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- [center][b]Map:[/b]
- [Spoiler=Open]ティリス
- {Summoner}。
- 遂にここまで来たんだね。
- カルナ・マスタ様の封じられた地メノン。
- きっとここの最奥に
- カルナ・マスタ様はいる。
- 私はカルナ・マスタ様と
- 直接お会いしたことは無いけれど
- 十神の頂点にして
- ルシアス様が恐れた方……。
- きっと凄い力なんだと思う……。
- でも、{Summoner}だったら
- きっと大丈夫だよ!
- 今までもたくさん困難を
- 乗り越えてきたんだから!
- それに、今回はやっと私も一緒に
- 戦えるしね♪
- もちろん、セリアやカルくん、
- パリスにルジくんも一緒だしね♪
- {Summoner}、行こう!
- みんなと一緒に最後の戦いに![/spoiler][Spoiler=Part 1]セリア
- 遅いわよ!
- {Summoner}!
- 最後の戦いの前だってのに
- 緊張感が足りないんじゃない?
- ルジーナ
- ケッ、こいつはただグズなだけだ。
- それより緊張感なんて言葉がお前から
- 聞けた方が俺は驚きだよ。
- パリス
- いちいち噛みつかないで。
- 話が長くなるわ……。
- カル
- なあ、みんな、最後くらい
- しっかりいかないか?
- ティリス
- …………。
- うん、みんないつも通り元気だね!
- セリア
- 何よそれ。
- まあ、否定はしないけど……。
- カル
- ハハッ、確かにティリスの言う通りだな。
- …………。
- {Summoner}、
- 俺たちの前にそびえるこの門。
- この先にカルナ・マスタはいるはずだ。
- 覚悟はいいか?
- セリア
- カル、{Summoner}には
- 聞くまでも無いわよ。
- どうせこの門を見ても
- 怖くなって止めたとかは無いんでしょ?
- パリス
- 確かにそうね。
- そうだったらここに来るまでに
- 何度も止めているわね。
- ルジーナ
- ケッ、つまりこいつは危機意識の無い
- 鈍感ってことだろうが。
- カル
- お前たち、ここまで来ても
- {Summoner}に厳しいな……。
- ティリス
- うん、やっぱりみんないつも通り♪
- もちろん、{Summoner}もね♪
- セリア
- ハアー、もういいわ。
- それよりカル、この門どうするの?
- カル
- そうだな。
- モーラの話だとここに来れば
- なんとかなると思ったんだけど
- 他にも何か鍵があるのか……。
- ルジーナ
- いや、違うな。
- この門は一度は開いたはずだ。
- セリア
- なんでわかるのよ?
- ルジーナ
- 元々こいつは長年閉じてたんだろーが。
- だったら土埃やら何やらで
- 汚れててもいいはずだ。
- それが無いってことは、
- 一度開いた時に落ちたんだろうよ。
- セリア
- そ、そう。
- パリス
- セリア、どうしたの?
- セリア
- まさかちゃんと説明してくれるとは
- 思わなかったから。
- ルジーナ、アンタどこか悪い所無い?
- 頭と顔以外で。
- ルジーナ
- テメーの頭以上に悪い所なんざねーよ!
- カル
- だが、そうなると問題なのは
- 誰が再びこの門を閉じたかだな。
- ルジーナ
- その説明ならこっちに向かって来る奴が
- 説明してくれるんじゃねーか。
- パリス
- あれは……。
- カロン
- 我が名は封魔導神カロン。
- 封印を守るだけに生きる存在。
- セリア
- この地を支配する8体の魔神。
- その最後の1体がやっと現れたって訳ね。
- カロン
- お前たちは本当にこの先に進み
- カルナ・マスタと戦うというのか?
- この地の封印が解けたのは
- モーラの企みのため。
- お前たちの意志では
- 無かったのだろう?
- パリス
- …………。
- カロン
- お前たちの当初の目的は
- その女神を助けることだったはず。
- その目的はもう果たしたのだ。
- セリア
- …………。
- カロン
- ならばもう自分たちの世界に戻っても
- 誰からも責められることはないだろう。
- そして私は封印を守るだけに生きる存在。
- お前たちの世界に害をなすつもりはない。
- それでもお前たちは
- カルナ・マスタと戦うというのだな。
- ルジーナよ。
- それがお前の答えか?
- ルジーナ
- まあ、俺たちにも色々あってな。
- やっぱり面倒事は先に片付けておかねーと
- ゆっくり寝られねーからよ。
- セリア
- アンタ、この魔神と知り合いなの?
- ルジーナ
- 少しだけな。
- カロン
- ならばこれ以上は何も言うまい。
- この門を越えて先に進むがいい。
- カル
- いいのか?
- カロン
- 閉じていたところでお前たちは
- 何とかしてしまうのだろう?
- ならば無駄なことはしない。
- それに、お前たちを止める役は
- 私より適任がいるようだからな。
- パリス
- 行ってしまったわね……。
- ルジーナ
- チッ、どうにもきもちわりーな。
- あの野郎、何を企んでやがる……。
- 俺たちを止める役か。
- おそらくアイツだろうが……。
- ティリス
- ルジくん、考え過ぎは良くないよ!
- 大丈夫、私たちは
- {Summoner}と一緒なんだから♪
- セリア
- 全然、大丈夫な気がしないわ……。
- ティリス
- え~、セリアも本当は
- 信じてるクセに~!
- セリア
- そ、そんなわけないでしょ!
- カル
- ハハッ、まあなんだ。
- 色々ありそうだけど、折角門が開いたんだ。
- とりあえず前に進もうぜ。
- ルジーナ、
- この先のことは確かに俺も心配だ。
- だけど、それは行ってみないと
- わからないだろ?
- ルジーナ
- チッ、まあいい。
- だが、面倒事はお前たちで
- なんとかしろよ!
- 俺は知らねーからな!
- セリア
- 本当に短気よねー。
- ルジーナ
- お前にだけは言われたくねー!
- ティリス
- よ~し、それじゃあ出発しよ~!
- {Summoner}、
- 最後の戦い、がんばろうね![/spoiler][Spoiler=Part 2 1/3]ルジーナ
- チッ、メンドクセー……。
- ティリス
- どうしたの、ルジくん?
- ご機嫌ナナメみたいだけど?
- セリア
- ティリス、ダメよ。
- 構ってほしいだけなんだから。
- ティリス
- え、もしかしてルジくんって
- 結構、寂しがり屋?
- セリア
- 結構どころじゃないわよ。
- ああ見えて、夜1人で寝ると
- 寂しくて泣くらしいわよ。
- パリス
- セリア…あなた……。
- ティリス
- ルジくん、そんなに大変なんだ……。
- そうだ!
- だったらセリアが一緒に寝てあげれば!
- セリア
- どうして私が!
- ルジーナ
- ウルセーぞ!
- お前ら!
- お前らはこの状況が
- 気にならねーのか!
- ティリス
- この状況?
- セリア、わかる?
- セリア
- 私に聞かないでよ!
- {Summoner}!
- アンタ、笑ってないで説明しなさいよ!
- ルジーナ
- ハアー、どいつもこいつも……。
- 面倒だ。
- カル、説明しておけ!
- カル
- お、おいルジーナ!
- セリア、ティリス、ちょっと
- ふざけ過ぎだぞ。
- ルジーナは真面目に考えてたんだからな。
- セリア
- 悪かったわよ。
- ティリスが本気にするから
- ちょっと調子に乗っちゃって……。
- ティリス
- あ~、セリア、ズルい!
- 私のせいにしないでよ~!
- カル
- ……わかったよ。
- 久々に会えて嬉しいのはわかるけど
- 2人とももう少し落ち着いてくれ。
- ティリス・セリア
- は~い。
- はーい。
- パリス
- クスッ。
- カル
- パリス!
- パリス
- ご、ごめんなさい。
- つい……。
- カル
- まあいいや。
- えっと、ルジーナが言っていた
- 今の状況ってヤツだけど
- “正直、何も起きなくて不安”
- って状況だ。
- ティリス
- 何も起きてないなら
- それはそれでいいと思うんだけど?
- カル
- いや、本来ならもう起きていなきゃいけない
- ことがまったく起きない。
- これは逆に予想外の何かがこれから起きる
- もしくはもう起きてる危険がある
- ってことだ。
- セリア
- その本来起きることって何なの?
- カル
- そうだな……。
- まずは召喚老の爺さんたちかな。
- ティリスが自由になれるよう
- 動いてたのはわかった。
- でも、この最終決戦であの2人が
- 出てこないのはおかしい。
- セリア
- それはそうね……。
- 特にオーン様とか絶対に出てくるわよね。
- カル
- で、次がベルツだ。
- あれだけ俺たちをかき回しておきながら
- 彼の目的はまだわからない。
- この重要な局面で動きが見えないってのは
- 不気味でしょうがないよ。
- パリス
- 確かにそうね。
- ルジーナに聞いても
- 何も教えてくれなそうだし……。
- カル
- ルジーナは何も聞いてないし
- 聞くつもりも無いんだろう。
- ベルツの言葉は人を惑わす。
- ルジーナはそれを知っているから、ベルツか
- らの情報を最小限にしているんだと思う。
- セリア
- その気持ちはわからないでもないわ……。
- カル
- それから次はリオメルグさんだ。
- セリア
- そういえば、そんなのもいたわね。
- カル
- …………。
- あー、えっとああ見えてというか
- あの人の実力も確かなものだ。
- 今、何を考えてどう動いているのかは
- 把握していないと
- 最悪の状況で動かれた場合は
- 危険だからな。
- セリア
- カルのお父さんはもう助かったんだし、
- 話してなんとかならないの?
- カル
- 俺も話したいんだけど次に会った時に
- ゆっくり話す時間があるかどうか……。
- セリア
- そうね……。
- カル
- で、最後がアークだ。
- ティリス
- アーク……。
- みんなはもう会ったの?
- カル
- いや、まだだ。
- ルジーナは何か知っているみたいだけど
- 教えてくれそうもないってことは
- アイツはこの後のことが
- 予想できてるんだろうな。
- セリア
- 説明してくれればいいのに。
- 相変わらずケチよね。
- カル
- ま、まあそんな訳でこれだけ問題があるのに
- その動きがほとんど見られない。
- 最悪、すべての問題が一気に動き出す。
- 今がどれだけ不安定な状況か
- わかってもらえたか?
- セリア
- うーん、確かにそうなんだけど、
- それってカルナ・マスタと戦うことに
- 比べたら小さなことじゃない?
- あたしたちはこれから大神皇と戦うのよ!
- 細かいこと気にしてないで
- 戦いに集中しないと!
- ティリス
- セリア、カッコイイ~♪
- カル
- いや、それはそうなんだが……。
- それにセリアたちが集中しているようには
- 俺は見えないし……。
- パリス
- カル、それ以上は言うだけ無駄よ。
- 今は私たちが注意しましょう。
- カル
- ああ、そうだな……。
- {Summoner}、
- お前だけでも俺の話を聞いてくれよ……。[/spoiler][Spoiler=Part 2 2/3]ルジーナ
- よう、随分といいツラになったじゃねーか。
- 「俺は不幸な中でも必死に生きてる」って
- 悲壮感が伝わってくるぜ。
- お前、まさか自分が主人公として
- 世界が回ってると思ってねーか?
- 残念だったな。
- お前はただの脇役なんだよ!
- なあ、アーク!
- アーク
- 俺は……。
- カル
- おーい!
- ルジーナーーー!
- ルジーナ
- チッ、やっと追いついてきたか。
- アーク
- …………。
- セリア
- ……アンタは。
- カル
- やっと会えたな。
- 元気そうで何よりだ。
- アークさん。
- ティリス
- アーク、無事で良かったね!
- 心配したんだよ!
- アーク
- …………。
- ルジーナ
- で、このタイミングで現れるってことは
- やっぱりお前は俺たち“人間”の敵に
- なったってことでいいんだな?
- ティリス
- え、どういうこと!?
- アーク
- 俺はイリア…神託の巫女の意志を守りたい。
- ただ、それだけだ。
- セリア
- それじゃあ、わからないわよ!
- アンタは何がしたいの?
- この地に封じられてた
- 神託の巫女はどうしたのよ!
- アーク
- …………。
- パリス
- 人の事情を深く詮索するつもりはないわ。
- でも、もしあなたが私たちの邪魔をするなら
- その理由を聞く権利は私たちにはあるわ。
- ルシアスとともに戦った私たちには。
- アーク
- …………。
- カル
- アークさんのことだそれなりに悩んだ結果
- なんだろうからどうこう言うつもりはない。
- だが、理由だけでも教えてくれないか?
- セリア
- カル、甘いわよ!
- 私は理由がどうであろうと
- どうこう言うわよ!
- {Summoner}、
- アンタもそうでしょ!?
- アーク
- ……{Summoner}。
- どうやら無事に自分で道を選び
- 進めているようだな。
- お前のことは心配していたんだ。
- 俺と同じ様にならなくて良かったよ。
- ティリス
- アーク……。
- アーク
- そうだな。
- お前たちに話すのは当然だな。
- 俺がここにいる理由を……。
- カル
- …………。
- アーク
- 少しだけ長くなるが聞いてくれ……。
- この地に降りた俺は
- すぐにイリアの力を感じた。
- だが、それは1カ所ではなく
- 様々な場所からだった。
- 不思議に思った俺は1カ所ずつ
- それらの場所の調査に向かったんだ。
- パリス
- …………。
- アーク
- それらを調査する中で俺は理解した。
- なぜルシアスがカルナ・マスタを封じる際に
- イリアも同時に封じられたのかを。
- セリア
- それは、たまたまだったんじゃなかったの?
- アーク
- ああ、俺もそう思っていた。
- あのカルナ・マスタとの激戦の中で、他に
- 気をかける余裕など無いと思ったからな。
- そして、ルシアスはたまたま封じられた
- イリアを利用して俺を従わせた。
- この地に来るまでは俺も
- ずっとそう思っていたんだ……。
- カル
- だが、それは違ったんだな?
- アーク
- イリアをカルナ・マスタと一緒に封じる
- ことは、最初から奴の計画通りだったんだ!
- パリス
- どういうことなの?
- アーク
- 俺は調査を進める中で、カロンという
- 封印を守る魔神に出会った。
- その魔神から聞いた話では、
- 魔神たちがカルナ・マスタを封じる際に
- 影でイリアの助力があったらしい。
- 封印はその後の俺とルシアスの戦いの際に、
- この地に墜ちることとなった
- メロードが取り仕切ったらしいが
- 奴がイリアの力を利用したのだろう。
- セリア
- えっと、イリアさんは
- そんなに凄い力を持っていたの?
- アーク
- いや、イリアに戦う力はほとんどない。
- 彼女が持っているのは
- 神託の巫女としての力。
- 神を封じる力だ。
- パリス
- 神を封じる力ですって!?
