が子宮に解き放たれた。
- 「はぁっはぁっ、はぁ、はぁぁ、ヤバい……ヤバすぎだよ、ゆっきー。こんなの、気持ち良すぎてっ……俺、人生変わっちゃうよ……! ふぅ、ふぅぅ……俺っ、俺さ! はぁ、はぁ……お金、貯めるから……また、ゆっきーを買いたい。い……いいか?」
- 「あ……それは……」
- [image file=../image/i189.jpg]
- ようやく気付いた。本気で私を好きだと言った彼と、援交とはいえセックスしたのだ。こうなって当然か。ただの口封じのつもりで持ちかけたのに、泥沼に足を踏み込んだのかもしれない。
- 「……いい、よ」
- 「やっ……やったああああ!!」
- 保健室に隠れていることを忘れて、大声を上げガッツポーズをする野球部員。彼の顔を覗き込むように見つめる。彼は目を見張り、動きを止めた。彼の耳元に口を寄せ、次も友達料金でいいと伝えた。
- 「あと、これはオマケ」
- 「え?」
- 見つめ合うと、緊張した様子で見る見るうちに顔を赤くしていく野球部員。私の方から顔を近づけ、そっと唇を重ねる。
- 「んちゅ……ちゅっ、ちゅぱ……んふぅ」
- 舌を絡ませ、唇を離すと別れがたいかのように唾液が橋を作った。
- 「ゆっきー、その……えっと……好きだ。俺、お前がもっと好きになった」
- 「私、援交してる女だよ? 好きだなんて……ひゃん!」
- がばっ、と起き上がった野球部員に抱きしめられてしまった。
- 「好きだ、ゆっきー」
- 「……うん。分かったってば、もう……恥ずかしいよ。ふふっ……ねえ。もう1回、キスしよ……? 頭、撫でてよ……」
- そっと口づけを交わし、抱きしめ合った。すると、何かが胸を満たしていく。そんな風に感じた。
- * * *
- 援交は続く。顔なじみの野球部員から呼び出され、援交することになってしまった。しかし待ち合わせ場所に行くと、待っていたのは彼だけではなかった。2軍の野球部員が何人も、そこで待っていたのだ。仕方なくユニフォームに着替え支度をしていると、野球部員の1人が私の後ろに回り込み、ブルマの上からペニスを擦りつけてきた。
- 「ひああぁああっ……!? ぬるって来たぁ……! も、もう……! ちょっと、がっつきすぎだってば……」
- 予告なく素股を始めた野球部員に怒ると、彼は腰の動きを止めた。
- 「わ、悪い、ゆっきー。エロすぎて、我慢できなくて……」
- 「……君、こういうの初めてでしょ」
- うっ、と言葉に詰まる野球部員。言い淀むも、すぐに童貞だと認めた。
- 「もう……援交のことは、みんなに言っちゃダメって言ったのになぁ……」
- 責めるような眼差しで、私のことを好きだと言ってきた彼の方を見る。彼が他の野球部員に言ったりしなければ、こんなに大勢の童貞諸君を相手にすることにはならなかったのに。
- 「ご、ごめんゆっきー。俺がつい喋っちゃって……」
- 部屋の隅で、別の野球部員が笑う。こういうのは共有しなきゃいけないだろ、そう言う彼の股間は見事に膨らんでいる。
- 「そうだそうだ。あの河原木が……援交してくれるなんて……はぁっ、はぁっ!」
- 鼻息を荒くした、野球部員たちが私を取り囲んでいる。ある者はペニスを自ら握ってしごき立て、ある者は食い入るように私を見つめている。
- 「また人が増えてるし……君たちの性欲処理、大変なんだからね? 若いからスタミナだけはあってさ……それに、えっと。一応……ちゃんと、お金持ってきてる……?」
- これはあくまで援交なのだ、と参加する部員が増えるたびに言うことにしている。だからタダで私とエッチなことが出来ると思ってはいけないのだと。
- 「あ、ああ、もちろんだよ……! この日のために、小遣い貯めといたからさ……」
- そう言って、野球部員たちはこぞって千円札を突き出してきた。ユニフォームにねじこんでおいて、と言うと彼らは素直に従った。ブルマに挟まれた千円札の束を見て、変なのと思う。何人もの野球部員を相手にしているのに、援交の金額としては少ない。だからといって、お金だけで全て割り切って援交するつもりはなかった。本来なら素股すらさせてあげられない金額なのに。いわばサービスしてあげようとしているのだ。
- 「じゃあ、素股で……みんなのこと、ちゃんとイカせるからね? ビクビクしてる……ほら、こうやってぎゅって挟んで……」
- 童貞の部員を導くように腰を動かし、股と太もも、それらで挟んでペニスをしごきたてる。
- 「はぁっ! はぁ! ゆっきー……うぅ!? 腰、エロすぎるよっ……」
- 「人数が多いからね、ちょっぴり急がなくちゃ……」
- 部員のひとりが、AVみたいだと言って食いついてきた。河原木がこんなにエロかったなんて、と生唾を飲み込んで血走った目で見つめてくる子もいる。真剣な眼差しを向けられ、恥ずかしくなってきた。
- 「も、もう……やめてよ。援交してるんだよ? このぐらい普通だってば……」
- 「マンコが柔らかくて、すっげっ……ああっ、ヌルヌルしてる……!」
- 部屋に集まった男たちに見られて、いつの間にか濡れてしまっていたらしい。愛液が染みたブルマをペニスで擦りたてられる。野球部員が感極まった声を上げた。
- [image file=../image/i194.jpg]
- 「ゆっきー、俺もうイクッ! もうっ……出ちまう……!!」
- 「いいよ……出して? ブルマを、臭い精液で……汚していいよ? さ、さあ……来て、あ……あぁっ! オチンポがビクビクって震えてる……!」
- 「はぁっ! はぁぁ! おっ、おおぅ!?」
- 激しく腰を前後させ、ペニスがひときわ大きく震えた。私が股をぎゅっ、と閉じて締め付けてあげると彼は仰け反る。
- 「あぁ……あぁ!! 出てるぅ……濃い精液、どぴゅどぴゅって……くすっ……青臭いので、いっぱい汚されちゃった……」
- いま射精したばかりで、絶頂の余韻に浸りぽかーんとしたまま何も答えられない野球部員。彼を押しのけ、待っていた別の子が私の後ろから組み付いてくる。
- 「次は……俺の番だよな? うぅ、くぅぅっ……!」
- 「はぁんっ! も、もう……君のも……おっきくて熱いね……?」
- 太くて若々しいペニスの先端からは、既に先走りの汁が溢れている。彼が腰を振るとカウパーがブルマにも付着して、ますます汚れていってしまう。
- 「ああぁっ……河原木の、ブルマオマンコ……くぅぅ!?」
- 「そんなに慌てなくても、逃げないから」
- 子供を諭すように言うと、彼は落ち着いて腰を振り始めた。興奮してすっかり顔を赤くした彼に笑いかけると、もっと顔を赤くして視線を逸らしてしまう。可愛い、と思いくすっ、と笑いがこぼれる。
- 「ゆっくり擦って……? そう……そう、うん。たくましくて素敵だよ……?」
- 「ああぁっ……!! くっそ、こんなのたまんねーよ……!! なあ、河原木? やっぱさ、セックス……させてくれないか?」
- 待機していた野球部員が立ち上がり、いまにも襲いかからんばかりの勢いで詰め寄ってきた。ゆっくり首を振って、ブルマに挟まれたお札に目をやる。
- 「だーめ。そういうことは、ちゃんとお金持ってきて言いなさいよね」
- 「じゃ、じゃあ……いくら持ってくればいいんだよ? 河原木と援交してるオッサンはいくら払ってんだ? 1万……いや2万か?」
- 驚いた。そうか、援交を知らない子からしてみれば、それくらいの値段だと思っているんだ。偽ることなく、そんなはした金じゃないよと教えてあげる。すると彼は嘘だろ、と驚いて閉口してしまった。
- 「あんまり調子に乗らないの。あのね、千円で素股してあげるのだって、特別なんだから。これ……友達価格なんだよ?」
- 以前、私に好きだと言ってきた野球部員にも同じことを聞かれた。だから、いままで援交相手がどれだけ私に払ったのか少しだけ教えてあげた。その彼が、いま詰め寄ってきた野球部員の肩を叩いて説明する。野球部員の肩を叩いて説明する。驚いて目を剥く野球部員たち。彼らにしてみれば、年単位でお小遣いを貯めなくてはいけない額だろう。しかしそれでも諦めきれないのか、部員のひとりがうつむいたまま拳を握り締める。
- 「でもさ……こんなの悔しすぎるよ……お預けくらわされてる気分なんだぜ……?」
- 部員たちは顔を上げ、哀願にも似た眼差しを向けてきた。そうか。悪いことをしてしまったな、と思う。きっぱり断ってしまえば、希望を与えなければこんな風には思わなかっただろうに。口封じに、と援交を始めた私が甘かったのか。
- 「うーん……そうだね……じゃあさ、こうしよ? もし、この中の誰かが、部活でレギュラー取れたら……そのときは、タダで生ハメしてもいいよ……?」
- 部員たちが色めきだち、一斉に立ち上がった。互いの顔を見合わせ、私の顔を見て、目を輝かせる。
- 「えええ!? マジかよ!?」
- 「いまの言葉、嘘じゃないよな!?」
