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- Dungeon 5
- オーン
- ………。
- グラデンス
- どうやら、 ラナスのやつはまだ先のようじゃの。
- オーン
- ………貴様がノロノロしていなければ、 もう今頃追いついている。
- グラデンス
- ……そうじゃな。あやつらが設置した罠に 全部引っかかった上での。
- オーン
- フン……。
- ティリス
- あ、オーンちゃん、グラ爺!!
- セリア
- お2人とも、どうしてここに?
- グラデンス
- フォッ……お主らか。
- オーン
- フン……。
- カル
- もしかして…… 俺たちの加勢に来てくれたのか?
- グラデンス
- う、うーむ…… それがじゃのう……。
- オーン
- お前らが不甲斐なければ、そうする。
- オーン
- だが、俺は俺でやることがある。 お前たちはお前たちの使命を果たせ。
- セリア
- オーン様……てっきり怒られるものとばかり 思ってたんだけど……。
- カル
- ああ、正直俺もだ……。
- ティリス
- …………。
- ティリス
- グラ爺…… オーンちゃんは何をやろうとしているの?
- グラデンス
- フム……これまでは、ワシが ずっと止めておったことなのじゃがな……。
- グラデンス
- あやつはアベル機関の長官ラナスを、 自らの手で倒そうとしておるのよ。
- セリア
- ラナスを…… オーン様自ら……ですか?
- グラデンス
- ……ラナスがもともと召喚院に所属していた ことは、以前に話したな。
- セリア
- はい……。
- カル
- そのことは、俺も聞いた……。
- グラデンス
- 奴が召喚院を抜けて、連邦でアベル機関を 設立したのは、おそらくはワシらのせい……
- グラデンス
- ……とまではいかぬものの、
- グラデンス
- 少なからず関係しておるのは、 おそらく間違いないじゃろうからのう。
- ティリス
- ……………。
- グラデンス
- オーンとしては、己の世代で作った禍根は 自分の手で始末をつけたいのであろう……。
- カル
- アベル機関の長官……ラナスと爺さんたち。 一体何があったんだ?
- グラデンス
- ……そうじゃな。
- グラデンス
- ここまで来たら、やはりお主らに、 話しておいた方がいいかもしれぬ。
- セリア
- …………。
- グラデンス
- ラナスがグリフとともに、ワシらのもとに やって来たのは召喚院設立後間もない頃じゃ
- グラデンス
- あやつは、当初より抜きん出た実力を持ち、 組織の発展にも人一倍情熱を燃やしておった
- グラデンス
- いずれはグリフとともに、未来の召喚院を 背負って立ってくれる人材だと
- グラデンス
- ワシやオーンは、密かに期待しておった。
- グラデンス
- ……だが、人一倍情熱を燃やしていたが故に あやつが思い描く組織の理想像と、
- グラデンス
- ワシやオーン、ほかの召喚師たちが抱く 理想像との間に、ズレが生じ始めたのじゃ。
- グラデンス
- 最初は単なる論争程度でしかなかった。 だが、やがてそれは大きな問題に発展した。
- セリア
- ……………。
- グラデンス
- ミスを犯し隊を壊滅寸前まで追い込んだ ある若手召喚師の処分を巡り、
- グラデンス
- 意見がワシらとラナスとの間で 大きく分かれたのじゃ。
- グラデンス
- 隊を壊滅寸前まで追い込んだ罪は 確かに大きい……。
- グラデンス
- だがワシらは、命を取るような処分は避け 除隊程度にしようと考えておった。
- グラデンス
- しかし、ラナスは強固に処刑を主張した。
- グラデンス
- そして……。
- グラデンス
- ついには独断でその若手召喚師を 処刑してしもうたのじゃ……。
- カル
- ……………。
- グラデンス
- その後、ワシらはラナスを追放処分にした。
- グラデンス
- あの当時、ワシらも若かったんじゃな……。
- グラデンス
- ラナスのやったことを 決して許すことができんかった。
- グラデンス
- 追放後、ラナスの行方は知れなかったが、 再びあやつの名を耳にしたのは、随分と後…
- グラデンス
- 連邦にアベル機関という組織が存在する ことを知った時……というわけじゃ。
- カル
- …………。
- セリア
- そんなことが……。
- グラデンス
- 古い話じゃ……。
- グラデンス
- あの若手召喚師の命を取るまいとした ワシらの判断が間違っていたとは思わん。
- グラデンス
- だが後悔が残らぬと言えば、嘘になる…… もっと別の方法がなかったのか…とな。
- ティリス
- …………。
- グラデンス
- さて、話が長くなってしもうた。 オーンに急いで追いつかねばな。
- セリア
- オーン様に協力するのですか……?
- グラデンス
- ワシがラナスを止められなかった以上、 そうせざるを得まいて……。
- グラデンス
- 召喚院とアベル機関、直接的な全面闘争は できれば避けたかったのじゃがの……。
- カル
- ……………。
- グラデンス
- アベル機関……ラナスについては、 ワシらに任せろ
- グラデンス
- ……と言ってしまえる状況ではないが、
- グラデンス
- なるべくお主らの負担を軽くできるよう、 頑張るつもりじゃ……。
- ティリス
- グラ爺……。
- グラデンス
- お主らはお主らで、封神儀を正常に 戻すことに尽力するのじゃぞ……。
- セリア
- …………。
- カル
- …………。
- ティリス
- オーンちゃんたち、 無理しないといいんだけど……。
- セリア
- 召喚院設立後間もない頃の話か……。
- セリア
- ラナスに対しては、グラデンス様たち、 様々な思いを抱いているんでしょうね。
- カル
- …………。
- カル
- 爺さんたちの事情がどうであろうと俺たちは 俺たちにできることをするしかないさ……。
- セリア
- そうね……。
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