- アーク
- ああ、当時の俺たちはそれを知らなかった。
- 実際、イリア自身もその力を
- 知らなかっただろう。
- だが、ルシアスの神徒だったメロードは
- それを知っていた。
- そして、ルシアスの目的にも
- 気が付いたのだろう。
- カルナ・マスタと同時に
- 自身とイリアが封じられた理由を。
- カル
- つまり、ルシアスは
- 神託の巫女の力を利用して
- 真の意味でこの地にカルナ・マスタを
- 封じるつもりだったってことか。
- アーク
- そうだ。
- メロードはそれに気が付き、
- 魔神たちの力とイリアの力を合わせ
- カルナ・マスタを封じようとしたんだ。
- また奴自身は、カルナ・マスタを封じた後
- 自分だけは戻れると思っていたようだがな。
- ルジーナ
- ケッ、まんまとダマされてあのザマか。
- 情けねー神徒様だなー。
- 女神さんも危ないところだったな!
- ティリス
- わ、私は大丈夫だよ!
- {Summoner}が一緒だから♪
- セリア
- でも、どうしてイリアさんは
- 黙って魔神たちに従ったの?
- アーク
- わからない……。
- でも、彼女のことだ。
- カルナ・マスタがこの地で暴れるのを見て
- 自ら協力したのだろう。
- セリア
- 優しい人なんだ……。
- カル
- で、アークさん。
- アンタはそれを知って何を決めたんだ?
- アーク
- 最初にも話したが
- 俺は彼女の意志を守りたい。
- カルナ・マスタを封じ続けるという
- 彼女の意志をな。
- パリス
- それはつまり、カルナ・マスタを倒そうと
- している私たちの敵になるということ?
- アーク
- 敵になるつもりは無い。
- ただ、お前たちを止めたいだけだ。
- セリア
- 同じことでしょ!
- ……まあいいわ。
- で、その様子だとイリアさんには
- まだ会えてないんでしょう?
- 彼女がどこにいるかはわかったの?
- 彼女と話してもいないのに「彼女の意志を
- 守る」なんて勝手な思い込みじゃないの?
- アーク
- 俺の勝手な思い込みか……。
- 確かにそうかもしれないな。
- お前が言うように、俺はまだイリアに
- 会えていない。
- 彼女はカルナ・マスタの真の力とともに
- 封印されているらしく
- その場所に行くためには
- この地にいるカルナ・マスタだけでなく、
- 真の力を封印している影をすべて
- 倒す必要があるようだ。
- セリア
- だったら、全部倒せばいいじゃない!
- カル
- セリアの言う通りだ。
- アークさん、俺たちと協力して
- カルナ・マスタを倒さないか?
- そうすればイリアさんも自由に
- なるんじゃないか?
- アーク
- 俺もそれは考えた……。
- だが、お前たちはわかっていない。
- カルナ・マスタの力を……。
- 俺はかつて仲間たちとともに
- カルナ・マスタと戦った。
- だが、仲間たちを犠牲にして
- ようやく隙を作れただけだ。
- まともに戦って奴に勝つことは
- お前たちでも不可能だ。
- ルジーナ
- 決めつけてくれるじゃねーか。
- お前の昔の仲間とやらが
- 弱かっただけじゃねーのか?
- アーク
- ……!?
- 俺の仲間は強かったさ。
- 弱かったのは俺だけだ……。
- 俺はかつてルシアスの力を借りて
- カルナ・マスタを封じた!
- そのために、俺は仲間とイリアを
- 犠牲にした!
- そして、イリアは今も奴を
- 封じ続けている!
- 俺は仲間やイリアの思いを
- 無駄にしたくない!
- カルナ・マスタはこの地の封印が
- 解けたばかりでまだ半覚醒の状態だ。
- ここでお前たちが出て行けば、
- この地をカロンが再び封じるだろう。
- だが、逆にお前たちがカルナ・マスタと
- 戦うことで完全に覚醒する可能性もある。
- その時、俺の仲間たちの死は無駄になる。
- そして、今も奴の真の力を封じている
- イリアも危険にさらされるだろう。
- だから俺は
- お前たちの前に立つことを決めた。
- お前たちをここで止めるために。
- ティリス
- アーク……。
- アーク
- 俺はお前たちと戦いたいわけじゃない。
- 無駄な戦いはできれば避けたい。
- だから…{Summoner}、
- 俺の相手はお前だけだ。
- パリス
- どういうこと!?
- アーク
- お前が敗れれば他の者もわかるだろう。
- 自分たちがどれだけ無謀なことを
- しようとしているのか。
- ルジーナ
- 面倒くさくなくていいじゃねーか。
- {Summoner}、しっかり戦ってこいよ。
- まあ、お前が負けても俺は
- 気にしねーがな。
- セリア
- 私も任せるわ。
- やっぱりアークとは
- 本気で戦える気がしないから……。
- パリス
- ……{Summoner}。
- 大変だと思うけどがんばってね。
- ごめんなさい。あなたの苦労はわかるけど
- これくらいしか言えなくて……。
- カル
- {Summoner}、任せたぜ。
- アークさんに教えてやってくれ。
- 俺たちの可能性をな。
- ティリス
- {Summoner}なら大丈夫だよ!
- アークを助けてあげて。
- やっぱり今のアークは苦しそうだもの。
- アーク
- {Summoner}、
- お前とは違った形で戦ってみたかったよ。
- 遠慮せずかかってこい。
- 神託の騎士と呼ばれた力、
- お前に見せてやる![/spoiler][Spoiler=Part 2 3/3]アーク
- さすがだな。
- ルシアスを倒しただけはある。
- だが、この程度ではカルナ・マスタと
- まともに戦うことはできない!
- お前たちでは奴に勝てないことは
- すぐにわかるだろう。
- それでも、まだ前に進もうと言うのなら
- その時は俺も本気で戦おう……。
- ティリス
- {Summoner}、大丈夫?
- セリア
- 好き勝手言ってどこか行っちゃったわね。
- 聞くまでもないと思うけど、
- この先に行くの止める?
- カル
- ハハッ、確かに聞くまでもないな。
- パリス
- そうね。
- ルジーナ
- ケッ、だがアイツの言ったことについて
- 考える必要はある。
- まだモーラの言ってた“もう1つの力”
- ってのもわかってねーしな。
- てっきりここに神託の巫女がいると
- 思ってたんだが……。
- ???
- 神託の巫女はここにはおらんが
- その力は眠っておる。
- カル
- グラデンス爺さん!
- それにオーンさんも!
- セリア
- お2人ともその姿、どうしたんですか!?
- 傷だらけじゃないですか!
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、
- カルナ・マスタに少しやられてしまっての。
- カル
- ハァ!?
- 爺さん何を言ってるんだ!?
- グラデンス
- いや、お主たちがこの地の封印を
- 解いてくれたから
- 最後くらいワシらだけで
- 決着をつけてやろうと思ったのじゃが
- 歳は取りたくないものだな。
- なあ、オーンよ。
- オーン
- フン、それはお前だけだろう。
- グラデンス
- お主という男は……。
- まあ、よい。
- それより、ティリスちゃん、
- 無事に合流できて何よりじゃ。
- ティリス
- うん!
- グラ爺もオーンちゃんも
- 助けてくれてありがとね♪
- オーン
- 礼を言われるようなことはしていない。
- あれは俺たちの世界を守るための
- 行動でもあるのだからな。
- セリア
- 呼び方については触れないんだ……。
- パリス
- セリア、本当に止めて……。
- ルジーナ
- で、お優しい召喚老様たちは
- 俺たちの代わりに
- カルナ・マスタと戦ってくれたが
- 見事に返り討ちにされたってわけか?
- グラデンス
- その通りじゃ。
- さすがは大神皇。
- ワシら2人でも何もすることが
- できんかった。
- パリス
- それほどの強さなのですか……。
- オーン
- あれはお前がだらしなかっただけだ。
- 俺だけだったらもう少しは
- 戦うことができた。
- グラデンス
- オーンよ。
- その話はまた今度ゆっくり聞こう。
- じゃが今は止めてくれ。
- 話が進まなくなる……。
- パリス
- グラデンス様も苦労されてるんですね……。
- カル
- で、爺さんたちは俺たちを止めに来たのか?
- そうじゃないんだろう?
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、
- よくわかっておるじゃないか。
- その通りじゃ。
- ワシらはお主たちを止めに来たのではない。
- じゃが、このままでは
- カルナ・マスタを倒せないのも確かじゃ。
- セリア
- じゃあ、どうしろと言うのですか!?
- グラデンス
- 神託の巫女の力を借りろ。
- セリア
- え?
- でも、彼女はここにいないですよ。
- 私たちはさっきアークに会ったんです。
- でも、彼は彼女がどこにいるか
- わからないと言ってました。
- この地に神託の巫女がいるなら、
- 彼にはわかるはずです!
- オーン
- 単純な思考だな。
- もう少し頭を使え。
- セリア
- オ、オーン様に……。
- ティリス
- オーンちゃん、セリアの担当は
- 頭を使うことじゃないからいいんだよ!
- セリア
- ティリス、アンタにも言われたくないわ!
- グラデンス
- ワシたちはカルナ・マスタと戦った。
- だが、アークはそのことに
- 気が付いていたか?
- カル
- いや……。
- なるほど、そういうことか。
- セリア
- どういうことよ?
- カル
- カルナ・マスタのメノンでの封印は
- まだ解けきってないってことだ。
- セリア
- え?
- カル
- カルナ・マスタの周囲には
- もう1段階封印がされていたんだろう?
- それが結界となって外部に力の動きが
- 伝わらない。
- だからアークは爺さんたちの戦いに
- 気が付いてなかった。
- まあ実際、カルナ・マスタと爺さんたちが
- 戦ったなら俺たちも気が付くだろうしな。
- パリス
- そういうことね。
- つまり、神託の巫女もカルナ・マスタの
- 結界の中にいる。
- だからアークは彼女の存在に気が付けない。
- セリア
- だったらそれをアークに伝えれば!
- ルジーナ
- そんな単純な話じゃねーんだろ?
- グラデンス
- そうじゃな……。
- 残念ながらその結界の中に
- 神託の巫女はいなかった。
- セリア
- それじゃあ、力は借りられないじゃ
- ないですか!
- グラデンス
- そう焦るな。
- ワシとオーンは確かに感じたんじゃ。
- カルナ・マスタとの戦いの中で、
- 奴が別の大きな力に邪魔をされるのをの。
- カル
- それが神託の巫女の力ってことか……。
- グラデンス
- その力がなければ、
- ワシらは生きてはいなかったじゃろう。
- オーン
- フン、それはお前だけ……。
- ティリス
- オーンちゃん、少し静かにしてて!
- オーン
- …………。
- カル
- あー、オホン。
- で、爺さんたちは
- アークを探していたんだな。
- グラデンス
- あ、ああ、そうじゃ。
- こちらにアークの力を感じて
- 向かってきたのじゃが
- 一歩遅かったようじゃな。
- な、なあ、オーンよ。
- オーン
- …………。
- カル
- 大丈夫。
- アークには先に進めば自然に会えるさ。
- アイツは前に進もうとする俺たちを
- 止めるはずだからな。
- グラデンス
- そうじゃな。
- お主たちはそのまま進み
- アークと会ったら今の話をしてくれ。
- きっとアークなら神託の巫女の力について
- 何かわかるはずじゃ。
- カル
- で、爺さんたちはどうするんだ?
- グラデンス
- ワシらはワシらでアークを探してみる。
- 他の連中の動きも気になるしの。
- カル
- そうか。
- 爺さんたちも気を付けてな。
- グラデンス
- お主たちもの。
- {Summoner}よ。
- カルを頼むぞ。
- ティリス
- グラ爺、オーンちゃん、
- 2人も気を付けてね!
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、
- ティリスちゃんありがとの。
- ホレ、オーン、そろそろ行くぞ!
- オーン
- …………。
- セリア
- なんか、魔神たちと戦う時より
- 緊張したわ……。
- ティリス!
- アンタ、オーン様に変なこと言わないでよ!
- オーン様、怒ってたじゃない!
- ティリス
- え~、オーンちゃん怒ってたの?
- パリス
- 私にも怒っているように見えました……。
- ティリス
- う~ん、オーンちゃんはそんな簡単に
- 怒ったりしないと思うけどな~。
- 元気過ぎるところはあるけど、
- 素直な良い子だよ!
- パリス
- 元気過ぎる……。
- セリア
- 素直な良い子……。
- カル
- ハハッ、ティリスからみたら
- オーンさんもそう見えるんだな。
- よし、それじゃあ俺たちも
- そろそろ先に進もうぜ。
- カルナ・マスタと戦うにあたっての
- 好材料がみつかったのは朗報だよ。
- ルジーナ
- ああ、今回の動きは俺の予想の中では
- マシな方だ。
- これで何もわからねー状況より
- 少しはまともに動けそうだぜ。
- {Summoner}、お前、次は
- しっかりとアークをぶっ倒すんだぞ!
- 頑固者のアイツのことだ。
- こんな不確かな情報だけじゃ
- 簡単に心変わりはしないだろーからな![/spoiler][Spoiler=Part 3]ベルツ
- 皆さん、お待ちしておりましたよ。
- セリア
- やっと出たわね!
- ベルツ
- おや、セリアさん、
- 私を待っていてくださったのですか?
- ようやく私の愛を受け入れて
- くれる決心がついたのですね!
- セリア
- 違うわよ!
- 面倒なことを早く済ませたかっただけ!
- ベルツ
- ハッハッハッ、そんなに照れなくても
- いいですよ。
- もちろん、照れたあなたも
- 素敵ですがね。
- セリア
- 本当にうっとうしいわ……。
- カル
- で、ベルツさん、今回は何の用だい?
- ベルツ
- カル召喚師!
- やっと口を開いてくれたんですね!
- いやー、この前にお会いした時、
- 何も仰ってくれなかったので
- 私、嫌われたんじゃないかと
- 心配してたんですよ!
- ルジーナ
- メンドクセーんだよ!
- いいからとっとと用件を言え!
- ベルツ
- ハッハッハッ、ルジーナどうしたんだい?
- 俺が他の人と仲良くしていることに
- 嫉妬でもしたのか?
- そう焦らないでくれよ。
- もっと話したい相手がいるんだからさ。
- パリスさんや、{Summoner}召喚師、
- それに……初めてお目にかかる
- 素敵なお嬢さんともね。
- セリア
- ティリスに変なこと言ったら
- 即座に叩き斬るわよ。
- ベルツ
- ハッハッハッ、大丈夫ですよ。
- セリアさん。
- 私は見た目通り、一途な男なんです。
- セリア
- またどうでもいい情報が増えたわ……。
- ベルツ
- さて、皆さん。
- それにしてもいよいよ決戦の時ですね。
- 皆さんの力なら相手が大神皇といえど
- 心配無いのかもしれませんが
- 一応、注意だけさせてください。
- 大神皇カルナ・マスタ、
- その力は人の想像を超えています。
- セリア
- そんなことはわかってるわよ。
- 召喚老2人がかりでも
- 何もできなかったんだから。
- ベルツ
- ほー、それは初耳ですね。
- ですが、召喚老といえども
- 所詮、人間が2人。
- カルナ・マスタの破壊力は
- さらに絶大なのです!
- 例えば、この樹林のそこらに見える遺跡。
- これは以前にここで暮らしていた
- 獣人たち部族のものです。
- 獣人たちは強い力を持っていたのですが
- この地に降りたカルナ・マスタにより
- 一瞬で絶滅させられてしまったのです。
- パリス
- …………。
- ベルツ
- 1つの種を滅ぼすほどの力。
- あなたたちはそんな存在に
- 挑もうとしているのですよ?