- ゆっくりうなずいてみせる。でも、と口にすると、彼らが黙った。
- 「君たちがレギュラーなんて、夢のまた夢……でしょ? それに、レギュラー取った子だけ、だからね……?」
- 挑発するようにそう言うと、組み付いていた子が腰を激しく動かし始めた。
- 「ひああぁあっ!? ちょっと……やる気見せすぎ……!」
- 「俺、頑張るよ……! 絶対レギュラー取るから……!」
- ゴシゴシとブルマを擦り立てるペニスが、ますます硬くなってくる。その若々しくて熱いもので擦られていると、胸が高鳴ってしまう。
- 「う、うんっ……期待、してるっ……!」
- 「このマンコに、絶対っ……生ハメしてやるっ……! うおお!! 俺はやるぞおおお!!」
- 私は彼らが人知れず頑張ってきたことを知っている。それでもレギュラーという枠に入るのは難しい。何故なら決めるのは、監督だから。焚きつけたらどうなるかな、なんて意地の悪い悪戯だったのに。彼らが本気を出したらどうなるのか、私は想像すらしていなかったのだ──。
- * * *
- 援交は続く。ラブホテルでコーチと待ち合わせし、一晩中愛されてしまった。もう夜中を過ぎ、朝といってもいい時間だ。コーチの出した精液まみれの身体をベッドに横たえ、荒く息をつく。
- 「きゃひぃ……コーチぃ……! はひっ、んあぁぁん……!」
- コーチは自分が出した精液で汚れた私を見下ろし、満足そうに笑った。
- [image file=../image/i198-199.jpg]
- 「はぁっ、はぁ……河原木のオマンコは、いつ味わっても最高だな……! ん……? もうこんな時間か……時間が経つのも忘れてしまうな……今日もたっぷり種付けしてやったぞ……くっくっくっ……!」
- コーチがベッド際に歩み寄ってきて、私のあごをクイッと指先で持ち上げる。今日は何発出したか覚えているか、と聞いてきた。いつものことだ。だから私は、最初から数えていた。
- 「あふぅぅ……は、8発も注がれて……んんぅ、すっかりとろけきっちゃいましたぁ……はぁっ、はぁぁ……!」
- 改めて精液まみれの身体を見て、ぶるりと背筋を震わせる。なんていやらしいんだろう。援交するまでとした後で、コーチの印象はすっかり変わった。もっと立派で良識もあり、守るべき線をわきまえている人だと思っていたのだ。でも違った。この人は、援交相手の中でもずいぶんと支配的で粗野な人だと思う。
- 「さあ……分かっているな? しっかり感謝の言葉を口にするんだ」
- 「は、はいっ……コーチの愛人オマンコ、今日もたっぷり可愛がっていただきっ……本当にっ……んふぅっ、ありがとうございます……」
- べろり、と舌なめずりしてコーチが笑った。
- 「……危険日にこれだけ注がれたら、孕むかもしれんな?」
- 「わ、私は……いつでも妊娠オッケーです……ん、ふぅっ……。コーチのたくましい子種を、子宮で受け取って……はぁ、あぁっ、元気な子供を育はぐくめる日をっ……夢見てるんです……」
- にっこり笑ってコーチを見つめると、彼は優しい目をした。そう。いつも思う。彼はきっと、誰かに強く愛して欲しかった。激しく求められたかったのだと。それが満たせなかったから、こうなったのではないか。その埋め合わせを、いまになってしているんじゃないかって。
- 「……河原木。俺のことをどう思う?」
- 「はいっ……とても男らしくて、格好いいコーチが……大好きです……!」
- 笑顔でそう言うと、コーチは何も言わず唇を重ねてきた。こういうときの彼は本当にまっすぐだ。勝手で、ひどい人だと思う。でも、どこか哀れで、放っておけない。支配されているのは私の方なのに、そう思ってしまうのだ。
- * * *
- 援交は続く。真子から紹介された初めての援交相手と、ラブホテルで待ち合わせた。お兄さんと呼ぶべきか、おじさんと呼ぶべきか迷う歳の男だ。彼の要望で、ユニフォーム姿に着替え、ベッドで四つん這いになる。愛撫もそこそこに、男はペニスを後ろから突き込んできた──。
- [image file=../image/i202-203.jpg]
- 「んあぁぁああ~!? はぅっ……入っ……入って、く……るぅぅ!!」
- 「お、おぅっ……!? すっげ締まるっ……!! くぉぉ……っ!」
- 膣内で震えるペニス。初めて迎える男のペニス、その熱さと硬さに背筋を震わせて悶える。
- 「おじさんのオチンポも、太いっ……気持ち……いいっ! オチンポの形に、オマンコ拡げられちゃってるよぉ……!」
- 「おお、おぅっ……こ、この締め付け……! へへっ……ヤリマンのパコから紹介されたからよ……オマンコゆるゆるかと思いきや、意外といいじゃねえか……!」
- 額に汗をにじませ、男は口の端を吊り上げて笑った。
- 「くすっ……オマンコ、気に入ってくれた……?」
- 「ああ……けど、もうちょっと俺のチンポに馴染まさねえとな……」
- そう言って激しく腰を前後させてくる男、乱暴に柔ひだを掻き分けられ、全身を小刻みに震わせて喘ぐ。
- 「あ、ああぁあっ……!? は、激しっ……!!」
- 「ゆるゆるどころか、きついじゃねえか……だからよ、こいつの味を、しっかり覚えさせてやるよ……!」
- 腰のくびれを鷲掴みにし、男は容赦なく腰を打ち付けてくる。
- 「はぅぅん、そ……そう、おじさんのオチンポで私を……はぅぅ!? 私のオマンコをしつけて……あぁ! おじさん好みのオマンコにしてぇ……!? やんっ、あああ! やぁぁん! 奥っ……ごりごり当たってるぅ……!」
- 「他の男は、奥まで可愛がらないだろ?」
- 顔を横に向け、男の顔を見ながらうなずいた。
- 「う、うんっ……こんなの、おじさん、だけっ……! こんなに熱心にほじってくれるとっ……子宮まで、ゆるゆるになっちゃう……!」
- 「聞いてるぞ。金次第じゃ、中出しOKってな……!」
- 耳元でそう囁かれ、笑顔になる。
- 「はぅぅ……はぁぁっ、はい……そうっ……なのっ……あぁぁん!! でも、でもっ……お金だけじゃ、ダメ……だからっ……」
- 「ほーお、何が条件なんだ……? 言ってみろよ!」
- 後ろから容赦なく責め立てられ、子宮を突き上げられながら口を開く。
- 「そ、それはぁっ……もちろんっ、私のこと、しっかり気持ちよくしてくれてっ……いっぱいイカせてくれると、し、自然とぉ……んふぅぅ!? 中出しまで受け入れたいなって……そ、そんな気持ちになるのっ……!」
- 「俺のオチンポは、どうなんだ……!?」
- 子宮口をこじ開けんばかりに執拗に突かれ、目を閉じあごを上げて悶える。何度も頭を振って、喘いだ。
- 「ひ、ぎぃぃっ……! もちろんっ……中出しOKだよ……!? こんなの、初めてだからぁっ……子宮にせ、精液ぃ注ぎ込まれながら、イキたいのっ……!」
- 「いいぜ……! 最後の一滴まで注ぎ込んでやるからな……!」
- 男が腰の動きを速めた。子宮を突かれるたび、弾かれたように反応してしまう。
- 「ほ、本当ですか……んっんぅぅ!? あ、ありがとっ……はぁ、んはぁん! 種付けセックスっ……解禁しちゃうから……あぁぁ」
- 「孕ませてやる。この俺の遺伝子をよぉ……!」
- 膣内で震えるペニス。射精を確信して、胸がときめいた。膣壁がぎゅっと締まり、ペニスを締め付ける。
- [image file=../image/i205.jpg]
- 「あ、あぁ~! んあぁ!? 妊娠……覚悟、します……っ! おじさんの濃厚精液、中出しして下さいねっ……私、受精しますからぁ……!」
- 「このオチンポを、受け入れるんだな……!? さあ、受け止めろ、出すぞ……う、くうぅぅ!!」
- 「受け入れるよ……! んあっ、あああ~~~!? 好き……大好き、しゅきぃ……!」
- 熱いほとばしりを子宮で受け止め、意識が遠のいていく。それがその日の援交の始まりだと、予感していた。そして想像していた通り、ラブホテルの時間を延長し、男は私を可愛がってくれたのだった。
- * * *
- 「ゆっきー?」
- 「うん? どうかした?」
- ファミレスで真子と待ち合わせて、二人で他愛もない会話をしていた。最近は、時間を作ってはこうやって会っている。ぼーっとしていたらしく、それが気になったのだと真子は言う。疲れているんじゃないのかと指摘され、体力だけはあるから心配しないでと返す。すると真子が意味ありげに笑った。
- 「……何よ」
- 「なんだかゆっきー、変わったなって」
- 「変わったって……どんな風に?」
- 「分かんないけど、よく笑うようになった気がする」
- いつも自分が基準だから、良く分からない。でも辛いからって、沈んでばかりはいられないから笑っているのかもしれないと思う。そう伝えると、真子はウンウンとうなずいて分かる、と同意してくれた。
- 「……あのね、ゆっきー。今日はお礼を言いたいの」
- 「どういうこと?」
