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- ごあいさつ
- このたびはハドソンのファミリコンピュータ・シリーズ『桃太郎伝説』(HFC-MO)をお買い上げいただきまして、誠にありがとうございました。ご使用のまえに取扱い方、使用上の注意等、この「取扱説明書」をよくお読みいただき、正しい使用方でご愛用下さい。なお、この「取扱説明書」は大切に保管して下さい。
- 本誌独占発表
- 桃太郎゛鬼退治゛の決意を表明!!
- 『桃太郎伝説』記者会見!!
- 村の人々を苦しめる鬼を、ボクは許せない!!
- 最近の鬼族の行動は目にあまるものがある。と、25日、桃太郎(六)は、鬼ヶ島へ鬼退治に行くと発表した。
- 桃太郎は六年前、おばあさん(当時六八)が川で洗濯をしている時に拾った大きな桃から生まれ、当時のマスコミを騒がせたのは、まだ記憶に新しい。その後、おじいさん(当時七二)おばあさんに引きとられてスクスクと育っていった。六ねの歳月がたち、桃太郎が突然「鬼退治に出発する」と語ったことに対し、おじいさん、おばあさんを始め各方面で強いショックを受けている。
- 一方、鬼族は「ペットのふんを処理しない」「ゴミを決められた日に出さない」等、村の美化条例に反発したのを発端、窃盗、万引き、凶器準備集合罪等を中心に活動る犯罪組織に成長し、奉行所の?手を焼かせている。
- 「そんな鬼族に対して六歳の少年に何ができるのか」という批難の声があがる中、25日の記者会見の席上で桃太郎は次のように語った。
- 「村の人々を苦しめる鬼を、ボクは許せない。今まで親切に育ててくれたおじいさん、おばあさんに、こういった形ででも、ご恩返しがしたい。
- どんなに手強でも、愛と勇気を持って戦えば、きっと勝利を得られるはずだ!!」
- 鬼に制圧されつつあるこの世の中で、長い道中、かなり厳しい旅を強いられるであろうと、養父母であっるおじいさん、おばあさんは不安の色を隠せない様子だ。
- いつかきっと何かをしでかす子じゃとは思っておったが!
- おじいさん、おばあさんは、旅立つ桃太郎に次の言葉を送った。
- 「桃太郎は生まれた時から元気いっぱいで、ここまで成長したかと思うと鬼退治とは…。
- いやはや、いつかきっと何かをしでかす子じゃとは思っておったが、まさかこんな大それたことをしようといいだすとはのォ。まあ、桃太郎ならきっと、この大偉業を成し遂げてくれると信じておるじゃ」
- 「やれやれ、やっと子宝に恵まれたかと思えば、あの恐ろしい鬼をやっつけるなんて…。わたしはあの子さえ無事戻って来てくれさえすれば、それで充分です。とにかく身体だけは気をつけて欲しいですね」
- 今となっては頼る者もない村人たちの期待は、桃太郎に一心に集まっているのも事実。
- 桃太郎さんには頑張って欲しいだよ!
- 花咲か村に住む村人は、「オラの村さ、昔は桜の花さ満開で、きれーな工工村だっただが、鬼さ来るようになったら、みィンな花さ枯れちまうし…‥桃太郎さんに頑張って欲しいだよ。…え?オラ!?オラはそんな、鬼退治だなんておっかねーもんは、したくねーだよ。陰ながら応援するのが精一杯ですだ」と語っている。また、村のお地蔵さまは「お地蔵さまは歩けないので、ある乗り物に乗っています。その乗物は地蔵車!!」と、あいかわらず呑気。
- この国の秘境に住む仙人たちも、桃太郎の旅を全面的にバックアップする意志を発表している。
- 最後に本紙の突撃記者瓦番太郎が、決死の覚悟で鬼の談話をとってきた。
- 「あーん? モモタロウだって? そんなガキンチョに何ができるってんだ!? 愛と勇気だなどとバカげたことを言てても、腹のたしにはならねェぜ。もう少し利口にならねェと長生きできねェぞ!!」と、鬼はかなり強気である。命からがら逃げてきた瓦番太郎は、泣きながら頭にコブを二十数個つくっており、全治二週間で、現在療養中。
- 今後の桃太郎の動向に注目していきたい。
- 〈裏面に関連記事〉
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