- ルジーナ
- ベルツ、お前、何を企んでやがる?
- ベルツ
- 心外だなー。
- 俺は純粋にお前たちのことを
- 心配してるんだよ。
- ルジーナ
- お前の目的はカルナ・マスタにこいつらを
- 関わらせないことじゃなかったのか?
- ベルツ
- ああ、その通りだ。
- だから、こうやってカルナ・マスタの
- 危険性を必死に伝えてるんだろう?
- ルジーナ
- …………。
- ベルツ
- それにルジーナ、
- お前は考えたことはないのか?
- カルナ・マスタを倒した後に
- 召喚術がどうなるのかを。
- セリア
- どういうこと?
- ベルツ
- セリアさん、興味を持ってもらえましたか?
- セリア
- いいから早く話しなさいよ!
- ベルツ
- ハハハッ、セリアさんに急かされるなんて
- 今日はなんて素敵な日なんだ。
- やはり日頃から色々と
- 考えておくものですね。
- セリア
- 早く!
- ベルツ
- 失礼しました。
- あまりにも嬉しかったもので♪
- では、セリアさんお聞きします。
- 召喚術は誰が作ったものでしょうか?
- セリア
- それは…カルナ・マスタ……。
- ベルツ
- そうです。
- カルナ・マスタが神を倒すための呪い。
- それが召喚術です。
- では、カルナ・マスタが滅んだ時、
- 召喚術はどうなってしまうのでしょう?
- パリス
- 召喚術が消えてしまうというの?
- ベルツ
- その答えは皆さんで考えてください。
- 私は私の立場もあり、
- お伝えできないこともあるので。
- あー、どうして皆さんはアクラス召喚院
- なんかに所属しているのでしょう!
- 私と同じエルガイア連邦にいれば
- もっと語り合えたのに!
- セリア
- そういうのはいいわ。
- ねえ、ティリス、
- あなたは何かわかる?
- ティリス
- う~ん、私も詳しいことは……。
- セリア
- そっか……。
- ベルツ
- 召喚老のお2人はどうなのでしょうね?
- 召喚術が消えればアクラス召喚院の
- 存在意義は薄れる。
- 彼らは召喚院を滅ぼしたいのでしょうか?
- うーん、難しい問題ですね。
- カル
- あの2人は……。
- ベルツ
- そうそう!
- 話し込んでいてすっかり忘れてました!
- 今日は皆さんに紹介したい人がいたので
- ここに来たのでした!
- セリア
- 紹介したい人?
- また面倒な人じゃないでしょうね?
- ベルツ
- いえいえ、皆さんとも顔見知りの方ですよ。
- お待たせしてしまい申し訳ありません。
- こちらに出てきてください!
- カル
- リオメルグさん!
- どうしてあなたが!?
- リオメルグ
- カル様、モーラの呪縛から
- バリュオン様をお救いいただき
- ありがとうございました。
- 私はあなたとその者たちの力を
- 甘く見ていました。
- カル
- ああ、{Summoner}たちが
- 力を貸してくれたからな。
- リオメルグさん、教えてくれ。
- どうしてあなたがベルツさんと
- 一緒にいるんだ?
- リオメルグ
- それは……。
- ベルツ
- それは私から説明させていただきます!
- リオメルグさんは私たちエルガイア連邦に
- 協力してくださることになったのです!
- カル
- !?
- パリス
- どういうこと!?
- ベルツ
- 私たちの思想に共感して助力を約束して
- くださったのです。
- 種族の垣根を越えた協力関係。
- 素晴らしいと思いませんか?
- カル
- リオメルグさん、どういうことだ!?
- リオメルグ
- …………。
- ベルツ
- カル召喚師、そう焦らないでください。
- 今日は皆さんへの義理立てとして
- リオメルグさんを紹介しただけ。
- 詳しい話は連邦の極秘事項に関わるため
- 申し訳ないのですがお伝えできません。
- では、名残惜しいですが
- 今日はこの辺で退散させていただきます。
- 皆さん、カルナ・マスタと戦うのは
- 本当に止めた方がいいですよ。
- 私の忠告、お聞きいただけること
- 私は祈っています。
- リオメルグ
- …………。
- セリア
- 一体、どういうこと?
- ルジーナ、
- アンタあいつと仲良しなんでしょ!
- 何かわからないの!?
- ルジーナ
- 知るかよ。
- ベルツが何を考えてるかなんて
- 考えるだけ無駄だ。
- ましてやこっちの世界の住人と協力だ?
- わかるわけがねーだろうが。
- パリス
- カル、大丈夫?
- カル
- ああ、大丈夫だ。
- みんな、この件についてはルジーナが言う
- 通り俺たちが考える必要はない。
- セリア
- でも……。
- カル
- 大丈夫だよ。
- リオメルグさんはしっかりした人だ。
- 俺と違ってベルツに振り回されるような
- 人じゃない。
- あの人にはあの人の考えがあって
- 動いてるんだろう。
- その内、話してくれるさ。
- セリア
- カル……。
- カル
- それより問題なのは召喚術のことだ。
- カルナ・マスタを倒したら本当に
- 消えてしまうと思うか?
- ルジーナ
- それこそ考えるだけ無駄だ。
- 何度も言ってるだろうが。
- アイツの言葉を聞くなってな。
- セリア
- だけど……。
- ルジーナ
- まあ、お前たちの気持ちはわかるぜ。
- 俺と違って、お前たちは召喚術が消えたら
- 何もできねーザコだからな。
- 特に最近調子に乗ってる
- {Summoner}は
- 怖いんじゃねーか?
- 自分が何もできなくなるのが。
- ティリス
- 大丈夫だよ。ルジくん!
- {Summoner}は
- 召喚術が無くたって凄いんだから!
- セリア
- 何を根拠に……。
- でもまあ確かに考えるだけ無駄ね。
- カル
- ああ、そうだな。
- それについてはグラデンス爺さんたちも
- 何か考えはあるだろう。
- 爺さんたちが気付いてないとは
- 思えないからな。
- パリス
- 確かにそうね……。
- セリア
- それにしてもティリス。
- アンタ、随分おとなしかったわね。
- やっぱりティリスでもベルツみたいなのは
- 苦手だったりするの?
- ティリス
- う~ん、そういうのじゃないんだけど
- どうしても気になっちゃって。
- セリア
- 気になる?
- ティリス
- うん、あのベルツって子、
- どんな子かまったくわからないの。
- セリア
- それは私も一緒よ。
- あれをわかる方がおかしいわ。
- ティリス
- ううん、違うの。
- うまく言えないけど、みんなと会った時と
- まったく違う感じがして……。
- ルジーナ
- …………。
- ティリス
- ゴメンね。
- ルジくんのお友達を
- 悪く言うつもりじゃないんだよ!
- ルジーナ
- 友達じゃねー!
- セリア
- ハアー、まあいいわ。
- {Summoner}!
- ボーっとしてないでそろそろ出発するわよ!
- 早くアークに会って色々と
- 話さなくちゃいけないんだから![/spoiler][Spoiler=Part 4 1/2]カロン
- アークを越えてきたか。
- セリア
- アンタは確か……。
- カル
- カロンさん、アンタは俺たちの
- 邪魔をしないんじゃなかったのか?
- カロン
- 私はお前たちの力を見誤っていた。
- お前たちがアークを越えることは
- 無いと考えていたんだがな。
- ティリス
- 私の{Summoner}は
- 強いんだから!
- アークだって1人で倒したんだよ!
- カロン
- ……そうか。
- 1人でか。
- ティリス
- そうだよ!
- 1人でだよ!
- カル
- ちょ、ティリス!
- ちょっと待ってくれ!
- ティリス
- ん、なんで?
- アークは{Summoner}が
- 1人でバッチリ倒したでしょ?
- カル
- ま、まあそうなんだが……。
- あの時のアークはまだ本気じゃなかった
- っていうか……。
- ティリス
- む~、カルくんひど~い!
- 親友の力を疑うの?
- カル
- いや、そういうわけじゃなくて……。
- カロン
- …………。
- {Summoner}、
- アークを越えし者よ。
- お前の力をここで試させてもらう。
- ティリス
- ちょ、ちょっと~!
- どうしてそうなるの~!
- カル
- あー、やっぱりそうなるか……。
- セリア
- ティリス、
- なんとなくわからなかった?
- だから私、黙ってたのよ。
- ルジーナとパリスもそうでしょ?
- ルジーナ
- 面倒なことは{Summoner}の
- 担当だからな。
- パリス
- ティリス様、申し訳ございません。
- ティリス
- え~、みんなひど~い!
- でも、どうして{Summoner}が
- 戦わなくちゃいけないの!
- カロン
- ルシアスの力を継ぎし女神よ。
- これは試練だ。
- この者が本当にカルナ・マスタに抗しうる者
- かどうかを試すためのな。
- {Summoner}よ!
- お前の力を見せてみろ!
- この封魔導神カロンにな!
- ティリス
- {Summoner}~。
- ゴメンなさ~~い![/spoiler][Spoiler=Part 4 2/2]カロン
- グッ……。
- ティリス
- どう!?
- 私の{Summoner}の力は!
- セリア
- …………。
- さすがに今回は少しだけ
- {Summoner}に悪いと思うわ……。
- カル
- セリア、それ以上言うな……。
- セリア
- カル……。
- ルジーナ
- ケッ……。
- パリス
- …………。
- ティリス
- どうしたの、みんな?
- カル
- いや、なんでもない。
- さて、カロンさん。
- 試練の結果はどうだった?
- 俺の親友の力、
- 認めてもらえたか?
- カロン
- ……そうだな。
- お前…いやお前たちなら
- なれるかもしれない……。
- 彼女が待ち望んだ“希望”に……。
- セリア
- 彼女?
- カロン
- お前たちが神託の巫女と呼ぶ者だ。
- セリア
- アンタ、神託の巫女と
- 話したことがあるの!?
- カロン
- 私は封印を守る魔神。
- そして彼女は封印の鍵となる存在。
- 面識があって当然だろう。
- ルジーナ
- で、なんでコイツがその女が待ち望む
- 希望なんだ?
- ティリス
- ルジくん、{Summoner}は
- みんなの希望なんだよ!
- セリア
- ティリス、長くなるから
- そういうのは今は止めて……。
- ティリス
- む~~~。
- カロン
- その話をするためには、
- カルナ・マスタがこの地に
- 降りてきた時の話をしなくてはならない。
- セリア
- 結局は長くなるのね……。
- カル
- 黙って聞けって。
- カロンさん、続けてくれ。
- カロン
- この地に墜とされたカルナ・マスタが
- 魔神に封じられたのは知っているな?
- セリア
- ええ、モーラから聞いているわ。
- それを仕切ったのがルシアスのかつての神徒
- メロードっていうこともね。
- パリス
- メロードが神託の巫女イリアの力を
- 利用したこともアークから聞いたわ。
- カロン
- そうだ。
- メロードはイリアの神を封じる力と
- 魔神たちの力を利用して
- 各地にカルナ・マスタの体と力を
- 封じたのだ。
- パリス
- カルナ・マスタの力はそれほど
- 強大だったのね。
- カロン
- ああ、1つの場所では
- 封じられないほどにな。
- イリアの力によりカルナ・マスタは
- 本体と力に分けられ、
- さらに本体はこの地に、
- 力は8つに分けられた。
- そして、分けられた力に対し
- 魔神の力“影”を利用することで
- なんとか各地に封じることが
- できたのだ。
- ルジーナ
- で、俺たちはお前たち魔神がそこまでして
- 封じたモノを解こうとしてるのか。
- そりゃー、止めたくもなるわな。
- だが、お前は止めるのをやめた。
- そこにイリアの言う“希望”ってのが
- 関係するのか?
- カロン
- …………。
- カルナ・マスタの力を各地に封じた後も
- 当然ながら監視は必要となる。
- しかし、魔神たちはお互いを信用して
- いなかった。
- だから、自身を分ける力を持つ私が
- 監視役として選ばれたのだ。
- カル
- 自身を分ける…チカラ…?
- カロン
- 私は力と記憶を共有できる分身を
- 作り出すことができる。
- そして、それを各封印された地に
- 送り込んでいた。
- 他の魔神が裏切らないようにな。
- パリス
- つまり、私たちがこれまで通ってきた
- 各地にあなたの分身がいたのね。
- カロン
- そうだ。
- アークやルジーナが会った私は
- 私の分身でしかない。
- 私の本体と影は
- このメノンにずっといたのだからな。
- セリア
- ちょっと待って!
- そうだとすると計算が合わなくない?
- ここは私たちがイシュグリアに来て訪れた
- 9カ所目よね?
- カロン
- …………。
- カルナ・マスタの真の力の封印には
- 他の魔神が知らない隠された秘密がある。
- それは、イリアが希望を信じて行った
- もう1つの封印だ。
- ルジーナ
- もう1つの封印だと?
- カロン
- メロードは他の魔神たちに
- イリアの存在を隠し
- 封印の基礎をメロードの術として
- 他の魔神たちに伝えていたが
- 各地の封印を見守っていた私は
- その後、すぐに気付くことができた。
- 魔神とは別の力が働いていることを。
- 私の分身の1つがメロードを
- 問い詰めると
- 奴は笑いながらすぐに
- イリアの存在を私に教えた。
- 当初、奴はイリアの存在を隠し
- 魔神たちを騙したまま
- グランガイアに戻る予定だったのだが
- 自分がルシアスに捨てられたと知り
- 自暴自棄になっていたのだろうな。
- ティリス
- …………。
- カロン
- 私は各地の封印と同じ力を感じる地、
- ミルドランへと分身の1つを向かわせた。
- そこで、私はまだ意識のあったイリアと
- 出会ったのだ。
- ルジーナ
- やっと神託の巫女が登場か。
- セリア
- 少しは黙って聞きなさいよ。
- カロン
- 私は彼女もまた我々魔神を利用しようと
- しているのだと考えていた。
- しかし、彼女はむしろ逆に自身を犠牲にして
- 我々を守ろうとしていたのだ……。
- カルナ・マスタを体と力に分けて封印したが
- それだけでは、モーラのように他の
- 魔神の力を奪う存在が現れた時、
- 封印が解かれてしまう危険性を考え
- 自身の魂でカルナ・マスタの魂をも
- 封じようとしていた。
- それにより、自身も封印された状態と
- 同じとなることを知りながらな。
- ティリス
- …………。
- カル
- つまり、カルナ・マスタの封印は
- 本当は3つあるということか。
- 1つ目はカルナ・マスタの体。
- それは、封印を行った魔神の大半の力を
- 使い開くこのメノンに封じられている。
- 2つ目はカルナ・マスタの力。
- それは、{Summoner}たちが
- 今まで通ってきた8つの地域に
- 8体の魔神の力によって封じられている。
- そして3つ目はカルナ・マスタの魂。
- それは、神託の巫女イリアが、
- 自身の魂を使いミルドランに封じている。
- カロンさん、この認識であっているか?