- 「レイドくんに、売り掛けを全部払い終えたの」
- 思いがけない一言に、身を乗り出して驚く。真子は満面の笑みで、感謝を告げた。笑顔、いいやもしかしたら泣きだしそうな一歩手前の顔。
- 「おめでと、真子。その、これで……」
- 「うん……無茶なウリしなくても、よくなるね。ゆっきーにも、いっぱい迷惑かけちゃったし……」
- 「ダメ、それ以上言わないで」
- 「うん……分かってる。でも、ありがとうって……言いたいんだよ」
- 言葉に出来ない思いで胸が一杯になり、沈黙が訪れた。
- 「……ねえ、ゆっきー。これで、終わりにしようかなって思うんだ」
- 「終わりって……」
- 「えんこーを、辞めるの。わたし、最近買いたたかれまくってるし。あんま効率よくなくて。それに、ゆっきーにはもう理由がないし」
- ああそうだ、と思った。喜ぶところなのに、何故か動揺している私がいる。辞めようという真子に、コーチとの関係はどうしようと相談する。向こうは勝手に私のことを愛人だと思っているのだ。こちらにしてみれば援交相手の1人でしかないのに。
- 「レイドくんにお願いすればいいよ」
- 「大丈夫……なの?」
- 「どうとでもなるよ。ゆっきーは安心して? なんせ、わたし彼女だから。えへへぇ」
- そう言って笑う真子の顔からは、もう以前のような悲壮感は感じられず、私は胸を撫で下ろした。しかし、またいつムチャな要求をされるとも限らない。そのときは私も相談に乗ると伝えたが、真子はいまラブラブだから大丈夫だと笑った。
- 「よかったら、野球部の子たちも、話つけておこうか?」
- 「あ、うん……そうだね。一度私から話してみる。同級生だし、あんまり手荒なのはイヤだし」
- 何かあったら連絡して、と真子は言ってくれた。真子が天井を見上げ、何をするともなく虚空に視線を漂わせた。私も口を開くことなく、ただその何とも言えない空気を肌で感じる。終わったのだ。私は真子を救えた。
- 「援交相手の常連さんたちには、わたしから辞めるって連絡しておくよ。ゆっきー、また遊ぼうね。今度は二人っきりで」
- 「うん……」
- 真子と別れ、自宅に戻った。自室でベッドに横たわり、天井を見上げている。これで良かったのだ。誰も手を差し伸べることなく、するすると堕ちていく真子を救うことが出来た。だから喜んでもいいのに。不思議と、心の底から喜びがわき上がってくることはなくて。
- 「……これで、良かったんだよね」
- と、スマホが鳴った。メッセージの着信音だ。もしかしたらコーチかも、と思い憂鬱な面持ちでスマホに手を伸ばす。画面には、援交相手の名前が浮かんでいる。メッセージを読もうとスマホを操作した瞬間。連続でメッセージの着信音が鳴った。3回、4回、まだまだ続く。
- 「わ、わ、わっ! 何?」
- 慌ててメッセージを確認すると、全て援交相手からのものだった。どうやら真子から援交を辞めるという話を聞き、残念がっているらしい。どうしようかと思案している間にも、次々に着信する。ひとつひとつに返信していくと思うと、溜め息が出た。
- 「あ……もう関係ないんだから、無視してもいいんだよね」
- でも、それはそれでちょっと悪いような気もする。みんな、私のことを好きだと言って愛してくれたのだから。と、今度は通話の呼び出し音が鳴った。
- 「は、はい……もしもし……」
- 『もしもし、ゆっきー?』
- 「え、あーっ……そのぅ、まあ……そうですけど……」
- 通話をかけてきたのは、かつての援交相手だった。セールスの電話を相手にするみたいに、すぐさま切るわけにもいかず戸惑う。
- 『援交やめちゃうって、本当かい!?』
- 「えっと……真子から、聞きましたよね。ごめんなさい……」
- 『それは、あんまりだよ……! 一生懸命お金貯めてたんだよ? ゆっきーと援交する日だけを楽しみに、生きてきたんだからね……!』
- 決して演技ではないと直感する声だった。戸惑う私に、絶対に諦められないと追いすがる男。頼むからもう一度だけ援交してくれと、何度も何度も求められ、もう一度だけならと口にしかけた瞬間。スカートのポケットに入れておいたアフターピルがないことに気付いた。そうだ、もう要らないからと真子に返したのだ。最近はゴムなしでハメて、そのまま中出しまで許してしまっている。
- 「えっと……いまピル持ってなくて。だから援交できません。ごめんなさいっ……!」
- 言い切って通話終了のボタンを押した。はぁ、と溜め息をつく。しかしまたも鳴り出すスマホ。今度は別の援交相手からだ。メッセージではない、通話を求めている。まさかそんな、と思い応じると、さっきの男と同じようにもう一度だけ、と言ってきた。
- 「出来ないものは、出来ないの」
- 何人目かの通話を切り上げた。
- 「……どうなってるの?」
- 悪いことはしていない。一度きりの関係が援交なのだから、それを辞めたいと言うのは決して悪いことじゃない。そのはずなのに、熱っぽく求めてくる男たちの会話を何度も中断してくると罪悪感が芽生えてくる。
- 「あ、スマホの電源ごと切ればいいのか……って、また?」
- 今度の相手は真子だった。
- 「もしもし、真子?」
- 『ゆっきー、ごめん。もしかしてそっちに電話いったー?』
- 「う、うん……何人も。どうなってるの?」
- 真子はさっき言った通り、私が援交を辞めたと伝えてくれたのだという。ところが男たちからどうして、とか、そんな急に、なんていう問い合わせが相次いだらしい。しまいには援交をやめないよう説得して欲しいと相談までされたのだとか。
- 「そんな……みんなどうして、私にこだわるの」
- 『みんなゆっきーが好きだからじゃないかな?』
- 「好き……って。でも、それって……恋愛の好きとか、そういうのと違うんじゃないの。だって私は、ただの援交相手で……」
- たしかに援交してきた中で、男たちは私に何度も好きだと言った。それは一時の感情であって、恋とか愛とかそういうものじゃない。と、思う。
- 『わたしもよく分かんないけど……。付き合ってるかどうかとかじゃなくても、やっぱり同じ好きなんじゃないかなー』
- 分からない。好きだと言われ、またさっきのように強く求められて胸が熱くなったのは確かなのだ。それが恋でない、愛ではないと言い切ることも出来なくて。
- 「……そう、なのかな。きっと、この電話を切ったら、またお客さんから電話が来ると思う。どうしたらいいかな……断り続けるなんて、私……出来ないよ」
- 『あっ、そうだ! それじゃあさ、まとめて相手したらどうかな?』
- 突拍子もない提案に、頭がついていかない。
- 「えっ? えっ、まとめてって……」
- 『つまり、ゆっきーと援交したいっていうお客さんを集めて、いっぺんに相手するの。まだ夏休みでしょ?』
- カレンダーに目をやる。確かにまだ夏休みだ。
- 『そうだよ。お客さんといっしょに、えんこー旅行、行っちゃえば?』
- 「旅行先で援交するの?」
- 『うん。だっていっぺんに相手するんだから、でっかいホテルじゃないとムリでしょ? それに卒業旅行も出来ちゃうし~』
- 想像しただけで、頭がクラクラしてきた。でも、もしそれで男たちが納得するなら、とも思う。
- 「それで、お客さん納得するかな……? またしつこく、援交してくれって言われたら……」
- 『そのときはレイドくんが何とかしてくれるよ~。大丈夫、わたしに任せといてーえへへぇ』
- でも、と思う。さっき私は言った。これで終わりにすると。援交はもう辞めたんじゃなかったのか。
- 「……最後、だから。本当に本当に、それで最後だから。そう伝えてくれる……?」
- 『うん、いーよ。じゃあ、また連絡するね~』
- それで話は終わった。またメッセージが着信したが、今度はスマホの電源ごと切ったから、もうわずらわされることはなかった。スマホをベッドの端に転がし、ベッドに横たわる。天井を見上げ、思う。どうしてなんだろう。どうして私がいいんだろう。私なんかの、どこがいいんだろう、と。
- 「卒業旅行……か」
- まさか、こんな形で行くことになるなんて思ってもみなかった。そして、翌日。
- 『もしもーし、ゆっきー?』
- 「真子。ぴったり電話こなくなったよ。ありがとう」
- 『ううん、わたしを助けてくれて、こうなったんだもん……えへへ、恩返しだよ。あっ、それにね。みんなオッケーだって。お金ならいくらでも出すって。いままでのえんこーとは、桁が違うよ』
- 額を聞いて唖然とした。そんなに出してまで援交したいだなんて、どうかしている。
- 『みんな、ゆっきーとエッチしたいんだよ』
- 「で、でも……っ。そんなにたくさんの相手と援交したら……こ、今度こそ妊娠しちゃうかもしれないし……」
- 『じゃーあ、断る?』
- 本当なら、もう援交は辞めたのだ。断らなくちゃいけないのだと思う。でも、それは悪い気もする。何より、あんなに強く求められ続けて断り切れるとは思えない。