- カロン
- ほぼ正しいが、少し補足がある。
- ミルドランの魂の封印はイリアが
- 行ったが、
- その封印自体は私の影によって
- 封じられている。
- カル
- 二重の封印か……。
- ルジーナ
- 危険な魂を封じてるんだ。
- 当然と言えば当然だな。
- カロン
- それと、カルナ・マスタの各封印の側には
- すべてイリアの力が漂っている。
- セリア
- イリアの力が…漂う…。
- どういうこと?
- カロン
- 彼女はカルナ・マスタの魂を封じると同時に
- 自分が封じられてしまう前に
- 自身の力を各封印の中に隠したのだ。
- 彼女が信じた
- “希望”が訪れた時のためにな。
- ルジーナ
- また面倒くさいことをしやがって……。
- だが、ようやく理解できたぜ。
- カルナ・マスタを倒す方法がな。
- セリア
- ……複雑すぎてまったく
- わからないんだけど。
- ティリス、わかった?
- ティリス
- ん? 何の話?
- セリア
- アンタ、まったく話を
- 聞いてなかったわね……。
- カル
- えーっと、つまりだな。
- イリアさんは、各封印の場所で
- 何が起きてもいいように
- 自分の力を隠しておいた。
- そして、その力は、彼女の言う
- “希望”が訪れた時に発動して
- その者に力を貸す。
- だから、この地に隠されたイリアさんの
- 力を借りられれば、
- カルナ・マスタの体を
- 倒すことができるかもしれない。
- ……{Summoner}、
- もしかしたらお前は気が付かない内に
- 他の場所でもイリアさんに
- 助けられていたのかもな。
- セリア
- うん…少しずつはわかってきたわ。
- でも、やっぱりわからないことがあるの。
- この地で、どうやってその力を借りるの?
- そもそも、なんでコイツが“希望”なの?
- アンタ、神託の巫女に
- 会ったことでもあったの?
- ティリス
- それは、{Summoner}が
- {Summoner}だからだよ♪
- セリア
- ティリスは少し黙っていて。
- ティリス
- む~~~~!
- カル
- セリア、おそらくその2つの疑問は
- 両方ともアークに関係している。
- パリス
- そういうことね!
- セリア
- パリスもわかったの!?
- ルジーナ
- これでわかってないのは、
- あと2人だな。
- ティリス
- 私は最初からわかってるよ~♪
- セリア
- ウソを言わないで!
- ティリス
- 女神はウソなんかつかないもん♪
- アークは{Summoner}のことを
- 認めている。
- だから、アークのことが大好きな
- その子の力も
- {Summoner}に
- 力を貸してくれる。
- セリア
- わかってるなら最初から言いなさいよ!
- ティリス
- え~、だからず~っと言ってたよ!
- {Summoner}は凄いんだよ!
- ってね。
- セリア
- それじゃあ、わからないわよ!
- カル
- ま、まあ概ねそんな感じだよ。
- でも、この地に隠されたイリアさんの力は
- カルナ・マスタの結界の中、
- しかもかなり深い場所に
- 隠されているんだろう?
- それを目覚めさせるには
- {Summoner}じゃなくて
- アークの力が必要になる。
- ……やっと爺さんたちの話とも
- 繋がってきたな。
- ルジーナ
- 心の底から面倒な話だな。
- パリス
- それだけ複雑かつ慎重にしなければ
- いけないほど
- カルナ・マスタは封印前も
- 封印後も危険な存在なのね……。
- カロン
- おそらく、カルナ・マスタを倒すなら
- 今回が最後の機会だろう。
- 神を封じる力を持った神託の巫女の力、
- それを呼び覚ます存在、神託の騎士、
- そして、神託の騎士に認められた希望。
- この要素がすべて揃うことは
- もうあるまい……。
- カル
- 最後の機会か……。
- ルジーナ
- チッ……。
- カロン
- 私が話せることはここまでだ。
- 後はお前たちに託すとしよう。
- 最後にアークに向けた
- イリアの言葉を伝えてな。
- カロン
- 行ったか……。
- ならば私も封印を守ってきた魔神の
- 最後の役目にうつるとしよう……。
- アロンよ。
- あと少しでお前と久々に
- 話すことができそうだ。[/spoiler][Spoiler=Part 5 1/2]アーク
- やはりここまで来たか。
- ティリス
- アーク、私たちは
- あなたと戦いにきたんじゃないの!
- あなたを救いに来たんだよ!
- アーク
- ティリス……。
- セリア
- 私たちは雷塚パダムで
- カロンから話を聞いたの。
- あなたの大切な人の力と
- この地で起きたことについて。
- アーク
- カロンと会ったのか。
- だが、アイツは何かを隠している。
- 所詮は魔神だ。
- 信用などできない。
- カル
- アークさん、それは違う。
- 魔神にも色々な魔神がいる。
- 実際、魔神であるモーラは
- セリアとわかり合えたしな。
- セリア
- …………。
- アーク
- だが、カロンが同じとは限らないだろう。
- 奴は俺と話した時、
- 確実に何かを隠していたぞ。
- パリス
- それは、相手があなただからよ。
- アーク
- どういうことだ?
- カル
- アークさん、カロンは変わったんだよ。
- アンタと同じように
- イリアさんと出会ったことで。
- アーク
- …………。
- カロン
- 私が話せることはここまでだ。
- 後はお前たちに託すとしよう。
- 最後にアークに向けた
- イリアの言葉を伝えてな。
- セリア
- アークに向けたイリアの言葉!?
- どうしてそれを私たちに伝えるの?
- そんな大事なことは
- 直接本人に伝えなさいよ!
- そうすれば、アークだってあんなに
- 悩まずにすんだかもしれないじゃない!
- カロン
- それがイリアの意志だったからだ。
- 本人ではなく希望となるだろう相手に
- 伝えてほしいとのな。
- セリア
- どうしてそんなことを……。
- カロン
- イリアはアークのことを
- 本当に深く理解しているからだ。
- セリア
- …………。
- カロン
- 私はこの地で魔神として生まれ生きてきた。
- 自身が強くなるためには手段を選ばず
- そのためには弟をも利用し
- 排除をしてきたのだ。
- パリス
- …………。
- カロン
- そんな中、イリアは私に違う価値観を
- 植え付けてしまった。
- 自身のみならず自身のもっとも大切な人をも
- 犠牲にして他者を守る。
- そして、それを大切な人も許してくれると
- 思えるほどの相手への信頼。
- 力ではない本当の強さというのを
- 彼女から感じた時、
- 私は彼女の意志を受け継ぎ生きることを
- 選択したのだ。
- カルナ・マスタの封印を守ること。
- そして、アークと“希望”に
- 世界の未来を託すことを。
- カル
- カロン……。
- カロン
- イリアは私にこう伝えた……。
- イリア
- 私のこの状況を知れば
- 彼はきっと悩み苦しむ。
- それはどうにもならないこと。
- 真実を知れば知るほど、彼は自分の
- 無力さを嘆き苦しんでしまう。
- 彼ほどカルナ・マスタの怖さを
- 知っている人はいないから……。
- だから、彼に希望は与えないでください。
- 希望は彼を苦しめるだけ……。
- でも、もし希望が……
- カルナ・マスタを倒せる希望が
- 現れたのならその時は……。
- カル
- カルナ・マスタを倒せる希望が
- 現れたのならその時に
- アンタに伝えてほしいそうだ。
- 「私が元に戻ることはもうない。
- だから自分のために生きてほしい。
- 前を向いて世界のために戦ってほしい。
- 私はあなたに想われた日々があった。
- その事実だけで幸せだったから。
- アーク、ありがとう」とな……。
- アーク
- …………。
- ティリス
- アーク……。
- アーク
- イリア……。
- ウォォォーーー!
- ウォォォォォォーーーーーー!!
- {Summoner}!
- 俺と戦え!
- 俺の命が尽きようが
- お前をここで止める!
- ティリス
- アーク!
- セリア
- アンタ、イリアの言葉を聞いてもまだ!
- アーク
- うるさい!
- お前たちに何がわかる!
- イリアがどんな想いで
- その言葉を残したのか!
- パリス
- でも、だからって!
- アーク
- 俺の仲間たちはカルナ・マスタを
- 封じるために散っていった!
- 俺への恩返しだと言って
- その身を投げ出してくれたルビィ!
- イリアを守るためわだかまりを捨てて
- 戦ってくれたリノン!
- 自分を捨ててでも覚悟をまっとうすることを
- 教えてくれたバルグラン!
- 俺を嫌いながらもイリアのために常に
- 自分を犠牲にし続けたメディナ!
- 死人となっても仲間のために
- 戦い続けてくれたユウラ!
- 俺がカルナ・マスタを倒すことを
- 最後まで信じ戦い続けたディオン!
- アイツらはみんなこの世界のために
- 犠牲になったんだ!
- それはイリアも同じだ!
- この世界を守るため、
- 彼女は犠牲になったんだ!
- だったら俺はこの世界を守るために
- 戦い続ける!
- それがどんなに批判されることだろうと!
- 人々の希望を奪うことだろうと!
- ルジーナ
- テメーのそのワガママで
- 六英雄も殺したってことか?
- アーク
- そうだ!
- 彼らの犠牲があったからこそ、
- お前たちは今、ここに生きている!
- 俺はあの時のことを後悔などしない!
- ルジーナ
- で、今度は俺たちを
- 犠牲にするつもりか?
- アーク
- お前たちの傲慢さが世界を滅ぼすんだ!
- そんなことは俺がさせはしない!
- みんなで守ったこの世界は
- 俺が守ってみせる!
- カル
- どうやら、これ以上は無駄なようだな。
- {Summoner}、
- わからせてやってくれ。
- 世界を守り続けた英雄に
- イリアが望んだ本当の希望を。
- アーク
- こい!
- {Summoner}!
- この世界を守るため、
- 俺はお前を必ず倒す![/spoiler][Spoiler=Part 5 2/2]アー……ク……。
- アーク……。
- ティリス
- アーク!
- しっかりして、アーク!
- アーク
- グッ……ティリスか……。
- そうか……
- {Summoner}……
- 俺は…お前に負けたのか……。
- カル
- アークさん、どうする?
- まだ続けるかい?
- まだ続けるって言うなら
- 今度は俺が相手になるぜ。
- セリア
- カルだけにはやらせないわ。
- 私も戦うわよ。
- パリス
- そうね。
- 今度は私も見ているだけじゃなく
- 参加させてもらうわ。
- ルジーナ
- おいおい、お前ら。
- それじゃあ、誰も助けてくれなかった
- {Summoner}が
- かわいそうじゃねーか。
- パリス
- また、思ってもないことを……。
- アーク
- フッ、{Summoner}。
- お前もいい仲間に恵まれたようだな。
- 安心しろ。
- 俺はもうお前たちとは戦わない。
- ルジーナ
- 随分、聞き分けがいいじゃねーか。
- 彼女の声でも聞こえたか?
- セリア
- まとまりそうなのに茶化さないでよ!
- アーク
- いや、その男の言う通りだ。
- セリア
- えっ?
- 打ち所が悪かったの!?
- カル
- そういうことじゃないだろ……。
- アーク
- {Summoner}に倒され
- 気絶している時、
- 俺は確かにイリアの声を聞いた。
- 酷く小さく微かな声だったから
- それはこの地に残るイリアの力の残滓
- なのかもしれない。
- それでも俺は確かに聞いたんだ。
- 人を捨て悠久の時を生きる中、
- 望み続けた彼女の声を……。
- ティリス
- アーク……。
- アーク
- お前たちの言葉を信じるよ……。
- いや、信じてはいたんだが、
- 認めたくなかったんだろうな……。
- イリアが自分を諦めさせようと
- しているという事実を……。
- セリア
- …………。
- アーク
- {Summoner}、
- カルナ・マスタを倒すお前の戦いに
- 俺も協力させてくれ。
- 俺がこの地に眠る、イリアの力を
- 必ず呼び起こしてみせる!
- ティリス
- {Summoner}、アーク、
- 2人とも良かったね!
- セリア
- まったく最初からとっとと
- こっちの手伝いをすればいいのよ!
- 敵になったり味方になったり……。
- カルもルジーナもそうだけど
- 男って面倒なのばっかりね。
- カル
- 返す言葉もないな……。
- パリス
- フフッ、でも、カルナ・マスタと戦う前に
- 心強い仲間が増えたわね。
- ルジーナ
- ケッ、六英雄をダマして殺した男だ。
- 俺たちも気を付けねーとな。
- セリア
- ルジーナ、アンタ遂に自分を六英雄と
- 同等に扱い始めたの?
- そこまでいくと
- さすがに私も残念に思い始めるわよ……。
- ルジーナ
- ふざけんな!
- そんなつもりはねー!
- このルジーナ様が、世界を救えなかった
- 六英雄と同等なわけねーだろーが!
- パリス
- そっちなのね……。
- カル
- ハハッ、みんなアークさんが仲間になって
- 嬉しいのはわかるが、
- 話は先に進みながらにしようぜ。
- ティリス
- うん、そうだね!
- これでルジくんが心配していた
- 問題もほとんどわかったし、
- 安心して進めるね!
- ルジーナ
- 別の問題は出てきてるがな……。
- ティリス
- ん?
- ルジくん、何か言った?
- ルジーナ
- いや、なんでもねーよ。
- カルナ・マスタを倒した時に受ける
- 俺様への賞賛を想像してただけだ。
- セリア
- うわ…気持ち悪い……。
- パリス
- 心の底から嫌いだわ……。
- ルジーナ
- テメーら、上等だ!
- カル
- お前らもう止めておけって。
- アークさんも困った顔してるぞ。
- アーク
- い、いや俺は……。
- ティリス
- フフッ、みんな笑顔でバッチリだね!
- よ~し、{Summoner}、
- 最後の戦いに向けて
- しゅっぱ~~~つ![/spoiler][Spoiler=Part 6]パリス
- ここは……。
- あきらかに生物が暮らしていた形跡が
- あるけれど、
- これも獣人たちの遺跡になるのかしら?
- アーク
- いや、俺がこの地を調べた限りだと
- これはイシュグリアとは別の世界、
- グランガイアでもエルガイアでもない
- 異界から流れてきた街だそうだ。
- セリア
- 異界から流れてきた?
- アーク
- そうだ。
- カルナ・マスタがこの地に降りて
- 暴れた際に
- その余波で異界との扉が開き、
- 街ごと現れたらしい。
- その後の戦いの中で街の住民は
- イシュグリアの他の地へと逃れ、
- その後は不明なようだがな。
- パリス
- 異界と繋がる扉……。
- 色々な伝承は残っているけど
- こんな大きな規模で開くなんて
- それだけカルナ・マスタの力が
- 強かったってことなのね……。
- セリア
- パリス、ここに興味があるのはわかるけど
- 今は止めてね。
- パリス
- だ、大丈夫よ!
- さすがに私も状況は理解しているわ!
- ティリス
- あ、あの石碑って何だろう?
- パリス
- え!? どれですか!
- どこの石碑ですか!!
- ティリス
- エヘッ、冗談だよ~♪
- パリス
- ティ、ティリス様!