- 『いますぐ答えなくてもいいよー。えへへぇ……焦らすと、余計にお金積んでくれるかもしれないし』
- 「う……うん。考えさせて……」
- 『じゃあまた連絡ちょうだいね~』
- 通話が切れて、改めてスマホの画面を眺める。
- 「……バカじゃないの?」
- スマホをぽいっ、とベッドに投げた。援交旅行だなんて、頭おかしいよ。妊娠しちゃうかもしれないし。参加なんか、しちゃダメなんだ。
- 「ダメ……なんだから……」
- 自分自身に言い聞かせるように、そうつぶやいた。
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- 「ゆっきー、ホテルにこもってないで、プールに行こうか?」
- 「こ、こんな水着じゃ、無理だって……! 絶対、エッチな子だって……思われちゃうよ……!」
- 夏休みの終わり際。私たちは南の島へやってきた。そう、もちろん援交相手の男たちと一緒に。
- 「せっかく、こんな遠いところまで来たんだ。開放的な気分にならなくちゃ」
- 男たちは遠慮することなく、水着姿の私を舐めるように見つめてくる。私を取り囲み、心の底から楽しそうに笑顔を浮かべている。これから目の前にいる男たち全てを相手にしなくてはいけないのかと思うと、胸が高鳴ってしまう。もう後戻りは出来ない。気が変わった、帰るなんて言えないのだ。
- 「はぁっ、はぁぁ……」
- まだ触れられてすらいないのに、もう息遣いが荒くなってしまっている。自分がいまから何をされるか想像しただけで、膣奥が熱くなってしまう。きっと私は男たちに犯されるだろう。彼らが満足するまで一晩中、もしかしたらもっと長い間、犯されるのだ。1回や2回の射精で終わるとは思えない。全てが終わる頃、私は一体どうなってしまっているのだろう。熱い吐息を漏らし、ぶるりと身体を震わせた。
- 「大丈夫、プールを借り切ってあるからね?」
- 「……他の、誰にも見られないのなら……」
- 大柄な男が指を差した。そっちがプールらしい。だがそこへ行くには、ホテルのロビーを通らなくてはいけないという。移動中に他の客に見られてしまうのではと言うと、覚悟を決めなさいと言い含められた。NGなしの援交卒業旅行は、彼らが高い金を払って買いあげたのだから、と。
- 「じゃあ、明るいところで、その可愛い身体を見せておくれよ?」
- 男たちに囲まれるようにして、貸し切りのプールへと向かった。そして──。
- 「ああ……こんな水着、やっぱり恥ずかしい……よ」
- 「いまさら、何を言ってるんだい? ゆっきーのエッチな身体に、よく似合っているよ……!」
- プールサイドの床に押し倒されるようにして、我が身を横たえた。待っていたと言わんばかりに男たちが群がり、私の身体に触れてくる。頭に、髪に、頬、首筋、うなじ、肩、腕、脇、指の間、乳房、乳首、お腹、おへそ、太もも、お尻、ひざの裏、すね、足の裏、足の指、ありとあらゆるところを触れられ、ただ息遣いを荒くさせる。見られていると興奮するんだろう、と男に問われて首を振った。こんな水着、どう見たって痴女だと言い返す。男たちはドッと笑って、プールに来るまでに他の客に見られていたじゃないかと指摘する。そわそわしていた、顔が赤くなっていた、興奮しているんだろう、周りから色んな言葉が飛んでくる。目を閉じて首を振り否定するが、乳房を揉みしだかれ言葉を遮られる。
- 「こんなの……はぁ、あぁ、本当の変態だよ……私、エロすぎ……っ」
- 「でも、この旅はそれが目的だからね……? ゆっきーはここに、何をしにきたのかな……?」
- 「あっ……! はっ、はぁぁ……おじさんたちと……んっ、んん……夏の思い出を……作りにきたの……っ」
- 援交を辞めると私が言ったときから、オナニーすらせず我慢してきたという男もいた。それなのに、男たちは私にいきなり挿入するような真似はしない。焦らしているのか、それともこの瞬間を楽しんでいるのか。一様に楽しそうに、本当に楽しそうに笑っている。少年のような無邪気な顔で、私に触れてくる。
- 「JK最後の夏休みを、俺たちと過ごしてくれるんだね?」
- 「そ、そう……なの。最後の夏休み、だけど……。おじさんたちに、高いお金で……売り飛ばしちゃったから……」
- [image file=../image/i219.jpg]
- 「この旅行の特典は何だね?」
- 「そ、それは……もちろん、私と……エッチ出来ること……この夏最後のヤリ納めだから……たっぷり、味わってね……?」
- 身を乗り出し、男が尋ねる。本当にNGはないのか、と。私より先に、別の男が笑って言う。あれだけの値段を出したのだ、間違いないさと。ぎらぎらした男たちの眼差しを全身に浴びせられ、私は熱い吐息をつく。
- 「う、うん……確かにNGなしって……そう言った、けど……」
- 「ほら、ちゃんと認めておくれ。みんなの前で、ゆっきーの口から」
- 視線を動かし、男たちの顔を見る。逃げられない。目を閉じて熱い溜め息を漏らす。まぶたの裏に浮かぶのは、いままで援交で晒した痴態の数々。でも今日は、きっといままでのようにはいかない。あんなものじゃ済まない。そう思うと胸が早鐘を打つ。目を開け、ゆっくりとうなずいた。
- 「はぁ、はぁぁ、ああ……NGはない、よ。だから、好きに……楽しんで欲しい……」
- 「じゃあ、この記念日をしっかり記録に残さないとな」
- 視界にカメラが入ってきて、驚いて身を起こそうとした。撮られるなんて聞いていない。しかしカメラを持った男は首を振る。NGはないのだろう、と。
- 「は、恥ずかしいから、ダメっ……あっ、んあぁ!? はぅぅ……!」
- カメラを遮ろうと手を伸ばしたが、ダメだった。秘部を撫で上げられ、弾かれるように反応してしまい、遮られてしまった。水着越しに淫唇に触れた男が、ちょっと濡れていると指摘する。男たちが顔を見合わせ、ニヤニヤと笑う。恥ずかしくて顔が熱くなってくる。弁明しようとしたけど、またもや身体中を愛撫されて阻止されてしまった。
- 「スケベな格好を見られて、興奮したのかい?」
- 「はぅん……そんな訳じゃ、はふぅ……っ、くぅぅん……!」
- 水着をずらされると、既に外へ溢れ出していた愛液が男たちに見られてしまった。どんどん溢れてくるけどどうしたんだいと尋ねられ、首を振る。みんなで身体を撫で回すからだと言い返す。
- 「こんなエロい顔を見せられると、俺たちも興奮してくるよ……! ゆっきーも、撮られて気持ちいいだろ? ほら、カメラを見て……」
- 「あ、ああぁあ……こ、こう……?」
- カメラのレンズを見つめながら、愛撫されてとろけた顔を晒す。カメラに笑いかけてと言われ、笑おうとした。でも、乳首をつまみ上げられ仰け反って悶えてしまい、出来なかった。
- 「撮って下さいって、はっきり言うんだ」
- 「はぁぁ、はぁっ、私が……気持ちよくなっちゃうところ……撮って、下さい……っ」
- 「……よく出来ました。じゃあ、ご褒美をあげよう。南国だからね。ゆっきーの肌を、しっかりケアしてあげないとね」
- 冷たい液体が肌に触れて、驚いて声を上げた。ぬるりとしたそれは、日焼け止めのオイルなのか。まるで事前に打ち合わせをしていたかのように、男たちは一斉に私の身体にそれを塗り込んでいく。
- 「あっ、あぅぅ! 乳首……やんっ、やぁぁん……!! クリクリって指で弄いじらないで……弱い、からっ……ああぁ……ん!」
- 愛撫され続けた身体はすっかり火照っており、乳首は膨らんで勃っている。指で乳首を弄くり回され、頭を振って悶える。
- 「全身に塗り込んであげるからね」
- 「あぁっ、うなじぃ……!? おへそまでっ……はぅ、全身ぬるぬるっ……するっ、ああ……! んふぅぅ……!! オマンコ、あっ、あぅん! クリトリス、やぁぁん! 気持ち、いいっ……!」
- 「ゆっきーにもう1つプレゼントだよ……お口あーんして?」
- それはカプセルの錠剤に見えた。素直になれるお薬だ、と言い男は自分の舌に乗せ、私に口づけした。舌を絡ませ合っていると、自然と薬を飲み込んでしまう。
- 「どんなエッチなことになっても、お薬のせいだからね?」
- 「そう……なの? あぁっ……そう、なんだ……?」
- 「ほら、みんなの愛撫に集中してごらん……?」
- 目を閉じて、身体中を撫で回す手の感触に意識を傾ける。高熱を出した子のように頬を赤く染め、小刻みに熱い吐息を漏らす。どんな感じだと尋ねられ、素直に答える。身体の奥にマグマだまりのような熱が生まれ、それに温められるようにして全身が火照ってきているのだと。
- 「ああ……っ、変なお薬のせいで……気持ちいいっ……!」
- 「こっち向いてゆっきー。カメラを見るんだ」