- ティリス
- エヘヘッ、やっぱりパリスは可愛いね♪
- パリス
- ティリス様、本当に止めてください……。
- セリア
- ハアー、まあいいわ。
- それより、気になるのは
- カルナ・マスタの力よ。
- パリスがさっき言ったように
- これほどの規模の異界への扉を開く力、
- アーク、実際に戦った経験のあるあなたの
- 意見を聞かせてほしいわ。
- アーク
- そうだな……。
- あの時の俺たちは若かった。
- 自分の力を、仲間との絆を信じ、
- 自分たちにできないことはないと
- 思っていた。
- そう…神を倒すことだって
- できると信じていたんだ……。
- セリア
- …………。
- アーク
- だが、それは思い上がりだと知らされた。
- ヤツと対峙した瞬間、俺たち全員が
- それを感じさせられたんだ。
- 絶望的な存在感と力。
- カルナ・マスタがそこにあるだけで
- 俺たちの心は折れそうになった。
- だが、仲間たちの力を信じ、
- 俺たちはカルナ・マスタに立ち向かった。
- それぞれが助け合い、わずかずつだが
- 確かにヤツを苦しめていた。
- そう感じたんだ……。
- だが、カルナ・マスタは
- 真の力をまったく出していなかった。
- ヤツが本気の一撃を繰り出した時、
- 生き残っていたのは
- 俺の他に2人だけだった。
- とはいえ、その内の1人の死霊使いは
- 死後に自身を操る術をかけ戦ったんだがな。
- パリス
- 壮絶な戦いだったのね……。
- アーク
- お前たちは確かに強い。
- 召喚術という強力な力も持っている。
- だが、それでもカルナ・マスタとの間には
- 大きな差がある。
- 今のままでは確実に俺たちと同じ道を
- たどることになるだろう。
- ルジーナ
- そうならないためにも、お前には神託の
- 巫女の力を呼び起こしてもらわねーとな。
- アーク
- ああ、わかっている……。
- イリアが残してくれた希望は
- 必ず俺が……。
- セリア
- でもさ、単純な疑問なんだけれど
- 召喚術ってカルナ・マスタにも効くの?
- 召喚術ってカルナ・マスタが作ったのよね?
- 自分が作った力なら
- 自分には無効にしようとしたりしないの?
- ???
- その心配なら無用じゃ。
- セリア
- グラデンス様!
- オーン様!
- グラデンス
- {Summoner}よ。
- 無事にアーク殿と会えたようじゃな。
- アーク殿、
- どの様な経緯があったかは知らぬが、
- 皆とともにいるのを見る限り
- ご協力いただけると考えてよいのじゃな?
- アーク
- ああ、もちろんだ。
- この地に眠るイリアの力は
- 必ず俺が呼び起こす。
- そして、{Summoner}たちと
- ともにカルナ・マスタを倒す!
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、心強い言葉、
- さすがは神託の騎士殿じゃな。
- カル
- それもいいんだけどグラデンス爺さん。
- さっきの召喚術の話はどういうことだ?
- グラデンス
- 忘れたのか?
- ワシとオーンはカルナ・マスタと
- 戦ったのじゃぞ。
- アーク
- 本当か!?
- 2人ともよく今も生きているな……。
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、ヤツが本気になる前に
- ワシらは逃げ出したのでな。
- オーン
- お前が強引に俺を連れてな。
- グラデンス
- オーン、それはもうよいじゃろう……。
- それよりも重要なのは、カルナ・マスタに
- 召喚術が確かに通じたという事実じゃ。
- ルジーナ
- ケッ、それはありがたい話だな。
- だが、そうなるとカルナ・マスタ様ってのは
- 相当なマヌケだな。
- 自分の作った術で
- 自分がやられるんだからよ。
- アーク
- いや、おそらくカルナ・マスタは人間と
- いう存在を気にすらしていないのだろう。
- 召喚術があろうとなかろうとな。
- ルジーナ
- ケッ、大神皇様はどこまでも偉いんだなー。
- こんな所に封じられたクセによー。
- カル
- …………。
- グラデンス爺さん、オーンさん、
- 俺たちはメノンでベルツに会った。
- アイツが言うにはカルナ・マスタを倒せば
- カルナ・マスタが作り出した召喚術は
- 消えるかもしれないとのことだ。
- このことについて召喚老である2人は
- わかっていたのか?
- 召喚術が消えればアクラス召喚院の
- 存在意義は薄れる。
- それで、本当にいいんだな。
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、お主に心配されるほど
- ワシらはもうろくしておらんよ。
- カルナ・マスタを倒せば召喚術が
- 消えるかもしれぬ。
- そんなことは百も承知じゃ。
- だが、アクラス召喚院の存在意義は
- そこにはない。
- あくまでアクラスが残した遺志を継ぎ
- 神々の支配から人を解放することじゃ。
- カル
- だが、それは爺さんたちの目的であって、
- 多くの召喚師や召喚院に務める人たちは
- 大混乱に陥るんじゃないのか?
- グラデンス
- ワシらを甘く見るでない。
- アクラス召喚院の今の力は、
- 召喚術だけに頼るものではない。
- たとえ召喚術が無くなろうと、
- 経済的な影響力はもちろん
- 武力としても多大じゃ。
- そこら辺はすでにウォーロンが
- 動いておるわ。
- カル
- ウォーロンさんか……。
- ハアー、わかったよ。
- 俺が心配するまでもなかったな。
- オーン
- フン、そもそも召喚術だけに頼っているから
- そんな心配をするのだ。
- 己の力をさらに磨き続けろ!
- でなければ、召喚術があろうがなかろうが
- そんな者は戦士にはなれん!
- カル
- オーンさんの言う通りだな。
- 耳が痛いよ……。
- ルジーナ
- お前らも俺のように召喚術以外も
- しっかりと鍛えるんだな。
- 特に{Summoner}、
- お前はな!
- パリス
- どこまでも意地が悪いわね……。
- セリア
- でもまあ、それはそうかもねー。
- {Summoner}から召喚術を取ったら
- 何も残らないものね。
- ティリス
- そんなことないよ~!
- 召喚術が無くたって
- {Summoner}は凄いんだから!
- セリア
- 例えばどこが凄いの?
- ティリス
- えっと…優しいところとか、
- どんな時も諦めないところとか……。
- セリア
- 精神的なところばっかりね。
- ティリス
- え~~ん!
- カルくん助けて~~!
- カル
- えっと、そうだなー。
- …………。
- 解毒薬を作るのがうまいぜ!
- セリア
- そんな懐かしい話、
- 他のみんなは知らないから……。
- カル
- ハハッ、{Summoner}、
- 冗談だって。
- そう落ち込むなよ。
- お前の凄さは本当は
- みんなわかってるからさ。
- パリス
- フフッ、そうね。
- 私も{Summoner}の
- 凄さは知っているわ。
- このイシュグリアの地で
- 一緒に旅をして
- それまで以上によく理解しているつもりよ。
- カル
- パリスさん、ありがとう……。
- って、なんで俺がお礼をしてるんだ!
- {Summoner}、
- お前も何か言えって!
- オーン
- くだらぬ話はもういい。
- 俺は召喚術が消えることは
- 人にとって良いことだと考えている。
- この力は人が元々持っていなかった
- いびつな力だ。
- その力のせいで無駄な争いも
- 起きつつある。
- ならば、いっそ消えてしまえばいいのだ。
- 人は召喚術が無くても強く生きてきた。
- 神々との大戦の時も
- エルガイアに逃れた時も
- ルシアスの門が開いたその時までな。
- 俺は人の強さを信じている。
- 今までもこれからもな。
- セリア
- オーン様……。
- ルジーナ
- ケッ……。
- カル
- ハハッ、そうだな。
- オーンさんの期待を裏切らないように
- しないとな。
- ティリス
- うん、オーンちゃんは
- やっぱり良い子だね♪
- パリス
- ティ、ティリス様……。
- オーン
- 女神ティリスよ。
- 我々アクラス召喚院の召喚老は
- 人が神から独立することを目指している。
- しかしそれは、決して神々をないがしろに
- するということではない。
- 我々は人間を救ってくれたあなたに
- 心の底から感謝している。
- あなたが我々に望むことがあるのなら
- 我々は全力でそれに応えるつもりだ。
- セリア
- オーン様が……。
- パリス
- 怒っていたわけではないのですね……。
- オーン
- 何を勘違いしている。
- 人を救ってくれた女神に対して礼節を
- 持って接するのは当然だろう。
- 問題なのはお前たちの言動だ。
- この戦いが終わったら覚悟しておくのだな。
- パリス
- ちょ、ちょっと待ってください!
- セリア
- これはティリスが私たちに!
- ティリス
- ね、みんな言ったでしょ!
- オーンちゃんは素直な良い子だって♪
- セリア
- どこが“良い子”なのよ!
- ルジーナ!
- アンタ、何逃げようとしてるのよ!
- ルジーナ
- うるせー!
- 俺を巻き込むな!
- セリア
- 待ちなさいよ!
- パリス
- ま、待って!
- 私を置いていかないで!
- カル
- おい、2人とも待てって!
- ったくここまで来ても変わらねーなー。
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、
- 相変わらず賑やかな連中じゃのー。
- では、ティリスちゃん、アーク殿、オーン、
- ワシらも出発するかの。
- ティリス
- そうだね♪
- {Summoner}も
- 早く行こうよ~~!
- グラデンス
- {Summoner}よ。
- 次はいよいよ、
- カルナ・マスタとの決戦じゃ。
- ヤツがその身を置く地の名は
- “虚空封界メノン”。
- 天をも貫く巨大な山の
- さらに先にある。
- …………。
- カルナ・マスタと戦ったワシにはわかる。
- お主の力はこの戦いの鍵の1つじゃ。
- 決して油断することなく
- 戦いに臨むのじゃぞ。
- お前は神託の巫女だけではなく、ワシら
- 今を生きる者の希望でもあるのだからな。[/spoiler][Spoiler=Part 7 1/4]カル
- ここが虚空封界メノンか……。
- ルジーナ
- いかにも大神皇様がいるような
- 神々しさがあっていいじゃねーか。
- セリア
- ルジくん、強がってるけど
- もしかして怖いの?
- ルジーナ
- ふざけんな!
- テメーこそ怖くて
- 震えてるんじゃねーか?
- セリア
- 違うわよ!
- 山の上で寒いからに決まってるでしょ!
- ルジーナ
- そんな格好してるから
- 寒いんじゃねーのか?
- セリア
- アンタには関係無いでしょ!
- パリス
- 大神皇との戦いの前だっていうのに
- 本当に緊張感が無いわね。
- カル
- ハハッ、でも緊張し過ぎるよりは
- いいんじゃないか?
- パリス
- それはそうだけど……。
- ティリス
- …………。
- セリア
- どうしたの、ティリス?
- オーン
- さすがにティリス様は
- 気付いているようだな。
- それに比べてお前たちは。
- グラデンス
- オーンよ。
- 良いか?
- オーン
- フン、他に手はあるまい。
- カル
- 爺さんたちどうしたんだ?
- グラデンス
- まだ気が付かぬのか?
- だとしたら本当に修行が足りぬな。
- 感じぬのか?
- 遠くから迫り来る大量の気配を。
- セリア
- えっ…こ…これは!?
- パリス
- どうしてこれほどの魔神の気配が。
- グラデンス
- お主たちがこの地を支配する魔神たちを
- 倒してきたからじゃろう。
- 魔神たちの秩序は力ある者が正義。
- 強大な魔神を倒したお前たちを倒して
- 自分が新たな支配者になろうとでも
- 思っておるのじゃないか?
- パリス
- でも、どうしてこのタイミングで!
- ルジーナ
- クソッ、メノンの封印が解かれたことに
- 気が付きやがったのか。
- グラデンス
- そうじゃ。
- セリア
- ここで私たちの邪魔をしたら
- カルナ・マスタがどうなるかわからないの?
- アーク
- カルナ・マスタと戦うことを
- 止めるつもりの魔神もいるんだろう。
- ルジーナ
- もしくは、それすらも理解できない
- 低級ってことか。
- どちらにしろ、ザコ魔神ばっかりなら
- ここで蹴散らすしかねーな。
- グラデンス
- ルジーナよ。
- お主にしては甘い判断じゃな。
- お前は何のためにメノンでの戦いを
- {Summoner}に任せてきたのじゃ?
- カルナ・マスタとの戦いで
- {Summoner}に頼らず戦えるよう
- 少しでもお主たちの力を
- 温存しておくためじゃろう?
- カル
- 爺さん、気付いてたのか?
- グラデンス
- 当たり前じゃ。
- なぜここに来るまでお主たちに
- メノンでの話を聞いたと思っておる。
- パリス
- {Summoner}、ごめんなさい。
- 悪気があったわけじゃないの。
- 今までの戦いで私たちはいつも最後は
- あなたに頼り切りだった。
- だから、今度は私たちが
- なんとかしようと思って……。
- オーン
- フン、くだらぬ策だな。
- 結局、最後は強い者が弱い者を助けるだけ。
- 力など温存するものではない。
- 使える時に使うだけだ。
- カル
- ハハッ、オーンさんなら
- それでいいかもしれないが、
- 俺たちはまだ修行不足でね。
- セリアが提案してくれた時、
- 俺は嬉しかったぜ。
- セリア
- な、カル!
- 私は提案なんかしてないわよ!
- {Summoner}!
- そんな驚いた顔しないでよ!
- 私はただ悔しかったのよ。
- いつも最後は{Summoner}に
- 頼りっ放しの自分が……。
- ルジーナ
- まあ、俺はそんなこと関係無く
- 面倒事を押し付けたかっただけだがな。
- パリス
- セリアの話を聞いた後に
- 細かい策を出したのは誰だったかしら。
- ルジーナ
- うるせーな!
- やるからには徹底してやる!
- それが俺のやり方なんだよ!
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、だとしたら
- それは最後まで徹底しないとの。
- お主なら気が付いてるのだろう?
- 今の最善策を。
- ルジーナ
- …………。
- チッ、わかったよ!
- それを俺に言わせるんだ!
- それなりの見返りは用意してもらうぜ!
- グラデンス
- もちろんじゃよ、ルジーナ。
- ワシはお主の力を認めておるのじゃから。
- ルジーナ
- ケッ、まあいい。
- おい、お前らいいか!
- これからここに現れるザコ魔神どもは
- 召喚老の2人に任せて
- 俺たちはカルナ・マスタを目指す!
- セリア
- ちょっと、どういうことよ!
- ルジーナ
- うるせー!
- 黙って最後まで聞け!
- 全員、カルナ・マスタの位置は
- 感じているな?
- これだけデカい気配だ。
- わからねーわけねーよな?
- パリス
- え、ええ……。
- ルジーナ
- だったら今からお前たちは
- 全員別の道を進め!
- その途中で神託の巫女の力を
- 探しながらな!
- パリス
- 戦力を分散するというの!?
- ルジーナ
- 違う!
- あくまで効率良く巫女の力を探すだけだ!
- バラバラに動いてたら
- 爺さんたちがもたないだろうが!
- オーン
- フン、貴様に心配されるいわれはない。
- ルジーナ
- いちいち絡んでくるな!
- 時間がねーんだよ!
- 全員で神託の巫女の力を探しながら
- カルナ・マスタの元で合流。
- その後に神託の巫女の力とともに
- カルナ・マスタに戦いを挑む!
- {Summoner}!
- 今度こそ抜け駆けするんじゃねーぞ!
- わかったな!
- それと、カル。
- この作戦、お前には何も言わせねーぞ。
- カル
- ああ、わかってる。
- 爺さんたちも俺なんかに
- 心配されたくはないだろうからな。
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、
- わかっとるじゃないか。
- 手柄は若い連中に譲ってやる。
- しっかりと全員の力を集結させて
- カルナ・マスタを倒してこい!
- ルジーナ
- 言われるまでもねー!
- 行くぞ、お前ら!
- 年寄りどもにこれからは誰の時代かを
- 教えてやるんだ!
- アーク
- 俺も行かせてもらう。
- 後は頼んだぞ。
- パリス
- グラデンス様、オーン様。
- どうかご無事で……。
- あなたたちに拾っていただいた恩、
- 私はまだ返していませんから。
- セリア
- 私が何を言っても
- 意味はないかもしれません。
- それでも言わせてください。
- 必ずまた会えると信じています。
- ティリス
- グラ爺、オーンちゃん、
- 2人ともまだ若いんだから
- 無茶はしないでね!
- {Summoner}を
- 信じて待ってて!
- 必ず2人を助けに戻るから!
- ホラ、{Summoner}も
- 行こう!
- 後はカルくんに任せて!
- グラデンス
- {Summoner}よ。
- 皆のことを頼むぞ。
- グラデンス
- さて、カルよ。
- お主も早く出発しろ。
- カル
- ああ、そうだな……。
- グラデンス
- お主も本当の父親に会えたんじゃ。
- ワシのような仮の親からは
- 早く親離れしないとな。
- カル
- そんなんじゃない!
- 俺は確かに自分の生まれを気にしていた。
- でも、それは爺さんから
- 離れるためじゃない。
- そんなんじゃないんだ……。
- グラデンス
- カルよ……。
- カル
- 爺さんは何があったって
- 俺の大切な親だ。
- だから…だから絶対に死なないでくれ!
- グラデンス
- 当たり前じゃ。
- ワシがそう簡単にやられると思うか?
- カル
- ああ、そうだったな……。
- グラデンス
- お主こそ決して死ぬんじゃないぞ。
- 言うまでもないが、
- カルナ・マスタは簡単な相手じゃないぞ。
- カル
- ああ、わかっている。
- 俺はみんなと必ずカルナ・マスタを倒す!
- だから爺さんも必ず生き残るんだぞ!
- 約束だからな!
- グラデンス
- ああ、約束じゃ。
- ホレ、早く行け!
- ワシの息子なら他の者になぞ
- 遅れを取るんじゃないぞ!
- カル
- 爺さん……。
- いや…父さん…ありがとう……。
- グラデンス
- …………。
- オーン
- 終わったか?
- グラデンス
- …………。
- オーン
- フン、涙で戦いを鈍らすなよ。
- グラデンス
- 泣いてなぞおらんわ……。
- オーン
- フン……。
- グラデンス
- なんじゃ、お主、
- もしかして羨ましいのか?
- だからお主も家族を持てと
- あれほど……。
- オーンよ、もしかしてお主、
- あの時の彼女をまだ!?
- オーン
- グラデンス、お前は魔神と戦う前に
- 俺に殺られたいようだな……。
- グラデンス
- ま、待て!
- 落ち着け!
- オーン
- …………。
- オーン
- ……どうやら遊びもここまでのようだな。
- グラデンス
- フォッ!?
- これは数えるのも面倒な数じゃな。
- オーン
- 数など関係無い。
- 向かってくるものを倒し続けるだけだ。
- グラデンス
- そうじゃな。
- オーン
- それにここで俺たちが死んでみろ。
- 後に残ったウォーロンが
- 何をすると思う?
- グラデンス
- ……そうじゃったな。
- それを考えると
- 何としても生き延びんといかんな。
- オーン
- まあ、俺は元より死ぬつもりなど
- まったく無いがな。
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、
- お主はやはり変わらんな。
- いいじゃろう!
- さあ、魔神ども!
- 来るがいい!
- 我が友イシュリオンの刃で
- その身を裂かれる覚悟があるのならば
- 白銀の冥神と恐れられたこのグラデンスが
- 貴様たちの相手になろう!
- オーン
- フン、大層な口上だな。
- 名乗りなど不要!
- 俺の前に現れたものは叩き斬る!
- ただそれだけだ!
- グラデンス
- カルよ…そして他の者たちよ…
- 必ず生きてエルガイアに戻るのじゃぞ。
- お主たちはこれからの世界に
- 必要となる人間なのじゃからな。[/spoiler][Spoiler=Part 7 2/4]アーク
- {Summoner}、来たか……。
- お前が通った道には
- イリアの力は無かったようだな。
- 俺が通った道でも
- イリアの力を感じることは無かった。
- おそらく、他の者たちの道にも
- それは無いだろう。
- …………。
- {Summoner}、
- お前にもわかるだろう?
- カルナ・マスタはおそらくこの先にいる。
- そして、イリアの力も
- この先で眠っている。
- 理屈じゃない。
- 感じるんだ。
- 神託の巫女を守るべき騎士、
- 神託の騎士である俺だからわかる。
- いや…長い間、探し求め続けた
- 大切な相手の力だからわかる。
- {Summoner}、
- 悪いが俺は先に行かせてもらう。
- 他の者が来る前に、この先で眠っている
- イリアの力を呼び起こしてみせる。
- お前たちはその後に
- カルナ・マスタを倒してくれ。
- アーク
- …………。
- バカな!
- お前まで付いてきてどうする!
- 大丈夫だ。
- 俺は…冷静だ。
- いや、違うな……。
- 俺は今すぐにイリアを感じたい!
- たとえそれが本人ではないとしても!
- その力に彼女が残した力に
- 触れたいんだ!
- {Summoner}、
- 一緒に来てくれるか?
- イリアの力に触れるためには
- 少なからずカルナ・マスタの
- 気を引く必要がある。
- お前にはそれを頼みたい。
- 俺がイリアの力を呼び起こすまで
- お前の仲間が来るまで耐えてくれ。
- ……それでは、行くぞ!
- {Summoner}!
- アーク
- カルナ・マスタ!
- 聞こえるか!
- 俺の名は神託の騎士アーク!
- 今度こそお前を終わらせてみせる!
- あの時の仲間たちの願いと
- 今を生きる者の希望を知るがいい!
- アーク
- 何も答えないか……。
- ……あの時もそうだったな。
- お前は俺たちを何とも思っていない。
- 人が向かってくる虫に答えないように
- お前の目には俺たちは映っていないんだな。
- いいだろう。
- だったら俺は俺の役目を果たすだけだ!
- イリア、聞こえるか!
- 今こそ{Summoner}に
- 神託の巫女の力を!
- {Summoner}!
- 俺はイリアを呼び続ける!
- それまでカルナ・マスタを頼むぞ![/spoiler][Spoiler=Part 7 3/4]アーク
- グッ……
- イリア…なぜ答えてくれない……。
- !!
- {Summoner}、大丈夫か?
- グッ、この傷は……。
- クソッ、すまない……。
- 俺の予想が甘かった……。
- 封印されていても
- これほどの力があるとは……。
- だが、お前をここで死なせやしない。
- お前のことは何としても守る。
- たとえこの命が尽きようともな!
- ???
- そんな簡単に命を捨てないで!
- ティリス
- {Summoner}の
- バカ~~~~!</size>
- みんなで戦おうって言ったのに
- なんで先に行っちゃうの!
- セリア
- だから言ったでしょ。
- {Summoner}はバカだから
- どうせ先に着いたら戦っちゃうって。
- 今までもそうだったんだから
- そう簡単に変わらないわよ。
- パリス
- でも、{Summoner}にも
- 何か考えがあったんじゃないのかしら?
- 意味も無く単独行動を取ったり
- しないわよね?
- ルジーナ
- それをやるのがこいつがバカだって
- 証拠だろうが。
- ったく、お前はどれだけ手柄を
- 独り占めしたいんだよ。
- まあ、まんまとやられて俺の出番を
- 用意してたのは褒めてやるがな。
- カル
- まあ、なんとか間に合ってよかったよ。
- {Summoner}、アークさん、
- 色々あるだろうが、ここは俺たちに任せて
- 2人は下がっていてくれ。
- アーク
- お前たち……。
- ルジーナ
- ただで休ませるつもりはねーぞ!
- アーク、お前はこの間に
- とっとと神託の巫女の力を呼び起こせ!
- それと、{Summoner}!
- ティリスの力で少しは回復しただろうが
- 今のままじゃ足手まといだ!
- しっかり回復してからこっちに来い!
- わかったな!
- まあ、お前が間に合わなかったら
- 今回の報酬はお前の分も俺がもらうからな。
- セリア
- 決戦前にせこいこと言わないでよ。
- {Summoner}、先走った罰よ。
- 今度はアンタが私たちの戦いを見てなさい!
- パリス
- フフッ、これで少しは今までの借りが
- 返せるかしら?
- 見ていて。
- 私たちも戦えるってことを!
- ルジーナ
- カル、まさかそのまま戦うつもりじゃ
- ねーだろーな?
- カル
- ああ、わかってる……。
- 俺も全力で行くよ……。
- カル
- …………。
- カル
- カルナ・マスタ……覚悟しろ。
- この姿になった俺は手加減できないぜ。
- ティリス
- カルくん、カッコイイ~♪
- カル
- ティリス、せっかくキメたんだから
- 茶化さないでくれ……。
- {Summoner}、
- 今度は俺たちがお前のために戦う番だ。
- お前が戻ってくるまで負けやしない。
- だから早く来るんだぞ。
- 待ってるからな、親友!
- ティリス
- {Summoner}、安心して!
- みんなのことは私が守る!
- 私の中の封神の力!
- みんなを守って~~~!!
- パリス
- これは……体に力が満ちてくるわ……。
- セリア
- 女神の加護ってヤツ?
- アンタこんなことできるなら
- とっととやりなさいよ!
- ティリス
- 私だっていつもできるわけじゃないよ~!
- 今はみんなのことを想ったら
- 力が湧いてきて……。
- そんなことより{Summoner}!
- {Summoner}は
- ちゃんと自分の体を治して!
- 私は{Summoner}が
- 来てくれるって信じてるんだからね♪
- カル
- よし、それじゃあみんな行こうか!
- 敵は大神皇カルナ・マスタ!
- 必ず全員で生きてエルガイアに戻るんだ![/spoiler][Spoiler=Part 7 4/4]カル
- これで…どうだ!
- 神覇凍界『天零』!
- パリス
- まだよ!
- 幻凰陣『マルドゥーク』!
- セリア
- これならどう!
- 麗熾虹…『セラフィム』!
- セリア
- …………。
- そんな…これでもダメなの?
- ルジーナ
- いや、確かに効果はあった!
- ティリス!
- フォローしろ!
- 俺が決めてやる!
- ティリス
- ルジくん、任せて!
- ~ミラクルバトルキ~~~ッス♪~
- ルジーナ
- くらえ!
- 叢覇無刄『絶界』!
- アーク
- グッ……凄まじい力だ……。
- {Summoner}だけでなく
- 他の者にもこれほどの力が……。
- …………。
- !?
- これは!
- 感じる…確かに感じるぞ!
- イリアの力を!
- セリア
- どういうこと!?
- パリス
- おそらく今の攻撃でカルナ・マスタの力が
- 一時的に弱まったのかも。
- そこからイリアさんの力が!
- ルジーナ
- んなこたーどうでもいい!
- アーク、とっとと力を呼び起こせ!
- こっちもそろそろ限界だぞ!
- {Summoner}!
- お前もいつまでも休んでるんじゃねーぞ!
- パリス
- {Summoner}!
- 無理しないで!
- あなたのその傷じゃまだ……。
- ティリス
- パリス下がって!
- {Summoner}は私が!
- セリア
- ティリス、怪我人を助けてる余裕はないわ!
- {Summoner}、アンタも召喚師なら
- 自分でなんとかしてみなさい!
- カル
- クッ、さすがに厳しいな……。
- アークさん、頼む!
- 早くイリアさんの力を!
- アーク
- イリア…俺の声が聞こえるか?
- 俺はまた帰ってきた。
- だが、今度は未来を止めるためじゃない。
- 新たな未来を切り開くためだ。
- だから…だから俺に力を貸してくれ!
- 人の未来のために戦う希望に
- 神託の巫女の力を!
- イリア!
- 俺はここにいる!
- 俺はお前に会いたいんだ!
- 一瞬だけでもいい!
- お前の力を俺に感じさせてくれ!
- イリアーーーーー!
- セリア
- これは……。
- パリス
- カルナ・マスタの中から光が!
- ティリス
- これは封印の力!?
- 私に似た力を感じるよ!
- 自分を信じて…
- 希望はあなたとともに…
- ルジーナ
- クソッ、何が起きてやがる!
- 神託の巫女の力はどうなった!?
- ティリス
- 大丈夫!
- 感じるよ!
- カルナ・マスタの力は
- 確かに弱まってる!
- でも……
- カル
- どうやら様子がおかしいようだな……。
- アーク
- イリア……。
- どうやらここに残されたイリアの力は
- 長い年月、カルナ・マスタを
- 封じ続けていたようで
- その力を大きく減らしてしまっている。
- セリア
- だったらこのままやるだけよ!
- カル
- セリア、待て!
- 今のままじゃこれまでと変わらない!
- セリア
- だったら!
- ティリス
- 私に任せて!
- 今、カルナ・マスタを封じている力を
- 私が増幅させてみせる!
- セリア
- そんなことができるの?
- ティリス
- わからない!
- けど、やってみないと!
- アーク、私に力を貸して!
- イリアの想いに応えるには
- あなたの力が必要なの!
- アーク
- もちろんだ。
- 俺からも頼む。
- イリアの祈りを助けてやってくれ!
- ティリス
- それじゃあみんな、行くよ!
- パリス
- 待ってください!
- あちらから魔神が!
- ルジーナ
- クソッ、こんな時に!
- 召喚老の2人はどうしてやがる!
- カル
- 爺さん……。
- セリア
- カル、酷なようだけど
- 考えてる暇はないわ!
- 魔神たちの相手は私たちがしないと。
- カル
- ああ、わかってる。
- 爺さんたちは簡単にやられたりしないさ。
- パリス
- でも、そうなるとカルナ・マスタを
- 倒すのは……。
- セリア
- そんなの決まってるでしょ。
- パリス
- でも、まだ傷が!
- ……えっ、{Summoner}!?
- セリア
- その程度の傷で
- こんな時に立てないヤツだったら
- もうとっくにくたばっているわよ。
- ホラ、バカはバカらしく
- とっとと立ち上がりなさい!
- 後は頼んだわよ……。
- ちゃんと勝てたら
- 手当ぐらいしてあげるからさ。
- ルジーナ
- チッ、ムカつくがこの際仕方ねー。
- 休んでた分まで働いてもらうぞ!
- ……いいか、くたばるんじゃねーぞ。
- お前にはまだ利用価値があるんだからよー!