- 目を開け、カメラのレンズを見る。身体がどうなっているのか自分の口で言えと強いられ、胸が高鳴った。身体中を撫で回す男たちの手に目をやると、カメラもそっちを向いた。
- 「ああぁっ、そんなのエッチすぎる……本当の、変態っ……ヤリマンに見えちゃうよ……! んんうっ、み、見えますか……? 乳首もクリトリスも……興奮して、膨らんでっ……と、尖っちゃってます……! あ、あぁっ!? ビンビンになって……やぁん!? 指でっ、弄られてっ……ふぅぅ、気持ちよく、なって……! あ、あくぅっ……! あ、ああぁっ……! クリトリス、すごぃっ!? ごめん、なさいっ……イキそうっ! あ、ああぁっ……嘘、嘘ぉ……イクぅ、イッちゃうぅ!!」
- 男たちの愛撫はますます激しさを増し、乳首やクリトリスといった弱いところを容赦なく執拗に責められ仰け反って悶えた。身体の奥に渦巻く熱に浮かされ、あっさりと絶頂の階段を上り詰めていく。
- 「イッちゃっていいんだよ、ゆっきー」
- 「やあぁああっ!! あ、ありがとっ……ひうっ……イクっ! イクっ!? あ~~っ!? ダメぇぇええぇ~!! はぁ! はぁぁ……! 乳首と、クリトリスっ……と、とろけちゃった……い、イッちゃったよぉ……はぁぁ、はぅん!」
- 恍惚とした顔で、虚ろな目で男たちの顔を見回す。脱力し、力なく舌を出したまま犬のように荒く息をつく。男にイキ顔が可愛かったと囁かれ、ぶるりと背筋を震わせる。そして、こんなにエッチになっているのは全て薬のせいだと言い含められた。
- 「う、うん、そう……私っ……こんなにエッチじゃない……だ、だけど、いまだけはっ……あ、ああぁっ……みんなに、イキ顔見せる……からぁ、気持ちよくなるところ、いっぱい……見て?」
- 「そうだよ、もっと気持ち良くなって……いやらしい顔を見せておくれ」
- 絶頂したばかりの身体を容赦なく愛撫する男たち。彼らのペニスは一様に勃起しており、いますぐ私にハメたいはずなのだ。それなのに愛撫するばかりで、しかも私は愛撫だけで絶頂してしまっている。そう、いま絶頂したばかりなのに、乳首をこねくり回され、クリトリスをつまみ上げられ、またイキそうになっているのだ。
- 「この旅行は、何の為のものだい? ほら、カメラに答えて?」
- 「これはぁ……はひっ、ひぅ! 援交旅行なんです……くふぅぅ!? お、お世話になった常連さんと、ヤリまくって……んあぁ!? 援交しまくりの、夏休みを締めくくるっ……ひぅぅ!! その、為のぉ……っ! 記念旅行に、きちゃってますっ……!?」
- 期待に満ちた目で、男が尋ねた。夏休みが終わって学校が始まった後はどうするのか、と。愛撫されながら、吹き飛びそうな理性が抵抗する。これが終わりだからもう援交なんてしないって言わなくちゃいけないって。
- 「こんなにっ……気持ち良くしてくれるなら、援交を続けてもいいかも……しれない……ああぁ!? みんなのオチンポ、びくびくってしたぁ……! 私の言葉に、みんな反応して……もっともっと、ギンギンになってる……お腹に当たりそうなぐらい、勃起してるよぉ……!」
- 「ああ、みんなゆっきーに生オチンポをハメたいと思っているんだよ?」
- ペニスの根元を持ち、男たちが迫る。全身が心臓になったように鼓動が高鳴り、脈ひとつごとに全身が震えてしまう。危険日が近く、妊娠してしまうかもしれないとこぼすと、男の一人が乳首に吸い付いた。そして、別の男がクリトリスを舌の腹で舐め上げてくる。
- 「乳首ぃ……は、反則ぅ! クリトリスも、気持ち良すぎるっ……! はっ、はひっ……ひぅぅ、あぁっはぁぁん!! あぁ……先走ってるよぅ……エッチな匂い、ぷんぷんする……」
- 「分かってるんだろう? ゆっきーはもう昂ぶっているんだよ。我々のチンポで、身体を鎮めようよ?」
- 男のひとりが、生ハメさせておくれよとつぶやくように言った。それを皮切りにして、男たちは私を求めて迫る。
- 「はぁぁ、はぁっ! もぅ……うぅん、あぁぁ……! そ、そんなに……援交オマンコ……欲しいの……?」
- 血走った目で迫る男たちを見て、何故か大粒の涙がぽろっ、と溢れた。
- 「くふぅっ……そんなに言うなら……特別、なんだから……今日だけっ……参加してくれた、みんなにだけっ……あ、ああぁっ! 生オチンポ、ハメてもっ……いい、からっ」
- 事前に決まっていたらしく順番を争うことなく、1人目の男が私に覆い被さってきた。ペニスの根元を持ち、亀頭を膣口に押し当ててくる。
- 「ゆっきー、嬉しいよ……! じゃあ、行くからね……!!」
- 「あ、あぁっ!? すごい硬くて……あ、熱っ! んぁ、あぁ……!? ひぁっ、ああああああ~っ!! ああぁ~~~っ!?」
- 目を剥いて、熱い肉の塊が体内に突き込まれてくるその感触に意識が溶けていく。とろける。真っ白になる。甘美な瞬間。全身に広がる快感の電流。駆け抜けて、神経を快感で支配してしまう。心臓が脈打つごとにビリビリと全身が痺れて、そのたびに頭を振って喘ぐ。
- 「あひっ!! ひぃぃ……ああああ!! オマンコ……ぐちゅって広げて、奥までぐりってきたぁ……! い、いきなり……イッちゃったよぅっ……こんなの、おかしくなっちゃうってばぁ……イクッ! イキっぱなしになるぅ……!!」
- 生セックスはどうか、と腰を立てて激しくペニスを突き込んでくる男。最高だと答える私は、私自身も見たことのないようなはしたない顔をしているに違いない。
- 「んあぁぁん、あぁぁっあはぁぁ!? クリトリス……だ、ダメだってぇ……!! 生オチンポをハメながらっ……クリってするの、ダメぇぇ!!」
- 絶頂したら、いつもはしばらく昂ぶることはないのに。薬のせいなのか、何なのか絶頂の手前にしか戻らず、すぐにまたイッてしまう。それを繰り返し、理性が彼方へ吹き飛んでいく。男はペニスを挿入させたばかりなのに、子宮に亀頭を押し当てたまま身を仰け反らせた。オナ禁しすぎて溜めていたから、もうイッてしまいそうだというのだ。
- 「イッちゃってるからっ……だから、来てっ……! いつでもっ、出してえぇ!! ふああぁあっ!? イッた、奥ほじられて……またイッたぁあああ!?」
- 信じられない。こんな自分がいたなんて、私自身信じられない思いでいっぱいだ。でも決して嫌な気持ちではなく、それどころか嬉しさが胸に満ちるばかりで──。
- 「イキまくりじゃないか、そんなに気持ちいいんだね?」
- 「そうなのっ……身体、くりくりされてっ……イッてぇ! 一突きごとにっ子宮口、オチンポで突かれてっ……イッてるのぉ!! こんなの続けてたらっ、お……おかしくなっちゃうぅ!?」
- [image file=../image/i228-229.jpg]
- 男は歯を食いしばり、腰を激しく打ち付けてきた。理性どころか意識すら飛んでしまいそうな激悦の津波に押し流されそうになりながら、悲鳴めいた嬌声を上げる。
- 「時間はいくらでもあるからね……! 腰が抜けるまで犯してあげるよ……!」
- 「ふああぁあっ!? そんなの、すごすぎっ……!?」
- いつもの援交みたいにラブホテルの時間制限なんてないのだ。男たちが満足するまで一晩でも二晩でも犯され続けてしまう。そう想像しただけで、嬉し涙を流してしまった。
- 「中出しでイクんだぞ、ゆっきー!」
- 「ふぁぁ!? でもぉ……んあぁ! 中出しは、ほんとに危ないっ……!?」
- かろうじて残っていた理性が抵抗して言葉を吐き出したけど、ムダだった。男たちはNGなしなんだろうとニヤニヤ笑うだけ。私もそう言われるのを望んでいたのではないかと思うほど胸が高鳴ってしまう。
- 「パコちゃんから、危険日に中出し援交セックスしちゃったって聞いてるよ? お客さんを区別するのは良くないと思うなあ……」
- 「そうだけどっ……くうぅ!? そうだけど……あぁぁ!!」
- 頭の中を飛び交う2つの単語。中出し、妊娠、中出し、妊娠……。中出しは欲しい。でも妊娠はダメ。
- 「いいじゃないか、一生遊んで暮らせるだけのお金をあげるよ? だから、妊娠する権利を売り飛ばしちゃおう……ね?」
- 「あ……ああぁ……そんなことっ…言われたって…あひっ…気持ち良すぎるっ!」
- いま私にペニスを挿入しているのとは別の男が、私の顔を覗き込んできた。もう中出しされないと満足できないんじゃないのか、と笑う。
- 「……そうっ、そう……なのっ、中出し、好きっ……! 私の中でっ……気持ちよさそうに、バカみたいにどぴゅどぴゅされるのっ……大好きぃ……! はひぃ、ひぃぃっ!? オマンコの奥ぅ……突かれるの、す……好きぃ!」
- 一緒にいこうと誘いながら腰を打ち付けてくる男。子宮口に亀頭でキスされながら、中に射精されると確信した。子宮に注ぎ込んでやると宣言され、悦びに身が打ち震える。
- 「う……うんっ、出してぇ! はうあぁ!? ああああっ!? 激しっ、激しすぎるぅぅ!! 頭ぁ……真っ白に、なるっ!?」
- 「いいよね? 種付けしてもいいよね?」
- 何度も何度もうなずきながら、その瞬間を待つ。あの熱くて粘っこくて、とても臭い汁を子宮に注がれるそのときを──。
- 「危険日にっ! 中出し種付け、するからねっ!」
- 「いいっ、いいよ……! 特別だからっ……あ、ああぁっ……! こんな気持ちいいのっ……我慢できないからっ!」
- 腰を激しく振りながら、男が妊娠してもいいのかと尋ねる。もうアフターピルは真子に返してしまった。いつものようにはいかない。でも、それでも私は──。
- 「妊娠しても、いいんだね?」
- 「いい、からぁ……! 最後まで、オマンコの中で……! 一緒に気持ち良くなって……ふぁぁ!?」
- 膣内で男のペニスがビクビクと震え、射精されると分かった。男が上擦った声を漏らし、仰け反る。目を閉じて、その瞬間に備えた。
- 「出してっ……! 子宮の奥ぅ、届かせてっ……! 危険日中出し……全部っ! 全部、受け止める……からぁ! イクッ、イクイク……もぉぉダメぇ! 私っ……私ぃぃ! あああっ!! あ、ああぁあああ~!? イクぅううっ!? ああ~~~っ!! あ……!! あ……っ!!」
- 熱いものが膣奥で弾けて、胸が満たされていく。達成感、幸福感、何か大切なことを成し遂げたような気持ち。
- 「ふぉ、ううおおぉっ……! くぅぅ!? 注ぎ込んでやるっ……!!」
- 「ひぅぅっ、あはぁぁ……! 熱くて……はぁぁ、んはぁっ! どぴゅどぴゅって出されたらぁ……こんな濃いの、妊娠……しちゃうぅ……」
- どろり、どろりと子宮に絡みついてくる粘液。その熱さに身を打ち震わせる。出された白濁液の量は余りに多く、膣内を満たし尽くした。逆流して膣口から溢れる精液が、お尻の下に水たまりを作っていく。
- 「ふっ、ふはは! ……中出しセックス、最高だろう……?」
- 「は……はいぃ、こんな最高の味わっちゃったら……も、もう……!」
- カメラのレンズが目の前に来た。男に、いまの感想はと求められ、思わず微笑んでしまう。
- 「な、中出しセックス、最高でした……まだ! まだ出てますっ……おじさんの精液……子種が、どぴゅどぴゅって子宮に……!? 届いちゃって……ますっ、はぁぁっ、あぁぁん……! いきなり、最初から……濃厚セックス、しちゃいました……こんなすごいエッチ、もう……癖になっちゃいますっ……」
- まだまだ夜は長いよ、と男は言った。別の男は、この後どうなるか分かっているよねと笑う。
- 「あ、ああぁっ……はひっ……み、みんなで中出しセックスしてくれるんでしょ……?」
- その通りだと笑う男。こってり種付けし続けるよと宣言した。別の男が、これだけ数がいたら間違いなく孕んでしまうねと期待を込めた問いかけをする。男たちを見回し、期待に満ちた眼差しに応える。うなずき、お客さんを区別はしないから、中出し種付けして欲しいと懇願してしまうのだった──。
- そして数時間後。ホテルの一室に戻り、今度はセーラー服姿で痴態を晒している。自ら太ももを抱え上げ、股を開いて男のものを迎えようとしているのだ。そして客がベッドの上に乗り、亀頭を膣口に押し当ててきた。
- 「んっ、んんんっ……あぁ!? あ、ああぁっ!?」
- 「ゆっきーはやっぱり、セーラー服が似合うねぇ……!」
- せっかくの現役JKなのだから、この姿で夏休みを楽しまないといけないと男は笑う。そして、すっかり挿入されてほぐれきった膣内へ太く硬く熱いペニスを沈み込ませてきた──。
- 「ひっ……んふぅぅ!? あっ、あああ……あぁ! 入ってくるぅぅ~~~っ!! ひゃうぅ、くふぅぅ……ん、ふぁぁー、はぁぁ……!」
- 「しっかりカメラにおさめているからね、ゆっきー」
- 「う、うんっ……あ、ありがとっ……感じているところっ……気持ちよくなっているところっ……いっぱい撮って……ふひぃっ!?」
- 一気に奥まで突き込まれ、弓なりに仰け反って悶える。男は気持ち良さそうに腰を上下させながら、私の中がとろけきっていると言って笑った。散々、愛液を流しスペルマを注ぎ込まれてほぐれきっているのだと。盛りのついた獣のように激しく突き込まれ、ベッドのシーツをぎゅっと握ったまま何度も頭を振る。
- 「いつもは、キツキツで……締め付けてくるのにっ……! 今日はビックリするくらい、スムーズにピストン出来るよ……!?」
- 「だ、だってぇ……くぅぅ! みんな……あんなに中出しするから……あぁっ!? 私のオマンコっ……もう、ゆるゆるになってぇっ……ひああぁああ~!?」
- 「ふはは、すっかりヤリマンオマンコになっちゃったね?」
- 薬の効果はまだ続いている。全身が性感帯になったみたいで、ちょっと愛撫されただけで絶頂してしまいそうなほどに敏感になってしまっている。そんな中、幾度となく男たちの相手をしたのだ。
- 「ふあぁあっ……お、おじさんの言う通り……だよっ、だってぇ……溢れるぐらい注いでっ……ハメまくるからぁ……んあぁ!?」
- 「まだまだ、この程度じゃ終わらないよ。ザーメンは残っているからね……?」
- 周りの男たちが勃起したペニスを見せつけ笑った。まだまだ、こんな快感が続いてしまうのだと思うと期待と興奮で全身が打ち震えた。
- 「ふぁぁ……! みんな、たくましいよぉ! もっともっと、中出しするんだ……?」
- 「この旅行で、オチンポ汁を一滴残らず注ぎ込んであげるからね?」
- もう何度膣内射精されたか分からない。それなのに、まだまだ注ぎ込まれてしまうというのだ。そうなったら私は──。
- 「そんな、あぁ……本当に、孕んじゃうかも……あぁあっ! あ、ああぁあっ!?」
- 本当は妊娠してしまいたいんだろうと言われ、否定した。
- 「孕ませ援交セックスを受け入れるって、そう言っただろう?」
- 「言った……言った、よぅっ……全部、受け入れるってっ……は、はふぅう!?」
- カメラを持った男が近付いてくる。分かっていた。私に、何かを言わせる気なのだと。
- 「じゃあ、カメラに向かって言うんだ。受胎します……ってね」
- 「はっ、はぁぁん……そんなぁ、そんな……私っ、私……!」
- カメラのレンズが近付いてくる。そこに映った自分は、期待に満ちた顔をしていた。
- 「あぁっ、あぁぅ、あぅぅっ……! この援交旅行でっ……妊娠、したいです……!! いっ……一番っ、愛情とお金をかけてくれた、オチンポに……っ、くぅぅ!? 子宮を……あ、明け渡したいの……はぁぁ、はうぅ、はふぅぅ……! はぁぁ、はぅ! 卵子にまでっ……精子を届けてっ! 私の、何もかもっ……買い取って下さいっ……んあぁぁ~~~!?」
- 深く深くペニスを突き込まれ、子宮を擦り上げられ、あごを上げて悶えた。子宮口を擦られ、亀頭で突き上げられ、激悦の奔流に呑まれ小さな絶頂を何度も何度も迎える。
- 「ゆっきー、なんて可愛いんだ……! 俺たちの愛情を、子宮にまで届けるからね!」
- 「はぁぁっ……あはぁぁん、嬉しっ……嬉しいよぅ、くぅぅ!? 愛してっ……私のこと、全部っ……なにもかも……あ、ああぁあっ……!? 私のっ、オマンコは、みんなのもの、だからぁ……あぁ、あぅぅん!!」
- 口から溢れたよだれを拭うことすらせず、太ももを抱え上げたままよがり狂う。嬉し涙がぽろぽろと溢れ頬を伝い、筋を描いていく。
- 「援交オマンコ……ヤリマンオマンコ……求められるのが大好きだから……! はぁぁ……どんな変態的な要求にも、応えちゃうんだから……あぁ! 種付けだって、に……妊娠だって……求められたら、私っ……」
- 男のペニスが根元まで沈み込むたび、淫靡な水音が響く。膣内の精液を、愛液を掻き出そうとする音だ。身体の内側から響くその音を聞きながら、犬のように舌を出しっぱなしにして喋る。何か声を出していないと、意識が飛んでしまいそうなのだ。
- 「ふぁぁ、あぁっ、あ~~~っ!! くひぃ……っ! ひっ、ひぃぃん……! い、いいっ……ずこばこ、気持ちいいぃぃっ……!? 誠意を……お金を積まれたらっ……種付けまで売り渡しちゃう……っ! ゆるゆるオマンコなの……はひぃ、ひうぅっ!?」
- 「みんな、そんなゆっきーが大好きだよ……?」
- 精液と愛液でぬめった膣壁を擦りたてられ、柔ひだを掻き分けられ、子宮を亀頭で突き上げられる。何もかもが最高で、ひと擦りごとに絶頂してしまう。こんな気持ちいいの味わったら、もう戻ってこれなくなる。いつもの私に、戻れなくなる──。
- 「あ……あぁんっ! 私も……! 私もっ……みんなのこと、大好きぃ……!! だからっ……あ、あああぁっ……だ、だからぁっ……大好きなおじさんたちの、こ……子供をっ! 孕みたいのっ……!!」
- 「ゆっきー、おぉ……ゆっきー! さあ、また種付けしてあげるからね……くっ、おおお……!!」