- パリス
- フフッ、やっぱり最後は
- あなたに頼ってしまうのね。
- でも、私は信じているわ。
- あなたならきっと勝てるって。
- だって、私は何度もあなたが起こした奇跡を
- この目で見てきたのだから。
- いつかあなたの記録を私に残させて。
- 価値ある素敵な資料にしてあげるから。
- カル
- 俺はもう何も言わない。
- 戦いが終わった後にゆっくり話すからな。
- ……後は頼んだぜ。
- 親友!
- アーク
- 俺とイリアのことなど気にするな。
- お前は俺たち人間の希望だ。
- その光でカルナ・マスタを倒してくれ!
- ティリス
- {Summoner}……。
- 私はいつだって{Summoner}を
- 信じているよ。
- {Summoner}はいつだって
- 私の期待に応えてくれたから……。
- だから……
- だからこの戦い、絶対に勝とうね!
- そうしたら、今度こそみんなで海に行こう♪
- カルナ・マスタに勝って!
- {Summoner}!
- 私の大切な召喚師![/spoiler][Spoiler=Ending]大神皇たる我が滅びるのか…
- 愚かな人の子よ…
- 汝はすぐに知ることとなろう…
- 己が犯した罪の重さを…
- 人という種の業の深さを…
- この世界の神として
- 我は言葉を遺そう…
- 人のためではなく
- この世界のために…
- 決して求めるな…
- あれはすべてを滅ぼす破壊の力…
- 何者も触れてはならぬ存在…
- 我は憂う…
- 我が世界が人により滅ぶことを…
- ???
- …………!
- {Summoner}……!
- {Summoner}!
- セリア
- {Summoner}!
- 早く起きなさいよ!
- ティリスが……
- ティリスが大変なんだから!
- ティリス、しっかりして!
- {Summoner}が来たわよ!
- ティリス
- {Summoner}……。
- 無事で…よかった……。
- ウッ…グッ……。
- パリス
- ティリス様、無理をしないでください!
- ティリス
- 私…は大丈夫…だよ……。
- やったね……。
- さすが…私の…大切な召喚師……。
- ウゥッ……。
- セリア
- ティリス!
- {Summoner}!
- アンタ、なんとかできないの!?
- カル、パリス、ルジーナ!
- 誰でもいいからティリスを助けて!
- カル
- クッ……。
- ルジーナ
- チッ……。
- パリス
- …………。
- ティリス
- セリア…大丈夫…
- すぐに…元気になるから…
- だから、今は少しだけ…
- やす…ませ…
- セリア
- ティリス!
- アーク
- イリア!
- 聞こえているか!
- カルナ・マスタを倒すため
- 力を尽くしてくれた女神を救うため
- お前の力を貸してくれ!
- 彼女はここで死ぬべき存在じゃない!
- イリア!
- お前の力をーーー!
- アーク…
- あなたの声が聞こえたの…
- 私の最後の力を使って
- 女神様を救ってみせる…
- だから…安心して…
- そしてあなたは…自由に生きて…
- {Summoner}さん…
- あなたのおかげで
- 私たちは救われました…
- これで長い旅が終わります…
- 私だけでなくアークの旅も…
- 心残りはもうありません…
- これで私も静かに眠れる…
- アーク…ありがとう…
- 私はあなたのことを……
- アーク
- イリア……!?
- イリアーーーーーー!
- ティリス
- うっ…くぅっ……。
- セリア
- ティリス!?
- ティリス
- セリ…ア?
- セリア
- ティリスーーーーー!!
- ティリス
- キャッ、セリア、痛い!
- 痛いよ~~!
- セリア
- 心配させた罰よ!
- これくらい我慢しなさい!
- ティリス
- ふえ~~ん、{Summoner}
- 助けて~~~。
- ……でも、どうして私?
- 暖かい光が私を包んで…
- そのあと……。
- カル
- イリアさんが助けてくれたんだ。
- 残されていた最後の力を使って……。
- ティリス
- 最後の…チカラ…?
- アーク…どういうこと?
- アーク
- ……いいんだ。
- イリアはいつだって自分より
- 他人のことを心配していた。
- 俺はそんな彼女だからこそ
- 大切だと思えたんだ……。
- ティリス
- アーク……。
- セリア
- ティリス、アンタも人のこと言えないわよ。
- パリス
- そうね……。
- カルナ・マスタの最後の攻撃……。
- ティリス様が私たちを守ってくださらなけ
- れば全滅していたでしょうね……。
- ティリス様は本当にいつもご自身を
- 犠牲にして無茶をするから……
- でも、ティリス様……
- ありがとうございました……。
- ティリス
- エヘヘッ、みんなを守るって
- {Summoner}と約束したからね♪
- セリア
- でも、それでアンタが死んだら
- 元も子もないでしょ!
- ……どれだけ心配したと思ってるのよ。
- ティリス
- セリア…ゴメンね……。
- セリア
- 謝らないで!
- ティリスは悪くないんだから!
- ティリスやイリアさんにそうさせてしまった
- 私たちの力不足が悪いのよ……。
- ティリス
- セリア……。
- カル
- 確かに俺たち1人1人の力は
- まだまだ弱い。
- でも、みんなの力を合わせたことで
- カルナ・マスタを倒すことができたんだ!
- 今はそれを喜ぼうぜ。
- そうしないと、俺たちを助けてくれた
- イリアさんやアークさんに申し訳ない……。
- アーク
- 気にするな。
- 俺たちは過去の人間だ。
- 今を生きるお前たちを助けるのは
- イリアの望みでもあったのだろう……。
- 今はカルナ・マスタを倒した喜びを
- 感じてくれた方が俺も嬉しい。
- セリア
- …………。
- カル
- アークさん…ありがとう……。
- ただ、喜ぶ前に1つだけ確認させてくれ。
- ティリス、グラデンス爺さんとオーンさんの
- 気配は感じられるか?
- ティリス
- ……カルくん、ゴメンね。
- 2人の力は感じられない……。
- カル
- そうか……。
- ティリス
- で、でも!
- たくさんあった魔神の気配も消えてるから
- もしかしたら…
- ううん、きっと2人は無事だよ!
- カル
- ああ、そうだな。
- 爺さんたちがそう簡単に
- くたばるわけないよな。
- ???
- 皆さん、お疲れ様でした。
- ルジーナ
- ベルツ……。
- ベルツ
- 本当にカルナ・マスタを倒してしまうとは
- さすがアクラス召喚院の皆さんと
- 女神ティリス様。
- そして、神託の騎士アーク……。
- いやはや、その強大な力、
- 同じ時代を生きる者として恐ろしいですね。
- セリア
- 何が言いたいの?
- ベルツ
- そんなに怖い顔をしないでください。
- 私は純粋に皆さんを労いに来た
- だけなのですから。
- カル
- 労いに…ね……。
- ベルツ
- それはそうと、どうやら
- まだ召喚術は使えるようですね?
- カル
- どうしてわかるんだ?
- 俺たちはまだ何も試してないぜ。
- ベルツ
- 私が試しました。
- 実は私も少しですが召喚術を使えるもので。
- パリス
- 本当に食えない人ね……。
- ベルツ
- 言う機会が無かったもので。
- でも、ルジーナから聞いていないのですか?
- ルジーナ、どうして大切な仲間の皆さんに
- お伝えしなかったんだ。
- やっぱり俺のことを思って
- 隠してくれていたのかい?
- ルジーナ
- 必要が無かっただけだ。
- お前が何者だろうと俺たちには関係ねー。
- ただそれだけだ。
- ベルツ
- フフッ、本当にそれだけなのか?
- ルジーナ
- …………。
- ベルツ
- まあ、今はそれでいいとしよう。
- さて、皆さん。
- なぜ召喚術は消えていないのでしょうか?
- 興味がありませんか?
- セリア
- 別に無いわ。
- 召喚術は今後も使える。
- その事実だけで十分よ。
- ベルツ
- ハハハッ、さすがセリアさん。
- では、ここからは私の独り言です。
- 興味が無ければ耳を塞いでおいてください。
- 私の所属するエルガイア連邦では、
- アクラス召喚院の動向を監視し続けていて
- いつかカルナ・マスタと戦い倒すだろう
- ことを想定していました。
- そして、その後について
- いくつかのパターンを予測していたのです。
- その1つがカルナ・マスタを倒しても
- 召喚術が消えないという今の状況です。
- パリス
- …………。
- ベルツ
- 実はこの状況は比較的に確率が高いと
- 想定していまして、
- なぜそうなるか、その後どうなるかは
- 何度も検討し合いました。
- その内容を聞いてもらえますか?
- セリア
- 嫌だと言っても話すんでしょう?
- だったらとっとと話してよ。
- ベルツ
- ありがとうございます。
- では、お言葉に甘えて。
- さて皆さん。
- 召喚術はカルナ・マスタが作った。
- この事実は皆さんならご存知でしょう。
- セリア
- なんでアンタが知ってるかは
- 知らないけどね。
- ベルツ
- フフッ、男は秘密が多い方が
- 魅力的だと思いませんか?
- セリア
- いいから、早く続けて。
- ベルツ
- では、続けさせていただきます。
- 私たちの調査だと召喚術を作ったのは
- カルナ・マスタですが
- その力の源は別の所にあるようなのです。
- パリス
- 別の…場所?
- ベルツ
- そうです。
- 別の場所です。
- ティリス
- でも、そんな場所、
- 私は知らないよ?
- ベルツ
- ティリス様がご存知無いのも当然です。
- その場所は、この世界とは別の世界
- “異界”なのですから。
- セリア
- 異界って良く聞くあの異界?
- ベルツ
- そうです。
- この世界とは異なる文化を持つ異界です。
- 皆さんは異界についてどうお考えですか?
- 「便利な力がある別の世界」程度の
- 認識なのでは?
- その認識は間違っていませんが
- その先があるのです。
- パリス
- その先……。
- ベルツ
- 私たちの調査では、
- 異界とは、かつてカルナ・マスタが
- この世界を支配するために戦った際、
- その強大な力で分断された世界なのです。
- かつては1つでありながらいくつもの世界に
- 分断されたもの。
- それが異界なのです。
- そして、その異界に
- 召喚術の源となる力が眠っている。
- これがエルガイア連邦の出した結論です。
- パリス
- 壮大な話ね……。
- でも、エルガイア連邦はどうやって
- その情報を入手したというの?
- それに、その推測が正しいとして
- どうして私たちにそれを話すの?
- あなたなら知っているのでしょう?
- 私がこの後、皇国に戻ることを。
- ベルツ
- ええ、知っていますよ。パリスさん。
- 私個人としては非常に残念な選択です。
- それ故に、この推測に関する情報源は
- 教えることができません。
- 皆さんとは個人的な仲ではありますが、
- その前に私も連邦の役人ですので。
- ルジーナ
- 連邦の役人ね……。
- ベルツ
- …………。
- さて、次はこの話をする理由ですね。
- それは簡単です。
- 不公平だからですよ!
- セリア
- 不公平?
- ベルツ
- そうです!
- この情報はおそらく連邦だけでなく
- 皇国や召喚院も知ることとなります。
- その時、すべての勢力は
- その力を求めて動き出すでしょう。
- 私はどの勢力が覇権を握ろうとも
- 良いと思っていますが、
- 私の目的のためにここまでがんばって
- くださった皆さんには
- 少し先の未来を推測するだけの情報を
- 知る権利があると思いましたので。
- セリア
- 私たちはアンタのために
- カルナ・マスタを倒したわけじゃないわ。
- アンタの目的がどんなものか
- 知らないけどね。
- ベルツ
- 私の目的はシンプルですよ。
- エルガイア、グランガイア、イシュグリア、
- この3つの世界における支配を
- 神や魔神ではなく、
- 人の手に取り戻したかっただけです。
- そして、それをこれからも続けられる
- 体制を作る。
- ここは本来、私たちの世界なのですから、
- 他の存在は元の世界へ戻っていただく。
- それだけです。
- セリア
- 支配とか元の世界とかどういうことよ?
- ベルツ
- それはこれからわかります。
- 皆さんはもうすでに
- 舞台の袖まで来ているのですから。
- ???
- そう言わず、今すぐに教えてくれんかの。
- パリス
- グラデンス様!
- オーン様!
- セリア
- 2人とも無事だったんですね!
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、
- そう簡単にやられはせんよ。
- まあ、途中、さすがに厳しくなり
- 何体か魔神を逃がしてしまったがの。
- …………。
- みな、本当によくやってくれた。
- 召喚老ではなく1人の召喚師として
- お主たちに礼を言わせてくれ。
- カル
- 礼なんかいらないよ……。
- よかった……。
- 生きていてくれて…本当に……。
- グラデンス
- なんじゃ、ワシらが死んだとでも思ったか?
- お主に心配されるほど老いては……。
- カル
- 心配するさ!
- 心配するに決まってるだろ……。
- グラデンス
- そうじゃな…すまない……。
- 心配をかけたの……。
- カル
- ま、まあ、もういいよ。
- お互いに生き残れたんだからな。
- グラデンス
- ああ…そうじゃな……。
- セリア
- カル…グラデンス様……。
- オーン様!
- オーン様も心配したんですよ!
- オーン
- フン、お前に心配される謂れはない。
- セリア
- 心配しま……。
- オーン
- 心配など無用!
- セリア
- うっ……。
- パリス
- オーン様はやっぱりオーン様ね……。
- ティリス
- でも、2人とも無事で本当によかったね♪
- ベルツ
- いやいや、本当にお2人とも
- 無事で何よりです。
- では、そろそろ話を戻しても
- よろしいでしょうか?
- グラデンス
- そうじゃな。
- お主に聞きたいことはたっぷりあるからの。
- ベルツ
- ぜひぜひお聞きください!
- 皆さんの勝利を祝して
- なんでもお答えしちゃいますよ!
- グラデンス
- ならばそうじゃな。
- アベル機関はどう動く?
- ベルツ
- アベル機関ですね!
- ええ、ええ、よく知っていますよ!
- アベル機関の動向ですが……。
- 秘密です♪
- セリア
- アンタって人は……。
- でも、グラデンス様、
- そもそもアベル機関って何ですか?
- ルジーナ
- アベル機関ってのは表向きは
- エルガイア連邦に所属する
- 異界の技術の研究機関だ。
- セリア
- ルジーナ?
- ベルツ
- …………。
- ルジーナ
- だが、“異界の技術”という大きな力を
- 持った組織は連邦の管理を越え、
- エルガイア各地に裏で影響を与えている。
- まあ、アクラス召喚院が表の世界で
- 国家間を越えて活動しているように
- アベル機関は裏の世界で
- 動いてるってことだ。
- その存在自体、知る者はほとんどいない。
- 権力の中枢に近い極一部を除いてな。
- パリス、お前なら名前くらいは
- 知っていたんだろ?
- パリス
- え、ええ……。
- エリオール様から少しは……。
- セリア
- でも、なんでそれをアンタが知ってるのよ!
- ベルツ
- それは、ルジーナがアベル機関に
- 所属していたことが過去にあるからです。
- 親友である私とともにね。
- パリス
- だから異界の遺跡や遺物にも
- 詳しかったのね……。
- そんな感じじゃ無いのに
- おかしいと思ったわ……。
- ルジーナ
- ケッ、どうでもいいことだ。
- それより問題なのは
- その名前が召喚老から出て、
- その存在をこいつが否定しないことだ。
- つまり、もう隠す必要がないんだろ?