- 男は歯を食いしばり、腰を上下させ始める。膣内でビクビクと震えるペニス。射精の予感に胸が高鳴り、舌なめずりすらしてしまった。頭の中はもう真っ白になりそうで、意識が飛びかけている。来る。来てしまう。あの甘美な瞬間が、また。
- 「ひゃうぅ!! あっあ~~~!? あぁぁ! またぁ……またイきそうぅっ……! イキ顔見せちゃうよぅ……今度こそ、孕みゅぅぅうっ……!? すごいの来ちゃうぅ……っ、私っ……私ぃぃ! ああああっ!? あ、ああぁっ……も、もうっ……ダメぇ! 私ぃ、こんなのっ……!? 来るっ……来ちゃうぅ!! いままで味わったことないやつっ……人生で一番っ……幸せなの、来るぅっ……!? はぅぅん……っ、あぁぁん! あ~っあっああぁ……あふぁぁ……!! あ、ああぁあ……こんなの知っちゃったら、はぁ、はぁぁ……もう、戻れないかも……」
- 男が両肩を大きく揺らしながら、ここで止めるかと尋ねてきた。首を横に振り、いまさら止めるなんてムリだ、と即答する。
- 「つ、続けて……! お願い、最後までっ……あああ~~~っ!? イカせてっ……最後まで、一緒にぃっ……気持ちよく、させてっ……! みんなの援交ヤリマンオマンコでっ……居続けさせてぇ……!」
- [image file=../image/i238-239.jpg]
- 「よぉぉし! 種付け、するぞっ……!?」
- 男が意気込み、休ませていた腰を再び動かし始める。
- 「はいっ……はい、孕むっ……妊娠する、からぁっ……あぁぁ~~!? イクッイクイクぅあああっ!! ひっひゃああっ、あああ~~!? あああっ、あっ、あ~!! イッッグううぅぅうううううう~!! あひぃぃ! ひゃああっ……はぁぁっああああん!!」
- 「ぬおおっ!? お、おおおっ……出すぞぉぉ!?」
- 自分の声すら遠くから聞こえてきそうなほど意識は遠くへ飛び去り、気を失いかけた。次の瞬間、熱いものがどぷっ、どぷっと濁流になって押し寄せ我に返る。また、あの粘っこくて臭いオス汁が注ぎ込まれたのだ。子宮を満たすその感触に、頭の芯まで焦げてしまう。
- 「はひっ……ひやぁぁ、あふっふぁぁ……あひぃ……と、とろける……よぉ! くひぃ……やうぅ、あぁぁん……また、こってりぃっ……そ、注ぎ込まれたぁっ……! 一番、奥までっ……あ、ああぁ……またぁ……精液、混ざり合ったぁ……」
- 「ぜぇ! ぜぇぇ! くぅぅっ……たっぷり、注ぎ込んでやったぞ……!」
- 大きく大きく震えるペニス。膣内に一滴残らず精液を注ぎ込んだと判断したのか、男はペニスを抜いて立ち上がった。膣口から溢れてお尻に流れていく精液を見て、胸の奥が熱くなる。幸せとは、こういうのを言うのだろう。いまならそう思える。
- 「まだまだ、休んじゃダメだぞ? もっと濃いの……! ブチ込むからね……!」
- 別の男がベッドの上に乗ってきた。勃起した太くて黒いペニスが、精液まみれの膣口にキスする。かと思った次の瞬間、休む間もなく私は挿入されていた。
- 「はぅぅ……ひぁ、ああ!? あ~~っ!! んあぁぁん!!」
- 「ゆっきーのオマンコ、なんてイヤらしいんだ……!」
- いまペニスを挿入している男も、さっきプールサイドで私の中に射精したはずだ。それなのにまだまだ元気で、萎える様子がない。太いペニスで、いま出されたばかりの精液を掻き出そうとするかのように激しく突き込まれ、仰け反って悶える。
- 「んあぁぁん!! イッてるのにっ……オチンポで突かれたらぁ……!? イクっ、イクぅ、イキっぱなしになるっ……! そんな、またぁっ……!?」
- 「いいんだよ、何度でもイッてくれっ……イキ顔見せて……!?」
- 絶頂したばかりなのに、頭の奥でバチバチと弾けているものがある。絶頂を爆発とするなら、それを起こす火種だ。それはまたたく間に大きくなり、頭の中を支配していく。
- 「あ、ああぁっ! 見せるっ、またイキ顔……見せるぅ!」
- 「ほら、一緒にイこうね?」
- 「イクッ……イクッ! イクッ……!? ああぁあっ……ああぁぁ!!」
- 「ぐぅぅっ!? 締め付けてきて、堪たまらん……!」
- さっき子宮を満たした精液を追い出すかのように、男の精液が流れ込んできた。熱いそれが競い合うように膣内を満たし、絶叫めいた嬌声を上げる。
- 「イクぅぅぅぅぅぅっ……! あ、ああぁああああ~!! こんなの気持ち良すぎて、あああっ!? ああっ……」
- 「ゆっきーのイキ顔、最高に可愛いよ……!」
- ドクドクと音を立てて子宮に注ぎ込むペニスを見つめるのは、不思議な気分で。
- 「あはっ……まだ震えてる……奥で、中出し……されてる……こんなの気持ち良すぎるっ……う、嬉しい……よぅ……」
- 男たちに笑いかけると、彼らのペニスがビクンと大きく跳ね上がって大きくなるのが見えた。まるで初恋の女の子に会って、緊張して棒立ちになった少年のようだと思う。
- 「こってり、中出しされちゃったねえ……?」
- またペニスが抜かれ、男がベッドから降りていった。
- 「みんなに援交して貰って……し、幸せすぎるよぉ……」
- 「ゆっきー、とっても幸せそうだよ? 援交セックス、好きかい?」
- 「援交セックス……だ、大……好きぃ、あふぅ……」
- いまにも気を失ってしまいそうな絶頂の中、男たちを見回した。
- 「みんなは……こんな私のこと、好き……?」
- 気付けば勝手に口が開いていた。何故聞いたのか、何を聞きたかったのか分からない。男たちは笑顔で好きだよ、と答えてくれた。カメラを持った男が、撮影した動画を再生し私に見せる。
- 「ご覧? ゆっきー、とっても輝いてるよ? みんな、ゆっきーが好きなんだ」
- 男に膣内射精され、嬉しそうに微笑む自分の姿を見て、自然と笑顔になった。そうか。そうなんだ。どうして私なんか、みんな求めてくるんだろう。そう思っていた。私には何もないって、空っぽだって、心のどこかで思っていたんだ。でもこの人たちは、そんな私が好きだと言ってくれた。私は──空っぽじゃなかったんだ。
- 「さあ、トドメだよ……!」
- そう言って、別の男がベッドに上がってきた。野太いペニスで膣口を押し開かれ、内側をほじられていく。
- 「あぁぁ!? またイッちゃうっ! イカせてっ……私、イキたいぃっ!?」
- 「このトロマンを、快感で満たしてあげるよ! さあ、またイキ狂うんだ……!」
- みんなが満たしてくれる。ありのままの私を、満たしてくれる。私はひとりじゃないから。
- 「あああっイクイクッ……! またイクッ! おじさんの生オチンポでイクぅぅ!」
- 「ぐううぅ!? うねっていて、堪らん……!!」
- がつがつと容赦なく激しく責め立てられ、目を閉じる。嬉し涙が溢れた。
- 「もっと奥ほじってイカせて……イカせっ……? も、もうダメぇぇ~~!!」
- 「イクぞ、一緒に……! イクぞっ……!!」
- また、中に射精されてしまった。熱くて濃い子種汁を、子宮に、ありったけ注がれてしまった。
- 「イグっ! イックぅぅぅうううう~~~!!」
- 饗宴は、夜を通して続いた。いつ終わるともなく、誰が終わりと言うこともなく、続いた──。
- [image file=../image/i244.jpg]
- 夏休みの援交旅行から、ひとつの季節が巡った。学校の屋上からグラウンドを見下ろし、暖かな春の日差しを感じている。風がそっ、と優しく頬を撫でた。夏が終わってからは、あっという間だった気がする。もう卒業だなんて、なんだか嘘みたい。
- 「ん……」
- スマホの着信があって、取り出す。
- 「もしもし? ふふ……お久しぶり、だね……」
- 『やっほー、ゆっきー。元気?』
- 「うん、元気だよ……真子」
- 真子と話すのは久しぶりだった。マネージャーとして復帰した陸上部の活動、受験勉強と忙しくて会えなかったのだ。しばらく振りの連絡だと詫びると、真子は思いついたように声を上げた。
- 『あっ、もしかして、陸上部のコーチにまだしつこくされてるとか?』
- 「ああ、それは大丈夫。えっと、言ってなかったっけ? あの人、いなくなったから」
- 辞めたのかと聞かれ、そうだと答えた。援交していたことがバレて、コーチは逮捕された。しかも何人もの女子生徒と関係を持っていたらしい。私との関係は終わっていたから、それが明るみに出ることはなかった。当然、学校からは懲戒免職を言い渡され、いまはどこで何をしているのか分からない。
- 「……だから、コーチとはそれから一度も会ってないよ」
- 『あれから……えんこー、してないんだ?』
- 振り返り、屋上の柵に背中を預ける。していないと答えた。同級生とも援交をやめて、特定の誰かと付き合っているわけでもない。
- 「結構無茶しちゃったけど……結局、大丈夫だったし」
- 『記念旅行まで、しちゃったもんね』
- 床の上に座り、空を見上げる。幾度となく膣内射精され、妊娠したと確信した。だから覚悟していたのに、その後にすぐ生理が来て拍子抜けだった。それが援交を辞めるいい機会だったのかもしれない。本当の意味で、最後の援交に出来た。