- 異界に眠る召喚術の源となる力。
- それを狙ってヤツらも動き出すんだな?
- ベルツ
- ルジーナ、さっきも言っただろう?
- それは秘密だって。
- ただ、これだけはさっきも言った通りだ。
- 召喚術の源なる偉大な力。
- その情報はエルガイア連邦や
- ランドール皇国の上層部も知っていて
- 色々と動き出し始めている。
- アクラス召喚院に奪われた
- エルガイアの盟主の座を取り戻すためにね。
- グラデンス
- ワシらはエルガイアの盟主になったつもり
- など無いのじゃがな。
- ベルツ
- エルガイアでもっとも影響力を持つ
- 召喚老のお1人がご謙遜を。
- さて、私も色々と忙しくなるので
- そろそろお別れさせていただきます。
- 皆さん、次の戦いに向けて
- 英気を養っておいてくださいね♪
- 特に{Summoner}さん、
- あなたの存在はすべての組織から
- 注目され続けます。
- くれぐれもおかしな行動は
- 謹んでくださいね。
- あなたの言動1つで戦争が
- 始まるかもしれませんので。
- パリス
- 戦争……。
- ベルツ
- 神々や魔神たちとの戦いは終わりました!
- そして、次は人間同士の
- 醜い争いが始まるのです!
- ルジーナ
- ベルツ…テメー……。
- ベルツ
- ルジーナ、今度は今回みたく
- 俺も甘い顔はしないよ。
- 俺に協力する振りをしても
- これ以上の情報は与えるつもりはない。
- ルジーナ
- ケッ、んなことは、わかってる。
- ベルツ
- …………。
- 結局、かつての神々の判断は
- 正しかったのかもしれないな。
- 神や魔神を倒して人が自由になった結果が
- これなんだから……。
- セリア
- …………。
- なんなのよアイツはもーーー!
- 折角の勝利の気分が台無しじゃない!
- ルジーナ
- 気にするな。
- アレはアイツなりの嫌がらせなんだろうよ。
- ベルツの野郎は悔しかったんだろうぜ。
- 俺たちがカルナ・マスタを
- 犠牲なく倒したのがな。
- アイツの予測じゃー、
- 本当はもっと召喚院の力を減らして
- 次の戦いに備えたかったはずだ。
- もしくは俺らが全滅した後、
- おいしく自分が動くつもりだったか。
- セリア
- 徹底してイヤな奴ね……。
- でも、そこまでわかるなんて
- さすが幼馴染ね。
- カルと{Summoner}と
- 同じ感じってこと?
- ルジーナ
- そんなんじゃねーって言ってるだろ!
- ヤツとはただの腐れ縁なだけだ。
- まあ、だが俺にも考えがある。
- このままヤツのいいようにやられるのは
- 気分がワリーからな。
- パリス
- ベルツよりも悪そうな顔ね……。
- カル
- ルジーナ、お前はこの後、
- どうするつもりなんだ?
- ルジーナ
- ハン、ヤツがもっと嫌がることを
- するだけだ。
- アクラス召喚院の力をつけるっていうな!
- 召喚老ども、俺にもっと権限を寄越せ!
- 俺がアベル機関と戦う力を与えてやる!
- グラデンス
- ルジーナよ。
- お主の本来の目的はそれなのじゃろう?
- アベル機関と戦うための力を
- 作り出すというの。
- ルジーナ
- だったら、どうだってんだ?
- グラデンス
- どうもせんよ。
- ワシらも元よりそのつもりじゃ。
- ルジーナ、お主を
- 対異界調査対策室の室長に任命する。
- 部下の構成や必要なものについて
- お主の好きにするがいい。
- もちろん、実戦部隊の配備についてもな。
- 事務方やウォーロンには
- ワシから話しておく。
- ルジーナ
- ハン、悪くない判断じゃねーか。
- 俺に任せておきな。
- 連邦や皇国はもちろん、
- アベル機関の連中にも
- 2度と無駄な野望なんざ
- 抱けねーようにしてやるよ。
- セリア
- グラデンス様……ルジくんに
- そんな権限を与えちゃっていいんですか?
- もしかしたら連邦の諜報員かも
- しれないんですよ?
- グラデンス
- セリアよ、自分でも思ってないことを
- わざわざ言うでない。
- セリア
- それは……。
- グラデンス
- それとも、監視も含めてお主もルジーナの
- 部隊編成の手伝いをするか?
- セリア
- いえ、私もやりたいことがあるので、
- ルジーナと遊んでる暇はありません。
- 私は今回の戦いで痛感したんです。
- もっと強くならないと…
- 自分の意志を貫き通すほどに…って。
- パリス
- セリア……。
- セリア
- だから……。
- オーン様!
- 私を鍛えてください!
- オーン
- 断る!
- セリア
- 断らせません!
- オーン
- 断る!
- セリア
- ダメです!
- オーン
- 断る!
- セリア
- ……ケイト師匠にお願いしてでも
- 私を鍛えてもらいます。
- オーン
- ぬ……。
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、
- そうじゃったな。
- セリアの師匠はケイトじゃったな。
- オーンよ、お主、ケイトからの願いを
- 断り切る自信はあるのか?
- オーン
- フン……いいだろう。
- だが、セリアよ。
- お前には本当の地獄を見せてやる。
- この選択をお前が後悔するほどのな。
- セリア
- 望むところです。
- パリス
- グラデンス様、オーン様、
- 私は召喚院を辞め
- ランドール皇国に戻ることにしました。
- 今後、皇国がどのような動きをするのかは
- わかりませんが、
- 私がこれまでの戦いで得た、
- 最後まで諦めない心で
- 必ず戦争になることは止めてみせます。
- 関係無い人を巻き込むような戦いは
- 絶対にさせません。
- グラデンス
- フォッフォッフォッ、
- 頼もしい限りじゃな。
- パリスよ。
- 現時点をもってお主を
- アクラス召喚院から除名する。
- お主はもう自由じゃ。
- パリス
- ありがとうございました……。
- グラデンス
- とはいえ、いつでも遊びに来るんじゃぞ。
- パリス
- グラデンス様……。
- グラデンス
- できれば、夏場の薄着の時にな。
- パリス
- しっかりと皇国でがんばります……。
- カル
- グラデンス爺さん。
- 俺はイシュグリアにもう少し残る。
- バリュオンとはもっと話し合う
- 必要があるからな。
- リオメルグさんのことも気になるし……。
- グラデンス
- そうか。
- では、バリュオン殿に伝えておいてくれ。
- その内、挨拶に行くとの。
- カル
- ああ、伝えておくよ。
- アークさん、
- アンタはこれからどうするんだい?
- アーク
- 俺はこの地でもう一度イリアを
- 探してみる。
- セリア
- でも……。
- アーク
- 俺にはあれでイリアが消えたとは
- 到底思えない。
- あの言葉は俺をこれ以上縛らないための
- アイツのウソだと思うんだ。
- カル
- アークさん……。
- アーク
- 可能性は確かに低いかもしれない。
- だが、俺にはたっぷりと時間がある。
- イリアがダメと言っても
- 探し続けてやるさ。
- セリア
- だったら私たちも手伝うわ!
- アーク
- それはダメだ。
- セリア
- どうして!
- アーク
- お前たちには次の戦いが待っている。
- 今を生きるお前たちは自分たちの未来の
- ために戦わなければならない。
- 過去に捕らわれるのは俺だけで十分だ。
- セリア
- …………。
- アーク
- そんな顔をするな。
- 俺はお前たちのおかげで
- 十分、過去の呪縛から解放されている。
- ここから先は俺個人の問題だ。
- 俺の好きにさせてくれ。
- ティリス
- 大丈夫!
- アークだったら絶対にイリアさんを
- 助けることができるよ!
- だって、これまでず~っと
- がんばってきたんだもん!
- カル
- そうだな。
- アークさん、イリアさんと再会できること
- 祈ってるぜ。
- アーク
- ありがとう……。
- {Summoner}よ。
- お前たちが困った時は言ってくれ。
- 俺はどんな時、どんな場所だろうが
- 必ずお前たちに力を貸す!
- カル
- ハハッ、{Summoner}、
- 頼りになる味方ができたな。
- ティリス
- アーク、がんばってね!
- アーク
- ああ。
- ティリス、人々をこれからも頼む。
- ティリス
- うん、任せておいて♪
- セリア
- ティリス、アンタはこの後どうするの?
- もう、封印を続ける必要はないんでしょう?
- ティリス
- うん!
- 私はもう自由だよ♪
- グラ爺とオーンちゃんのおかげで、
- イシュグリアの封印を守る必要も
- もうなさそうだしね。
- だから私は……。
- セリア
- 私は?
- ティリス
- {Summoner}と一緒に海に行くの!
- セリア
- ハァ!?
- パリス
- う、海ですか?
- ティリス
- そう、海だよ!
- ず~~と約束したまんまだったから!
- ね、{Summoner}♪
- セリア
- ちょっと、{Summoner}!
- アンタ、みんながこれからのために
- 動こうって時にサボるつもり!?
- ティリス
- あ、もしかしてセリアも
- 一緒に行きたかった?
- だったら、セリアとパリスも
- 一緒に行こうよ!
- セリア・パリス
- 行かないわよ!
- 行きません!
- グラデンス
- だったらワシが一緒に行こうかの……。
- オーン
- お前にそんな時間を与えると思うか?
- グラデンス
- ちょ、ちょっと待てオーンよ!
- ワシだって少しくらいは休んでも
- いいじゃろうが!
- オーン
- お前は働け。
- カル
- ハハッ、そうだな。
- グラデンス爺さんは働いてないと
- 一気に老けそうだからな。
- グラデンス
- カルよ…お主まで……。
- カル
- で、{Summoner}、
- お前はどうするんだ?
- ティリス
- {Summoner}!
- 今度は私と一緒にゆっくりと世界を回ろう!
- 私、戦い無しで{Summoner}と一緒に
- もっと色々なものを見たいな。
- グランガイアにもイシュグリアにも
- きっと私たちが旅の中でみつけられなかった
- 素敵な場所がもっともっとあると思うから!
- グラデンス
- それもいいかもしれんの。
- {Summoner}よ。
- お主は本当によくやってくれた。
- 今度は自分の知見を広げるため
- 旅をするのもいいじゃろう。
- ティリスちゃんと一緒なのは
- 羨ましいがの……。
- パリス
- {Summoner}、私はあなたと一緒に
- 戦えたことを誇りに思うわ。
- だから、次に会う時には
- 今より成長した私を見せたいの。
- その時もっと成長したあなたとティリス様に
- 会えるのを楽しみにしているわ。
- 必ずまた会いましょう。
- セリア
- 見てなさい!
- {Summoner}!
- アンタがティリスと
- 遊んでいる間に
- 私は絶対にアンタより
- 強くなってやるんだから!
- だから…だから次に会う時は……
- 次に会う時は私と戦いなさい!
- いいわね!
- オーン
- フン、{Summoner}など
- 目標としては低すぎる。
- {Summoner}よ。
- もっと強くなれ。
- でなければ、俺がセリアを
- 鍛える意味が無いからな。
- いいか。
- これは命令だ。
- ルジーナ
- そうだな、{Summoner}。
- お前には強くなってもらわねーとな。
- お前は俺が作る次の組織の
- 一員なんだからよー。
- セリア
- また勝手なこと言って……。
- {Summoner}、はっきり言った方が
- いいわよ。
- ルジくんとは一緒に戦いたくないって。
- ルジーナ
- ふざけんな!
- なんでお前が言うんだよ!
- セリア
- うるさいわね!
- いつもいつも誘ってるけど
- 無視されてることに気が付きなさいよ!
- ルジーナ
- なんだと!
- パリス
- フフッ、{Summoner}。
- ティリス様との旅が落ち着いたら
- 皇国で私を手伝ってくれると嬉しいわ。
- あなたが一緒なら
- あの人たちを変えられるかもしれないから。
- ルジーナ
- パリス、テメー!
- ドサクサ紛れに何言ってやがる!
- セリア
- パリス、あなたまで何言ってるのよ!
- ティリス
- みんなダメ~~!
- {Summoner}は
- 私と一緒に海に行くんだから~!
- カル
- ハハッ、{Summoner}も
- 人気があって大変だな。
- お互いにそれぞれ別の道を進むが
- きっとまたすぐに道は交わるさ。
- だから、それまでにお互い
- しっかりと前に進み続けようぜ。
- 俺はいつだってお前の親友だからな。
- ティリス
- よ~~し、それじゃあ
- {Summoner}!
- まずはどこに行く?
- 久しぶりの{Summoner}と
- 2人での冒険楽しみだな♪
- 一緒だったらきっとみつけられるよ!
- {Summoner}と私が目指す
- 2人のフロンティアがね♪[/spoiler][b]EX:[/b]
- [Spoiler=Open]カロン
- {Summoner}か……。
- どうやら本当にカルナ・マスタを
- 倒したようだな。
- イリアの願いは
- 叶えられたということか……。
- だが、{Summoner}よ。
- ここを訪れたということは
- お前はまだ戦いを求めるというのか?
- カルナ・マスタの体は滅びた。
- ヤツの力と魂が復活することはないだろう。
- それに直接戦いを挑まない限りな。
- …………。
- {Summoner}よ。
- お前は何を期待している?
- 神託の巫女はその体と魂のすべてを
- カルナ・マスタの封印に捧げた。
- たとえすべての封印を解き
- カルナ・マスタのすべてを滅しても
- 彼女が救われることはない。
- お前がまだ微かでも希望を持っている
- というのなら
- その希望、私がすべて消してやろう。
- 神託の巫女イリアは戻らない。
- そのことを教えるためにな![/spoiler][Spoiler=Clear]カロン
- グッ……。
- さすがはカルナ・マスタを倒した召喚師。
- 私の力では止められぬか……。
- ならばお前には伝えよう。
- 私はカロンでもその分身でもなく
- 封魔導神カロンの“影”であることを。
- 私は間もなくその役目を終えて消滅する。
- それと同時に2つの封印が解ける。
- 1つは8体の魔神が封じた
- カルナ・マスタの真の力。
- お前が今までに倒した私は
- 影でなく分身体。
- それらは封印は担っていない。
- 今が真に封印が解ける時だ。
- そしてもう1つはカルナ・マスタの魂を
- 封じた地の封印。
- レームの西、ミルドランにあるその地では
- 今頃、解かれたカルナ・マスタの力が
- 自身の魂を探し求めているだろう。
- だが、その魂の最後の封印は
- 神託の巫女がその身を捧げて担っている。
- カルナ・マスタの魂と力が
- 復活することはない。
- 永遠にな……。
- …………。
- それでもお前は
- ミルドランに向かうのだろう?
- 眠れる破壊神を目覚めさせ
- 必要の無い戦いをするのだろう?
- 己の欲を満たすためだけに……。
- {Summoner}よ。
- お前は何を望み願う?
- 神をも倒すお前は人の人生をも
- その手で支配したいのか?
- 運命を見通す我が瞳でも
- お前の未来は見えない。
- アークやイリアも、
- お前の仲間たちの未来も……。
- それは幸せなのか、
- それとも不幸なのか……。
- いつかその答えを聞いてみたいものだ……。[/spoiler][/center]
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