- 『みんな、すごく残念がってたよ』
- 「うん……でも、もう辞めるって決めたから。そんな暇も、実際なかったし。陸上部ね、代わりに女の先生になって……これが、変な人でさ。いまどきないぐらいの熱血で、なにかと手伝いに駆り出されて……マネージャーって、こんな大変なんだって思った」
- 『そっかぁ……えへへ……』
- スマホ越しに聞こえる嬉しそうな真子の声に、何だかホッとする。
- 『ゆっきー、ちょっと変わったね』
- 「え? そうかな……?」
- 真子は何となく、と言った。そうかもしれないと思う。入試に受かって、進路も決まった。卒業も近いし、ふらふらしているわけにはいかない。
- 『そっか……もうすぐ、卒業式だよね。おめでとう、ゆっきー』
- 「うん。その……私こそ……ありがと」
- 真子は不思議そうに、どうして私が礼を言うのかと尋ねた。それこそ、何となくだ。
- 『……ゆっきーは、卒業したらどうするの?』
- 「受かった大学に行くよ。特になにをしたい訳じゃないけど……親もうるさいし。もしかしたら……何かが見つかるかもしれないから」
- 我がことのように安心した声で、そうだよねと真子は相づちを打ってくれた。
- 「その……真子は、大丈夫なの?」
- 『んー、わたしは全然だいじょーぶ。いまも、彼氏と仲良し……えへへへぇ』
- それならいいけれど、と思う。真子を道具みたいに使おうというのなら、許せない。そんな思いを察知したのか、真子は心配しないでいいと言った。
- 「卒業したら、また会おうよ。二人でさ……いつかみたいに」
- 『嬉しー、わたしはいつだって、おっけーだよ。もし、そのときも……何にもなかったら……』
- 途切れるように小さな声で、聞き取れなかった。聞き返すと、何でもないと真子が返す。誰かが真子を呼ぶ声が向こう側から聞こえた。
- 『じゃあ、また連絡するね』
- 「うん……じゃあね、真子」
- 『ばいばい、ゆっきー。また、お会いしましょー』
- * * *
- ホストクラブ『サイオン』で、1人の男が祝福を受けていた。
- 「今夜の! 主役に! 身も心も捧げます!」
- 顔立ちの整ったホストが声を上げる。
- 「シャンパン! シャンパン! シャンパンコールぶちかませ!」
- 合いの手を入れるホストたち。
- 「シャンパン! シャンパン! 素敵なピンクが入ります~!」
- 「はーい、いただきまーす」
- そう言ってシャンパンを受け取ったのは美月真子だ。きらびやかなホストに囲まれながら、真子はシャンパンで唇を潤す。
- 「パコ、相変わらず、飲みっぷり悪ぃーな」
- グラスをホストに返し、真子は苦笑する。
- 「お酒、あんまりおいしくないんだもん」
- 別のホストが用意していたソフトドリンクを受け取り、レイドに笑いかける真子。
- 「レイドくん、いっぱい飲んでいーよ。今日は特別な日でしょ?」
- 「ああ、パコのおかげだよ……やっと、この店のナンバー1になれた。いまさら、こんなこと言うの、恥ずかしいけどよ……お前が、ガンガン女を回してくれるからここまでこれたんだ。その……ありがとうな」
- さして頓着していない様子で真子は、どういたしましてと返した。
- 「その、これからもさ、どんどん紹介してくれよ。この間のOLの子なんてさ……」
- 「レイドくん。わたしのやり方に、口を挟まないでね」
- 淡々とした口調だったが、真子の目は笑っていない。レイドは気け圧おされた様子で、視線を逸らし謝った。
- 「今日はいいことあったしー、気持ちよくいたいから」
- [image file=../image/i249.jpg]
- 「そういえば、待ち合わせのときからご機嫌だったな……何かあったのか?」
- 真子がにっこり笑う。この店ではそうそう見せない笑顔だ。
- 「ゆっきー。覚えてる?」
- 「ゆっきー? ああ……いたな、お前の元クラスメイト。最近、すっかり名前聞かなかったけど……いまどうしてるんだ?」
- いまはすっかり元気になった、それもレイドくんが協力してくれたおかげだと微笑む真子。グラスで口元を隠したまま、真子はレイドに鋭い視線を向ける。
- 「……もう少し、演技できるようになってね」
- 「俺なりに、やりきったんだけどさ……」
- とてもナンバー1ホストとは思えないしおらしい様子で、レイドは口をつぐむ。
- 「ゆっきーが何も知らない女の子じゃなかったら、バレてたかもしれないし。結局、うまくいったからいーけどさ」
- 「なあ、パコ。前から聞きたかったんだけどよ……」
- レイドが尋ねようとしたとき、隣からタキシード姿の男がやってきた。それは店のオーナーだ。すまなそうに笑顔を作って、真子に歩み寄る。
- 「その……出来ればでいいんだけどね、今度また……女の子を集めてくれないかね」
- 「はーい、いいですよ~。パーティーの日付と、必要な人数、あとプレイ内容を教えて下さいねー」
- 「紙にまとめておいたよ。はい、これ」
- 「ありがとうー。じゃあ、後で女の子の写真を送りまーす。ぎりJKじゃなくても、大丈夫ですよねー?」
- 制服を着ていれば分からないとオーナーが笑う。真子も笑顔で返した。店の奥に戻っていくオーナーの背中を見送るレイド。
- 「ゆっきーは、パコのこと……何にも知らないんだよな」
- 「知る必要なんて、ないよ」
- 真子のスマホが音を鳴らした。
- 「あっ……噂をすれば……」
- それは悠希からの連絡だった。ちょっとしたメッセージと一緒に、画像が添付されている。
- 「それ、ゆっきーか?」
- 「うん、そう……ほら、とっても幸せそうでしょ」
- 怪訝そうな顔をしてレイドが口を開く。どうして悠希に援交をさせたのか、分からないと。
- 「……ゆっきーには、いっぱい助けて貰ったから。だからー、今度は……わたしが助けてあげたいなあって……」
- 「……最初から、仕組んでいたわけじゃないのか?」
- シャンパンを口に含み、意外そうに声を上げるレイド。真子は肩をすくめる。
- 「とんでもないよ。わたし、そんなひどい子じゃないし。またゆっきーから連絡があるなんて、思ってもみなかったし。でもね……久しぶりに会ったとき、ぴんと来たんだ。ゆっきーにはほんと、何にもないんだって。だから……わたしが埋めてあげたの」
- 「援交、で……か?」
- まだ分からないといった様子で、レイドは口にする。真子は何にもないよりはいいと返す。そして愛おしげにスマホに目をやった。
- 「ゆっきーは素直だから。全部信じて……受け入れてくれた。だから、ほら見て。いまはこんなに輝いてる……きれいだよ、ゆっきー」
- スマホに映っているのは、悠希から送られてきた一枚の画像。卒業証書を手に笑う、河原木悠希の笑顔。
- 「でも、もし……卒業して、進学して……それでも何にも見つけられなかったら……そのときはまた、わたしが満たしてあげるね……?」
- [image file=../image/i253.jpg]
- 若林浩太郎
- はじめまして。もしくは、お久しぶりです。
- 本作は私もシナリオ執筆で参加させて頂きました成人向けゲーム「円交少女」のノベライズ版です。
- 本書執筆のご依頼を頂いた時、原作を執筆していたこともあり、難しい作業ではないだろうと思っていました。しかし。お請けした後、重要なことに気付きました。そう、ゲーム版には地の文が殆どないのです。当然、追加しなくてはなりません。どれだけ状況描写を追加するか、その加減に思わぬ苦戦を強いられることになりました。
- オリジナルをプレイされていない方がおられましたら、是非とも遊んでみて下さい。ダウンロード版も用意されていますし、良心的な価格に設定されていますので衝動買いしても損はないと思います。また、本書との違いも楽しめるでしょう。
- 最後に。円交少女ノベライズの機会を与えて下さったパラダイム出版の皆さん、ビジュアルアーツ社のFrillブランドスタッフの皆さんにこの場を借りて深くお礼申し上げます。何より、読者の皆さんが構えておられたキャッチャーミットに真っ直ぐ投げ込めていれば、これ以上の喜びはありません。
- ぷちぱら文庫
- 円えん交こう少しょう女じょ
- ~陸上部りくじょうぶゆっきーの場ば合あい~
- 2015年10月30日 EPUB版発行
- ■著 者 若林浩太郎
- ■イラスト 恋泉天音
- ■原 作 Frill
- 発行者 久保田裕
- 発行所 株式会社パラダイム
- 〒166-0011
- 東京都杉並区梅里2-40-19 ワールドビル202
- TEL 03-5306-6921
- ©KOUTAROU WAKABAYASHI ©2015 Frill
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